JP6693461B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。特許文献1は、横並びされる二つの巻回部を備えるコイルと、二つのU字状の分割コア片を組み合わせてなる磁性コアとを備えるリアクトルを開示する。各分割コア片は、巻回部外に配置される外側コア部と、外側コア部から突出する二つの内側コア部とを備える。この二つの内側コア部は、各巻回部内に収納される。一つの巻回部内には、両分割コア片の内側コア部同士が巻回部の軸方向に交差する方向に並ぶように重ね合わされて収納される。組み付けられた分割コア片は、一方の分割コア片に備える内側コア部の端面と他方の分割コア片間にギャップを備える。
特開2017−027973号公報
上述のように複数のコア片を組み合わせてなる磁性コアを備えるリアクトルに対して、磁気飽和し難い上に、コア片の組み付け状態をより維持し易いことが望まれる。
上述の磁性コアは、両分割コア片間にギャップを備えるため、磁気飽和し難い。また、上述のU字状の分割コア片は、両分割コア片の内側コア部同士を重ね合せることで容易に組み付けられ、組立作業性に優れる。しかし、組み付けられた両分割コア片は、分割コア片同士を分離する方向だけでなく、内側コア部の軸方向にもずれることがあるため、組み付け状態をより維持し易いリアクトルが望まれる。
そこで、磁気飽和し難い上に、コア片の組み付け状態を維持し易いリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
巻回部を備えるコイルと、
互いに係合するコア片の組を含み、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備え、
前記コア片の組における一方のコア片は、その端部に、他方のコア片側に向かって開口する環状の開口縁を有する凹部を備え、他方のコア片は、その端部に、前記凹部に嵌め込まれる凸部を備え、
両コア片は、前記開口縁に沿って設けられ、互いに面接触する環状の接触部と、前記凹部をつくる内周面と前記凸部の外周面との非接触な領域によって形成されるギャップ部とを前記巻回部内に備える。
上記のリアクトルは、磁気飽和し難い上に、コア片の組み付け状態を維持し易い。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルを図1に示す(II)−(II)切断線で切断した断面図である。 実施形態1のリアクトルに備える磁性コアの分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備える組合体の分解斜視図である。
[本発明の実施の形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るリアクトルは、
巻回部を備えるコイルと、
互いに係合するコア片の組を含み、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備え、
前記コア片の組における一方のコア片は、その端部に、他方のコア片側に向かって開口する環状の開口縁を有する凹部を備え、他方のコア片は、その端部に、前記凹部に嵌め込まれる凸部を備え、
両コア片は、前記開口縁に沿って設けられ、互いに面接触する環状の接触部と、前記凹部をつくる内周面と前記凸部の外周面との非接触な領域によって形成されるギャップ部とを前記巻回部内に備える。
前記環状の接触部は、凹部の内周面の一部と凸部の外周面の一部とを含む。更に、環状の接触部は、一方のコア片に設けられ、凹部の開口縁を囲む枠状の端面と、他方のコア片に設けられ、上記一方のコア片の枠状の面に対向する枠状の面とを含むことができる。
上記のリアクトルにおいて、上述の環状の開口縁を有する凹部は、一方向にのみ開口するといえる。このような凹部と凸部とが係合した状態では、凸部の全周を囲むように凹部の内周面が存在し、両コア片の移動可能な方向を巻回部の軸方向に沿った一方向に規制することができる。従って、上記のリアクトルは、複数のコア片を備えるものの凹部と凸部とを係合することでコア片同士を容易に組み付けられて、組立作業性に優れる上に、コア片を組み付けた状態を維持し易い。組み付け状態を維持できるため、コア片同士を接合する接着剤を省略できることからも、上記のリアクトルは製造性に優れる。
また、上記のリアクトルは、環状の接触部を備えることで、凹部の内周面と凸部の外周面との非接触な領域に形成される空間を実質的に閉鎖された空間とすることができる。上記のリアクトルは、この空間をギャップ部(磁気ギャップ)とし、このギャップ部を巻回部内に備えるため、使用電流が大きくなっても磁気飽和し難い。また、巻回部外に磁気ギャップを設ける場合よりも低損失にし易い。更に、コア片の係合によってギャップ部を設けるため、ギャップ板を省略でき、部品点数が少ないことからも、組立作業性に優れる。その上、上記のリアクトルは、上述の環状の接触部を含めて、ギャップ部を囲むように磁路を備えるため、ギャップ部からの漏れ磁束を低減して、低損失にし易いと期待される。なお、ギャップ部を囲む磁路は、上記空間を形成可能な範囲で設けられるため比較的小さく、上記のリアクトルは、接触部を有していても磁気飽和し難い。
(2)上記のリアクトルの一例として、
