(遊技機の外観構成)
本実施形態の遊技機は、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行う。遊技機は、図1に示すように、筐体および前面扉FDからなる収納箱に、遊技機の正面と相対した場合の左側から右側にかけて左リールLR、中リールCRおよび右リールRRの3本のリールを備えたリールユニット610(図2参照)、メダル払出装置としてのホッパーユニット620(図2参照)、および遊技機の動作を制御する制御手段CU(図2参照)等が収納されている。
リールユニット610を構成する各リールLR、CR、RRは、リール本体にリールテープを巻きつけたものである。リールテープには、図6に示すように、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、赤7図柄C「赤7C」、ベル図柄「BL」、BAR図柄「BAR」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」の9種類の図柄から選んだ複数種類の図柄が、合計で21個配列されている。また、各リールLR、CR、RRは、ステッピングモータに軸支されており、それぞれのステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、「コマ」と称される1図柄の表示領域が所定の位置に停止するようになっている。
前面扉FDには表示窓DWが設けられており、それを通して各リールLR、CR、RRの外周面に表示された図柄を視認することができる。リールが停止した状態では、各リールLR、CR、RRに配列されている図柄のうち連続する3個の図柄が上段、中段、下段の各位置に停止して観察することができるようになっている。これらの図柄の表示位置によって遊技結果が判断される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダル数、いわゆる規定投入枚数が遊技状態により3枚または2枚に設定され、3枚または2枚のメダルが投入されると左リールLR、中リールCRおよび右リールRRのそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。そして、有効ラインに所定の図柄組合せが表示されると、予め定められた枚数のメダルを払い出したり、遊技状態が別の遊技状態に移行したりするようになっている。
前面扉FDの上部中央には、液晶表示装置710(図2参照)を構成する液晶表示ディスプレイLCDが配置され、遊技状態にあわせた各種演出を行ったり、遊技者に遊技に関する情報表示を行ったりする。また、前面扉FDの上部の左右端には、ランプ装置720(図2参照)を構成する報知ランプLPが設けられ、遊技者を高揚させる光演出が行われる。前面扉FDの上部左右および下部左右には、音響装置730(図2参照)を構成するスピーカーSPが設けられ、各種遊技音が出力される。液晶表示装置710、ランプ装置720およびに音響装置730等により、演出装置700が構成されている。
前面扉FDの表示窓DWの下部には、各種の操作手段が設けられている。遊技機正面と相対した場合の右側にはメダルを投入するためのメダル投入口MI、同じく左側にはクレジットされているメダルを投入するためのベットボタンBTが設けられている。ベットボタンBTの下には全リールLR、CR、RRの回転を開始させるスタートレバーSLが設けられている。スタートレバーSLの右側には、左リールLRの停止契機となる左ストップボタンLB、中リールCRの停止契機となる中ストップボタンCBおよび右リールRRの停止契機となる右ストップボタンRBが設けられている。
メダル投入口MIには、投入されたメダルをホッパーユニット620(図2参照)または前面扉FDの下部に設けたメダル払出口MOに誘導するメダル通路が連設されている。メダル通路の上流には、メダル投入受け付けを許可していない状態のときに投入されたメダルをメダル払出口MOから排出するブロッカー装置、および規定外のメダルを選別するメダルセレクターが設けられている。規定内と選別されたメダルはメダル投入スイッチ510(図2参照)を通過してからホッパーユニット620に貯留され、規定外と選別されたメダルはメダル払出口MOから排出される。ブロッカー装置またはメダルセレクターによりメダル払出口MOから排出されたメダルは、メダル受皿MPに貯留される。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンBTの操作を行うことで、リールLR、CR、RRの回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを操作すると、制御手段CUにおいてリールLR、CR、RRをステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、リールLR、CR、RRの回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンLB、CB、RBの操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンLB、CB、RBを押下していくと、ストップボタンLB、CB、RBのそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:たとえば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御手段CUに入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンLB、CB、RBを解放すると、ストップボタンLB、CB、RBそれぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御手段CUに入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御手段CUは、ストップボタンLB、CB、RBの押下タイミングおよび解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で左リールLR、中リールCR、右リールRRを停止させる。
(遊技機の概要)
本実施形態の遊技機の制御は、筐体内部に収納されている制御手段CUによって行われる。図2に示すように、制御手段CUは、遊技の進行を制御するメイン制御手段100と、メイン制御手段100から一方向で送信される遊技情報を受信して演出装置700を制御するサブ制御手段400とから構成される。メイン制御手段100およびサブ制御手段400は、それぞれCPU、ROM、RAM等を搭載した制御基板およびROMに記憶されているプログラム等からなる。
メダル投入口MIに連設されるメダル通路には、メダルの通貨を検知するメダル投入スイッチ510が、ベットボタンBTには、ベットボタンの操作を検知するベットスイッチ520が、スタートレバーSLには、スタートレバーの操作を検知するスタートスイッチ530が、各ストップボタンLR、CR、RRには、各ストップボタンの操作を検知するストップスイッチ540が、それぞれ設けられている。
メダル投入スイッチ510、ベットスイッチ520、スタートスイッチ530またはストップスイッチ540が作動すると、これらの信号がメイン制御手段100に出力される。
メイン制御手段100は、投入受付手段110、乱数発生手段120、内部抽選手段130、リール制御手段140、入賞判定手段150、払出制御手段160、リプレイ処理手段170、遊技状態移行制御手段180、演出モード決定手段200、フリーズ演出制御手段210、第1タイマー220、第2タイマー230およびメイン記憶手段300を含んでいる。
投入受付手段110は、次遊技開始前にメダルの投入を受け付け、規定投入数(3枚または2枚)のメダルが投入されたことに基づいて有効ラインL1を有効にし、スタートスイッチ530からの信号(以下「スタート信号」という)の受け付けを許可する。なお、規定投入数を超えたメダル投入は、最大50枚まで遊技機に貯留(クレジット)される。そして、メダルがクレジットされた場合には、次回以降の遊技において、ベットボタンBTの操作によりメダル投入が可能となる。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ510が作動することに伴って、投入受付手段110が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンBTが操作されると、ベットスイッチ520が作動することに伴って、投入受付手段110が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段120は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数値は、ハード乱数発生器やソフトウエアによる乱数発生器、またはこれらを組み合わせたものによって発生させることができる。本発明の実施形態に係る遊技機では、0〜65535までの乱数値、すなわち65536個の乱数値が発生するように構成されている。
内部抽選手段130は、スタート信号の入力に基づき所定のタイミングで乱数値を取得し、メイン記憶手段300に格納されている内部抽選テーブル310から遊技状態に応じた内部抽選テーブルを選択し、取得した乱数値と選択した内部抽選テーブルを参照して、役の当否を決定する。いずれかの役が選ばれたときは、その役に対応したフラグが抽選フラグ記憶手段320に一時的に記憶される。本実施形態の遊技機では、図4に示すように、通常状態で選択される内部抽選テーブルA、ボーナス成立状態で選択される内部抽選テーブルBおよびボーナス状態で選択される内部抽選テーブルCが記憶されている。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値のそれぞれに対して、1の小役が当選となる当選態様に加えて、重複役、特定役、リプレイおよびボーナスなどの各種の当選態様が対応付けられている。
本実施形態の遊技機では、小役として、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーが用意されている。これらのいずれかの役が重複した重複役である当選態様として、チェリー+特殊小役B、チェリー+特殊小役C、打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2が用意されている。これら重複役のうち打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1および打順ベルR2は、遊技結果として表示される図柄組合せが遊技者の停止操作態様、つまりは停止操作順序によって異なる特定役(これについては後述する)である。
内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおける特殊小役B、特殊小役Cおよびチェリーは、1回の内部抽選で1の小役のみが当選するように乱数値に対してそれぞれの小役が対応付けられた当選態様である。内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおけるチェリー+特殊小役Bおよびチェリー+特殊小役Cは、1回の内部抽選でチェリーと特殊小役Bまたは特殊小役Cが重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられた当選態様である。内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおける打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1および打順ベルR2は、1回の内部抽選でベルを含む複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられた当選態様であり、停止操作が正解打順でおこなわれるとベルの入賞となる図柄組合せが表示され、停止操作が不正解打順で行われるとベルの入賞となる図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される当選態様である。
具体的には、図5に示すように、各打順ベルについて以下の小役が当選する。打順ベルLは、ベルおよび特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルR1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。また打順ベルR2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、各打順ベルにおいてベルと1種類または2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルと重複して当選する特殊小役の数や組合せが異なっている。
本実施形態の遊技機では、リプレイとして通常リプレイと特殊リプレイとが用意されている。そして、内部抽選テーブルAでは、通常リプレイのみが当選するように設定されており、内部抽選テーブルBでは、通常リプレイおよび特殊リプレイが重複して当選するように設定されており、内部抽選テーブルCでは、いずれのリプレイも抽選対象から除外されている。
本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルBおよび内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
リール制御手段140は、リールLR、CR、RRの回転速度を加速させ、リールLR、CR、RRの回転が所定の速度(約80rpm:定常回転速度)に達したら、ストップスイッチ540からの信号(以下「ストップ信号」という)の受け付けを許可する。これによって、ストップボタンLB、CB、RBが有効化された状態となる。ストップ信号がメイン制御手段100に受け付けられると、リール制御手段140は、ストップ信号に対応するリールのステッピングモータへの駆動パルスの供給を停止して、当該対応する各リールLR、CR、RRを停止する制御を行う。
すなわちリール制御手段140は、ストップボタンLB、CB、RBの各ボタンが操作されるごとに、左リールLR、中リールCR、右リールRRのうち操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。本実施形態の遊技機では、左ストップボタンLBを操作することが左リールLRを停止させるための操作に対応し、中ストップボタンCBを操作することが中リールCRを停止させるための操作に対応し、右ストップボタンRBを操作することが右リールRRを停止させるための操作に対応する。従って、ストップボタンLB、CB、RBの操作順序が変化すると、左リールLR、中リールCR、右リールRRの停止順序が変化する。
本実施形態の遊技機では、原則的には、左リールLR、中リールCR、右リールRRについて、ストップボタンLB、CB、RBが操作された時点から190ms以内に、操作されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に左リールLRについて、左ストップボタンLBが操作された時点から75ms以内に停止し、中リールCRおよび右リールRRについて、中ストップボタンCB右ストップボタンRBが操作された時点から190ms以内に、操作されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの操作時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの操作時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲、第1の引き込み範囲)で決定される。またストップボタンの操作時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの操作時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0〜1コマの範囲(所定の引き込み範囲より狭い引き込み範囲、第2の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段140は、ストップボタンLB、CB、RBのうち操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(190ms以内に停止させる場合)、あるいは0コマ〜1コマの範囲内(75ms以内に停止させる場合)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
