JP7331285B1 - 多段式屋根材 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で簡素化された形状を有しながらも剛性が高く、かつ、止水性を向上させた多段式屋根材およびその多段式屋根材の製造方法を提案する。【解決手段】矩形平面形状を有する屋根材本体と、該屋根材本体の一の短辺側につながる横継手とを備えた屋根材において、前記屋根材本体に、該屋根材本体を、下段平板部と、上段平板部とに区分する中央屈曲部を設ける。前記下段平板部の水下縁部に下段平板端部を設け、前記上段平板部の水上縁部に上段平板端部を設ける。前記上段平板端部に少なくとも一列の横溝を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、新設建屋の屋根を葺きあげる場合のみならず既設建屋の屋根、例えば、屋根材の重ね合わせ部分に段差が形成された化粧スレート屋根(コロニアル(登録商標))等の上に新たな屋根を重ね葺きするカバータイプの屋根材としても用いられる多段式屋根材に関するものである。以下、段差を有する既存の屋根の上に新たな屋根を重ね葺きする場合を例として説明する。
段差が形成された既存の屋根の上に新たな屋根を重ね葺きする手法としては、既存の屋根の上にまず、ルーフィングを敷設し、その上に段付きの新たな屋根材を、軒方向においてつなぎ合わせる作業と軒乃至棟方向においてつなぎ合わせる作業をそれぞれ繰り返し行う手法が知られており、この点に関する先行技術としては、特許文献1が参照される。
ところで、従来使用されている重ね葺き用の屋根材には、水上側にハゼを設け、水下側端部をそのハゼに嵌合して施工する例がある。その場合、屋根材の腹部は既存の屋根材から浮いた状態となり、凹むなどの変形が懸念される。なかには、屋根材の裏面に変形防止用のバックアップ材を設け対策をする屋根もある。その場合、屋根材そのものの重量が重くなる傾向にあり、屋根葺き作業時における取扱いがよいとはいえない。さらに、バックアップ材の厚み分屋根が嵩張ることで輸送時には、一度に多くの量を運ぶことが困難であったり、在庫管理する際は十分な置場の確保が必要になったりする等の課題があった。また、表面に、屋根材同士をつなぎ合わせる際に使用されるリブ等の加工が施された構造になっている。そのため、屋根材の形状も複雑であって屋根材の効率的な製造が行えずコストの上昇が避けられない不具合を有していた。
また、この種の屋根材は、屋根材の重ね合わせ部分に雨水が侵入した場合に、その雨水は雨水ガイドを通して排出されるようにはなっている。しかし、風の吹き込み状況によっては重ね合わせ部分内で雨水が屋根材の水上末端部に向けて吹き上げられたり、浸透圧(毛細管)現象によって雨水が吸い込まれたりして、雨水が屋根の下地材側へと流れ込んでしまうことも懸念されている。つまり、従来の屋根材では止水性に関して未だ改善の余地が残されているのが現状であった。
特開2012-207426号公報
本発明の目的は、軽量で、簡素化された形状ながらも高い剛性を有し、かつ、止水性を向上させた多段式屋根材を提供するところにある。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる多段式屋根材は、一対の短辺と該一対の短辺を挟む一対の長辺にて区画された矩形平面形状を有する屋根材本体と、該屋根材本体の一の短辺側につながる横継手とを備え、該横継手を、隣接配置される他の屋根材の一の短辺側の下に重ね合わせるとともに該屋根材本体の短辺側を隣接配置される別の屋根材の横継手の上に重ね合わせて屋根材同士を軒に沿って連結する一方、該屋根材本体の一の長辺側を水下側に隣接配置される他の屋根材の長辺側の上に重ね合わせ、該屋根材本体のもう一の長辺側を水上側に隣接配置される別の屋根材の長辺側の上に重ね合わせて屋根材同士を軒乃至棟方向に連結することにより建屋の屋根を葺きあげる屋根材であって、前記屋根材本体は、該一対の長辺に沿って設けられ、該屋根材本体を、水下側に位置する下段平板部と、水上側に位置する上段平板部とに区分するとともにその相互間に段差を形成して上段平板部の表面レベルを下段平板部の表面レベルよりも高いレベルに保持する中央屈曲部を有し、前記下段平板部の水下縁部に、下がり段差を形成する下方屈曲部を介してつながり水下側に隣接配置される他の屋根材の上に設置される下段平板端部を設け、前記上段平板部の水上縁部に、上がり段差を形成する上方屈曲部を介してつながり水上側に隣接配置される別の屋根材に被さる上段平板端部を設け、前記上段平板端部に少なくとも一列の横溝を設けたことを特徴とする。
なお、本発明にかかる多段式屋根材は、下記いずれかを備えることがより好ましい解決手段となる。
(ア)前記下段平板部、前記上段平板部および前記上段平板端部は、相互に平行に保持された表面を有するものであること。
