JP6655384B2 - 嵌合式屋根材およびその嵌合式屋根材の接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般住宅や事務所、マンション、福祉施設、リゾート施設等の屋根において幅広く使用される、嵌合式屋根材(縦葺き、横葺きの両方を含む)、その屋根材の接続方法に関するものである。
一般に、縦葺き屋根は、屋根材本体が、梁間方向(軒から棟に沿う向き)に長く、桁方向(軒に沿う向き)に短い、長尺、幅狭の屋根材を使用するのが普通であり、梁間方向における屋根材同士の接続を終えてから桁方向に屋根材同士を接続する作業を繰り返し行うことによって屋根全体を葺きあげるものである。
一方、横葺き屋根は、屋根材本体が、桁方向に長く、梁間方向に短い短尺、幅広の屋根材を使用するのが普通であり、桁方向における屋根材同士の接続を終えたのち、梁間方向に屋根材同士を接続する作業を繰り返し行うことによって屋根全体を葺きあげるものである。
この種の屋根材は、屋根材の葺き方に違いがあるものの、何れのものも、長尺コイルにロール成形を施すことによって連続的に生産されるものであり、とくに、縦葺き屋根用の屋根材においては、防水性の配慮から梁間方向における屋根材同士の接続を不要とするために、屋根の長さと同じ長さを有する一枚物で製作されることが多い。
ところで、一枚物で製作された縦葺き用の屋根材にあっては、都心部に立地する住宅等において屋根を葺きあげる場合に、道路が狭いためにその搬入が困難であったり、工事中に使用する作業スペース(周辺空地等)を確保するのが難しい等の理由からその使用が制限されることがあり、需要の拡大を図るのが困難な状況にあった。
このような、従来の不具合の解消を図った先行技術として、例えば、特許文献1には、金属製屋根板を、屋根の野地板上に設けられた瓦棒に略半円筒状に形成した湾曲部付きの補強材を嵌着し、左右両端を除き裏面側に先細形状にして折返して係止用の雄部を形成した前縁部、S字状で平坦化された折返し雌部、複数本の雨返し用の突条及び表面側への折返し後縁を左右方向にわたって且つ後縁の方向に順次、形成した後縁部と、そして左右対称に折曲され上端に左右方向へ拡開状の湾曲部を形成した左右の立上がり部と、を備えたもので構成し、瓦棒間にあって、屋根の軒より棟にかけて、金属製屋根板の前縁部の雄部を他の屋根板の折返し雌部に差込み係合し、且つ上記左右の立上がり部を、瓦棒に嵌着している左右の補強材の下端より湾曲部にかけて当接・被覆せしめては、順次、複数枚分の金属製屋根板を接続しつつ敷設し、そして、瓦棒を、その長手方向で補強材及び該補強材の下端より湾曲部にかけて当接・被覆している金属製屋根板の立上がり部ごと、複数本の包み材にて順次、覆うようにした、金属製屋根板の葺工法が提案されている。
また、特許文献2には、左右側縁に係合部を形成した流れ方向に定尺な縦葺き屋根板を継手部材を介して流れ方向に接続するとともに、縦葺き屋根板の左右方向の接続部下方に流水空間を有する排水部材を配設する縦葺き屋根につき、該継手部材を、側端部が排水部材の流水空間内に臨む捨板部材と捨板部材内に配設され、内部に少なくとも1つの溝部が形成された止水部材とを備えたものとすること、該継手部材の棟側に敷設する縦葺き屋根板の軒側端部と、同じく軒側に敷設する縦葺き屋根板の棟側端部にそれぞれ折下部を形成し、これら折下部を、該止水部材の溝部に挿入して流れ方向に隣接する縦葺き屋根板同士を相互に接続した定尺縦葺き屋根板の接続構造が、さらに、特許文献3には、中央部に面板部を、その左右側縁に内側立上り部を設けた建築用縦葺き外装材の内側立上りの外側に排水溝を介して外側立上り部を設け、この外側立上り部の上端又は中間の何れか一方、若しくは両方に、保持部材と弾性的に係合する係合部係合部を形成した、建築用縦葺き外装材及び建築外層構造が提案されている。
特開昭62−99545号公報 特開平8−177172号公報 特開平9−125621号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されたものは、部品点数が多く、材料そのもののコスト上昇が避けられないとともに、効率的な施工が実施し難いところに問題を残している。
本発明の目的は、余計な部品を要することなしに定尺化を図ることが可能であり、かつ、高い防水性を確保したうえで建築構造物の屋根を効率的に葺きあげることができる嵌合式屋根材およびその屋根材の接続方法を提案するところにある。
本発明は、梁間方向に沿って延伸する一対の長尺縁部とこれら各長尺縁部を挟み込んで桁方向に沿って延伸する一対の短尺縁部とによって区画された輪郭形状を有する屋根材本体と、該屋根材本体の各長尺縁部のそれぞれに沿って一体連結する上ハゼ、下ハゼとを備え、
該各短尺縁部を、該屋根材本体の水下側、水上側にそれぞれ隣接配置する他の屋根材の短尺縁部に重ね合わせて屋根材同士を梁間方向へ接続する一方、該上ハゼ、下ハゼを、桁方向に隣接配置するさらに他の屋根材の下ハゼ、上ハゼにそれぞれ嵌合させて屋根材同士を桁方向へ接続して建築構造物の屋根を葺きあげる嵌合式の屋根材であって、
該屋根材本体の一方の短尺縁部に、水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部の下側において重ね合わさる下継手を設け、
該屋根材本体のもう一方の短尺縁部に、該屋根材本体と面一状態でつながり、水下側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部の上側において重ね合わさる上継手を設け、
