JP6662704B2 - レーザー加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー加工装置に関する。
一般に、半導体デバイスや金属などの被加工物に対してレーザー光線を照射し、該被加工物の表面にビアホールやレーザー加工溝を形成するレーザー加工装置が知られている。この種のレーザー加工装置では、ガルバノスキャナ、もしくは、音響光学素子(AOD)等を用いて、レーザー光線を走査することにより、被加工物における加工点位置やレーザー光線の入射方向を変化させている(例えば、特許文献1参照)。また、この種のレーザー加工装置には、レゾナントスキャナを用いてレーザー光線を走査する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらのガルバノスキャナ、レゾナントスキャナ、もしくは、音響光学素子(AOD)等を用いることにより、レーザー加工における加工速度の向上、および加工対象に応じてより望ましい加工結果を得ることを可能としている。
特開2008−068270号公報 特開2007−189209号公報
ところで、レーザー加工装置において、レゾナントスキャナを用いてレーザー光線を走査する構成を採用した場合、被加工物に対するビアホール加工やグルービング加工をより高速に行うことができる。一方、レゾナントスキャナは、機械共振を利用した高速走査装置であるため、走査用のミラーを任意の角度に停止させることはできない。また、レゾナントスキャナでは、共振周波数や励振信号に対する実際のミラー振動の振幅および位相差が温度によって変動する傾向にある。このため、被加工物の所望の位置に、正確にレーザー光線を走査して照射するためには、レゾナントスキャナのミラーの振れ角(回転角)を正確に検出するとともに該振れ角を精度良く制御し、該ミラーが所望の振れ角となる瞬間にレーザー光線を照射する必要がある。この場合、レーザー光線による加工精度は、レゾナントスキャナのミラーの振れ角の検出精度に依存するため、ミラーの振れ角を正確に検出しつつ、振れ角を精度良く制御する構成が要望される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レゾナントスキャナのミラーの振れ角の制御精度を向上し、ひいては被加工物に対するレーザー加工精度の向上を図ったレーザー加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、被加工物を保持する保持部と、レーザーを発振するレーザー光線発振器と、レーザー光線発振器から発振されたレーザー光線を集光して保持部に保持された被加工物に照射する集光レンズと、レーザー光線発振器と集光レンズとの間に配設され、所定の周波数でミラーを回転振動させてレーザー光線の光軸を偏向させるレゾナントスキャナと、レーザー光線発振器が発振したレーザー光線の繰り返し周波数に同期したパルス信号からレゾナントスキャナの振動に対応する基準信号を生成する同期信号源と、レゾナントスキャナの振れ角と振動を検出し、検出信号として出力するセンサと、レゾナントスキャナの振れ角および基準信号との位相差を設定する条件設定部と、センサで検出された検出信号と、同期信号源からの基準信号とが入力されるロックインアンプと、レゾナントスキャナの振れ角を制御する振れ角制御部と、レゾナントスキャナの振動周期と基準信号との位相差を制御する位相制御部と、振れ角制御部および位相制御部を制御する制御部と、を備え、ロックインアンプは、センサから入力された検出信号と基準信号とを用いて、レゾナントスキャナの振れ角の値と基準信号に対するレゾナントスキャナの振動の位相差とを検出してそれぞれ制御部に出力し、制御部は、振れ角の値および基準信号に対するレゾナントスキャナの振動の位相差を用いてレゾナントスキャナの振れ角および位相差を条件設定部で設定された振れ角および設定された位相差になるよう調整する補正値を算出し、補正値を振れ角制御部および位相制御部に入力することにより、レゾナントスキャナを、設定された振れ角および位相差で基準信号に同期して振動するように調整することを特徴とする。
この構成によれば、ロックインアンプが検出したレゾナントスキャナの振れ角の値と基準信号に対するレゾナントスキャナの振動の位相差とを用いて、設定された振れ角および位相差で基準信号に同期して振動するようにレゾナントスキャナの動作を制御するため、レゾナントスキャナのミラーの振れ角を精度良く制御することができ、被加工物に対するレーザー加工精度の向上を図ることができる。