(イ)前記中央屈曲部は、前記下段平板部の水上端から立ち上がって前記上段平板部の水下端につながる傾斜壁を有し、前記下方屈曲部は、該下段平板部の水下端から下って前記下段平板端部の水上端につながる傾斜壁を有し、前記上方屈曲部は、該上段平板部の水上端から立ち上がって前記上段平板端部の水下端につながる傾斜壁を有し、該中央屈曲部の傾斜壁の、該下段平板部に対する立ち上がり角度または該中央屈曲部の傾斜壁の、該上段平板部に対する下がり角度は40~50°であり、該下方屈曲部の傾斜壁の、該下段平板部に対する下がり角度は40~50°であり、該上方屈曲部の傾斜壁の、該上段平板部に対する立ち上がり角度が40~50°であること。
(ウ)前記下段平板端部は、前記下方屈曲部の接続端を起点に水下側に隣接配置される別の屋根材の外表面に向けて屈曲、傾斜が付与され、屋根材本体が屋根に設置された場合に、水下側に隣接配置される別の屋根材の上にスプリングバックによる弾性変形を伴って設置されるものであり、該下段平板端部の、該下方屈曲部の傾斜壁に対する立ち上がり角度が30~40°で、該下段平板端部の、該下段平板部に対する下がり角度が5~15°であること。
(エ)前記下段平板部および前記下段平板端部は、緊結釘を挿通させる下穴を有し、前記下穴は、隣接配置される他の屋根材の横継手の上に重ね合わせられる短辺側および前記横継手に少なくとも配置され、隣接配置される他の屋根材の重ね合わせられる短辺側の下穴と前記横継手に設けられた下穴とが、重ね合わせたときに同一位置になるように配置されていること。
(オ)前記下段平板端部の水下側端が裏側につぶし曲げされ、前記一の短辺が裏側につぶし曲げされ、前記横継手の短辺側が表側につぶし曲げされ、前記上段平板端部の水上側端のうち横継手以外の部分が内側曲率半径を板厚の0~16倍の範囲として表側に180°曲げされていること。
(カ)前記横継手は、前記下段平板部、前記上段平板部および前記上段平板端部の端縁にそれぞれ下がり段差を形成する縦向き屈曲部を介してつながる片持ち支持片からなり、
前記片持ち支持片に、該縦向き屈曲部に沿って伸延し、水下側の末端で開放される少なくとも一列の縦溝を設け、前記横溝は、一端が屋根材本体の短辺側にて開放され、他端が片持ち支持片の縦溝につながること。
(キ)前記縦溝は、溝本体と、該溝本体につながる幅狭の導通溝からなること。
本発明によれば、階段状の複数の段差が形成された形状からなっているため、バックアップ材を要することなしに形状変形を抑制することができる。また、本発明によれば、屋根材の軽量化が可能であり、現場での取り扱いが容易であるだけでなく、形状の簡素化により屋根材の効率的な製造が可能となる。
また、本発明によれば、屋根材の水上側の端部に横溝が形成されている。そのため、屋根材の重ね合わせ部において雨水が風により吹き上げられたり、浸透圧(毛細管)現象により雨水が吸い込まれたりしても、吹き上げられた雨水、あるいは吸い込まれた雨水を、横溝を通して外部へと排出することが可能であり、止水性の向上を図ることができる。
さらに、本発明によれば、横継手に縦溝を有し、横溝と連結しているので、より止水性の向上を図ることができる。
(a)は、本発明の一実施形態にしたがう多段式屋根材の正面図、(b)は、(a)の背面図である。 (a)は、図1(a)に示した多段式屋根材の平面図、(b)は、図1(a)に示した多段式屋根材の底面図である。 (a)は、図1(a)に示した多段式屋根材の右側面図、(b)は、図1(a)に示した多段式屋根材の左側面図である。 (a)(b)は、図3(a)(b)の拡大図である。 図2(a)のA-A、B-B部の拡大図である。 図5のC-C断面図である。 本発明にしたがう多段式屋根材の軒方向におけるつなぎ合わせ要領の説明図である。 上記実施形態にしたがう多段式屋根材の軒乃至棟方向におけるつなぎ合わせ要領の説明図である。 上記実施形態にしたがう止水用パッキンの配置要領を示した図である。 (a)は、図9のG-G断面図であり、(b)は、図9のH-H断面図である。 (a)は上記実施形態にしたがう多段式屋根材の2枚を軒方向につなぎ合わせた状態を平面について示した図であり、(b)は(a)に示した多段式屋根材の2枚をつなぎ合わせ状態で、さらに水上側に他の多段式屋根材を1枚配置した状態を示した図である。 上記実施形態にしたがう多段式屋根材を用いて葺きあげた屋根の断面を一部について示した図である。 上記実施形態にしたがう多段式屋根材の葺きあげ要領の説明図である。 上記実施形態にしたがう多段式屋根材の他の実施の形態を模式的に示した図である。 上記実施形態にしたがう多段式屋根材の他の実施の形態を模式的に示した図である。 (a)は、他の実施形態にしたがう多段式屋根材の正面図、(b)は、(a)の背面図である。 (a)および(b)は、それぞれ図16(a)に示した他の実施形態にしたがう多段式屋根材の平面図および底面図である。 (a)は、図16(a)に示した多段式屋根材の右側面図、(b)は、図1(a)に示した多段式屋根材の左側面図である。 (a)および(b)は、それぞれ図18(a)および(b)の拡大図である。 図17(a)のA-A、B-B部の拡大図である。 (a)~(c)は、図20のD-D、E-E、F-F断面図である。 他の実施形態にしたがう多段式屋根材の軒方向におけるつなぎ合わせ要領の説明図である。 他の実施形態にかかる止水用パッキンの配置要領を示した図である。 (a)は、図23のG-G断面図であり、(b)は、図23のH-H断面図である。 (a)は、他の実施形態にしたがう多段式屋根材の2枚を軒方向につなぎ合わせた状態を平面について示した図であり、(b)は、(a)に示した多段式屋根材の2枚をつなぎ合わせ状態で、さらに水上側に他の多段式屋根材を1枚配置した状態を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構造や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<第一実施形態>
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態にしたがう屋根材を模式的に示した図であり、(a)は、正面図、(b)は、背面図である。また、図2(a)は、図1(a)に示した多段式屋根材の平面図であり、(b)は、図1(a)に示した多段式屋根材の底面図であり、図3(a)は、図1(a)に示した多段式屋根材の右側面図であり、(b)は、図1(a)に示した多段式屋根材の左側面図である。また、図4(a)および(b)は、図3(a)および(b)の拡大図、図5は、図2(a)のA-A、B-B部の拡大図であり、図6は、図5のC-C断面を示した図である。
本実施形態の多段式屋根材は、多段式屋根材の長手方向のつなぎ合わせを先行して行い、そのつなぎ合わせを終えたならば、多段式屋根材の幅方向のつなぎ合わせを行う横継ぎ(横葺き)方法を採用するものであって、屋根を葺きあげるにあたっては、同一の構成からなる屋根材を複数枚用いることを前提とする。
なお本実施形態において、屋根材本体の長辺に沿う向きを多段式屋根材の長手方向ということとし、短辺に沿う向きを多段式屋根材の幅方向ということとする。また、隣接配置される他の屋根材、隣接配置される別の屋根材とは、本実施形態にしたがう多段式屋根材と同様の構成からなる屋根材をいうものとする。
多段式屋根材は、厚さ0.35~0.8mm程度、より好ましくは、0.35mm程度の亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板またはそれらの塗装、被覆金属板等が用いられ、単一の板材にプレス成形、ロール成形等の成形加工を適宜施すことにより形成される。
また、多段式屋根材の幅寸法や長さ、厚さは任意に変更し得るものであって、図示したようなアスペクト比には限定されない。
図1~6における符号1は、屋根材本体である。屋根材本体1は、一対の短辺1a、1bと、該一対の短辺1a、1bを挟む一対の長辺2a、2bとで区画された矩形平面形状を有するものである。また、符号3は、屋根材本体1の一の短辺1a側に設けられた横継手である。
本実施形態にしたがう多段式屋根材は、横継手3を、図7に示すように、隣接配置される他の屋根材Y1の一の短辺側1b′の下に重ね合わせるとともに該屋根材本体1の短辺側1bを隣接配置される別の屋根材Y2の横継手3′の上に重ね合わせて屋根材Y2の短辺1a′と位置合わせし屋根材同士を軒に沿って連結する一方、該屋根材本体1の一の長辺側2aを、図8に示すように、水下側に隣接配置される他の屋根材Y3の長辺側2b′の上に重ね合わせ、該屋根材本体1のもう一の長辺側2bを水上側に隣接配置される別の屋根材Y4の長辺側2a′の下に重ね合わせて屋根材同士を軒乃至棟方向に連結することにより建屋の屋根を葺きあげるものである。なお、横継手3は、短辺2a側に設けた場合を例として示したが、横継手3は、屋根材本体1の短辺1b側に設けることもでき、この場合、短辺2a側はフラットなままに保持される。
また、符号4は、屋根材本体1の幅方向のほぼ中央部に、一対の長辺2a、2bに沿って設けられた中央屈曲部である。中央屈曲部4は、屋根材本体1を、水下側に位置する下段平板部5と、水上側に位置する上段平板部6とに区分するとともに、その相互間に段差7を形成して上段平板部6の表面レベルを下段平板部5の表面レベルよりも高いレベルに保持する。段差7の段差代d1は、5~10mm程度に設定される。
また、符号8は、下段平板部5の水下縁部に設けられた下段平板端部である。下段平板端部8は、下段平板部5に、下がり段差9を形成する下方屈曲部10を介してつながるものであって、水下側に隣接配置される別の屋根材Y3の上に設置される。下がり段差9の段差代d2は、5~10mm程度に設定される。
