JP2023057448A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023057448000001
【課題】ギャップ部の体積を調整し易いリアクトルを提供する。
【解決手段】コイルと、磁性コアとを備え、コイルの巻回部は、磁性コアのミドルコア部に配置され、ミドルコア部は、第一ミドルコア部と第二ミドルコア部とギャップ部とを有し、第一ミドルコア部は第一の端部を有し、第二ミドルコア部は第二の端部を有し、第一の端部は、凹部と、凹部が開口する環状の第一面とを有し、第二の端部は、凹部に嵌合された凸部と、第一面と間隔をあけて向かい合う環状の第二面とを有し、凹部の底面は、凸部の頂面と間隔をあけて向かい合い、凹部の内周面は傾斜面を含み、凹部の傾斜面は、凸部と接触した接触部を有し、ギャップ部は、底面と頂面との間に形成された第一ギャップ部と、第一面と第二面との間に形成された環状の第二ギャップ部とを有する、リアクトル。
【選択図】図3

Description

本開示は、リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータの構成部品にリアクトルがある。特許文献1は、巻回部を有するコイルと、互いに係合する2つのコア片を有する磁性コアとを備えるリアクトルを開示する。一方のコア片の端部には、他方のコア片に向かって開口する凹部が設けられている。凹部は環状の開口縁を有する。他方のコア片の端部には、凹部に嵌め込まれる凸部が設けられてる。2つのコア片は、凹部と凸部とが係合した状態において、接触部とギャップ部とを備える。接触部は、凹部の開口縁に沿って互いに面接触する環状の部位である。ギャップ部は、凹部の内周面と凸部の外周面との非接触な領域によって形成される部位である。
特開2018-182184号公報
リアクトルに要求される特性の1つとして、インダクタンスが挙げられる。磁性コアが磁気飽和すると、インダクタンスが低下する。磁性コアの磁気飽和を抑制するため、磁性コアにギャップ部が設けられている。インダクタンスは、磁性コア全体の透磁率によって変わる。磁性コアの透磁率は、ギャップ部の長さと面積、即ちギャップ部の体積によって変わる。所定のインダクタンスを得るために、ギャップ部の体積を調整する必要がある。
本開示は、ギャップ部の体積を調整し易いリアクトルを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、上記リアクトルを備えるコンバータを提供することを別の目的の一つとする。更に、本開示は、上記コンバータを備える電力変換装置を提供することを他の目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、ミドルコア部を有する磁性コアとを備え、
前記巻回部は、前記ミドルコア部に配置され、
前記ミドルコア部は、
前記巻回部の軸方向に分割された第一ミドルコア部と第二ミドルコア部と、
前記第一ミドルコア部と前記第二ミドルコア部との間に設けられたギャップ部とを有し、
前記第一ミドルコア部は、前記第二ミドルコア部と向かい合う第一の端部を有し、
前記第二ミドルコア部は、前記第一ミドルコア部と向かい合う第二の端部を有し、
前記第一の端部は、前記第二ミドルコア部に向かって開口する凹部と、前記凹部が開口する環状の第一面とを有し、
前記第二の端部は、前記凹部に嵌合された凸部と、前記第一面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合う環状の第二面とを有し、
前記凹部は、前記第一面から離れるにつれて小さくなるように形成されており、
前記凹部の底面は、前記凸部の頂面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合い、
前記凹部の内周面は、前記軸方向に沿う軸線に交差する傾斜面を含み、
前記凹部の傾斜面は、前記凸部と接触した接触部を有し、
前記ギャップ部は、
前記底面と前記頂面との間に形成された第一ギャップ部と、
前記第一面と前記第二面との間に形成された環状の第二ギャップ部とを有する。
本開示のコンバータは、本開示のリアクトルを備える。
本開示の電力変換装置は、本開示のコンバータを備える。
本開示のリアクトルは、ギャップ部の体積を調整し易い。また、本開示のコンバータ及び電力変換装置は、安定したインダクタンス特性を有するリアクトルを備える。
図1は、実施形態1に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 図2は、図1のII-II断面を示す概略断面図である。 図3は、図2に示す断面において、第一ミドルコア部の第一の端部、第二ミドルコア部の第二の端部、及びギャップ部を拡大して示す概略部分断面図である。 図4は、図3に示す第一ミドルコア部の第一の端部のみを拡大して示す概略部分断面図である。 図5は、図3に示す第二ミドルコア部の第二の端部のみを拡大して示す概略部分断面図である。 図6は、実施形態2に係るリアクトルにおける第一ミドルコア部の第一の端部、第二ミドルコア部の第二の端部、及びギャップ部を拡大して示す概略部分断面図である 図7は、変形例1に係るリアクトルを示す概略断面図である。 図8は、変形例2に係るリアクトルを示す概略断面図である。 図9は、ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す構成図である。 図10は、コンバータを備える電力変換装置の一例の概略を示す回路図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、ミドルコア部を有する磁性コアとを備え、
前記巻回部は、前記ミドルコア部に配置され、
前記ミドルコア部は、
前記巻回部の軸方向に分割された第一ミドルコア部と第二ミドルコア部と、
前記第一ミドルコア部と前記第二ミドルコア部との間に設けられたギャップ部とを有し、
前記第一ミドルコア部は、前記第二ミドルコア部と向かい合う第一の端部を有し、
前記第二ミドルコア部は、前記第一ミドルコア部と向かい合う第二の端部を有し、
前記第一の端部は、前記第二ミドルコア部に向かって開口する凹部と、前記凹部が開口する環状の第一面とを有し、
前記第二の端部は、前記凹部に嵌合された凸部と、前記第一面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合う環状の第二面とを有し、
前記凹部は、前記第一面から離れるにつれて小さくなるように形成されており、
前記凹部の底面は、前記凸部の頂面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合い、
前記凹部の内周面は、前記軸方向に沿う軸線に交差する傾斜面を含み、
前記凹部の傾斜面は、前記凸部と接触した接触部を有し、
前記ギャップ部は、
前記底面と前記頂面との間に形成された第一ギャップ部と、
前記第一面と前記第二面との間に形成された環状の第二ギャップ部とを有する。
本開示のリアクトルは、第一ギャップ部と第二ギャップ部によってギャップ部の体積を調整し易い。ギャップ部の体積が所定の体積に調整されることで、所定のインダクタンスが得られる。また、ミドルコア部がギャップ部を有するため、磁性コアが磁気飽和し難い。よって、本開示のリアクトルは、安定したインダクタンス特性を有する。
本開示のリアクトルでは、第一ミドルコア部の第一の端部に形成された凹部と、第二ミドルコア部の第二の端部に形成された凸部とが嵌合されることで、ミドルコア部に第一ギャップ部と第二ギャップ部とが形成される。凹部の内周面における傾斜面が凸部と接触した接触部を有することで、凹部に対して凸部が位置決めされる。これにより、第一ギャップ部の長さ、及び第二ギャップ部の長さが維持される。
第一ミドルコア部と第二ミドルコア部とは、第一ミドルコア部の凹部と、第二ミドルコア部の凸部とを嵌合することで、連結される。凹部と凸部との嵌合によって、第一ミドルコア部と第二ミドルコア部とを容易に組み付けられる上、第一ミドルコア部と第二ミドルコア部とを位置決めできる。よって、本開示のリアクトルは、磁性コアの組立作業性にも優れる。
(2)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第一ミドルコア部及び前記第二ミドルコア部の各々は、樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料の成形体で構成されていることでもよい。
複合材料の成形体は、比透磁率が比較的小さいため、磁気飽和し難い。上記の形態は、磁性コアの磁気飽和をより抑制し易い。また、複合材料の成形体であれば、互いに嵌合する凹部及び凸部を高い寸法精度で容易に成形し易い。
(3)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第一ギャップ部の最大長さが0.3mm以上3mm以下であることでもよい。
上記の形態は、磁気飽和を抑制しつつ、良好なインダクタンスを確保し易い。
(4)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第二ギャップ部の最大長さが0.3mm以上3mm以下であることでもよい。
上記の形態は、磁気飽和を抑制しつつ、良好なインダクタンスを確保し易い。
(5)本開示のリアクトルの一形態として、
前記凹部の傾斜面の傾斜角度αが30°以上60°以下であることでもよい。
上記の形態は、第一ギャップ部の長さを確保し易い。
(6)本開示のリアクトルの一形態として、
前記凸部は、前記第二面から離れるにつれて小さくなるように形成されており、
前記凸部の外周面は、前記凹部の傾斜面に沿って傾斜した傾斜面を含み、
前記接触部において、前記凹部の傾斜面と前記凸部の傾斜面とが面接触していることでもよい。
凹部と凸部とが面接触することで、凹部に対する凸部の位置決め精度が向上する。
(7)上記(6)に記載のリアクトルの一形態として、
前記接触部の長さが0.5mm以上5mm以下であることでもよい。
上記の形態は、凹部に対する凸部の位置決め精度を改善できる。
(8)本開示のリアクトルの一形態として、
前記凸部の外周面の傾斜角度βが前記凹部の傾斜面の傾斜角度αよりも小さく、
前記接触部において、前記凹部の傾斜面と前記凸部の頂面の周縁部とが線接触していることでもよい。
凹部と凸部とが線接触することで、凹部と凸部とが面接触する場合に比較して、凹部と凸部との非接触の領域が増える。つまり、ギャップ部の体積が大きくなるため、インダクタンス特性が向上する。