具体的には、リール制御手段140は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、メイン記憶手段300の停止制御テーブル記憶手段330に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ540の作動時点(ストップボタンの操作が検出された時点:停止操作のタイミング)におけるリールの位置である操作検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なおボーナス状態では、左リールLRについては操作検出位置から0コマ〜1コマの範囲内に存在する2コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、中リールCRおよび右リールRRについては上記と同様に操作検出位置に対応する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や操作検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンLB、CB、RBの操作順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順とは異なる順序が不正解打順として扱われる。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、メダルの払出数に応じて優先度を求めるロジック演算を行い、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算を行い、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。本実施形態では、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、および打順ベルR2のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンLB、CR、RBが操作されると、最初のリールを停止させる際にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補となっており、2番目以降に停止するリールにおいても正解打順である場合にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が高くなり、2番目以降に停止するリールにおいて不正解打順に転じた場合には最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が高くなるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図8に示すように、各打順ベルに含まれる複数種類の小役のうち、ベルは配当が6枚で入賞形態を示す図柄組合せの種類は1種類であり、特殊小役A1および特殊小役A2は、いずれも配当が1枚で入賞形態を示す図柄組合せの種類は各2種類、特殊小役Bおよび特殊小役Cは、いずれも配当が1枚で入賞形態を構成する図柄組合せの種類は各4種類となっている。このためいずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、メダルの払出数が多くなるベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる特殊小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段140は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
本実施形態の遊技機では、リールユニット610がフォトセンサからなるリールインデックスを備えており、リール制御手段140は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段140は、ストップスイッチ540の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、メイン記憶手段300の停止制御テーブル記憶手段330に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ540の作動時点(ストップボタンの操作が検出された時点)におけるリールの位置である操作検出位置と、操作検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、操作検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、リールユニット610を構成する左リールLR、中リールCR、右リールRRの外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、赤7図柄C「赤7C」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、特にベル図柄「BL」については、左リールLR、中リールCR、右リールRRの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上にベル図柄「BL」を表示させることができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、左リールLRの外周面に対して、リプレイ図柄A「RPA」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「RPA」を表示させることができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、中リールCRおよび右リールRRの外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、リプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPM」が隣接して配列されている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「PRA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」のいずれかを表示させることができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、左リールLRの外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」が隣接して配列されている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」のいずれかを表示させることができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、中リールCRの外周面に配列されているリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」が隣接して配列されており、ベル図柄「BL」に対してリプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」を挟んで赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかが位置するようになっている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかを表示させることができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、右リールRRの外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」が4コマ以内の間隔で配列されているとともに、BAR図柄「BAR」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、操作検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、操作検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」やBAR図柄「BAR」を表示させることができるようになっている。
そして内部抽選で打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図7に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる操作順序は不正解打順として扱われる。打順ベルLが当選した場合に、正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、ベルが入賞するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、特殊小役Bが入賞するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。また、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、ベルが入賞するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順でストップボタンLB、CB、RBが操作されると、左ストップボタンLBが最初に操作される打順1や打順2では、特殊小役A1や特殊小役A2が入賞する場合と、いずれの小役も入賞しない場合とが存在するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、中ストップボタンCBや右ストップボタンRBが最初に操作される打順3〜打順6では、特殊小役Bや特殊小役Cが入賞するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。なお停止制御テーブルにおいても、正解打順では最も多くのメダルが払い出される停止位置となるように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、不正解打順では有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類が最も多くなる停止位置となるように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
内部抽選で通常リプレイと特殊リプレイが重複して当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、ストップボタンLB、CB、RBが特定打順(RB→LB→CB、RB→CB→LB:右ストップボタンRBを最初に操作する順序)で操作された場合には特殊リプレイが入賞し、特定打順以外の順序でストップボタンLB、CB、RBが操作された場合には通常リプレイが入賞するように操作検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
入賞判定手段150は、有効ライン上における停止態様が、役を構成する図柄組合せであるか否かの判定を行う。回転中のすべてのリールLR、CR、RRが停止すると、メイン記憶手段300の入賞判定テーブル記憶手段340に記憶されている入賞判定テーブルを参照して、有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが予め定められている図柄組合せと一致するか判定する。具体的には、図8に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、特殊リプレイ、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーが入賞したことを判定する。なお、図8において、チェリーの入賞を示す図柄組合せのうち、「ANY」はすべての図柄を指す。
そして本実施形態では、特殊小役A1や特殊小役A2に対して、それぞれ2種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、特殊小役Bや特殊小役Cに対して、それぞれ4種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、いずれもベルの入賞形態を示す図柄組合せの種類よりも多くなっており、ベルの入賞形態と特殊小役Bの入賞形態とは、中リールCRについて共通の図柄が割り当てられており、ベルの入賞形態と特殊小役Cの入賞形態とは、右リールRRについて共通の図柄が割り当てられている。
ベルについては、図6に示すように、各リールLR、CR、RRにおいてベルの入賞形態を構成するベル図柄「BL」が、操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンLB、CB、RBの操作タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
特殊小役A1については、図6に示すように、左リールLRにおいて特殊小役A1の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と右リールRRにおいて特殊小役A1の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、中リールCRにおいて特殊小役A1の入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」およびBAR図柄「BAR」が引き込み範囲に含まれない操作検出位置が存在するため、中ストップボタンCBを適切なタイミングで操作しなければ入賞させることができない役となっている。したがって、中ストップボタンCBを赤7図柄A「赤7A」またはBAR図柄「BAR」を引き込めない位置で操作すると入賞なしとなる。
特殊小役A2については、図6に示すように、左リールLRにおいて特殊小役A2の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と右リールRRにおいて特殊小役A2の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、中リールCRにおいて特殊小役A2の入賞形態を構成する赤7図柄B「赤7B」および赤7図柄C「赤7C」が引き込み範囲に含まれない操作検出位置が存在するため、中ストップボタンCBを適切なタイミングで操作しなければ入賞させることができない役となっている。したがって、中ストップボタンCBを赤7図柄B「赤7B」または赤7図柄C「赤7C」を引き込めない位置で操作すると入賞なしとなる。
特殊小役Bについては、図6に示すように、左リールLRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、中リールCRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、右リールRRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンLB、CB、RBの操作タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
特殊小役Cについては、図6に示すように、左リールLRにおいて特殊小役Cの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、中リールCRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」と、右リールRRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンLB、CB、RBの操作タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