該下継手は、該屋根材本体の短尺縁部の全域にわたってつながる板状体と、該板状体の幅方向の端縁および該上ハゼの端部につながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼに嵌合可能な第一のハゼと、該板状体のもう一方の幅方向の縁部および該下ハゼの端部につながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合可能な第二のハゼと、該板状体の先端縁にて立ち上がり折り返された状態で水上側に隣接配置する他の屋根材の垂下係止片に連係可能な起立係止片とを有し、
該上継手は、該屋根材本体に面一状態で一体連結する第一の板状体と、該第一の板状体の幅方向の各端部および該上ハゼ、下ハゼにそれぞれ面一状態で一体連結する第三のハゼ、第四のハゼと、該第一の板状体の先端縁において垂れ下がり折り返された状態で水下側に隣接配置する他の屋根材の起立係止片に連係可能な垂下係止片とを有し、該起立係止片は、水上側に隣接配置する他の屋根材の上継手の第一の板状体による押圧で板状体に向け180°曲げ状態となるように折り返されるものであり、該垂下係止片は、水下側に隣接配置する他の屋根材の下継手の板状体による押圧で第一の板状体に向け180°曲げ状態となるように折り返されるものであることを特徴とする嵌合式屋根材である。
また、本発明は、
1)前記垂下係止片は、その幅方向の両端部および下端部もしくはその全面に、前記水下側に隣接配置する他の屋根材の重ね合わせの際に屋根材の相互間に形成される隙間を埋める防水パッキンを有すること、
2)前記下継手は、前記第一のハゼの少なくとも頂部から前記板状体を経て前記第二のハゼの少なくとも頂部に至るまでの領域に防水パッキンを有すること、
3)前記上継手は、前記第三のハゼの内壁頂部から前記第一の板状体の幅方向の端部に至るまでの領域および前記第四のハゼの内壁頂部から該第一の板状体のもう一方の幅方向の端部に至るまでの領域にそれぞれ防水パッキンを有すること、
4)前記垂下係止片は、前記起立係止片と同等もしくはそれよりも長い長さを有すること、
5)前記下ハゼには固定用舌片が設けられ、前記第二のハゼの下端には前記固定用舌片に水上側でつながる舌片が設けられ、前記第四のハゼの下端には前記固定用舌片に水下側でつながる舌片が設けられ、前記固定用舌片、前記第二のハゼの舌片および前記第四のハゼの舌片には、水上側から水下側まで連続して幅方向端部が上側に折り返された折返し部が形成されていること、
6)前記起立係止片は、前記板状体の外表面とのなす角度が0°超〜45°であること、
7)前記垂下係止片は、前記防水パッキンを貼付したのちの曲げ加工により成形されるものであり、曲げ加工後における該垂下係止片の前記第一の板状体の裏面とのなす角度が0°超〜45°であること、
8)前記起立係止片は、一方の面が前記板状体の外表面と向き合うように折り返された折り返し係止片であり、前記下継手は、前記第一のハゼの少なくとも頂部から、前記折り返し係止片の他方の面上を経て、前記第二のハゼの少なくとも頂部に至るまでの領域に、連続した防水パッキンを有すること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
また、本発明は、上記の構成からなる嵌合式屋根材の接続方法において、
前記屋根材本体の短尺縁部に設けられた前記上継手を、水下側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部に重ね合わせて前記第三のハゼ、第四のハゼを該水下側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼに嵌合させるとともに前記垂下係止片を折り返し、次いで、該屋根材本体の短尺縁部に設けられた前記下継手に、水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部を重ね合わせて前記第一のハゼ、第二のハゼに、水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼを嵌合させるとともに前記起立係止片を折り返すことによって屋根材同士を梁間方向に接続することを特徴とする嵌合式屋根材の接続方法である。
本発明によれば、屋根材を梁間方向につなぎ合わせる際に、下継手の起立係止片、上継手の垂下係止片がそれぞれ折り返されることによって水下側、水上側においてそれぞれ隣接配置する屋根材と連係するため、余計な部材を要することなしに屋根材同士を確実に接続することができる。とくに、垂下係止片の折り返しにより、屋根材本体の短尺縁部は二枚重ね(180°曲げ)の状態となり剛性が高まり、屋根材が凸状に膨らむ等の形状変形を回避ができる。
また、本発明によれば、垂下係止片の幅方向の両端部および下端部もしくはその全面に防水パッキンを設けたことにより、屋根材の板厚や機械的性質の変化あるいは、成形加工時における寸法のばらつき(金型の長期使用による形状変化等)等により隙間寸法に変動が生じたとしても重ね合わせ部分(接続部分)に形成される隙間を埋めることが可能であり雨水の侵入を確実に回避することができ、定尺化が可能となる。