前記両コア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体である形態が挙げられる。
上記の複合材料の成形体は、磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉成形体と比較して、比透磁率が比較的低い傾向にあり、磁気飽和し難い。上記形態は、両コア片が上述の特定の形状であるためコア片の組み付け状態を維持し易い上に、複合材料の成形体を備えることで磁気飽和をより低減し易い。また、上記形態は、後述するギャップ長を小さくし易く、小型にし易い。
(3)上記のリアクトルの一例として、
前記ギャップ部は、エアギャップである形態が挙げられる。
ここで、ギャップ部は、上述のギャップ部をなす空間に樹脂などが充填された固体の磁気ギャップとすることができる。一方、エアギャップとすれば、上記空間に充填された充填物に起因する熱応力がコア片に作用することを防止できる。従って、上記形態は、磁気飽和し難い上に、コア片の組み付け状態を維持し易く、更には強度にも優れる。
(4)上記のリアクトルの一例として、
前記ギャップ部におけるギャップ長は0超2mm以下である形態が挙げられる。
ここでのギャップ長とは、前記非接触な領域によって形成される空間において、前記巻回部の軸方向に沿った最大距離とする。
上記形態は、ギャップ長が上述の範囲であるため磁気飽和し難く、小型なリアクトルとすることができる上に、コア片の組み付け状態を維持し易い。
(5)上記のリアクトルの一例として、
前記接触部は、前記一方のコア片に設けられ、前記凹部の開口縁を囲む枠状の端面と、前記他方のコア片に設けられ、前記枠状の端面に対向する枠状の面とを含む形態が挙げられる。
上記形態において一方のコア片は、枠状の端面と、この端面よりも凹む凹部とを備え、他方のコア片は上記枠状の端面に対向する枠状の面とこの枠状の面から突出する凸部とを備える。これらのコア片を上記の枠状の面同士が面接触するように組み付けることで、凹部及び凸部を自動的に係合できる。従って、上記形態は、磁気飽和し難い上に、組立作業性にも優れ、更に組み付けたコア片が外れ難い。また、枠状の面同士が面接触することで、ギャップ部として機能する上述の空間をより確実に形成できる。
(6)上記のリアクトルの一例として、
前記磁性コア及び前記コイルの少なくとも一方について、その外周面の少なくとも一部を覆う樹脂部を備える形態が挙げられる。
上記形態において、特に磁性コアを一体化する樹脂部を備えると、コア片の組み付け状態をより確実に維持できる。その他、樹脂部の具備によって、コイルと磁性コアとの絶縁性の向上、コイルや磁性コアにおける外部環境からの保護や機械的保護、コイルや磁性コアを樹脂部によって一体化する場合には剛性や強度の向上、振動・騒音の抑制などの効果を期待できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1から図4を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。図2は、リアクトル1をコイル2の軸方向に平行な平面で切断した縦断面図である。図1,図3,図4では、紙面左側にコア片3A、紙面右側にコア片3Bを示す。
(概要)
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように巻線2wを巻回してなる一対の巻回部2a,2bを備えるコイル2と、巻回部2a,2bの内外に配置される磁性コア3(図2も参照)とを備える。両巻回部2a,2bは、各巻回部2a,2bの軸が平行するように横並びに設けられる。磁性コア3は、互いに係合するコア片の組を含む。この例では、磁性コア3は、図3,図4に示すように二つのコア片3A,3Bを備え、両コア片3A,3Bが係合するコア片の組をなす。各コア片3A,3Bは、巻回部2a,2b内にそれぞれ配置される二つの内側コア部31,31と、巻回部2a,2b外に配置され、両内側コア部31,31を連結する外側コア部32とを備える。各内側コア部31の端部は、両コア片3A,3Bの係合箇所として機能する。両コア片3A,3Bは、図2に示すように内側コア部31,31の端部同士が係合されて環状に組み付けられ、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する。リアクトル1は、代表的には、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。図1のリアクトル1は設置状態の一例を示し、図1の紙面下側をリアクトル1の設置側とする場合を例示する。
