JP6679812B2 - シート状パック材 - Google Patents

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本発明は、湿潤させた状態で顔面等の肌に貼付して用いられるシート状パック材に関する。
従来、炭酸ガスを肌に接触させることで肌の血行が促進されることが知られている。かかる血行促進効果を得るスキンケア製品として、炭酸塩と酸よりなる炭酸ガス発生剤を不織布に担持したシート状パック材が提案されている。下記の特許文献1には、通水通気性不織布よりなる表裏両層の間に、炭酸水素ナトリウムとカルボキシメチルセルロースを混合した層と、粗目の不織布よりなる層と、クエン酸又はクエン酸二水素ナトリウムよりなる層と、を積層したシート状パック材が記載されている。特許文献1によれば、炭酸水素ナトリウムとクエン酸又はクエン酸二水素ナトリウムを採用すると共にカルボキシメチルセルロースを併用することで、炭酸ガス発生時間を延長することができるとされている。
特開2014−065707号公報
近年、美容に関する消費者の意識は向上し、単に肌の血行を促進するだけではなく、更なる美容効果を発揮するパック材が求められている。
そこで本発明者は、肌の老化の原因となる活性酸素を除去するといわれる水素ガスに着目した。そして、炭酸ガスと水素ガスとを単に肌に接触させるだけではなく、炭酸ガスおよび水素ガスをより有効に肌に作用させることができるパック材を鋭意検討し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明のシート状パック材は、通水性および通気性を有する隔離層の一方面側に、水との接触により炭酸ガスを発生させる粉体状の炭酸ガス発生剤が分散配置され、前記隔離層の他方面側に、水との接触により水素ガスを発生させる水素発生物質を含む粉体状の水素ガス発生剤および粉体状の酸材料が分散配置されており、前記隔離層の前記他方面側に、肌に接触させて用いられる通水性かつ通気性の第一保護層が設けられているとともに、前記水素ガス発生剤が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が、前記炭酸ガス発生剤が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間よりも長いことを特徴とする。
本発明のシート状パック材によれば、水素ガス発生剤が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が、炭酸ガス発生剤が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間よりも長くなっている。このため、シート状パック材を化粧水などの水と接触させて湿潤させると、はじめに炭酸ガスが発生して肌の血行を促進させ、それに遅れて水素ガスが肌と接触する。このため、血行が高まった肌から水素ガスが血中に良好に入り込み、より効果的に体内の活性酸素へ働きかけることができる。このため、発生した水素ガスを無駄なく活用して高い美容効果を得ることができる。
そして、上記のように水素ガス発生時間を炭酸ガス発生時間よりも長くするため、本発明のシート状パック材においては、湿潤時に炭酸ガス発生剤が速やかに炭酸ガスを発生させるよう酸材料が設けられている。ただし、保管時に吸湿して炭酸ガス発生剤が炭酸ガスを発生させてしまうことがないように、酸材料と炭酸ガス発生剤とは隔離層を隔てて反対面側に配置されている。
以上、本発明によれば、炭酸ガスによる肌の血行促進の効果に加えて、血行が促進した肌に水素ガスが接触して高い美容効果を得ることができる。
シート状パック材の平面図である。 シート状パック材の断面図である。 水素ガス発生剤の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
図1はシート状パック材100を模式的に示す平面図である。図2は図1のII-II線断面図であり、シート状パック材100の断面図である。はじめに本実施形態のシート状パック材100の概要を説明する。
以下の説明においては、図2における上下方向をシート状パック材100の上下方向として説明する場合があるが、これは隔離層10、第一保護層20および第二保護層30の相対的な位置関係を便宜的に説明するためのものであり、シート状パック材100の製造時や使用時における重力方向の上下を必ずしも意味するものではない。また、シート状パック材100のうち第一保護層20が設けられている側を裏面または下面、第二保護層30が設けられている側を表面または上面と呼称する場合がある。