また、本発明によれば、下継手に、第一のハゼの少なくとも頂部から板状体を経て第二のハゼの少なくとも頂部に至るまでの領域に防水パッキンを設けるか、もしくは、上継手の、第三のハゼの内壁頂部から第一の板状体の幅方向の端部に至るまでの領域および第四のハゼの内壁頂部から該第一の板状体のもう一方の幅方向の端部に至るまでの領域にそれぞれ防水パッキンを設けるようにしたため、この場合においても屋根材の重ね合わせ部分からの雨水の流れ込みを遮断することができる。
また、本発明によれば、垂下係止片は、起立係止片と同等もしくはそれよりも長い長さを有するものとしたことにより、屋根材の連係強度を高めることが可能になるとともに、防水パッキンの設置範囲の拡大(シール面積の拡大)を図ることができる。
また、本発明によれば、起立係止片の、板状体の外表面とのなす角度を0°超〜45°としたことにより、屋根材同士のつなぎ合わせの際に、大きな力を要することなしに起立係止片を折り返すことが可能であり、屋根の葺き上げ作業が簡単になる。また、初めから起立係止片を折り返しておく場合(180°曲げ)においては、起立係止片と垂下係止片とを引掛ける作業が困難となり、屋根材の表面処理層に傷を付けてしまうおそれがあるので、板状体の外表面とのなす角度が0°超、45°以下、さらに好ましくは5〜45°とするのがよい。
垂下係止片を設けるにあったては、防水パッキンを貼付したのちに曲げ加工を行うため、防水パッキに皺が発生したり厚み変動を起こすことがない。また、防水パッキンを貼付したのちの曲げ加工で該垂下係止片の前記第一の板状体の裏面とのなす角度を0°超、45°以下、さらに好ましくは5〜45°とすることにより、屋根材のつなぎ合わせに際して該垂下係止片に大きな力を付与せずとも倒し込むことが可能であり、建築構造物の屋根を効率的に葺あげることができる。
また、折り返し係止片の上面に防水パッキンを有する屋根材にあっては、折り返し係止片となる部分の折り曲げ工程が一度で済むため、曲げ加工により起立係止片を形成し、起立係止片の内側に防止パッキンを貼付した後、起立係止片を180°の角度まで再度曲げ加工する場合に比べて、製造工程の短縮を図ることができる。
さらに、本発明の嵌合式屋根材の接続方法によれば、屋根材本体の短尺縁部に設けられた上継手を、水下げ側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部に重ね合わせて前記第三のハゼ、第四のハゼを該水下げ側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼに嵌合させるとともに前記垂下係止片を折り返し、次いで、該屋根材本体の短尺縁部に設けられた下継手を水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部を重ね合わせて、第一のハゼ、第二のハゼに、水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼを嵌合させるとともに起立係止片を折り返すことによって屋根材同士を梁間方向に接続するようにしたため、屋根材同士の接続作業が比較的簡単であり、余計な部材を必要とすることもない。
本発明にしたがう嵌合式屋根材の実施の形態を示した外観斜視図である。 (a)〜(c)は、図1に示した嵌合式屋根材の上継手を、角度を変えて示した外観斜視図である。 (a)(b)は、図1に示した嵌合式屋根材の下継手を、角度を変えて示した外観斜視図である。 図1に示した嵌合式屋根材の接続要領を示した外観斜視図である。 図1に示した嵌合式屋根材の接続状態を示した図である。 (a)は、図5のA部の側面を示した図であり、(b)は、図5のB部の側面を示した図である。 図1に示した嵌合式屋根材の接続状態の断面を示した図である。 図1に示した嵌合式屋根材の上継手の断面と下継手の断面を示した図である。 (a)〜(c)は、図1に示した嵌合式屋根材において防水パッキンを配置した例を示した図である。 図9に示した嵌合式屋根材の接続部における断面を示した図である。 (a)〜(c)は、図1に示した嵌合式屋根材において防水パッキンを配置した他の例を示した図である。 図11に示した嵌合式屋根材の接続部における断面を示した図である。 (a)(b)は、図1に示した嵌合式屋根材において防水パッキンを配置したさらに他の例を示した図である。 (a)(b)は、図1に示した嵌合式屋根材において防水パッキンを配置したさらに他の例を示した図である。 (a)は、図13に示した嵌合式屋根材の接続部における断面を示した図であり、(b)は、図14に示した嵌合式屋根材の接続部における断面を示した図である。 (a)(b)は、本発明にしたがう嵌合式屋根材の他の例を、下継手について示した外観斜視図である。 本発明にしたがう嵌合式屋根材のさらに他の例を、下継手について示した外観斜視図である。 本発明にしたがう嵌合式屋根材を用いて建築構造物の屋根を葺きあげる要領を示した図である。 本発明にしたがう嵌合式屋根材の他の実施の形態を示した外観斜視図である。 本発明にしたがう嵌合式屋根材の他の実施の形態を示した外観斜視図である。 (a)(b)は、図20に示した嵌合式屋根材の下継手について角度を変えて示した外観斜視図である。 図20、21に示した嵌合式屋根材の下継手に防水パッキンを設けた変形例を示す外観斜視図である。 図22に示した嵌合式屋根材の接続部における断面図を示す図である。 (a)は本発明にしたがう嵌合式屋根材の他の実施の形態を示した外観斜視図であり、(b)は(a)中のD−D断面図である。 図22に示した嵌合式屋根材の変形例を示す要部拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明にしたがう嵌合式屋根材の実施の形態を示した外観斜視図であり、図2(a)〜(c)は、図1に示した嵌合式屋根材の上継手について角度を変えて示した外観斜視図であり、図3(a)(b)は、図1に示した嵌合式屋根材の下継手について角度を変えて示した外観斜視図である。