(9)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第一ミドルコア部のヤング率及び前記第二ミドルコア部のヤング率の各々が20GPa以上50GPa以下であることでもよい。
上記の形態は、凹部及び凸部の形状が維持され易いため、第一ギャップ部と第二ギャップ部とを確保し易い。
(10)上記(9)に記載のリアクトルの一形態として、
前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率とが等しいことでもよい。
上記の形態は、凹部及び凸部の変形が抑制され易い。上記の形態は、所定のギャップ部が確保され易いため、インダクタンスのばらつきを低減し易い。
(11)上記(9)に記載のリアクトルの一形態として、
前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率とが異なることでもよい。
上記の形態は、凹部と凸部との嵌合状態が維持され易い。
(12)上記(11)に記載のリアクトルの一形態として、
前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率との差が5GPa以上30GPa以下であることでもよい。
上記の形態は、凹部と凸部との嵌合状態がより維持され易い。
(13)本開示のリアクトルの一形態として、
前記磁性コアは、第一コアと第二コアとで構成され、
前記第一コアは、前記第一ミドルコア部を有し、
前記第二コアは、前記第二ミドルコア部を有することでもよい。
上記形態は、磁性コアの組立作業性に優れる。第一コアと第二コアとは、第一ミドルコア部の凹部と第二ミドルコア部の凸部とを嵌合することで、連結される。磁性コアは、凹部と凸部との嵌合によって、第一コアと第二コアとを容易に組み付けられる上、第一コアと第二コアとを位置決めできる。
(14)本開示の実施形態に係るコンバータは、
上記(1)から(13)のいずれか1つに記載のリアクトルを備える。
本開示のコンバータは、安定したインダクタンス特性を有するリアクトルを備える。
(15)本開示の実施形態に係る電力変換装置は、
上記(14)に記載のコンバータを備える。
本開示の電力変換装置は、本開示のコンバータを備えることから、安定したインダクタンス特性を有するリアクトルを備える。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
〔リアクトル〕
図1から図5を参照して、実施形態1のリアクトル1aを説明する。リアクトル1aは、図1、図2に示すように、コイル2と磁性コア3とを備える。コイル2は巻回部20を有する。磁性コア3は、ミドルコア部31を有する。巻回部20はミドルコア部31に配置される。ミドルコア部31は、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとギャップ部3gを有する。図4に示すように、第一ミドルコア部31aの第一の端部311は、凹部7と第一面70とを有する。図5に示すように、第二ミドルコア部31bの第二の端部312は、凸部8と第二面80とを有する。ギャップ部3gは、図3に示すように、凹部7に凸部8が嵌合された状態で形成される。
実施形態1のリアクトル1aの特徴の一つは、図2、図3に示すように、ギャップ部3gが第一ギャップ部31gと、第二ギャップ部32gとを有する点にある。以下、リアクトル1aの構成を詳細に説明する。
<コイル>
コイル2は、図1に示すように、巻回部20を有する。巻回部20は、巻線が螺旋状に巻回された部分である。巻線は公知の巻線を利用できる。例えば、巻線は、導体線と、導体線を覆う絶縁被覆とを有する被覆平角線である。導体線は銅製の平角線である。絶縁被覆はエナメルからなる。本実施形態における巻回部20の数は1つである。巻回部20のターン数は、例えば10ターン以上60ターン以下、更に20ターン以上50ターン以下である。本実施形態では、コイル2は被覆平角線をエッジワイズ巻きすることによって形成されたエッジワイズコイルである。
巻回部20の形状は筒状である。巻回部20の形状は多角筒状でもよいし、円筒状でもよい。多角筒状とは、巻回部20の軸方向から見た端面の輪郭形状が、多角形状であるものをいう。多角形状としては、例えば、四角形状、六角形状、八角形状などがある。四角形状には、矩形状が含まれる。矩形状には、正方形状が含まれる。円筒状とは、上記端面の輪郭形状が、円形状であるものをいう。円形状には、真円形状のみならず、楕円形状も含まれる。本実施形態では、巻回部20の形状が矩形筒状である。
コイル2は端末部21を有する。端末部21は、巻回部20の両端部から巻線が引き出された部分である。端末部21は第一端末部21aと第二端末部21bとを有する。第一端末部21aは、巻回部20の一方の端部から巻回部20の外周側に引き出されている。第二端末部21bは、巻回部20の他方の端部から巻回部20の外周側に引き出されている。第一端末部21a及び第二端末部21bでは、絶縁被覆が剥がされて導体線が露出している。第一端末部21a及び第二端末部21bには、例えば、図示しないバスバが接続される。コイル2は、バスバを介して図示しない外部機器と接続される。外部機器は、コイル2に電力を供給する電源などである。
<磁性コア>
磁性コア3は、図1、図2に示すように、ミドルコア部31と、サイドコア部33と、エンドコア部35とを有する。磁性コア3は、平面視において全体としてθ状に構成される。コイル2が通電されると、磁性コア3にはθ状の閉磁路が形成される。この閉磁路は、コイル2によって発生した磁束が、ミドルコア部31から、一方のエンドコア部35、各サイドコア部33、他方のエンドコア部35を通り、ミドルコア部31に戻る閉磁路である。本実施形態では、磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bとを備える。本実施形態において、磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bとが組み合わされて構成される。第一コア3aと第二コア3bとは、巻回部20の軸方向に組み合わされる。第一コア3aと第二コア3bについては後述する。
以下の説明では、巻回部20の軸方向に沿った方向をX方向とする。ミドルコア部31とサイドコア部33とが並列される方向をY方向とする。Y方向はX方向に直交する。X方向とY方向の双方に直交する方向をZ方向とする。Z方向において、コイル2の端末部21が位置する側を上側、その反対側を下側とする。上記した平面視とは、リアクトル1aを上側、即ちZ方向から見た状態のことをいう。図2は、ミドルコア部31のZ方向の中心位置において、Z方向に直交するX-Y平面で切断したリアクトル1aの断面を示している。図2中、二点鎖線は、ミドルコア部31とエンドコア部35との境界、及びサイドコア部33とエンドコア部35との境界を示している。
(ミドルコア部)
ミドルコア部31は、巻回部20の内側に配置される部分を有する。本実施形態のミドルコア部31の数は1つである。ミドルコア部31は、磁性コア3のうち、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間に挟まれる部分である。第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bについては後述する。ミドルコア部31はX方向に沿って延びている。ミドルコア部31の軸方向は巻回部20の軸方向と一致する。本実施形態では、ミドルコア部31の両端部が巻回部20の両端面から突出している。この突出する部分もミドルコア部31の一部である。
ミドルコア部31の形状は、巻回部20の内側形状に対応した形状であれば特に限定されない。本実施形態では、ミドルコア部31の形状は略直方体状である。X方向から見て、ミドルコア部31の外周面の角部は、巻回部20の内周面に沿うように丸められていてもよい。
ミドルコア部31は、X方向に分割されており、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとを有する。第一ミドルコア部31aの端面と第二ミドルコア部31bの端面とは、X方向に向かい合う。第一ミドルコア部31aは、第一コア3aが配置されるX方向の一方側に位置する。X方向の一方側は、図2では紙面左側である。第二ミドルコア部31bは、第二コア3bが配置されるX方向の他方側に位置する。X方向の他方側は、図2では紙面右側である。第一ミドルコア部31a及び第二ミドルコア部31bの各々の長さは、適宜設定すればよい。ここでいう長さは、X方向に沿った長さをいう。第一ミドルコア部31aの長さは、第一ミドルコア部31aと第一エンドコア部35aとの境界からX方向に最も離れた箇所までの距離である。本実施形態において、第一ミドルコア部31aの長さは、凹部7を含む長さであって、上記境界から第一面70までのX方向に沿った距離である(図3も参照)。第二ミドルコア部31bの長さは、第二ミドルコア部31bと第二エンドコア部35bとの境界からX方向に最も離れた箇所までの距離である。本実施形態において、第二ミドルコア部31bの長さは、凸部8を含む長さであって、上記境界から頂面81までのX方向に沿った距離である(図3も参照)。凹部7及び第一面70、凸部8及び頂面81については後述する。
本実施形態では、第一ミドルコア部31aの端面の輪郭形状は矩形状である。第二ミドルコア部31bの端面の輪郭形状は、第一ミドルコア部31aの端面の輪郭形状と同じ矩形状である。第一ミドルコア部31aのY方向の寸法の最大値は、例えば15mm以上60mm以下、更に20mm以上50mm以下である。第一ミドルコア部31aのZ方向の寸法の最大値は、例えば15mm以上60mm以下、更に20mm以上50mm以下である。本実施形態において、第一ミドルコア部31aの端面におけるY方向及びZ方向の各寸法は、第一面70を含む寸法である。第二ミドルコア部31bのY方向の寸法は、第一ミドルコア部31aのY方向の寸法と同じである。第二ミドルコア部31bのZ方向の寸法は、第一ミドルコア部31aのZ方向の寸法と同じである。本実施形態において、第二ミドルコア部31bの端面におけるY方向及びZ方向の各寸法は、第二面80を含む寸法である。
ミドルコア部31は、ギャップ部3gを有する。ギャップ部3gは、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとの間に設けられている。ギャップ部3gは、巻回部20の内側に位置する。ギャップ部3gが巻回部20の内側に位置することで、ギャップ部3gが巻回部20の外側に位置する場合に比較して、ギャップ部3gからの漏れ磁束が減少する。そのため、ギャップ部3gからの漏れ磁束に起因する損失を低減することができる。ギャップ部3gの詳細は後述する。
