以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画を表示する等、演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、比較的簡素な演出表示が実行される。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様ではずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアに隣接して形成される。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23で検出されることにより、所定個数の遊技球が払出される(たとえば、15個)。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンド(以下、ラウンドのことをRとも記載する)と呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば、7個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、大当りの種類としてラウンド数の異なる複数種類の大当りが設けられている。具体的には、5R,10Rおよび15Rの大当りが設けられている。そして、これらの大当りにおいては、ラウンド昇格演出が実行されるものがある。ここで、ラウンド昇格演出とは、大当り遊技のラウンド中(たとえば、5Rや10Rが実行されているとき)にラウンドが終了すると思われていたラウンドにおいて、ラウンドが継続することを報知する演出である。ラウンド昇格演出を実行するラウンドでは、ラウンド昇格演出が実行されるか否かを煽る演出が実行される。そして、その後にラウンド昇格演出が実行されれば、ラウンドの継続が確定し、ラウンド昇格演出が実行されなければ、当該ラウンドにおいて大当り遊技が終了することが確定する。なお、大当りの種類として、報知表示およびラウンド昇格演出の実行の可能性のある大当りと、報知表示およびラウンド昇格演出が実行されない大当りとが設けられている。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
また、特別可変入賞球装置20の左側には、遊技球が進入可能な一般入賞口19が設けられている。一般入賞口に進入した遊技球は、一般入賞口スイッチ19aで検出されることにより、所定個数の遊技球が払出される(たとえば、3個)。大当り遊技状態中(大当り遊技中)は、大入賞口とともに一般入賞口19にも遊技球が入賞する。なお、通常状態では、左側の遊技領域7を狙い遊技を行ない、大当り遊技状態中および時短状態中に右側の遊技領域7を狙い遊技を行なう遊技機においては、一般入賞口19が特別可変入賞球装置20の右側領域に設けられていてよい。このように、一般入賞口19の位置は遊技機の種類に応じて適宜変更可能である。また、一般入賞口19や大入賞口に遊技球が入賞したときに払出される遊技球の個数は、遊技機の種類に応じて適宜変更可能である。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、後述するラウンド昇格演出が実行されるときに、演出表示装置9の上方から演出表示装置9の前方の位置に移動(落下)する。そして、ラウンド昇格演出の実行後、演出表示装置9の上方の位置へ移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ19aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート(図示省略)を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかり、図3に示すようなタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される図4に示すような特別図柄プロセス処理により実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、乱数回路503および各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ランダムカウンタの初期値決定等を行なう。大当り判定用のデータ、大当り種別判定用のデータ、変動パターン種別判定用のデータ、および、変動パターン判定用のデータ等の所定のデータは、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出時(始動入賞検出時)に抽出され、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報としてRAM55に記憶される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、そのような保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件が成立したときに、RAM55に第1保留記憶情報または第2保留記憶情報として記憶された各種データが読出されて、前述のような各種判定に用いられ、その判定結果に基づいて、変動表示が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用の予め定められた図5に示すような演出制御メイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される図6に示すような演出制御プロセス処理により実行される。