なお、本発明にしたがう嵌合式屋根材は、下継手が設けられた側を棟に向け、上継手が設けられた側を軒に向けて配置されるものであって、下継手が設けられた側が水上側、上継手が設けられた側が水下側とする。建築構造物の屋根を葺きあげるにあたっては、いずれの屋根材も本発明にしたがう屋根材と同じ構成からなるものを用いることを前提としている。また、屋根材を構成する素材としては、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板、銅板、アルミニウム板、ステンレス鋼板あるいは、それらの塗装または被覆鋼板等が用いられる。
図1〜3における符号1は、屋根材本体である。屋根材本体1は、梁間方向に沿って延伸する一対の長尺縁部1a、1bと、これら長尺縁部1a、1bを挟み込んで桁方向に沿って延伸する一対の短尺縁部1c、1dによって区画された、全体として矩形状をなす輪郭形状を有している。
また、2は、屋根材本体1の長尺縁部1aに一体連結するとともに、桁方向の一方に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合して屋根材同士を接続する上ハゼである。
この上ハゼ2は、長尺縁部1aから立ち上がる傾斜側板2aと、この傾斜側板2aの上端に係止顎部tを介してつながるとともに、桁方向に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合可能な内部空間を有する先端先細り形状をなすドーム型の頭部2bと、この頭部2bに係止顎部tを介して垂下、保持され、傾斜側板2aとの相互間にて下開き開口を形成する傾斜側板2cとから構成されている。上ハゼ2は、頭部2bの側壁に長尺縁部1aに沿って延伸する凹部を設けることが可能であり、これにより、桁方向に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合させた際に、その相互間で面接触するのを避けて雨水等の侵入を防止することができるようになっている。
また、3は、屋根材本体1の長尺縁部1bに一体連結するとともに、桁方向のもう一方に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合して屋根材同士を接続する下ハゼである。
この下ハゼ3は、長尺縁部1bから立ち上がる側板3aと、この側板3aの上端に係止顎部tを介してつながるとともに、桁方向に隣接配置する他の屋根材の上ハゼに嵌合可能な先端先細り形状をなすドーム型の頭部3bと、この頭部3bに係止顎部t介して垂下、保持され、側板3aとの相互間にて下開き開口を形成する側板3cと、この傾斜側板3の下端に水平姿勢でもって一体的につながる固定用舌片3dから構成されている。
係止顎部tと係止顎部tとは相互に逆向きに突出していて、両者でもって嵌合させたハゼの引き抜けを防止する。また、係止顎部tと係止顎部tとは、上記の係止顎部t、係止顎部tと同様に、相互に逆向きになっており、両者でもって嵌合させたハゼの引き抜けを防止する。
4は、屋根材本体1の短尺縁部1cに設けられた下継手である。この下継手4は、屋根材本体1の外表面よりも低い段差dを介してつながり、かつ、水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部の下側において重ね合わさるものである。
下継手4は、具体的には、ロール成形により屋根材本体1、上ハゼ2、下ハゼ3と同一断面形状に形成したのち、プレス成形による絞り加工を施すことによって成形されるものであって、屋根材本体1の短尺縁部1cの全域にわたってつながる板状体4aと、この板状体4aの幅方向の端縁および上ハゼ2の端部において該上ハゼ2よりも低い段差dを介してつながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ(上継手の第三のハゼに相当するもの)に嵌合可能な第一のハゼ4bと、該板状体4aのもう一方の幅方向の縁部および下ハゼ3の端部において該下ハゼ3よりも低い段差dを介してつながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の下ハゼ(上継手の第四のハゼに相当するもの)に嵌合可能な第二のハゼ4cと、該板状体4aの先端縁にて屈曲部を介して立ち上がり該水上側に隣接配置する他の屋根材との重ね合わせの際に該板状体4aに向け折り返して水上側に隣接配置する他の屋根材に連係可能な起立係止片4dから構成されている。上記第二のハゼ4cの下端には、水平状態で下ハゼ3の固定用舌片3dにつながる舌片4eが設けられている。
上記段差dは、水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部を重ね合わせた際に、平坦な表面が形成される寸法に設定されている。また、下継手4の幅寸法は、水上側に隣接配置する他の屋根材とのつなぎ合わせに際して相互に確実に重ね合わせることができるように、水上側に隣接配置する他の屋根材の屋根材本体の幅寸法(実際には上継手の幅寸法)よりも若干広くなっている。