図2に示すように、コア片の組における一方のコア片3Aは、少なくとも一方の内側コア部31の端部に凹部35を備え(図3も参照)、他方のコア片3Bは、少なくとも一方の内側コア部31の端部に上記凹部35に嵌め込まれる凸部37を備える(図4も参照)。この例では、各コア片3A,3Bは各内側コア部31,31の端部に凹部35、凸部37を備えており(図2、コア片3Aでは図3参照、コア片3Bでは図4参照)、これら凹部35及び凸部37を係合部とする。リアクトル1は、凸部37及び凹部35係合箇所を二つ備える(図2)。特に、実施形態1のリアクトル1は、凹部35及び凸部37の係合状態において、図2に示すように凹部35をつくる内周面と凸部37の外周面とは非接触な領域を備え、この非接触な領域によってギャップ部Gを形成する。このようなギャップ部Gを形成するために、凹部35は、図3,図4に示すように係合する相手のコア片側に向かって開口する環状の開口縁を有し、代表的には一方向にのみ開口する。凸部37は、代表的にはその突出長さが凹部35の深さよりも小さい。また、上述の係合状態において、両コア片3A,3Bは、上記凹部35の開口縁に沿って設けられ、互いに面接触する環状の接触部を備える。この例の接触部は、図2に示すように凹部35をつくる内周面の一部(後述する傾斜面)と凸部37の外周面の一部(後述する傾斜面)との組と、一方のコア片3Aに設けられ、凹部35の開口縁を囲む枠状の端面(ここでは後述する外側端面315a)と、他方のコア片3Bに設けられ、上述のコア片3Aの枠状の端面に対向する枠状の面(ここでは後述する外側端面317b)とを含む。この例では、接触部は、外側端面315a,317bの組に加え、外側端面317a,315bの組を含む。リアクトル1は、上述のギャップ部Gとこの接触部とを巻回部2a,2b内に備える。以下、磁性コア3を中心に詳細に説明する。
(コイル)
この例のコイル2は、図4に示すように2本の巻線2w,2wをそれぞれ螺旋状に巻回してなる筒状の巻回部2a,2bと、両巻線2w,2wの一端部同士が接合されてなる接合部20とを備える。このコイル2は、各巻線2w,2wによって形成される各巻回部2a,2bを横並びに配置し、各巻回部2a,2bから延びる巻線2w,2wの一端部を適宜屈曲して電気的に接続し、接合部20を形成することで製造される一体物である。上述の一端部同士の接続には、各種の溶接や半田付け、ロウ付けなどが利用できる。巻線2wの他端部はいずれも、巻回部2a,2bから適宜な方向に引き出され、端子金具(図示せず)が適宜取り付けられ、電源などの外部装置(図示せず)に電気的に接続される。
この例の巻回部2a,2bはいずれも、同じ仕様の巻線2wからなり、形状・大きさ・巻回方向・ターン数を同一とする。巻線2wは、銅などからなる平角線の導体と、導体の外周を覆うポリアミドイミドなどからなる絶縁被覆とを備える被覆平角線、いわゆるエナメル線である。巻回部2a,2bは、角部を丸めた四角筒状のエッジワイズコイルである。コイル2は、公知のものを利用でき、例えば、一対の巻回部2a,2bを1本の連続する巻線によって形成されてなるものなどを利用できる。巻線2wや巻回部2a,2bの仕様は適宜変更できる。
その他、この例では、コイル2全体が後述する樹脂モールド部6に覆われず露出されている。そのため、コイル2は、外部に放熱し易く、放熱性に優れるリアクトル1とすることができる。
(磁性コア)
主として、図2〜図4を参照して、磁性コア3を説明する。
この例の磁性コア3は、二つのU字状のコア片3A,3Bと、両コア片3A,3Bの係合箇所に設けられるギャップ部G(この例では二つ、図2)とを備える。この例のコア片3A,3Bは、同一形状である。例えばコア片3Bを図3に示す状態から、水平方向に180°回転させると、コア片3Aに一致する。
〈コア片〉
この例のコア片3A,3Bは、上述の二つのように内側コア部31,31と外側コア部32とを備え、これらが一体成形された成形体である。この例の内側コア部31,31はいずれも、角部が丸められた直方体状であり(図3)、一方の内側コア部31の一端部側に凹部35が設けられ、他方の内側コア部31の一端部側に凸部37が設けられている。凹部35及び凸部37が形成される端部近傍を除いて、両内側コア部31,31は実質的に同一の形状、大きさである。凹部35及び凸部37の詳細は後述する。
この例の外側コア部32は、六角形状の柱状体であり、巻回部2a,2bとの対向面(内端面32e)から巻回部2a,2b側に向かって内側コア部31,31が突出する。また、この例の外側コア部32は、その設置側の面(図3では下面)が内側コア部31の設置側の面(同)よりも設置対象に近づくように(ここでは下側に向かって)突出して、巻回部2a,2bの設置側の面(図1では下面)と実質的に面一である。リアクトル1は、巻回部2a,2b及び外側コア部32における設置側の面をリアクトル1の設置面とすることで、設置状態を安定して維持し易い。
《凹部及び凸部の形状》
この例では、コア片3A,3Bに備える各内側コア部31,31の端面はいずれも段差形状である(図3)。一方の内側コア部31の端面は、外縁側の領域が高く、外縁よりも内側の領域が低い段差形状である。他方の内側コア部31の端面は、逆に、外縁側の領域が低く、外縁よりも内側の領域が高い段差形状である。この段差形状によって凹部35,凸部37を形成する。
詳しくは、一方の内側コア部31の端部は、内側コア部31の外形に対応した長方形枠状であって、内側コア部31の外縁を含む外側端面315aと、この枠状の外側端面315aの内縁よりも外側コア部32側に位置し、内側コア部31の外形に対応した長方形状の内側端面350と、両端面315a,350を繋ぎ、内側コア部31の周方向に連続する内周壁面とを備える。凹部35は、内側端面350と内周壁面とで形成され、内側コア部31の周方向に閉じた形状である。また、凹部35は、一方向、ここでは端面315a側に向かう方向にのみ開口する。このような凹部35を備える内側コア部31の外周面は、内側コア部31の軸方向(巻回部2a,2bの軸方向に実質的に等しい)の全域に亘って面一であり、一様な外観を有する。この例では、各端面315a,350は、内側コア部31の軸方向に直交する平行な平面からなる。内周壁面は、図2の一点鎖線円内に拡大して示すように、凹部35の開口縁側の領域が内側コア部31の軸方向に交差する傾斜面からなり、内側端面350側の領域が内側コア部31の軸方向に平行な面(筒状の面)からなる。傾斜面は、凹部35の開口縁から内側端面350に向かって、開口幅が狭くなるように設けられている。凹部35の縦断面形状は、図2に示すように開口縁側が台形状、内側端面350側が長方形状である。