本実施形態のシート状パック材100は、隔離層10、第一保護層20および第二保護層30を互いに積層して構成されている。
隔離層10は、通水性および通気性を有する層である。隔離層10の一方面側に炭酸ガス発生剤12が分散配置され、隔離層10の他方面側に水素ガス発生剤14および粉体状の酸材料16が分散配置されている。炭酸ガス発生剤12は、水との接触により炭酸ガスを発生させる粉体状の剤である。水素ガス発生剤14は、水との接触により水素ガスを発生させる水素発生物質14aを含む粉体状の剤である。第一保護層20は肌に接触させて用いられる通水性かつ通気性の層であり、隔離層10の他方面側に設けられている。
本実施形態のシート状パック材100においては、水素ガス発生剤14が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が、炭酸ガス発生剤12が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間よりも長くなっていることを特徴とする。
以下、本実施形態をより詳細に説明する。
シート状パック材100は、湿潤させた状態でユーザの肌の表面に貼付して用いられるスキンケア製品である。シート状パック材100を湿潤させる液体は水性液体であり、湯または水のほか、化粧水でもよい。以下、簡単のため当該液体を「水」と総称する。
シート状パック材100は乾燥状態で包装袋(図示せず)に封入されてユーザに提供される。ユーザは包装袋を開封してシート状パック材100を取り出した後に水で湿潤させ、そして第一保護層20を肌に接触させて用いる。
図1に示すように本実施形態のシート状パック材100は顔面に貼付して用いるため、平面視において楕円形や長円形またはそれに類する形状をなしている。
シート状パック材100には複数個の通孔102が開口形成され、また切込部104が複数箇所に形成されている。通孔102は、ユーザの目や口に対応する位置に形成されている。シート状パック材100に通孔102を形成することでシート状パック材100を顔面に貼付した際に視覚や呼吸、会話などに支障をきたすことがない。切込部104には、シート状パック材100の略中央に形成されて鼻の突出形状にシート状パック材100を追従させるためのものと、シート状パック材100の周囲に形成されて略球体状の顔面にシート状パック材100を追従させるためのものとがある。シート状パック材100に切込部104を形成することで人間の顔面の三次元形状に追従させてシート状パック材100を密着させることができる。
シート状パック材100は指標部106を有している。指標部106は、ユーザの肌に接触させて用いられる面が、水素ガス発生剤14および粉体状の酸材料16が混合されて分散配置されている上記の他方面側(図2における下面側)であることを示す指標である。指標部106は、ユーザがシート状パック材100の表裏面を識別するための指標であればよい。
本実施形態の指標部106は、図2における上面側にあたる第二保護層30の上面に形成されている。
シート状パック材100の裏面を肌に接触させて用いることをシート状パック材100の包装袋または説明書(図示せず)等に表記したうえ、シート状パック材100の表面側であることを示す指標部106を設けてもよい。指標部106の具体的な態様は特に限定されず、図1に示すように表面側であることを示す文字(TOP)のほか、図形、記号または色彩でもよい。これによりユーザは指標部106が形成されていない側を肌に接触させて用いればよいことを認識できる。
本実施形態に代えて、シート状パック材100の裏面にあたる第一保護層20の下面に、当該面が裏面側であることを示す指標部106を設けてもよい。
指標部106は、第二保護層30または第一保護層20に印刷形成してもよく、エンボス加工により凹凸形成してもよく、このほか、第二保護層30と第一保護層20とを異色に形成することによりシート状パック材100の表裏面を識別可能としてもよい。この場合、第二保護層30または第一保護層20を示す色彩が指標部106にあたる。
図2に示すように、シート状パック材100は隔離層10を挟んで下面側(他方面側)に第一保護層20が積層され、上面側(一方面側)には通水性の第二保護層30が積層されている。
