JP6652215B1 - ペレットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ペレタイズ直後の水分率を一定以下にしつつ、中空ペレットの発生頻度を低減することが可能な、ペレットの製造方法を提供することである。【解決手段】熱可塑性樹脂を含む組成物からなるストランドを、ダイの吐出口から押し出す工程と、前記ストランドを引き取りながら冷却する工程と、冷却された前記ストランドを切断して、ペレットを得る工程とを含み、前記ストランドを冷却する工程では、前記ストランドを20cm/秒〜140cm/秒で引き取り、前記ストランドを冷却する工程は、前記ストランドを、水槽内の水に引き込み水冷する工程を含み、前記ストランドが前記水槽内の水に浸る長さLは、特定の式(具体的には式1)を満足する、ペレットの製造方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、熱可塑性樹脂を含む組成物からなるペレットの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂を含む組成物は、家電製品や各種自動車用部品などの射出成形材料、繊糸、編織物などの衣料品、タイヤコード、漁網、釣り糸などの工業用またはレジャー用フィラメント材料、食品包装用のフィルム、各種容器用シート、ボトル用材料などとして使用されている。このような組成物は、その組成に応じて、高強力、耐磨耗性、耐疲労性、良好な染色性、ガスバリヤー性などの化学的、機械的性質を有している。
熱可塑性樹脂を含む組成物からなるペレットは、たとえば、溶融状態の組成物からなるストランドを押出機でダイから押し出し、ストランドを冷却し、冷却されたストランドを切断する、という方法で製造することができる(たとえば特許文献1参照)。
このようなペレットの製造方法に関して、特許文献1には、ペレット中の水分を充分に低くするために、水中でのストランドの長さを所定の範囲に設定することが記載されている。
特開平7−96519号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、水中でのストランドの長さを決定するための変数として押出量のみが考慮されているため、空洞を有する中空ペレットが生じることがある。中空ペレットは、成形品(ペレットを成形することによって得られた成形品)に、フローマークのような不良をもたらす。中空ペレットは、ストランドを構成する組成物が強化材を含まない場合や、強化材の含有量が少ない場合に、特に生じやすい。
本発明の課題は、ペレタイズ直後の水分率を一定以下にしつつ、中空ペレットの発生頻度を低減することが可能な、ペレットの製造方法を提供することである。
この課題を解決するために、本発明者は検討した結果、中空ペレットが、水冷中におけるストランドの不均一な固化状態によるものであることを見出し、これを改善することで、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記項1の構成を備える。
項1
熱可塑性樹脂を含む組成物からなるストランドを、ダイの吐出口から押し出す工程と、
前記ストランドを引き取りながら冷却する工程と、
冷却された前記ストランドを切断して、ペレットを得る工程とを含み、
前記ストランドを冷却する工程では、前記ストランドを20cm/秒〜140cm/秒で引き取り、
前記ストランドを冷却する工程は、前記ストランドを、水槽内の水に引き込み水冷する工程を含み、
前記ストランドが前記水槽内の水に浸る長さLは式1を満足し、
前記式1は、
≦L≦L
であり、
Lはcmで表され、
=K×D×{(T−TC2)/(T−T)}×v
=K×D×v
は0.74であり、
は、前記ペレットの径であり、mmで表され、
は、前記吐出口における前記組成物の温度であり、℃で表され、
C2は、前記組成物の降下結晶化温度であり、℃で表され、
は、前記水槽内の水の温度であり、℃で表され、
vは、前記ストランドを引き取る速度であり、cm/秒で表され、
は0.37である、
ペレットの製造方法。
項1によれば、ストランドを、水槽内の水に引き込み水冷するため、径方向(具体的にはストランドの径方向)で等方的にストランドを冷却できる。
さらに、水浸漬長LがL以上であることによって、中空ペレットの発生頻度を低減することができる。その機序は次のとおりである。
------
水浸漬長LがL以上であることによって、水冷中に、ストランドの表層部の固化を開始させるだけでなく、ストランドの内部(つまり、表層部よりも軸寄りの部分)の固化も開始させることができる。なぜなら、Lが、ストランドの内部の固化を水冷中に開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中での長さ(水中長さ)を示すためである。これについては、後ほど詳述する。