この構成において、基準信号は、パルス信号又は該パルス信号をレゾナントスキャナの振動の周期に対応させ分周した信号であってもよい。また、センサは、磁気検出型のセンサであることが好ましい。
本発明によれば、ロックインアンプが検出したレゾナントスキャナの振れ角の値と基準信号に対するレゾナントスキャナの振動の位相差とを用いて、設定された振れ角および位相差で基準信号に同期して振動するようにレゾナントスキャナの動作を制御するため、レゾナントスキャナのミラーの振れ角を精度良く制御することができ、被加工物に対するレーザー加工精度の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1に示されたレーザー加工装置の加工対象のウエーハ等を示す斜視図である。 図3は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザー光線照射手段の構成例を示す図である。 図4は、図3に示されたレーザー光線照射手段が備えるレゾナントスキャナの構成例を示す斜視図である。 図5は、レゾナントスキャナの駆動部の構成例を示す概略図である。 図6は、レゾナントスキャナのミラーの振れ角と振動周期とを検出するセンサの構成の一例を示す図である。 図7は、レゾナントスキャナおよびレーザー光線照射手段の動作を制御する制御装置の機能ブロック図である。 図8は、ロックインアンプにより生成された振幅情報と位相差情報を示す図である。 図9は、本実施形態に係るレーザー加工装置によりビアホールが形成される状態を示す模式図である。 図10は、ビアホールが形成されたウエーハを示す平面図である。 図11は、図10中のXI部を拡大して示す平面図である。 図12は、変形例に係るレゾナントスキャナを示す模式図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1は、本実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示されたレーザー加工装置の加工対象のウエーハ等を示す斜視図である。図3は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザー光線照射手段の構成例を示す図である。図4は、図3に示されたレーザー光線照射手段が備えるレゾナントスキャナの構成例を示す斜視図である。図5は、レゾナントスキャナの駆動部の構成例を示す概略図である。図6は、レゾナントスキャナのミラーの振れ角と振動周期とを検出するセンサの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るレーザー加工装置1は、被加工物としてのウエーハWに対して、レーザー光線を照射することにより、ウエーハWを穿孔する装置である。本実施形態では、ウエーハWを穿孔する構成について説明するが、ウエーハWに対してレーザー溝加工をすることも可能である。
レーザー加工装置1により穿孔されるウエーハWは、実施形態ではシリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハである。図2に示すように、ウエーハWは、表面WSに格子状に形成される複数の分割予定ラインStよって区画された領域にデバイスDが形成されている。ウエーハWは、分割予定ラインStに沿って切断することにより、デバイスDが形成された領域を分割して、個々の半導体チップに製造される。ウエーハWは、デバイスDが複数形成されている表面WSに粘着テープTが貼着され、粘着テープTの外縁が環状フレームFに貼着されることで、環状フレームFの開口に粘着テープTで支持される。ウエーハWは、表面WSの裏側の裏面WR側からデバイスDのボンディングパッド(不図示)に達する穿孔(ビアホール;不図示)が形成される。
レーザー加工装置1は、図1に示すように、ウエーハWを保持するチャックテーブル(保持部)10と、チャックテーブル10に保持されたウエーハWに穿孔を形成するために、レーザー光線を照射するレーザー光線照射手段20と、X軸移動手段40と、Y軸移動手段50とを備える。また、レーザー加工装置1は、図3に示すように、該レーザー加工装置1の各部の動作を制御する制御装置60と、レーザー光線照射手段20におけるレーザー光線の照射タイミングを調整するための信号を生成するロックインアンプ80とを備える。
