JP5839116B2 - 光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents

光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物 Download PDF

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Description

本発明は、光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物に関し、本発明の組成物は、フレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ、液晶表示装置のバックライト用プリズムシート等のレンズシート、プラスチックレンズ、防眩シート、スクリーン並びに波長選択反射フィルム等の種々の光学材料で使用する光学フィルム又はシートに使用でき、特に熱線反射フィルム又はシートに好適に使用することができ、これら技術分野に属する。
透明プラスチック基材上に、金型転写により活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物からなる微細形状を形成し、レンズシート等の光学フィルム又はシート(以下、単に「光学フィルム」という)を製造する技術は広く知られている(例えば、特許文献1〜3)。これら技術においては、成形性(塗工性、微細形状への浸透性、及び金型からの離型性)と、透明プラスチック基材への硬化物の密着性が必要である。さらに、用途に応じて、硬化性、透明性、屈折率、強靭性、耐熱性及びカールが小さいこと等が必要となる。
近年、このような技術を利用して製造する、新しい光学フィルムが提案されている。例えば、特許文献4及び同5では、特定の波長帯の光、例えば赤外線を選択的に指向反射する光学フィルムが開示されており、応用例として、窓に貼る熱線再帰性反射フィルムが例示されている。
特許文献4及び同5では、光学フィルムの製造方法として、基材上に、金型転写により活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物からなる微細な凹凸形状を形成した後、この上に波長選択反射膜の形成を目的として金属や金属酸化物等の無機膜を形成させ、この凹凸を埋めるように活性エネルギー線硬化型組成物を介してもう一方の基材を積層し、もう一度活性エネルギー線を照射して硬化させて製造する方法が例示されている。
このような光学フィルムを製造するための金型転写用の活性エネルギー線硬化型組成物には、良好な成形性(塗工性、微細形状への浸透性、及び金型からの離型性)、基材への密着性、硬化物の透明性及びカールが小さいことに加え、約100℃の高温でも比較的高い弾性率を維持することが求められる。
その理由は、無機膜形成過程で熱が加わる場合があったり、凹凸を埋めてもう一方の基材を積層する際に高温で圧力を印加する場合があったりするためである。高温弾性率の目安として、動的粘弾性スペクトル(1Hz)100℃での貯蔵弾性率E’が、3×107Pa以上であることが開示されている(特許文献5)。
又、実際の製造現場においては、臭気や皮膚刺激性が低いことや、金型に付着した汚れを洗浄し易いこと(金型洗浄性に優れること)も求められている。
金型に付着した汚れのうち、次のようなものは、洗浄が厄介である。
即ち、ロール状の金型に、活性エネルギー線硬化型組成物を塗布した基材を巻き付けて光照射して転写する製造方法において、基材がポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)フィルムである場合、液の淵は、空気と接した状態で、約315nm以下の高エネルギーの紫外線がカットされた光に曝される。この液の淵は、ロール状金型1回転では硬化しないが、数10〜数100回転後(数10〜数100回の紫外線照射後)には硬化する。このように、空気下で基材越しの紫外線照射でゆっくりと硬化した付着物は、金型との密着力が強く、粘着テープ等で剥離することが困難である。
液の淵の未硬化の汚れは、次の液が被さって硬化することにより、離型する筈である。しかし、実際には、あるとき塗工幅が最も広くなった後、塗工幅が微妙に狭まって、金型が数10〜数100回転する場合もある。このような場合、淵の汚れの部分は、空気下で基材越しの紫外線に何度も曝されることになり、非常にゆっくりと硬化して、強固に密着した汚れとなる。
このような汚れは、塗工幅が常に金型の幅に近く、淵の部分を切り落として製品にする場合は問題とならない。しかし、幅広の金型を使用し、種々の幅の製品を製造する場合、幅の狭い製品を製造した後の淵の汚れは、次に幅の広い製品を製造する際の製品部分にあたるため、重大な問題となる。
このような強固に密着した淵の汚れを、金型を傷つけることなく除去する方法としては、溶剤浸漬による膨潤剥離が有用である。しかし、約100℃の高温でも比較的高い弾性率を維持させるような組成物は、架橋密度が比較的高く、溶剤浸漬による膨潤剥離が困難になる傾向がある。
さらに、光学フィルムの用途が窓に貼る熱線反射フィルムである場合、耐候性も必要となる。光学フィルムが窓の室内側に貼られ、かつ窓に貼る際の粘着剤に紫外線吸収剤が含まれる場合、屋外用途ほどの際立った耐候性は必要ない。しかし、それでも、フィルムの端から入射する光と、結露による水分には曝されるため、良好な耐候性が必要となる。
特許3116327号公報 特許3735196号公報 特許4473364号公報 特開2010−160467号公報 特開2011−128512号公報
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、基材に金型転写する際の成形性、基材への密着性、及び硬化物の透明性と強靭性に優れ、基材が薄くてもカールが小さく、動的粘弾性スペクトル(1Hz)100℃での貯蔵弾性率E’が3×107Pa以上であり、空気下で基材越しの大量の紫外線により固着した汚れを溶剤による膨潤剥離で容易に除去することが可能な(金型洗浄性に優れた)活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
特に、密着性については、光学用途において基材として常用される易接着処理されたポリエチレンテレフタレート(以下、「易接着PET」という)に対する密着性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
さらに、耐候性にも優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することも目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、1分子中に1個の芳香基及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び特定のウレタン(メタ)アクリレートを特定割合で含有する組成物が優れた性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
本発明によれば、基材に金型の微細形状を転写する際の成形性に優れ、基材への密着性と硬化物の透明性に優れ、基材が薄くてもカールが小さく、約100℃の高温工程でも形状が維持され、さらに、金型に汚れが固着した際の溶剤による洗浄性にも優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。さらに、耐候性も良好な活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