(第一ミドルコア部の第一の端部)
図3、図4に示すように、第一ミドルコア部31aの第一の端部311は、凹部7と第一面70とを有する。第一の端部311は、図3に示すように、第二ミドルコア部31bと向かい合う。凹部7は、第二ミドルコア部31bに向かって開口する。第一面70は、凹部7が開口する環状の面である。第一面70は、凹部7の開口を囲むように環状に設けられている。図3、図4は、Z方向に直交するX-Y断面を示している。図示していないが、Y方向に直交するX-Z断面も図3、図4と同様である。図3、図4において、第一面70は、Z方向の上側及び下側にも存在する。Z方向の上側は、図3、図4の紙面手前側である。Z方向の下側は、図3、図4の紙面奥側である。
〈凹部〉
凹部7は、底面71と、内周面72とを有する。底面71は、図3に示すように凹部7に凸部8が嵌合された状態において、凸部8の頂面81と向かい合う。凸部8については後述する。底面71と頂面81とは、X方向に間隔をあけて配置されている。底面71と頂面81とは非接触である。内周面72は、第一面70と底面71とをつなぐ。内周面72は傾斜面73を含む。傾斜面73の延長面は、X方向に沿う軸線Cxに交差する。傾斜面73は接触部75を有する。接触部75は凸部8と接触する。接触部75は内周面72の周方向の全周にわたって存在している。凹部7に凸部8が嵌合された状態において、接触部75によって凹部7に対して凸部8が位置決めされる。接触部75によって、凸部8のX方向の位置が決まるので、底面71と頂面81との間隔、第一面70と第二面80との間隔が維持される。また、凹部7内で凸部8がY方向及びZ方向に位置ずれすることを抑制できる。
凹部7は、図4に示すように、第一面70から離れるにつれて小さくなるように形成されている。つまり、凹部7は、凹部7の開口から底面71に向かって内周面72の間隔が狭くなるテーパー形状を有している。凹部7の形状は特に限定されない。凹部7の形状とは、底面71と内周面72とで囲まれる空間の形状のことをいう。凹部7の形状は、例えば、多角錐台形状でもよいし、円錐台形状でもよい。多角錐台形状とは、X方向に直交するY-Z断面の断面形状が多角形状であり、X-Y断面及びX-Z断面の断面形状が台形状であるものをいう。多角形状としては、例えば、四角形状、六角形状、八角形状などがある。四角形状には、矩形状が含まれる。矩形状には、正方形状が含まれる。円錐台形状とは、Y-Z断面の断面形状が円形状であり、X-Y断面及びX-Z断面の断面形状が台形状であるものをいう。円形状には、真円形状のみならず、楕円形状も含まれる。
本実施形態では、凹部7の形状は四角錐台形状である。凹部7の開口の輪郭形状は、第一ミドルコア部31aの端面の輪郭形状と相似の矩形状である。底面71の形状は矩形状である。底面71は、X方向に直交する平面である。本実施形態の内周面72は、第一面70から底面71までの全長にわたって傾斜面73に形成されている。傾斜面73は、内周面72の全長にわたって設けられていなくてもよい。傾斜面73は、内周面72の全長の一部の領域に設けられていればよい。例えば、内周面72のうち、第一面70側の一部の領域にのみ傾斜面73が設けられていてもよい。
底面71は、X-Y断面又はX-Z断面において、平面ではなく、U字状に形成されていてもよいし、V字状に形成されていてもよい。底面71は、図3に示す接触部75から第一面70と離れる方向に位置する箇所である。底面71のX方向の位置は、接触部75の位置を含み、接触部75と同じ位置であってもよいし、接触部75よりも離れた位置であってもよい。本実施形態のように、底面71が平面である場合は、図3に示すように、底面71が接触部75とX方向において同じ位置にある。例えば、凹部7の形状が多角錐形状又は円錐形状のように底面71がV字状に形成されている場合、底面71は、第一面70から接触部75よりも遠位側に位置する箇所とする。底面71がU字状に形成されている場合は、底面71は曲面で構成されている箇所とする。
凹部7の寸法及び傾斜面73の傾斜角度αについては後述する。
〈第一面〉
第一面70は、凹部7が開口する側から見て、環状に形成されている。第一面70は、第一ミドルコア部31aの端面の輪郭形状に対応した形状である。本実施形態では、第一面70の形状は矩形の環状である。第一面70の幅は、例えば0.5mm以上5mm以下、更に1mm以上2mm以下である。第一面70の幅は、開口の内周縁から第一面70の外周縁までの距離である。本実施形態の第一面70はX方向に直交する平面である。第一面70は、X方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面でもよい。
(第二ミドルコア部の第二の端部)
図3、図5に示すように、第二ミドルコア部31bの第二の端部312は、凸部8と第二面80とを有する。第二の端部312は、図3に示すように、第一ミドルコア部31aと向かい合う。凸部8は、第一ミドルコア部31aに向かって突出する。凸部8は凹部7と嵌合される。第二面80は、第一面70と向かい合う環状の面である。第二面80は、凸部8を囲むように環状に設けられている。第一面70と第二面80とはX方向に間隔をあけて配置されている。第一面70と第二面80とは非接触である。図5は、Z方向に直交するX-Y断面を示している。図示していないが、Y方向に直交するX-Z断面も図5と同様である。図3、図5において、第二面80は、Z方向の上側及び下側にも存在する。Z方向の上側は、図3、図5の紙面手前側である。Z方向の下側は、図3、図5の紙面奥側である。
〈凸部〉
凸部8は、頂面81と、外周面82とを有する。頂面81は、図3に示すように凹部7に凸部8が嵌合された状態において、凹部7の底面71と向かい合う。外周面82は、第二面80と頂面81とをつなぐ。本実施形態では、外周面82が傾斜面83を含む。傾斜面83の延長面は、X方向に沿う軸線Cxに交差する。
凸部8の形状は、凹部7に凸部8が嵌合された状態において、傾斜面73に凸部8が接触する形状であれば、特に限定されない。本実施形態では、凸部8は、図5に示すように、第二面80から離れるにつれて小さくなるように形成されている。つまり、凸部8は、第二面80から頂面81に向かって外周面82の間隔が狭くなるテーパー形状を有している。凸部8の形状は、例えば、多角錐台形状でもよいし、円錐台形状でもよい。
本実施形態では、凸部8の形状は、凹部7の形状に対応した形状である。具体的には、凸部8の形状は四角錐台形状である。頂面81の形状は矩形状である。頂面81は、X方向に直交する平面である。本実施形態の外周面82は、第二面80から頂面81までの全長にわたって傾斜面83に形成されている。傾斜面83は、外周面82の全長にわたって設けられていなくてもよい。傾斜面83は、外周面82の全長の一部の領域に設けられていればよい。例えば、外周面82のうち、頂面81側の一部の領域にのみ傾斜面83が設けられていてもよい。頂面81側の一部の外周面82にのみ傾斜面83が設けられている場合、凸部8のうち、頂面81側とは反対側の領域における形状は、例えば、多角柱状である。
頂面81は、X-Y断面又はX-Z断面において、平面ではなく、U字状に形成されていてもよいし、V字状に形成されていてもよい。頂面81は、図3に示す接触部75から第二面80と離れる方向に位置する箇所である。頂面81のX方向の位置は、接触部75の位置を含み、接触部75と同じ位置であってもよいし、接触部75よりも離れた位置であってもよい。本実施形態のように、頂面81が平面である場合は、図3に示すように、頂面81が接触部75とX方向において同じ位置にある。例えば、凸部8の形状が多角錐形状又は円錐形状のように頂面81がV字状に形成されている場合、頂面81は、第二面80から接触部75よりも遠位側に位置する箇所とする。頂面81がU字状に形成されている場合は、頂面81は曲面で構成されている箇所とする。
凸部8の寸法及び傾斜面83の傾斜角度βについては後述する。
〈第二面〉
第二面80は、凸部8の頂面81側から見て、環状に形成されている。第二面80は、第二ミドルコア部31bの端面の輪郭形状に対応した形状である。本実施形態では、第二面80の形状は矩形の環状である。第二面80の幅は、例えば0.5mm以上5mm以下、更に1mm以上2mm以下である。第二面80の幅は、第二面80の内周縁から外周縁までの距離である。本実施形態の第二面80はX方向に直交する平面である。第二面80は、X方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面でもよい。
(ギャップ部)
ギャップ部3gは、図3に示すように凹部7と凸部8とが嵌合されることで形成される。ギャップ部3gは、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gとを有する。第一ギャップ部31gは、底面71と頂面81との間に形成されている。第二ギャップ部32gは、第一面70と第二面80との間に形成されている。図3において、第二ギャップ部32gは、Z方向の上側及び下側にも存在する。第二ギャップ部32gは、X方向から見て環状である。
第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gの各々の大きさは、所定のインダクタンスが得られるように適宜設定すればよい。第一ギャップ部31gの最大長さg1は、例えば0.3mm以上3mm以下である。最大長さg1は、底面71と頂面81との間のX方向に沿った距離である。最大長さg1が0.3mm以上であることで、磁性コア3の磁気飽和を抑制し易い。最大長さg1が3mm以下であることで、磁性コア3の透磁率が過度に低下することを抑制し易い。そのため、良好なインダクタンスを確保し易い。また、最大長さg1が3mm以下であれば、第一ギャップ部31gからの漏れ磁束を抑制し易い。最大長さg1は、更に1.5mm以下でもよい。最大長さg1が1.5mm以下であれば、漏れ磁束をより抑制し易い。
第二ギャップ部32gの最大長さg2は、例えば0.3mm以上3mm以下である。最大長さg2は、第一面70と第二面80との間のX方向に沿った距離である。最大長さg2が0.3mm以上であることで、磁性コア3の磁気飽和を抑制し易い。最大長さg2が3mm以下であることで、磁性コア3の透磁率が過度に低下することを抑制し易い。そのため、良好なインダクタンスを確保し易い。また、最大長さg2が3mm以下であれば、第二ギャップ部32gからの漏れ磁束を抑制し易い。最大長さg2は、更に1.5mm以下でもよい。最大長さg2が1.5mm以下であれば、漏れ磁束をより抑制し易い。
