図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向に設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する7セグメント表示部315A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cが設けられている。
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面(テーブル306A)の右端部にはメダル投入部320が設けられ、また、上面左端部からは順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、マックスベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、回転を停止した場合に表示窓314から見える図柄のうち、中行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、上行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、下行に並んだ図柄の中心を結ぶラインと、2本の対角線上に並んだ図柄の中心をそれぞれ結ぶ2本のラインと、の5本の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが遊技の結果を示す。
なお、5本のラインのうち、どのラインが有効ラインとされるかはメダルの投資数によって決まり、1枚のメダルがベットされた場合は中行に並んだ図柄の中心を結ぶラインが有効ラインとされ、3枚のメダルがベットされた場合は全てのラインが有効ラインとされる。
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
さらに、この始動レバー354による操作タイミングは、後述する内部抽選のタイミングとなっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されると共に、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356C、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
また、主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得してサンプリングする。
パチスロ機300では、始動レバー354による操作タイミングで大役、小役等の当落を決定する内部抽選が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて抽選結果を導出する。
なお、内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、役には小役と大役とがある。このうち、大役には、ビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)及びレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)があり、それぞれに対応する遊技においては遊技者に対する有利さの度合いが異なる。RBに対応する遊技(以下、適宜「RBゲーム」という)は複数回の小役ゲームにより構成されており、BBに対応する遊技(以下、適宜「BBゲーム」という)は、その遊技中に、複数回のRBゲームを含んで構成されている。このため、当然、小役ゲームよりもRBゲームの方が、RBゲームよりもBBゲームの方が、遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cを介してそれぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cが接続されている。
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を常時把握することができるようになっている。
また、パチスロ機300では、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
ここで、主制御部100では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄が有効ライン上に停止する停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当り図柄が停止しない場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が有効ライン上に揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
また、主制御部100には、パチスロ機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
さらに、主制御部100には、表示ランプ駆動回路144が接続されており、当該表示ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及び有効化ライン等の表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を入力する。なお、本実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対する一方的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
また、副制御部150には、ランプ駆動回路156が接続されており、当該ランプ駆動回路156を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112や、リール350A、350B、350Cの内部に設けられ、表示窓314に表示されるリール350A、350B、350C周面の図柄に対向する位置に向けて発光するバックライト158等の発光を制御する。
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路154が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
副制御部150では、主制御部100のパチスロ機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出を実行する。
図3は、本実施の形態に係る主制御部100における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル選択部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
