図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向に設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する7セグメント表示部315A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cが設けられている。
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面(テーブル306A)の右端部にはメダル投入部320が設けられ、また、上面左端部からは順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、マックスベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、回転を停止した場合に表示窓314から見える図柄のうち、中行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、上行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、下行に並んだ図柄の中心を結ぶラインと、2本の対角線上に並んだ図柄の中心をそれぞれ結ぶ2本のラインと、の5本の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが遊技の結果を示す。
なお、5本のラインのうち、どのラインが有効ラインとされるかはメダルの投資数によって決まり、1枚のメダルがベットされた場合は中行に並んだ図柄の中心を結ぶラインが有効ラインとされ、3枚のメダルがベットされた場合は全てのラインが有効ラインとされる。これらの有効ラインは、表示ランプ317が点灯することにより遊技者に対して案内表示される。
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
さらに、この始動レバー354による操作タイミングは、後述する内部抽選のタイミングとなっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されると共に、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356C、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
また、主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得してサンプリングする。
パチスロ機300では、始動レバー354による操作タイミングで役の当落を決定する内部抽選が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて抽選結果を導出する。
なお、内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと入賞となり、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、役には小役と大役とがあり、それぞれ遊技者に対する有利さの度合いが異なる。小役に入賞した場合には、役に応じて予め定められた枚数のメダルが配当される一方、大役に入賞した場合には役に応じた大役遊技が実行される。この大役遊技では、複数回の小役ゲームを実行可能に構成されている。このため、当然、小役よりも大役の方が、遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cを介してそれぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cが接続されている。
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を常時把握することができるようになっている。
また、パチスロ機300では、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
ここで、主制御部100では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数のすべり制御を実行するようになっている。
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄が有効ライン上に停止する停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当り図柄が停止しない場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が有効ライン上に揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
また、主制御部100には、パチスロ機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
さらに、主制御部100には、表示ランプ駆動回路144が接続されており、当該表示ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及びメダルの投入枚数であるベット数表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を入力する。なお、本実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対し的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
また、副制御部150には、ランプ駆動回路156が接続されており、当該ランプ駆動回路156を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112や、リール350A、350B、350Cの内部に設けられ、表示窓314に表示されるリール350A、350B、350C周面の図柄に対向する位置に向けて発光するバックライト158等の発光を制御する。
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路154が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