チャックテーブル10は、加工前のウエーハWが保持面10a上に載置されて、粘着テープTを介して環状フレームFの開口に貼着されたウエーハWを保持するものである。チャックテーブル10は、保持面10aを構成する部分がポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続され、保持面10aに載置されたウエーハWを粘着テープTを介して吸引することで保持する。なお、チャックテーブル10は、X軸移動手段40によりX軸方向に加工送りされ、かつ回転駆動源(図示せず)により中心軸線(Z軸と平行である)回りに回転されるとともに、Y軸移動手段50によりY軸方向に割り出し送りされる。また、チャックテーブル10の周囲には、エアーアクチュエータにより駆動してウエーハWの周囲の環状フレームFを挟持するクランプ部11が複数設けられている。
レーザー光線照射手段20は、図3に示すように、チャックテーブル10に保持されたウエーハWに対し、ウエーハWが吸収性を有する波長(例えば、355nm)のレーザー光線Lを照射し、ウエーハWの裏面WR側からビアホールを形成するものである。即ち、レーザー光線照射手段20は、ウエーハWの裏面WR側に吸収性を有する波長のレーザー光線Lを照射して、ウエーハWにアブレーション加工を施すものである。なお、レーザー光線Lの波長は、上記した355nmの他に、532nmや267nmを使用することが可能である。
レーザー光線照射手段20は、装置本体2の柱部3(図1に示す)に支持されたケーシング21と、このケーシング21内に収容されるレーザー光線発振器22と、集光レンズ23と、レゾナントスキャナ(レーザー光線偏向手段)24と、同期信号源25とを備える。
レーザー光線発振器22は、制御装置60からの制御信号113に基づき、ウエーハWが吸収性を有する波長のレーザー光線Lを所定の照射タイミングで発振する。集光レンズ23は、チャックテーブル10の保持面10aに対向してケーシング21の先端部に設けられている。集光レンズ23は、レーザー光線発振器22から発振されたレーザー光線Lを集光してチャックテーブル10に保持されたウエーハWに導くものである。また、集光レンズ23として、F−Θレンズ、望ましくはテレセントリックF−Θレンズを用いることができる。テレセントリックF−Θレンズは、ウエーハWに対して、垂直にレーザー光線Lを入射することができる。このため、本実施形態では、レーザー加工装置1は、集光レンズ23として、テレセントリックF−Θレンズを用いている。なお、ウエーハWに対するレーザー光線Lの光軸LAXの多少の傾きを気にしなければ、他のレンズを使うこともできる。
同期信号源25は、制御装置60からの制御信号113に基づき、レーザー光線発振器22が発振したレーザー光線Lの繰り返し周波数(例えば10kHz)に同期したパルス信号から基準信号101を生成し、この基準信号101をロックインアンプ80に出力する。基準信号101は、レゾナントスキャナ24が励振(振動)する所定周波数(例えば10kHz)に対応するものであり、パルス信号と同一、もしくは、該パルス信号をレゾナントスキャナ24の振動周期(1/所定周波数)に対応させて分周した信号である。
レゾナントスキャナ24は、レーザー光線発振器22と集光レンズ23との間に配設され、レーザー光線発振器22から発振されたレーザー光線Lの光軸LAXを集光レンズ23に向けて偏向する。レゾナントスキャナ24は、図4に示すように、ベース部18に固定されるシャフト12と、このシャフト12の先端部に台座13を介して支持されるミラー14と、を備える。このミラー14をシャフト12の軸周りに励振(振動)させることにより、ミラー14で偏向されたレーザー光線LはウエーハWを走査される。
ミラー14は、円板状(板状)に形成されたミラー本体(ミラー基材)16と、このミラー本体16の一方の面に形成された反射膜17とを備える。反射膜17は、アルミニウムなどの金属薄膜や誘電体多層膜で形成される。ミラー本体16は、例えば、ダイヤモンドのように比剛性[GPa・cm/g]の高い材料で形成され、所定周波数(例えば10kHz)で励振した際に、ミラー本体16の撓みを抑えている。