テーブル選択部182には、抽選部180により取得され得る数値に対応する役・図柄を示す情報がパチスロ機300の遊技状態毎に記憶されたテーブルが格納されている。なお、パチスロ機300の遊技状態としては、例えば、通常遊技、BB内部当選中、RB内部当選中、BB作動時の通常遊技、BB作動時のRB内部当選中、RB遊技等があげられる。
テーブル選択部182では、遊技状態制御部186から現在の遊技状態を示す情報を得て、上記遊技状態毎に設けられたテーブルから役・図柄を決定すべきテーブルを選択する。このテーブル選択部182で選択されたテーブルに基づいて、当選役・図柄決定部184は、当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合はBB、RBの内部当選状態、BB、RBの各遊技状態に応じて、大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の開始後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
また、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出センサ198A、198B、198Cが取り付けられており、リール位置検出回路134を介してリール駆動制御部194に接続されている。リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、前記滑り制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
この停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、遊技状態制御部186では、何らかの役に入賞したか否かが確認され、入賞であれば所定の配当が行われると共に、入賞した役がリプレイであればリプレイ制御が実行され、大役であれば遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
なお、大役プログラムには、レギュラーボーナスゲームプログラム及びビッグボーナスゲームプログラムが、それぞれ別個に記憶されており、当選した大役に基づいて選択的に読み出されるようになっている。
レギュラーボーナスプログラムでは、権利行使として小役の抽選確率が通常遊技中の抽選確率よりも高い状態で最高12回の遊技(最大遊技回数)を実行可能である。この12回の遊技の間で何らかの小役に最高8回入賞(最大入賞回数)すると、レギュラーボーナスゲームは終了する。
一方、ビッグボーナスプログラムでは、権利行使としてレギュラーボーナスゲームが高確率に実行可能であり、ビッグボーナスゲームにおける獲得枚数が予め設定された上限枚数に到達すれば、レギュラーボーナスゲームの実行中であってもビッグボーナスゲームは終了する。なお、本実施の形態では、ビッグボーナスゲーム中における小役の当選確率は、通常遊技とほぼ同じとなっている。
また、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態によって管理している。
各フラグは、内部抽選により当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(フラグ不成立)するが、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される。
なお、フラグメモリ192は、上述したリール駆動制御部194に接続されており、当該フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態は、リール駆動制御部194による停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づく停止制御の際の引き込み又は蹴飛ばしの滑り制御のパラメータとして適用される。
また、主制御部100の制御による遊技の進行状況に応じて、副制御部150の制御によってLCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出を実行している。
なお、当該演出を行うか否か及び演出の内容については、主制御部100における内部抽選時に決定されるようになっており、演出コマンドとして副制御部150に送信されるようになっている。
副制御部150では、複数の遊技にわたって連続して演出を実行する連続演出を実行するようにしており、主制御部100による遊技の進行状況に応じて適宜演出コマンドに基づく演出が実行される。
図4には、副制御部150における演出の実行制御に関する部位のみを示す機能ブロック図が示されている。
同図に示されるように、副制御部150には、演出パターン選択部10、演出パターンテーブル12、演出実行制御部14、演出内容記憶部16を含んで構成されており、演出パターンテーブル12は演出パターン選択部10に、演出パターン選択部10及び演出内容記憶部16は演出実行制御部14に、それぞれ接続されている。
演出パターン選択部10には、主制御部100から送信された内部抽選結果及び演出コマンドが入力されるようになっており、演出コマンドが入力されると、演出パターンテーブル12から演出コマンドに応じた演出パターンを読み出して実行すべき演出パターンとして選択し、選択した演出パターンを示す情報の演出実行制御部14への入力を実行する。
また、演出実行制御部14には、ベットボタン352、始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等の操作タイミング及び入賞判定結果が入力されるようになっている。
演出実行制御部14では、ベットボタン352の操作タイミング信号(投入信号)、始動レバー354の操作タイミング信号(始動信号)及び停止ボタン356A、356B、356Cの操作タイミング信号(停止信号)がそれぞれ入力されると、演出パターン10から入力された演出パターン及び上記操作タイミング信号に応じて順次演出内容記憶部16から演出内容を読み出して、読み出した演出内容に基づいて適宜液晶制御回路152、スピーカ駆動回路154、ランプ駆動回路156を制御することにより、主制御部100の制御による遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
ここで、主制御部100においては、遊技者によるベットボタン352を介した投入操作のタイミングを次の遊技への切り替えタイミングとしており、このタイミングで1回の遊技が終了すると共に次の遊技が開始される。また、全てのリール350A、350B、350Cが停止した時点でリプレイ役に入賞した場合には、当該遊技における投入枚数と同等の枚数のメダルが投入されたものとして自動的に投入操作がなされる。
このため、副制御部150においても投入操作のタイミングで次の遊技の演出に移行するようにしている。具体的には、演出実行制御部14は演出中止部22を含んで構成されており、当該演出中止部22では、投入操作が演出の実行中に行われた場合、演出を中止する(強制終了)。すなわち、演出実行中の投入操作を演出のキャンセル指示とみなしている。