チェリーについては、図6に示すように、左リールLRにおいてチェリーの入賞形態を構成するチェリー図柄「CH」が引き込み範囲に含まれない操作検出位置が存在するため、左ストップボタンLBを適切なタイミングで操作しなければ入賞させることができない役となっている。したがって、チェリーのみが当選している場合は、チェリー図柄「CH」を引き込めない位置で左ストップボタンLBを操作すると入賞なしとなる。
本実施形態の遊技機では、図8に示すように、チェリーの配当は2枚であり、特殊小役Bおよび特殊小役Cの配当は1枚である。チェリーと特殊小役Bとが重複当選している場合またはチェリーと特殊小役Cとが重複当選している場合は、左リールLRについては、メダルの払出数が多いチェリーを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。左ストップボタンLBの操作をチェリー図柄「CH」の引き込める位置で行うと、チェリー図柄「CH」が有効ライン上に表示されることになり、左ストップボタンLBの操作をそれ以外の位置で行うと特殊小役Bおよび特殊小役Cの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」または赤7図柄B「赤7B」のいずれかが有効ライン上に表示されることになる。
中リールCRおよび右リールRRについては、チェリーの入賞形態を構成する図柄が「ANY」であることから、チェリーと重複して当選している特殊小役Bまたは特殊小役Cを入賞させるように引き込み処理が行われる。特殊小役Bとの重複当選であれば、中リールCRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、右リールRRにおいて特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、中ストップボタンCB、右ストップボタンRBの操作タイミングに関わらずに特殊小役Bの入賞形態を構成するこれらの図柄が有効ライン上に表示されることとなる。
特殊小役Cとの重複当選であれば、中リールCRにおいて特殊小役Cの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」と、右リールRRにおいて特殊小役Cの入賞形態を構成するベル図柄「BL」とが、いずれも操作検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、中ストップボタンCB、右ストップボタンRBの操作タイミングに関わらずに特殊小役Cの入賞形態を構成するこれらの図柄が有効ライン上に表示されることとなる。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段150の判定結果に基づいて、入賞判定処理が実行される。入賞判定処理としては、たとえば、小役(ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリー)が入賞した場合には払出制御手段160によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ)が入賞した場合にはリプレイ処理手段170によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には遊技状態移行制御手段180によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
なお、本実施形態では、図8に示すように、小役の配当が規定投入数によって決定されている。規定投入数が3枚である場合には、ベルの配当が6枚と最も高く設定され、チェリーの配当が2枚に設定され、これら以外の小役の配当は規定投入数よりも低い1枚に設定されている。規定投入数が2枚である場合には、ベルを含むすべての小役の配当が規定投入数と同数に設定されている。
払出制御手段160は、入賞判定手段150の判定結果に基づいてメダルの払い出しを行う。小役が入賞したときは役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定した払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット620に払い出させる制御を行う。ホッパーユニット620にはホッパーモーターが備えられており、払出制御手段160の指令により、ホッパーモーターを駆動させてメダルをメダル払出口MOからメダル受皿MPに払い出す。ホッパーユニット620には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチが備えられており、払出制御手段160は、払出メダル検出スイッチからの入力信号に基づいてホッパーユニット620から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
クレジット機能が有効な場合には、クレジット上限数までクレジットの加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。クレジット上限数に達した後は、ホッパーモーターを駆動させて残りの未払出メダルをメダル受皿MPに払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段170は、リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示された場合に、次回の遊技に必要な数のメダルを自動投入する処理を行い、次回の遊技開始操作を待つ。したがって、リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示された場合には、次回の遊技において遊技者がメダルを投入する必要はない。
遊技状態移行制御手段180は、図9に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/3.8に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。そしてボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルBでは、図4に示すように、内部抽選で不当選が発生することがなく小役あるいはリプレイが必ず当選するようになっている。
ボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段180は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、すべての乱数値に対してハズレが対応づけられた内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずにすべての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、左リールLRについては図柄の引き込み範囲が0コマ〜1コマに設定され、中リールCRと右リールRRについては図柄の引き込み範囲が0コマ〜4コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。そしてボーナス状態では、小役の抽選フラグが内部抽選の結果に関わらずに当選状態となる点で、他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
ボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(たとえば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段180は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)の当選により通常状態よりもリプレイの当選確率が高いボーナス成立状態へ移行させ、ボーナス成立状態において演出状態をAT状態へ移行させる機会を付与することによりAT遊技によってベルの入賞率を高めて遊技者にメダルを獲得させる手法を採用している。
本実施形態の遊技機においては、通常状態やボーナス成立状態では規定投入数が3枚に設定され、図8に示すように、ベルが入賞した場合に限って規定投入数よりも多い6枚のメダルが払い出されて遊技者が手持ちのメダルを増やすことができ、ボーナス状態では規定投入数が2枚に設定され、図8に示すように、いずれの小役が入賞しても2枚のメダルしか払い出されないため遊技者の手持ちのメダルの増減が発生しないようになっている。そしてボーナス成立状態では、図4に示す内部抽選テーブルBが参照されることによって、内部抽選でハズレ(不当選)が発生することがなく必ずリプレイあるいは小役のいずれかが当選するようになっているため、リプレイが高確率で当選することによって遊技者がメダルを消費しにくくなるとともに、演出状態がAT状態である場合には、入賞補助演出によって打順ベルの正解打順が報知されることによって遊技者が手持ちのメダルを増やすことができるようになっている。すなわちボーナス成立状態でAT遊技を行っている場合には、ボーナス状態よりもメダルの獲得の面で有利な状況にすることができ、遊技者にボーナス成立状態を長期に亘って維持する動機を与えることができる。
ボーナス成立状態において、ビッグボーナス(BB)よりも優先順位の高いリプレイや小役が必ず当選し、チェリーが当選した遊技で特定のタイミングでストップボタンを操作してチェリーの入賞を回避しなければ、ビッグボーナス(BB)を入賞させることができないようになっている。具体的には、リプレイや打順ベルの当選時には、図6に示すように、いずれのリールLR、CR、RRにおいても、必ずリプレイや打順ベルを構成する小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に引き込むことができるようになっているため、必ずビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるようになっており、またチェリー当選時については、図6に示すように、左リールLRにおいて4番のチェリー図柄「CH」に隣接するようにスイカ図柄「WM」が配列されているため、これらの図柄の配列の関係上、操作検出位置から4コマ以内の図柄を有効ライン上に引き込むことができるボーナス成立状態においてチェリーが当選した遊技では20番のリプレイ図柄「RP」が左リールLRの中段に表示されている操作検出位置以外では左リールLRの3番のスイカ図柄「WM」を左リールLRの中段に引き込むことができないようになっている。このため、一旦ボーナス成立状態に移行すると、ビッグボーナス(BB)を入賞させることがきわめて困難な状況となっており、遊技者の操作負担を軽減しつつ長期に亘ってボーナス成立状態に滞在させることができるようになっている。そして、ボーナス成立状態において長期に亘る遊技を行わせて、演出状態がAT状態に設定されると、遊技状態を移行させることなく遊技者が手持ちのメダルを増やすことができるAT遊技を行うことができるようになっている。このように本実施の形態では、ボーナス成立状態ではビッグボーナス(BB)が入賞しない限り遊技状態の変動が起きないことを利用して、ボーナス成立状態において高確率でリプレイを当選させるようにして遊技者がメダルを消費しにくい状況でAT遊技を実行できるようになっている。
本実施形態の遊技機では、遊技状態移行制御手段180は、メイン記憶手段300の遊技状態カウンタ390の値に基づいて、ボーナス成立状態における遊技状態(以下「ボーナス成立遊技状態」という)を、図9に示すように、ノーマル状態(第一遊技状態)、フリーズ可能状態(第二遊技状態)およびAT信号出力状態(第三遊技状態)の間で移行させる制御を行う。遊技状態カウンタ390の値は、0、1または2のいずれかであり、所定の条件が成立するとリセットまたは更新される。
ノーマル状態は、遊技状態が通常状態からボーナス成立状態へ移行したときのボーナス成立遊技状態における初期状態であり、このときの遊技状態カウンタ390の値は0である。本実施形態の遊技機では、内部抽選手段130が、前記した当選態様のうち、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1または打順ベルR2(以下これら4種類の打順ベルを総称して「変則打順ベル」という)のいずれかの当選態様を決定し、その遊技において当選態様に対応した正解打順で遊技者が停止操作したときに、停止操作態様が一致していると判断して遊技状態カウンタ390の値を更新する。遊技状態カウンタ390の値は0から1に変更され、遊技状態移行制御手段180は、ボーナス成立遊技状態をフリーズ可能状態に移行させる制御を行う。
フリーズ可能状態は、後述するフリーズ演出制御手段210により、フリーズ演出を実行できるボーナス成立遊技状態である。本実施形態の遊技機では、フリーズ可能状態で遊技することができる遊技回数に上限を設けている。メイン記憶手段300の遊技回数カウンタ395により、フリーズ可能状態で遊技した回数をカウントしている。遊技回数カウンタ395の初期値は0であり、フリーズ可能状態で遊技が行われるごとに遊技回数カウンタ395の値を(たとえば1)インクリメント更新する。そして、遊技回数カウンタ395の値がしきい値(たとえば30)になったときに、既定遊技回数を消化したと判断して、遊技回数カウンタ395および遊技状態カウンタ390の値をリセットする。遊技状態カウンタ390の値は1から0に変更され、遊技状態移行制御手段180は、ボーナス成立遊技状態をノーマル状態に移行させる制御を行う。
また、本実施形態の遊技機では、フリーズ可能状態で内部抽選手段130が、前記した当選態様のうち、変則打順ベルのいずれかの当選態様を決定し、その遊技において当選態様に対応した正解打順で遊技者が停止操作したときに、停止操作態様が一致していると判断して遊技状態カウンタ390の値を更新する。遊技状態カウンタ390の値は1から2に変更され、遊技状態移行制御手段180は、ボーナス成立遊技状態をAT信号出力状態に移行させる制御を行う。
AT信号出力状態は、ホールコンピュータやデータカウンタといった外部装置800(図2参照)に対して、演出状態がAT状態である旨の信号を出力している状態である。メイン制御手段100は、サブ制御手段400から演出状態に関する情報を受信することができない。しかし、内部抽選手段130が変則打順ベルのいずれかの当選態様を決定し、その遊技において当選態様に対応した正解打順で遊技者が停止操作することは、後述する入賞補助演出が実行されている状態、すなわち演出状態がAT状態でなければ困難である。いいかえると、内部抽選手段130が変則打順ベルのいずれかの当選態様を決定し、遊技者がその正解打順で停止操作を行っているのであれば演出状態がAT状態であると認識できる。
また、本実施形態の遊技機では、AT信号出力状態で内部抽選手段130が、前記した当選態様のうち、打順ベルL、C1、C2、R1、R2のいずれかの当選態様を決定し、その遊技において不正解打順で遊技者が停止操作してベルの入賞形態となる図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されたとき、すなわち打順ベルを取りこぼしたときに、遊技状態カウンタ390の値をリセットする。遊技状態カウンタ390の値は2から0に変更され、遊技状態移行制御手段180は、ボーナス成立遊技状態をノーマル状態に移行させる制御を行う。入賞補助演出が実行されている状態において、打順ベルを取りこぼすことは本来ありえず、演出状態が非AT状態であると認識できる。ボーナス成立遊技状態がノーマル状態に移行するのに伴い、演出状態がAT状態である旨の信号も停止する。なお、遊技者の操作ミスを考慮して、打順ベルの取りこぼしが複数回発生したときに、ボーナス成立遊技状態をAT信号出力状態からノーマル状態に移行させるようにしてもよい。
