JP7374583B2 - マスク - Google Patents

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本発明は、顔に装着するマスクに関し、特に蒸気を発するマスクに関する。
従来から、花粉や黄砂などの微粉塵に対する防御対策として、また、ウイルスや細菌などの感染対策として、マスクが汎用されている。また最近では、マスクの機能が多様化し、様々なマスクが提案されている。例えば睡眠中は、飲食物や唾液などの嚥下がないため、口腔が乾燥しやすくなることがある。また、冬期には全般的に空気が乾燥しており、さらに冬期以外でもオフィス内では年中エアコンが稼働している。したがって、日中でも空気が乾燥しやすい環境が多く、口腔が乾燥しやすくなっている。
これを防止するため、例えば特許文献1には、加湿機能を有するマスクが開示されている。特許文献1のマスクは、多数の貫通孔が形成されたシリコン製の袋状のマスク本体内に、水分を含んだ含水体を収容しており、水分を含んだフィルターが加熱された状態でマスク本体に収容されていることで温かい蒸気が発生し、これによりマスクと顔との間が加湿され、口腔に水分が補給されるため、口腔の乾燥を防止している。
特開2015-20044号公報
しかし、特許文献1のマスクは、加熱された含水体から発生する温かい蒸気が顔に直接当たるため、鼻などをやけどするおそれがある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、加熱された含水体から発生する温かい蒸気が顔に直接当たらないマスクを提供することを目的とする。
本発明は、顔に装着して蒸気を発するマスクに関する。本発明のマスクは、マスク本体と、水分を含む含水体と、を備え、前記マスク本体は、着用者の顔の一部を覆う覆い部と、加熱された含水体を収容するために前記覆い部の顔側の面に設けられる袋状の収容部と、を備え、前記収容部は、間に前記含水体が挿入される顔側の第1層及び前記覆い部側の第2層を少なくとも備え、前記第2層は、上側縁を除く部分が前記第1層に接合されており、前記第1層の上側縁は、前記第2層の上側縁よりも上方に位置し、かつ、前記覆い部に接合されていることを特徴とする。
本発明のマスクにおいては、前記第1層の上側縁は、前記覆い部の上側縁よりも下方の位置で前記覆い部に接合されていることが好ましい。
また、本発明のマスクにおいては、前記含水体は、マイクロ波の照射を受けることで加熱されることが好ましい。
本発明によれば、マスクの着用時に、加熱された含水体から温かい蒸気が発生し、これによりマスク本体と着用者の顔との間が加湿される。よって、口腔に水分が補給されるため、口腔の乾燥を防止できる。
また、収容部の顔側の第1層の上側縁が覆い部側の第2層の上側縁よりも上方に位置しかつ覆い部の顔側の面に接合されているので、マスクの着用時に、収容部の上部開口と着用者の顔との間に第1層が介在する。よって、収容部内の含水体から発せられる温かい蒸気が収容部の上部開口から放出されても、第1層を透過した後でなければ着用者の顔側に放出されないため、蒸気が着用者の顔に直接当たるのを防止することができる。
本実施形態のマスクの(A)正面図であり、(B)背面図である。 図1のX1-X1概略断面図である。 収容部の(A)背面図であり、(B)正面図であり、(C)X2-X2概略断面図である。 含水体の(A)正面図であり、(B)側面図である。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本実施形態のマスク1を示している。マスク1は、着用者の顔の一部(目の下の領域、特に鼻及び口)を覆うマスク本体2と、水分を含む含水体3とを備える。マスク本体2は、着用時に着用者の顔の一部を覆う部分である覆い部5と、覆い部5の顔側の面に設けられる袋状の収容部6とを備える。含水体3は、マスク本体2の収容部6に収容された後、例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱される。これにより、マスク1の着用時に含水体3から温かい蒸気が発せられる。
覆い部5は、本実施形態では平面視で長方形状を呈している。覆い部5は、マスク1の着用時に、着用者の顔の目の下を横に延びる上側縁50と、下顎(又は顎下)を横に延びる下側縁51と、上側縁50及び下側縁51を接続する左右の側縁52,53とを有する。覆い部5のサイズとしては、特に限定されるものではなく、例えば左右の側縁52,53が頬を縦断して顔の鼻、口、下顎、頬の一部を覆うサイズであればよい。
また、覆い部5は、本実施形態ではマスク1の着用前(未使用時)に平坦状をなしている。つまり、本実施形態の覆い部5は、立体タイプの覆い部とは構造が異なる。具体的には、2枚のマスク片の側縁同士を熱融着などで接合し、未使用時において横方向中央に縦方向に延びる折り畳み部により2枚のマスク片が折り重ねられていて、2枚のマスク片を展開しても平坦状とはならず、顔への装着時に鼻の下(鼻孔)及び口との間に大きな空間を形成する構造のものとは異なるものであり、顔への装着時に、立体タイプの覆い部よりも顔の表面により密着する。