また、5は、屋根材本体1のもう一方の短尺縁部1dに設けられた上継手(屋根の水下側に配置される)である。この上継手5は、屋根材本体1と面一状態でつながり、水下側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部(下継手に相当する部分)の上側において重ね合わさるものである。
上継手5は、具体的には、屋根材本体1に面一状態で一体連結する第一の板状体5aと、この第一の板状体5aの幅方向の各端部および上ハゼ2、下ハゼ3にそれぞれ面一状態で一体連結する第三のハゼ5b、第四のハゼ5cと、第一の板状体5a先端縁に屈曲部を介して垂れ下がり水下側に隣接配置する他の屋根材との重ね合わせの際に該第一の板状体5aに向けて折り返されて該水下側に隣接配置する屋根材に連係可能な矩形状の垂下係止片5dと、第四のハゼ5cの下端および固定用舌片3dに一体連結する、水平姿勢に保持された舌片5eから構成されている。なお、屋根材本体1と上継手5とをわかりやすく表示するため図1ではその境界を破線で表示している。
図4は、上記の構成からなる屋根材の二枚につき、それら屋根材のうちの一方の屋根材(水下側に配置された屋根材)の下継手4と、もう一方の屋根材(水上側に配置された屋根材)の上継手5をそれぞれ相互に重ね合わせて接続すべくその直前の状態を示した外観斜視図であり、図5は、図4に示した屋根材を接続したのちの状態を示した外観斜視図であり、図6(a)(b)は、図5のA部、B部の側面をそれぞれ示した図であり、図7は、図5のC−C断面を示した図である。
本発明にしたがう屋根材は、下継手4においては、その第一のハゼ4bを、水上側において隣接配置する屋根材の上継手5の第三のハゼ5bに、また、下継手4の第二のハゼ4cを、該水上側において隣接配置する屋根材の上継手5の第四のハゼ5cにそれぞれ嵌合させる一方、上継手5の第三のハゼ5bを、水下側において隣接配置する屋根材の下継手4の第一のハゼ4bに、また、上継手5の第四のハゼ5cを水下側において隣接配置する屋根材の下継手4の第二のハゼ4cに嵌合させることによって屋根材同士を梁間方向に接続するものであって、このとき、下継手4の起立係止片4dは、水上側に隣接配置する屋根材の上継手5の第一の板状体5aによる押圧で板状体4aに向け折り返され(180°曲げ)、上継手5の垂下係止片5dは、水下側において隣接配置される屋根材の下継手4の板状体4aによる押圧で第一の板状体5aに向けて折り返され(180°曲げ)、これにより両屋根材は相互に引き抜け不能に連係されることになる(図7参照)。
垂下係止片5dは、図8に示すように、その長さLを、起立係止片4dの長さLと同等とするか、それよりも長くするのがよく、このような寸法に設定することによって屋根材同士を接続する際に連係強度を高めることでき、しかも、後述する防水パッキンの設置範囲の拡大(シール範囲の拡大)を図ることが可能となり防水性を高めるのに有利となる。
また、起立係止片4dの、板状体4aの外表面とのなす角度θを予め0°超〜45°(図8参照)に、また、垂下係止片5dの、第一の板体5aの裏面とのなす角度θ0°超〜45°程度(図8参照)にするのがよく、これによれば、屋根材同士を接続する際に、大きな力を要することなしに起立係止片4d、垂下係止片5dを折り返すこと可能となり、比較的簡単な作業で屋根を効率的に葺あげることができる(初めから起立係止片4dを折り返しておくと、起立係止片4dと垂下係止片5dとを引掛ける作業が困難となる場合があるうえ、屋根材の表面処理層に傷を付けてしまうおそれもある)。
とくに、垂下係止片5dは、防水パッキンを貼付したのちに曲げ加工を施して成形するのが好適であり、これにより、防水パッキに皺が発生したり厚みが変動するのを抑えることができる。
図9(a)〜(c)は、垂下係止片5dの幅方向の両端部および下端部に防水パッキン6を貼着するとともに、第三のハゼ5bの内壁頂部から第一の板状体5aの幅方向の端部に至るまで領域および第四のハゼ5cの内壁頂部から第一の板状体5aのもう一方の幅方向の端部に至るまでの領域にそれぞれ防水パッキン7、8を貼着した例を示した図である。防水パッキン6は、垂下係止片5からその下端部にかけて連続的に伸延する一枚もののパッキンが用いられる。
垂下係止片5dの幅方向の両端部および下端部、第三のハゼ5bの内壁頂部から第一の板状体5aの幅方向の端部に至るまで領域および第四のハゼ5cの内壁頂部から第一の板状体5aのもう一方の幅方向の端部に至るまでの領域にそれぞれ防水パッキン6、7、8を貼着しておくことにより、屋根材の接続が完了した時点で、該防水パッキン6、7、8は、下継手4と上継手5との相互間に圧縮力が付与された状態で位置することになり、その部位からの雨水の侵入を確実に遮断することができる。図10に防水パッキン6と下継手4および上継手5の位置関係を示す。
防水パッキン6〜8としては、例えば、圧縮力が付与された際に弾性変形可能なEPDMゴム発泡体のエプトシーラー等を用いることができる。厚さや長さ、幅寸法については屋根板材のサイズに応じて適宜変更可能であり、両面テープや接着剤を用いて貼着すればよい。
防水パッキン6としては、図11(a)〜(c)に示すように垂下係止片5dの全面に貼着しておくこともできる。かかる防水パッキン6によれば、図12に接続状態の断面を示すように、シール面積が拡大されるため重ね合わせ部分での防水性がより一層高まる。垂下係止片5dに配置される防水パッキン6としては、該垂下係止片5dの幅方向の両端部および下端部から2〜3mm程度はみ出した幅広サイズとするのがよく、これにより、屋根材の相互間に形成される漏水経路を確実に遮断することができる。