表層部の固化と内部の固化とを水冷中に開始させることが可能であることによって、内部の固化を空冷中に開始させる場合にくらべて、表層部の固化速度と内部の固化速度との差を縮めることができる。なぜなら、水冷は、空冷くらべて冷却効果が高いので、内部を効果的に冷却することができるためである。
表層部の固化速度と内部の固化速度との差を縮めることが可能であることによって、内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、ストランド内に空洞が発生することを防止できる。仮に、内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮したとすると、固化収縮を起こす内部と、すでに固化した表層部との間に空洞が発生する。つまり、ストランド51内に空洞が発生する。
したがって、水浸漬長LがL以上であることによって、ストランド内に空洞が発生することを防止できるため、中空ペレットの発生頻度の低減することができる。
------
は、ストランドの内部の固化を水冷中に開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さを示す。その理由は次のとおりである。
------
を導く式1に関して、TC2が降下結晶化温度であるので、TC2を、ストランドの固化が開始する温度に見立てることができるため、T−TC2は、吐出口での温度と、固化が開始する温度との隔たりを示す。
いっぽう、TとTとの開きが大きいほど、ストランドの冷却速度が速いため、T−Tは、ストランドの冷却速度に見立てることができる。
よって、(T−TC2)/(T−T)は、ストランドが固化を開始するために必要な時間の指標を示す。なぜなら、隔たり(温度上の隔たり)としてのT−TC2を、冷却速度としてのT−Tで割ることによって、ストランドが固化を開始するために必要な時間の指標を求めることができるためである。
ストランドが固化を開始するために必要な時間の指標としての(T−TC2)/(T−T)に、vをかけることによって、ストランド51の固化を開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さを示す指標を得ることができる。なぜなら、vは、ストランドを引き取る速度、すなわち、ストランドが水槽内を移動する速度であるためである。
しかしながら、{(T−TC2)/(T−T)}×vは、ストランドの「表層部」の固化を開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さを示す指標であるにとどまり、ストランドの「内部」(つまり、表層部よりも軸寄りの部分)の固化を開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さを示す指標であるとまでは言えない。なぜなら、ストランドの内部は、表層部にくらべて固化を開始するまでに時間がかかるという事情があるところ、このような事情が、{(T−TC2)/(T−T)}×vには反映されていないためである。
ストランドの「内部」の固化を開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さは、水中でのストランドの径に比例する。なぜなら、水中でのストランドの径が大きいほど、ストランドの「内部」の固化を開始させるために時間がかかるので、水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さも長くなるためである。
そのような比例関係をLに反映させるために、{(T−TC2)/(T−T)}×vに、Dをかけている。実際、Dは、ペレットの径であるので、水中でのストランドの径に見立てることができる。
このような過程で、D×{(T−TC2)/(T−T)}×vが組み立てられているため、D×{(T−TC2)/(T−T)}×vは、ストランドの「内部」の固化を水冷中に開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さを示す指標であると言える。
指標としてのD×{(T−TC2)/(T−T)}×vに、経験的に求めた係数、すなわちKをかけることによって、ストランドの「内部」の固化を水冷中に開始させるために水槽内の水に浸すべきストランドの水中長さそのもの、つまり、Lを得る。
------
水浸漬長LがL以下であることによって、ペレタイズ直後の水分率が一定以下のペレット、たとえば水分率0.10質量%未満のペレットを得ることができる。なぜなら、Lが、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランドの水中長さを示すためである(これについては、後ほど詳述する)。さらには、ストランドが空冷中にほとんど吸水しないので、水冷での吸水率が、ペレタイズ直後の水分率を支配すると言えるためである。ここで、吸水率とは、(水冷中にストランドが吸収する水の質量)/(ストランドの正味の質量)という意味で使用する。水冷中にストランドが吸収する水の質量を、「吸水質量」と言う。ストランドの正味の質量を、「正味質量」と言う。