第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gは、エアギャップでもよい。第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gには、樹脂やセラミックスなどの非磁性体が配置されていてもよい。例えば、一つのギャップ部3gに、空間で形成された領域と樹脂で形成された領域とが存在してもよい。
凹部7の寸法及び傾斜面73の傾斜角度α、凸部8の寸法及び傾斜面83の傾斜角度βは、第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gの各々が所定の大きさとなるように適宜設定すればよい。
〈凹部の寸法〉
図4を参照して、凹部7の寸法の一例について説明する。凹部7の開口の幅aは、第一ミドルコア部31aの端面の寸法に応じて適宜設定すればよい。幅aは、開口の寸法の最大値である。開口の寸法とは、Y方向の寸法又はZ方向の寸法である。幅aは、例えば5mm以上59mm以下、更に20mm以上30mm以下である。底面71の幅w1は、開口の幅aよりも小さい。幅w1は、例えば4mm以上58mm以下、更に19mm以上29mm以下である。幅w1は、底面71の寸法の最大値である。底面71の寸法とは、Y方向の寸法又はZ方向の寸法である。凹部7の深さdは、例えば1mm以上10mm以下、更に2mm以上4mm以下である。深さdは、開口の内周縁と底面71との間のX方向に沿った距離である。幅a、幅w1及び深さdが上記範囲内であることで、所定の大きさの第一ギャップ部31gが得られ易い。凹部7を構成する壁の厚さtは、例えば0.5mm以上5mm以下、更に1mm以上2mm以下である。厚さtは、内周面72から第一の端部311の外周面までの距離である。厚さtが上記範囲内であることで、凹部7の壁が欠けたり、凹部7に凸部8を嵌合したときに凹部7の壁が過度に変形したりすることを抑制し易い。
〈傾斜角度α〉
傾斜面73の傾斜角度αは、例えば30°以上60°以下である。傾斜角度αは、軸線Cxと傾斜面73の延長面とがなす角度のうち小さい方の角度である。傾斜角度αが上記範囲内であることで、所定の大きさの第一ギャップ部31gが得られ易い。傾斜角度αは、更に40°以上50°以下でもよい。
〈凸部の寸法〉
図5を参照して、凸部8の寸法の一例について説明する。凸部8の寸法は、図3に示すように凹部7と凸部8とが嵌合された状態で第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gが形成されるように、凹部7の寸法に応じて適宜設定すればよい。頂面81の幅w2は、凹部7の開口の幅aよりも小さく、かつ、底面71の幅w1よりも大きい。幅w2は、例えば4.5mm以上58.5mm以下、更に19.5mm以上29.5mm以下である。幅w2は、頂面81の寸法の最大値である。頂面81の寸法とは、Y方向の寸法又はZ方向の寸法である。凸部8の高さpは、例えば1mm以上10mm以下、更に2mm以上5mm以下である。高さpは、第二面80と頂面81との間のX方向に沿った距離である。幅w2及び高さpが上記範囲内であることで、所定の大きさの第一ギャップ部31gが得られ易い。
〈傾斜角度β〉
傾斜面83の傾斜角度βは、例えば30°以上60°以下である。傾斜角度βは、軸線Cxと傾斜面83の延長面とがなす角度のうち小さい方の角度である。傾斜角度βが上記範囲内であることで、所定の大きさの第一ギャップ部31gが得られ易い。傾斜角度βは、更に40°以上50°以下でもよい。本実施形態では、傾斜面83の傾斜角度βが傾斜面73の傾斜角度αと同じ角度である。そのため、接触部75において、傾斜面73と傾斜面83とが面接触している。傾斜面73と傾斜面83とが面接触することで、凹部7に対する凸部8の位置決め精度が向上する。
図3を参照して、凹部7と凸部8との嵌合状態について説明する。傾斜面73と傾斜面83とが面接触する場合、傾斜面73に沿った接触部75の長さsは、例えば0.5mm以上5mm以下である。以下、長さsを接触長さsと呼ぶ。接触長さsは、傾斜面73と傾斜面83とが接触している部分の傾斜面73及び傾斜面83の傾斜方向に沿った長さである。接触長さsをある程度確保することで、凹部7に対する凸部8の位置決め精度を改善できる。接触長さsは、更に0.5mm以上3mm以下、0.6mm以上1mm以下でもよい。本実施形態の接触部75は、凹部7の内周面72及び凸部8の外周面82の全周にわたって存在する。
その他、凹部7に嵌合する凸部8の長さfは、第一ギャップ部31g及び第二ギャップ部32gが形成されるように適宜設定すればよい。以下、長さfを嵌合長さfと呼ぶ。嵌合長さfは、第一面70から頂面81までのX方向に沿った距離である。嵌合長さfは、凹部7の深さdよりも小さく、かつ、凸部8の高さpよりも小さい。嵌合長さfは、例えば0.5mm以上5mm以下である。嵌合長さfは、更に0.5mm以上3mm以下、0.6mm以上1mm以下でもよい。
(エンドコア部)
エンドコア部35は、図1、図2に示すように、巻回部20の外側に配置される部分である。エンドコア部35の数は2つである。2つのエンドコア部35は、X方向に間隔をあけて配置されている。エンドコア部35は第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとを有する。第一エンドコア部35aはX方向の一方側に位置する。第一エンドコア部35aは、巻回部20の一方の端面と向かい合う。第一エンドコア部35aには、ミドルコア部31におけるX方向の一方側の端部、具体的には第一ミドルコア部31aの端部が接続される。第二エンドコア部35bはX方向の他方側に位置する。第二エンドコア部35bは、巻回部20の他方の端面と向かい合う。第二エンドコア部35bには、ミドルコア部31におけるX方向の他方側の端部、第二ミドルコア部31bの端部が接続される。
第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の形状は、所定の磁路が形成される形状であれば特に限定されない。本実施形態では、第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の形状は略直方体状である。
(サイドコア部)
サイドコア部33は、図1、図2に示すように、巻回部20の外側に配置される部分である。サイドコア部33の数は2つである。2つのサイドコア部33は、Y方向に間隔をあけて配置されている。2つのサイドコア部33は、ミドルコア部31を挟むように、並列されている。つまり、2つのサイドコア部33の間に、ミドルコア部31が配置されている。一方のサイドコア部33は、Y方向の一方側に位置する。一方のサイドコア部33は、巻回部20の外周面のうち、Y方向の一方側の側面と向かい合う。Y方向の一方側は、図2では紙面上側である。他方のサイドコア部33は、Y方向の他方側に位置する。他方のサイドコア部33は、巻回部20の外周面のうち、Y方向の他方側の側面と向かい合う。Y方向の他方側は、図2では紙面下側である。
サイドコア部33の各々はX方向に延びている。サイドコア部33の各々の軸方向は、ミドルコア部31の軸方向と平行である。サイドコア部33におけるX方向の一方側の端部は、第一エンドコア部35aに接続される。サイドコア部33におけるX方向の他方側の端部は、第二エンドコア部35bに接続される。サイドコア部33の各々の断面積は、同じであってもよいし、異なってもよい。本実施形態では、2つのサイドコア部33の断面積は同じである。また、本実施形態では、2つのサイドコア部33の合計の断面積は、ミドルコア部31の断面積と同等である。2つのサイドコア部33の合計の断面積は、ミドルコア部31の断面積と異なっていてもよい。ここでいう断面積は、X方向に直交する断面での面積をいう。
サイドコア部33の各々は、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとをつなぐ長さを有していればよい。サイドコア部33の形状は特に限定されない。本実施形態では、サイドコア部33の各々の形状は略直方体状である。
〈第一コア・第二コア〉
第一コア3aは、第一ミドルコア部31aを有する。第二コア3bは、第二ミドルコア部31bを有する。第一コア3a及び第二コア3bの各々の形状は、種々の組み合わせから選択できる。本実施形態では、図1、図2に示すように、磁性コア3は、E字状の第一コア3aと、T字状の第二コア3bとを組み合わせたE-T型である。
〈第一コア〉
本実施形態では、第一コア3aは、第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aと、2つのサイドコア部33とを有する。第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aと、2つのサイドコア部33とは一体に成形されている。第一コア3aは一体の成形体であるので、第一コア3aを構成する各コア部は同じ材質である。即ち、第一コア3aを構成する各コア部の磁気特性及び機械的特性は実質的に同じである。第一ミドルコア部31aは、第一エンドコア部35aにおけるY方向の中間部から第二ミドルコア部31bに向かってX方向に延びている。サイドコア部33の各々は、第一エンドコア部35aのY方向の両端部から第二エンドコア部35bに向かってX方向に延びている。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、E字状である。
〈第二コア〉
本実施形態では、第二コア3bは、第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bとを有する。第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bとは一体に成形されている。第二コア3bは一体の成形体であるので、第二コア3bを構成する各コア部は同じ材質である。即ち、第二コア3bを構成する各コア部の磁気特性及び機械的特性は実質的に同じである。第二ミドルコア部31bは、第二エンドコア部35bにおけるY方向の中間部から第一ミドルコア部31aに向かってX方向に延びている。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、T字状である。
第一コア3aと第二コア3bとは、第一ミドルコア部31aの第一の端部311に形成された凹部7と、第二ミドルコア部31bの第二の端部312に形成された凸部8とが嵌合されることで、連結される。