メイン制御手段100には、図示していないが、遊技情報送信手段が含まれている。遊技情報送信手段は、主に遊技者が遊技を実行したことに基づいて発生する遊技情報をコマンドとして、サブ制御手段400に一方向で送信する。送信する遊技情報は、たとえばメダル投入、ベットボタンBTの操作、スタートレバーSLの操作、内部抽選の結果、各ストップボタンLB、CB、RBの操作、入賞判定の結果、メダルの払出、遊技状態の移行などである。本実施形態の遊技機においては、後述するフリーズ演出制御手段210が実行するフリーズ演出の態様に関する遊技情報も、フリーズ演出を実行する前にサブ制御手段400へ送信している。
演出モード決定手段200は、遊技者による操作により演出モードを決定する制御を行う。本実施形態の遊技機では、前記した遊技状態カウンタ390の値が1に更新されたとき、すなわち、内部抽選手段130が変則打順ベルのいずれかの当選態様を決定し、その遊技において当選態様に対応した正解打順で遊技者が停止操作して、決定された当選態様に対応した停止操作態様と一致していると判断された場合に、次回の遊技のメダル投入受付に先立って遊技者が演出モードを選択し、決定できるようになっている。
演出モードは、図11に示すように、メイン制御手段100により実行されるフリーズ演出のモードとサブ制御手段400により演出装置700を用いて実行される演出のモードの、一方または両方により構成することができる。本実施形態の遊技機では、決定した演出モードに基づく演出を、演出状態がCZ(チャンスゾーン)状態(これについては後述する)となっているときに実行することから、サブ制御手段400により演出装置700を用いて実行される演出を「チャンス演出」といい、その演出モードを「チャンス演出モード」という。フリーズ演出は、たとえばスタートレバーSLの操作後一定時間リールLR、CR、RRの回転開始を制限したり、リールLR、CR、RRの回転開始後一定時間ストップスイッチからの入力信号を受け付けずにストップボタンLB、CB、RBの操作を制限したりするなどして、遊技の進行を遅延させる演出である。
演出モードの選択は、液晶表示装置710に表示される演出モードに関連する画像を見ながら、遊技者が左ストップボタンLBまたは右ストップボタンRBを操作して行う。本実施形態の遊技機には、図11に示すように、フリーズ演出モードFAとチャンス演出モードCAとを組み合わせた演出モードA、フリーズ演出モードFBとチャンス演出モードCBとを組み合わせた演出モードB、フリーズ演出モードFCとチャンス演出モードCCとを組み合わせた演出モードC、およびフリーズ演出モードFDとチャンス演出モードCDとを組み合わせた演出モードDの4種類の演出モードが用意されている。初期状態では、演出モードAが選択された状態であり、演出モードAに関連する画像が液晶表示装置710に表示されている。遊技者が右ストップボタンRBを押すと、演出モードBが選択された状態となり、メイン制御手段100に含まれている遊技情報送信手段(図示省略)を介して、右ストップボタンRBが操作された旨のコマンドがサブ制御手段400に送信されることで、演出モードBに関連する画像に液晶表示装置710の表示が切り換る。さらに遊技者が右ストップボタンRBを押すと、演出モードCが選択された状態となり、同様のコマンド送信に基づき演出モードCに関連する画像に液晶表示装置710の表示が切り換る。さらに遊技者が右ストップボタンRBを押すと、演出モードDが選択された状態となり、同様のコマンド送信に基づき演出モードDに関連する画像に液晶表示装置710の表示が切り換る。さらに遊技者が右ストップボタンRBを押すと、初期状態である演出モードAが選択された状態となり、同様のコマンド送信に基づき演出モードAに関連する画像に液晶表示装置710の表示が切り換る。つまり、初期状態である演出モードAが選択されている状態から、遊技者が右ストップボタンRBを押すごとに、選択される演出モードがA→B→C→D→Aの順番で変更され、それとともに液晶表示装置710に表示されている画像も切り換る。遊技者が左ストップボタンLBを操作した場合は、選択される演出モードがA→D→C→B→Aというように、右ストップボタンRBを操作するのとは反対の順番で変更され、それともに液晶表示装置710に表示されている画像も切り換る。
そして、遊技者がベットボタンBTを操作することによりベットスイッチ520からの信号がメイン制御手段100に入力されるか、または遊技者がメダル投入口MIにメダルを投入することによりメダル投入スイッチ510からの信号がメイン制御手段100に入力されるかすると、演出モード決定手段200は、それ以後演出モードを変更できないようにし、これにより演出モードを決定する制御を行う。そして、メイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350に、決定した演出モードに対応するフリーズ演出モードフラグをセットする。決定された演出モードに基づく演出は、ボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態において、またそのボーナス成立遊技状態に対応した演出状態であるCZ状態において実行される。
図11に示すように、演出モードAは、フリーズ演出のないフリーズ演出モードFAと春の庭園をモチーフにした画像を中心とするチャンス演出モードCAとからなり、実質的には、チャンス演出のみから構成される演出モードである。演出モードBは、リール回転開始条件成立後または全リール定常回転速度到達後にフリーズを発生させるフリーズ演出モードFBと、夏の海岸をモチーフにした画像を中心とするチャンス演出モードCBとから構成される演出モードである。フリーズ発生中には、チャンス演出の中でも特別な画像を液晶表示装置710に表示させる演出モードである。演出モードCは、チェリー入賞に対するメダル払出完了後にフリーズを発生させるフリーズ演出モードFCと、秋の庭園をモチーフにした画像を中心とするチャンス演出モードCCとから構成される演出モードであり、演出モードDは、リール回転開始条件成立後にフリーズを発生させるフリーズ演出モードFDと、冬の温泉街をモチーフにした画像を中心とするチャンス演出モードCDとから構成される演出モードである。演出モードCおよび演出モードDは、演出モードBと同様、フリーズ発生中にチャンス演出の中でも特別な画像を液晶表示装置710に表示させる演出モードである。なお、リール回転開始条件成立後とは、スタートレバーSLが操作され内部抽選処理が完了した後である。
図12に示すように、フリーズ演出モードFBに含まれるフリーズ演出の態様として、B−1およびB−2の2種類が用意されている。フリーズ演出態様B−1は、リール回転開始条件成立後2秒経過してから全リールLR、CR、RRの回転を開始するという内容のフリーズ演出である。スタートレバーSLを操作しても、2秒間はリールの回転が開始されないことになる。フリーズ演出態様B−2は、全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達した後2秒経過するまでストップボタンLB、CB、RBの操作を受付けないという内容のフリーズ演出である。全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達した後2秒間はいずれのストップボタンLB、CB、RBを操作しても、ストップスイッチ540からメイン制御手段100への信号入力を許可しないようになっている。
フリーズ演出モードFCに含まれるフリーズ演出の態様として、C−1の1種類が用意されている。フリーズ演出態様C−1は、チェリー入賞に対するメダルの払出完了後10秒経過するまでメダル投入およびベットボタンBTの操作を受付けないという内容のフリーズ演出である。チェリーの入賞形態を構成する図柄組合せが表示され、それに対するメダルの払出が完了した後10秒間はベットボタンBTを操作しても、ベットスイッチ520からメイン制御手段100への信号入力を許可しないようになっている。また、この間にメダル投入口MIから投入されたメダルは、メダル通路に設けられているブロッカー装置が作動して、メダル投入スイッチ510を通過することなく、メダル払出口MOからメダル受皿MPに排出されるようになっている。
フリーズ演出モードFDに含まれるフリーズ演出の態様として、D−1、D−2およびD−3の3種類が用意されている。フリーズ演出態様D−1は、リール回転開始条件成立後4秒経過してから全リールLR、CR、RRの回転を開始するという内容のフリーズ演出である。スタートレバーSLを操作しても、4秒間はリールの回転が開始されないことになる。フリーズ演出態様D−2は、全リールLR、CR、RRの回転を開始させた後4秒経過するまで、全リールLR、CR、RRの回転速度を定常回転速度よりも遅い速度(たとえば約30rpm)に維持するという内容のフリーズ演出である。スタートレバーSLの操作により全リールLR、CR、RRの回転は開始されるが、全リールLR、CR、RRの回転速度をすぐに定常回転速度まで引き上げるのではなく、4秒間をゆっくり回転させる。全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達する前は、いずれのストップボタンLB、CB、RBを操作しても、ストップスイッチ540からメイン制御手段100への信号が入力できないようになっている。フリーズ演出態様D−3は、リール回転開始条件成立後に左リールLRのみ回転を開始し、2秒経過してから中リールCRの回転を開始し、さらに2秒経過してから右リールRRの回転を開始するという内容のフリーズ演出である。スタートレバーSLを操作すると左リールLRから回転を開始し、2秒経過するごとに中リールCR、右リールRRの順に回転が開始される。全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達するのは、当然に右リールRRの回転開始後であり、全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達する前は、いずれのストップボタンLB、CB、RBを操作しても、ストップスイッチ540からメイン制御手段100への信号入力を許可しないようになっている。
フリーズ演出制御手段210は、後述するチャンス演出制御手段440とともに、制御手段CUに含まれる演出制御手段を構成し、遊技者が決定した演出モードに基づく演出を実行する制御を行う。フリーズ演出制御手段210は、メイン制御手段100に含まれ、フリーズ演出を実行するか否か、およびフリーズ演出を実行する場合のフリーズ演出態様を決定し、決定したフリーズ演出態様のフリーズ演出を実行する制御を行う。
本実施形態の遊技機では、決定されているフリーズ演出モードがない場合および決定されているフリーズ演出モードがフリーズ演出モードFAである場合には、フリーズ演出制御手段210により実行されるフリーズ演出はない。
決定されている演出モードが演出モードCである場合には、チェリー入賞によるメダルの払出完了後に、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出態様C−1のフリーズ演出を実行する制御を行う。
決定されているフリーズ演出モードがフリーズ演出モードFBまたはフリーズ演出モードFDである場合には、リールの回転開始に先立ち、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー(小役の単独当選)、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役のいずれかであることを条件に、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出を行うか否かおよびフリーズ演出を行う場合のフリーズ演出態様を決定するフリーズ抽選を行う。フリーズ抽選は、所定のタイミングで乱数値を取得し、メイン記憶手段300に格納されているフリーズ抽選テーブル記憶手段370から、演出モードおよび当選態様に応じたフリーズ抽選テーブルを選択し、取得した乱数値と選択したフリーズ抽選テーブルを参照して、実行するフリーズ演出の態様またはフリーズ演出を実行しない旨を決定する。本実施形態の遊技機では、図13に示すフリーズ抽選テーブルを用いて、フリーズ抽選が行われる。そして、決定したフリーズ演出態様に対応するフリーズ演出態様フラグを、メイン記憶手段300のフリーズ演出態様フラグ記憶手段360にセットする。
フリーズ演出モードFBにおいて、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリーである場合にはフリーズ抽選テーブルBAを参照し、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合にはフリーズ抽選テーブルBBを参照し、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合にはフリーズ抽選テーブルBCを参照し、フリーズ演出態様B−1、フリーズ演出態様B−2またはフリーズ演出態様なし(つまりはフリーズ演出を実行しない旨)を決定する。
フリーズ演出態様B−1またはB−2のいずれかが選択される確率は、フリーズ抽選テーブルBAが最も大きく、ついでフリーズ抽選テーブルBB、フリーズ抽選テーブルBCの順に小さくなっていく。つまり、当選態様がチェリーの場合にフリーズ演出が実行される確率が最も大きく、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役の場合にフリーズ演出が実行される確率が最も小さくなっている。また、フリーズ抽選テーブルBAでは、フリーズ演出態様B−1が選択される確率はフリーズ演出態様B−2が選択される確率よりも小さくなっている。フリーズ抽選テーブルBBでは、フリーズ演出態様B−1が選択される確率とフリーズ演出態様B−2が選択される確率とが同程度である。フリーズ抽選テーブルBCでは、フリーズ演出態様B−1が選択される確率はフリーズ演出態様B−2が選択される確率よりも大きくなっている。
フリーズ演出モードFDにおいて、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリーである場合にはフリーズ抽選テーブルDAを参照し、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合にはフリーズ抽選テーブルDBを参照し、内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合にはフリーズ抽選テーブルDCを参照し、フリーズ演出態様D−1、フリーズ演出態様D−2、フリーズ演出態様D−3またはフリーズ演出態様なし(つまりはフリーズ演出を実行しない旨)を決定する。
フリーズ演出態様D−1、D−2またはD−3のいずれかが選択される確率は、フリーズ抽選テーブルDAが最も大きく、ついでフリーズ抽選テーブルDB、フリーズ抽選テーブルDCの順に小さくなっていく。フリーズ演出モードFBと同様、当選態様がチェリーの場合にフリーズ演出が実行される確率が最も大きく、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役の場合にフリーズ演出が実行される確率が最も小さくなっている。また、フリーズ抽選テーブルDAでは、フリーズ演出態様D−1が選択される確率はフリーズ演出態様D−2が選択される確率よりも小さく、フリーズ演出態様D−2が選択される確率はフリーズ演出態様D−3が選択される確率よりも小さくなっている。フリーズ抽選テーブルDBでは、フリーズ演出態様D−1が選択される確率とフリーズ演出態様D−2が選択される確率とフリーズ演出態様D−3が選択される確率とが同程度である。フリーズ抽選テーブルDCでは、フリーズ演出態様D−1が選択される確率はフリーズ演出態様D−2が選択される確率よりも大きく、フリーズ演出態様D−2が選択される確率はフリーズ演出態様D−3が選択される確率よりも大きくなっている。
フリーズ演出制御手段210は、フリーズ演出モードFCにおいてはチェリー入賞が発生すると必ずフリーズ演出態様C−1のフリーズ演出を実行する制御を行い、フリーズ演出モードFBまたはフリーズ演出モードFDにおいては上記したフリーズ抽選の結果に基づいてフリーズ演出態様B−1、B−2、D−1、D−2またはD−3のフリーズ演出を実行する制御を行う。フリーズ演出態様B−1、B−2、C−1、D−1、D−2およびD−3を実行するのに必要なデータは、メイン記憶手段300のフリーズ演出データ記憶手段380に記憶されている。
