JP6671051B2 - 金属化フィルムおよび金属化フィルムの製造方法 - Google Patents

金属化フィルムおよび金属化フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電磁波シールド用途等に好適に使用される金属化フィルムおよびその製造方法に関するものである。
携帯通信機器では配線部およびチップ部に、電磁波シールドフィルムを積層して電磁波をシールドすることが従来から行われている。電磁波シールドは、絶縁層と導電層を有した金属膜付フィルムに導電性粘着剤を塗布したものが使用されている。該金属膜付フィルムの金属には銅や銀が好適に用いられている。
近年ではインターネットの高速化等を実現するために携帯通信機器は大容量の信号処理が必要となってきている。したがってこのような大容量の信号を処理するため、半導体素子(以下、ICということがある。)の信号処理も高速化となり、ICおよび信号線からの電磁波ノイズが多く発生するようになる。
これらの電磁波ノイズが携帯通信機器に内蔵されるアンテナ部品に干渉し誤動作の原因となる。よって高速化に伴って電磁波ノイズを遮蔽するために、より優れたシールド特性をもつシールドフィルムが要求されている。シールド性能を高くするためにはシールド材料の種類とシールド材料の厚みが支配因子であり導電率および透磁率が高い銀、銅が好まれ、膜厚が厚い金属層が好まれる。実際に1GHz帯の周波数の信号を遮蔽するためには金属層の抵抗値は500mΩ/m以下の抵抗値である必要があり、例えば銅であると0.08μm以上の厚みが必要となる。一方で、被シールド物にはICチップ、ケースなど様々な形状があり、ここに隙間なくシールドフィルムを貼り合わせるため、形状追従性が求められる。金属層およびフィルムが厚くなると貼り合わせるときにシワが発生して形状を追従できなくなり好ましくない。よって金属層は0.08〜2.0μmの厚さ、またフィルムは4〜75μmの厚さが求められる。
従来から、電磁波シールドフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。厚さ10〜200μmのフィルムに銀あるいは銅などの金属材料を10〜500nm蒸着し接着層を形成した電磁波シールドフィルムである。フィルム状の支持体に導電金属材料を蒸着して得た導電性薄膜が設けられているので、ワイヤーハーネスなどに巻きつける際の柔軟性を確保しつつ電磁波遮蔽効果を得ることが出来る。
また、被シールド物に隙間なく十分に密着するような薄くて柔軟な電磁波シールドフィルムが提案されている(例えば特許文献2)。厚さ0.5〜5.0μmの絶縁性の片面に厚み0.32〜5.0μmの金属層を形成し、これに接着層を形成した電磁波シールドフィルムである。金属層に銀を用いており、薄くて柔軟性があり、被シールド物に隙間なく十分に密着するようなフィルムを得ることができる。
特開2011−35213号公報 特開2005−317689号公報 特開2015−133474号公報
電磁波シールドフィルムは被シールド材に粘着剤を塗布した金属膜付フィルムを貼り合わせるような方法で使用される。しかしながら、この電磁波シールドフィルムが貼り合わされる工程は後工程で実施されることが多く、貼り合わせ工程にはリペア性が求められる。つまり、一度貼り合わせたフィルムを綺麗に剥がし、再度貼り直しが出来ることが要求される。このとき製品の一部に粘着剤等が残ってしまうと外観不良となり製品の収率を下げてしまう。このリペア性を上げるためには電磁波シールドフィルムの金属層と粘着剤との密着強度を上げる必要がある。
特許文献1〜2のような方法では被シールド物に隙間なく貼り合わせることはできるが金属層と粘着剤の密着強度が低い問題がある。このシールドフィルムを剥がすと粘着剤が製品の一部に残ってしまい、リペアするために外観不良となってしまう。
また、特許文献3のように粘着剤との密着強度を上げる方法には表面を粗化する方法がある。ただし、表面を粗化すると金属層の抵抗が上がり、この抵抗を下げるためには金属膜厚を厚くする必要がある。銅膜厚が厚くなるほど被シールド材と貼り合わせた時の追従性が悪くなってしまう問題がある。このため、追従性を確保するには金属層の表面粗さを低く維持したまま銅層の密着強度を上げる必要がある。
そこで本発明は、物理蒸着法を用いて銅膜を形成し、かつ、物理蒸着法の種類を適宜選択することによって結晶粒を制御し銅膜表面を微細粗化することで銅膜と粘着剤との密着強度を確保するような金属化フィルムを作製することを目的とした。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、シールド特性を満足するような0.08μm以上2.0μm以下の銅膜を有する金属化フィルムであり、かつ該銅膜の表面に5nm以上50nm以下の銅の微結晶を形成することで異方導電性接着層との密着強度を向上させた金属化フィルムを得るに至った。