また、レゾナントスキャナ24は、シャフト12を介して、ミラー14を軸Q周りに励振(振動)させる駆動部30を備えている。駆動部30は、図5に示すように、シャフト12の軸Qに直交して延びる腕部15に巻き付けられるコイル31a,31bと、これらコイル31a,31bに交流電力を印加する電源部32と、腕部15の先端部15a,15bにそれぞれ配置される磁石32a,32bとを備えて構成される。コイル31a,31bは、軸Qを挟んで延びる腕部15にそれぞれ1本の電線を巻き付けて構成される。
電源部32は、コイル31a,31bに上記した所定周波数の交流電力を印加する。コイル31a,31bには、所定周波数で電流の流れ方向が切り換えられることにより、この電流の向きに応じた磁場が生じる。このため、コイル31a,31bの巻かれた腕部15の先端部15a,15bは、それぞれ所定周波数に応じて磁極がS極からN極へと交互に切り換えられる。磁石32a,32bは、複数(本実施形態では3つ)の磁石を組み合わせて構成される。磁石32aは、腕部15の先端部15aを挟んでN極32aNとS極32aSとが対向するように配置される。また、磁石32bは、腕部15の先端部15bを挟んでN極32bNとS極32bSとが対向するように配置される。これらN極32aN,32bNは、それぞれ腕部15により区切られた空間の同じ側に位置し、S極32aS,32bSは、それぞれN極32aN,32bNとは反対側に位置している。
コイル31a,31bに所定周波数の交流電力を印加すると、腕部15の先端部15a,15bに生じた磁極と磁石32a,32bの磁力とにより、シャフト12は軸Qを中心に周方向(矢印K方向)に励振(振動)する。このため、シャフト12に固定されているミラー14は、図3に破線で示すように、軸Qを中心に振れ角θで励振(振動)される。本実施形態では、駆動部30は、腕部15の先端部15a,15bにそれぞれ磁石32a,32bを配置した構成としたが、磁石32a,32bに替えて鉄芯を配置する構成としてもよい。
また、レゾナントスキャナ24は、図3に示すように、駆動部30を所定周波数で駆動した際に、ミラー14が実際に励振される振れ角θ(振幅)および振動周期を検出する振幅センサ35を備えている。この振幅センサ35は、図6に示すように、ミラー14の幅方向の端部に設けられた磁性体(例えば鉄片など)36と、この磁性体36に空間を介して対向配置されるピックアップコイル37と、このピックアップコイル37に生じる電流変化を検出する検出部38とを備えた磁気検出型のセンサである。磁性体36は、ミラー14の幅方向の少なくとも一端部に接着、または、蒸着により取り付けられている。本実施形態では、軸Qを中心に励振するミラー14の重量バランスをとるために、磁性体36は、ミラー14の幅方向の両端部に設けられている。ピックアップコイル37は、例えば、磁石(又は鉄芯)37Aにコイル37Bを巻いて形成されている。このピックアップコイル37は、図6に示すように、磁性体36との距離がL1からL2に変化すると、コイル37Bに距離変化に応じた電流が流れる。このため、検出部38がこの電流を検出することにより、ミラー14が実際に励振される際の振れ角θおよび振動周期を検出することができる。レゾナントスキャナ24は、図3に示すように、検出した振れ角θおよび振動周期を含むセンサ信号(検出信号)102をロックインアンプ80に出力する。
振幅センサとしては、磁気検出型のセンサの他にも、(A)ミラー14の後部にレゾナントスキャナ24の振動周期に検出性能のあるマイクを近接させて配置し、音波の振動によりミラー14の振れ角θおよび振動周期を検出する構成、(B)光反射型近接センサを、レゾナントスキャナ24のミラー14の後部に配置し、反射光強度を検出することでミラー14の振れ角θおよび振動周期を検出する構成、または、(C)静電容量センサを、ミラー14の後部に近接させて配置し、ミラー14の幅方向の両端に取り付けられた誘電体、もしくはミラー14(ミラー本体16)そのものによる静電容量の変化からミラー14の振れ角θおよび振動周期を検出する構成としてもよい。この場合、装置構成の簡便さ、検出精度の高さ、および、コストの観点に基づくと、磁気検出型のセンサが最も有効である。
