JP6689318B2 - 電気機械 - Google Patents

Description

本発明は、電気機械に関する。

ブラシレス電気モータ等の電気機械を複数の仕方で改良する一般的な要望がある。特に、寸法、重量、製造コスト、効率、信頼性、ノイズに関する改良が望まれている。

ブラシレス電気モータ等の電気機械を、例えば１００ｋｒｐｍ以上の非常に速い速度で使用することが、より普通になってきている。電気機械が、かかる高速で作動しているとき、モータの構成要素は、非常に大きい力を受ける。モータは、その寿命にわたって性能及び信頼性を維持するために、かかる大きい力に耐えることが可能でなければならない。したがって、モータが、高作動速度において経験する大きい力に耐えることを可能にする改良の要望がある。

本発明は、電気機械を提供し、かかる電気機械は、ステータ組立体と、ロータ組立体と、支持体を有する。ロータ組立体は、シャフトを有し、第１のベアリング及び第２のベアリングが、永久磁石の両側において前記シャフトに取付けられ、支持体は、第１のベアリングシート及び第２のベアリングシートを有し、ロータ組立体の第１のベアリング及び第２のベアリングは、第１のベアリングシート及び前記第２のベアリングシートに取付けられ、第１のベアリングは、接着剤によって第１のベアリングシートに取付けられ、第２のベアリングは、Ｏリングによって第２のベアリングシートにソフトに又は小移動可能に取付けられる。

結果として、ロータ組立体、及び、ロータ組立体と支持体の間の連結箇所は、電気機械を使用しているときに受ける軸線方向の力と半径方向の力の両方に効果的に耐え、且つ、かかる両方の力を吸収することができる。小移動可能に取付けられるベアリングは、半径方向の力を吸収するのに効果的であり、接着剤によって固定されるベアリングは、任意の軸線方向の力に耐えるのに効果的である。この場合、有効な相乗効果が、２つのベアリングのための２つの異なる取付け方法の使用によって生じる。

シャフトは、その一方の端部に取付けられた負荷を駆動していてもよく、第２のベアリングは、かかる負荷に第１のベアリングよりも近いのがよい。結果として、負荷に最も近いベアリングは、支持体に小移動可能に取付けられる。半径方向の力は、シャフトに取付けられた負荷によって最も発生しやすいので、負荷に最も近いベアリングは、使用中に回転する負荷によって生じる任意の半径方向の力を吸収することが可能であることが有利であり、その結果、他方のベアリングにおける接着剤結合の強度に悪影響を与えない。任意の軸線方向の力は、ロータ組立体に沿って伝達され、負荷から遠くに離間したベアリングは、かかる軸線方向の力に耐える。

電気機械は、コンプレッサであるのがよく、負荷は、インペラであるのがよい。インペラは、混合流インペラであるのがよい。

環状の溝が、第２のベアリングの外面及びベアリングシートの少なくとも一方に設けられ、Ｏリングが、環状の溝の中に位置決めされるのがよい。結果として、Ｏリングは、所望の位置に留まり、Ｏリングによってもたらされる小移動可能な取付けの効果を低下させることがある位置に移動しない。

環状の溝が、第１のベアリングの外面及びベアリングシートの少なくとも一方に設けられ、接着剤が配置されるチャネルを構成するのがよい。このチャネルにより、汚れのない接着剤結合を可能にし、組立中、接着剤がベアリングとベアリングシートの間から流れ出て接着剤の有効性を低下させるおそれを減少させる。もしも接着剤が流れ出ることが可能であれば、接着剤がベアリング自体の中に入って、最終的にベアリングに有害であり且つベアリングが機能することを完全に停止させるおそれもある。

支持体は、細長い中央部を有し、第１ベアリングシート及び第２のベアリングシートは、永久磁石が支持体の細長い中央部の中に位置決めされるように、細長い中央部の軸線方向の両端部に位置決めされるのがよい。細長い中央部は、ステータ組立体を支持するのがよい。結果として、磁石とステータ組立体の相違的な位置決めの非常に厳密な管理を達成することができ、それにより、より効率的な電気機械を生じさせる。