他方の内側コア部31の端部は、内側コア部31の外形に対応した長方形枠状であって、内側コア部31の外縁を含む外側端面317aと、この枠状の外側端面317aの内縁よりも外側コア部32とは反対側に向かって突出し、内側コア部31の外形に対応した長方形状の内側端面370と、両端面317a,370を繋ぎ、内側コア部31の周方向に連続する外周壁面とを備える。凸部37は、内側端面370と外周壁面とで形成される錘台状である。このような凸部37を備える他方の内側コア部31の外周面は、凸部37を除いて、内側コア部31の軸方向の全域に亘って面一であり、一様な外観を有する。この例では、各端面317a,370は、平行な平面からなる。外周壁面は、上述の内周壁面の傾斜面に対応した傾斜を有する傾斜面である。凸部37の縦断面形状は、図2に示すように台形状である。
≪凹部と凸部との係合状態≫
凹部35と凸部37とを係合させると、凸部37の外周壁部(傾斜面)の全周を囲むように凹部35をつくる開口縁側の傾斜面が存在し、図2に示すように、凹部35をつくる内周壁部の一部(傾斜面)と凸部37の外周壁部とは接触する。凹部35と凸部37とにおけるこの接触領域は、凹部35の開口部に沿って環状に設けられて、接触部の一部をなす。凹部35と凸部37とにおける上述の接触によって、コア片3A,3Bは、互いに外側コア部32側に向かう方向を除いて実質的に移動を規制され、係合状態を維持できる。また、この接触領域は、磁路の一部をなすと共に、後述する閉鎖された空間を形成することに機能する。
凹部35と凸部37とを係合させても、凹部35をつくる内側端面350側の筒状の面及び内側端面350と、凸部37の内側端面370とは接触せず、両端面350,370間には、上述の筒状の面の大きさに応じた隙間が設けられる。凹部35と凸部37とにおけるこの非接触領域は、実質的に閉鎖された空間を形成し、この空間をギャップ部Gとする。この例では、両内側端面350,370は、図2に示すように平行に配置され、両内側端面350,370間には実質的に一様な厚さの隙間が設けられ、磁気ギャップとして機能する。所定の磁気ギャップとなるように、凹部35及び凸部37における非接触領域の大きさを調整するとよい。代表的には、凹部35の深さに対して、凸部37の突出長さを小さくする。この例では、上述の筒状の面の大きさ分、凸部37の突出長さが短い。
図2〜図4に示す凹部35及び凸部37の形状、大きさなどは例示である。凹部35及び凸部37の形状、大きさなどは、互いに係合し、かつ接触領域と非接触領域とによって所定の大きさのギャップ部Gを形成可能な範囲で適宜変更できる。例えば、凹部35の開口形状及び凸部37の外形を内側コア部31の外形に対応しない形状(上記開口形状が円形状、凸部37が円柱状など)とすることができる。又は、例えば、内側端面350,370を平面ではなく、弧状の湾曲面とすることができる。又は、例えば、凸部37を一つではなく、複数にすることができる(後述する実施形態(g)参照)。本例のように凹部35の開口形状及び凸部37の外形を内側コア部31の外形に対応させると、上述のギャップが形成される空間を大きく確保し易く(内側コア部31の外周面と凹部35の内周壁部との間の最大厚さを小さくし易く)、大きな磁気ギャップを有し、磁気飽和し難い磁性コア3とし易い。本例のように内側端面350,370を平面とすると、後述するギャップ長Lgを調整し易い。本例のように、凸部37を一つとし、上述のように両内側端面350,370を平面とすると、ギャップ長Lgを調整し易い。
≪外側端面≫
この例では、一方のコア片3Aにおける凹部35の開口縁を囲む枠状の外側端面315aと、他方のコア片3Bにおける上記外側端面315aに対向する外側端面317bとは面接触して、接触部の一部をなす。同様に、他方のコア片3Bにおける外側端面315bと、一方のコア片3Aにおける上記外側端面315bに対向する外側端面317aとは面接触して、接触部の一部をなす。リアクトル1の製造過程では、両コア片3A,3Bを組み付ける際に外側端面315a,317bの組、及び外側端面317a,315bの組(以下、まとめて外側端面の組等と呼ぶことがある)において、互いに当接するまで両コア片3A,3Bを近接させることで凹部35と凸部37とを自動的に係合できる。従って、この例のように外側端面の組等を備えるリアクトル1は、凹部35と凸部37とを容易に、かつ精度よく組み付けられる。また、凹部35及び凸部37に加えて、外側端面の組等をも面接触することで、上述のギャップ部Gとして機能する上述の閉鎖空間をより確実に形成できる。