ところで、レーザー加工装置1では、レゾナントスキャナ24のミラー14を高速(例えば10kHz)に励振(振動)させてレーザー光線Lを走査することにより、ウエーハWに対するビアホール加工などを高速に行うことができる。この場合、ウエーハWの所望の位置に、正確にレーザー光線Lを走査して照射するためには、レゾナントスキャナ24のミラー14の振れ角θを正確に検出するとともに該振れ角θを精度良く制御し、該ミラー14が所望の振れ角となる瞬間にレーザー光線Lを照射する必要がある。一方、レゾナントスキャナ24では、ミラー14を高速に励振させるために、この励振によりレゾナントスキャナ24の温度が変動し、この温度変動に伴い所定周波数(例えば10kHz)に対する、ミラー14の実際の振れ角θおよび位相差が変動するおそれがある。このため、本構成では、ミラー14の実際の振れ角θを正確に検出しつつ、この振れ角を精度良く制御することでレーザー加工精度の向上を実現している。次に、ミラー14の実際の振れ角θを正確に検出しつつ、この振れ角を精度良く制御する構成について説明する。
図7は、レゾナントスキャナおよびレーザー光線照射手段の動作を制御する制御装置の機能ブロック図である。制御装置60は、図7に示すように、条件設定部61、振れ角制御部62、位相制御部63、制御部64および位相遅延器65を備える。条件設定部61は、レゾナントスキャナ24に対して、目標振幅103および基準信号101との目標位相差104を設定する。これら目標振幅103および目標位相差104は、レゾナントスキャナ24を所望条件で駆動させるための設定値であり、事前の実験などによって求められる。設定された目標振幅103および目標位相差104は、それぞれ振れ角制御部62、位相制御部63に出力される。
振れ角制御部62は、入力された目標振幅103に基づきレゾナントスキャナ24の振れ角θを制御する。位相制御部63は、入力された目標位相差104に基づき、レゾナントスキャナ24が所定周波数で駆動される際の振動周期と基準信号101との位相差を制御する。制御部64は、ロックインアンプ80からのレゾナントスキャナ24の振幅情報(振れ角の値)と基準信号101に対する振動周期の位相差情報とに基づき、振れ角制御部62および位相制御部63を制御する。
ロックインアンプ80は、測定したい入力信号に対して参照信号を掛けあわせることで、入力信号の振幅および位相を解析する2位相型のロックインアンプである。本実施形態では、図8に示すように、同期信号源25からの基準信号101を参照信号とし、振幅センサ35が検出するセンサ信号102を入力信号とする。ロックインアンプ80は、基準信号101を参照信号とし、入力信号としてのセンサ信号102から、レゾナントスキャナ24の振幅情報(振れ角の値)105と基準信号101に対するレゾナントスキャナ24の振動の位相差情報106とを求め、これらを制御部64に出力する。
具体的には、ロックインアンプ80は、基準信号101を参照信号(sin(ωt))として第1ミキサ部(不図示)に入力されるとともに、90°位相シフトされた信号(cos(ωt))が第2ミキサ部(不図示)に入力される。また、振幅センサ35が検出するセンサ信号102(主成分としてはAsin(ωt+α))が、それぞれ第1ミキサ部および第2ミキサ部に入力される。これら第1ミキサ部および第2ミキサ部からの出力は、それぞれローパスフィルタ(不図示)を経て、それぞれの信号(X=(A/2)cos(α)、Y=(A/2)sin(α))が出力され、これら信号(X=(A/2)cos(α)、Y=(A/2)sin(α))に基づいて、振幅情報105および位相差情報106を求める。
制御部64は、ロックインアンプ80から送られた振幅情報105および位相差情報106を用いて、これら振幅情報105および位相差情報106が、目標振幅103および目標位相差104となるように調整するための振幅補正値107および位相差補正値108をそれぞれ算出する。制御部64は、算出した振幅補正値107および位相差補正値108をそれぞれ振れ角制御部62および位相制御部63に出力する。