図13(a)(b)、図14(a)(b)は、下継手4の第一のハゼ4bの少なくとも頂部から板状体4aを経て第二のハゼ4cの少なくとも頂部に至るまでの領域に防水パッキン9、10を貼着した例を示したものである。
この場合にも、屋根材の接続が完了した時点では該防水パッキン9、10は、図15(a)(b)に示すように、下継手4と上継手5との相互間に位置することになり、その部位からの雨水の侵入を確実に遮断することができる。
防水パッキン6〜10については、下継手4、上継手5のいずれか一方に設ける場合について示したが、下継手4、上継手5の両方に防止パッキンを貼付することも可能であり、この点についても限定されることはない。
下継手4を構成する第二のハゼ4cについては、その下端に下ハゼ3の固定用舌片3dに段差d3を介してつながる舌片4eを有しているため(固定用舌片3dと同様の機能を有するもの)、第二のハゼ4cそのものの剛性が比較的高くなり、そのサイズによっては、隣接配置する他の屋根材の上継手5の第四のハゼ5cを嵌合させる際に、該第四のハゼ5cの内壁に貼着された防水パッキン8が引き剥がされることも懸念される。このため、第二のハゼ4cは、図16(a)(b)に示すように、その側壁をフラットにしておくこともできる。
また、屋根材本体1の長尺縁部1a、1bにその長手方向の全長にわたって隆起部11を形成した、例えば図17に示すような屋根材においては、ロール成形によって屋根材を成形する時に、下継手4の部分にも隆起部11′が形成されるため、その部位の剛性が高くなり、起立係止片4dの折り返しおいては大きな力が必要になる(折り返しし難くなる)ので、このような屋根材を用いる場合には、剛性が高くなる部位12を除外するような、例えば切欠きあるいはスリットを設けておくのが好ましい。
図18は、本発明にしたがう嵌合式屋根材を複数枚用いて建築構造物の屋根を葺きあげる場合の一例を部分的に示した図である(防水パッキンの図示は省略してある)。
屋根材の配置手順としては、まず、野地板に二次防水紙のアスファルトルーフィングを敷設し、屋根材の働き幅に合わせて割付け、墨出しを行い、軒先に軒先水切りを取付けたのち(図示せず)、屋根の「けらば」の軒から墨出しに合わせて一列・一段目の屋根材を配置し、その屋根材の下ハゼ3の固定用舌片3d、下継手4の舌片4eのそれぞれに所定間隔でもってビスをねじ込むか、あるいは釘等を打ち付けて野地板、母屋等に固定する。
次に、一列・二段目の屋根材(隣接配置する他の屋根材)を、既に固定された一列・一段目の屋根材の水上側(棟側)に配置して屋根材同士を接続する。一列・一段目の屋根材と一列・二段目の屋根材とを接続するには、一列・二段目の屋根材の上継手5を、一列・一段目の屋根材の下継手4に重ね合わせるべく、上継手5の第三のハゼ5bを、下継手4の第一のハゼ4bに、また上継手5の第四のハゼ5cを、下継手4の第二のハゼ4cに嵌合させればよい。このとき、一列・一段目の屋根材の下継手4の起立係止片4d、一列・二段目の屋根材の上継手5の垂下係止片5dは、二枚重ねになるように折り返されることになり、両屋根材は、起立係止片4d、垂下係止片5dにより引き抜け不能に連係される。一列・二段目の屋根材も下ハゼ3の固定用舌片3d、下継手4の舌片4eにビスをねじ込むかあるいは釘等を打ち付けることによって野地板、母屋等に固定する。
上記の接続作業は、屋根の棟に達するまで繰り返し行い(梁間方向の接続)、一列目の接続作業を終えたならば、二列目の屋根材を配置する。
二列目の屋根材として、二列・一段目の屋根材を配置するには、既に固定された一列・一段目の屋根材の下ハゼ3に二列・一段目の屋根材の上ハゼ2を嵌合させるとともに、一列・二段目の屋根材の第四のハゼ5cに、二列・一段目の屋根材の第一のハゼ4bを嵌合させる(桁方向の接続)。
次いで、二列・二段目の屋根材の上ハゼ2を、一列・二段目の屋根材の下ハゼ3に、その第三のハゼ5bを二列・一段目の屋根材の第一のハゼ4bに、その第一のハゼ4bを、一列・二段目の屋根材の第二のハゼ4cにそれぞれ嵌合させればよく、二列目の屋根材の接続作業についても一列目の屋根材と同様に屋根の棟に達するまで繰り返し行う。
三列目以降の屋根材については、二列目の屋根材と同じ手順で梁間方向、桁方向に接続していけばよく、これにより建築構造物の屋根が葺あげられることになる。
下継手4の起立係止片4d、上継手の垂下係止片5dは、本発明では、いずれも矩形状のものを例として示したが、その形状は適宜変更可能であり、図示のものに限定されることはない。
また、下継手4としては、段差dを介して屋根材本体1の短尺縁部1eにつながるものを例として説明したが、下継手4と屋根材本体1とは、図19に示すように、段差dを経ることなしに(面一状態)つながっていてもよい(図19中の破線は、下継手4と屋根材本体1との境界を表示している)。
図20は、本発明にしたがう嵌合式屋根材の他の実施の形態を示した外観斜視図であり、図21(a)(b)は、図20に示した嵌合式屋根材の下継手について角度を変えて示した外観斜視図である。なお、図20、21において、先で説明した実施形態における要素と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、起立係止片4dは、一方の面(折り返される前の状態で上を向く面)が板状体4aの外表面と向き合うように折り返された折り返し係止片4d′である。折り返し係止片4d′は、初めから折り返されている。折り返し係止片4d′は、180°の角度で折り返されていることが好ましい。