本発明はこの様な効果を奏するため、各種レンズシート、プラスチックレンズ、防眩シート、スクリーン及び波長選択反射フィルム等の種々の光学材料に使用でき、さらに、窓に貼る熱線反射フィルムに好ましく使用することができる。
本発明は、下記(A)〜(D)成分を、組成物全体を100重量%として、それぞれ下記割合で含む光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
(A)ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート〔以下、「(A)成分」という〕:20〜65重量%
(B)1分子中に1個の芳香基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物〔以下、「(B)成分」という〕:5〜40重量%
(C)芳香環を有さないジイソシアネート化合物と、数平均分子量500以上3000以下のポリエステルジオールと、ヒドロキシル基含有モノ(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート〔以下、「(C)成分」という〕:5〜30重量%
(D)(A)〜(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物であって、(D1)(メタ)アクリロイルモルフォリン〔以下、「(D1)成分」という〕を、組成物全体を100重量%として3〜30重量%含有するもの〔以下、「(D)成分」という〕:〜60重量%
(B)成分としては、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートが好ましい。又、(C)成分としては、重量平均分子量1,000〜40,000の化合物が好ましい。
本発明の組成物は、さらに下記成分を下記割合で含むものが好ましい。
(E)光ラジカル重合開始剤〔以下、「(E)成分」という〕を、組成物全体を100重量%として0.01〜10重量
D)成分として、(D2)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下である化合物を〔以下、「(D2)成分」という〕、組成物全体を100重量%として5〜40重量%
(F)紫外線吸収剤〔以下、「(F)成分」という〕を、組成物全体を100重量%として0.1〜5重量%
以下、(A)〜(D)成分、及びその他の任意成分について、詳細に説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートである。(A)成分としては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートが好ましい。
さらに、(メタ)アクリレートとしては、アクリレートが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の易接着PETへの密着性に優れるため、好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、エチレンオキサイドが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の易接着PETへの密着性に優れるため好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数としては、ビスフェノールA又はビスフェノールFの1モルに対し、平均2〜6モルであることが好ましく、3〜5モルであることがより好ましい。付加モル数が2以上であると硬化性に優れ、付加モル数が6以下であると100℃での貯蔵弾性率が高く維持される。
(A)成分の含有割合は、組成物全体を100重量%として、20〜65重量%であり、好ましくは30〜50重量%である。(A)成分の含有割合が20重量%に満たないと、硬化性、金型洗浄性、及び硬化物の強靭性が低下してしまう。又、(A)成分の含有割合が65重量%を超えると、基材への密着性、特に易接着PETへの密着性が低下してしまう。
2.(B)成分
(B)成分は、1分子中に1個の芳香基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物である。
(B)成分において、芳香基としては、フェニル基、アルキルフェニル基、ビフェニル基及びp−クミルフェニル基等が挙げられる。これらの中でも、フェニル基及びアルキルフェニル基等の芳香族環を1個有する化合物が、組成物の粘度を低減できるうえ、基材との密着性に優れるため好ましい。
(B)成分の具体例としては、フェノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート;ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びノニルフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート;p−クミルフェノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びp−クミルフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等のp−クミルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート;ビフェニルのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びビフェニルのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等のビフェニルのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;フェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加反応生成物及びビフェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加反応生成物等の芳香族グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加反応生成物等が挙げられる。
(B)成分としては、前記化合物の中でも、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートが好ましい。(メタ)アクリレートとしては、アクリレートが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の基材への密着性、特に易接着PETへの密着性に優れるため、好ましい。
(B)成分がフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートである場合、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の基材への密着性、特に易接着PETへの密着性に優れるため好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数としては、フェノールの1モルに対し、平均1〜4モルであることが好ましく、1〜3モルであることがより好ましく、2モルであることが特に好ましい。付加モル数が1以上であると硬化性に優れ、付加モル数が4以下であると硬化物の強靭性が良好になる。又、付加モル数が2モルであると、組成物の臭気や皮膚刺激性が低くなり、かつ、基材への密着性、特に易接着PETへの密着性と硬化物の強靭性も良好になる。