また、符号11は、上段平板部6の水上縁部に設けられた上段平板端部である。上段平板端部11は、上段平板部6に、上がり段差12を形成する上方屈曲部13を介してつながるものであって、水上側に隣接配置される他の屋根材Y4に被さるものである。上がり段差12の段差代d3は、5~10mm程度に設定される。
下段平板部5、上段平板部6、上段平板端部11は、相互に平行に保持された表面を有するものとするのが好ましい。
中央屈曲部4は、下段平板部5の水上端から立ち上がって上段平板部6の水下端につながる傾斜壁4aを有する。また、下方屈曲部10は、下段平板部5の水下端から下って下段平板端部8の水上端につながる傾斜壁10aを有し、上方屈曲部13は、上段平板部6の水上端から立ち上がって上段平板端部11の水下端につながる傾斜壁13aを有する。
中央屈曲部4の傾斜壁4aの、下段平板部5に対する立ち上がり角度(下段平板部5を通る直線を基準線とした場合における該基準線と傾斜壁4aとのなす角度(仰角))θ1または該中央屈曲部4の傾斜壁4aの、上段平板部6に対する下がり角度(上段平板部6を通る直線を基準線とした場合における該基準線と傾斜壁4aとのなす角度(俯角))θ2は40~50°程度、より好ましくは45°程度とするのがよい。また、下方屈曲部10の傾斜壁10aの、下段平板部5に対する下がり角度(下段平板部5を通る直線を基準線とした場合における該基準線と傾斜壁10aとのなす角度)θ3は40~50°程度、より好ましくは45°程度とするのがよく、さらに、上方屈曲部13の傾斜壁13aの、上段平板部11に対する立ち上がり角度(上段平板部11を通る直線を基準線とした場合における該基準線と傾斜壁13aとのなす角度)θ4は40~50°程度、より好ましくは45°程度とするのがよい。角度θ1~θ4を上記の範囲に設定することにより板金鋏による現場での切断が容易となり、施工時の屋根材の腰折れを防止することができる。
また、下段平板端部8は、下方屈曲部10の接続端を起点に水下側に隣接配置される他の屋根材Y3の外表面に向けて屈曲、傾斜が付与されており、屋根材本体1が屋根に設置された場合に、水下側に隣接配置される他の屋根材Y3の上にスプリングバックによる弾性変形を伴って設置されるものである。
下段平板端部8の、下方屈曲部10の傾斜壁10aに対する立ち上がり角度(下段平板部8を通る直線を基準線とした場合における該基準線と傾斜壁10aとのなす角度)θ5は、上記と同様の理由により30~40°程度、より好ましくは35°程度とすることができる。また、下段平板端部8の、下段平板部5に対する下がり角度θ6は5~15°程度、より好ましくは、10°程度とすることができる。角度θ6を上記の範囲に設定することにより下段平板端部8の浮き上がりが抑制され、水下側に隣接配置される別の屋根材Y3との密着性が向上して高い止水性を確保することができる。
また、符号16は、上段平板端部11に設けられた横溝である。横溝16は、一端が屋根材本体1の短辺1b側にて開放され、他端が横継手3側にて開放されている。横溝16は、1列の例で示したが2列以上としてもよい。横溝16は、雨水を効率的に排出するため溝幅を4~10mm程度、とりわけ7mm程度とするのが好ましく、溝の深さは、屋根材本体1の厚さの2倍~8倍程度、とりわけ、4倍程度とするのが好ましい。
横溝16は、屋根材の重ね合わせ部分の内部に位置するものであって、風の吹き込みにより重ね合わせ部分の内部で雨水が吹き上げられたり、浸透圧(毛細管)現象により雨水の吸い込みが起きたりしたとしても、吹き上げられた雨水、吸い込まれた雨水は、横溝16を経て屋根材本体1の短辺1b側および横継手3上へと流れていき、後述するパッキンなどにより封止されて、外部に排出されることとなり、既存の屋根材側への流れ込みを回避する。
本実施形態では、多段式屋根材1の短辺1bの長手方向端、下段平板端部8の水下側端、横継手3の長手方向端はそれぞれ折り返されてつぶし曲げ部1c、8a、3aとなっている。重ね合わせの状態を考慮して、短辺1bの長手方向端のつぶし曲げ部1cおよび下段平板端部8の水下側端のつぶし曲げ部8aは下面側に折り曲げることが好ましい。横継手3の長手方向端のつぶし曲げ部3aは上面側に折り曲げることが好ましい。そうすることによって、重ね合わせ部分が密着して、浸透圧(毛細管)現象による水の吸い上げを防止することができる。折り曲げの曲率半径は板厚の0~16倍程度まで、折り曲げ幅は4~15mm程度とすることが好ましい。
また、上段平板端部11の水上側端のうち横継手3以外の部分が上面側に180°曲げ、つまり、断面U字形の端部が開放した折り返し曲げ(U曲げ部11a)とすることが好ましい。折り曲げの曲率半径は板厚の0~16倍程度まで、折り曲げ幅は4~15mm程度とすることが好ましい。こうすることで、重ね合わせ部に吹き上げられたり、吸い上げられたりした雨水をせき止め、それ以上水上側へ行かないようにする効果が得られる。