水素ガス発生剤14および酸材料16は隔離層10と第一保護層20との間に設けられている。水素ガス発生剤14および酸材料16を隔離層10の下面に担持させたうえで隔離層10の下面側に第一保護層20を接合してシート状パック材100を形成してもよい。または水素ガス発生剤14および酸材料16を第一保護層20の上面に担持させたうえで第一保護層20の上面側に隔離層10を接合してシート状パック材100を形成してもよい。なお、水素ガス発生剤14と酸材料16とは必ずしも同層に配置されている必要はない。後述するように隔離層10を複数層で構成し、水素ガス発生剤14と酸材料16とを異層に配置してもよい。すなわち、最上層の隔離層10からみて炭酸ガス発生剤12と反対側に水素ガス発生剤14および酸材料16が配置されていればよい。
本実施形態のシート状パック材100においては、隔離層10の上面側(一方面側)に対して水溶性の増粘剤18が選択的に配置されている。増粘剤18は炭酸ガス発生剤12と混合されて配置されている。すなわち増粘剤18は、隔離層10の下面側には実質的に配置されておらず、上面側にのみ配置されている。
炭酸ガス発生剤12および増粘剤18は隔離層10と第二保護層30との間に設けられている。炭酸ガス発生剤12および増粘剤18を隔離層10の上面に担持させたうえで隔離層10の上面側に第二保護層30を接合してシート状パック材100を形成してもよい。または炭酸ガス発生剤12および増粘剤18を第二保護層30の上面に担持させたうえで第二保護層30の下面側に隔離層10を接合してシート状パック材100を形成してもよい。
第一保護層20および第二保護層30は、互いに同種または異種のシート材料を用いることができる。本実施形態では、第一保護層20および第二保護層30に天然コットンなどの綿繊維で作成された不織布を用いることができる。特に第一保護層20はユーザの肌に接触させる層であることから、バインダーを使用せずに柔軟な第一保護層20を作成できるという観点から、スパンレース不織布を好ましく用いることができる。なお、第一保護層20または第二保護層30には、綿繊維に代えてポリエステル繊維などの合成繊維を用いてもよい。第一保護層20および第二保護層30の目付は、吸水性の観点から20g/m以上50g/m以下程度とすることができる。
第一保護層20および第二保護層30は通水性の層であり、シート状パック材100を水に浸すかまたは流水にシート状パック材100を接触させることで、第一保護層20および第二保護層30を通じて水がシート状パック材100の内部に浸透する。
隔離層10は、粒子状の炭酸ガス発生剤12、水素ガス発生剤14および酸材料16が隔離層10を通過して反対側に移動することを規制するとともに、水およびガスの通過を許容する層である。本実施形態の隔離層10は単層である。
隔離層10には、ポリエチレンに例示されるポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート(PET)に例示されるポリエステルなどの熱可塑性の樹脂材料で作成された樹脂繊維を交絡させた不織布、具体的には樹脂繊維同士を加熱処理して融着させたサーマルボンド不織布を好ましく用いることができる。これにより、第一保護層20、隔離層10および第二保護層30を積層して加熱および加圧するだけで、隔離層10が第一保護層20および第二保護層30に対して融着し、シート状パック材100を容易に積層一体化させることができる。
隔離層10は、第一保護層20および第二保護層30のいずれよりも通水性が高い。隔離層10を構成する繊維の間隙は、第一保護層20および第二保護層30をそれぞれ構成する繊維の間隙よりも大きい。これにより、第一保護層20および第二保護層30から浸入した水が、図2に白抜矢印で示すように隔離層10を通じて反対側に迅速に流通する。これにより、水に溶解した炭酸ガス発生剤12と酸材料16が互いに良好に接触して反応し、炭酸ガスが発生する。