ここで、外側端面の組等は磁路として機能する。そのため、各外側端面315a,315b,317a,317bの大きさ(ここでは枠幅)が大き過ぎると、所定の大きさのギャップ部Gを確保できず、磁気飽和の低減効果を得難くなる。磁気飽和の低減の観点からは、上記大きさを可及的に小さくすることが好ましい。例えば、外側端面を省略して、一方のコア片に備える凹部35を、その開口縁がこの一方のコア片の外周面に至るような断面台形状とし、他方のコア片に備える凸部37を、凸部の傾斜面の周縁が他方のコア片の外周面に至るような断面台形状とすることができる。一方、この例のように外側端面を有すると、上述のようにギャップ部Gをなす空間をより確実に形成できる上に、凹部35の開口縁近傍の強度を高めて、コア片3A,3Bの欠けや割れなどを防止し易い。例えば、各外側端面315a,315b,317a,317bの面積は、内側コア部31における凹部35及び凸部37の形成箇所以外の箇所における磁路断面積の10%以上50%以下、更に20%以上40%以下程度とすることが挙げられる。その他、この例では外側端面を内側コア部31の軸方向に直交する平面としたが、非直交に交差する平面などとすることができる。
≪ギャップ長≫
ギャップ部Gにおけるギャップ長Lgの大きさは適宜選択できる。ギャップ長Lgは、上述の非接触領域によって形成される空間において、巻回部2a,2bの軸方向に沿った最大距離とする。この例では、ギャップ長Lgは、内側端面350,370間における上記最大距離である。この例では、上述のように平面からなる内側端面350,370が平行に配置されるため、内側端面350,370間において、巻回部2a,2bの軸方向に沿った距離は実質的に一様である。そのため、この例のリアクトル1(磁性コア3)は、一様な厚さの磁気ギャップを二つ備える。
一つのギャップ部Gにおけるギャップ長Lgの大きさは、リアクトル1の大きさ、接触部の大きさなどにもよるが、例えば0mm超2mm以下が挙げられる。ギャップ長Lgが0mm超であれば、磁性コア3は、磁路面積が局所的に小さい箇所を備えることができる。この例では、凹部35及び凸部37の係合箇所における磁路面積の大きさを上述の外側端面の組等における接触面積相当とすることができる。磁路面積の局所的な低減によって、磁気飽和を低減できる。ギャップ長Lgが大きいほど磁気飽和を低減でき、0.01mm以上、更に0.1mm以上、0.3mm以上、0.5mm以上とすることができる。一方、ギャップ長Lgが2mm以下であれば、凹部35及び凸部37を係合し易く、組立作業性に優れる上に、ギャップ部Gからの漏れ磁束による損失を低減し易い。更に、小型にし易い。ギャップ長Lgが小さいほど組立作業性に優れる上に、低損失や小型化を図り易いため、1.9mm以下、更に1.8mm以下、1.5mm以下とすることができる。
なお、磁性コア3はギャップ部Gを有するものの、ギャップ部Gを形成する空間を覆うように磁性成分が存在する。即ち、リアクトル1では、巻回部2a,2b内に、巻回部2a,2bの全長に亘って磁性成分が存在し、ギャップ部Gを迂回した磁束の一部は上記磁性成分を通過できる。従って、リアクトル1は、巻回部2a,2bとギャップとの間に磁性成分が存在しない場合(特許文献1参照)に比較して、ギャップ部Gからコイル2への漏れ磁束を低減し易いと考えられる。ギャップ長Lgを短くすれば、コイル2への漏れ磁束を更に低減し易い。
≪ギャップ部の材質≫
ギャップ部Gは、エアギャップの他、上述の空間に樹脂などの非磁性材料が充填され、充填物を含む形態とすることができる。本例のようにギャップ部Gをエアギャップとすれば、上述の充填物に起因する熱応力などがコア片3A,3Bに作用することを防止でき、強度に優れる。
〈構成材料〉
コア片3A,3Bは、所定の形状、大きさに成形されてなる成形体である。コア片3A,3Bは、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体、磁性粉末を主体とする原料粉末を圧縮成形してなる圧粉成形体、珪素鋼板などの軟磁性材料からなる板材を積層した積層体、フェライトコアなどの焼結体などからなるものなどが挙げられる。この例のコア片3A,3Bは、複合材料の成形体である。
複合材料の成形体は、射出成形や注型成形などの適宜な成形方法によって製造されたものが挙げられる。複合材料の成形体は、磁性粉末の粉末粒子間に樹脂が介在する。そのため、上述の圧粉成形体や積層体などに比較して、比透磁率を低くし易く、ギャップ部Gのギャップ長Lgを小さくし易い。更に、複合材料の成形体は、渦電流損などの鉄損を低減し易く低損失なコア片とし易い、複雑な立体形状であっても容易に成形できて製造性に優れるといった効果も期待できる。本例のようにコア片3A,3Bが同一形状であれば、同一の成形型で成形できることからも、製造性に優れる。
磁性粉末を構成する磁性材料は、軟磁性材料である金属や非金属などが挙げられる。金属では、実質的にFeからなる純鉄、種々の添加元素を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる鉄基合金、Fe以外の鉄族金属やその合金などが挙げられる。鉄基合金は、例えば、Fe−Si合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金、Fe−C合金などが挙げられる。非金属ではフェライトなどが挙げられる。