すなわち、本発明は、フィルムの一面に銅膜を有する金属化フィルムであって、該銅膜の表面は5nm以上50nm以下の結晶粒が面積比65%以上含まれていることを特徴とする金属化フィルムに関する。
好ましい態様は、該銅膜の表面には5nm以上50nm以下の結晶粒が80%以上含まれていることを特徴とする金属化フィルムに関する。
好ましい態様は、該銅膜は厚みが0.08μm以上2.0μm以下であることを特徴とする金属化フィルムに関する。
好ましい態様は、該銅膜は表面粗さRaが0.01μm以上0.10μm以下であることを特徴とする金属化フィルムに関する。
好ましい態様は、該銅膜を真空蒸着法によって形成した後、さらにスパッタリング法で形成することを特徴とする金属化フィルムの製造方法に関する。
本発明の金属化フィルムの銅膜の表面に5nm以上50nm以下の結晶粒が面積比10%以上90%以下含まれているのでシールド性能を満足し、また粘着剤との密着強度が高くリワーク性に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の金属化フィルムは、フィルムの一方の面に銅膜が形成されているものである。また、本発明で用いられるフィルムとは、合成樹脂などの高分子を薄い膜状に成型したものである。
本発明における銅膜は、かかる高分子からなるフィルムの上に物理蒸着法における真空蒸着法により形成された後、さらにスパッタリング法で形成されることが好ましい。また銅膜とフィルム間の密着強度をあげるためにアンカー層を設けても構わない。アンカー層はスパッタリング法で形成されることが好ましく例示される。
本発明における銅膜の厚みは0.08μm以上2.0μm以下であることが好ましい。1GHz帯の周波数の信号を遮蔽するためには0.08μm以上の厚みが望ましい。厚みが0.08μm未満であると要求されるシールド性能を満足しなくなることがある。一方で、厚みが2.0μmを超えると蒸着中に基材にかかる熱量が大きくなり基材が熱変形してしまうおそれがある。また硬さが増すために被シールド材への追従性が悪くなってしまうおそれがある。よってより好ましくは銅膜の厚みが0.10μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは銅膜の厚みが0.10μm以上1.0μm以下である。
真空蒸着法には誘導加熱蒸着法、抵抗加熱蒸着法、レーザービーム蒸着法、電子ビーム蒸着法などがある。どの蒸着法を用いても構わないが高い成膜速度を有する観点から電子ビーム蒸着法が好適に用いられる。蒸着中は基材の温度が上昇しないようにフィルムを冷却しながら蒸着を行ってもよい。
物理蒸着法を用いて成膜した蒸着膜は厚くなるほど熱の影響を受ける。本発明では銅膜厚み0.08μm以上2.0μm以下が好ましいため真空蒸着法のみでこの厚みまで成膜すると結晶粒が成長して100nm以上の大きさになるおそれがある。かかる表面の結晶粒100nm以上の大きさの銅表面は平滑でアンカー効果が無く粘着剤との密着強度が低い。そこで密着強度を得るためにはこの100nm以上の結晶粒上に5nm以上50nm以下の結晶粒を形成し密着に寄与する微細粗化表面を形成するのがよい。100nm以上の結晶粒上に5nm以上50nm以下の小さな結晶粒を形成するためには、例えばスパッタリング法を用いて形成することができる。真空蒸着法でも形成することが可能であるが、100nm以上の結晶粒を形成した後にさらに5nm以上50nm以下の小さな結晶粒を形成するためには、逐次的に真空蒸着を行う必要がある。連続的に真空蒸着を行うと結晶粒が成長するのみで表面に小さな結晶粒を作ることが困難である。このため工程を2回に分けるかあるいは装置内に2つの蒸着設備を有する必要があり簡易ではなくなる。スパッタリング法は装置を比較的簡易に設けることができ、また真空蒸着と同ライン上で逐次的に行うことで1つの工程で行うことが可能なため好ましく用いることが出来る。
本発明における100nm以上の結晶粒上に形成された小さな結晶粒は5nm以上50nm以下であることが好ましい。5nmより小さい結晶粒を形成した場合は微細粗化の影響が小さく密着強度があまり上昇しない。また、50nmよりも大きいと粗化が微細で無くなる上に密着強度が小さくなってしまう。よって5nm以上50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10nm以上50nm以下である。
本発明における5nm以上50nm以下の結晶粒の割合は面積比65%以上含まれていることが必要である。面積比65%未満であると微細粗化の影響が小さく密着強度を満足しない。
より好ましくは面積比80%以上である。面積比が80%以上のとき、銅層表面には緻密な薄い安定な銅酸化膜が形成されると推察され好ましい。この薄い酸化膜は高温環境においても保護膜として働き、酸化の進行を抑制すると考えられる。そのため、面積比が80%以上の場合は防錆処理を実施する必要がない。一般的な防錆処理は銅表面にベンゾトリアゾール等の薄い有機皮膜を形成して酸素との接触を抑制し、酸化防止するが、樹脂との密着を阻害するために、樹脂との貼り合せ前に除去する必要がある。一方、緻密な薄い安定な銅酸化膜は膜中の酸素を介在して、樹脂の末端基等と結合し、密着力がより増加すると推察され好ましい。