横継手3の上面であって、水上側の上段平板端部11から水下側の下段平板端部8にかけて止水用パッキン(EPDM発泡体、ブチルテープ等)Pを配置するのが好ましい。図9(a)は止水用パッキンPの配置の一例を示す平面図であり、(b)は側面図であり、(c)~(f)は止水用パッキンの他の配置例を示す平面図である。図10には断面図で示す。止水用パッキンPは少なくとも上段平板端部11の溝部16を横断するように配置し、溝部を流れる雨水などの横走りを止めることが好ましい。
図11(a)に、上段平板端部11の水上側端に設けたU曲げ部11aどうし、および、ビス打ち用の下穴28どうしを合わせて多段式屋根材を軒方向につなぎ合わせた例を模式的に示し、図11(b)に、図11(a)に示した多段式屋根材の2枚をつなぎ合わせた状態で、さらに、その水上側に他の多段式屋根材を配置した例を示す。
屋根材本体1の下段平板部5、下段平板端部8には、屋根材を固定するビスを打ち込む打ち込み場所を確定するマークとしての開口、凹部または凸部28を設けておくことができ、これにより、どの屋根材においても固定位置を揃えることができ、屋根の美観を保つのに役立つ。本発明にしたがう多段式屋根材は、ハゼ式屋根材ではないため、部分的な屋根材の取り外しが簡単に行え、損傷した屋根材の部分交換が可能となる。つまり、全面葺き替えをする必要がない。
また、本実施形態にしたがう多段式屋根材は、ハゼ式屋根材ではなく単純な重ね葺き屋根材であるため、一般的には、左から右に軒から棟に向けて葺いていく工程が採られるが、右から左に棟から軒に向けて葺いていく工程に変更することも可能となっている。屋根を棟から軒に向けて葺いていく場合には、上側に重なる屋根材を少し浮かせ、その隙間に下側に重なる屋根材をスライドさせて葺いていけばよい。
本実施形態にしたがう屋根材は、既存化粧スレートの段形状に追従する断面形状をしており、ハゼ式タイプの屋根に比べ、カバー屋根と化粧スレート間での隙間がないので、凹むリスクを回避できる。また、バックアップ材を入れる必要がないため嵩張らなくなり、輸送時には一度に多くの量を運ぶ事ができ、在庫管理する際にも無駄なスペースを占有することがなくなる。
本実施形態にしたがう屋根材は、下方屈曲部10、中央屈曲部4、上段屈曲部13の3段階からなる多段式屋根材を例として示したが、段数は限定されない。
図12は、本実施形態にしたがう多段式屋根材を用い、段差が形成された化粧スレート屋根Sの上に新設ルーフィングR1を介して重ね葺きした場合を模式的に示した図であり、図14における符号Gは、下地材を構成する合板等、R2は、既設ルーフィング、Bは、ビス、釘等である。本発明にしたがう多段式屋根材は、屋根材同士を重ね合わせるだけでつなぎ合わせることが可能であって、効率的な重ね葺きが行える。
なお、本実施形態にしたがう多段式屋根材は、屋根材を固定する前の段階では、図13に示すように、屋根材を重ね代の範囲内で軒乃至棟方向に適宜移動させて固定できるため、既存の屋根の施工精度に合わせて屋根を葺きあげることができる利点がある。
図14、図15は、本実施形態にしたがう多段式屋根材の他の実施の形態を示した図である。本実施形態にしたがう多段式屋根材は、重ね葺きする場合や新規な屋根を葺きあげる際に、屋根の断熱性を高めるために、その裏面に断熱材29を配置することができる。
本実施形態にしたがう多段式屋根材を製造するには、一対の短辺と該一対の短辺を挟む一対の長辺にて区画された矩形平面形状を有する金属製の板材を用意し、該板材の一方の長辺側からもう一方の長辺側へ向けて該板材に対してロール成形加工を施せばよい。事前にまたはロール成形後に各辺を折り曲げてつぶし曲げやU曲げを行うことができる。このような成形により、取り扱いやすく、安全で曲がりにくい製品を得ることができる。
<第二実施形態>
図16(a)(b)は、本発明の他の実施形態にしたがう屋根材を模式的に示した図であり、(a)は、正面図、(b)は、背面図である。また、図17(a)は、図16(a)に示した多段式屋根材の平面図であり、(b)は、図16(a)に示した多段式屋根材の底面図であり、図18(a)は、図16(a)に示した多段式屋根材の右側面図であり、(b)は、図16(a)に示した多段式屋根材の左側面図である。また、図19(a)および(b)は、図18(a)および(b)の拡大図、図20は、図17(a)のA-A、B-B部の拡大図であり、図21(a)~(c)は、図20のD-D、E-E、F-F断面を示した図である。なお、図20のC-C断面は図6に類似する。以下、第一実施形態と共通する部分は省略し、異なる部分を説明する
図16~21における符号1は、屋根材本体である。屋根材本体1は、一対の短辺1a、1bと、該一対の短辺1a、1bを挟む一対の長辺2a、2bとで区画された矩形平面形状を有するものである。また、符号3は、屋根材本体1の一の短辺1a側に設けられた横継手である。