複合材料に含む樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、低温硬化性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。その他、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなども利用できる。
複合材料中の磁性粉末の含有量は、例えば、30体積%以上80体積%以下、更に50体積%以上75体積%以下が挙げられる。複合材料中の樹脂の含有量は10体積%以上70体積%以下、更に20体積%以上50体積%以下が挙げられる。また、複合材料は、磁性粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカなどの非磁性かつ非金属材料からなるフィラー粉末を含有することができる。フィラー粉末の含有量は、0.2質量%以上20質量%8以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下が挙げられる。樹脂の含有量が多いほど、比透磁率を小さくして磁気飽和し難くできる上に、絶縁性を高められ、渦電流損を低減して低損失にし易い。磁気飽和し難いため、ギャップ長Lgも小さくし易く、小型な磁性コア3にし易い。フィラー粉末を含有する場合、絶縁性の向上による低損失化、放熱性の向上などが期待できる。
(その他の部材)
リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との組合体10のままでも使用できる。更に、リアクトル1は、磁性コア3及びコイル2の少なくとも一方について、その外周面の少なくとも一部を覆う樹脂部を備えることができる。この例のリアクトル1は、コイル2と磁性コア3間に介在される樹脂部として介在部材5を備えると共に、磁性コア3の外周面の少なくとも一部を覆う樹脂部として、外側コア部32の一部を覆う樹脂モールド部6を備える。
〈介在部材〉
この例の介在部材5は、図4に示すようにコイル2の巻回部2a,2bの軸方向に分割される一対の分割介在片5A,5Bを備える。各分割介在片5A,5Bは、巻回部2a,2bと内側コア部31,31間に介在される内側介在部51,51と、巻回部2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32e間に介在される枠部52とを備える。
この例の内側介在部51は、内側コア部31の外形に沿った筒状体であり、内側コア部31の全周を覆う。両分割介在片5A,5Bを組み付けると、筒状の内側介在部51,51の端面同士が突き合わされて(図2)、巻回部2a,2b内で連続する筒体を形成する。
この例の枠部52は、並列される内側コア部31,31がそれぞれ挿入される二つの貫通孔を備えるB字状の部材である。枠部52の貫通孔の開口縁から巻回部2a,2bに向かって内側介在部51,51が延設される。また、この例では、一方(図4では右側)の枠部52における巻回部2a,2b側の領域に巻回部2a,2bの一部が嵌め込まれる溝を備えて、巻回部2a,2bの一端面を密着させられる。そのため、巻回部2a,2bとコア片3A,3Bと分割介在片5A,5Bとを組み付けると、介在部材5に対して、上記溝によって巻回部2a,2bを精度よく位置決めでき、内側介在部51,51によってコア片3A,3Bを精度よく位置決めできる。結果として、介在部材5を介して、コイル2と磁性コア3とを精度よく位置決めできる。なお、各分割介在片5A,5Bの枠部52,52の設置面は、巻回部2a,2bの設置面と外側コア部32,32の設置面と面一である。
介在部材5の形状は例示であり、適宜変更できる。例えば、内側介在部51の長さを内側コア部31よりも短くしたり、貫通孔や溝などを設けたりすると、介在部材5の構成材料を低減でき、軽量化を図ることができる。又は、例えば、両分割介在片5A,5Bの内側介在部51,51同士が係合する形状とすることができる。
介在部材5の構成材料は、複合材料の項で説明した各種の熱可塑性樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。内側介在部51の厚さや、枠部52における巻回部2a,2bと外側コア部32の内端面32e間に介在される部分の厚さなどは、所定の絶縁特性を満たす範囲で適宜選択できる。
〈樹脂モールド部〉
この例の樹脂モールド部6は、図1,図2に示すように、外側コア部32の外周面のうち、主として、設置面及び内端面32eを除く領域を均一的な厚さで覆う。上記領域は、外部環境に曝されるため、樹脂モールド部6で覆うことで、外部環境からの保護、機械的な保護、外側コア部32と外部部品間の絶縁性の向上などを図ることができる。
樹脂モールド部6の被覆領域、厚さなどは適宜変更できる。例えば、磁性コア3の外周全体を実質的に覆うことができる。この場合、樹脂モールド部6によって、コア片3A,3Bを一体に保持でき、一体物としての磁性コア3の剛性や強度を高められる。この例のコア片3A,3Bは、上述のように複合材料の成形体からなり、樹脂成分を含むため、樹脂モールド部6が無くても、外部環境からの保護や絶縁性の確保などをある程度期待できるが、この例のように更に樹脂モールド部6を備えると、上記の効果をより一層得易い。