本実施形態では、磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bといった2つのピースで構成されている。つまり、磁性コア3の分割数が2である。磁性コア3の分割数や磁性コア3を分割する位置は特に限定されない。磁性コア3は、3つ以上のピースで構成されていてもよい。例えば、第一エンドコア部35a、第二エンドコア部35b、第一ミドルコア部31a、第二ミドルコア部31b、及び2つのサイドコア部33のそれぞれを個別に構成し、これらを組み合わせて磁性コア3を構成してもよい。本実施形態のように、磁性コア3が第一コア3aと第二コア3bとで構成されている場合、組み合わせるコア片の数が2つしかないので、磁性コア3の組み立てが容易である。
(コアの材質)
第一コア3a及び第二コア3bは、軟磁性材料の成形体で構成されている。成形体としては、例えば、圧粉成形体、複合材料の成形体などが挙げられる。
圧粉成形体は、軟磁性粉末を含む原料粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して軟磁性粉末の含有量が多い。そのため、圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して磁気特性が高い。磁気特性としては、比透磁率や飽和磁束密度が挙げられる。圧粉成形体は、バインダ樹脂や成形助剤などを含有してもよい。圧粉成形体における軟磁性粉末の含有量は、圧粉成形体を100体積%とするとき、例えば85体積%超99.99体積%以下である。
複合材料の成形体は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料の成形体は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散させた流動性の素材を金型に充填し、樹脂を固化させることで得られる。複合材料の成形方法としては、例えば射出成形や注型成形などが挙げられる。複合材料の成形体は、軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、複合材料の成形体は、磁気特性を調整し易い。複合材料の成形体における軟磁性粉末の含有量は、複合材料の成形体を100体積%とするとき、例えば20体積%以上85体積%以下、更に30体積%以上80体積%以下である。複合材料の成形体における樹脂の含有量は、例えば20体積%以上80体積%以下、更に20体積%以上70体積%以下である。複合材料の成形体における軟磁性粉末の含有量は、圧粉成形体における軟磁性粉末の含有量に比較して少ない。そのため、複合材料の成形体の比透磁率は、圧粉成形体の比透磁率に比較して小さい。
軟磁性粉末を構成する粒子は、軟磁性金属の粒子や、軟磁性金属の粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子、軟磁性非金属の粒子などが挙げられる。軟磁性金属は、純鉄や鉄基合金などが挙げられる。鉄基合金としては、例えば、Fe(鉄)-Si(シリコン)合金、Fe-Ni(ニッケル)合金、Fe-Si-Al(アルミニウム)合金などが挙げられる。絶縁被覆は、リン酸塩などが挙げられる。軟磁性非金属は、フェライトなどが挙げられる。
複合材料の成形体の樹脂は、熱硬化性樹脂でもよいし、熱可塑性樹脂でもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、液晶ポリマー、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂などが挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9Tなどが挙げられる。その他、複合材料の成形体の樹脂には、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなども利用できる。複合材料の成形体の樹脂は、耐熱性に優れる樹脂であることが好ましく、具体例としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ナイロンを含むポリアミド樹脂であることが好ましい。
複合材料の成形体は、軟磁性粉末及び樹脂に加えて、フィラーを含有していてもよい。フィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどのセラミックスフィラーが挙げられる。複合材料の成形体がフィラーを含有することで、放熱性を高めることができる。フィラーの含有量は、複合材料の成形体を100体積%とするとき、例えば0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下が挙げられる。
圧粉成形体又は複合材料の成形体における軟磁性粉末の含有量は、成形体の断面における軟磁性粉末の面積割合と等価とみなす。軟磁性粉末の含有量は、次のようにして求める。成形体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して観察画像を取得する。SEMの倍率は、例えば200倍以上500倍以下とする。観察画像の取得数は、10個以上とする。観察画像の総面積は0.1cm以上とする。一断面につき一つの観察画像を取得してもよいし、一断面につき複数の観察画像を取得してもよい。取得した各観察画像を画像処理して軟磁性粉末の粒子の輪郭を抽出する。画像処理としては、例えば二値化処理が挙げられる。各観察画像において軟磁性粉末の粒子の全面積を算出し、各観察画像に占める軟磁性粉末の粒子の面積割合を求める。全ての観察画像における面積割合の平均値を軟磁性粉末の含有量とみなす。
本実施形態では、第一コア3a及び第二コア3bの各々が複合材料の成形体である。複合材料の成形体の比透磁率は、比較的小さい。そのため、第一コア3a及び第二コア3bが複合材料の成形体で構成されていることで、磁性コア3が磁気飽和し難い。また、複合材料の成形体であれば、互いに嵌合する凹部7及び凸部8を高い寸法精度で容易に成形し易い。
〈コアのヤング率〉
第一コア3aのヤング率及び第二コア3bのヤング率の各々は、例えば20GPa以上50GPa以下である。即ち、第一ミドルコア部31aのヤング率及び第二ミドルコア部31bのヤング率の各々が20GPa以上50GPa以下である。第一ミドルコア部31aのヤング率及び第二ミドルコア部31bのヤング率が、上記範囲内であることで、凹部7と凸部8とが嵌合された状態で凹部7及び凸部8が過度に変形し難い。凹部7及び凸部8の形状が維持され易いため、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gとを確保し易い。
第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率とは、等しくてもよいし、異なってもよい。本実施形態では、第一コア3aと第二コア3bとが、同じ材質で構成されている。同じ材質とは、複合材料の成形体を構成する軟磁性粉末の種類及び含有量、樹脂の種類及び含有量が同じであることを意味する。軟磁性粉末の種類とは、軟磁性粉末を構成する粒子のサイズ及び形状も含む概念である。粒子のサイズは、例えば、粒子の粒径である。粒子の形状は、例えば、球状、薄片状などである。複合材料の成形体がフィラーを含有する場合、同じ材質とは、フィラーの種類、サイズ及び含有量も同じであることを意味する。よって、第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率とが等しい。第一ミドルコア部31aのヤング率と第二ミドルコア部31bのヤング率とが等しいことで、凹部7に凸部8を嵌合したときに凹部7及び凸部8の少なくとも一方の変形が抑制され易い。そのため、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gとによる所定のギャップ部3gが確保され易いため、インダクタンスのばらつきを低減し易い。
<その他>
リアクトル1aは、その他の構成として、図1、図2に示すように、樹脂モールド部材4を備える。図1では、樹脂モールド部材4は二点鎖線で示している。
(樹脂モールド部材)
樹脂モールド部材4は、磁性コア3の外周面の少なくとも一部を覆う。樹脂モールド部材4は、組み合わされた第一コア3aと第二コア3bとを一体化する。また、樹脂モールド部材4は、コイル2と磁性コア3とを一体化する。本実施形態では、樹脂モールド部材4が、巻回部20の内周面とミドルコア部31との間に充填されている。そのため、樹脂モールド部材4によって、磁性コア3に対してコイル2が位置決めされた状態で保持される。また、樹脂モールド部材4は、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁を確保する。樹脂モールド部材4を構成する樹脂としては、例えば、上述した複合材料の成形体の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。樹脂モールド部材4は、巻回部20を外周面を覆っていてもよい。樹脂モールド部材4は、巻回部20の上側及び下側の少なくとも一方の面が露出するように形成されていてもよい。
本実施形態では、樹脂モールド部材4の樹脂が、巻回部20の内周面とミドルコア部31との間を通って、第二ギャップ部32gに充填されている。第一ギャップ部31gには、凹部7と凸部8との接触部75によって、樹脂モールド部材4の樹脂が充填されない。そのため、第一ギャップ部31gはエアギャップである。
(保持部材)
リアクトル1aは、図示しない保持部材を備えてもよい。保持部材は、巻回部20の一方の端面と第一エンドコア部35aとの間、及び、巻回部20の他方の端面と第二エンドコア部35bとの間にそれぞれ配置される。保持部材は、コイル2と磁性コア3との相対的な位置を決める。また、保持部材は、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁を確保する。保持部材は、例えば、上述した複合材料の成形体の樹脂と同様の樹脂で構成することができる。
〔実施形態1の作用効果〕
実施形態1のリアクトル1aは、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gによってギャップ部3gの体積を調整し易い。ギャップ部3gの体積が所定の体積に調整されることで、所定のインダクタンスが得られる。また、ミドルコア部31がギャップ部3gを有するため、磁性コア3が磁気飽和し難い。よって、リアクトル1aは、安定したインダクタンス特性を有する。