本実施形態の水素ガス発生剤14においては、水素発生物質14aが水溶性被膜14bで被覆されている。特に、本実施形態の水素ガス発生剤14に関しては、後記に詳述するように水素発生物質14aの表面の全体を水溶性被膜14bが被覆している。このため、シート状パック材100に含浸した水と水素ガス発生剤14が接触すると、まず水溶性被膜14bが水に溶解した後に水素発生物質14aが水に溶解して水素ガスを発生させる。すなわち、水素発生物質14aが水と接触しても直ちには水素ガスが発生しないため、水素ガス発生時間を長くすることができる。また、水溶性被膜14bを設けることで、シート状パック材100の保管時に水素ガス発生剤14が吸湿しても水素発生物質14aと水(湿気)とが反応することが抑制され、保管時に水素ガスが発生してしまうこともない。
第一保護層20は通水性とともに通気性を有しており、炭酸ガス発生剤12から発生する炭酸ガスと、水素ガス発生剤14から発生する水素ガスがともに第一保護層20を通過してユーザの肌と接触する。第二保護層30は通気性を有していてもいなくてもよい。本実施形態では第一保護層20と第二保護層30に同種の不織布を用いるため第二保護層30も通気性を有する。炭酸ガス発生剤12から発生する炭酸ガスは第二保護層30を通じてシート状パック材100の上面側、すなわちユーザの肌とは反対側に散逸しうるが、本実施形態ではかかる散逸を低減するため炭酸ガス発生剤12と増粘剤18とを混合して隔離層10の表面側(一方面側)に配置している。これにより、炭酸ガス発生剤12が水に溶解して酸材料16と反応するのと並行して増粘剤18が水に溶解してゲル状になる。そしてかかるゲルの存在によって炭酸ガスが第二保護層30に至ることが抑制されるため、第二保護層30を通過する炭酸ガスの量よりも第一保護層20を通過する炭酸ガスの量の方が多くなる。
水素ガス発生剤14から発生する水素ガスに関しても同様であり、ゲル状になった増粘剤18により水素ガスが第二保護層30に至ることがブロックされ、水素ガスはもっぱら第一保護層20を通過してユーザの肌と接触する。特に、水素ガス発生剤14が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間は増粘剤18が水に溶解してゲル状に遷移するまでの時間よりも長い。このため、水素ガスが発生する時点で第二保護層30と隔離層10との間にはゲル状の増粘剤18が層状に分布し、水素ガス発生剤14から発生する水素ガスが第二保護層30から空気中に散逸することが良好に防止される。
炭酸ガスや水素ガスが第二保護層30を通過して空気中に散逸することを更に抑制するため、第二保護層30の上面にオーバーマスク(図示せず)を重ねて設けてもよい。オーバーマスクは第二保護層30よりも通気性が低いシート材料で作成することができる。オーバーマスクは第二保護層30と一体に接合されていてもよく、またはシート状パック材100とは別体で提供されて第二保護層30と非接合に重ねて用いてもよい。
以下、シート状パック材100を構成する炭酸ガス発生剤12、水素ガス発生剤14、酸材料16および増粘剤18について詳細に説明する。これらはいずれも粉体状でシート状パック材100に分散して担持されている。ここで粉体状とは広く粒子状を意味し、粒子径は特に限定されない。粉体状には、パウダー状、顆粒状または粉末状などの種々の形態を含む。炭酸ガス発生剤12、水素ガス発生剤14、酸材料16および増粘剤18の平均粒子径は互いに異なってもよい。
炭酸ガス発生剤12には、炭酸塩を用いることができ、具体的には炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムを用いることができる。
水素ガス発生剤14は、水との接触により水素ガスを発生可能な水素発生物質14aを含む粉体物である。水素ガス発生剤14の粒径(最長径)は0.01mm以上3mm以下の範囲であり、好ましくは0.05mm以上1mm以下の範囲であり、より好ましくは、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲である。粉体物の粒子径は、JIS Z 8815:1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して測定される。
水素発生物質14aとしては、マグネシウム、カルシウム、焼成カルシウム、未焼成カルシウムもしくはアルミニウムなどの金属;水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ケイ素もしくは水素化バリウムなどの水素化金属;ゲルマニウムなどの半金属;ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素もしくは酸化ケイ素に水素を埋蔵させたシリカ吸蔵水素などのケイ酸系材料;ゲルマニウムなどの鉱物、またはこれらから選択された2以上の組み合わせを例示することができる。このうち、水素発生物質14aとしてはマグネシウムまたは水素化マグネシウムを特に好ましく用いることができる。