(B)成分の含有割合は、組成物全体を100重量%として、5〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。(B)成分の含有割合が5重量%に満たないと、基材への密着性、特に易接着PETへの密着性と金型洗浄性が低下してしまう。又、(B)成分の含有割合が40重量%を超えると、高温での貯蔵弾性率が低下してしまう。
3.(C)成分
(C)成分は、芳香環を有さないジイソシアネート化合物(以下、「化合物(C1)」という)と、数平均分子量500以上3000以下のポリエステルジオール(以下、「化合物(C2)」という)と、ヒドロキシル基含有モノ(メタ)アクリレート(以下、「化合物(C3)」という)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートである。
(C)成分は、(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物である。
化合物(C1)は、芳香環を有さないジイソシアネート化合物であり、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」という)、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート及びω,ω′−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、IPDIのイソシアヌレート体等のポリイソシアネート等が挙げられる。
これら化合物の中でも、IPDI及びヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
(C)成分原料として、化合物(C1)を使用することで、組成物硬化物の黄変を防ぐことができ、無色透明性を良好にすることができる。
化合物(C2)は、数平均分子量(以下、「Mn」という)500以上3000以下のポリエステルジオールである。
化合物(C2)は、ジカルボン酸とジオールのエステル化合物及びポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
ジカルボン酸の好適な具体例としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール及びヘキサンジオール等が挙げられる。
(C)成分原料として、化合物(C2)を使用することで、組成物硬化物の耐候性を良好にすることができる。
化合物(C2)のMnは、500以上3000以下とする必要がある。Mnを500以上とすることで金型洗浄性を良好にすることができ、3000以下とすることで硬化物の透明性を良好にすることができる。ここで、特に好ましいMnは、700〜1700である。
尚、本発明において、Mnとは、水酸基価から求めた値を意味する。
化合物(C3)は、ヒドロキシル基含有モノ(メタ)アクリレートである。
化合物(C3)の好適な具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びこれらのカプロラクトン付加物等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートとしては、アクリレートが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の基材への密着性、特に易接着PETへの密着性に優れるため、好ましい。
(C)成分は、常法により製造されたものでよい。
例えば、化合物(C1)と化合物(C2)とを反応させ、イソシアネート基含有化合物を製造したのちに、これと化合物(C3)を反応させる方法、化合物(C1)、化合物(C2)及び化合物(C3)を同時に反応させる方法等が挙げられる。
(C)成分は、オリゴマーが好ましい。具体的には、重量平均分子量としては、1,000〜40,000のものが好ましく、より好ましくは1,000〜15,000である。
尚、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレン換算した値である。
(C)成分の含有割合は、組成物全体を100重量%として、5〜30重量%であり、より好ましくは10〜25重量%である。(C)成分の含有割合が5重量%に満たないと、金型洗浄性や、硬化物の強靭性が低下してしまう。又、(C)成分の含有割合が30重量%を超えると、塗工性や金型への液の浸透性が低下したり、高温での貯蔵弾性率が低下してしまう。
4.(D)成分
本発明の組成物には、組成物の物性や、組成物硬化物の種々の物性を調整する目的で、必要に応じて(D)成分〔(A)〜(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物〕を含むことが好ましい。
(D)成分の含有割合は、組成物全体を100重量%として、〜60重量%であり、より好ましくは10〜45重量%である。(D)成分の含有割合が60重量%を超えると、成形性、密着性、カール、高温弾性率、金型洗浄性及び耐候性のいずれかが悪化してしまう。
(D)成分としては、(D1)成分〔(メタ)アクリロイルモルフォリン〕及び(D2)成分〔1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下である化合物〕が好ましい。
さらに、(D)成分としては、(D1)成分及び(D2)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「(D3)成分」という)を含んでいても良い。
以下、(D1)〜(D3)成分について説明する。
1)(D1)成分
(D1)成分は、(メタ)アクリロイルモルフォリンであり、(D)成分中に必須成分として含むものである。(D1)成分は、高温での弾性率を低下させることなく、基材への密着性、特に易接着PETへの密着性を高めたい場合、好ましく使用することができる。
(D1)成分の含有割合としては、組成物全体を100重量%として、3〜30重量%でありましくは7〜20重量%である。(D1)成分を3重量%以上配合することで、高温での貯蔵弾性率を低下させることなく、基材への密着性、特に易接着PETへの密着性を高めることができる。又、(D1)成分の含有量を30重量%以下とすることで、金型洗浄性を良好にすることができる。
2)(D2)成分
(D2)成分は、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下である化合物である。(D2)成分は、組成物の硬化物について、高温における高弾性率が要求される場合に好ましく使用することができる。
(D2)成分の具体例としては、イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ及びテトラアクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のトリ及びテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(D2)成分としては、前記化合物以外にも1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下である、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、アクリレートが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の基材への密着性、特に易接着PETへの密着性に優れるため、好ましい。又、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドが、硬化性と、活性エネルギー線の照射量が少ない場合の基材への密着性、特に易接着PETへの密着性に優れるため好ましい。