覆い部5は、単層構造又は2層以上の積層構造とすることができ、各層は、織布や不織布などの通気性を有するシートを用いて構成することができる。その中でも、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法又はスパンレース法による不織布を好ましく用いることができ、さらに好ましくは、肌触りと保形性の観点からスパンボンド法による不織布を、花粉・ウイルスなどのカット性能の観点からメルトブロー法による不織布を用いることができる。以上の点を考慮して、好適な覆い部5の層構造として、例えば、SMS層(スパンボンド-メルトブロー-スパンボンドの3層構造)を挙げることができる。なお、その他にも、S層(スパンボンドの単層)又はSS層(スパンボンド-スパンボンドの2層構造)を好ましく挙げることができる。覆い部5を積層構造とする場合には、各層のシートの外周縁を所定の幅で、例えば縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法により接合することで覆い部5を形成することができる。
覆い部5の各層を構成する織布及び不織布の繊維素材としては、公知のものを用いることができ、例えば紙、コットンなどの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの半合成繊維;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維を用いることができる。その中でも、生産性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンを好ましく用いることができ、保形性の観点からポリプロピレンを用いることができ、肌触りの観点からナイロンを用いることができる。
覆い部5は、縦方向に伸長可能な構造を有する。例えば覆い部5には、横方向に延びる少なくとも2つの折り目によって形成されるプリーツ(襞)54が少なくとも1つ設けられている。このプリーツ54の拡開により、覆い部5は縦方向に伸長可能であり、覆い部5を着用者の顔の大きさに対応して自由にサイズ調整することができる。
覆い部5の左右の側縁52,53には、覆い部5を着用者の顔に保持するための保持手段として、耳掛けバンド7が取り付けられている。耳掛けバンド7は、例えば縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法により覆い部5に取り付けることができる。耳掛けバンド7の素材は特に限定されないが、例えばポリエステルなどの伸縮性のある素材であることが好ましい。なお、覆い部5の保持手段としては、耳掛けバンド7以外の他の種々の手段を用いてもよい。
覆い部5の上側縁50よりも内側位置には、例えばポリエチレンなどのプラスチック樹脂や生分解性樹脂などからなる線状のノーズピース8が設けられている。ノーズピース8により、着用者の鼻と覆い部5との間に隙間が生じるのが防止されるので、覆い部5を顔にフィットさせることができる。ノーズピース8は、例えば覆い部5に内蔵し、その上下位置で覆い部5を構成する各層のシートを例えば超音波溶着などで接合することで、所定位置に固定することができる。
次に、収容部6は、図1~図3に示すように、顔側の第1層60及び覆い部5側の第2層61を有し、第2層61の外周縁の上側縁を除く部分が第1層60に接合されている。これにより、収容部6は、上部に開口が形成され、第1層60及び第2層61の間に含水体3を挿入して保持することができる袋状に形成される。本実施形態では、収容部6は、第2層61の上側縁が第1層60の上側縁よりも下方に位置しており、上部開口から収容部6内に含水体3を挿入しやすくなっている。
収容部6は、顔側の第1層60が縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法で覆い部5の顔側の面に接合されることで、覆い部5に取り付けられている。本実施形態では、収容部6は、第2層61の上側縁よりも上方に位置する第1層60の上側縁のみが覆い部5の顔側の面に接合されている。これにより、プリーツ54を拡開することで覆い部5を縦方向に伸長させる際に収容部6が妨げにならないうえ、収容部6が覆い部5に拘束されておらず含水体3の重みにより含水体3を着用者の顔に近接させやすくなっているため、含水体3から発せられる蒸気を鼻や口に効率的に供給することができる。
また、顔側の第1層60の上側縁が覆い部5の顔側の面に接合されていることで、マスク1の着用時に、収容部6の上部開口と着用者の顔との間に第1層60が介在する。これにより、収容部6内の含水体3から発せられる温かい蒸気が収容部6の上部開口から放出されても、第1層60を透過した後でなければ着用者の顔側に放出されないため、蒸気が着用者の顔に直接当たるのを防止することができる。