本実施形態にしたがう多段式屋根材は、横継手3を、図22に示すように、隣接配置される他の屋根材Y1の一の短辺側1b′の下に重ね合わせるとともに該屋根材本体1の短辺側1bを隣接配置される別の屋根材Y2の横継手3′の上に重ね合わせて屋根材Y2の短辺1a′と位置合わせし屋根材同士を軒に沿って連結する。その一方、該屋根材本体1の一の長辺側2aを、図8に一例を示すように、水下側に隣接配置される他の屋根材Y3の長辺側2b′の上に重ね合わせ、該屋根材本体1のもう一の長辺側2bを水上側に隣接配置される別の屋根材Y4の長辺側2a′の下に重ね合わせて屋根材同士を軒乃至棟方向に連結することにより建屋の屋根を葺きあげるものである。なお、横継手3は、短辺2a側に設けた場合を例として示したが、横継手3は、屋根材本体1の短辺1b側に設けることもでき、この場合、短辺2a側はフラットなままに保持される。
符号14は、縦向き屈曲部である。縦向き屈曲部14は、下段平板部5、上段平板部6、上段平板端部11の端縁と横継手3との間に下がり段差(屋根材本体1の厚さの3倍~10倍程度、より好ましくは6倍程度の段差代を有するもの等)を形成するものである。
横継手3は、この縦向き屈曲部14を介して屋根材本体1に片持ち状態で支持される(以下、横継手3を片持ち支持片3と記載する。)。また、符号15は、片持ち支持片3に設けられた3列の例で示した縦溝である。縦溝15は、縦向き屈曲部14に沿って伸延し、片持ち支持片3の水下側の末端で開放される開放端を有している。
縦溝15は、溝本体15aと、この溝本体15aの端部につながる幅狭の導通溝15bで構成することができ、このうち、溝本体15aは、さざ波模様の凹凸形状を適用するのが好ましく、凹凸形状の凹の深さ、凸の高さは、屋根材本体1の厚さの2倍~8倍程度、とりわけ3倍程度とするのが好ましい。溝本体15aを複数設ける場合には、ピッチを10~40mm程度、とりわけ20mm程度とするのが好ましい。
導通溝15bは、溝深さが屋根材本体1の厚さの2倍~8倍程度、とりわけ4倍程度とするのが好ましく、溝幅については、4~10mm程度、とりわけ7mm程度に設定するのが好ましく、これにより雨水を溝本体15aに確実に誘導することができる。
また、横溝16は、一端が屋根材本体1の短辺1b側にて開放され、他端が片持ち支持片3の縦溝15につながるものである。横溝16は、屋根材の重ね合わせ部分の内部に位置するものである。風の吹き込みにより重ね合わせ部分の内部で雨水が吹き上げられたり、浸透圧(毛細管)現象により雨水の吸い込みが起きたりしたとしても、吹き上げられた雨水、吸い込まれた雨水は、本実施形態では、横溝16を経て屋根材本体1の短辺1b側および片持ち支持片3の縦溝15へと流れていき、外部に排出されることとなり、既存の屋根材側への流れ込みを回避する。
横溝16と縦溝15とを、L字形状をなすようにつなげることにより、この部位が補強され、垂れ下がり等の不具合を抑制することができる。横溝16は、長手方向の中央部あるいは任意の位置を起点に、短辺1b側および縦溝15側へ向かう下り勾配を付与しておくことができ、これにより雨水のより確実な排出が可能となる。
また、符号17は、中央屈曲部4の延長線上で片持ち支持片3に設けられた中央継手屈曲部である。中央継手屈曲部17は、片持ち支持片3を下段継手部18と上段継手部19に区分するとともにその相互間に段差(段差代はd1と同程度)を形成して上段継手部19の表面レベルを下段継手部18の表面レベルよりも高いレベルに保持する。
また、符号20は、下方屈曲部10の延長線上で片持ち支持片3に設けられた下方継手屈曲部である。下方継手屈曲部20は、下段継手部18の水下縁に下がり段差(段差代はd2と同程度)を介してつながるとともに下段平板端部8に面一状態でつながる水下継手端部21を形成する。
また、符号22は、上方屈曲部13の延長線上で片持ち支持片3に設けられた上方継手屈曲部である。上方継手屈曲部22は、上段継手部19の水上縁に上がり段差(段差代はd3と同程度)を介してつながるとともに上段平板端部11に縦向き屈曲部14を介してつながる上段継手端部23を形成する。
片持ち支持片3の端部、すなわち、上段継手端部23、上段継手部19、下段継手部18の端部には、曲げ加工等を施すことにより傾斜が付与され、屋根材本体1の表面レベル(下段平板部5、上段平板部6,上段平板端部11の表面レベル)に一致するレベルに保持された水切り端部24が設けられている。
水切り端部24の上面は、その端縁から縦溝15に向かう5~15mmの範囲を止水用パッキンの設置座面とすることができる。この水切り端部24の上面に水下継手端部21から上段継手端部23の縦方向の範囲内、とりわけ、下方継手屈曲部20の立ち上がり部を始点に止水用パッキンを配置するのが好ましい。なお、止水用パッキンを配置するにあたっては、上段平板端部11に、例えば、横方向に180mm以上の長さで止水用パッキンを接触させておくのが望ましく、このため、止水用パッキンとしては、L字状をなす形状を有するものを用いることができる。L字状をなす止水用パッキンPの配置状況を図23、図24に示す。