第一ミドルコア部31aの凹部7と第二ミドルコア部31bの凸部8とが嵌合されることで、ミドルコア部31に第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gとが形成される。凹部7と凸部8とが嵌合された状態において、凹部7の傾斜面73が凸部8と接触した接触部75を有することで、凹部7に対して凸部8が位置決めされる。底面71と頂面81との間隔、第一面70と第二面80との間隔が維持されることから、第一ギャップ部31gの長さg1、及び第二ギャップ部32gの長さg2が維持される。また、接触部75によって、凹部7内で凸部8がY方向及びZ方向に位置ずれすることを抑制できるので、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとが位置決めされる。更に、実施形態1では、凹部7と凸部8とが接触部75において面接触していることで、凹部7に対する凸部8の位置決め精度が向上する。
第一コア3aと第二コア3bとは、第一ミドルコア部31aの凹部7と第二ミドルコア部31bの凸部8とを嵌合することで、連結される。磁性コア3は、凹部7と凸部8との嵌合によって、第一コア3aと第二コア3bとを容易に組み付けられる上、第一コア3aと第二コア3bとを位置決めできる。よって、磁性コア3は組立作業性にも優れる。
[実施形態2]
図6を参照して、実施形態2のリアクトルを説明する。実施形態2のリアクトルは、凹部7と凸部8とが接触部75において線接触している点が、実施形態1のリアクトル1aと相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
実施形態2では、凸部8の外周面82の傾斜角度βが凹部7の傾斜面73の傾斜角度αよりも小さい。接触部75において、傾斜面73と頂面81の周縁部84とが線接触している。周縁部84は、頂面81と外周面82とで形成される稜線を含む。本実施形態では、上記稜線が傾斜面73に接触している。本実施形態においては、外周面82が傾斜面83に形成されている。凸部8は、図6に示すように、第二面80から離れるにつれて小さくなるように形成されている。以下、このような形状を先細り形状という。図示しないが、凸部8は、第二面80から離れるにつれて大きくなるように形成されていてもよい。このような形状を先太り形状という。外周面82は、傾斜面83を含んでいてもよいし、傾斜面83を含んでいなくてもよい。外周面82が傾斜面83を含んでいない場合、外周面82は軸線Cxに平行である。つまり、傾斜角度βがゼロである。上記先細り形状の場合、傾斜角度βは、傾斜角度αよりも小さければ、特に限定されない。傾斜角度βは、0°以上傾斜角度α未満である。傾斜角度βは、傾斜角度αよりも3°以上更に5°以上小さいことが挙げられる。上記先太り形状の場合、傾斜角度βは、例えば0°超45°以下、更に25°以下である。
〔実施形態2の作用効果〕
実施形態2のリアクトルは、実施形態1のリアクトル1aと同様に、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gによってギャップ部3gの体積を調整し易い。
実施形態2のリアクトルによれば、接触部75において凹部7と凸部8とが線接触していることで、図3に示すように凹部7と凸部8とが面接触する場合に比較して、凹部7と凸部8との非接触の領域が増える。ギャップ部3gの体積が大きくなるため、インダクタンス特性の向上が期待できる。ここでいう線接触とは、傾斜面73と周縁部84とが幾何学的に線接触している場合のみならず、実質的に線接触とみなせる範囲も含む。図3に示す接触長さsが0.5mm未満、更に0.4mm以下である場合は線接触とみなす。凸部8が上記先太り形状の場合は、上記先細り形状に比べて、ギャップ部3gの体積を大きくできる。
[実施形態3]
実施形態3のリアクトルは、実施形態1のリアクトル1aにおいて第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率とが異なる。即ち、第一ミドルコア部31aのヤング率と第二ミドルコア部31bのヤング率とが異なる。ヤング率が異なる点を除いてその他の構成は、図1から図5に示した実施形態1のリアクトル1aと同じであるので図示は省略する。
第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率との大小関係は、特に限定されない。第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも大きくてもよいし、第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも小さくてもよい。ヤング率が高いコアの方が変形し難く、ヤング率が低いコアの方が変形し易い。第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率との差、即ち第一ミドルコア部31aのヤング率と第二ミドルコア部31bのヤング率との差は、例えば5GPa以上30GPa以下、更に5GPa以上20GPa以下である。
コアを構成する複合材料の成形体のヤング率を調整する方法について説明する。第一の方法は、複合材料の成形体を構成する軟磁性粉末の粒径又は含有量を変えることが挙げられる。軟磁性粉末と樹脂との接触面積が大きいほど、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。そのため、軟磁性粉末の粒径を小さくしたり、磁性粉末の含有量を増やしたりすることで、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。
ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径は、ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径よりも小さくする。ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径及びヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径は、各コアのヤング率がそれぞれ所定の値となるように適宜設定すればよい。ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径は、例えば20μm以上100μm以下、更に50μm以上70μm以下が挙げられる。ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の平均粒径は、例えば80μm以上200μm以下、更に100μm以上150μm以下が挙げられる。
複合材料の成形体における軟磁性粉末の平均粒径は、次のようにして求める。成形体の断面をSEMで観察して観察画像を取得する。SEMの倍率は、例えば200倍以上500倍以下とする。観察画像の取得数は、10個以上とする。一断面につき一つの観察画像を取得してもよいし、一断面につき複数の観察画像を取得してもよい。取得した各観察画像を画像処理して軟磁性粉末の粒子の輪郭を抽出する。画像処理としては、例えば二値化処理が挙げられる。各観察画像において軟磁性粉末の全ての粒子の粒径を測定する。各粒子の粒径は、各粒子の面積と等しい面積を有する円の直径とする。全ての観察画像における粒子の粒径の平均値を軟磁性粉末の平均粒径とみなす。
ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の含有量は、ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の含有量よりも多くする。ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の含有量は、例えば60体積%以上85体積%以下、更に70体積%以上80体積%以下が挙げられる。ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の含有量は、例えば20体積%以上78体積%以下、更に30体積%以上75体積%以下が挙げられる。
第二の方法は、軟磁性粉末の種類を変えることが挙げられる。軟磁性粉末のヤング率が高いほど、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。ヤング率が高い軟磁性粉末を選択することで、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。
ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末のヤング率は、ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末のヤング率よりも高くする。ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末の種類としては、例えば鉄基合金であることが挙げられる。ヤング率が高い鉄基合金の具体例としては、アモルファスFe合金、Fe-Si-Al合金などが挙げられる。ヤング率が低いコアにおける軟磁性粉末の種類としては、例えば純鉄であることが挙げられる。
第三の方法は、樹脂の種類又は樹脂のグレードを変えることが挙げられる。樹脂のヤング率が高いほど、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。ヤング率が高い樹脂を選択することで、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。
ヤング率が高いコアにおける樹脂のヤング率は、ヤング率が低いコアにおける樹脂のヤング率よりも高くする。ヤング率が高いコアにおける樹脂の種類とヤング率が低いコアにおける樹脂の種類とは、同じであってもよいし、異なってもよい。樹脂の種類が同じ場合、ヤング率が高いコアにおける樹脂には、ヤング率が高いグレードの樹脂を選択し、ヤング率が低いコアにおける樹脂には、ヤング率が低いグレードの樹脂を選択する。
第四の方法は、軟磁性粉末に表面処理を施すことが挙げられる。軟磁性粉末と樹脂との密着性が高いほど、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。そのため、軟磁性粉末と樹脂との密着性を表面処理によって高めることで、複合材料の成形体のヤング率が高くなる。表面処理としては、例えばシランカップリング処理などが挙げられる。ヤング率が高いコアにおける軟磁性粉末には、表面処理を施す。