図22(a)(b)は、図20、21に示した嵌合式屋根材の下継手に防水パッキンを設けた変形例を示す外観斜視図であり、図23は、図22に示した嵌合式屋根材の接続部における断面を示す図である。
この変形例において、下継手4には、第一のハゼ4bの外側側面から、第一のハゼ4bの頂部、第一のハゼ4bの内側側面、第一のハゼ4bと折り返し係止片4d′との隙間、折り返し係止片4d′の上面(他方の面)上、折り返し係止片4d′と第二のハゼ4cの内側側面との隙間、第二のハゼ4cの内側側面、第二のハゼ4cの頂部、第二のハゼ4cの外側側面、舌片4eに至るまでの領域に、連続的に伸延する一枚ものの防水パッキン13が設けられている。なお、防水パッキン13は、第一のハゼ4bの頂部4bから、折り返し係止片4d′の上面上を経て、第二のハゼ4cの頂部に至るまでの領域にだけ設けてもよい(図示省略)。
防水パッキン13としては、例えば、圧縮力が付与された際に弾性変形可能なEPDMゴム発泡体のエプトシーラー等を用いることができる。厚さや長さ、幅寸法については屋根板材のサイズに応じて適宜変更可能であり、両面テープや接着剤を用いて貼着すればよい。
屋根材の接続が完了した時点では防水パッキン13は、図23に接続状態の断面を示すように、下継手4と上継手5との相互間に位置することになり、その部位からの雨水の侵入を確実に遮断することができる。
また、折り返し係止片4d′の上面に防水パッキン13を設けることにより、折り返し係止片4d′となる部分の折り曲げ工程が一度で済むため、曲げ加工により起立係止片4dを形成し、起立係止片4dの内側に防止パッキン10を貼付した後、起立係止片4dを180°の角度まで再度曲げ加工する場合(例えば図14)に比べて、製造工程の短縮を図ることができる。なお、この実施形態においても、折り返し係止片4d′の上面および下面の双方に防止パッキンを設けてもよい。
図24は本発明の他の実施形態の嵌合式屋根材を示し、(a)は斜視図、(b)はD−D断面図である。この嵌合式屋根材では、下ハゼ3の固定用舌片3d、第二のハゼ4cの下端に設けられ固定用舌片3dにつながる舌片4e、および、第四のハゼ5cの下端に設けられ固定用舌片3dにつながる舌片5eには、水上側から水下側まで連続して幅方向端部(自由端)が上側に折り返された折返し部(ハミング)fが形成されている。このように舌片3d,4e,5eに水上側から水下側まで延在する折返し部fを設けることで、隣接した屋根材の相互間に形成される隙間から水が侵入した場合においても、折返し部fが水の堰止めとして機能して水は折返し部fに沿って流れて軒先より排出される。なお、このような折返し部fは本実施形態の屋根材に限らず、先に示した他の屋根材にも同様に設けることができる。
また、本実施形態では、折り返し係止片4d′には、幅方向の端部を潰して板状体4aの外表面に密着させた密着曲げ部hが形成されており、これによれば、折り返し係止片4d′の端部と板状体4aとの間からの水の侵入を低減ないし抑制して止水性能を高めることができる。なお、密着曲げ部hは本実施形態の屋根材に限らず、先に示した他の屋根材にも同様に設けることができる。
図25は本発明の他の実施形態の屋根材の、図22のE部と同様の位置における断面を示す要部断面図である。この嵌合式屋根材は、図22に示す如く折り返し係止片4d′の上面に防水パッキン13を貼付するにあたり、折り返し係止片4d′と第一、第二のハゼ4b,4cとの間の窪みにそれぞれたるみ部(凸状部)13aを形成したものである。このように折り返し係止片4d′と第一のハゼ4bとの間の窪みにたるみ部13aを形成することで、当該窪みにおいて防水パッキン13と板状体4aとの隙間をなくすことができ、止水性能を高めることができる。
本発明によれば、高い防水性を保持したままで屋根材同士を簡便かつ確実につなぎ合わせることができるため、屋根材の定尺化が可能であり、現地における屋根材の成型が不要となる。
また、本発明によれば、屋根材を、屋根材同士をつなぎ合わせるための余計な部材が不要な単一部材で構成することが可能であり、効率的な葺きあげ作業が実現できる。
1 屋根材本体
1a 長尺縁部
1b 長尺縁部
1c 短尺縁部
1d 短尺縁部
2 上ハゼ
2a 傾斜側壁
2b 頭部
2c 傾斜側壁
3 下ハゼ
3a 側壁
3b 頭部
3c 側壁
3d 固定用舌片
4 下継手
4a 板状体
4b 第一のハゼ
4c 第二のハゼ
4d 起立係止片
4d′ 折り返し係止片
5 上継手
5a 第一の板状体
5b 第三のハゼ
5c 第四のハゼ
5d 垂下係止片
6〜10 防水パッキン
11 隆起部
12 剛性が高くなる部位
13 防水パッキン
13a たるみ部
f 折返し部
h 密着曲げ部

Claims (10)

  1. 梁間方向に沿って延伸する一対の長尺縁部とこれら各長尺縁部を挟み込んで桁方向に沿って延伸する一対の短尺縁部とによって区画された輪郭形状を有する屋根材本体と、該屋根材本体の各長尺縁部のそれぞれに沿って一体連結する上ハゼ、下ハゼとを備え、
    該各短尺縁部を、該屋根材本体の水下側、水上側にそれぞれ隣接配置する他の屋根材の短尺縁部に重ね合わせて屋根材同士を梁間方向へ接続する一方、該上ハゼ、下ハゼを、桁方向に隣接配置する他の屋根材の下ハゼ、上ハゼにそれぞれ嵌合させて屋根材同士を桁方向へ接続して建築構造物の屋根を葺きあげる嵌合式の屋根材であって、