水切り端部24のレベルを屋根材本体1の表面レベルに保持しておくことにより止水用パッキンPの圧縮性、密着性が向上し屋根材のつなぎ合わせ部分からの雨水の侵入を確実に回避することができる。上段平板端部11において180mm以上範囲でパッキンPを接触させておくことにより雨水の横走りを抑制し止水性を改善し得る。
また、符号25は、中央屈曲部4、下方屈曲部10、上方屈曲部13とその近傍域を除いて、屋根材本体1、下段平板端部8の表面において形成された、さざ波模様である。さざ波模様25は、屋根材本体1の外表面で、短辺1a、1bに沿って伸延し、長辺2a、2bに沿い間隔を隔てて配列された複数の隆起部25aによって形成される。
さざ波模様25は、多段式屋根材を製造する際に、プレス成形方法およびロール成形法を適用して形成することができる。さざ波模様25は、多段式屋根材の捻じれや歪みを防止する機能を有るものである。さざ波模様25は、下段平板部5、上段平板部6、下段平板端部8に付与した場合を例として示したが、本発明の多段式屋根材は、さざ波模様25に限定されるものではなく、屋根材の捻じれや歪みが懸念されないものであれば模様なしであってもよいし、また、さざ波模様25以外の模様を付与することもできる。さざ波模様25を付与する場合、深さは、屋根材本体1の厚さの1倍~3倍程度、とりわけ、1.7倍程度とするのが好ましく、ピッチは、10~40mm程度、とりわけ20mm程度とするのが好ましい。
さらに、符号26は、屋根材本体1の短辺1a側で、縦向き屈曲部14に沿って設けられ、隣接配置される他の屋根材Y1の短辺1b側を設置させる平坦面、27はプレス等により該平坦面26の内端に位置する部位に局所的な凹部を設けることにより形成されたマークである。平坦面26、マーク27を設けることによって、屋根材同士の重ね合わせ位置を簡単に把握することができ、屋根の効率的な葺きあげ作業が行える。平坦面26の幅寸法は、10~80mm程度、好ましくは20mm程度に、また、マーク27は、長さ3~30mm、幅0.1~2mm程度に設定することができる。マーク27は視認性を高めるために、上端平板端部11と下段平板部の水下端部に設けるのが好ましい。
図25(a)に、マーク27に合わせて多段式屋根材を軒方向につなぎ合わせた例を模式的に示し、図25(b)に、図25(a)に示した多段式屋根材の2枚をつなぎ合わせた状態で、さらに、その水上側に他の多段式屋根材を配置した例を示す。
屋根材の施工方法は第一実施形態に準ずる。また、本実施形態にしたがう屋根材は、下方屈曲部10、中央屈曲部4、上段屈曲部13の3段階からなる多段式屋根材を例として示したが、段数は限定されない。
以上説明したように、本実施形態にしたがう多段式屋根材は、簡素化された形状を有しており、屋根材の効率的な製造が可能であり、また、屋根材が軽量であるため、現場での取り扱いが容易である。しかも、上段平板端部8には片持ち支持片3の縦溝15につながる横溝16が形成されているため、屋根材の重ね合わせ部分で雨水が風により吹上げられたり、浸透圧(毛細管)現象により雨水の吸い込みが起きたりしたとしてもその雨水は横溝16から短辺1b側および縦溝15を通して効率的に外部へと排出することが可能であり、高い止水性を確保し得る。
本実施形態にしたがう多段式屋根材を製造するには、一対の短辺と該一対の短辺を挟む一対の長辺にて区画された矩形平面形状を有する金属製の板材を用意し、該板材の一方の長辺側からもう一方の長辺側へ向けて該板材に対して多段階、例えば、4段階にわたるプレス加工を施せばよい。
段階的にかかるプレス加工を行うことにより捻じれ等の形状変形が抑制された品質の高い成形品を得ることができる。
本発明によれば、軽量で簡素化された形状ながらも高い剛性を有し、かつ、止水性を向上させた多段式屋根材を提供することができる。
1 屋根材本体
1a、1b 短辺
1a′、1b′ 短辺
1c (短辺側の)つぶし曲げ部
2a、2b 長辺
2a′、2b′ 長辺
3 横継手(片持ち支持片)
3′ 横継手
3a (横継手の)つぶし曲げ部
4 中央屈曲部
4a 傾斜壁
5 下段平板部
6 上段平板部
7 段差
8 下段平板端部
8a (下段平板端部の)つぶし曲げ部
9 下がり段差
10 下方屈曲部
10a 傾斜壁
11 上段平板端部
11a (上段平板端部の)U曲げ部
12 上がり段差
13 上方屈曲部
13a 傾斜壁
14 縦向き屈曲部
15 縦溝
15a 溝本体
15b 導通溝
16 横溝
17 中央継手屈曲部
18 下段継手部
19 上段継手部
20 下方継手屈曲部
21 水下継手端部