ところで、本実施の形態では、投入操作が実行されたものとみなされて自動的に入力された投入信号による遊技者の意図に反する遊技情報の報知演出の強制終了を防止すべく、リプレイに入賞した場合には、例外的に、投入信号に代えて始動レバー354を介した始動操作に基づく始動信号に基づいて次の遊技の演出に移行させるようにしている。
そこで、本実施の形態では、副制御部150は、中止操作切替部20を含んで構成されており、主制御部100から入賞判定結果が入力されると共に、上記演出中止部22に接続されている。
中止操作切替部20では、入賞判定結果に応じて演出中止部22において演出のキャンセル指示とみなす操作を、投入操作又は始動操作に切り替える。入賞判定結果がリプレイ入賞を示すものであった場合は、投入信号に代えて始動信号を、他の場合には投入信号を、それぞれ演出のキャンセル指示とするように切り替える。
また、本実施の形態では、演出中止部22では、キャンセル指示に応じて演出を強制終了させる場合、演出内容記憶部16から読み出した実行中の演出のうち、報知結果を示す演出画面だけを液晶制御回路152を介してLCD313に表示させるようにしている。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、通常遊技の流れについて説明する。
メダルがクレジットされている状態(或いは、メダル投入部320からメダルを投入した状態)で、1枚ベットボタン352A、またはマックスベットボタン352Bの操作によりメダルのベットが完了するか、或いは、メダル投入部320からメダルを投入することによりベットが完了すると、始動レバー354の操作が可能となる。
始動レバー354が操作されると、この操作と同時に抽選部180により役の内部抽選がなされると共に、リール駆動制御部194の制御により、リール350A、350B、350Cが回転を開始する。
上記内部抽選の結果は、当選役・図柄決定部1848から遊技状態制御部186に伝えられる。遊技状態制御部186は、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192のフラグの状態を内部抽選の結果に応じて更新記憶させる。
その後、遊技者が、停止ボタン356A、356B、356Cを操作すると、この停止操作によってリール350A、350B、350Cの回転を停止させるが、フラグメモリ192に記憶されているフラグに従って、滑り制御を加味して該当する図柄を所定位置に引き込むように、或いは所定位置から蹴飛ばすようにリール350A、350B、350Cの停止制御が実行される。すなわち、リール駆動制御部194は、フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態及び遊技状態制御部186による遊技状態に応じて停止制御テーブルを選択するようにしており、前記フラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは滑り制御によって矯正される。逆に、フラグが成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転に滑りを生じさせ、当り図柄では停止しないようにする。
次に、全てのリール350A、350B、350Cが停止すると、停止図柄に基づいて入賞判定が行われ、入賞した場合には入賞した役の判定を行う。
この判別で、大役に入賞したと判定された場合には、その停止図柄に従って、ビッグボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のボーナスゲーム制御を実行し(権利行使)、小役と判定された場合には、当該小役に予め設定されている所定の払出し制御を実行する。
ところで、本実施の形態では、主制御部100による遊技の進行状況に応じて副制御部150により液晶制御回路152、スピーカ駆動回路154及びランプ駆動回路156等を介した演出が実行される。
図5は、副制御部150において、電源投入後に実行される演出処理における処理の流れを示すフローチャートであり、以下、同図を参照して本実施の形態に係る演出処理について説明する。なお、同図には、演出処理の主な処理のみが示されている。
まず、ステップ200では、始動信号の入力待ちを行い、次のステップ202では、演出コマンドにより示される演出パターンに基づいて、始動開始時に実行すべき演出(始動演出)があるか否かを判定する。
すなわち、遊技者により遊技媒体の投入操作がなされた後に始動レバー354を介して始動操作がなされると、副制御部150には、主制御部100から始動信号が入力されると共に、この始動操作に基づいて主制御部100で実行される内部抽選時に決定される演出内容を示す演出コマンドが入力される。
ステップ202で肯定判定となった場合はステップ204に移行して、演出内容記憶部16から実行すべき始動演出を読み出して液晶制御回路152、スピーカ駆動回路154及びランプ駆動回路156を介して演出内容を始動時演出を開始し、その後にステップ206に移行する。
一方、ステップ202で否定判定となった場合はステップ204の処理を実行することなくステップ206に移行する。
ステップ206では、停止信号の入力待ちを行い、次のステップ208では、遊技における停止操作に応じた停止信号が入力されたタイミングで実行すべき演出があるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ210に移行して、演出内容記憶部16から実行すべき演出内容を読み出して液晶制御回路152、スピーカ駆動回路154及びランプ駆動回路156を介して停止時演出を開始し、その後にステップ212に移行する。
ステップ212では、全てのリール350A、350B、350Cが停止したか否かを判定し、当該判定が否定判定である場合は再びステップ206に戻り、ステップ212が肯定判定となるまで、停止信号の入力回数に応じて実行すべき停止時演出の実行を行う。
次のステップ214では、リプレイ役に入賞したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ220に移行する。
すなわち、全てのリール350A、350B、350Cが停止すると、この時点で主制御部100において行われる入賞判定の結果を示す情報が副制御部150に入力されるようになっており、この入賞判定結果がリプレイ役への入賞を示すものであったか否かによりリプレイ役に入賞したか否かを判定することができる。
ステップ220では、演出を終了するタイミングか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ222に移行して、投入信号が入力されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ220に戻る。