収容部6は、本実施形態では覆い部5の上側縁50よりも下方の位置にて覆い部5に取り付けられている。覆い部5の上側縁50は、マスク1の着用時に着用者の顔の目の下を横に延びることから、覆い部5の上側縁50の位置に収容部6が取り付けられていると、収容部6内の含水体3により鼻が覆われる。鼻が含水体3に覆われると、鼻による呼吸がし難くなるとともに、含水体3が鼻に当たってマスク1の着用感が低下するおそれがある。そのため、本実施形態では、マスク1の着用時に収容体6が着用者の鼻の下に配置されるように、収容部6は覆い部5の上側縁50よりも所定の高さ(例えば15mm以上30mm以下)下方にずれた位置で覆い部5に取り付けられている。
収容部6のサイズとしては、内部に含水体3を入れることが可能な大きさであればよく、例えば横方向の長さは50mm以上150mm以下とすることができ、縦方向の長さは30mm以上80mm以下とすることができる。
収容部6の顔側の第1層60は、透湿性を有する。この透湿性とは、蒸気(水分子)を通すことができる性質であり、例えば、透湿度が1000g/m/24h以上であることが好ましく、2000g/m/24h以上であることがより好ましく、3000g/m/24h以上であることがさらに好ましい。これにより、収容部6内の含水体3から発せられる温かい蒸気は、第1層60を透過して着用者の顔側には放出される。一方で、収容部6の覆い部5側の第2層61は、非透湿性である。この非透湿性とは、完全に蒸気(水分子)を通さない性質だけに限定されるものではなく、わずかに蒸気(水分子)を通す性質も含む。例えば、透湿度が350g/m/24h以下であることが好ましく、300g/m/24h以下であることがより好ましい。収容部6内の含水体3から発せられる温かい蒸気は、着用者の顔と反対側には非透湿性の第2層61がバリアとなって蒸気が放出されない。このように、収容部6の第1層60を透湿性とし、第2層61を非透湿性とすることで、含水体3から発せられる温かい蒸気を着用者の顔側のみに供給でき、効率よく加湿することができる。
また、収容部6の第1層60及び第2層61は、ともに断熱性を有する。収容部6には電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱された後の含水体3が収容されるが、加熱状態の含水体3の温度が低下すると、含水体3から温かい蒸気を発生する時間が短くなる。そのため、本実施形態では、収容部6の第1層60及び第2層61を断熱性としており、これにより、収容部6内の加熱された含水体3の温度が急速に低下するのを防止することができ、その結果、含水体3から温かい蒸気が発せられる時間を延ばすことができる。
上述した透湿性及び断熱性を有する収容部6の第1層60は、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリオレフィン、発泡ポリ塩化ビニル(PVC)などからなる発泡樹脂シートや、シート状の繊維綿を用いて構成することができる。繊維綿を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、アクリロニトリル繊維などを挙げることができる。
上述した断熱性を有しかつ非透湿性である収容部6の第2層61は、例えば、上述した第1層60に用いられる発泡樹脂シートやシート状の繊維綿を非透湿性素材で覆ったものを用いて構成することができる。
収容部6は、本実施形態では、顔側の第1層60の顔側の面に、蒸気を保持可能な蒸気保持層62が設けられている。この蒸気保持層62は、収容部6内の含水体3から発せられて第1層60を透過した蒸気について、一部をそのまま透過させて着用者の顔側に放出し、一部を保持することで、マスク1の着用時のマスク本体2と着用者の顔との間の湿度を上げるものである。これにより、加湿効果が向上し、マスク本体2と着用者の顔との間を効果的に加湿することができる。
蒸気保持層62は、織布や不織布などの通気性を有するシート状繊維を用いて構成することができ、その中でも不織布を好ましく用いることができる。不織布は、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法などによる不織布を用いることができるが、肌触りの観点からサーマルボンド法、スパンレース法による不織布をより好ましく用いることができ、スパンレース法による不織布を特に好ましく用いることができる。蒸気保持層62を構成する織布及び不織布の繊維素材としては、ぬれやべたつきを防止できるとの観点で疎水性繊維を好ましく用いることができ、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合成繊維を用いることができる。その中でも、柔軟性、生産性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンを好ましく用いることができる。なお、蒸気保持層62は、蒸気保持機能、柔軟性の観点から複数(本実施形態では2枚)のシート状繊維(例えば不織布)が重ね合わされてなることが好ましい。