本発明では真空蒸着法によってロールトゥロールでフィルム上に銅膜を形成することが好ましく例示される。その場合、フィルムは蒸着時に熱に曝される。フィルムは裏面に接している冷却ロールにより冷却されるが、このときフィルムの耐熱温度が低かったり、フィルムの熱収縮が大きかったりすると、フィルムの変形に伴って冷却ロールから浮いてしまい、冷却が十分にされず溶融により穴が空いてしまったりする。よって耐熱温度が高く、また、熱収縮が小さいフィルムが好ましい。電子ビーム法によって銅膜を形成するときの蒸着時のフィルム上の温度は100〜120℃程度であることが想定される。このため耐熱温度が120℃以上あり、120℃での熱収縮率がフィルムの長手方向(MD方向ともいう)、幅方向(TD方向ともいう)のいずれも2.0%以下であることが好ましい。フィルムの熱収縮率が2.0%を超えると張力変更やロールの冷却によってフィルムの変形を制御することが難しく、上記銅層の厚みを形成しようとするとフィルムがロールから離れてフィルムの温度が上昇し溶融して穴が空いてしまうおそれがある。より好ましくは熱収縮率が1.8%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。フィルムの熱収縮率は所定の温度で30分間処理した前後の寸法変化率より求めることが出来る。
本発明で好適に用いられるフィルムとして例えばポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、変性ポリフェニレンエーテルフィルムを用いることができる。このうちポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましく用いられる。これらのフィルムは単独で用いても構わないし、複合されたものを用いても構わない。またフィルム表面に樹脂や粘着剤等をコーティングしたものを用いても構わないし、離型層を有したものを用いても構わない。
またかかるフィルムの厚みは4μm以上75μm以下であることが好ましい。フィルムの厚みが4μm未満であると蒸着中に生じる応力によってフィルムが変形したり破れたりしてしまう可能性がある。また75μmを超えるとフィルムを張力で制御できなくなり巻きズレ等をおこしてしまう可能性があり、また一度の蒸着で投入できる量が減ってしまい生産性を悪くしてしまう。より好ましくは6μm以上75μm以下である。
また本発明の金属化フィルムは、銅膜の表面粗さRaが0.01μm以上0.10μm以下であることが好ましい。表面が粗くなると銅膜の抵抗が上がる。この抵抗を下げるためには銅膜厚を厚くする必要があり、銅膜厚が厚くなるほど被シールド材と貼り合わせた時の追従性が悪くなってしまう。より好ましくは表面粗さRaが0.01μm以上0.08μm以下、さらに好ましくは表面粗さRaが0.01μm以上0.06μm以下である。
また本発明の金属化フィルムは電磁波シールド用途が主であるがこれに限らず、例えば、回路材料用途、タッチパネルなどの転写箔の用途などに用いることができる。
なお、本発明は、以上に説明した各構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(表面粗さの測定)
表面粗さRaはJIS B 0601-1994に定義される算術平均粗さのことであり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準粗さ(l)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、X軸と直行する方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)であらわしたときに、次の式によって求められる値である。
Figure 0006671051
フィルムをレーザー顕微鏡(キーエンス製、VK-8500)を用いて表面観察を行いJIS B0601-1994に準拠して行った。解析は株式会社キーエンス製の解析アプリケーションソフトVK-H1Wを用い、カットオフ値は0.25μmとした。該ソフトにおいて、100μmの長さを指定して表面粗さRaを求めた。測定はサンプルのある一方向とその垂直な方向で測定して値の大きな方を表面粗さRaとした。
(銅膜の厚み測定)
金属化フィルムの銅厚みは蛍光X線膜厚計(エスエスアイ・ナノテクノロジー製、SFT9400)にて測定した。
(粘着剤貼り合わせ後の密着性試験)
金属化フィルムを100mm×20mmの大きさにカットして、金属化フィルムと厚さ0.2μmのステンレス板をアクリル系粘着剤(ニチバン製ナイスタック一般タイプ)で貼り合わせた。貼り合わせ後にステンレス板から粘着剤を剥がした時にステンレス板に粘着剤残りが無かったものを◎、端部にだけ粘着剤残りがあったがその他は粘着剤残り無く剥離できたものを○、粘着剤残りがあったものを△、剥がれなかったあるいは全面に粘着剤残りが生じたものを×とした。