次に、本実施の形態で実行される各種の演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態中に、一般入賞口19および大入賞口に遊技球が進入したときに所定個数の遊技球が払出される。たとえば、一般入賞口19に遊技球が進入した場合には、3個の遊技球の払出しが行なわれ、大入賞口に遊技球が進入した場合には、15個の遊技球の払出しが行なわれる。遊技球の払出しは、遊技制御用マイクロコンピュータ560と接続された払出制御基板37、および、払出制御基板37と接続された球払出装置97を制御することにより行なわれる。
遊技球の払出しを制御する払出制御基板37によって所定個数の遊技球が払出されるときには、演出表示装置9の画面上において、遊技球が払出されることを報知する報知表示が表示される。以下では、一般入賞口19に遊技球が進入したときに遊技球が払出されることを報知する報知表示を第1報知表示と称し、大入賞口に遊技球が進入したときに遊技球が払出されることを報知する報知表示を第2報知表示と称する。
図7は、報知表示を説明するための図である。図7(a)は、演出表示装置9の画面上において、報知表示として表示される第1報知表示および第2報知表示の表示位置を示す図である。図7(a)のおいて点線の丸印で示される複数の表示位置90において報知表示が表示される。このように、複数の表示位置90において報知表示を表示可能であるので、報知表示の表示態様に関し、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数の表示位置90は、図7(a)に示すように予め定められた表示位置に表示される。よって、予め定められた位置に表示することにより、表示制御の負担を軽減することができる。また、演出表示装置9の画面上の右下領域には、払出される遊技球の合計値を表示する合計値表示画像85が表示される。大当り遊技の開始時には、合計値表示画像85の値が「0」と表示され、一般入賞口19または大入賞口に遊技球が入賞する毎に合計値表示画像85の値が更新される。
大当り遊技開始時の第1ラウンドにおいて一般入賞口19に遊技球が進入した場合には、図7(b)に示すように、第1報知表示としての第1報知表示画像81が複数の表示位置90のうち、左上の表示位置に表示される。報知表示画像には、複数種類の表示態様が設けられている。報知表示画像の表示態様は、ラウンド昇格演出の実行(成功)の期待度に基づいて異なる表示態様で表示される。ラウンド昇格演出が実行される場合には、丸型の報知表示画像<三角の報知表示画像<星型の報知表示画像となる順で報知表示画像が表示される割合が高く、ラウンド昇格演出が実行されない場合には、星型の報知表示画像<三角の報知表示画像<丸型の報知表示画像となる順で報知表示画像が表示される割合が高い。
図7(b)では、丸型の第1報知表示画像81が表示され、丸型の第1報知表示画像81の中に「+3」と一般入賞口19に遊技球が進入したことにより3個の遊技球の払出しがあったことが示される。次いで、図7(c)に示すように、演出表示装置9の画面の左上に表示されていた第1報知表示画像81が演出表示装置9の画面の右下隅に表示される合計値表示画像85に当たることで、払出される(獲得する)遊技球の合計値が更新される作用演出が実行される。ここで、作用演出とは、一方が他方に影響をおよぼすことによって、表示態様が変化する演出である。このように、作用演出により合計値の更新について遊技の興趣を向上させることができる。また、合計値表示画像85により、現在払出されている一般入賞口19および大入賞口への入賞により払出される遊技球の合計値を容易に把握することができる。
次いで、図7(d)では、第1ラウンドにおいて大入賞口に遊技球が進入した場合に、第2報知表示としての第2報知表示画像82が、複数の表示位置90のうち図7(b)において第1報知表示画像81が表示されていた位置とは異なる演出表示装置9の画面の左下の表示位置において表示される。また、第2報知表示画像82は、三角型の報知表示で表示され、三角型の第2報知表示画像82の中に「+15」と大入賞口に遊技球が進入したことにより15個の遊技球の払出しがあったことが示される。このように、第1報知表示画像81では、一般入賞口19に遊技球が進入したことにより所定の価値として3個の遊技球の払出しがあったことが「+3」の表示として示され、第2報知表示画像82では、大入賞口に遊技球が進入したことにより特定の価値として15個の遊技球の払出しがあったことが「+15」の表示として示され、いずれの入賞口での入賞であるのかを容易に把握することができる。また、これらの報知表示画像は、複数の表示位置90のいずれかで表示可能であるので、報知表示の表示態様に関し、遊技の興趣を向上させることができる。
図7(b),(d)に示すように、複数の表示位置90のうち一の表示位置で報知表示が表示された場合には、次の報知表示位置は、当該一の表示位置以外の表示位置において表示される。このように報知表示の表示される位置が変わって行くので、同じ表示位置で続けて報知表示が表示されることを防ぐことができる。また、複数の表示位置90のうち報知表示が表示されていく順番は予め定められている。たとえば、本実施の形態では、演出表示装置9の表示画面における報知表示の順序は、左上段が1番、左下段が2番、中央左上段が3番、中央左下段が4番、中央右上段が5番、中央右下段が6番、右上段が7番、右下段が8番である。そして、以降は、この順を繰返す。このように、予め定められた順序で報知表示を表示することにより、表示制御の負担を軽減することができる。なお、報知表示の順序は、一の表示位置の次の表示位置をランダムに選択するなど、どのような順序であってもよい。