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下であるポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、及びヘキサヒドロフタル酸等の酸無水物と、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオールと、(メタ)アクリル酸のエステル化反応生成物等が挙げられる。これらの他にも、デンドリマーポリオールのポリ(メタ)アクリレート等も挙げられる。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下であるエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルやペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸の付加反応生成物等が挙げられる。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下であるウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートと、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート等の付加反応生成物等が挙げられる。
(D2)成分の好ましい具体例としては、成形性や高温での弾性率に優れるという点で、イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ及びテトラアクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のトリ及びテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート等が挙げられる。
(D2)成分のより好ましい具体例としては、成形物のカールが小さいという点で、イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。又、高温弾性率をより効果的に上げるという点で、ペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる
(D2)成分は、100℃1Hzでの貯蔵弾性率E’が、3×107Pa以上であればよい場合、必ずしも必要ない。しかし、高温弾性率をより高くしたい場合、例えば、100℃1Hzでの貯蔵弾性率E’を1×108Pa以上としたい場合、(D2)成分を5〜40重量%含有することが好ましい。
(D2)成分の含有割合としては、組成物全体を100重量%として、5〜40重量%が好ましい。(D2)成分の含有割合を5重量%以上とすることで、100℃弾性率の向上効果を奏することができ、40重量%以下とすることで、金型洗浄性を良好にすることができる。(D2)成分のより好ましい含有量は、100℃弾性率の向上と金型洗浄性の両方を好適に満たす観点から、5〜25重量%である。
3)(D3)成分
(D3)成分は、(D1)成分及び(D2)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(D3)成分としては、前記した(A)〜(C)成分、(D1)及び(D2)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば種々の化合物を使用することができる。
(D3)成分のうち、1分子中に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸のマイケル付加型のダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル酸のマイケル付加型多量体とテトラヒドロフルフリルアルコールのエステル化反応生成物、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメチロール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(D3)成分のうち、1分子中に2個のエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールZのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールZのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ダイマー酸ジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、1分子中に3個以上のエチレン性不飽和基を有するその他の化合物を加えても良い。これらの中には、(D2)成分以外のポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が含まれる。
(D3)成分の含有割合としては、組成物全体を100重量%として、0〜20重量%が好ましい。
5.その他の成分
本発明の組成物は、前記した必須成分の(A)〜(C)成分及び所望成分の(D)成分を含むものであるが、必要に応じて種々の成分を配合することができる。
それらのうちで好ましい成分としては、(E)成分(光ラジカル重合開始剤)及び(F)成分(紫外線吸収剤)等が挙げられる。
以下、(E)及び(F)成分について説明する。
1)(E)成分
本発明の組成物を可視光線及び紫外線等により硬化させる場合、(E)成分の光ラジカル重合開始剤を配合することが好ましい。本発明の組成物を電子線により硬化させる場合には、(E)成分を配合する必要はない。
(E)成分としては、種々の化合物を使用することができる。
(E)成分の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸の2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル及びオキシフェニル酢酸の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)〕−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物は、硬化膜の耐候性に優れる点で好ましい。
(E)成分の含有割合としては、組成物全体を100重量%として、0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。(E)成分の含有量を0.01重量%以上とすることで、硬化性を良好にすることができる。又、(E)成分の含有量を10重量%以下とすることで、硬化物の黄変を小さくしたり、製造時の開始剤の分解成分由来の臭気を低減させたりすることができる。
2)(F)成分
(F)成分は、紫外線吸収剤である。本発明の組成物を屋外用途に使用する場合、より具体的には窓に貼る熱線反射フィルムに使用する場合、製品使用中の光による酸化劣化を抑制する目的で、(F)成分を添加することが好ましい。
(F)成分の具体例としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化錫微粒子等の紫外線を吸収する無機微粒子等が挙げられる。
(F)成分の含有割合としては、組成物全体を100重量%として、0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜2重量%である。
本発明の組成物に(F)成分を添加する場合、(E)成分としては、可視光又は可視光付近にまで吸収を有するフォスフィンオキサイド系化合物を使用することが好ましい。