副制御部150では、主制御部100のパチスロ機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305L、305R、バックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112及び有効化ライン等の表示ランプ157等による報知演出を実行する。
図3は、本実施の形態に係る主制御部100における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル選択部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
テーブル選択部182には、抽選部180により取得され得る数値に対応する役・図柄を示す情報がパチスロ機300の遊技状態毎に記憶されたテーブルが格納されている。なお、パチスロ機300の遊技状態としては、例えば、通常遊技、大役内部当選中、大役作動中等があげられる。
テーブル選択部182では、遊技状態制御部186から現在の遊技状態を示す情報を得て、上記遊技状態毎に設けられたテーブルから役・図柄を決定すべきテーブルを選択する。このテーブル選択部182で選択されたテーブルに基づいて、当選役・図柄決定部184は、当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB、CT))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合はBB、RBの内部当選状態、BB、RBの各遊技状態に応じて、大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の開始後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
また、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出センサ198A、198B、198Cが取り付けられており、リール位置検出回路134を介してリール駆動制御部194に接続されている。リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、前記すべり制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
この停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、遊技状態制御部186では、何らかの役に入賞したか否かが確認され、小役に入賞した場合には所定の配当が行われると共に、入賞した小役がリプレイであればリプレイゲームが実行され、大役であれば遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
なお、大役には、ビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)、レギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)及びチャンスタイム(以下、適宜「CT」という)が含まれており、小役には、上述したリプレイのほか、チェリー、タケ、ベル等の小役が予め設定されている。
また、上述した大役プログラムとしては、レギュラーボーナスゲームプログラム、ビッグボーナスゲームプログラム及びチャンスタイムプログラムがそれぞれ別個に記憶されている。
同図に示されるように、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態によって管理している。
各フラグは、内部抽選で当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(フラグ不成立)するが、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される。
なお、フラグメモリ192は、上述したリール駆動制御部194に接続されており、当該フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態は、リール駆動制御部194による停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づく停止制御の際の引き込みまたは蹴飛ばしのすべり制御のパラメータとして適用される。
また、副制御部150では、主制御部100による遊技の進行状況に応じてLCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出が実行される。当該演出を行うか否か及び演出の内容については、主制御部100における内部抽選時に決定されるようになっており、決定された演出に関する情報は演出コマンドとして副制御部150に送信されるようになっている。これにより、副制御部150では、適宜演出コマンドに基づく演出が実行される。
ここで、図4には、役の種類に応じた入賞図柄と配当が図表として示されている。なお、同図において入賞図柄として示すアルファベットは、左から順にリール350A、350B、350Cの周面に配設された図柄を示しており、同じアルファベットは同じ図柄を示す。また、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが入賞図柄と一致する場合に対応する役に入賞となる。同図に示されるように、大役(BB、CT、RB)にはそれぞれに異なる入賞図柄が設定されている。
また、同図に示される配当枚数は、入賞に対する配当として払い出されるメダルの枚数であり、小役に入賞した場合には予め設定された枚数のメダルが払い出される。一方、大役に入賞した場合には大役への入賞による配当はなく、次の遊技から大役ゲームが実行可能になる。
なお、リプレイに入賞した場合には、同図の配当の欄には米印を付しているが、リプレイ遊技として入賞した遊技に投資されたメダルと同等のメダルを次の遊技のために自動的に投資するようになっている。これにより、遊技者はメダルを投資することなくもう一度遊技を行うことができる。
図5には、本実施の形態に係る遊技状態の遷移図が模式的に示されており、同図を参照して遊技状態制御部186による遊技状態の制御及び各遊技状態において実行される遊技について説明する。
同図に示されるように、遊技状態が通常遊技の場合には一般遊技が実行されるようになっており、当該一般遊技における内部抽選によって大役(BB、RB、CT)の何れかに当選すると、遊技状態が当選した大役の種類に応じた大役内部中(BB内部中、RB内部中、CT内部中)に遷移する。