第1タイマー220は、遊技間隔が4.1秒未満とならないように管理するための計時手段である。本実施形態の遊技機では、全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達したときを基準にして遊技間隔を管理している。前回の遊技において全リールLR、CR、RRの回転速度が定常回転速度に達したときから第1タイマーが計時を開始し、それから4.1秒経過していることを条件に、リール制御手段140が全リールLR、CR、RRの回転速度を定常回転速度にする制御を行う。
第2タイマー230は、フリーズ演出の実行を管理するための計時手段である。第2タイマー230には、フリーズ演出実行前にフリーズ演出態様に基づいた時間がセットされ、フリーズ演出制御手段210は、第2タイマー230を参照しながら、フリーズ演出を実行する制御を行う。
サブ制御手段400は、図2および図3に示すように、メイン制御手段100からの遊技情報を受信して、液晶表示装置710、ランプ装置720、音響装置730などの演出装置700の制御を行う。サブ制御手段400には、遊技情報受信手段(図示省略)が含まれ、メイン制御手段100から送信された遊技情報を受信し、その内容をサブ記憶手段450の遊技情報記憶手段(図示省略)に一時的に記憶している。サブ制御手段400は、これを読み出して演出の選択に必要な各種フラグを演出フラグ記憶手段451に設定するとともに、演出データ記憶手段452に記憶されている演出データに基づいて演出を実行する制御を行う。
本実施形態の遊技機では、遊技状態がボーナス成立状態である場合に、演出状態変更制御手段405が、演出状態を図10に示すように、普通演出状態、CZ準備状態、CZ状態およびAT状態の間で変更する制御を行うようになっている。
普通演出状態は、遊技状態が通常状態からはボーナス成立状態へ移行したときの初期の演出状態であり、ボーナス成立状態において演出装置700を使用した一般的な演出が実行される状態である。普通演出状態では、演出状態変更制御手段405が演出状態をCZ準備状態またはAT状態に変更させるか否かの抽選を行っている。具体的な抽選内容は後述する。
CZ準備状態は、上記の抽選結果が演出状態をCZ状態に変更する旨(以下「CZ当選」という)であった場合に変更される演出状態であり、CZ状態において実行する演出モードを選択するための演出状態である。CZ準備状態では、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451に当選態様に関するフラグとしていずれかの変則打順ベルC1、C2、R1、R2に当選した旨のフラグが記憶されている場合に、その当選態様に対応した停止操作態様すなわち正解打順が報知される。そして、報知した停止操作態様と遊技者による停止操作態様とが一致していると、液晶表示ディスプレイLCDに演出モード選択用の画像が表示される。停止操作態様の報知は停止操作態様報知手段420によって実行され、演出モード選択用の画像表示は演出モード選択手段430によって実行される。これらについては後述する。
CZ状態は、CZ準備状態において演出モードの選択が行われた後の演出状態である。CZ状態では、演出状態変更制御手段405が演出状態をAT状態に変更させるか否かの抽選を行っている。具体的な抽選内容は後述する。CZ状態における抽選は、普通演出状態における抽選に比べ、演出状態をAT状態に変更する旨の結果となる確率が高確率となっている。したがって、CZ状態は普通演出状態に比べ、演出状態がAT状態に変更されるチャンスの大きいゾーンである。また、CZ状態は、メイン制御手段100において管理しているボーナス成立遊技状態のフリーズ可能状態における演出状態であり、メイン制御手段100のフリーズ演出制御手段210によって実行されるフリーズ演出に対応したチャンス演出が実行される状態である。チャンス演出は、後述するチャンス演出制御手段440によって実行される。
本実施形態の遊技機では、サブ制御手段400により演出状態がCZ状態から普通演出状態に変更されるタイミングと、メイン制御手段100によりボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態からノーマル状態に移行するタイミングとが一致するように、両者の上限遊技回数を同じ30回としている。したがって、CZ状態において既定の遊技回数(30回)を消化すると、演出状態がCZ状態から普通演出状態に変更されるようになっている。
AT状態は、普通演出状態における抽選またはCZ状態における抽選(以下、前者を「低確率AT抽選」といい、後者を「高確率AT抽選」といい、両者をまとめて「AT抽選」という)において、抽選結果が演出状態をAT状態に変更する旨(以下「AT当選」という)であった場合に変更される演出状態である。AT状態では、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451に当選態様に関するフラグとしていずれかの打順ベルL、C1、C2、R1、R2に当選した旨のフラグが記憶されている場合に、入賞補助演出が実行される。入賞補助演出は、後述する入賞補助演出制御手段410によって実行される。本実施形態の遊技機では、入賞補助演出で報知された正解打順に沿ってストップボタンを操作すると必ずベルが入賞して6枚のメダルを獲得することができるようになっているため、遊技者が手持ちのメダルを増やすことができる。
また、本実施形態の遊技機では、AT状態で行われる遊技回数の上限を30回とし、AT状態において既定の遊技回数(30回)を消化すると、演出状態がAT状態から普通演出状態に変更されるようになっている。
本実施形態において、AT当選を契機とするAT状態が、第一演出状態であり、CZ当選を契機とするCZ準備状態およびCZ状態によって構成される演出状態が、第二演出状態である。
本実施形態の遊技機では、内部抽選でチェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役のいずれかの当選態様が決定されたことを契機として、演出状態変更制御手段405が、普通演出状態においては低確率AT抽選を行い、CZ状態においては高確率AT抽選を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をサブ記憶手段450のAT抽選テーブル記憶手段453に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。なお、低確率AT抽選においては、AT当選したか否かを判定するとともに、CZ当選したか否かも判定する。
抽選結果がAT当選の場合には、30回分の遊技に相当する値としてATカウンタ454の値を「30」に設定し、演出フラグ記憶手段451にATフラグをセットして、演出状態をAT状態に変更する制御を行う。AT状態における遊技回数は任意に設定できることは言うまでもない。抽選結果がCZ当選の場合には、演出フラグ記憶手段451にCZ準備フラグをセットして、演出状態をCZ準備状態に変更する制御を行う(図10参照)。
本実施形態の遊技機では、図14に示すように、AT抽選テーブルとして、普通演出状態で使用するAT抽選テーブルLA〜AT抽選テーブルLC、およびCZ状態で使用するAT抽選テーブルHA〜AT抽選テーブルHCが用意されている。
AT抽選テーブルLAは、普通演出状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリーである場合に使用する。AT抽選テーブルLAには、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、CZ当選またはAT当選のいずれかが対応付けられている。AT抽選テーブルLAには「はずれ」がなく、チェリーに当選すると演出状態は、AT状態に変更されるか少なくともCZ準備状態に変更されることになる。
AT抽選テーブルLBは、普通演出状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合に使用する。AT抽選テーブルLCは、普通演出状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合に使用する。AT抽選テーブルLBおよびAT抽選テーブルLCには、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、「はずれ」、CZ当選またはAT当選のいずれかが対応付けられている。AT抽選テーブルLBにおけるAT当選の確率およびCZ当選の確率は、AT抽選テーブルLCのそれより大きくなっている。
AT抽選テーブルHAは、CZ状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリーである場合に使用する。AT抽選テーブルHAには、0〜32767までの32768個の乱数値すべてがAT当選に対応付けられている。チェリーに当選すると演出状態は、AT状態に必ず変更されることになる。
AT抽選テーブルHBは、CZ状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合に使用する。AT抽選テーブルHCは、CZ状態において内部抽選で決定された当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合に使用する。AT抽選テーブルHBおよびAT抽選テーブルHCには、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、「はずれ」またはAT当選のいずれかが対応付けられている。AT抽選テーブルLBにおけるAT当選の確率は、AT抽選テーブルLCのそれより大きくなっている。
当選態様がチェリーである場合に参照されるAT抽選テーブルLAとAT抽選テーブルHAを比較すると、AT抽選テーブルLAにおけるAT当選確率は、AT抽選テーブルHAにおけるAT当選確率の1/3程度となっている。同様に、当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合に参照されるAT抽選テーブルLBにおけるAT当選確率は、AT抽選テーブルHBの1/3程度となっており、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合に参照されるAT抽選テーブルLCにおけるAT当選確率は、AT抽選テーブルHCの1/3程度となっている。つまり、CZ状態からAT状態に演出状態が変更される確率は、普通演出状態からAT状態に変更される確率の約3倍ということである。
また、演出状態が普通演出状態である場合に参照されるAT抽選テーブルLA、AT抽選テーブルLBおよびAT抽選テーブルLCを比較すると、AT抽選テーブルLCにおけるCZ当選確率およびAT当選確率は、いずれもAT抽選テーブルLBにおけるCZ当選確率およびAT当選確率の1/2程度であり、AT抽選テーブルLAにおけるCZ当選確率およびAT当選確率の1/4程度である。演出状態がCZ状態である場合に参照されるAT抽選テーブルHA、AT抽選テーブルHBおよびAT抽選テーブルHCを比較しても、AT抽選テーブルHCにおけるAT当選確率は、AT抽選テーブルHBにおけるAT当選確率の1/2程度であり、AT抽選テーブルHAにおけるAT当選確率の1/4程度である。つまり、演出状態が変更される確率は、当選態様がチェリーである場合が最も大きく、当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役である場合がその半分程度であり、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役である場合がさらにその半分程度である。
演出状態変更制御手段405は、演出状態がCZ準備状態において、停止操作態様報知手段420が報知した停止操作態様と遊技者が行った停止操作態様とが一致しているか判断し、一致している場合には、30回分の遊技に相当する値としてCZカウンタ455の値を「30」に設定し、演出フラグ記憶手段451に記憶されているCZ準備フラグをクリアするとともにCZフラグをセットして、演出状態をCZ準備状態からCZ状態に変更する制御を行う(図10参照)。
本実施形態の遊技機では、後述するように当選態様がいずれかの変則打順ベルC1、C2、R1、R2である場合に、停止操作態様報知手段420が当選した変則打順ベルの正解打順を停止操作態様として報知するので、その遊技機おいてベルの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されれば遊技者が報知された停止操作態様に沿って遊技したと判断できる。ベルの入賞があった旨の遊技情報は、メイン制御手段100の遊技情報送信手段(図示省略)から、サブ制御手段400の遊技情報受信手段(図示省略)へ送信されてサブ記憶手段450の遊技情報記憶手段(図示省略)に一時的に記憶された後、演出に必要なフラグとして演出フラグ記憶手段451に記憶されているのは前記したとおりである。
演出状態変更制御手段405は、演出状態がCZ状態で遊技が行われるごとにCZカウンタ455の値から1回分の遊技回数に相当する値(たとえば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、CZカウンタ455の記憶値がしきい値(たとえば、0)に達すると、既定の遊技回数を消化してCZ状態の終了条件が成立したものと判断して、演出フラグ記憶手段451に設定されているCZフラグをクリアして、演出状態をCZ状態から普通演出状態に変更する制御を行う(図10参照)。
また、演出状態変更制御手段405は、演出状態がAT状態で遊技が行われるごとにATカウンタ454の値から1回分の遊技回数に相当する値(たとえば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、ATカウンタ454の記憶値がしきい値(たとえば、0)に達すると、既定の遊技回数を消化してAT状態の終了条件が成立したものと判断して、演出フラグ記憶手段451に設定されているATフラグをクリアして、演出状態をAT状態から普通演出状態に変更する制御を行う(図10参照)。
なお、ボーナス表示がなされると遊技状態がボーナス成立状態からボーナス状態に移行するので(図9参照)、演出状態変更制御手段405は、演出状態に関してセットされているフラグをクリアし、必要ならばATカウンタ454およびCZカウンタ455の値をリセットして、演出状態をボーナス状態に対応する演出状態に変更する制御を行う。
入賞補助演出制御手段410は、演出状態がAT状態において、当選態様がいずれかの打順ベルL、C1、C2、R1、R2である場合に、ストップボタンの操作順序を報知してベルの入賞を補助する入賞補助演出を液晶表示装置710、ランプ装置720、音響装置730などの演出装置700に実行させる制御を行う。入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、たとえば、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する音声をスピーカーSPから出力させたりすることができる。
停止操作態様報知手段420は、演出状態がCZ準備状態において、当選態様がいずれかの変則打順ベルC1、C2、R1、R2である場合に、当選した変則打順ベルに応じた正解打順を報知する。本実施形態の遊技機では、入賞補助演出と同じ態様で正解打順を報知しているが、入賞補助演出とは異なる態様で正解打順を報知してもよい。
演出状態がCZ準備状態において、停止操作態様の報知対象となる当選態様を変則打順ベルとしたのは、内部抽選におけるこれらの当選確率が他の当選態様の当選確率より比較的大きい点にある。停止操作報知手段420による報知の発動機会は、報知対象となる当選態様の当選確率に影響を受ける。報知対象として当選確率が小さい当選態様を選んでしまうと、停止操作態様の報知がなかなか行われず、CZ準備状態からCZ状態への演出状態の変更が速やかに行えなくなるためである。そして、停止操作態様を変則打順ベルの正解打順とすることで、遊技者による停止操作態様を記憶し、報知した停止操作態様と一致しているか判断する手段を別に設けなくとも、ベル入賞の有無によって停止操作態様が一致しているか否かを判断できるためである。