3)その他の任意成分
本発明の組成物には、上記(A)〜(F)成分の他に、光安定剤、シランカップリング剤、表面調整剤、ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤等、種々の化合物を配合してもよい。
本発明の組成物には、製品使用中の光による酸化劣化を抑制する目的で、光安定剤を添加しても良い。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましい。
HALSの具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル等が挙げられる。
これらのうち、ヒンダードアミンの塩基性が低いものが組成物の安定性の点で好ましく、具体的には、アミノエーテル基を有する所謂NOR型のものがより好ましい。
光安定剤を添加する場合、好ましい添加割合は、組成物中に0.01〜2重量%であり、より好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の組成物には、本発明の組成物の硬化後の表面と、この上に形成する無機膜との密着性を高める目的で、シランカップリング剤を添加することができる。無機膜との密着性を高める手段として、シランカップリング剤は、金型転写時は無機膜との密着性を発現しないが、空気中の水分により加水分解・縮合して無機膜との密着性を高めるため、好ましく使用することができる。
シランカップリング剤としては、ラジカル重合性不飽和基と、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。特に、(メタ)アクリロイル基と、メトキシシリル基又はエトキシシリル基を有する化合物が好ましい。
シランカップリング剤を添加する場合、好ましい添加割合は、組成物中に0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明の組成物には、塗工時の塗膜のレベリング性を良好にしたり、金型の微細構造への液の浸透性を良好にしたりする目的で、レベリング剤や濡れ性向上剤等の表面調整剤を添加することができる。表面調整剤としては、シリコーン系やフッ素系等、種々のものが使用可能である。又、無機膜界面への移行と接着性低下を抑制する目的で、分子中に(メタ)アクリロイル基を含有する表面調整剤を使用してもよい。
表面調整剤を添加する場合、好ましい添加割合は、組成物中に0.01〜0.5重量%であり、より好ましくは0.02〜0.2重量%である。
本発明の組成物には、長期保管時のゲル化や、生産に使用する機械中でのゲル化を抑制する目的で、ラジカル重合禁止剤を添加しても良い。ラジカル重合禁止剤は、配合原料であるモノマーやオリゴマー中に含まれるもので十分な場合もあるが、ゲル化抑制を確実にするために、ラジカル重合禁止剤を追加で添加してもよい。
ラジカル重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフトキノン、アントラキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩、ジブチルジチオカルバミン酸銅、塩化銅、硫酸銅等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤の含有割合は、組成物中に好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.02〜0.2重量%である。
本発明の組成物には、製品使用中の酸化による劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤としては、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤があり、これらを併用することで、高い酸化防止効果が得られる。
一次酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
二次酸化防止剤の具体例としては、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤を添加する場合、好ましい添加割合は、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤の合計で、組成物中に0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.2〜2重量%である。
本発明の組成物には、上記成分以外にも、本発明の性能を損なわない範囲で、種々の物質を配合しても良い。例えば、本発明の組成物にシランカップリング剤を添加する場合、アルコキシシリル基の加水分解反応を助長する触媒を添加してもよい。又、硬さを向上させる目的で、(メタ)アクリロイル基で表面修飾したコロイダルシリカを配合しても良い。又、硬化後のフィルムのカールを抑制する目的で、ポリマーを添加しても良い。
6.光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物
本発明の組成物は、前記した(A)〜(C)成分を必須とし、(D)成分を任意成分とし、これらを前記した割合で含有するものであり、好ましくはさらに(E)〜(F)成分を含むものである。
組成物の製造方法としては、常法に従えば良く、(A)〜(D)成分、必要に応じてその他の成分を、攪拌・混合する方法等が挙げられる。
(A)〜(D)成分及びその他の成分が、常温で粘度が高かったり、固体である場合や、組成物が室温で液状にならない場合は、組成物を攪拌・混合した後に加熱しても良い。加熱温度としては、30〜100℃が好ましい。
本発明の組成物の粘度は、目的に応じて適宜設定すれば良く、成形性に優れる点で、25℃において50〜3,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは100〜2,000mPa・s、さらに好ましくは200〜1,000mPa・sである。25℃における粘度を50mPa・s以上とすることで、凹凸形状を埋めるのに必要な膜厚に塗工することができる。又、25℃における粘度を3,000mPa・s以下とすることで、金型への浸透性を良好にすることができる。
この様に、本発明の組成物の硬化物は、高い生産性を有するため、フレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ、液晶表示装置のバックライト用プリズムシート等のレンズシート、プラスチックレンズ、液晶ディスプレイ等の防眩シート、プロジェクターのスクリーン、並びに波長選択反射フィルム等の種々の光学材料に使用でき、さらに波長選択反射フィルムとしては熱線反射フィルムに使用することができる。
レンズシートとしては、更に詳細には、ビデオプロジェクター、プロジェクションテレビ及び液晶ディスプレイ等用途が挙げられる。
7.使用方法
本発明の組成物は、光学層形成のために使用されるものである。使用方法としては、常法の光学材料の製造方法に従えば良い。
具体的には、凹凸形状(レンズ形状)を有する金型に組成物を塗布し、フィルム又はシート基材(以下これらをまとめて「フィルム基材」という)と貼合するか、又はフィルム基材に組成物を塗布し、金型と貼合した後に、フィルム基材側から活性エネルギー線を照射し硬化させる方法等が挙げられる。
本発明の組成物は、前記効果を有するため、当該金型転写工程を経て製造される光学材料の製造に好ましく使用することができる。
本発明に使用できるフィルム基材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート−スチレン共重合体フィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルムが好ましく、必要であれば、ガラス系基材を使用することができる。