本発明をより容易に理解することができるように、添付図面を参照して、本発明の実施形態を例示として以下に説明する。

コンプレッサの分解斜視図である。 ロータ組立体の分解斜視図である。 ロータ組立体の組立図である。 コンプレッサの断面図である。

図１は、コンプレッサの形態の電気機械１０の分解斜視図である。制御電子部品及び外ハウジング等のいくつかの構成要素は、明瞭のために図示していない。電気機械１０は、ロータ組立体１２と、支持体１４と、４つのステータ要素１６、１８、２０、２２を含むステータ組立体を有する。電気機械１０を組立てるとき、ロータ組立体１２を支持体１４の中に配置して、支持体１４に取付け、ステータ要素を、支持体１４のそれぞれのスロット内に配置する。例えば、ステータ要素２０を、支持体のスロット２４内に配置する。支持体１４は、１部品構造であるのがよく、例えば、単一物として成形され、また図４に示すように、インペラを覆うインペラシュラウド２６を含む。モータ１０はまた、ディフューザ２８を含む。

図２は、ロータ組立体１２の分解斜視図である。ロータ組立体１２は、シャフト３０を含み、ロータコアである永久磁石３２と、第１のバランスリング３４と、第２のバランスリング３６が、シャフト３０に取付けられる。ロータ組立体１２を組立てるとき、１対のベアリング３８、４０が、ロータコア３２及びバランスリング３４、３６の両側でシャフト３０に取付けられる。インペラ４２が、シャフト３０の一方の端部に取付けられ、センサ磁石４４が、シャフト３０の他方の端部に取付けられる。

図３は、ロータ組立体１２の組立図である。図２と同様、ロータ組立体１２は、シャフト３０と、第１のバランスリング３４及び第２のバランスリング３６を含み、ロータコアである永久磁石３２が、シャフト３０に取付けられ、第１のバランスリング３４及び第２のバランスリング３６は、永久磁石３２の両側に位置決めされる。第１のベアリング４０は、永久磁石３２の一方の端部のところでシャフト３０に固定され、環状の溝又はチャネル４１を第１のベアリング４０の外周面に有する。溝４１は、接着剤を配置することができるチャネルを構成する。ロータ組立体１２を支持体１４内の適所に組立てるとき、第１のベアリング４０は、支持体１４のべアリングシートの内側に着座し、接着剤を使用してベアリングシート内に固定される。チャネル４１により、第１のベアリング４０とベアリングシートの間に達成すべき強い結合を可能にし、組立中、接着剤がベアリングとベアリングシートの間から流れ出て接着剤結合の有効性を低下させるおそれを減少させる。更に、もしも接着剤が流れ出ることが可能であれば、接着剤がベアリング自体を汚染して、最終的にベアリングに有害であり且つベアリングが機能することを完全に停止させるおそれがある。

第２のベアリング３８は、永久磁石３２の反対側の端部のところでシャフト３０に固定される。Ｏリング３９が、第２のベアリング３８の周りに配置される。図３で見ることができないけれども、第２のベアリングはまた、その外周面に環状溝又はチャネル（図示せず）を有する。Ｏリング３９は、ベアリング３８上の所望の位置にとどまるように且つベアリング３８の周りを移動しないようにこのチャネル内に着座する。ロータ組立体１２を支持体１４内の適所に組立てるとき、第２のベアリング３８は、支持体１４の第２のベアリングシートの内側に着座し、且つ、Ｏリング３９によって第２のベアリングシートの内側にソフトに又は小移動可能に取付けられる。

図４は、ロータ組立体１２の回転軸線を含む平面における組立て済みの電気機械１０の断面図である。図示のステータ要素１６、２０は、支持体１４のそれぞれのスロットに挿入され、例えば、ステータ要素２０は、スロット２４に挿入される。ロータ組立体１２のベアリング３８、４０は、支持体１４内に位置決めされ且つそれぞれのベアリングシート５０、５２に取付けられる。図４に示していないけれども、ベアリング３８は、Ｏリング３９によってベアリングシート５０内に小移動可能に取付けられ、ベアリング４０は、接着剤によってベアリングシート５２にハードに又は移動不能に取付けられる。