樹脂モールド部6の構成材料は、例えば、複合材料の項で説明した各種の熱可塑性樹脂、各種の熱硬化性樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。絶縁性樹脂にアルミナやシリカなどの非磁性かつ非金属粉末を含有すれば、放熱性や電気絶縁性などを高められる。樹脂モールド部6は、図4に示すコイル2と磁性コア3と介在部材5との組合体10を成形型に収納し、射出成形などの各種の成形方法によって成形することが挙げられる。成形型は、所定の領域(この例では主として外側コア部32の外周面の一部)を被覆可能な適宜な形状のものが利用できる。射出成形には、熱可塑性樹脂が利用し易い。
(用途)
実施形態1のリアクトル1は、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、電力変換装置の構成部品に利用できる。特に、複合材料の成形体からなるコア片3A,3Bを備える磁性コア3は、圧粉成形体や電磁鋼板を積層した積層体からなるコア片を含む場合に比較して、低損失であるため、高周波用途のリアクトルなどに好適に利用できる。
(主要な効果)
実施形態1のリアクトル1は、互いに係合するコア片3A,3Bを備え、その係合部を、環状の開口縁を有して、一方向にのみ開口する凹部35と、この凹部35に嵌め込まれる凸部37とする。従って、リアクトル1は、コア片3A,3Bを組み付け易く、組立作業性に優れる上に、係合された両コア片3A,3Bの移動を規制でき、組み付けた状態を維持し易い。このようなコア片3A,3Bは両者の固定に接着剤を省略できる点から、リアクトル1は製造性にも優れる。この例のリアクトル1は、両コア片3A,3Bが枠状の外側端面の組等を備え、これらが当接するまで両コア片3A,3Bを近接することで凹部35及び凸部37を係合できることからも、組み付け易い。また、この例のリアクトル1は、凹部35の内周面と凸部37の外周面とに環状の接触領域(接触部)を有することからも、コア片3A,3B同士がガタつき難く、組み付け状態を維持し易い。
更に、実施形態1のリアクトル1は、凹部35及び凸部37の係合によって形成されるギャップ部Gを巻回部2a,2b内に備えるため、使用電流が大きくなった場合でも磁気飽和し難い。この例のリアクトル1は、両コア片3A,3Bが複合材料の成形体からなることからも、磁気飽和し難い。また、この例のリアクトル1は、内側コア部31において磁束が通過し易い内側領域にギャップ部Gを備える上に、平面からなる内側端面350,370間の間隔を調整することでギャップ長Lgを精度よく調整できることからも、磁気飽和し難い。ギャップ部Gを巻回部2a,2b内に備えること、更には両コア片3A,3Bが複合材料の成形体からなることから、リアクトル1は低損失である。ギャップ部Gを有しながらもギャップ板が不要な点から、リアクトル1は製造性にも優れる。
更に、実施形態1のリアクトル1は、ギャップ部Gを囲むように磁性成分が存在することで、ギャップ部Gを有しながらも、ギャップ部Gからの漏れ磁束を低減し易く、この漏れ磁束に起因する損失を低減できる。なお、この磁性成分は、ギャップ部Gをなす上述の空間を形成可能な程度の小さなものであり(この例では上述の外側端面の組等がなす接触領域)、リアクトル1は、ギャップ部Gによる磁気飽和の低減効果を適切に得られる。
その他、この例のリアクトル1は、以下の効果も奏する。
(α)両コア片3A,3Bが複合材料の成形体からなるため、ギャップ長Lgを小さくし易く、小型にし易い。
(β)介在部材5を備えるため、コイル2と磁性コア3間の絶縁性を高められる、樹脂モールド部6を備えることで磁性コア3(特に外側コア部32)の外部環境から保護、機械的保護、剛性や強度の向上などの効果が期待できる。
(γ)樹脂モールド部6は、介在部材5の枠部52における外側コア部32側の面の一部も覆うことで、介在部材5及び介在部材5に保持されるコイル2と、外側コア部32を含むコア片3A,3Bを一体に保持するといえる。そのため、この例のリアクトル1は、樹脂モールド部6による組合体10の一体物としての剛性や強度の向上などが期待できる。(δ)コイル2を外部環境に露出させているため、放熱性にも優れる。
その他の実施形態として、例えば、以下の構成を備えるリアクトルが挙げられる。
(a)磁性コア3に備えるコア片の個数が3個以上である。
例えば、内側コア部31を複数の内コア片とし、各内コア片に凹部35及び凸部37を備えることが挙げられる。
(b)磁性コア3に備える各コア片の形状がJ字状である。
例えば、実施形態1で説明した各コア片3A,3Bにおいて、内側コア部31,31の長さを等しくせず、異ならせる。つまり、各コア片を、外側コア部32と比較的長い内側コア部と、比較的短い内側コア部とを備えるものとし、各内側コア部の端部に凹部35、凸部37を備えることが挙げられる。
その他、EI型コア、EE型コアなどに備える二つの側脚部及び一つの中脚部のうち、少なくともコイルの巻回部が配置される脚部の端部に凹部35及び凸部37を備えることができる。
(c)磁性コア3に備える各コア片の形状がL字状である。
例えば、実施形態1で説明した各コア片3A,3Bにおいて、一方の内側コア部31を省略し、他方の内側コア部31の長さを長くする。つまり、各コア片を、外側コア部32と一つの長い内側コア部とを備えるものとし、外側コア部32の内端面32eと長い内側コア部の端部とに凹部35、凸部37を備えることが挙げられる。この場合、凹部及び凸部の大きさを調整することで、巻回部2a,2b内にギャップ部Gを設けられる。