フィルム基材は透明もしくは半透明(例えば、乳白色)のものが好ましい。フィルム基材の厚さとしては20〜200μmが一般的である。
本発明の組成物を使用してレンズシートを製造する例について説明する。
比較的膜厚の薄いレンズシートを製造する場合は、本発明の組成物を、目的のレンズの形状を有するスタンパーと称される金型に塗工し、該組成物の層を設け、その層の上にレンズシートを転写させる透明基板を密着させる。
又は、透明基板に組成物を塗工し、金型と密着させる。
次いで、透明基板側から活性エネルギー線を照射して、組成物を硬化させ、この後、金型から剥離させる。
塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、従来公知のバーコート、アプリケーター、ドクターブレード、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等、公知の塗工方法が挙げられる。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線及び電子線等が挙げられ、紫外線又は紫外線を含有する光が好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、LED等が挙げられる。無電極ランプの場合、直流電源電流による新しいタイプのものも好適に使用することができる。これらのうち、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び無電極ランプは、硬化性に優れるため、特に好ましい。
紫外線の照射エネルギーは、紫外線照射装置の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例としてメタルハライドランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2であること好ましく、500〜2,000mJ/cm2であることがより好ましい。
一方、比較的膜厚の厚いレンズシートを製造する場合は、目的のレンズの形状を有する金型と透明基板の間に、本発明の組成物を流し込む。
次いで、透明基板側から活性エネルギー線を照射して、組成物を硬化させ、この後、金型から脱型させる。
前記金型としては、その材質は特に限定されないが、例えば真鍮及びニッケル等の金属、並びにエポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。金型の寿命が長い点で、金属製であることが好ましい。
7.光学フィルム又はシート
本発明の組成物は、光学層形成のために使用されるものであり、プラスチック製フィルム又はシート(以下、単に「プラスチック製フィルム」という)に、前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物による光学層が形成された光学フィルム(光学フィルム又はシート)の製造に好ましく使用される。
光学フィルムの製造方法としては常法に従えば良く、下記工程1〜工程3を順次実施する光学フィルムの製造方法が好ましい。
工程1:微細な凹凸形状を有する金型に、前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面とプラスチック製フィルムを貼合するか、又は
プラスチック製フィルムに前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面と微細な凹凸形状を有する金型を貼合する工程
工程2:プラスチック製フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程
工程3:金型を取り外す工程
工程1は、微細な凹凸形状を有する金型に、前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面とプラスチック製フィルムを貼合するか、又はプラスチック製フィルムに前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面と微細な凹凸形状を有する金型を貼合する工程である。
金型としては、前記と同様のものが挙げられる。塗工方法としては、前記と同様の方法等が挙げられる。
プラスチック製フィルムにおける、プラスチックとしては、前記したプラスチックフィルムが挙げられ、それらの中でもPETが好ましい。
プラスチック製フィルムとしては、組成物硬化物との密着性を改善する目的で、易接着処理されたものを使用することができる。易接着処理とは、難接着性のプラスチックに対して、その表面をコロナ放電処理等により表面改質する処理や、その表面に易接着層を設ける処理等が挙げられる。
工程2は、プラスチック製フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程である。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線及び電子線等が挙げられ、紫外線又は紫外線を含有する光が好ましい。紫外線照射装置としては、前記と同様の装置が挙げられ、前記と同様の装置が好ましい。
又、紫外線照射エネルギーとしては、前記と同様の照射エネルギーが好ましい。
工程3は、金型を取り外す工程である。
金型を取り外すことにより、光学層が形成された光学フィルムが得られる。
この様にして得られた光学フィルムは、前記したレンズシート、プラスチックレンズ及び波長選択反射フィルム等の種々の光学材料に使用できる。
本発明の組成物は、これら光学材料の中でも、波長選択反射フィルムに好ましく使用することができ、特に熱線反射フィルムに好ましく使用することができる。以下、熱線反射フィルムについて詳細に説明する。
○熱線反射フィルム
本発明の組成物は、これら光学材料の中でも熱線反射フィルムに好ましく使用することができる。
この場合の光学フィルムの製造方法としては常法に従えば良く、下記工程1’〜工程6’を順次実施する光学フィルムの製造方法が好ましい。
工程1’:微細な凹凸形状を有する金型に、前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面とプラスチック製フィルムを貼合するか、又はプラスチック製フィルム(1)に前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面と微細な凹凸形状を有する金型を貼合する工程
工程2’:プラスチック製フィルム(1)側から活性エネルギー線を照射する工程
工程3’:金型を取り外し、転写された微細な凹凸形状を有する硬化物上に無機膜を形成させる工程
工程4’:無機膜が形成された微細な凹凸形状を埋めるように前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工する工程
工程5’:工程4’で得られた塗工面とプラスチック製フィルム(2)を貼合する工程
工程6’:プラスチック製フィルム(2)側から活性エネルギー線を照射する工程
・工程1’及び工程2’
工程1’及び工程2’は、それぞれ前記した通りであり、それぞれの方法としては、前記工程1及び工程2と同様の方法が挙げられる。
・工程3’
工程3’は、金型を取り外し、転写された微細な凹凸形状を有する硬化物上に無機膜を形成させる工程である。
凹凸形状の上に形成させる無機膜としては、目的に応じて種々の化合物が使用でき、金属及び金属酸化物が好ましい。無機膜は、1種のみを積層しても、2種以上を組合わせて積層しても良い。