ペレタイズ直後の水分率が一定以下であるため、乾燥設備を用いてペレットを乾燥させる操作(たとえば、ペレットに乾燥エアーを当てる操作)を省略することや、その操作にかかる時間を短くすることが可能である。よって、ペレットを乾燥させるためのコストを抑えることができる。
は、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランドの水中長さを示す。その理由は次のとおりである。
------
吸水率(吸水質量/正味質量)を構成する吸水質量は、吸水速度×浸漬時間で、おおよそ表すことができる。なぜなら、吸水速度が速いほど、吸水質量が大きくなるためであり、浸漬時間が長いほど吸水質量が大きくなるためである。
吸水速度は、ストランドの表面積が大きいほど早いため、円柱の側面積の公式を利用して、k×π×D×ストランドの水中長さでおおよそ表すことができる。ここで、kは係数であり、πは円周率である。
よって、吸水質量は、下記式でおおよそ表すことができる。
吸水質量=k×π×D×ストランドの水中長さ×浸漬時間
いっぽう、吸水率(吸水質量/正味質量)を構成する正味質量は、体積×密度=質量の公式を利用して π×(D/2)×ストランドの水中長さ×dでおおよそ表すことができる。ここで、dは、ストランドの密度である。
よって、吸水率(吸水質量/正味質量)は、下記式でおおよそ表すことができる。
吸水率=(k×π×D×ストランドの水中長さ×浸漬時間)/{π×(D/2)×ストランドの水中長さ×d}
=k×浸漬時間/{(D/4)×d}
=k´×浸漬時間/D
ここで、k´は、係数である。
この式に、浸漬時間=ストランドの水中長さ/v を代入すると、次式を得ることができる。ここで、vは、ストランドを引き取る速度である。
吸水率=(k´×ストランドの水中長さ)/(D×v)
この式は、次のように変形することができる。
ストランドの水中長さ=(吸水率×D×v)/k´
=k´´×D×v
ここで、k´´は、係数である。
k´´として、0.37を採用することによって、水冷中の吸水率が0.10質量%未満となる、ストランドの水中長さを得ることができる。0.37は、経験から求めた値である。
よって、0.37×D×vで算出されるLは、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランドの水中長さを示す。
------
なお、降下結晶化温度TC2は、JIS K 7121−1987にしたがって、示差走査熱量計で測定する。具体的には、ペレットから厚み0.5mm以下の試験片を切り出し、5mg分の試験片を、窒素気流下で20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、窒素気流下で、その温度(300℃)で5分間保持した後、窒素気流下で10℃/分の速度にて100℃まで降温させる。これによって得たDSC曲線において、降温時の最大発熱ピークのピークトップ温度を、降下結晶化温度TC2として読み取る。なお、空の容器を、基準物質として使用する。降下結晶化温度TC2は、いわゆる結晶化ピーク温度である。
本発明は、下記項2以降の構成をさらに備えることが好ましい。
項2
前記組成物が強化材を含み、前記強化材の含有量が、前記組成物100質量%中、30質量%以下である、項1に記載のペレットの製造方法。
強化材の含有量が30質量%以下である場合、従来の製法では、中空ペレットが発生しやすかったところ、本発明によれば、中空ペレットの発生頻度を効果的に低減することができる。
項3
前記組成物が強化材を含まない、項1に記載のペレットの製造方法。
組成物が強化材を含まない場合、従来の製法では、中空ペレットが発生しやすかったところ、本発明によれば、中空ペレットの発生頻度を効果的に低減することができる。
項4
前記水槽内の水の温度Tが3℃〜80℃である、項1〜3のいずれかに記載のペレットの製造方法。
3℃以上であることによって、3℃未満にくらべて、水冷工程の冷却速度が遅いため、水冷中での表層部の固化速度と、水冷中での内部の固化速度との差を小さくすることができる。その結果、水冷中に内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、水冷中にストランド内に空洞が生じることを防止できる。80℃以下であることによって、ストランドを効果的に冷却することができる。
項5
前記水槽内の水の温度Tが、前記組成物のガラス転移温度よりも高い、項1〜4のいずれかに記載のペレットの製造方法。
これによって、温度Tがガラス転移温度Tよりも低い場合にくらべて、冷却速度が遅いため、水冷中での表層部の固化速度と、水冷中での内部の固化速度との差を小さくすることができる。その結果、水冷中に内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、水冷中にストランド内に空洞が生じることを防止できる。