上述したように大役のフラグは一旦フラグ成立となると入賞するまで当該フラグの状態が維持されるため、遊技状態が大役内部中の場合、内部当選した大役に入賞可能な状態で一般遊技が実行され、内部当選した大役に入賞すると遊技状態が入賞した大役の種類に応じた大役作動中(BB作動中、RB作動中、CT作動中)となる。
ここで、本実施の形態では、大役作動終了後、内部抽選でのリプレイ役への当選確率を高めるリプレイタイム(以下、適宜「RT」という)を作動させるようになっており、内部抽選でのリプレイの当選確率を通常遊技状態よりも高くするRT遊技が実行される。
RT作動中の遊技状態におけるRT遊技の実行回数が予め設定されるRT回数に到達した場合には、遊技状態が上記通常遊技となる。また、RT作動中に、内部抽選により大役に当選した場合には、遊技状態が当選した大役に応じた大役内部中となる。
また、RT作動時に予め設定されるRT回数は、本実施の形態では、大役遊技の種類に応じてBB作動終了後及びCT作動終了後は50回、RB作動終了後は300回と予め定められている。
なお、RT作動中はリプレイへの当選確率が高いため、このRT作動中に大役に内部当選した場合も遊技状態が大役内部中となるので、一般遊技で大役に内部当選するよりも次の大役遊技までのメダルの消費を抑えることができる。よって、当該RT回数が多いほど遊技者にとって有利となる。
遊技状態がRB作動中の場合には、RBゲームとして内部抽選による小役の当選確率を通常遊技の抽選確率よりも高い状態とするRB遊技が実行され、RB作動中の遊技回数が12回に到達した場合、又は小役への入賞回数が8回に到達した時点でRBゲームが終了して、遊技状態がRT作動中となる。
また、遊技状態がBB作動中の場合には、BBゲームとして、当該BB作動中の総払出枚数が予め定められた上限に到達するまでの間、連続してRB遊技が実行されるようになっており、上記総払出枚数が上限値に到達するとBBゲームが終了して遊技状態がRT作動中となる。
遊技状態がCT作動中の場合には、ボーナスゲームの1種として単独のチャンスタイム遊技(シングルCT、以下SCTと称す。)が所定回数実行されるようになっており、当該CTゲームは、CT作動中の総払出枚数が予め定められた上限に到達すると終了し、遊技状態がRT作動中となる。
ここで、図6には、CT作動中に実行されるSCT遊技での内部抽選の当選確率が一例として示されている。同図に示されるように、当該SCT遊技における内部抽選では、リプレイを除く複数の小役からなる小役グループ及びRBが対象となっており、必ずどちらかに当選するようになっている。
なお、小役グループに当選した場合、小役グループを構成する全ての小役に当選となり、各小役のフラグが同時に成立する。なお、図4及び図8に示すように、各小役図柄の数は配当枚数の多い順(ベル、タケ、チェリーの順)に、図柄の数を多く配列しており、CTゲームが実行された場合、配当枚数の多い図柄ほど揃え易くなるようにリール配列も構成されている。
図5に示されるように、CT作動中にRBに内部当選した場合、内部当選した遊技はRBフラグが成立した状態でのSCT遊技となり、当該遊技によりRBに入賞した場合は遊技状態がRB作動中となってRBゲームが開始される。一方、このRBフラグが成立した状態でのSCT遊技においてRBに入賞しなかった場合、遊技状態がRB内部中となって、CTゲームは終了して以後のSCT遊技は行わず、RBのフラグの状態が維持されて一般遊技が実行される。
ところで、CTゲームで実行されるSCT遊技では、予め定められた目押しリール(本実施の形態では、遊技者の操作方向で最も左側に位置し、通常遊技状態で順押しによる停止操作を行う場合における第一停止リールとなる左リール350A)のすべり制御を中止することにより、当該目押しリールについては、ほぼ遊技者の意図するタイミングで回転を停止させることができる。
具体的には、目押しリールについては、すべり制御が完全に中止されるわけではなく、すべりコマ数最大1コマの範囲内(75ミリ秒以内)で図柄の停止位置が調整される。なお、目押しリール350A以外のリール(中リール350B及び右リール)については、CTゲーム中も通常遊技状態における制御と同様、すべりコマ数4コマの範囲で停止位置が調整される。
図7には、本実施の形態に係る停止制御に関する機能ブロック図が示されている。同図に示されるように、遊技状態制御部186は、払出枚数計数部30を含んで構成されており、遊技状態制御部186では、当該払出枚数計数部30で計数する総払出枚数が所定枚数に到達すると、CTゲームが終了するようになっている。当該払出枚数計数部30はCTゲームの実行開始時に払出枚数が0枚とされてリセットされると共に、払出処理が実行される毎に、払い出されたメダルの枚数が累積加算される。
一方、同図に示されるように、リール駆動制御部194は、回転制御部10、停止制御部12、停止制御テーブル選択部14及び引込み役決定部16を含んで構成されている。
回転制御部10は、モータ駆動回路132に接続されると共に、始動レバー354が操作されたことを示す始動開始信号が入力されるようになっており、始動開始信号が入力されると各リール350A、350B、350Cの回転を同時に開始するようにモータ駆動回路132を制御する。
また、停止制御部12は、上記モータ駆動回路132、リール位置検出回路134、停止制御テーブル選択部14、引込み役決定部16に接続されると共に、停止ボタン356A、356B、356Cが操作されたことを示す停止信号が入力されるようになっている。
停止制御部12では、停止信号が入力されると、当該停止操作に応じたリール350の回転位置をリール位置検出回路134の出力に基づいて特定し、停止制御テーブル選択部14により選択された停止制御テーブルに基づいて適宜すべり制御を実行してモータ駆動回路132を制御して停止操作に応じたリール350の回転を停止させる。
また、停止制御部12では、停止操作に応じて回転を停止させたリール350の停止位置を示す情報を遊技状態制御部186及び引込み役決定部16に出力する。なお、遊技状態制御部186では、停止位置情報に基づいて有効ライン上に停止した図柄の組み合わせを特定し、入賞図柄と比較することにより入賞したか否かを判定する入賞判定が行われる。
引込み役決定部16には、上記フラグメモリ192(図3参照)からフラグ状態情報が、停止制御部12からリール350の停止位置情報が、それぞれ入力されると共に、停止制御テーブル選択部14に接続されている。
引込み役決定部16では、フラグの状態及びリール350の停止位置に応じて引込み役が決定され、決定した引込み役を示す情報が停止制御テーブル選択部14に出力される。