次いで、複数回のラウンドが消化され、大当り遊技状態中の5R目が実行されている場合を図7(e)により説明する。図7(e)では、星型の第1報知表示画像81の中に「+3」と一般入賞口19に遊技球が進入したことにより3個の遊技球の払出しがあったことが示される。星型の報知表示画像は、ラウンド昇格演出の実行の期待度が高いときに表示される割合が高い。そして、図7(f)に示すように、5Rの実行中に役物12が演出表示装置9の上方の位置から演出表示装置9の表示画面の前方の位置へ落下するラウンド昇格演出が実行される。役物12が落下することにより、大当り遊技のラウンドが6R以降も継続することが確定する。5Rの実行中に役物12が落下しない場合には、ラウンド昇格が失敗したことが示され、大当り遊技の終了が確定する。次いで、図7(g)に示すように、6R目において、丸型の第2報知表示画像82の中に「+15」と大入賞口に遊技球が進入したことにより15個の遊技球の払出しがあったことが示される。
本実施の形態では、大当り遊技中に報知表示が実行されるので、大当り遊技中の報知表示の態様に関し、遊技の興趣を向上させることができる。また、ラウンド昇格が実行される場合には、ラウンド昇格が実行されない場合よりも、丸型の報知表示画像<三角の報知表示画像<星型の報知表示画像となる順で報知表示画像が表示される割合が高くなっている。よって、遊技者に報知表示の態様に注目させることができるため、報知表示の表示態様に関し、遊技の興趣を向上させることができる。
図7に示す報知表示は、図6に示す演出制御プロセス処理のうち、S805のラウンド中処理によって実行される。図8は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S100)。大入賞口開放後指定コマンドは、所定回数目のラウンドにおいて大入賞口が閉鎖するときに送信されるコマンドである。大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU101によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S100でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S101)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S102)。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM102から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S103)。大入賞口入賞通知コマンドは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知するコマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、たとえば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板31から演出制御基板80と送信される。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされている場合には(S103でY)、入賞カウンタを1加算し(S104)、S106の処理へ移行する。入賞カウンタが所定回数(たとえば、7カウント)カウントされることに次のラウンドの処理が行なわれる。
一方、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S103でN)、一般入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S105)。一般入賞口入賞通知コマンドは、一般入賞口19への遊技球の入賞があったことを通知するコマンドである。一般入賞口通知コマンドは、たとえば、一般入賞口を遊技球が通過したときに、主基板31から演出制御基板80と送信される。演出制御用CPU101は、一般入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされている場合には(S105でY)、S106の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、一般入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S105でN)、S111の処理へ移行する。
S106において、演出制御用CPU101は、報知表示を実行する大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、報知表示を実行する大当りである場合には(S106でY)、ラウンド昇格期待度に応じた報知表示を実行する(S108)。たとえば、ラウンド昇格が実行される大当りである場合には、ラウンド昇格が実行されない大当りである場合よりも、丸型の報知表示画像<三角の報知表示画像<星型の報知表示画像となる順で報知表示画像が表示される割合が高くなるように報知表示が表示される。また、図7に示すような報知表示の表示位置や表示順の関係は、S108の処理において表示が制御される。次いで、演出制御用CPU101は、図7(c)に示すような作用演出により合計値表示を更新する(S109)。次いで、各入賞通知コマンド受信フラグをリセットし(S110)、S111の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、報知表示を実行する大当りでない場合には(S106でN)、作用演出を実行せずに合計値表示を更新し(S107)、各入賞通知コマンド受信フラグをリセットし(S110)、S111の処理へ移行する。このように、報知表示を実行しない大当りでは、報知表示も作用演出も実行されない。