(d)外側コア部32と内側コア部31とが分割されている。
この場合、外側コア部32をなすコア片と、内側コア部31をなすコア片とは互いに係合する係合部を備えると組み付け易い。この係合部は、凹部35及び凸部37と同様な形状とすることもできるが、磁気ギャップが不要であれば、任意の係合形状とすることができる。係合部を備えず、コア片同士を接着剤などで固定することもできる。
(e)内側コア部31の形状が円柱状、楕円柱状などの外周面に曲面を含む形状、又は六角柱などの多角柱状などである。
(f)一方のコア片3Aには凹部35のみを備え、他方のコア片3Bには凸部37のみを備える。
(g)凸部が一つではなく、複数である。
この場合、凹部35に複数の凸部37を嵌め込むことで、両コア片3A,3Bの移動を規制できるように、凹部35の環状の開口縁に対して、複数の凸部37の形成位置、個数を選択するとよい。例えば、図3に示す一方のコア片3Aに設けられた長方形枠状の凹部35に対して、他方のコア片3Bの端部には、上記長方形における対角位置の二つの角部、又は三つの角部、又は四つの角部に対応する位置を形成位置として、凸部37を設けることが挙げられる。このコア片3Bは、長方形状の端面に複数の凸部37が離間して設けられることになる。この端面と凹部35側の外側端面315aとが面接触することで、実質的に閉鎖された空間を形成でき、ギャップ部Gを備えられる。
上述の実施形態1などに対して、以下の少なくとも一つの変更や追加が可能である。
(1)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサなどのリアクトル1などの物理量を測定するセンサ(図示せず)を備える。
(2)巻回部2a,2bの露出箇所に放熱板を備える。
(3)介在部材5及び樹脂モールド部6の少なくとも一方を省略する。
(4)樹脂モールド部6を、磁性コア3を一体に保持するものとする。
(5)樹脂モールド部6を、コイル2を一体に保持するものとする。
(6)樹脂モールド部6を、コイル2、磁性コア3を含む組合体10(介在部材5の有無は問わない)を一体に保持するものとする。
(7)樹脂モールド部6を、組合体10を収納するケース(図示せず)を備え、ケース内に収納した組合体10を封止する樹脂部に変更する。
(8)巻回部2a,2bを構成する隣り合うターン同士を接合する熱融着樹脂部(図示せず)を備える。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 リアクトル
10 組合体
2 コイル
2a,2b 巻回部
2w 巻線
20 接合部
3 磁性コア
3A,3B コア片
31 内側コア部
315a,315b,317a,317b 外側端面
32 外側コア部
32e 内端面
35 凹部
350,370 内側端面
37 凸部
G ギャップ部
5 介在部材
5A,5B 分割介在片
51 内側介在部
52 枠部
6 樹脂モールド部
Lg ギャップ長

Claims (5)

  1. 巻回部を備えるコイルと、
    互いに係合するコア片の組を含み、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備え、
    前記コア片の組における一方のコア片は、その端部に、他方のコア片側に向かって開口する環状の開口縁を有する凹部を備え、他方のコア片は、その端部に、前記凹部に嵌め込まれる凸部を備え、
    両コア片は、前記開口縁に沿って設けられ、互いに面接触する環状の接触部と、前記凹部をつくる内周面と前記凸部の外周面との非接触な領域によって形成されるギャップ部とを前記巻回部内に備え
    前記両コア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体であり、
    前記複合材料における前記樹脂の含有量が10体積%以上70体積%以下であり、
    前記凹部の前記内周面は、前記開口縁側に、前記巻回部の軸方向に交差する傾斜面を含み、
    前記傾斜面は、前記開口縁の周方向に連続して設けられると共に、前記開口縁から離れるにつれて開口幅が狭くなるように設けられており、
    前記凸部の前記外周面は、前記凹部の前記傾斜面に対応した傾斜を有する傾斜面を含み、
    前記環状の接触部は、前記凹部の前記傾斜面と前記凸部の前記傾斜面とによる環状の接触領域を含むリアクトル。
  2. 前記ギャップ部は、エアギャップである請求項に記載のリアクトル。
  3. 前記ギャップ部におけるギャップ長は0超2mm以下である請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記接触部は、前記一方のコア片に設けられ、前記凹部の開口縁を囲む枠状の端面と、前記他方のコア片に設けられ、前記枠状の端面に対向する枠状の面とを含む請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記磁性コア及び前記コイルの少なくとも一方について、その外周面の少なくとも一部を覆う樹脂部を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
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