すなわち、引込み役決定部16では、停止位置情報が入力されていない状態でフラグ状態情報が入力された場合、成立しているフラグに応じた役を引込み役として決定する。このとき、ボーナス内部中やCT作動中等であって、複数のフラグが成立している場合には、停止位置情報が入力される毎に停止位置を考慮して引込む役を決定する。特に、CT作動中は、小役グループのうち最も配当が大きい小役を優先して引込み役として決定し、停止位置情報が入力される毎に、既に有効ライン上に停止した図柄に応じた小役でフラグが成立している小役のうち、配当が最も大きい小役を決定する。
停止制御テーブル選択部14は、引込み役決定部16、左リールすべり量設定部18と接続されると共に、遊技状態制御部186から遊技状態情報が入力されるようになっている。
左リールすべり量設定部18では、遊技状態制御部186における遊技状態がCT作動中であるか否かを判別して、CT作動中である場合には左リール350Aのすべり量としてすべりコマ数最大1コマを、他の場合には左リール350Aのすべり量としてすべりコマ数最大4コマを、それぞれ設定して停止制御テーブル選択部14に入力する。
停止制御テーブル選択部14では、引込み役、左リール350Aのすべり量及び遊技状態に基づいて、引込み役に応じた図柄を引込むと共に、フラグが成立していない役に応じた図柄については蹴飛ばして入賞を回避するような停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルを示す情報を停止制御部12に入力する。
なお、停止制御テーブルは、各リール350A、350B、350C毎に、対応する停止ボタン356A、356B、356Cが操作されたときの各リール350A、350B、350Cの回転位置に応じたすべりコマ数が記憶されており、遊技状態、フラグ状態、引込み役等に応じてそれぞれ異なる停止制御テーブルが設けられている。
このように、本実施の形態では、フラグが成立している役については引込みを行う一方、フラグが成立していない役については蹴飛ばしを行うように適宜すべり制御を加味した停止制御を実行し、内部抽選で当選していない役への入賞(不当入賞)を回避するようにしている。
また、本実施の形態では、リール350A、350B、350Cの図柄配列を、停止操作のタイミングによっては内部抽選で当選していない役への入賞を回避するために内部抽選で当選している役の図柄を揃えることができないという不具合を防止できる図柄配列としている。
図8には、本実施の形態に係る各リール350A、350B、350Cの図柄配列が模式的に示されている。なお、同図に示すアルファベットは、上述した役の種類に応じた入賞図柄(図4参照)に対応している。
図8に示されるように、リール350A、350B、350Cには、それぞれa〜jの10種類の図柄が所定の順番で配置されており、リール350A、350B、350Cの回転方向は同図に矢印Aで示す方向である。したがって、表示窓314には、上方向の図柄が順次表示されていくことになる。
同図に示されるように、左リール350Aについては、チェリー役に対応する入賞図柄「d」の配置位置(4、12の位置)の前後2コマ以内に、すべり制御により100%引込めない図柄を配置しないようにしている。
すなわち、すべり制御により100%引込み可能な図柄(a及びc)については、すべり制御により、左リール350Aのチェリー「d」を蹴飛ばしても内部当選した役に応じた図柄を停止させることができる有効ライン上に中リール350B及び右リール350Cの内部当選した役に応じた図柄を停止させるようにすることができるため、チェリーへの不当入賞を回避しつつ、内部当選した役に入賞可能である。
一方、チェリー「d」以外の100%引込みができない図柄(b、h、j、i)については、チェリー図柄「d」と干渉しない位置に配置しているので、優先的に引込み制御を行っても、チェリーに不当入賞する恐れがない。
また、本実施の形態では、フラグが成立している役が複数存在する場合に、複数の有効ライン上で同時に入賞する所謂重複入賞を回避すべく、同図に示されるように、役に応じた入賞図柄(a、b、d、c、h、j、i)のほかに、有効ライン上に揃って停止した場合でも役に無関係であり配当に関与しない図柄(e、f、g)を各リール350A、350B、350Cにそれぞれ配置して、重複入賞を回避するようにしている。なお、右リール350Cに配置されたf及びgについてはベルの入賞図柄を構成する場合がある(図4参照)。
ところで、本実施の形態では、副制御部150により、主制御部100による遊技の進行状況に応じて演出制御が実行されるようになっており、特に、大役に入賞した場合には入賞した大役の種類に応じて演出制御が実行されるようになっている。
図9には、本実施の形態に係る演出制御に関する機能ブロック図が示されている。なお、同図には、各種大役ゲーム及び各種大役ゲームの実行終了後に実行されるRTゲームにおける演出制御に関する部位が示されている。
同図に示されるように、副制御部150には、操作部306の各種操作タイミングや遊技状態、内部抽選結果、入賞判定結果、投入枚数等を含む各種情報が入力されるようになっており(一部入力線の図示を省略)、副制御部150において主制御部100による遊技の進行状況が把握可能となっている。
副制御部150は、表示情報設定部60、遊技状態識別部62、演出パターン選択部64及び演出実行制御部66を含んで構成されており、遊技状態識別部62は、主制御部100から入力される遊技状態を示す情報が入力されると共に、表示情報設定部60及び演出パターン選択部64に接続されている。
遊技状態識別部62では、入力された遊技状態を示す情報に基づいて主制御部100における遊技状態を判別して表示情報設定部60及び演出パターン選択部64にそれぞれ入力する。
演出パターン選択部64には、主制御部100から内部抽選結果が入力されるようになっており(同図ではデータの入力線の図示を省略)、当該演出パターン選択部64では、遊技状態の判別結果及び内部抽選結果に応じて予め設定された演出パターンから実行すべき演出パターンを選択し、演出実行制御部66に選択した演出パターンを示す情報を入力する。
また、本実施の形態では、遊技状態に応じて予め設定された情報をLCD313に表示するようにしており、表示情報設定部60によりこの表示情報が設定されるようになっている。
表示情報設定部60には、枚数カウント部52、ゲーム数カウンタ58が接続されており、これら枚数カウント部52及びゲーム数カウンタ58は、カウント制御部50に接続されている。