本実施形態においては、第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも大きい。つまり、第一ミドルコア部31aのヤング率が第二ミドルコア部31bよりも大きい。図3に示すように凹部7と凸部8とが嵌合されたとき、ヤング率が低い第二ミドルコア部31bの凸部8において、凹部7の傾斜面73に接触する部分が変形する。更に、凹部7と凸部8とが面接触する場合は、傾斜面73に面接触する凸部8の傾斜面83が圧縮される。その結果、凹部7に凸部8が圧入されたような状態になる。
第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも小さい場合は、ヤング率が低い第一ミドルコア部31aの凹部7において、凸部8に接触する接触部75が変形する。凸部8の傾斜面83に面接触する接触部75が押圧されて、凹部7に凸部8が圧入されたような状態になる。この場合、凹部7の内周面72の間隔が拡がるように変形する。そのため、凹部7を構成する壁が変形し易い。本実施形態のように、第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも大きい場合は、凹部7の壁が過度に変形することを抑制できる点で有利である。
〔実施形態3の作用効果〕
実施形態3のリアクトルは、実施形態1のリアクトル1aと同様に、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gによってギャップ部3gの体積を調整し易い。
さらに、実施形態3のリアクトルによれば、凹部7と凸部8とが嵌合された状態で、凸部8の凹部7と接触する部分が変形する。これにより、凹部7に対して凸部8がY方向及びZ方向に位置ずれし難くなる。そのため、凹部7と凸部8との嵌合状態がより維持され易い。更に、凹部7に凸部8が圧入されたような状態になるため、凹部7に対する凸部8の位置決め精度がより向上する。その上、圧入効果により凹部7と凸部8との嵌合強度が向上するため、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとの接合強度が向上する。リアクトルの使用時において振動や熱に起因する応力が作用しても、凹部7から凸部8が抜け難くなる。第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとが強固に連結される。
[実施形態4]
実施形態4のリアクトルは、実施形態2のリアクトルにおいて第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率とが異なる。即ち、第一ミドルコア部31aのヤング率と第二ミドルコア部31bのヤング率とが異なる。ヤング率が異なる点を除いてその他の構成は、図6に示した実施形態2のリアクトルと同じであるので図示は省略する。
第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率との大小関係は、特に限定されない。第一コア3aのヤング率と第二コア3bのヤング率との差、即ち第一ミドルコア部31aのヤング率と第二ミドルコア部31bのヤング率との差は、例えば5GPa以上30GPa以下、更に5GPa以上20GPa以下である。本実施形態においては、第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも小さい。つまり、第一ミドルコア部31aのヤング率が第二ミドルコア部31bよりも小さい。図6に示すように凹部7と凸部8とが嵌合されたとき、ヤング率が低い第一ミドルコア部31aの凹部7において、頂面81の周縁部84に線接触する傾斜面73が局所的に陥没する。
第一コア3aのヤング率が第二コア3bのヤング率よりも大きい場合は、ヤング率が低い第二ミドルコア部31bの凸部8において、凹部7の傾斜面73に線接触する周縁部84が局所的につぶれる。
〔実施形態4の作用効果〕
実施形態4のリアクトルは、実施形態1のリアクトル1aと同様に、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gによってギャップ部3gの体積を調整し易い。実施形態4のリアクトルは、実施形態2のリアクトルと同様に、ギャップ部3gの体積が大きくなるため、インダクタンス特性の向上が期待できる。
さらに、実施形態4のリアクトルによれば、凹部7と凸部8とが嵌合された状態で、凸部8の凹部7と接触する部分が局所的に変形する。これにより、凹部7に対して凸部8がY方向及びZ方向に位置ずれし難くなる。そのため、凹部7と凸部8との嵌合状態がより維持され易い。
[変形例1]
図7を参照して、変形例1のリアクトル1bを説明する。変形例1のリアクトル1bは、磁性コア3がE-E型である点が、実施形態1のリアクトル1aと相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
<磁性コア>
磁性コア3は、実施形態1と同様に、第一コア3aと第二コア3bとがX方向に組み合わされることで構成される。磁性コア3の形状は、図7に示すようにZ方向から見て、θ状である。
変形例1では、2つのサイドコア部33の各々がX方向に分割されている。サイドコア部33は、第一サイドコア部33aと第二サイドコア部33bとを有する。第一サイドコア部33aはX方向の一方側に位置する。第一サイドコア部33aの端部は第一エンドコア部35aに接続される。第二サイドコア部33bはX方向の他方側に位置する。第二サイドコア部33bの端部は第二エンドコア部35bに接続される。
第一サイドコア部33aの端面と第二サイドコア部33bの端面とは互いに接触している。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の長さは、適宜設定すればよい。ここでいう長さは、X方向に沿った長さをいう。
第一コア3aは、第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aと、2つの第一サイドコア部33aとを有する。第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aと、2つの第一サイドコア部33aとは一体に成形されている。第一サイドコア部33aの各々は、第一エンドコア部35aのY方向の両端部から第二サイドコア部33bに向かってX方向に延びている。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、E字状である。
第二コア3bは、第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bと、2つの第二サイドコア部33bとを有する。第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bと、2つの第二サイドコア部33bとは一体に成形されている。第二サイドコア部33bの各々は、第二エンドコア部35bのY方向の両端部から第一サイドコア部33aに向かってX方向に延びている。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、E字状である。
図7において、第一ミドルコア部31aの第一の端部311の構成、第二ミドルコア部31bの第二の端部312の構成は、図3から図5に示す実施形態1の構成と同様である。つまり、図3に示すように、第一ミドルコア部31aの第一の端部311は、凹部7と第一面70とを有する。第二ミドルコア部31bの第二の端部312は、凸部8と第二面80とを有する。
変形例1のリアクトル1bにおいて、実施形態2から4の各構成を適用可能である。
[変形例2]
図8を参照して、変形例2のリアクトル1cを説明する。変形例2のリアクトル1cは、コイル2が2つの巻回部20を有する点と、磁性コア3がU―U型である点が、実施形態1のリアクトル1aと相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。変形例2では、実施形態1で説明した樹脂モールド部材4を備えていない。
<コイル>
コイル2は、2つの巻回部20を有する。2つの巻回部20は、互いの軸方向が平行するように並列に配置されている。巻回部20の各々の形状は矩形筒状である。巻回部20の各々は同じターン数である。
2つの巻回部20は、電気的に直列に接続されている。2つの巻回部20は、別々の巻線を螺旋状に巻回して構成されていてもよいし、1本の連続する巻線で構成されていてもよい。
<磁性コア>
磁性コア3は、実施形態1と同様に、第一コア3aと第二コア3bとがX方向に組み合わされることで構成される。磁性コア3の形状は、図8に示すようにZ方向から見て、O状である。変形例2では、磁性コア3は、2つのミドルコア部31と、2つのエンドコア部35とを有する。2つのミドルコア部31が並列される方向をY方向とする。
2つのミドルコア部31の各々はX方向に延びている。2つのミドルコア部31は、互いの軸方向が平行するように並列に配置されている。ミドルコア部31の各々は、2つの巻回部20の内側にそれぞれ配置される部分を有する。ミドルコア部31の各々の形状は略直方体状である。ミドルコア部31の各々は、X方向に分割されており、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとを有する。第一ミドルコア部31aの各々はX方向の一方側に位置する。第二ミドルコア部31bの各々はX方向の他方側に位置する。
また、ミドルコア部31の各々はギャップ部3gを有する。ギャップ部3gは、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとの間に設けられている。ギャップ部3gは、巻回部20の内側に位置する。ギャップ部3gは、第一ギャップ部31gと第二ギャップ部32gとを有する。
エンドコア部35は、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとを有する。第一エンドコア部35aは、X方向の一方側に位置し、巻回部20の各々の一方の端面と向かい合う。第一エンドコア部35aには、第一ミドルコア部31aの各々の端部が接続される。つまり、第一エンドコア部35aは、第一ミドルコア部31aの端部同士をつなぐ。第二エンドコア部35bは、X方向の他方側に位置し、巻回部20の各々の他方の端面と向かい合う。第二エンドコア部35bには、第二ミドルコア部31bの各々の端部が接続される。つまり、第二エンドコア部35bは、第二ミドルコア部31bの端部同士をつなぐ。第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の形状は略直方体状である。