金属としては、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Ge等の単体、又はこれらの単体を2種以上含む合金等が挙げられ、Ag系、Cu系、Al系、Si系又はGe系の材料が好ましい。
金属酸化物としては、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化インジウム錫等が挙げられる。
無機膜を形成させる方法としては、特に限定されないが、真空蒸着やスパッタリング等のドライプロセスが好ましい。
・工程4’
工程4’は、無機膜が形成された微細な凹凸形状を埋めるように前記した光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工する工程である。
本発明の組成物は、前記工程1’及び工程2’を経る金型転写工程のみならず、当該工程4’でも使用することができる。
工程4’で使用する組成物としては、無機膜との密着性を良好にする目的で、リン酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を添加することが好ましい。
この場合、添加割合は、組成物全体を100重量%として、0.01〜2重量%とすることが好ましく、0.05〜1重量%とすることがより好ましい。
・工程5’
工程5’は、工程4’で得られた塗工面とプラスチック製フィルム(2)を貼合する工程である。
工程6’で使用するプラスチック製フィルム(2)としては、前記プラスチック製フィルム(1)と同じものを使用するこことも、異なるものを使用することもできる。
・工程6’
工程6’は、プラスチック製フィルム(2)側から活性エネルギー線を照射する工程である。
この場合の操作方法としては、前記工程3と同様の方法が挙げられる。
この様にして熱線反射フィルムが得られ、より具体的には、窓に貼る熱線反射フィルムに好ましく使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量ないし含有割合を表す%は、特記しない限り重量基準である。
実施例及び比較例において、活性エネルギー線硬化型組成物の調製に用いた各成分は次のとおりであり、以下、化合物名又はそれぞれの記号(商品名自体又はその一部)で表示する。
(A)成分
・M−211B:ビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−211B
(B)成分
・M−101A:フェノールのエチレンオキサイド2モル付加物のアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−101A
・BzMA:ベンジルメタクリレート、三菱レイヨン(株)製アクリエステルBZ
(C)成分
・M−1200:Mn約1200のポリエステルジオールと芳香環を有さないジイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートからなるウレタンアクリレート、Mw:約5,000、東亞合成(株)製アロニックスM−1200
(D1)成分
・ACMO:アクリロイルモルフォリン、(株)興人製ACMO
(D2)成分
・M−315:イソシアヌル酸のエチレンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−315
・M−450:ペンタエリスリトールテトラアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−450
(D3)成分
・OT−1501:ポリエーテルジオールと芳香環を有さないジイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートからなるウレタンアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスOT−1501
(E)成分
・Irg−184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF(株)製IRGACURE184
・Irg−819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、BASF(株)製IRGACURE819
(F)成分
・T−479:紫外線吸収剤、BASF(株)製TINUVIN479
○実施例1〜同8、比較例1〜同7
[活性エネルギー線硬化型組成物の製造]
表1及び表2に示す成分を常法に従い攪拌・混合して活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。尚、表中の配合組成の数値は重量%を表す。
[光学フィルムの製造:金型転写実験]
50μm厚の易接着PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300)に、前記で得られた組成物をバーコータで30μm厚に塗布した後、高さ30μmの半球状の凹凸形状を有するニッケル金型にラミネートし、PETフィルム越しに紫外線照射して組成物を硬化させた。紫外線照射装置は、アイグラフィックス(株)製の160W/cmメタルハライドランプであり、紫外線照射量は、EIT社光量計のUV−A領域で、1J/cm2とした。紫外線照射後、PETフィルムを金型から離型し、光学フィルムを得た。
前記で得られた光学フィルムについて、後記する成型性、密着性及びカールを評価した。
但し、比較例7のみは、紫外線照射量1J/cm2では密着性不良、紫外線照射量2J/cm2では密着性良好であったため、比較例7のみ、紫外線照射量2J/cm2として評価を行った。
評価結果は表1及び表2に記載した。尚、硬化物の透明性は全て良好であった。
・成形性
前記で得られた光学フィルムについて、下記の3水準で評価した。
○:型形状の転写性が良好で、かつ離型時の剥離力が軽い。
△:型形状の転写性は良好だが、離型時の剥離力が重い。
×:液の粘度が不適切で、型形状の転写性が不良。
・密着性
PETフィルムに対する硬化物(光学層)の密着性を、JIS K5600の方法に従って碁盤目セロハンテープ剥離試験を行い、残面積の割合により下記の3水準で評価した。
○:90%以上残存
△:70%以上90%未満残存
×:残存割合70%未満
・カール
得られた光学フィルムのカールを評価し、下記の4水準で評価した。
◎:カールが殆どない
○:15cm四方の大きさで端の高さが平均1cm未満
△:15cm四方の大きさで端の高さが1cm以上2cm未満
×:15cm四方の大きさで端の高さが2cm以上
[高温弾性率の評価]
前記で得られた組成物を厚さ0.1mm、幅5mm、長さ5cmの型枠に流し込み、前記と同様の条件で紫外線を照射して試験体を作成した。
得られた厚さ0.1mm、幅5mm、長さ5cmの試験体について、動的粘弾性スペクトル、周波数1Hzで、温度分散測定を行った。高温弾性率は、100℃でのE’により、下記の4水準で評価した。評価結果は表1及び表2に記載した。
◎:3.0×108Pa以上
○:1.0×108Pa以上3.0×108Pa未満
△:3.0×107Pa以上1.0×108Pa未満
×:3.0×107Pa未満
[金型洗浄性の評価]
ニッケル金型に、前記で得られた組成物を、概ね1cm×3cmの大きさで汚れ状に付着させた後、この上を50μm厚PETフィルムで覆い(空気を介在させる)、メタルハライドランプ、UV−A領域で100J/cm2の紫外線を照射して汚れ状の固着物を作製した。この固着物の上に、溶剤を染み込ませたベンコット(登録商標)を置き、その上にポリエチレンフィルムを被せ、所定時間経過後の汚れ状固着物の剥離し易さにより、下記の4水準で評価した。評価結果は表1及び表2に記載した。