カウント制御部50には、主制御部100から遊技状態及び入賞判定結果を含む情報が入力されるようになっており、遊技状態及び入賞判定結果に応じて枚数カウント部52及びゲーム数カウンタ58のカウント値を更新記憶するようになっている。
カウント制御部50では、入賞判定結果が入力される毎に、入賞したか否かに拘わらずゲーム数カウンタ58のカウント値に1を加算(インクリメント)して更新記憶し、主制御部100から入力される遊技状態がRB作動中またはRT作動中に切り替わったタイミングでゲーム数カウンタ58のカウント値として0をセット(リセット)する。
また、入賞判定結果が入力され、何らかの役に入賞した場合には、入賞した役の種類に応じた配当(図4参照)を示す情報を枚数カウント部52に入力すると共に、BBまたはCTに入賞した場合に枚数カウント部52に対してカウント値のリセット指示を入力する。
枚数カウント部52には、総払出枚数演算部54及び純増枚数演算部が含まれており、総払出枚数演算部54では、カウント制御部50から入力された配当を順次加算することにより払出枚数の総数を演算すると共に、カウント制御部50からリセット指示が入力されると、加算値を0枚にする。
また、純増枚数演算部56には、主制御部100から投入枚数を示す情報も入力されるようになっており、演算中の値(リセット時は「0」)から順次投入枚数分を減算すると共に配当分を加算することにより配当と投資の差分(純増枚数)を演算するようになっている。
表示情報設定部60では、遊技状態識別部62から入力される遊技状態情報に基づいて、RB作動中はゲーム数を、RT作動中はゲーム数及びRT作動中である旨を、BB作動中は総払出枚数及び純増枚数を、CT作動中は総払出枚数及びCT中である旨を、それぞれ表示すべき情報として選択し、ゲーム数カウンタ58、総払出枚数演算部54及び純増枚数演算部56から適宜表示すべき情報に応じた値を読み出して、表示情報として演出実行制御部66に入力する。
演出実行制御部66では、表示情報設定部60から入力された表示情報及び演出パターン選択部64から入力された演出パターンに基づいて液晶制御回路152を制御してLCD313に主制御部100の遊技の進行状況に応じた画面を表示させると共に、演出パターン選択部64から入力された演出パターンに基づいてスピーカ駆動回路154及びランプ駆動回路156を制御して主制御部100の遊技の進行状況に応じた音声を再生すると共にランプを点灯させ、主制御部100の遊技の進行状況に応じた演出を実行する。
ここで、図10及び図11には、本実施の形態に係る演出制御によるLCD313への表示状態の一例がそれぞれ示されている。
図10(A)には、本実施の形態において、CT作動中に選択される表示情報及び演出パターンに基づく画像がLCD313に表示された状態が示されている。同図に示されるように、斜線塗りつぶしで示す演出パターンに基づく演出画面の他に、CT作動中であることを示す画像80が表示情報として表示されるようになっており、遊技者がチャンスタイムであることを把握できるようにしている。また、当該チャンスタイムの終了条件が総払出枚数が予め設定された上限値に到達したことであるので、総払出枚数を示す画像82も表示情報として表示される。
また、図10(B)には、本実施の形態において、RT作動中に選択される表示情報及び演出パターンに基づく画像がLCD313に表示された状態が示されている。同図に示されるように、斜線塗りつぶしで示す演出パターンに基づく演出画面の他に、RT作動中であることを示す画像84が表示情報として表示されるようになっており、遊技者にリプレイタイムであることを確実に把握させるようにしている。
図11には、BB作動中に選択される表示情報及び演出パターンに基づく画像がLCD313に表示された状態が示されている。同図に示されるように、斜線塗りつぶしで示す演出パターンに基づく演出画面の他に、BB終了条件として予め設定された総払出枚数の上限値から既に払い出されたメダルの枚数を差し引いたBB遊技獲得可能メダルの残枚数、及び純増枚数演算部56により演算されたBB遊技獲得メダルの純増枚数がBB用表示情報86として表示される。
図11(A)は、BB入賞時におけるLCD313の表示状態を模式的に示す図であり、BB用表示情報86は、残枚数が465(予め設定された上限値に相当)、純増枚数は0となっている。
図11(B)には、BBゲームの1回目の遊技において、3枚のメダルを投資して配当が10枚の役に入賞したと仮定した場合、当該1回目の遊技が終了した時点でのLCD313の表示状態が示されている。同図に示されるように、BB用表示情報86は、残枚数455、純増枚数7となる。
図11(C)には、図11(B)の状態で次の遊技(2回目の遊技)において、3枚のメダルを投資して配当が6枚の役に入賞したと仮定した場合、この2回目の遊技が終了した時点でのLCD313の表示状態が示されている。同図に示されるように、BB用表示情報86は、残枚数449、純増枚数10となる。
図11(D)には、BBゲームのM−1回目の遊技が終了した時点でのLCD313の表示状態が示されている。同図に示されるように、BB用表示情報86は、残枚数9枚、純増枚数が300枚となっている。この後、3枚のメダルを投資してBBゲームのM回目の遊技を実行し、配当が10枚の役に入賞したと仮定すると、図11(E)に示されるように、残枚数は0となるので残枚数に代えて「BB終了」を表示すると共に、純増枚数が307枚となる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
図12には、主制御部100で実行される遊技状態制御の処理の流れがフローチャートとして示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係る遊技状態制御処理について説明する。
まず、ステップ200では、ベットボタン352を介したベット操作に基づくベット処理の完了待ちを行い、その後に始動レバー354の操作を有効にしてステップ202に移行して始動レバー354の操作待ちを行う。
次のステップ204では、役の内部抽選を行い、その後にステップ206に移行して内部抽選により大役に当選したか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合は当選した大役の種類に応じた大役フラグが成立し、ステップ208に移行して遊技状態をボーナス内部中に設定した後にステップ210に移行する。
一方、ステップ206で否定判定となった場合は遊技状態の設定を行うことなくステップ210に移行する。