水素発生物質14aは、水と接触すると速やかに水素を発生するものだけでなく、水とともに酸の存在により水素を発生するものも含む。
水溶性被膜14bは、たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)もしくは糖などの水溶性化合物;乳糖、デンプンもしくはコーンスターチなどの水溶性賦形剤、またはこれらの混合物を挙げることができる。
水素ガス発生剤14における水溶性被膜14bの質量は特には限定されないが、水素ガス発生剤14の質量に対し、水溶性被膜14bの質量は1質量%以上10質量%以下が好ましい。すなわち、炭酸ガス発生剤12と水との反応による炭酸ガスの発生が終了する前に水素ガス発生剤14が水素ガスを発生させることで、炭酸ガスと水素ガスとが相乗的に肌に美容効果をもたらすことができる。そして上記のように少量の水溶性被膜14bにより水素発生物質14aを被覆することで、水素ガス発生剤14が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が過大となることが防止される。少量の水溶性被膜14bで水素発生物質14aを被覆するという観点からは、水溶性被膜14bとしてはPEGが特に適している。
図3に示すように、水素ガス発生剤14は水素発生物質14aが水溶性被膜14bに被覆されて構成されており、より詳細には、水素発生物質14aは酸物質14cと配位結合して金属錯体(ハイドロクラスター)14mが形成されている。水溶性被膜14bは金属錯体14mを非露出に内包している。金属錯体14mが非露出であるとは、金属錯体14mの外周の全体が水溶性被膜14bで覆われていて水素ガス発生剤14の表面に金属錯体14mが実質的に露出していないことをいう。
水素発生物質14aが酸物質14cと配位結合して金属錯体14mを形成していることにより、水素発生物質14aの近傍に酸物質14cが存在することとなる。このため、水溶性被膜14bが水に溶解して水素発生物質14aが水と接触するのと同時に、酸物質14cが水に溶解して水素発生物質14aの周囲に水素イオンを供給する。このため、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸ガス発生剤12が水と反応して生成される水酸基が隔離層10を通じて下面側に流入してシート状パック材100の内部が全体的に塩基性になっていたとしても、水素発生物質14aのごく近傍には酸物質14cから水素イオンが供給されるため水素発生物質14aの周囲は局所的に酸性を維持することができる。このため、水素発生物質14aが良好に水と反応して水素ガスが発生する。
水素ガス発生剤14が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間(水素ガスの発生開始時間)は、3秒以上30秒以下が好ましい。一方、炭酸ガス発生剤12が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間(炭酸ガスの発生開始時間)は、水素ガス発生時間よりも短く、かつ0.1秒以上5秒以下とすることができる。
酸物質14cには、クエン酸、アコニット酸、リンゴ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、シュウ酸もしくは酒石酸などの有機酸;またはクエン酸二水素ナトリウムなど上記有機酸の金属塩を用いることができる。これらの有機酸や有機酸の金属塩は複数種類を組み合わせて用いてもよい。
金属錯体14mにおいては、水素発生物質14aを構成する金属または水素化金属の総量が金属塩になった場合に、これを過不足なく中和するよりも多い量の酸物質14cが水素発生物質14aと配位結合していることが好ましい。すなわち、水素発生物質14aを構成する金属または水素化金属が水と反応することによって生じる金属塩がモル質量Xでm価の塩(モル当量(X/m))であり、水素発生物質14aと配位結合する酸物質14cがモル質量Yでn価の酸(モル当量(Y/n))である場合、下式(1)を満たすことが好ましい。