第１のベアリング４０は、第２のベアリング３８よりもインペラ４２から遠くに位置決めされる。第１のベアリング４０は、接着剤によってベアリングシート５２に固定され、使用中、インペラ４２によって発生し且つロータに沿う軸線方向力に耐えることが可能である。第２のベアリング３８は、インペラ４２に最も近いベアリングシート５０内に位置決めされる。第２のベアリング３８は、Ｏリングによってベアリングシート５０内にソフトに取付けられるに過ぎないので、使用中、インペラ４２が回転するときにインペラによって発生した任意の半径方向力を吸収することが可能である。もしもベアリング３８をベアリングシート５０に固定するために接着剤結合を採用していたとすれば、半径方向力により、接着剤結合を時間経過とともに弱くし、モータの寿命を短くし、電気機械１０の最悪な停止を潜在的に生じさせるおそれがある。しかしながら、小移動可能な取付けは、使用中、インペラによってロータ組立体に沿って発生した任意の軸線方向力に耐えることができず、このことが、他方のベアリング４０をベアリングシート５２に固定するのに接着剤結合を採用する理由である。ベアリングの各々のために２つの異なる取付け方法を採用することは、非常に有益である。

特定の実施形態を説明したけれども、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに、種々の変更を行ってもよいことを理解すべきである。例えば、各ベアリングの外周面に設けられた環状のチャネルは、その代わりに、支持体のベアリングシートの内面に設けられてもよい。加えて、本明細書に示し且つ説明した実施形態は、インペラを有するコンプレッサに向けられている。しかしながら、本発明は、その他の種類の電気機械、例えば、インペラ以外の負荷を駆動するのに使用されるブラシレス電気モータに有益であろう。

１０ 電気機械（コンプレッサ）
１２ ロータ組立体
１４ 支持体
３０ シャフト
３２ 永久磁石
３８ 第２のベアリング
３９ Ｏリング
４０ 第１のベアリング
４１ 環状の溝又はチャネル
４２ インペラ（負荷）
５０ 第２のベアリングシート
５２ 第１のベアリングシート

Claims (6)

1. 電気機械であって、
   ステータ組立体と、ロータ組立体と、支持体と、を有し、
   前記ロータ組立体は、シャフトを有し、第１のベアリング及び第２のベアリングが、永久磁石の両側において前記シャフトに取付けられ、
   前記支持体は、第１のベアリングシート及び第２のベアリングシートを有し、前記ロータ組立体の第１のベアリング及び第２のベアリングは、前記第１のベアリングシート及び前記第２のベアリングシートに取付けられ、
   前記第１のベアリングは、接着剤によって前記第１のベアリングシートに取付けられ、前記第２のベアリングは、Ｏリングによって前記第２のベアリングシートに小移動可能に取付けられ、
   前記シャフトは、その一方の端部に取付けられた負荷を駆動し、前記第２のベアリングは、前記第１のベアリングよりも前記負荷に近く、
   前記電気機械は、コンプレッサであり、前記負荷は、インペラである、電気機械。
2. 前記インペラは、混合流インペラである、請求項１に記載の電気機械。
3. 環状の溝が、前記第２のベアリングの外面及び前記第２のベアリングシートの少なくとも一方に設けられ、前記Ｏリングが、前記環状の溝の中に位置決めされる、請求項１又は２に記載の電気機械。
4. 前記接着剤が位置決めされるチャネルを構成する環状の溝が、前記第１のベアリングの外面及び前記第１のベアリングシートの少なくとも一方に設けられる、請求項１〜３のいずれか１項に記載の電気機械。
5. 前記支持体は、細長い中央部を有し、第１ベアリングシート及び第２のベアリングシートは、前記永久磁石が前記支持体の細長い中央部の中に位置決めされるように、前記細長い中央部の軸線方向の両端部に位置決めされる、請求項１〜４のいずれか１項に記載の電気機械。
6. 前記細長い中央部は、前記ステータ組立体を支持する、請求項５に記載の電気機械。

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