S111において、演出制御用CPU101は、ラウンド昇格演出タイミングであれば図7(f)に示すような役物12を用いたラウンド昇格演出を実行する。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトであるか否かを判定する(S112)。演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトである場合には(S112でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S113)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S114)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトでない場合には(S112でN)、S113とS114の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S100において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S100でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S126)。次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S127)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S128)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S129)、ラウンド中処理を終了する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、報知表示を表示する複数の表示位置が予め定められた複数の領域を設けてもよい。たとえば、複数の表示位置のうち、第1の表示位置群と第2の表示位置群とを設け、第1の表示位置群における複数の表示位置において報知表示が全て行なわれた後に第2の表示位置群における複数の表示位置において報知表示が全て行なわれるようにし、以降は、その順序で報知表示を繰返すようにしてもよい。また、第1の表示位置群で報知表示を表示した後は、第2の表示位置群で報知表示を表示し、その順序で報知表示が繰返されるようにしてもよい。また、表示位置群は、3以上設けられていてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、複数の表示位置において予め定められた順序で表示する場合を説明した。しかし、前回の表示位置を記憶し、今回の表示位置は、記憶された位置とは異なる位置で報知表示が表示されるようにしてもよい。そして、複数の表示位置の全ての表示位置において報知表示が行なわれた後は、記憶領域をリセットするようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、第1の大当りとしての5R大当りと第2の大当りとしての15R大当りとが設けられている場合に、15R大当りにおいてラウンド昇格演出が実行される場合を説明した。そして、ラウンド昇格演出の期待度を報知表示の表示態様(報知表示画像の形)を異ならせることで示した。しかし、報知表示の表示態様で示されるものは、ラウンド昇格演出の期待度以外のものであってもよい。具体的には、報知表示の表示態様により、高確率状態(確変状態)となることの期待度、時短状態となることの期待度等が示されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、報知表示としての報知表示画像の形によりラウンド昇格演出の期待度が示される場合について説明した。しかし、報知表示画像の形ではなく、報知表示の色や模様などが異なることにより、ラウンド昇格演出等の期待度が示されるようにしてもよい。また、遊技球が入賞する毎に、青から緑、緑から赤というように報知表示の色が期待度の高い色に変化するようにしてもよい。また、報知表示画像が表示されるときに演出音を出力するようにし、当該演出音が異なることで、ラウンド昇格演出等の期待度が示されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、ラウンド昇格演出等が確定した後は、報知表示が同じ表示態様で表示されるようにしてもよい。その場合には、ラウンド昇格演出等の期待度が高い態様(たとえば、星型)で表示されるようにしてもよいし、ラウンド昇格演出等の期待度が低い態様(たとえば、丸型)で表示されるようにしてもよい。また、ラウンド昇格演出等が確定した後は、ラウンド昇格演出等が確定する前とは全く別の表示態様で報知表示が表示されるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、複数の表示位置における報知表示の表示パターンを複数種類設けるようにしてもよい。そして、いずれの表示パターンで報知表示が行なわれるかによって、ラウンド昇格演出等の期待度が示されるようにしてもよい。また、大当りに決定される毎に、報知表示の表示パターンを決定するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、連続して瞬間的に報知表示が表示される場合には、報知表示同士が重ならないように、報知表示画像の表示角度ずらして表示するようにしてもよい。また、そのような場合には、報知表示画像を表示角度が変化したとしても、中の数字の角度は一定のままであってもよい。また、瞬間的に報知表示が表示される場合であっても、報知表示画像同士が重ならないように報知表示画像同士が元々離れた位置に表示されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置20の開閉板が開放状態から閉鎖状態とされる直前に閉鎖条件である所定個数以上の入賞が発生することがある。