ステップ210では、リール350A、350B、350Cの回転を開始し、その後にステップ212に移行して全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった時点で次のステップ214に移行する。
ステップ214では、リール350A、350B、350Cの停止位置に基づいて有効ライン上に停止した図柄の組み合わせ(停止図柄)を特定し、特定した停止図柄を内部抽選により当選した役の入賞図柄とを照合し、一致した場合には当該役に入賞したものと判定する。
次のステップ216では、入賞判定の結果が入賞であったか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ218に移行して、さらに入賞した役が大役であったか否かを判定する。また、ステップ216で否定判定となった場合はステップ240に移行する。
ステップ218で否定判定となった場合はステップ220に移行して、入賞役に応じた配当として予め設定された枚数のメダルの払出を実行し、その後にステップ240に移行する。
ステップ240では、設定されている遊技状態がRT作動中であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ242に移行してRTを終了するか否かを判定する。RT遊技の実行回数が予め設定されたRT回数に到達した場合には当該判定が肯定判定となってステップ244に移行して、遊技状態を通常遊技に設定し、その後再びステップ200に戻る。
また、ステップ240で否定判定となった場合及びステップ242で否定判定となった場合には、遊技状態の設定を行うことなく再びステップ200に戻る。
一方、大役に入賞してステップ218で肯定判定となった場合はステップ222に移行して、入賞した大役の種類を判別する。当該判別の結果、RB入賞と判別された場合にはステップ223に移行し、遊技状態をRB作動中とした後にステップ224に移行してRBゲームを実行し、次のステップ226ではRT回数として300回を設定してステップ236に移行する。
なお、RBゲームは小役への当選確率が高いRB遊技が実行され、何らかの小役に8回入賞した場合、又はRB遊技の実行回数が12回となった場合に終了する。
ステップ222の大役種類の判別によりBB入賞と判別された場合には、ステップ227に移行して遊技状態をBB作動中に設定し、その後にステップ228に移行してBBゲームを実行して、次のステップ230では、RT回数として50回を設定してステップ236に移行する。
なお、BBゲームは、上記RBゲームが連続して実行され、BBゲーム中の総払出枚数が予め設定された上限値に到達した時点で終了する。
また、ステップ222の大役種類の判別によりCT入賞と判別された場合には、ステップ231に移行して遊技状態をCT作動中に設定し、その後にステップ232に移行してCTゲームを実行し、次のステップ234では、RT回数として50回を設定した後にステップ236に移行する。
ステップ236では、遊技状態をRT作動中に設定し、その後に再びステップ200に戻る。
ここで、図13には、上記ステップ232で実行されるCTゲームの処理の流れがフローチャートとして示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係るCTゲーム処理について説明する。
まず、ステップ250では、ベットボタン352を介したベット操作に基づくベット処理の完了待ちを行い、その後に始動レバー354の操作を有効にしてステップ252に移行して始動レバー354の操作待ちを行う。
次のステップ254では、RB及び予め設定された複数の小役からなる小役グループの何れかに当選する内部抽選を行い、その後にステップ256に移行して内部抽選によりRBに当選したか否かを判定する。当該ステップ256で否定判定となった場合は小役グループに当選したものと判断してステップ258に移行し、小役グループとして予め定められた複数の小役のフラグを成立の状態とし、その後にステップ260に移行する。
ステップ260では、リール350A、350B、350Cの回転を開始し、その後にステップ262に移行して、小役グループを構成する小役のうち最も配当の高い小役を引込む停止制御テーブルを選択し、その後にステップ264に移行する。なお、左リール350Aについては、すべりコマ数が最大1コマの停止制御テーブルを選択する。
ステップ264では、停止ボタン356A、356B、356Cの何れかの操作待ちを行い、次のステップ266ではリール350A、350B、350Cのうち停止操作に応じた何れかに対して回転停止制御を実行する。なお、当該回転停止制御は、選択された停止制御テーブルに基づいて適宜すべり制御が加味されて実行される。
次のステップ268では、全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ270に移行して、既に回転を停止しているリール350の停止位置情報に基づいて、適宜引込み役の再決定、停止制御テーブルの再選択を行い、その後に再びステップ264に戻る。なお、停止位置情報に基づいて、引込み役として決定された小役に応じた入賞図柄が有効ライン上に停止していない場合には、引込み役の再決定及び再決定した引込み役に応じた停止制御テーブルの再選択を実行する必要がある。なお、この処理においても、左リール350Aについては、すべりコマ数が最大1コマの停止制御テーブルを選択する。
その後、全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止するとステップ268が肯定判定となって、ステップ272に移行する。ステップ272では、何らかの子役に入賞したか否かを判定する。各リール350A、350B、350Cの停止位置情報に基づく停止図柄とフラグが成立している小役の入賞図柄とが一致した場合には小役に入賞してステップ272が肯定判定となってステップ274に移行し、入賞した小役の種類に応じた配当を払出し、その後にステップ276に移行して総払出枚数に当該払出枚数を加算して総払出枚数を更新記憶し、その後にステップ278に移行する。
ステップ278では、更新記憶後の総払出枚数が上限枚数に到達したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はこの時点ではCTゲームを終了しないものと判断して再びステップ250に戻る。また、更新記憶後の総払出枚数が上限枚数に到達した場合にはCTゲームを終了するものと判断し、本CTゲーム処理を終了する。