    該屋根材本体の一方の短尺縁部に、水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部の下側において重ね合わさる下継手を設け、
    該屋根材本体のもう一方の短尺縁部に、該屋根材本体と面一状態でつながり、水下側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部の上側において重ね合わさる上継手を設け、
    該下継手は、該屋根材本体の短尺縁部の全域にわたってつながる板状体と、該板状体の幅方向の端縁および該上ハゼの端部につながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼに嵌合可能な第一のハゼと、該板状体のもう一方の幅方向の縁部および該下ハゼの端部につながるとともに水上側に隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合可能な第二のハゼと、該板状体の先端縁にて立ち上がり折り返された状態で水上側に隣接配置する他の屋根材の垂下係止片に連係可能な起立係止片とを有し、
    該上継手は、該屋根材本体に面一状態で一体連結する第一の板状体と、該第一の板状体の幅方向の各端部および該上ハゼ、下ハゼにそれぞれ面一状態で一体連結する第三のハゼ、第四のハゼと、該第一の板状体の先端縁において垂れ下がり折り返された状態で水下側に隣接配置する他の屋根材の起立係止片に連係可能な垂下係止片とを有し、
    該起立係止片は、水上側に隣接配置する他の屋根材の上継手の第一の板状体による押圧で板状体に向け180°曲げ状態となるように折り返されるものであり、
    該垂下係止片は、水下側に隣接配置する他の屋根材の下継手の板状体による押圧で第一の板状体に向け180°曲げ状態となるように折り返されるものであることを特徴とする嵌合式屋根材。
  2. 前記垂下係止片は、その幅方向の両端部および下端部もしくはその全面に、前記水下側に隣接配置する他の屋根材の重ね合わせの際に屋根材の相互間に形成される隙間を埋める防水パッキンを有することを特徴とする請求項1に記載した嵌合式屋根材。
  3. 前記下継手は、前記第一のハゼの少なくとも頂部から前記板状体を経て第二のハゼの少なくとも頂部に至るまでの領域に防水パッキンを有することを特徴とする請求項1または2に記載した嵌合式屋根材。
  4. 前記上継手は、前記第三のハゼの内壁頂部から前記第一の板状体の幅方向の端部に至るまでの領域および前記第四のハゼの内壁頂部から該第一の板状体のもう一方の幅方向の端部に至るまでの領域にそれぞれ防水パッキンを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載した嵌合式屋根材。
  5. 前記下ハゼには固定用舌片が設けられ、
    前記第二のハゼの下端には前記固定用舌片に水上側でつながる舌片が設けられ、
    前記第四のハゼの下端には前記固定用舌片に水下側でつながる舌片が設けられ、
    前記固定用舌片、前記第二のハゼの舌片および前記第四のハゼの舌片には、水上側から水下側まで連続して幅方向端部が上側に折り返された折返し部が形成されている、請求項1〜4のいずれか1に記載した嵌合式屋根材。
  6. 前記垂下係止片は、前記起立係止片と同等もしくはそれよりも長い長さを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載した嵌合式屋根材。
  7. 前記起立係止片は、前記板状体の外表面とのなす角度が0°超〜45°であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した嵌合式屋根材。
  8. 前記垂下係止片は、前記第一の板状体の裏面とのなす角度が0°超〜45°であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載した嵌合式屋根材。
  9. 前記起立係止片は、一方の面が前記板状体の外表面と向き合うように折り返された折り返し係止片であり、
    前記下継手は、前記第一のハゼの少なくとも頂部から、前記折り返し係止片の他方の面上を経て、前記第二のハゼの少なくとも頂部に至るまでの領域に、連続した防水パッキンを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載した嵌合式屋根材。
  10. 請求項1〜のいずれか1に記載した嵌合式屋根材の接続方法において、
    前記屋根材本体の短尺縁部に設けられた前記上継手を、水下側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部に重ね合わせて前記第三のハゼ、第四のハゼを該水下側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼに嵌合させるとともに前記垂下係止片を折り返し、次いで、該屋根材本体の短尺縁部に設けられた前記下継手を水上側に隣接配置する他の屋根材の短尺縁部を重ね合わせて、前記第一のハゼ、第二のハゼに、水上側に隣接配置する他の屋根材の上ハゼ、下ハゼを嵌合させるとともに前記起立係止片を折り返すことによって屋根材同士を梁間方向に接続することを特徴とする嵌合式屋根材の接続方法。
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