このような入賞をオーバー入賞という。そして、このようなオーバー入賞が発生した場合には、報知表示の態様を通常の表示態様と異ならせるようにしてもよい。たとえば、オーバー入賞が発生した場合には、報知表示が通常よりも大きく表示されるようにしてもよい。また、オーバー入賞が発生した場合には、報知表示が通常の表示位置とは異なる特定の表示位置に表示されるようにしてもよい。また、オーバー入賞が発生した場合には、予め定められた報知表示の表示順序に従って、オーバー入賞に関する報知表示が行なわれるようにしてもよい。また、オーバー入賞が発生した場合には、オーバー入賞に関する報知表示は行なわず、合計値表示のみを更新するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、作用演出は、報知表示画像が表示された後にすぐ合計値表示へ当たり、合計値表示が更新される場合を示した。しかし、報知表示画像が表示された後に、所定期間に亘り報知表示画像を所定位置あるいは所定領域に待機させて表示させ、その後、作用演出を実行して報知表示画像が合計値表示へ当たるようにしてもよい。また、報知表示画像同士が当たり報知表示画像の数字が更新された後に、作用演出が実行され合計値表示が更新されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、複数の表示位置90の数が大当り毎に変化するようにしてもよい。また、このような場合には、複数の表示位置90の数によりラウンド昇格演出の期待度等が異なるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、小当りを設け、小当り中に獲得した遊技球の払出し数を報知表示として表示するようにしてもよい。ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。
(12) 前述した実施の形態では、報知表示が表示される毎に作用演出を実行し、報知表示を消去するのではなく、報知表示を表示したままにしてもよい。そして、複数の報知表示により何らかの形を表すようにしてもよい。たとえば、複数の報知表示により、丸の形を表示してもよい。そして、複数の報知表示の態様により、ラウンド昇格演出の期待度が異なるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、役物以外でラウンド昇格演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、ランプや演出表示装置9の画面上でラウンド昇格演出が実行されるようにしてもよい。また、演出表示装置9の画面上でラウンド昇格演出が実行される場合には、その間報知表示を停止しラウンド昇格演出の画面に切替えてもよいし、報知表示の表示画面を小さな画面で表示してもよいし、報知表示を1か所において実行されるようにし、ラウンド昇格演出の実行の妨げにならないようにすることが望ましい。
(14) 前述した実施の形態では、合計値表示画像85が一定値(たとえば、5000発や10000発)に到達する毎に、到達したことを示す演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、報知表示が表示された時点(入賞が発生した時点でもよい)で一定値に到達すると判断される場合には、合計値表示画像85が一定値に到達する前に、合計値表示とは別に画面の中央において一定値に到達したことを示す画像を表示するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、一般入賞口19に遊技球が進入するタイミングと大入賞口に遊技球が進入するタイミングとが同時であった場合には、いずれか一方の報知表示を他方の報知表示よりも優先して表示するようにしてもよい。たとえば、一般入賞口19に遊技球が進入するタイミングと大入賞口に遊技球が進入するタイミングとが同時であった場合には、大入賞口に遊技球が進入したことにより15個の遊技球の払出しがあったこと示す「+15」の報知表示を表示し、一般入賞口19に遊技球が進入したことによる報知表示を行なわないようにしてもよい。また、「+15」の報知表示を表示し終わった後に、遅れて一般入賞口19に遊技球が進入したことによる「+3」の報知表示を行なってもよい。また、大入賞口よりも一般入賞口19の方の報知表示を優先して表示するようにしてもよい。また、一般入賞口19に遊技球が進入するタイミングと大入賞口に遊技球が進入するタイミングとが同時であった場合には、両方の報知表示を同時に行なってもよい。
(16) 前述した実施の形態では、一般入賞口19に遊技球が進入したことによる「+3」の報知表示の表示位置と、大入賞口に遊技球が進入したことによる「+15」の報知表示の表示位置とが、領域毎に区分されて表示されるようにしてもよい。たとえば、「+3」の報知表示を演出表示装置9の表示画面の上側の領域で表示し、「+15」の報知表示を演出表示装置9の表示画面の下側の領域で表示するようにしてもよい。
(17) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(18) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(19) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御されるようにすればよい。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(20) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。