一方、上記ステップ256が肯定判定となった場合はステップ280に移行して、RBフラグを成立させ、その後にステップ282に移行してリール350A、350B、350Cの回転を開始し、その後にステップ284に移行してRBにのみ入賞可能な停止制御テーブルを選択する。なお、左リール350Aについては、すべりコマ数が最大1コマの停止制御テーブルを選択する。
次のステップ286では、停止ボタン356A、356B、356Cの何れかの操作待ちを行い、次のステップ288ではリール350A、350B、350Cのうち停止操作に応じた何れかに対して回転停止制御を実行する。なお、当該回転停止制御は、ステップ284の処理によって選択されたRBにのみ入賞可能な停止制御テーブルに基づいて適宜すべり制御が加味されて実行される。
次のステップ290では、全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ286に戻る。
その後、全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止するとステップ290が肯定判定となって、ステップ292に移行する。ステップ292では、RBに入賞したか否かを判定する。各リール350A、350B、350Cの停止位置情報に基づく停止図柄とRBの入賞図柄とが一致した場合にはRB入賞であり、ステップ292で肯定判定となって、上述した遊技状態制御処理のステップ223の処理(図12に丸付き数字「2」で示す位置)に戻る。
一方、ステップ292が否定判定の場合はRBフラグの状態を維持したままステップ294に移行し、遊技状態をボーナス内部中に設定した後に上述した遊技状態制御処理のステップ200の処理(図12に丸付き数字「1」で示す位置)に戻る。
ところで、副制御部150では、主制御部100による遊技の進行状況に応じた演出処理を実行するようになっている。
図14には、主制御部100により実行される遊技において何らかの役に入賞した場合に副制御部150により実行される大役演出の処理の流れがフローチャートとして示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係る大役演出処理について説明する。
まず、ステップ400では、主制御部100から入力される入賞判定結果をに基づいて大役に入賞したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は本大役演出処理を終了する。一方、ステップ400が肯定判定となった場合はステップ402に移行して、大役の種類を判別する。
ステップ402でRB入賞と判別されるとステップ404に移行して、ゲーム数カウンタ58のカウント値をリセットし、その後にステップ406に移行し、RB用の演出パターンを選択する。
次のステップ408では、表示情報としてRBゲーム数を設定し、その後にステップ410に移行する。ステップ410では、選択した演出パターン及び設定した表示情報に基づいてLCD313にRB演出用の画像を表示すると共に、選択された演出パターンに基づいてスピーカによる音声再生及びランプ点灯制御を行って、主制御部100における1回の遊技が終わるまでの間RB演出を実行し、その後にステップ412に移行する。ステップ412では、RBゲームを終了するか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ406に戻る。一方、RBゲーム数が12回となるか、又はRBゲームにおける入賞回数が8回となった場合にステップ412が肯定判定となり、主制御部100によるRBゲームが終了して所定回数(300回)のRT遊技が実行されるものと判断し、ステップ414に移行してRB終了画面を表示した後にステップ450に移行する。
上記ステップ402でBB入賞と判別された場合はステップ420に移行して、総払出枚数及び純増枚数をリセットし、その後にステップ422に移行する。ステップ422では、BB用の演出パターンを選択し、その後にステップ424に移行して表示情報として総払出枚数及び純増枚数を設定する。
次のステップ426では、選択した演出パターン及び設定した表示情報に基づいてLCD313にBB演出用の画像を表示する(図11参照)と共に、選択された演出パターンに基づいてスピーカによる音声再生及びランプ点灯制御を行って、主制御部100における1回の遊技が終わるまでの間BB演出を実行し、その後にステップ428に移行する。ステップ428では、BBゲームを終了するか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ422に戻る。一方、総払出枚数が予め設定された上限値に到達した場合にステップ428が肯定判定となり、主制御部100によるBBゲームが終了して所定回数(50回)のRT遊技が実行されるものと判断し、ステップ430に移行してBB終了画面を表示した後にステップ450に移行する。
さらに、上記ステップ402でCT入賞と判別された場合はステップ432に移行して、総払出枚数及び純増枚数をリセットし、その後にステップ434に移行する。ステップ434では、CT用の演出パターンを選択し、その後にステップ436に移行して表示情報として総払出枚数を設定する。
次のステップ438では、選択した演出パターン及び設定した表示情報に基づいてLCD313にCT演出用の画像を表示する(図10(A)参照)と共に、選択された演出パターンに基づいてスピーカによる音声再生及びランプ点灯制御を行って、主制御部100における1回の遊技が終わるまでの間CT演出を実行し、その後にステップ440に移行する。
ステップ440では、内部抽選によりRBに当選したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ446に移行して、当選したRBに入賞したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ404(同図に丸付き数字「3」で示す位置)に移行する。また、RBに当選したもののまだ入賞していない場合はステップ446で否定判定となり、ステップ448に移行して、主制御部100における1回の遊技が終わるまでの間RB内部中報知画面を表示し、その後再びステップ446に移行する。
なお、演出処理におけるステップ448の演出がなされる場合、主制御部100の遊技状態はRB内部中であり、SCT遊技ではなく、RBフラグが成立した状態での一般遊技が実行されている。