第一コア3aは、2つのミドルコア部31の各々の第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aとを有する。2つの第一ミドルコア部31aと、第一エンドコア部35aとは一体に成形されている。第一ミドルコア部31aの各々は、第一エンドコア部35aのY方向の両端部から第二ミドルコア部31bの各々に向かってX方向に延びている。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、U字状である。
第二コア3bは、2つのミドルコア部31の各々の第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bとを有する。2つの第二ミドルコア部31bと、第二エンドコア部35bとは一体に成形されている。第二ミドルコア部31bの各々は、第二エンドコア部35bのY方向の両端部から第一ミドルコア部31aの各々に向かってX方向に延びている。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、U字状である。
図8において、第一ミドルコア部31aの第一の端部311の構成、第二ミドルコア部31bの第二の端部312の構成は、図3から図5に示す実施形態1の構成と同様である。つまり、図3に示すように、第一ミドルコア部31aの第一の端部311は、凹部7と第一面70とを有する。第二ミドルコア部31bの第二の端部312は、凸部8と第二面80とを有する。この例では、2つのミドルコア部31が同じ構成であるが、一方のミドルコア部31において、第一ミドルコア部31aの第一の端部311が凸部8と第二面80とを有する構成とし、第二ミドルコア部31bの第二の端部312が凹部7と第一面70とを有する構成としてもよい。この例では、2つのミドルコア部31の各々が凹部7と凸部8と備える構成であるが、一方のミドルコア部31にのみ凹部7と凸部8とを備え、他方のミドルコア部31は平坦面同士の接触とする構成としてもよい。
変形例2のリアクトル1cにおいて、実施形態2から4の各構成を適用可能である。
[実施形態5]
〔コンバータ・電力変換装置〕
実施形態1から4及び変形例1、2のリアクトルは、以下の通電条件を満たす用途に利用できる。通電条件としては、例えば、最大直流電流が100A以上1000A以下程度であり、平均電圧が100V以上1000V以下程度であり、使用周波数が5kHz以上100kHz以下程度であることが挙げられる。実施形態1から4及び変形例1、2のリアクトルは、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両などに搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両1200は、図9に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジン1300を備える。図9では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V以上300V以下程度のメインバッテリ1210の入力電圧を400V以上700V以下程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される入力電圧をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。入力電圧は、直流電圧である。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図10に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトル1115とを備え、ON/OFFの繰り返しにより入力電圧の変換を行う。入力電圧の変換とは、ここでは昇降圧を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのパワーデバイスが利用される。リアクトル1115は、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。リアクトル1115として、実施形態1から4及び変形例1、2のいずれかのリアクトルを備える。実施形態1から4及び変形例1、2のいずれかのリアクトルを備えることで、リアクトルが安定したインダクタンス特性を有する。
車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、実施形態1から4及び変形例1、2のいずれかのリアクトルと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用できる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1から4及び変形例1、2のいずれかのリアクトルを利用することもできる。
1a、1b、1c リアクトル
2 コイル
20 巻回部
21 端末部、21a 第一端末部、21b 第二端末部
3 磁性コア
3a 第一コア、3b 第二コア
31 ミドルコア部
31a 第一ミドルコア部、31b 第二ミドルコア部
311 第一の端部、 312 第二の端部
33 サイドコア部
33a 第一サイドコア部、33b 第二サイドコア部
35 エンドコア部
35a 第一エンドコア部、35b 第二エンドコア部
3g ギャップ部
31g 第一ギャップ部、32g 第二ギャップ部
4 樹脂モールド部材
7 凹部、70 第一面
71 底面、72 内周面、73 傾斜面
75 接触部
8 凸部、80 第二面
81 頂面、82 外周面、83 傾斜面
84 周縁部
g1、g2 長さ
a、w1、w2 幅
d 深さ、t 厚さ、p 高さ
s 接触長さ、f 嵌合長さ
Cx 軸線
α、β 傾斜角度
1100 電力変換装置
1110 コンバータ、1111 スイッチング素子、1112 駆動回路
1115 リアクトル、1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ、1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ、1220 モータ、1230 サブバッテリ
1240 補機類、1250 車輪
1300 エンジン

Claims (15)

  1. 巻回部を有するコイルと、ミドルコア部を有する磁性コアとを備え、
    前記巻回部は、前記ミドルコア部に配置され、
    前記ミドルコア部は、
    前記巻回部の軸方向に分割された第一ミドルコア部と第二ミドルコア部と、
    前記第一ミドルコア部と前記第二ミドルコア部との間に設けられたギャップ部とを有し、
    前記第一ミドルコア部は、前記第二ミドルコア部と向かい合う第一の端部を有し、
    前記第二ミドルコア部は、前記第一ミドルコア部と向かい合う第二の端部を有し、
    前記第一の端部は、前記第二ミドルコア部に向かって開口する凹部と、前記凹部が開口する環状の第一面とを有し、
    前記第二の端部は、前記凹部に嵌合された凸部と、前記第一面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合う環状の第二面とを有し、
    前記凹部は、前記第一面から離れるにつれて小さくなるように形成されており、
    前記凹部の底面は、前記凸部の頂面と前記軸方向に間隔をあけて向かい合い、
    前記凹部の内周面は、前記軸方向に沿う軸線に交差する傾斜面を含み、
    前記凹部の傾斜面は、前記凸部と接触した接触部を有し、
    前記ギャップ部は、
    前記底面と前記頂面との間に形成された第一ギャップ部と、
    前記第一面と前記第二面との間に形成された環状の第二ギャップ部とを有する、
    リアクトル。
  2. 前記第一ミドルコア部及び前記第二ミドルコア部の各々は、樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料の成形体で構成されている、請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第一ギャップ部の最大長さが0.3mm以上3mm以下である、請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第二ギャップ部の最大長さが0.3mm以上3mm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記凹部の傾斜面の傾斜角度αが30°以上60°以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記凸部は、前記第二面から離れるにつれて小さくなるように形成されており、
    前記凸部の外周面は、前記凹部の傾斜面に沿って傾斜した傾斜面を含み、
    前記接触部において、前記凹部の傾斜面と前記凸部の傾斜面とが面接触している、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記接触部の長さが0.5mm以上5mm以下である、請求項6に記載のリアクトル。
  8. 前記凸部の外周面の傾斜角度βが前記凹部の傾斜面の傾斜角度αよりも小さく、
    前記接触部において、前記凹部の傾斜面と前記凸部の頂面の周縁部とが線接触している、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記第一ミドルコア部のヤング率及び前記第二ミドルコア部のヤング率の各々が20GPa以上50GPa以下である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率とが等しい、請求項9に記載のリアクトル。
  11. 前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率とが異なる、請求項9に記載のリアクトル。
  12. 前記第一ミドルコア部のヤング率と前記第二ミドルコア部のヤング率との差が5GPa以上30GPa以下である、請求項11に記載のリアクトル。
  13. 前記磁性コアは、第一コアと第二コアとで構成され、
    前記第一コアは、前記第一ミドルコア部を有し、
    前記第二コアは、前記第二ミドルコア部を有する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のリアクトル。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のリアクトルを備える、
    コンバータ。
  15. 請求項14に記載のコンバータを備える、
    電力変換装置。
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