一方、実行すべき演出内容に基づく演出が全て終了した場合はステップ220で肯定判定となり、ステップ224に移行して演出を終了し、その後に再びステップ200に戻る。
すなわち、全てのリール350A、350B、350Cが停止した後、実行すべき演出内容に基づく演出の実行中である場合は、投入信号が入力されるか、又は実行すべき演出が全て終了するまで、実行すべき演出が実行される。
ここで、実行すべき演出の実行中に投入信号が入力された場合にはステップ222で肯定判定となってステップ226に移行し、演出の強制終了を実行する。
演出の強制終了は、実行中の演出の最終画面を液晶制御回路152を介してLCD313に所定期間表示させた後に演出を終了することにより実行される。
例えば、図6及び図7には、演出によりLCD313に表示される演出画面の流れが一例として示されている。
図6は、内部抽選の結果、大役に当選していないことを報知する場合の演出画面の流れを模式的に示す図である。まず、始動レバー操作時には図6(a)に示されるように3つの図柄列が変動表示されている状態の演出画面がLCD313に表示され、その後、1回目の停止操作で図6(b)に示されるように左端の図柄列のみの変動表示が停止した状態の演出画面がLCD313に表示される。その後2回目の停止操作で図6(c)に示されるようにさらに中央の図柄列の変動表示が停止した状態状態の演出画面を表示し、3回目の停止操作に基づいて、予め設定された時間だけ図6(c)の演出画面の表示を維持した後に図6(d)に示されるように、全ての図柄列の変動表示が停止し、各図柄列の図柄が互いに一致してはいない状態の演出画面を表示する。すなわち、この図6(d)に示される画面が報知結果を示す画面であり、強制終了時に表示される最終画面である。
また、図7は、内部抽選の結果、大役に当選したことを報知する場合の演出画面の流れを模式的に示す図である。始動レバー操作時には、外れを報知する場合と同様、図7(a)に示されるように3つの図柄列が変動表示されており、その後の停止操作に基づいて、図7(b)、図7(c)と表示する演出画面を切り替え、3回目の停止操作に基づいて、予め設定された時間だけ図7(c)の演出画面の表示を維持した後に、図7(d)に示されるように、全ての図柄列の変動表示が停止し、各図柄列の図柄が互いに一致している状態の演出画面を表示する。その後、図7(e)に示すように、内部抽選の結果が大当りであることを示す演出画面を表示し、さらに図7(f)に示すようなボーナス確定を示す演出画面を表示する。すなわち、この図7(d)〜(f)に示される画面が報知結果(大役当選)を示す画面であり、強制終了時に表示される画面である。なお、本実施の形態では、強制終了時に図7(e)及び(f)の2つの演出画面を表示するようにしている。
一方、上記ステップ214(図5参照)において、リプレイ役に入賞した場合は当該判定が肯定判定となり、ステップ230に移行する。
ステップ230では、演出を終了するタイミングか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ232に移行して、投入信号に代えて始動信号が入力されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ230に戻る。
一方、実行すべき演出内容に基づく演出が全て終了した場合はステップ230で肯定判定となり、ステップ234に移行して演出を終了し、その後にステップ238に移行する。
すなわち、全てのリール350A、350B、350Cが停止した後、実行すべき演出内容に基づく演出の実行中である場合は、始動信号が入力されるか、又は実行すべき演出が全て終了するまで、実行すべき演出が実行される。
ここで、実行すべき演出の実行中に始動信号が入力された場合にはステップ232で肯定判定となってステップ235に移行して、前回の遊技が開始した時点から次の遊技の始動操作を有効にするまでの4.1秒を計時する不図示のwait timerによる計時が終了して出力がON状態となるのを待ち、次のステップ236では、演出の強制終了を実行し、その後に再びステップ202に移行する。
演出の強制終了は、上述したステップ226の処理と同様、実行中の演出の最終画面を液晶制御回路152を介してLCD313に所定期間表示させた後に演出を終了することにより実行される。
ステップ238では、始動信号の入力待ちを行い、その後にステップ240に移行してwait timerによる計時が終了して出力がON状態となるのを待ち、その後に再びステップ202に戻る。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、図柄を変動表示可能な表示窓314を備え、ベットボタン352を介した投入操作によりメダルが投入された場合に1回の遊技が開始され、その後の始動レバー354を介した始動操作に基づいて表示窓314の変動表示を開始すると共に内部抽選を行い、その後の停止ボタン356A、356B、356Cを介した停止操作に基づく前記変動表示の停止後、前記表示窓314が前記内部抽選による当選役に応じた表示態様となった場合に当選役に入賞して役に応じた遊技を実行するに際し、リプレイ役に入賞した場合、今回の遊技において投入されたメダルと等価のメダルを特典として配当すると共に当該配当したメダルが投入されたものとみなして自動的に次回の遊技の権利を付与して、各種操作のタイミングに応じた演出内容が予め設定された複数の演出パターンの何れかに基づく演出を実行すると共に、演出の実行中にキャンセル操作がなされた場合に当該実行中の演出を中止し、前記キャンセル操作を、前記特典役に入賞した場合には始動操作に、他の場合には投入操作に切り替えるようにしているので、操作を煩雑にすることなく遊技者の意図に反する遊技情報の報知演出の強制終了を防止することができる。
また、副制御部150による演出実行制御のみを変更すればよいので、主制御部100の制御プログラムを変更する必要がなく、パチスロ機300の制御プログラムの開発期間の長期化を防止することができる。また、主として遊技の進行を制御する主制御部100の負荷を増大させることなく本発明を実現できる。
なお、本実施の形態では、強制終了を、実行中の演出の最終画面を液晶制御回路152を介してLCD313に所定期間表示させた後に演出を終了する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、強制終了のトリガを入賞判定結果に応じて始動操作又は投入操作に切り替えるものであればよいことは言うまでもない。例えば、強制終了として、単に実行中の演出を中止する形態とすることもできる。
なお、本実施の形態におけるパチスロ機の構成(図1乃至図4参照)及び各処理の流れ(図5参照)は一例であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。