演出モード選択手段430は、停止操作態様報知手段420が報知した停止操作態様と遊技者による停止操作態様とが一致した場合に、演出モードを選択する処理を実行する。本実施形態の遊技機では、演出モードを選択できる状態になると、演出モード選択手段430は、演出モードA、演出モードB、演出モードCまたは演出モードDのいずれかに対応する画像を液晶表示装置710に表示させる制御を行う。前記したとおり、最初に表示されるのは演出モードAに対応した画像であり、遊技者が右ストップボタンRBまたは左ストップボタンLBを操作するごとに、メイン制御手段100から送信される遊技情報を受信して、演出モードB、演出モードCまたは演出モードDに対応する画像に切り換えて表示する制御を行う。そして、遊技者がベットボタンBTを操作するかメダル投入口MIにメダルを投入すると、メイン制御手段100から送信されるそれに関する遊技情報を受信して、そのときに液晶表示装置710に表示されている画像に対応した演出モードをチャンス演出モードとし、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にチャンス演出モードフラグを記憶する制御を行う。
チャンス演出制御手段440は、前記したフリーズ演出制御手段210とともに、制御手段CUに含まれる演出制御手段を構成し、遊技者が決定した演出モードに基づく演出を実行する制御を行う。チャンス演出制御手段440は、サブ制御手段400に含まれ、チャンス演出を実行する制御を行う。本実施形態の遊技機では、決定された演出モードによりチャンス演出として液晶表示装置710に表示する画像のモチーフが決められており(図11参照)、フリーズ演出制御手段210がフリーズ演出を実行しているときに表示する特別な画像が用意されている。フリーズ演出が行われるタイミングおよびフリーズ演出の態様は、フリーズ演出の実行に先立ち、メイン制御手段100から遊技情報としてサブ制御手段400に送信されるので、これに基づいてフリーズ演出用の画像を表示することができる。これらの画像に関するデータはサブ記憶手段450の演出データ記憶手段451に記憶されており、チャンス演出制御手段440は、適宜このデータを呼出して、チャンス演出を実行する制御を行う。画像は、静止画または動画のいずれであってもよいことはいうまでもない。
(遊技機の制御方法)
本実施形態の遊技機の制御方法を、図15〜図23に示すフローチャートを参照しながら説明する。図15ないし図20は、メイン制御手段100で実行する処理を示すフローチャートであり、図21ないし図23はサブ制御手段400で実行する処理を示すフローチャートである。
図15は、本実施形態の遊技機における1回の遊技について、メイン制御手段100が実行する処理を示すメインフローチャートである。まずは、リプレイ処理手段170が、リプレイ処理を行う(ステップ101)。後述するように、入賞判定手段150によってメイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)に記憶された判定結果を参照して、前回の遊技においてリプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されたか判断する。リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示された場合には前回の遊技と同じ枚数のメダルベットを行い次の処理に進む。リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されていない場合にはそのまま次の処理に進む。
次に、投入受付手段110および演出モード決定手段200が、後述する投入受付および演出モード決定処理を行う(ステップ102)。本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダル投入されるかまたはベットボタンBTが操作されることにより、演出モードを決定するため、投入受付と演出モード決定を1つの処理にまとめている。規定枚数のメダルが投入されたと判断されると、スタートスイッチ530からの信号入力の受付を許可する処理を行う。
スタートレバーSLが操作されるまで待機し(ステップ103でN)、スタートレバーSLが操作されてスタートスイッチ530から信号が入力されると(ステップ103でY)、内部抽選手段130が、当選役を決定する内部抽選処理を行う(ステップ104)。内部抽選処理は、スタートスイッチ530からの信号入力があったときに、遊技ごとに乱数発生手段120から乱数値を取得する。そしてメイン記憶手段300の内部抽選テーブル記憶手段310に記憶されている内部抽選テーブルの中から遊技状態に対応したテーブルを参照し、1もしくは複数の役の当選となる当選態様またはいずれの役にも当選していない不当選を決定する。いずれかの役の当選が決定された場合には、その役に対応する抽選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、メイン記憶手段300の抽選フラグ記憶手段320に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段130は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
次に、リール制御手段140が、左リールLR、中リールCRおよび右リールRRを回転させるリール回転処理を行う(ステップ105)。リール回転処理においては、所定の条件が成立している場合に、フリーズ演出制御手段210がフリーズ演出を実行する処理を行うことがある。これについては後述する。
左リールLR、中リールCRおよび右リールRRの回転速度が所定の速度に達すると、各ストップボタンLB、CB、RBのストップスイッチ540からの信号入力の受付を許可する処理を行い、その後にストップスイッチ540から信号が入力されると、それに対応するリールの停止位置を決定し、決定した停止位置にリールを停止させる処理を行う(ステップ106)。
すべてのリールLR、CR、RRについてリール停止処理が行われると、入賞判定手段150が、入賞判定処理を行う(ステップ107)。入賞判定処理は、有効ラインL1に小役(ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリー)、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ)またはビッグボーナス(BB)に対応する図柄組合せが表示されたか判定し、判定結果をメイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)に記憶する処理を行う。
次に、払出制御手段160が、メダルの払出処理を行う(ステップ108)。払出処理において所定の条件が成立している場合には、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出を実行する処理を行うことがある。これについては後述する。
次に、遊技状態移行制御手段180が、遊技状態を移行させる所定の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態に移行させる遊技状態移行処理を行う(ステップ109)。遊技状態がボーナス成立状態では、後述するように、遊技状態移行制御手段180が、さらにボーナス成立遊技状態を移行させる所定の条件が成立したことに基づいて、ボーナス成立遊技状態をノーマル状態、フリーズ可能状態およびAT信号出力状態に移行させるボーナス成立遊技状態移行処理を行う(ステップ110)。そして、1回の遊技を終了する。
投入受付および演出モード決定処理を図16に示すフローチャートを参照して説明する。まず、演出モード決定手段200により、フリーズ演出モードFA〜フリーズ演出モードFDのいずれかに対応するフリーズ演出モードフラグが記憶されているか判断する。メイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350を参照して、いずれかのフリーズ演出モードフラグが既に記憶されている場合(ステップ201でN)は、ステップ208に進み、投入受付手段110により、メダル投入またはベットボタンBTの操作があるまで待機する処理を行う(ステップ208でN)。
いずれのフリーズ演出モードフラグも記憶されていない場合(ステップ201でY)は、演出モード決定手段200により、メイン記憶手段300の遊技状態カウンタ390の値を参照し、その値が1であるか判断する。遊技状態カウンタ390の値が1でない場合(ステップ202でN)は、スッテプ208に進み、投入受付手段110により、メダル投入またはベットボタンBTの操作があるまで待機する(ステップ208でN)。遊技状態カウンタ390の値が1である場合(ステップ202でY)は、演出モード決定手段200により、演出モード選択処理を行う(ステップ203)。ここで、遊技状態カウンタ390の値が1である状態は、ボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態に移行した状態である。
演出モード選択処理では、前記したとおり、液晶表示装置710に各演出モードA〜Dに関連した画像が表示され、遊技者が右ストップボタンRBまたは左ストップボタンLBが操作するごとに、そのボタン操作にかかる遊技情報がメイン制御手段100からサブ制御手段400に送信され、遊技情報を受信したサブ制御手段400によって液晶表示装置の画像が切り換えられるとともに、決定され得る演出モードも変更される。この状態がメダル投入またはベットボタンBTの操作があるまで継続し(ステップ204でN)、メダル投入またはベットボタンBTの操作があると(ステップ204でY)、演出モード決定手段200により、演出モードが決定され(ステップ205)、決定された演出モードに対応するフリーズ演出モードフラグをメイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350にセットする(ステップ206)。
次に、規定枚数のメダルが投入されたか判断し、規定枚数に達していない場合(ステップ207でN)は、スッテプ208に進み、さらにメダル投入またはベットボタンBTの操作があるまで待機する(ステップ208でN)。投入受付手段110により、メダル投入またはベットボタンBTの操作があるたびに(ステップ208でY)、この処理が繰り返され、規定枚数のメダルが投入されると(ステップ207でY)、スタートスイッチ530からの信号入力の受付を許可する処理を行い、図15のメインフローチャートに戻る。
リール回転処理を図17に示すフローチャートを参照して説明する。まず、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ抽選条件が成立しているか判断する。本実施形態の遊技機において、フリーズ抽選を行うのは、フリーズ演出モードFBにおいて内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役の場合、およびフリーズ演出モードFDにおいて内部抽選手段130が決定した当選態様がチェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役の場合である。フリーズ演出制御手段210により、メイン記憶手段300のフリーズ演出モード記憶手段350および抽選フラグ記憶手段310が参照され、上記条件が成立していない場合(ステップ301でN)は、リール制御手段140によりリール回転開始処理を行う(ステップ307)。フリーズ抽選条件が成立している場合(ステップ301でY)は、フリーズ演出制御手段210により、フリーズ演出態様抽選処理を行う(ステップ302)。
フリーズ演出態様抽選処理では、メイン記憶手段300のフリーズ抽選テーブル記憶手段370に記憶されているフリーズ抽選テーブル(図13参照)の中から、メイン記憶手段300のフリーズ演出モード記憶手段350および抽選フラグ記憶手段310の参照結果に基づいたフリーズ抽選テーブルを選択し、所定のタイミングで取得した乱数値に対応するのがいずれのフリーズ演出態様であるか判定し、実行するフリーズ演出態様を決定する。メイン記憶手段300のフリーズ演出態様記憶手段360に、決定したフリーズ演出態様に対応するフリーズ演出態様フラグをセットする処理を行う(ステップ303)。フリーズ演出態様なしと決定された場合には、フリーズ演出態様フラグをセットする処理は行わずに次に進む。
次に、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ発生条件が成立しているか判断する。ここで判断されるのは、リール回転開始条件成立後のフリーズ演出を実行するか否かである。本実施形態の遊技機では、フリーズ演出態様B−1、D−1、D−2およびD−3が、リール回転開始条件成立後のフリーズ演出態様である。メイン記憶手段300のフリーズ演出態様フラグ記憶手段360を参照して、上記したフリーズ演出態様に対応するフリーズ演出態様フラグが記憶されているか判断し、記憶されていない場合(ステップ304でN)は、リール制御手段140がリール回転開始処理を行う(ステップ307)。記憶されている場合(ステップ304でY)は、遊技情報送信手段がフリーズ演出態様に対応する遊技情報をサブ制御手段400に送信し(図示省略)、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出態様フラグに対応した時間を第2タイマーにセットして計時を開始し(ステップ305)、第2タイマーを参照しながらフリーズ演出を実行する処理を行う(ステップ306)。
フリーズ演出の実行処理(ステップ306)後またはリールの回転開始(ステップ307)後、リール制御手段140が、第1タイマーが0になっていること(ステップ308でY)を条件に、すべてのリールの回転速度を定常回転速度にし(ステップ309)、第1タイマーに4.1秒をセットして計時を開始する(ステップ310)。
次に、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ発生条件が成立しているか判断する。ここで判断されるのは、リール回転速度が定常回転速度に到達した後のフリーズ演出を実行するか否かである。本実施形態の遊技機では、フリーズ演出態様B−2が、定常回転速度到達後のフリーズ演出態様である。メイン記憶手段300のフリーズ演出態様フラグ記憶手段360を参照して、上記したフリーズ演出態様に対応するフリーズ演出態様フラグが記憶されているか判断し、記憶されていない場合(ステップ311でN)は、ステップ314に進む。記憶されている場合(ステップ311でY)は、遊技情報送信手段がフリーズ演出態様に対応する遊技情報をサブ制御手段400に送信し(図示省略)、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出態様フラグに対応した時間を第2タイマーにセットして計時を開始し(ステップ312)、第2タイマーを参照しながらフリーズ演出を実行する処理を行う(ステップ313)。
次に、フリーズ演出制御手段210が、メイン記憶手段300のフリーズ演出態様フラグ記憶手段360に記憶されているフラグをクリアする処理を(ステップ314)行ってから、リール制御手段140が、各ストップボタンLB、CB、RBのストップスイッチ540からの信号入力の受付を許可する処理を行い、図15のメインフローチャートに戻る。
払出処理を図18に示すフローチャートを参照して説明する。まず、払出制御手段160が、メイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)に記憶されている判定結果を参照して、メダル払出の必要な入賞の有無を判断する。入賞がない場合(ステップ401でN)は、図15のメインフローチャートに戻る。入賞がある場合(ステップ401でY)は、投入枚数と入賞役との関係から予め定められている枚数のメダルを、クレジットに加算するかまたはホッパーモーターを駆動させてホッパーユニット620からメダル払出口MOを経由してメダル受皿MPに払い出す処理を行う(ステップ402)。