22 上方継手屈曲部
23 上段継手端部
24 水切り端部(片持ち支持片の端部)
25 さざ波模様
25a 隆起部
26 平坦面
27 マーク
28 開口、凹部または凸部、下穴
29 断熱材
Y1 隣接配置される他の屋根材
Y2 隣接配置される別の屋根材
Y3 水下側に隣接配置される他の屋根材
Y4 水上側に隣接配置される別の屋根材
S 化粧スレート屋根
G 合板等
R1 新設ルーフィング
R2 既設ルーフィング
B ビス、釘等

Claims (8)

  1. 一対の短辺と該一対の短辺を挟む一対の長辺にて区画された矩形平面形状を有する屋根材本体と、該屋根材本体の一の短辺側につながる横継手とを備え、
    該横継手を、隣接配置される他の屋根材の一の短辺側の下に重ね合わせるとともに該屋根材本体の短辺側を隣接配置される別の屋根材の横継手の上に重ね合わせて屋根材同士を軒に沿って連結する一方、該屋根材本体の一の長辺側を水下側に隣接配置される他の屋根材の長辺側の上に重ね合わせ、該屋根材本体のもう一の長辺側を水上側に隣接配置される別の屋根材の長辺側のに重ね合わせて屋根材同士を軒乃至棟方向に連結することにより建屋の屋根を葺きあげる屋根材であって、
    前記屋根材本体は、該一対の長辺に沿って設けられ、該屋根材本体を、水下側に位置する下段平板部と、水上側に位置する上段平板部とに区分するとともにその相互間に段差を形成して上段平板部の表面レベルを下段平板部の表面レベルよりも高いレベルに保持する中央屈曲部を有し、
    前記下段平板部の水下縁部に、下がり段差を形成する下方屈曲部を介してつながり水下側に隣接配置される他の屋根材の上に設置される下段平板端部を設け、
    前記上段平板部の水上縁部に、上がり段差を形成する上方屈曲部を介してつながり水上側に隣接配置される別の屋根材被さる上段平板端部を設け、
    前記上段平板端部に少なくとも一列の横溝を設けた、多段式屋根材。
  2. 前記下段平板部、前記上段平板部および前記上段平板端部は、相互に平行に保持された表面を有するものである、請求項1に記載の多段式屋根材。
  3. 前記中央屈曲部は、前記下段平板部の水上端から立ち上がって前記上段平板部の水下端につながる傾斜壁を有し、前記下方屈曲部は、該下段平板部の水下端から下って前記下段平板端部の水上端につながる傾斜壁を有し、前記上方屈曲部は、該上段平板部の水上端から立ち上がって前記上段平板端部の水下端につながる傾斜壁を有し、
    該中央屈曲部の傾斜壁の、該下段平板部に対する立ち上がり角度または該中央屈曲部の傾斜壁の、該上段平板部に対する下がり角度は40~50°であり、該下方屈曲部の傾斜壁の、該下段平板部に対する下がり角度は40~50°であり、該上方屈曲部の傾斜壁の、該上段平板部に対する立ち上がり角度が40~50°である、請求項1または2に記載の多段式屋根材。
  4. 前記下段平板端部は、前記下方屈曲部の接続端を起点に水下側に隣接配置される別の屋根材の外表面に向けて屈曲、傾斜が付与され、屋根材本体が屋根に設置された場合に、水下側に隣接配置される別の屋根材の上にスプリングバックによる弾性変形を伴って設置されるものであり、該下段平板端部の、該下方屈曲部の傾斜壁に対する立ち上がり角度が30~40°で、該下段平板端部の、該下段平板部に対する下がり角度が5~15°である、請求項1または2に記載した多段式屋根材。
  5. 前記下段平板部および前記下段平板端部は、緊結釘を挿通させる下穴を有し、
    前記下穴は、隣接配置される他の屋根材の横継手の上に重ね合わせられる短辺側および前記横継手に少なくとも配置され、
    隣接配置される他の屋根材の重ね合わせられる短辺側の下穴と前記横継手に設けられた下穴とが、重ね合わせたときに同一位置になるように配置されている、請求項1または2に記載の多段式屋根材。
  6. 前記下段平板端部の水下側端が裏側につぶし曲げされ、前記一の短辺が裏側につぶし曲げされ、前記横継手の短辺側が表側につぶし曲げされ、前記上段平板端部の水上側端のうち横継手以外の部分が内側曲率半径を板厚の0~16倍の範囲として表側に180°曲げされている、請求項1または2に記載の多段式屋根材。
  7. 前記横継手は、前記下段平板部、前記上段平板部および前記上段平板端部の端縁にそれぞれ下がり段差を形成する縦向き屈曲部を介してつながる片持ち支持片からなり、
    前記片持ち支持片に、該縦向き屈曲部に沿って伸延し、水下側の末端で開放される少なくとも一列の縦溝を設け、
    前記横溝は、一端が屋根材本体の短辺側にて開放され、他端が片持ち支持片の縦溝につながる、請求項1または2に記載の多段式屋根材。
  8. 前記縦溝は、溝本体と、該溝本体につながる幅狭の導通溝からなる、請求項7に記載した多段式屋根材。
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