(結晶粒の径と粒子数、面積率)
原子間力顕微鏡(日立ハイテクサイエンス製AFM5200S)を用いて金属化フィルムの銅層側表面の観察を行った。観察は1μm×1μmで行い、画像エンハンスドソフトウェア「LucisPro MT/R」(三谷商事製)でエッジ強調を行った後、画像解析・計測ソフトウェア「WinROOF2015 Standard」(三谷商事製)を用いて観察画像の結晶粒径と粒子数をカウントし、結晶粒の面積率を算出した。
(表面の耐酸化性について)
クリーンオーブンを用いて金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行い、熱処理後の変色具合で耐酸化性を判断した。表面の色が青く変色してしまったものを×、変色しないで銅の色を維持できているもの○とした。
(実施例1)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:U483)に電子ビーム蒸着法によって銅を成膜速度2.0μm・m/min、ライン速度2.0m/minで1.0μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。スパッタリング条件による銅微結晶の形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて5kwを採用した。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は88.8%であった。この銅膜の厚みは1.02μm、表面粗さRaは0.03μmであった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、粘着剤残り無く良好に剥離することができ、評価は◎であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は変色することはなかった。
(実施例2)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:T60)に銅を成膜速度1.0μm・m/min、ライン速度20.0m/minで0.05μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。スパッタリング条件による銅微結晶形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて20kwを採用した。この銅膜の厚みは0.06μm、表面粗さRaは0.05μmであった。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は68.2%であった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、端部にのみ粘着剤残りが生じたが、他に粘着剤残りは無く、評価は○であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は青く変色した。
(実施例3)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:T60)に銅を成膜速度3.0μm・m/min、ライン速度1.0m/minで3.0μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。銅膜は蒸着中一部熱による変形が生じた。スパッタリング条件による銅微結晶形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて2kwを採用した。この銅膜の厚みは2.91μm、表面粗さRaは0.05μmであった。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は79.4%であった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、粘着剤残り無く良好に剥離することができ、評価は◎であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は青く変色した。
(実施例4)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:X10S)に銅を成膜速度3.0μm・m/min、ライン速度5.0m/minで0.6μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。スパッタリング条件による銅微結晶形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて12.5kwを採用した。この銅膜の厚みは0.67μm、表面粗さRaは0.15μmであった。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は79.4%であった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、端部にのみ粘着剤残りが生じたが、他に粘着剤残りは無く、評価は◎であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は青く変色した。