一方、上記ステップ440で否定判定となった場合はステップ442に移行して、CTゲームを終了するか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ434に戻る。一方、総払出枚数が予め設定された上限値に到達した場合にステップ442が肯定判定となり、主制御部100によるCTゲームが終了して所定回数(50回)のRT遊技が実行されるものと判断し、ステップ444に移行してCT終了画面を表示した後にステップ450に移行する。
ステップ450では、RT遊技の演出を実行すべく、ゲーム数をリセットし、その後ステップ452に移行してRT用の演出パターンを選択し、次のステップ454では、表示情報としてRTゲーム数を設定する。
次のステップ456では、選択した演出パターン及び設定した表示情報に基づいてLCD313にRT演出用の画像を表示(図10(B)参照)すると共に、選択された演出パターンに基づいてスピーカによる音声再生及びランプ点灯制御を行って、主制御部100における1回の遊技が終わるまでの間RT演出を実行し、その後にステップ458に移行する。
ステップ458では、RTを終了するか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ452に戻る。一方、RTの遊技回数が設定された回数(50回又は300回)に到達するとステップ458が肯定判定となり、本大役演出処理を終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、リール350A、350B、350Cを変動表示可能な表示窓314を有し、始動レバー354を介した始動指示に応じて複数の小役を含む役の内部抽選を行うと共にリール350A、350B、350Cの回転を開始して表示窓314における変動表示を開始し、停止ボタン356A、356B、356Cを介した停止指示に基づいて各リール350A、350B、350Cの変動表示を停止させ、表示窓314の表示状態が前記抽選により当選した役に対応する表示態様となった場合に当該当選した役を入賞させるに際し、前記停止指示に基づき各リール350A、350B、350C毎にそれぞれ設定されたすべりコマ数の範囲内で停止位置を調整して各リール350A、350B、350Cの回転を停止させ、予め定められた特典役に入賞した場合、小役グループを構成する複数の役のいずれにも入賞可能にすると共に、左リール350Aのすべりコマ数を、他のリール350B、350Cのすべりコマ数よりも少なくするチャンスタイムを実行して、チャンスタイムの実行中に、CT作動中であることを示す画像80をLCD313に表示して報知しているので、遊技の興趣を増大させることができる。
また、遊技者はチャンスタイム中であることが報知されることにより遊技状態の変化を確実に把握することができるだけでなくチャンスタイムに対する挑戦意欲が高まり、結果として興趣を増大させることができる。
本実施の形態によれば、停止指示に基づいて停止位置を調整する所謂すべり制御により、役の抽選結果と、表示手段の表示態様とに整合性を持たせている。
また、本実施の形態によれば、CT(チャンスタイム)というボーナスに入賞した場合に、予め定められた図柄列(左リール350A)については他の図柄列(中リール350B及び右リール350C)よりも少ないすべりコマ数の範囲内で停止位置が調整される所謂チャンスタイムとしているので、遊技者に遊技状態がチャンスタイムとなったことが分かりやすくなる。
なお、左リール350Aについては、他のリール350B、350Cよりも少ないすべりコマ数の範囲内で停止位置を調整するようにしているので、左リール350Aのすべりコマ数を少なくするほど、ほぼ遊技者の意図するタイミングで図柄の変動表示が停止されることになる。また、複数の役の何れにも入賞可能としているので、ほぼ何らかの役に入賞することができる。
また、本実施の形態によれば、チャンスタイムでの配当の総和が予め定められた上限値に到達した時点でチャンスタイムの実行を終了するようにしており、チャンスタイムにおいて獲得可能な遊技媒体の総和に上限を設けているので、チャンスタイムに対する過剰な射幸心を抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、LCD313に、上記チャンスタイムであることを示す画像に加え、チャンスタイムにおける総獲得枚数をさらに表示して報知しているので、チャンスタイムの終了時期や目押しの成功状況等、CTゲームの進行状況についても把握することができる。
なお、CT作動中であることを示す画像80及び総払出枚数を示す画像82は、演出画面を縮小してLCD313に表示して、空いたスペースに画像80、82を表示するようにしてもよいし、演出画面を縮小することなく、演出画面に重ねて画像80、82を表示するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、左リール350Aのすべりコマ数を1としているので、停止操作に1図柄分の余裕ができ、当該すべりコマ数を0とした場合と比較して、目押しが容易になる。
また、本実施の形態では、表示窓314において最も左側に表示される左リール350Aを常にチャンスタイムにおいてすべりコマ数を少なくするリールとしているので、すべりコマ数を少なくするリール350を遊技者の停止操作の順番により定める場合と比較して、停止制御が容易になる。
さらに、本実施の形態では、すべりコマ数を少なくするリール350を左リール350Aとした形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中リール350B、右リール350Cをすべりコマ数を少なくするリール350としてもよい。
また、本実施の形態では、すべりコマ数を少なくするリール350を1つとした形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のリールについてすべりコマ数を少なくする形態とすることもできる。
さらに、本実施の形態では、3つのリール350A、350B、350Cが設けられた遊技機に本発明を適用した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つのリールを備えた遊技機や、4つ以上のリールを備えた遊技機にも本発明を適用し得ることはいうまでもない。
なお、本実施の形態におけるパチスロ機の構成(図1乃至図4、図6乃至図9参照)及び各処理の流れ(図5及び図12乃至図14参照)は一例であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。