次に、含水体3は、水分を主成分として含む保水液が含浸されており、例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱されて蒸気を発生可能なものである。含水体3は、図1~図4に示すように、マスク1の着用時にマスク本体2の収容部6に加熱状態で収容されることで蒸気を放出し、マスク本体2と顔との間を加湿して口腔に水分を供給する。
含水体3は、特に限定されるものではないが、多量の保水液を含んでいることが好ましく、含水体3に含まれる保水液量(含浸量)は、6g以上であることが好ましく、12g以上であることがより好ましく、16g以上であることがさらに好ましい。また使用する際の含水体3の重量による使用感への影響の観点から、含水体3の含浸量は、30g以下であることが好ましく、24g以下であることがより好ましく、20g以下であることがさらに好ましい。含水体3が多量の保水液を含んでいることで、多量の蒸気を口腔に供給できるようになるうえ、含水体3は加熱された後に冷めにくくなるため、加熱により高温となった含水体3の温度を長く維持することができる。このように、マスク1の着用時に、含水体3の保温時間を長く維持することができるので、温かい蒸気を長く発生することができ、良好な使用感を得ることができる。
また、このような量の保水液を保持するため、含水体3の目付けは、500g/m以上であることが好ましく、800g/m以上あることがより好ましい。一方で、目付けが大きすぎると、含水体3が硬くなるため、マスク1の着用時に含水体3が着用者の口元の顔面形状に沿うように変形せず、着用者が不快に感じるおそれがある。そのため、含水体3の目付けは、1500g/m以下であることが好ましく、1000g/m以下であることがより好ましい。
含水体3は、本実施形態では平面視矩形状を呈している。含水体3は、マスク1の着用時に着用者の口元で使用することから、その大きさは、例えば横方向に4cm以上14cm以下、縦方向に2cm以上7cm以下であることが好ましく、横方向に7cm以上11cm以下、縦方向に3cm以上6cm以下であることがより好ましい。なお、面積では、例えば8cm以上98cm以下であることが好ましく、25cm以上50cm以下であることがより好ましい。
含水体3は、マスク1の着用時に着用者の口を覆うため、含水体3により着用者の口による呼吸を妨げないよう、含水体3には通気孔30が形成されている。これにより、マスク1の着用時における着用者の口による呼吸を容易にしている。通気孔30は、複数の小径の孔で構成されていてもよく、1つ又は複数の切欠きで構成されていてもよいが、含水体3の左右方向の中央位置に上下方向に延びる切欠きで構成されることが好ましい。これにより、含水体3を左右方向の中央位置で通気孔30に沿って折り曲げやすくすることができる。含水体3に多量の水分を含浸させるためには、上述したように、含水体3の目付けを大きくする必要があるが、目付けが大きくなると含水体3が硬くなり、マスク1の着用時に含水体3が着用者の口元の顔面形状に沿わないため、着用者が不快に感じるおそれがある。しかし、通気孔30により含水体3が左右方向の中央位置で折れ曲げやすくなれば、含水体3の目付けが大きくても、マスク1の着用時に含水体3が着用者の口元の顔面形状に沿って変形するため、着用者が不快に感じることがなくなる。
なお、通気孔30は、本実施形態では含水体3の下側縁から上方に延びるようにして形成されているが、含水体3の上側縁から下方に延びるようにして形成されていてもよいし、含水体3の上側縁及び下側縁からそれぞれ下方及び上方に延びるようにして形成されていてもよく、また、含水体3の上側縁と下側縁との間の領域に上下に延びるようにして形成されていてもよい。
含水体3は、種々の繊維素材により形成することができるが、親水性繊維や、親水性繊維及び合成繊維の混紡繊維で形成することができる。繊維素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、パルプなどを挙げることができ、柔軟性、保水性の観点から好ましくはパルプを挙げることができる。このような含水体3の製法は、特に限定されるものではないが、エアレイド法などにより製造することができ、生産性、加工性、耐久性の観点から主成分たるパルプにポリエチレンなどの熱融着性繊維を所定の割合で混紡することが好ましい。