酸物質14cのモル当量(Y/n)>水素発生物質14aの塩のモル当量(X/m) ・・・(1)
水素ガス発生剤14は、金属錯体14mおよび水溶性被膜14bのみから構成されてもよいが、図3に示すように他の成分である添加剤14dを任意で含んでもよい。添加剤14dとしては、ユーザの肌に対するスキンケア効果を促進する材料を用いることができ、たとえば、アスコルビン酸もしくはその誘導体、カロテノイド、ポリフェノールまたはコエンザイムQ10などの抗酸化物質を挙げることができる。
隔離層10の裏面側に水素ガス発生剤14とともに分散配置させる酸材料16には、水素発生物質14aと配位結合させる酸物質14cとして上記に例示した有機酸や有機酸の金属塩を用いることができる。酸材料16には、酸物質14cと同種の材料を用いてもよく、または異種の材料を用いてもよい。具体的には、酸材料16としてはクエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムを好ましく用いることができる。
シート状パック材100に酸材料16を存在することで、炭酸ガス発生剤12が水に溶解してシート状パック材100の内部が塩基性に偏ることを抑制し、シート状パック材100が適用される肌に対して過剰な刺激が与えられることが防止される。
増粘剤18には、水溶性の多糖類を広く用いることができる。たとえばキサンタンガム、グアーガム、セルロース誘導体またはヒアルロン酸を挙げることができ、より具体的には水溶性セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム)を好ましく用いることができる。
本実施形態のシート状パック材100において、炭酸ガス発生剤12および酸材料16の合計質量は、水素ガス発生剤14の合計質量よりも大きいことが好ましい。具体的には、炭酸ガス発生剤12および酸材料16の合計質量は、炭酸ガス発生剤12、酸材料16および水素ガス発生剤14の合計質量の50%以上90%以下とすることができる。これにより、炭酸ガスによる肌の血行促進効果を十分に高めたうえで、水素ガスと炭酸ガスとの相乗効果により肌に高い美容効果を与えることができる。
炭酸ガス発生剤12および酸材料16の合計質量に対して、増粘剤18の質量は5%以上が好ましい。増粘剤18の質量を上記の下限値以上とすることで、炭酸ガスや水素ガスが第二保護層30を通じて空気中に散逸することが良好に抑制され、肌に対して炭酸ガスや水素ガスが供給される時間を長くすることができる。炭酸ガス発生剤12および酸材料16の合計質量に対する増粘剤18の質量の上限は特に限定されないが、70%以下とすることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様を含む。
上記実施形態では隔離層10を挟んで第一保護層20と第二保護層30が積層された三層構成のシート状パック材100を例示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、隔離層10の下面側に他の隔離層を積層し、水素ガス発生剤14を配置する層と酸材料16を配置する層とを別層としてもよい。すなわち、水素ガス発生剤14と酸材料16とは互いに混合されて隔離層10の下面側において同層に配置されている必要はない。
また、上記の説明では水素ガス発生剤14において水素発生物質14aを水溶性被膜14bで被覆する態様を説明したが、本発明の変形例として、水溶性被膜14bを設けることなく水素ガス発生剤14を構成してもよい。具体的には、水素発生物質14aと酸物質14cとを配位結合させた金属錯体14mを所定の粒子径に造粒し、水素発生物質14aの少なくとも一部が表面に露出した粒子として水素ガス発生剤14を作成してもよい。かかる変形例の場合、シート状パック材100が吸水して水素ガス発生剤14が水と接触するのと同時に水素発生物質14aが当該水と接触するため、上述した実施形態に比べて水素ガス発生時間が短くなる。しかしながら、炭酸ガス発生剤12として炭酸水素ナトリウムを用い、水素発生物質14aとして金属マグネシウムを用いた場合、水との反応性は炭酸ガス発生剤12(炭酸水素ナトリウム)の方が水素発生物質14a(金属マグネシウム)よりも高いことから、変形例のように水素発生物質14aに水溶性被膜14bを設けない場合であっても、水素ガス発生時間を炭酸ガス発生時間よりも長くすることができる。