次に、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ発生条件が成立しているか判断する。ここで判断されるのは、メダル払出完了後のフリーズ演出を実行するか否かである。本実施形態の遊技機では、フリーズ演出モードFCが決定されている状態でチェリーの入賞があった場合にフリーズ発生条件が成立し、フリーズ演出態様C−1が実行される。メイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350および入賞判定結果記憶手段(図示省略)を参照して、上記した条件が成立しているか判断し、成立していない場合(ステップ403でN)は、図15のメインフローチャートに戻る。成立している場合(ステップ403でY)は、遊技情報送信手段がフリーズ演出態様に対応する遊技情報をサブ制御手段400に送信し(図示省略)、フリーズ演出制御手段210が、フリーズ演出態様に対応した時間を第2タイマーにセットして計時を開始し(ステップ404)、第2タイマーを参照しながらフリーズ演出を実行する処理(ステップ405)を行ってから、図15のメインフローチャートに戻る。
ボーナス成立遊技状態移行処理を図19および図20に示すフローチャートを参照して説明する。まず、遊技状態移行制御手段180が、遊技状態がボーナス成立状態であるか判断し、ボーナス成立状態でない場合(ステップ501でN)は、図15のメインフローチャートに戻る。遊技状態がボーナス成立状態である場合(ステップ501でY)は、メイン記憶手段300の遊技状態カウンタ390の値を参照し、その値が0であるか判断する。遊技状態カウンタ390の値が0であるときは、ボーナス成立遊技状態がノーマル状態であることを示している。遊技状態カウンタ390の値が0である場合(ステップ502でY)は、停止操作態様が一致しているか判断する。具体的には、メイン記憶手段300の抽選フラグ記憶手段320を参照して内部抽選で決定された当選態様がいずれかの変則打順ベルC1、C2、R1、R2であり、かつ、メイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)を参照してベルの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されたことで判断する。ベルの入賞は遊技者が正解打順で停止操作した結果であるため、その入賞の有無によって停止操作態様が一致していることを判断できる。停止操作態様が一致していない場合(ステップ503でN)は、そのまま図15のメインフローチャートに戻り、一致している場合(ステップ503でY)は、遊技状態カウンタ390の値を更新してから(ステップ504)、図15のメインフローチャートに戻る。ステップ504では、遊技状態カウンタ390の値が更新されて0から1になる。ボーナス成立遊技状態はノーマル状態からフリーズ可能状態に移行する(図9参照)。
ステップ502において、遊技状態カウンタ390の値が0でないと判断された場合(ステップ502でN)は、図20のステップ511に進む。ステップ511では、遊技状態カウンタ390の値が1であるか判断する。遊技状態カウンタ390の値が1であるときは、ボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態であることを示している。遊技状態カウンタ390の値が1である場合(ステップ511でY)は、遊技回数カウンタ395の値を1加算(インクリメント更新)する(ステップ512)。遊技回数カウンタ395によって、フリーズ可能状態で実行された遊技回数をカウントしている。次に、遊技回数カウンタ395の値がしきい値(たとえば30)に達したか判断する。しきい値に達している場合(ステップ513でY)は、フリーズ可能状態で既定の遊技回数を消化したということであり、遊技回数カウンタ395の値をリセット(たとえば0)し(ステップ514)、次いで遊技状態カウンタ390の値をリセットし(ステップ515)、メイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350に記憶されているフラグをクリアして(ステップ516)、図15のメインフローチャートに戻る。ステップ515では、遊技状態カウンタ390の値がリセットされて1から0になる。ボーナス成立遊技状態はフリーズ可能状態からノーマル状態に移行する(図9参照)。
ステップ513において、遊技回数カウンタ395の値がしきい値に達していないと判断された場合(ステップ513でN)は、停止操作態様が一致しているか判断する。前記したのと同様に、メイン記憶手段300の抽選フラグ記憶手段320およびメイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)を参照して、当選態様がいずれかの変則打順ベルであり、ベルの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されたか判断する。停止操作態様が一致していない場合(ステップ517でN)は、そのまま図15のメインフローチャートに戻り、一致している場合(ステップ517でY)は、遊技回数カウンタ395の値をリセット(たとえば0)し(ステップ518)、次いで遊技状態カウンタ390の値を更新し(ステップ519)、メイン記憶手段300のフリーズ演出モードフラグ記憶手段350に記憶されているフラグをクリアし(ステップ520)、AT信号を出力状態にする処理を行って(ステップ521)、図15のメインフローチャートに戻る。ステップ519では、遊技状態カウンタ390の値が更新されて1から2になる。ボーナス成立遊技状態はフリーズ可能状態からAT信号出力状態に移行する(図9参照)。
ステップ511において、遊技状態カウンタ390の値が1でないと判断された場合(ステップ511でN)は、図19のステップ531に進む。遊技状態カウンタ390の値が0でも1でもないということは、遊技状態カウンタ390の値が2であり、ボーナス成立遊技状態がAT信号出力状態であることを示している。ステップ531では、内部抽選で決定された当選態様がいずれかの打順ベルL、C1、C2、R1、R2であって、遊技者が正解打順で停止操作をせずにベル入賞を取りこぼしたか判断する。具体的には、メイン記憶手段300の抽選フラグ記憶手段320を参照して内部抽選で決定された当選態様がいずれかの打順ベルであり、かつ、メイン記憶手段300の入賞判定結果記憶手段(図示省略)を参照してベルの入賞形態を構成する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されたことを判断する。打順ベルの取りこぼしがない場合(ステップ531でN)は、そのまま図15のメインフローチャートに戻り、取りこぼしがある場合(ステップ531でY)は、遊技状態カウンタ390の値をリセットし(ステップ532)、AT信号の出力を停止する処理を行って(ステップ533)、図15のメインフローチャートに戻る。ステップ532では、遊技状態カウンタ390の値がリセットされて2から0になる。ボーナス成立遊技状態はAT信号出力状態からノーマル状態に移行する(図9参照)。
図21は、本実施形態の遊技機において、サブ制御手段400が実行する演出処理を示すフローチャートである。演出処理は、1回の遊技開始時に演出を選択し、その遊技において演出を実行する処理である。図22および図23は、本実施形態の遊技機において、サブ制御手段400が実行する演出状態変更処理を示すフローチャートである。演出状態変更処理は、1回の遊技終了時に演出状態を変更する処理である。
演出処理を図21に示すフローチャートを参照して説明する。まず、サブ制御手段400は、演出状態がAT状態であるか判断する。具体的には、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照して、ATフラグが設定されているか判断する。ATフラグが設定されている場合(ステップ601でY)は、ATカウンタ454の値を1減算(デクリメント更新)する(ステップ602)。
次に、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照し、いずれかの打順ベルL、C1、C2、R1、R2に当選している旨のフラグがないか判断する。このフラグは、前記したとおり、遊技情報受信手段が受信した遊技情報(コマンド)に基づいて設定されたフラグである。打順ベルに当選している場合(ステップ603でY)は、入賞補助演出制御手段410が入賞補助演出を実行する処理を行う(ステップ604)。当選した打順ベルに対応した正解打順を報知する演出データをサブ記憶手段450の演出データ記憶手段452から読み出し、演出装置700に入賞補助演出を実行させる処理を行う。いずれの打順ベルにも当選していない場合(ステップ603でN)は、入賞補助演出を実行せずに処理を終える。
ステップ601において、演出状態がAT状態でないと判断された場合(ステップ601でN)は、演出状態がCZ準備状態であるか判断する。具体的には、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照して、CZ準備フラグが設定されているか判断する。CZ準備フラグが設定されている場合(ステップ605でY)は、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照し、いずれかの変則打順ベルC1、C2、R1、R2に当選している旨のフラグがないか判断する。変則打順ベルに当選している場合(ステップ606でY)は、停止操作態様報知手段420が停止操作態様を報知する処理を行う(ステップ607)。当選した変則打順ベルに対応した正解打順を報知する演出データをサブ記憶手段450の演出データ記憶手段452から読み出し、演出装置700に停止操作態様を報知させる処理を行う。いずれの変則打順ベルにも当選していない場合(ステップ606でN)は、停止操作態様を報知せずに処理を終える。
ステップ605において、演出状態がCZ準備状態でないと判断された場合(ステップ605でN)は、演出状態がCZ状態であるか判断する。具体的には、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照して、CZフラグが設定されているか判断する。CZフラグが設定されている場合(ステップ608でY)は、CZカウンタ455の値を1減算(デクリメント更新)する(ステップ609)。
次に、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照し、後述する演出状態変更処理で設定されたチャンス演出モードフラグ、ならびにメイン制御手段100から送信されたフリーズ演出態様に関するフラグおよび内部抽選の結果に関するフラグに基づいて、チャンス演出制御手段440がチャンス演出を実行する処理を行う(ステップ610)。チャンス演出モード、フリーズ演出態様および内部抽選の結果に対応した演出データをサブ記憶手段450の演出データ記憶手段452から読み出し、演出装置700にチャンス演出を実行させる処理を行う。フリーズ演出態様に関する遊技情報(コマンド)がメイン制御手段100からサブ制御手段400に送信されるのは前記したとおりである。
ステップ608において、演出状態がCZ状態ではないと判断された場合(ステップ608でN)は、チャンス演出、入賞補助演出、停止操作態様の報知のいずれも実行せずに処理を終える。その場合は、遊技における一般的な演出を実行する処理が行われる。
演出状態変更処理を図22および図23に示すフローチャートを参照して説明する。まず、サブ制御手段400の演出状態変更制御手段405は、AT抽選を行う条件が成立しているか判断する。本実施形態の遊技機では、前記したとおり、演出状態が普通演出状態またはCZ状態において、チェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役に当選したことを契機としてAT抽選が行われる。遊技状態がボーナス成立状態であることを条件に、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照して、演出状態を示すフラグとしてCZフラグが記憶されているかまたは何も記憶されていないこと、および前記した当選態様を示すフラグが記憶されていることを判断する。演出状態が普通演出状態もしくはCZ状態でないか、または演出状態が普通演出状態もしくはCZ状態であっても、チェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役もしくはチェリー+特殊小役Cの重複役のいずれかに当選いなければ、AT抽選条件は不成立であり、その場合(ステップ701でN)は、図23のステップ711に進む。AT抽選条件が成立している場合(ステップ701でY)は、AT抽選処理を行う(ステップ702)。
AT抽選処理では、サブ記憶手段450のAT抽選テーブル記憶手段453に記憶されているAT抽選テーブルのなかから(図14参照)、演出状態と当選態様とに基づいてAT抽選テーブルを選択するとともに、0〜32767の32768個の乱数値の中から1の乱数値を取得する。演出状態が普通演出状態であれば、当選態様がチェリーの場合にAT抽選テーブルLAが選択され、当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役の場合にAT抽選テーブルLBが選択され、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役の場合にAT抽選テーブルLCが選択される。そして、取得した乱数値と選択したAT抽選テーブルとを比較して、CZ当選、AT当選またはいずれにも当選していない「はずれ」を決定する処理を行う。演出状態がCZ状態であれば、当選態様がチェリーの場合にAT抽選テーブルHAが選択され、当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役の場合にAT抽選テーブルHBが選択され、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役の場合にAT抽選テーブルHCが選択される。そして、取得した乱数値と選択したAT抽選テーブルとを比較して、AT当選またはいずれにも当選していない「はずれ」を決定する処理を行う。
次に、AT抽選の結果がAT当選であるか判断し、AT当選である場合(ステップ703でY)は、サブ記憶手段450のATカウンタ454の値を、実行できるAT遊技の上限回数(たとえば30)に設定し(ステップ704)、演出フラグ記憶手段451にATフラグをセットして(ステップ705)、図23のステップ711に進む。なお、ステップ705において、演出フラグ記憶手段451にCZフラグが記憶されている場合は、CZフラグとクリアしてATフラグをセットする。AT当選に基づいてATフラグがセットされることにより、演出状態はAT状態に変更される(図10参照)。
AT当選でない場合(ステップ703でN)は、AT抽選の結果がCZ当選であるか判断し、CZ当選でない場合(ステップ706でN)は、そのまま図23のステップ711に進み、CZ当選である場合(ステップ706でY)は、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にCZ準備フラグをセットして(ステップ707)、図23のステップ711に進む。CZ当選に基づいてCZ準備フラグがセットされることにより、演出状態はCZ準備状態に変更される(図10参照)。
図23のステップ711では、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451を参照して、演出状態を示すフラグとしてCZ準備フラグが記憶されているか判断する。CZ準備フラグが記憶されている場合(ステップ711でY)は、停止操作態様報知手段420が報知した停止操作態様と、遊技者が行った停止操作態様とが一致しているか判断する。本実施形態の遊技機では、停止操作態様報知手段420が停止操作態様の報知を実行するのは、いずれかの変則打順ベルに当選したときであり、その報知内容は当選した変則打順ベルの正解打順であるから(図21のステップ607)、サブ記憶手段400の演出フラグ記憶手段451を参照して、メイン制御手段100から送信された遊技情報に基づいてそこに記憶されている当選態様に関するフラグおよび入賞判定結果に関するフラグにより、停止操作態様の一致、不一致を判断できる。