振れ角制御部62は、目標振幅103と振幅補正値107とから励振信号109を算出し、この励振信号109を位相遅延器65に出力する。また、位相制御部63は、目標位相差104と位相差補正値108とから励振信号の遅延量信号110を算出し、この遅延量信号110を位相遅延器65に出力する。振れ角制御部62および位相制御部63では、励振信号109および遅延量信号110を算出するにあたり、例えば、PID制御などが利用される。位相遅延器65は、レゾナントスキャナ24の駆動部30を動作させる制御信号(印可する励振電力)112を生成する。位相遅延器65には、同期信号源25から繰り返し周波数に同期したパルス信号111が入力されており、このパルス信号111と、励振信号109と、遅延量信号110とに基づき、制御信号(印可する励振電力)112が生成される。この構成によれば、ロックインアンプ80が検出した振幅情報105および位相差情報106を用いて、目標振幅103および目標位相差104と同期して振動するようにレゾナントスキャナ24の駆動部30を動作させる制御信号(印可する励振電力)112が生成される。このため、この制御信号112に基づいて、レゾナントスキャナ24を動作させることにより、レゾナントスキャナ24のミラー14の振幅及び位相差を精度良く(例えば、誤差0.01%以上1%未満)制御することができ、ウエーハWに対するレーザー加工精度の向上を図ることができる。さらに、制御信号112に基づいて、レゾナントスキャナ24を動作させることにより、レゾナントスキャナ24を含む周囲環境に温度変化があった場合でも安定してレゾナントスキャナ24を制御することができる(選択する素材によっては、±10℃以上の温度変化でも安定駆動が可能となる)。また、本実施形態では、ロックインアンプ80を用いているため、振幅センサ35の検出信号が微小、もしくは、ノイズが多い環境下であっても、この検出信号から振幅情報105および位相差情報106を検出することができ、レゾナントスキャナ24を所定周波数(例えば、数百〜20kHz程度)でレーザー光線の走査を可能とする。
次に、ウエーハWの裏面WRにビアホールVHを形成する態様について説明する。図9は、レーザー加工によりビアホールが形成される状態を示す模式図である。図10は、ビアホールが形成されたウエーハを示す平面図である。図11は、図10中のXI部を拡大して示す平面図である。
レーザー光線発振器22からレーザー光線Lを発振させると、図9に示すように、発振されたレーザー光線Lは、レゾナントスキャナ24のミラー14により偏向され、ウエーハWの裏面WRにビアホールVHを形成する。本実施形態では、ロックインアンプ80を用いることで、レゾナントスキャナ24の振幅と位相差とを高精度に制御することができる。このため、制御装置60は、レゾナントスキャナ24の振幅(振れ角)とレーザー光線発振器22とを正確に同期させることにより、レゾナントスキャナ24のミラー14で偏向されたレーザー光線LをウエーハWの所望の位置に照射することができる。これによれば、図11に示すように、複数のビアホールVHを、ウエーハWの所望の位置に並行して形成する同時多点加工を行うことができる。
なお、本実施形態では、1台のレゾナントスキャナ24を用いることで、複数のビアホールVHを所望の直線上に離散的に並行して形成しているが、例えば、レゾナントスキャナを2つ設け、振幅(振れ角)を同じとし、かつ、位相差をそれぞれ90°として各レゾナントスキャナを駆動させてもよい。この構成では、2つのレゾナントスキャナにより、レーザー光線Lの光軸を、例えば、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ偏向することができ、2次元的(例えば、正方形の頂点となる位置)に、ビアホールを形成することもできる。これにより、複数のビアホールを並行に形成することができ、熱の蓄積による溶融などのダメージを低減して加工品質を向上することができる。
次に、レゾナントスキャナの変形例について説明する。図12は、変形例に係るレゾナントスキャナを示す模式図である。この変形例では、レゾナントスキャナ150を駆動する第1駆動部130および第2駆動部140を備える点で、上記したレゾナントスキャナ24と構成を大きく異にしている。
レゾナントスキャナ150は、シャフト12に直交して延びる2本の第1腕部115および第2腕部125を備え、第1駆動部130は、第1腕部115に設けられ、第2駆動部140は、第2腕部125に設けられている。第1駆動部130は、第1腕部115に巻き付けられるコイル132A,132Bを有するコイル132と、このコイル132に交流電力を印加する電源部131とを備える。この図12では、図示を省略しているが、第1腕部115の先端部115A,115Bにそれぞれ磁石が配置されている。