(実施例5)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:U483)に電子ビーム蒸着法によって銅を成膜速度2.0μm・m/min、ライン速度2.0m/minで1.0μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。スパッタリング条件による銅微結晶の形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて10kwを採用した。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は87.9%であった。この銅膜の厚みは1.03μm、表面粗さRaは0.03μmであった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、端部にのみ粘着剤残りが生じたが、他に粘着剤残りは無く、評価は◎であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は変色することはなかった。
(比較例1)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:U483)に電子ビーム蒸着法によって銅を成膜速度2.0μm・m/min、ライン速度2.0m/minで1.0μmの厚さに真空蒸着した。スパッタリング法による微結晶の形成は行わなかった。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は61.4%であった。この銅膜の厚みは1.01μm、表面粗さRaは0.03μmであった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、粘着剤が半分以上ステンレス板上に残ってしまい、評価は△であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は青く変色した。
(比較例2)
厚さ50μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、“ルミラー(登録商標)”タイプ:T60)に電子ビーム蒸着法によって銅を成膜速度0.1μm・m/min、ライン速度0.1m/minで1.0μmの厚さに真空蒸着した後にマグネトロンスパッタリング法で銅微結晶を形成した。スパッタリング条件による銅微結晶形成条件としては、50mm×550mmサイズのターゲットを用い、真空到達度は1×10−2Pa以下、スパッタリング出力はDC電源を用いて0.2kwを採用した。この銅膜の厚みは0.96μm、表面粗さRaは0.15μmであった。この樹脂の5nm以上50nm以下の結晶粒の面積比は57.2%でであった。
この銅膜フィルムとステンレス板を粘着剤で貼り合わせた後、粘着剤とステンレス板を剥離したところ、粘着剤が半分以上ステンレス板上に残ってしまい、評価は△であった。
また、金属化フィルムをそのまま大気雰囲気で140℃1時間の熱処理を行ったが、銅箔表面は青く変色した。

Claims (4)

  1. フィルムの一面に銅膜を有する金属化フィルムであって、該銅膜は厚みが0.08μm以上2.0μm以下であり、該銅膜の表面以下で求まる5nm以上50nm以下の結晶粒が面積比65%以上含まれていることを特徴とする金属化フィルム。
    (結晶粒の径と粒子数、面積率)
    原子間力顕微鏡(日立ハイテクサイエンス製AFM5200S)を用いて金属化フィルムの銅層側表面の観察を行った。観察は1μm×1μmで行い、画像エンハンスドソフトウェア「LucisPro MT/R」(三谷商事製)でエッジ強調を行った後、画像解析・計測ソフトウェア「WinROOF2015 Standard」(三谷商事製)を用いて観察画像の結晶粒径と粒子数をカウントし、結晶粒の面積率を算出した。
  2. 該銅膜の表面には5nm以上50nm以下の結晶粒が面積比80%以上含まれていることを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
  3. 該銅膜は表面粗さRaが0.01μm以上0.10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の金属化フィルムの製造方法であって、該銅膜を、真空蒸着法によって形成した後、さらにスパッタリング法で形成することを特徴とする金属化フィルムの製造方法。
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