言い換えると、炭酸ガス発生剤12を構成する金属元素を、水素ガス発生剤14を構成する金属元素よりもイオン化傾向の高いものとすることで、水素ガス発生時間を炭酸ガス発生時間よりも長くすることが可能である。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)通水性および通気性を有する隔離層の一方面側に、水との接触により炭酸ガスを発生させる粉体状の炭酸ガス発生剤が分散配置され、前記隔離層の他方面側に、水との接触により水素ガスを発生させる水素発生物質を含む粉体状の水素ガス発生剤および粉体状の酸材料が分散配置されており、前記隔離層の前記他方面側に、肌に接触させて用いられる通水性かつ通気性の第一保護層が設けられているとともに、前記水素ガス発生剤が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が、前記炭酸ガス発生剤が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間よりも長いことを特徴とするシート状パック材。
(2)前記隔離層の前記一方面側に、通水性の第二保護層が設けられている上記(1)に記載のシート状パック材。
(3)前記水素ガス発生剤が、マグネシウムまたは水素化マグネシウムである水素発生物質と酸物質とが配位結合して形成された金属錯体と、前記金属錯体を非露出に内包する水溶性被膜と、を含む上記(1)または(2)に記載のシート状パック材。
(4)前記隔離層の前記一方面側に対して水溶性の増粘剤が選択的に配置されており、前記増粘剤が前記炭酸ガス発生剤と混合されて配置されている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のシート状パック材。
(5)前記炭酸ガス発生剤および前記酸材料の合計質量が、前記水素ガス発生剤の合計質量よりも大きい上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のシート状パック材。
(6)前記他方面側が肌に接触させて用いられる面であることを示す指標部を有する上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のシート状パック材。
10 隔離層
12 炭酸ガス発生剤
14 水素ガス発生剤
14a 水素発生物質
14b 水溶性被膜
14c 酸物質
14d 添加剤
14m 金属錯体
16 酸材料
18 増粘剤
20 第一保護層
30 第二保護層
100 シート状パック材
102 通孔
104 切込部
106 指標部

Claims (6)

  1. 通水性および通気性を有する隔離層の一方面側に、水との接触により炭酸ガスを発生させる粉体状の炭酸ガス発生剤が分散配置され、前記隔離層の他方面側に、水との接触により水素ガスを発生させる水素発生物質を含む粉体状の水素ガス発生剤および粉体状の酸材料が分散配置されており、
    前記隔離層の前記他方面側に、肌に接触させて用いられる通水性かつ通気性の第一保護層が設けられているとともに、
    前記水素ガス発生剤が水に接触してから水素ガスを発生させるまでの水素ガス発生時間が、前記炭酸ガス発生剤が水に接触してから炭酸ガスを発生させるまでの炭酸ガス発生時間よりも長いことを特徴とするシート状パック材。
  2. 前記隔離層の前記一方面側に、通水性の第二保護層が設けられている請求項1に記載のシート状パック材。
  3. 前記水素ガス発生剤が、マグネシウムまたは水素化マグネシウムである水素発生物質と酸物質とが配位結合して形成された金属錯体と、前記金属錯体を非露出に内包する水溶性被膜と、を含む請求項1または2に記載のシート状パック材。
  4. 前記隔離層の前記一方面側に対して水溶性の増粘剤が選択的に配置されており、前記増粘剤が前記炭酸ガス発生剤と混合されて配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のシート状パック材。
  5. 前記炭酸ガス発生剤および前記酸材料の合計質量が、前記水素ガス発生剤の合計質量よりも大きい請求項1から4のいずれか一項に記載のシート状パック材。
  6. 前記他方面側が肌に接触させて用いられる面であることを示す指標部を有する請求項1から5のいずれか一項に記載のシート状パック材。
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