同様に、第2駆動部140は、第2腕部125に巻き付けられるコイル142A,142Bを有するコイル142と、このコイル142に交流電力を印加する電源部141とを備える。この図12では、図示を省略しているが、第2腕部125の先端部125A,125Bにそれぞれ磁石が配置されている。その他の構成は、上記したレゾナントスキャナ24と同等であるため、説明を省略する。
第1駆動部130および第2駆動部140の電源部131,141は、各コイル132,142にそれぞれ同一の所定周波数(例えば10kHz)の交流電力を印加する。電源部131,141は、第1駆動部130および第2駆動部140に印加される交流電力の位相を調整可能に構成されている。具体的には、第1駆動部130および第2駆動部140に交流電力を同位相で印加する第1パターンと、交流電力を逆位相(位相差π)で印加する第2パターンとを選択することができる。
交流電力を同位相で印加する第1パターンでは、シャフト12を中心に、ミラー14が振動する振幅(振れ角θ)を大きくすることができる。また、交流電力を逆位相で印加する第2パターンでは、位相差を持った周波数が合成されることにより、所定周波数よりも大きな周波数でミラー14を振動させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
1 レーザー加工装置
10 チャックテーブル(保持部)
14 ミラー
20 レーザー光線照射手段
22 レーザー光線発振器
23 集光レンズ
24 レゾナントスキャナ
25 同期信号源
30 駆動部
35 振幅センサ(センサ)
61 条件設定部
62 振れ角制御部
63 位相制御部
64 制御部
65 位相遅延器
80 ロックインアンプ
101 基準信号
102 センサ信号(検出信号)
103 目標振幅
104 目標位相差
105 振幅情報
106 位相差情報
107 振幅補正値
108 位相差補正値
109 励振信号
110 遅延量信号
111 パルス信号
112 制御信号
113 制御信号
L レーザー光線
VH ビアホール
W ウエーハ(被加工物)

Claims (3)

  1. 被加工物を保持する保持部と、
    レーザー光線を発振するレーザー光線発振器と、
    前記レーザー光線発振器から発振されたレーザー光線を集光して前記保持部に保持された被加工物に照射する集光レンズと、
    前記レーザー光線発振器と前記集光レンズとの間に配設され、所定の周波数でミラーを回転振動させてレーザー光線の光軸を偏向させるレゾナントスキャナと、
    前記レーザー光線発振器が発振したレーザー光線の繰り返し周波数に同期したパルス信号から前記レゾナントスキャナの振動に対応する基準信号を生成する同期信号源と、
    前記レゾナントスキャナの振れ角と振動を検出し、検出信号として出力するセンサと、
    前記レゾナントスキャナの振れ角および前記基準信号との位相差を設定する条件設定部と、
    前記センサで検出された検出信号と、前記同期信号源からの前記基準信号とが入力されるロックインアンプと、
    前記レゾナントスキャナの振れ角を制御する振れ角制御部と、
    前記レゾナントスキャナの振動周期と前記基準信号との位相差を制御する位相制御部と、
    前記振れ角制御部および前記位相制御部を制御する制御部と、を備え、
    前記ロックインアンプは、前記センサから入力された検出信号と前記基準信号とを用いて、前記レゾナントスキャナの振れ角の値と前記基準信号に対する前記レゾナントスキャナの振動の位相差とを検出してそれぞれ前記制御部に出力し、
    前記制御部は、前記振れ角の値および前記基準信号に対する前記レゾナントスキャナの振動の位相差を用いて前記レゾナントスキャナの振れ角および前記位相差を前記条件設定部で設定された振れ角および設定された位相差になるよう調整する補正値を算出し、前記補正値を前記振れ角制御部および前記位相制御部に入力することにより、前記レゾナントスキャナを、前記設定された振れ角および位相差で前記基準信号に同期して振動するように調整する、レーザー加工装置。
  2. 前記基準信号は、前記パルス信号又は前記パルス信号を前記レゾナントスキャナの振動周期に対応させ分周した信号である、請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 前記センサは、磁気検出型のセンサである、請求項1または2に記載のレーザー加工装置。
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