停止操作態様が一致していないと判断される場合(ステップ712でN)は、そのまま処理を終え、一致していると判断される場合(ステップ712でY)は、演出モード選択手段430により、演出モード選択処理が行われる(ステップ713)。
演出モード選択処理では、まず液晶表示装置710に、演出モードAに関連する画像を表示する処理を行い、右ストップボタンRBまたは左ストップボタンLBが操作された旨の遊技情報を受信するごとに他の演出モードに関連する画像に切り換えて表示する処理を行う。そして、メダル投入またはベットボタンBT操作を示す遊技情報を受信すると、そのときに表示されている画像に対応するチャンス演出モードフラグを、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にセットする処理を行う(ステップ714)。
次に、サブ記憶手段450のCZカウンタ455の値を、実行できるCZ遊技の上限回数(たとえば30)に設定し(ステップ715)、演出フラグ記憶手段451に記憶されているCZ準備フラグをクリアするとともに、CZフラグをセットして(ステップ716)、処理を終える。演出モード選択処理が実行されてCZフラグがセットされることにより、演出状態はCZ状態に変更される(図10参照)。
ステップ711において、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にCZ準備フラグが記憶されていない場合(ステップ711でN)は、さらに演出フラグ記憶手段451を参照して、演出状態を示すフラグとしてATフラグが記憶されているか判断する。ATフラグが記憶されている場合(ステップ717でY)は、AT終了条件が成立しているか判断する。本実施形態の遊技機では、AT状態で既定回数の遊技を消化するとAT終了条件が成立する。図22のステップ704でサブ記憶手段450のATカウンタ454に既定回数に対応する値が設定(30が設定される)され、図21のステップ602で遊技が実行されるごとにATカウンタ454の値が更新(1減算するデクリメント更新)されるので、ATカウンタ454を参照してその値が0であればAT終了条件が成立したと判断される。AT終了条件が成立していない場合(ステップ718でN)は、そのまま処理を終え、AT終了条件が成立している場合(ステップ718でY)は、サブ記憶手段400の演出フラグ記憶手段451に記憶されているATフラグをクリアして(ステップ719)、処理を終える。ATフラグがクリアされることにより、演出状態は普通演出状態に変更される(図10参照)。
ステップ717において、サブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にATフラグが記憶されていない場合(ステップ717でN)は、さらに演出フラグ記憶手段451を参照して、演出状態を示すフラグとしてCZフラグが記憶されているか判断する。CZフラグが記憶されていない場合(ステップ720でN)は、そのまま処理を終え、CZフラグが記憶されている場合(ステップ720でY)は、CZ終了条件が成立しているか判断する。本実施形態の遊技機では、CZ状態で既定回数の遊技を消化するとCZ終了条件が成立する。ステップ715でサブ記憶手段450のCZカウンタ455に既定回数に対応する値が設定(30が設定される)され、図21のステップ609で遊技が実行されるごとにCZカウンタ455の値が更新(1減算するデクリメント更新)されるので、CZカウンタ455を参照してその値が0であればCZ終了条件が成立したと判断される。CZ終了条件が成立していない場合(ステップ721でN)は、そのまま処理を終え、CZ終了条件が成立している場合(ステップ721でY)は、サブ記憶手段400の演出フラグ記憶手段451に記憶されているCZフラグをクリアして(ステップ722)、処理を終える。CZフラグがクリアされることにより、演出状態は普通演出状態に変更される(図10参照)。なお、演出状態がCZ状態でAT当選すると、CZ状態が終了してAT状態となるが、この場合は前記したとおり、ステップ705においてCZフラグがクリアされてATフラグがセットされることになる。
本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する図柄組合せが表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行し、これら演出状態もすべて終了する。この場合は、サブ記憶手段400の演出フラグ記憶手段451に記憶されている演出状態に関するフラグがすべてクリアされて、演出状態はボーナス状態に対応した演出状態に変更される。
本実施形態の遊技機は、内部抽選の結果が変則打順ベルの当選であるときに、遊技者がその正解打順で停止操作を行ったことを条件に、メイン制御手段100およびサブ制御手段400から構成される制御手段CUにおいて実行する演出モードを決定することが可能な状態となる。遊技者に演出モードの選択および決定を行わせたいときにのみ、サブ制御手段400が変則打順ベルの正解打順を報知することで、遊技状態がボーナス状態となったとき以外にも演出モードを決定できる時期を任意に設定することができる。
本実施形態の遊技機は、サブ制御手段400が変則打順ベルの正解打順を報知していないにもかかわらず、変則打順ベルの正解打順での停止操作が行われる場合や、CZ準備状態を経ずにAT状態となって入賞補助演出が実行されたことにより、変則打順ベルの正解打順での停止操作が行われる場合があり、このような場合においてもメイン制御手段100による演出モードの決定可能な状態になり得る。しかし、演出モード選択画像が表示されるのは演出モード選択処理(、図23のステップ713)が実行される場合のみである。この処理は、演出状態がCZ準備状態のときにしか実行されない。それ以外の演出状態では、メイン制御手段100において演出モードの決定が可能な状態になっても、演出モード選択画像は表示されない。演出モード選択画像の表示がなければ、遊技者は、演出モードの選択が可能な状態であるとは気づかず、そのまま遊技を進行させることになる。そして、メダル投入またはベットボタンBTの操作により、初期設定となっている演出モードが決定される。本実施形態の遊技機では、フリーズ演出態様を含まない演出モードAを初期設定としておくことにより、フリーズ演出を発生させたくない状態でフリーズ演出を含む演出モードが選択されないようになっている。フリーズ演出モードの決定に際し、サブ制御手段400において図23のステップ713からステップ716の処理は実行されないのであるから、チャンス演出モードが選択されてそれに対応するフラグがサブ記憶手段450の演出フラグ記憶手段451にセットされることもなく、サブ制御手段400が実行する演出の態様は変更されない。
本実施形態の遊技機は、ボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態である場合に、演出状態がCZ状態となるように構成されている。この状態で、内部抽選でチェリー、チェリー+特殊小役Bの重複役またはチェリー+特殊小役Cの重複役に当選すると、サブ制御手段400では高確率AT抽選が行われ、メイン制御手段100ではフリーズ演出モードがフリーズ演出モードFBまたはフリーズ演出モードFDであることを条件にフリーズ抽選が行われる。AT当選確率は、内部抽選でチェリーに当選したときが最も大きく、内部抽選でチェリー+特殊小役Cの重複役に当選したときが最も小さくなっており(図14参照)、フリーズ演出が発生する確率も、内部抽選でチェリーに当選したときが最も大きく、内部抽選でチェリー+特殊小役Cの重複役に当選したときが最も小さくなっている(図13参照)。このようにして、フリーズ演出の発生がAT当選を期待させるようにして遊技者の興趣を高めている。
また、フリーズ演出モードFBにおいては、内部抽選でチェリーに当選したときにフリーズ演出態様B−2が選択されやすくし、内部抽選でチェリー+特殊小役Cの重複役に当選したときフリーズ演出態様B−1が選択されやすくすることで、フリーズ演出態様B−2が実行されたときのほうが、フリーズ演出態様B−1が実行されたときよりもAT当選の期待が高まるようにして遊技者の興趣を高めている。同様にフリーズ演出モードFDにおいては、フリーズ演出態様D−3が実行されたとき、フリーズ演出態様D−2が実行されたとき、フリーズ演出態様D−1が実行されたときの順に、AT当選の期待が高まるようにして遊技者の興趣を高めている。
本実施形態の遊技機では、チェリーの入賞形態を構成する図柄組合せが表示されたときに、中リールCRに表示されているのがベル図柄「BL」で右リールRRに表示されているのがリプレイ図柄A「RPA」またはリプレイ図柄B「RPB」であれば、当選態様がチェリー+特殊小役Bの重複役であったと推測でき、中リールCRに表示されているのがリプレイ図柄A「RPA」またはリプレイ図柄B「RPB」で右リールRRに表示されているのがベル図柄「BL」であれば、当選態様がチェリー+特殊小役Cの重複役であったと推測でき、中リールCRおよび右リール表示されているのがそれ以外の図柄であれば、当選態様がチェリーであったと推測できる。遊技者が、AT抽選が行われる各当選態様におけるAT当選確率を知っていれば、チェリー入賞時の図柄組合せによって演出状態がAT状態となる期待度を予測できるようになっている。フリーズ演出モードとしてフリーズ演出モードFCが決定されている場合は、チェリー入賞時にフリーズ演出態様C−1のフリーズ演出が実行されるので、フリーズ演出を楽しむとともに、表示された図柄組合せから演出状態がAT状態となる期待度を予測する楽しみも得られるようになっている。
また、本実施形態の遊技機では、AT抽選においてAT当選となった次の遊技から演出状態がAT状態に変更されるが、潜伏期間として演出状態を変更しないまま所定回数の遊技を行ってから演出状態をAT状態に変更してもよく、その場合はチェリー入賞時の図柄組合せから演出状態がAT状態となる期待度を予測する楽しみをもって潜伏期間中の遊技をおこなうことができる。
本実施形態の遊技機は、サブ制御手段400の停止操作態様報知手段420によって報知を実行する当選態様を変則打順ベルとし、報知する停止操作態様をその正解打順としているがこれに限定されない。たとえば、報知を実行する当選態様を「通常リプレイ+特殊リプレイ」(図4参照)とし、報知する停止操作態様を「最初に右リールを止めろ」というような表示にすることもできる。前記したとおり、遊技者が最初に右リールRRを停止すべく右ストップボタンRBを操作すれば特殊リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示され、最初に操作したのが左ストップボタンLBまたは中ストップボタンCBであれば通常リプレイの入賞形態を構成する図柄組合せが表示される。メイン制御手段100の入賞判定手段150が判定した表示結果が特殊リプレイの入賞であれば、サブ制御手段400の停止操作態様報知手段420によって報知された停止操作態様と遊技者の行った停止操作態様が一致していると判断できる。
また、報知を実行する当選態様を「特殊小役B」または「特殊小役C」とし、報知する停止操作態様を予め定められた打順(たとえば、中ストップボタンCB、右ストップボタンRB、左ストップボタンLBの順に操作する打順)とすることもできる。特殊小役Bおよび特殊小役Cは打順によって表示される図柄組合せが異なるわけではないので、遊技者が行った停止操作順序を記憶する手段、および予め定められた打順と遊技者が行った停止操作順序とが一致しているか判定する手段を設けておけばよい。
上記した当選態様と停止操作態様の組み合わせであれば、報知した停止操作態様(打順)で遊技者が操作した場合に表示される図柄組合せが、必ず入賞形態を構成する図柄組合せとなるので、遊技者に不信感を与えることなく本発明を実施できる。
さらに、報知する停止操作態様は、停止操作順序すなわち打順でなくともよい。たとえば、報知を実行する当選態様を「チェリー」とし、報知する停止操作態様を「左リールをチェリーで止めろ」というような表示にすることもできる。その場合に、メイン制御手段100の入賞判定手段150が判定した表示結果がチェリーの入賞であれば、サブ制御手段400の停止操作態様報知手段420によって報知された停止操作態様と遊技者の行った停止操作態様が一致していると判断してもよい。
サブ制御手段400の停止操作態様報知手段420によって報知を実行する当選態様および報知する停止操作態様は、適宜に選ぶことができ、またこれらを組み合わせることもできる。
本実施形態の遊技機では、演出状態が普通演出状態である場合に、左ストップボタンLBを最初に操作する打順以外の打順で遊技者が停止操作するとペナルティを付与するようにしておくことが望ましい。遊技者はペナルティを避けるために左ストップボタンLBを最初に操作する打順以外の打順、すなわち変則打順ベルの正解打順に相当する打順でむやみに停止操作することをためらうようになり、停止操作態様報知手段420が報知を行っていないにもかかわらず、遊技者が変則打順ベルの正解打順に相当する打順で停止操作して偶然に停止操作態様が一致する事態をなくすことができる。その結果、AT抽選においてCZ当選することなく、遊技状態カウンタ390が更新されて、ボーナス成立遊技状態がノーマル状態からフリーズ可能状態に移行するのを防止できる。
演出状態がCZ状態である場合にも、左ストップボタンLBを最初に操作する打順以外の打順で遊技者が停止操作するとペナルティを付与するようにしておくことが望ましい。上記と同様、遊技者はペナルティを避けるように停止操作を行うことが期待され、入賞補助演出制御手段410が入賞補助演出を行っていないにもかかわらず、遊技者が変則打順ベルの正解打順に相当する打順で停止操作して偶然に停止操作態様が一致する事態をなくすことができる。その結果、AT抽選においてAT当選することなく、遊技状態カウンタ390が更新されて、ボーナス成立遊技状態がフリーズ可能状態からAT信号出力状態に移行するのを防止できる。
付与するペナルティとしては、たとえば普通演出状態およびCZ状態におけるAT抽選を所定の遊技回数実行しないようにしたり、AT状態で実行する遊技回数を減らしたりすればよい。
本実施形態の遊技機では、演出状態がCZ準備状態において停止操作態様報知手段420の報知を実行した場合(すなわち変則打順ベルに当選した場合)に、遊技者の行った停止操作が報知内容と一致していなくとも、演出状態をCZ準備状態からCZ状態に移行させることもできる。このようにすると、遊技者が停止操作を誤ってしまっても、すみやかに演出状態を移行でき、高確率AT抽選が実行される機会が遅れるといった不利益を遊技者に与えないようにできる。
本実施形態の遊技機では、フリーズ演出態様抽選処理の結果に応じてサブ制御手段400による高確率AT抽選を行うようにしてもよい。たとえば、メイン制御手段100がいずれかのフリーズ演出を実行する旨の決定した場合、サブ制御手段400が、図14に示したAT抽選テーブルHAを選択してAT抽選を行い、必ずAT当選となるようにして、フリーズ演出の出現とAT当選とを関係づけることができる。
また、メイン制御手段100が選んだフリーズ演出態様に基づいて、図14に示したAT抽選テーブルを選択することもできる。たとえば、メイン制御手段100が、図13に示したフリーズ抽選テーブルBAないしBCを用いてフリーズ演出態様を決定し、フリーズ演出なしと決定した場合は、サブ制御手段400が図14のAT抽選テーブルHCを選択してAT抽選を行い、フリーズ演出態様B−1と決定した場合は、サブ制御手段400が図14のAT抽選テーブルHBを選択してAT抽選を行い、フリーズ演出態様B−2と決定した場合は、サブ制御手段400が図14のAT抽選テーブルHAを選択してAT抽選を行うことで、AT当選の期待度の異なるフリーズ演出を実現できる。