例えば、含水体3をパルプで形成する場合、パルプ:熱融着性繊維の割合は60:40~80:20が挙げられる。含水体3は、単層又は複数層構造とすることができるが、耐久性、保水性の観点から、繊維素材を1対の不織布で挟んだ3層構造とすることが好ましい。このとき、1対の不織布で挟まれる層を中層、1対の不織布からなる層を両端層という。両端層の不織布は同素材としてもよく、異なる素材としてもよい。これら不織布の素材としては、親水性繊維、疎水性繊維、合成繊維、又は親水性繊維と合成繊維との混紡繊維を挙げることができ、親水性繊維としては、レーヨン、コットンを挙げることができ、好ましくはレーヨンである。親水性にすると製造時に水分をパルプに吸収させやすくなり、製造が容易になるという利点がある。疎水性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルを挙げることができ、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。疎水性にするとぬれやべたつきを防止できるという利点がある。したがって、着用者側に向く面を疎水性繊維で構成するとともに、それとは反対側の面をレーヨンなどの親水性繊維で構成することが好ましい。上述した1対の不織布は、例えば目付けを20g/m以上50g/m以下にすることが好ましい。
含水体3に含浸させる保水液は、水のみであってもよいが、水を主成分とし、水にポリオールを配合することもできる。ポリオールとしては、グリセリンやジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1,2ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールなどが挙げられ、その中でも、グリセリンが安全性の点で好ましい。これらの他にも、メチルパラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤、ヒアルロン酸塩やベタインなどの保湿剤、植物エキス、キサンタンガムやヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC),ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、寒天、グアーガム、カラギーナンなどの水溶性増粘剤、ユーカリやミントなどの香料、香料を可溶化する界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)などを適宜使用できる。含水体3は、マスク1の着用前、つまりは収容部6に収容する前は、不透過性のアルミラミネートフィルム、アルミ蒸着PETフィルム、透明(シリカ)蒸着PETフィルムからなる袋などに収容しておくことが好ましい。
上述した本実施形態のマスク1によれば、例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けた後の加熱された含水体3から温かい蒸気が発生し、これによりマスク本体2と着用者の顔との間が加湿される。よって、口腔に水分が補給されるため、口腔の乾燥を防止することができる。また、含水体3は、加熱された状態でマスク本体2の収容部6に収容されているので、マスク1の着用直後から即座に蒸気を発し、蒸気が発生するまでに時間を要しないため、マスク1の着用直後から十分な量の蒸気を供給することができる。
また、本実施形態のマスク1によれば、収容部6の顔側の第1層60の上側縁が覆い部5側の第2層61の上側縁よりも上方に位置しかつ覆い部5の顔側の面に接合されているので、マスク1の着用時に、収容部6の上部開口と着用者の顔との間に第1層60が介在する。よって、収容部6内の含水体3から発せられる温かい蒸気が収容部6の上部開口から放出されても、第1層60を透過した後でなければ着用者の顔側に放出されないため、蒸気が着用者の顔に直接当たるのを防止することができる。
また、本実施形態のマスク1によれば、収容部6は、覆い部5の上側縁50よりも下方の位置にて覆い部5に取り付けられている。よって、マスク1の着用時に収容体6が着用者の鼻の下に配置されるので、鼻が含水体3に覆われることがなく、着用者は鼻による呼吸を容易に行うことができるうえ、含水体3が鼻に当たってマスク1の着用感が低下することもない。
また、本実施形態のマスク1によれば、収容部6の顔側の第1層60の顔側の面に蒸気を保持可能な蒸気保持層62が設けられているので、蒸気保持層62により収容部6内の含水体3から発せられて第1層60を透過した蒸気の一部が保持される。よって、蒸気保持層62により、マスク1の着用時のマスク本体2と着用者の顔との間の湿度が上がるため、加湿効果が向上し、マスク本体2と着用者の顔との間を効果的に加湿することができる。
また、本実施形態のマスク1によれば、収容部6の第1層60及び第2層61が断熱性を有しているので、収容部6内の加熱された含水体3の温度が急速に低下するのを防止することができる。よって、含水体3から温かい蒸気をより長い時間、発生させることができる。