◎:N−メチル−2−ピロリドンを使用して1時間後、膨潤剥離。
○:N,N−ジメチルホルムアミドを使用して1時間後、膨潤剥離。
△:N,N−ジメチルホルムアミドを使用して1時間後、固着物を拭くと剥離。
×:上記方法では完全には剥離できなかった。
[耐候性の評価]
光学フィルムの製造で得られた硬化膜を使用し、SAEJ1960に準拠して、キセノンウェザオメーターによる耐候性試験を実施した。340nmの照射エネルギー2MJ/m2後の塗膜の外観により、下記の3水準で評価した。評価結果は表1及び表2に記載した。
○:微小なクラックがごく僅かに発生した以外、殆ど変化がなかった。
△:微小なクラックが少し発生した。
×:大きなクラックと剥離が発生した。
[総合評価]
下記のように6段階で総合評価を行い、評価結果を表1及び表2に記載した。
◎:×がなく、△もない。
○A:×がなく、△があり、◎が△の数より多くある。
○B:×がなく、△があり、◎が△の数と同数ある。
○C:×がなく、△があり、◎が△の数未満ある。
△:×がなく、△があり、◎がない。
×:×がある。
Figure 0005839116
Figure 0005839116
[評価結果の考察]
表1の実施例に示すように、本発明の組成物は、成形性、易接着PETへの密着性、低カール性、高温弾性率、金型洗浄性、及び耐候性の全ての項目で、良好な性能を有していた。
実施例1は、金型洗浄性と低カール性は特に優れており、(D2)成分を含まないため高温弾性率は比較的良好なレベル(△)であった。
(D2)成分としてM−315を20%含有する実施例2の組成物と、M−315を29%含有する実施例3の組成物では、高温弾性率が大きく向上し、低カール性も良好であった。但し、M−315の配合割合が比較的多い実施例3では、金型洗浄性がやや低下した。
(D2)成分としてM−450を10%含有する実施例4の組成物では、高温弾性率が効果的に向上し、金型洗浄性に優れ、低カール性も良好であった。M−450を20%含有する実施例5の組成物では、高温弾性率は大きく向上したが、低カール性がやや低下した。
(D1)成分を含まない実施例6の組成物は、密着性がやや劣った。
(E)成分としてIrg−819を使用し、(F)成分としてT−479を添加した実施例7及び実施例8の組成物は、耐候性が良好になった。特に、実施例8の組成物は、全ての項目で○以上の評価結果となった。
一方、表2の比較例は、本発明の課題のいずれかが性能不足であった。
(C)成分を含まない比較例1の組成物は、金型洗浄性が不良であり、(C)成分をその上限30%を超えて含む比較例2の組成物は、成形性と高温弾性率が不良であった。
(B)成分を含まない比較例の組成物3は、金型洗浄性が不良であり、(B)成分をその上限40%を超えて含む比較例4は高温弾性率が不良であった。尚、比較例4の組成物は、(D1)成分を含まないため、密着性がやや劣っていた。
(A)成分を含まない比較例5の組成物は、金型洗浄性が不良であり、(A)成分をその上限60%を超えて含む比較例6の組成物は密着性が不良であった。
(C)成分の代わりにポリエーテル系ウレタンアクリレートを使用し、(B)成分としてBzMAを使用した比較例7は、耐候性不良であった。又、紫外線照射量が他のサンプルと同じ1J/m2の場合、密着性が不良であった。
本発明の組成物は、光学層形成を目的として種々の光学材料の製造に使用することができ、具体的には、フレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ、液晶表示装置のバックライト用プリズムシート等のレンズシート、プラスチックレンズ、防眩シート、スクリーン並びに波長選択反射フィルム等の種々の光学材料で使用する光学フィルムに使用でき、窓に貼る熱線反射フィルム用途に、特に好ましく使用できる。

Claims (10)

  1. 下記(A)〜(D)成分を、組成物全体を100重量%として、それぞれ下記割合で含む光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
    (A)ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート:20〜65重量%
    (B)1分子中に1個の芳香基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物:5〜40重量%
    (C)芳香環を有さないジイソシアネート化合物と、数平均分子量500以上3000以下のポリエステルジオールと、ヒドロキシル基含有モノ(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート:5〜30重量%
    (D)(A)〜(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物であって、(D1)(メタ)アクリロイルモルフォリンを、組成物全体を100重量%として3〜30重量%含有するもの〜60重量%
  2. (B)成分が、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートである請求項1記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. (C)成分が、重量平均分子量1,000〜40,000の化合物である請求項1又は請求項2に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. さらに、(E)光ラジカル重合開始剤を、組成物全体を100重量%として0.01〜10重量%含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. さらに、(D)成分として(D2)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、(メタ)アクリロイル当量が250g/mol以下である化合物を、組成物全体を100重量%として5〜40重量%含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. さらに、(F)紫外線吸収剤を、組成物全体を100重量%として0.1〜5重量%含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. プラスチック製フィルム又はシートに、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物による光学層が形成された光学フィルム又はシート。
  8. プラスチック製フィルム又はシートが、ポリエチレンテレフタレートである請求項に記載の光学フィルム又はシート。
  9. 下記工程1〜工程3を順次実施する光学フィルム又はシートの製造方法。
    工程1:微細な凹凸形状を有する金型に、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面とプラスチック製フィルム又はシートを貼合するか、又は
    プラスチック製フィルム又はシートに請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面と微細な凹凸形状を有する金型を貼合する工程
    工程2:プラスチック製フィルム又はシート側から活性エネルギー線を照射する工程
    工程3:金型を取り外す工程
  10. プラスチック製フィルム又はシートが、ポリエチレンテレフタレートである請求項に記載の光学フィルム又はシートの製造方法。
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