また、本実施形態のマスク1によれば、収容部6の顔側の第1層60が透湿性を有し、覆い部5側の第2層61が非透湿性であるので、収容部6内の含水体3から発せられる温かい蒸気は、透湿性の第1層60を透過して着用者の顔側には放出されるが、着用者の顔と反対側には非透湿性の第2層61がバリアとなって蒸気が放出されない。よって、含水体3から発せられる温かい蒸気を着用者の顔側のみに供給できるため、効率よく加湿することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば上記実施形態では、含水体3はマスク本体2の収容部6に収容された後にマイクロ波の照射を受けて加熱されているが、マイクロ波の照射を受けて加熱された後にマスク本体2の収容部6に収容されてもよい。
また、上記実施形態では、含水体3が例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱されているが、含水体3を加熱する方法は特に限定されず、種々の方法を用いてもよい。
また、収容部6の顔側の第1層60に蒸気保持層62が設けられているが、この蒸気保持層62は必ずしも設けられている必要はない。
また、上記実施形態では、収容部6の第1層60及び第2層61は、ともに断熱性を有しているが、いずれか一方だけが断熱性を有していてもよく、又は、いずれもが断熱性を有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、収容部6の第1層60が透湿性であって第2層61が非透湿性であるが、いずれも透湿性であってもよい。
また、上記実施形態では、収容部6が覆い部5の上側縁50よりも下方の位置にて覆い部5に取り付けられているが、覆い部5の上側縁50の位置にて覆い部5に取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では、含水体3は通気孔30が形成されているが、通気孔30は必ずしも形成されている必要はない。
また、上記実施形態では、覆い部5の上側縁50、下側縁51及び左右の側縁52,53は直線状に形成されているが、例えば上側縁50は上側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよく、及び/又は下側縁51は下側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよく、及び/又は左右の側縁52,53は内側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態において、収容部6は、マスク1の着用時に着用者の口を覆うことから、収容部6により着用者の口による呼吸を妨げないよう、収容部6に通気孔を設けてもよい。
また、上記実施形態では、含水体3は平面視長方形状を呈しているが、三角形状、正方形状、その他多角形状、円形状、楕円形状など、種々の形状を呈していてもよい。
また、上記実施形態では、覆い部5は平面視長方形状を呈しているが、三角形状、正方形状、その他多角形状、円形状、楕円形状など、種々の形状を呈していてもよい。
また、上記実施形態では、覆い部5はプリーツ54により縦方向に伸長可能な構造になっているが、覆い部5を縦方向に伸長可能とする手段は、プリーツ54に限られるものではなくその他の種々の手段を用いることができ、例えば覆い部5にギャザーを形成することで覆い部5を縦方向に伸長可能な構造としてもよい。なお、プリーツ54などの覆い部5を伸長可能とする手段、構造は覆い部5に設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では、覆い部5が平坦タイプであるが、立体タイプであってもよい。
1 マスク
2 マスク本体
3 含水体
5 覆い部
6 収容部
50 覆い部の上側縁
60 収容部の第1層
61 収容部の第2層
62 収容部の蒸気保持層

Claims (2)

  1. マスク本体と、水分を含む含水体と、を備え、
    前記マスク本体は、着用者の顔の一部を覆う覆い部と、加熱された含水体を収容するために前記覆い部の顔側の面に設けられる袋状の収容部と、を備え、
    前記覆い部には、該覆い部を着用者の顔に保持するための保持手段が設けられており、
    前記収容部は、間に前記含水体が挿入される顔側の第1層及び前記覆い部側の第2層を少なくとも備え、
    前記第2層は、上側縁を除く部分が前記第1層に接合されており、
    前記第1層の上側縁は、前記第2層の上側縁よりも上方に位置し、かつ、前記覆い部の上側縁よりも下方の位置で前記覆い部に接合されている、マスク。
  2. 前記含水体は、マイクロ波の照射を受けることで加熱される、請求項に記載のマスク。
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