なお、ガラス転移温度Tは、JIS K 7121−1987にしたがって、示差走査熱量計で測定する。具体的には、ペレットから厚み0.5mm以下の試験片を切り出し、5mg分の試験片を、窒素気流下で、−40℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、DSC曲線を得る。低温側のベースラインの延長線と、遷移部(すなわち曲線部)における最大傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度Tとして読み取る。なお、空の容器を、基準物質として使用する。ガラス転移温度Tは、いわゆる補外ガラス転移開始温度である。
項6
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂の少なくとも一方を含む、項1〜5のいずれかに記載のペレットの製造方法。
これによって、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂の少なくとも一方を含むペレットを得ることができる。
項7
前記ペレットの径Dが4.5mm以下である、項1〜6のいずれかに記載のペレットの製造方法。
項8
前記ストランドを冷却する工程は、前記水槽内で水冷された前記ストランドを空冷する工程を含む、項1〜7のいずれかに記載のペレットの製造方法。
これによって、ストランドに付着した水分の少なくとも一部を、ストランドが持つ熱によって気化させることができる。
項9
前記ストランドを前記水槽内で導くための一つ以上の第一ガイドローラーが前記水槽内に設けられており、
前記水槽内で水冷された前記ストランドを空気中で導くための、一つ以上の第二ガイドローラーが設けられており、
最上流に位置する前記第二ガイドローラー前後で前記ストランドがなす角度が、最上流に位置する前記第一ガイドローラー前後で前記ストランドがなす角度よりも大きい、項8に記載のペレットの製造方法。
項9によれば、ストランドの振れを低減することが可能であり、ストランド切れを抑制できる。これについて説明する。最上流の第二ガイドローラーでストランドが湾曲するときは、最上流の第一ガイドローラーで湾曲するときよりも、ストランドの固化がすすんでいるため柔軟性が低い。ストランドの柔軟性が低いため、最上流の第二ガイドローラーでの曲がりが過度にきついと、ストランドがその曲がりに追従できないことがある。ストランドがその曲がりに追従できないと、ストランドの振れが生じる。これに対して、項9によれば、最上流に位置する第二ガイドローラー前後でストランドがなす角度は、最上流に位置する第一ガイドローラー前後でストランドがなす角度よりも大きいため、その逆の場合にくらべて、ストランドが、最上流の第二ガイドローラーでの曲がりに追従しやすい。したがって、ストランドの振れを低減することが可能であり、ストランド切れを抑制できる。
なお、最上流に位置する第一ガイドローラー前後でストランドがなす角度は、具体的には、ストランドを側方から見たときに、ストランドが、最上流の第一ガイドローラー前後でなす角のうち、水面に向かって開く角の大きさである。最上流に位置する第二ガイドローラー前後でストランドがなす角度は、具体的には、ストランドを側方から見たときに、ストランドが、最上流の第二ガイドローラー前後でなす角のうち、地面に向かって開く角の大きさである。
項10
前記第一ガイドローラーが前記水槽内に一つだけ設けられている、項9に記載のペレットの製造方法。
これによって、ストランドが水中で湾曲する回数を制限できる。
項11
前記ストランドを押し出すために押出機を使用する、項1〜10のいずれかに記載のペレットの製造方法。
押出機を使用するため、ストランドを定量で押し出すことができる。
項12
前記ストランドを押し出す工程では、前記ストランドを空気中に押し出す、項1〜11のいずれかに記載のペレットの製造方法。
ストランドを空気中に押し出すため、ストランドを空気中で放熱することができる。
項13
前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含む、項1〜12のいずれかに記載のペレットの製造方法。
これによって、ポリアミド樹脂を含むペレットを得ることができる。
本発明によれば、ペレタイズ直後の水分率を一定以下にしつつ、中空ペレットの発生頻度を低減することができる。
本実施形態の設備構成を示す概略図である。 本実施形態における変形例の設備構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<1.ペレットを製造するために使用する設備>
図1に示すように、本実施形態では、組成物からなるペレットを製造するために、押出機11、水槽21、ペレタイザー41などを使用する。これらの設備について説明する。
押出機11は、スクリュー(図示していない)と、スクリューを取り囲むシリンダー(図示していない)とを備える。つまり、押出機11は、シリンダーと、シリンダー内にスクリューとを備える。押出機11は、回転するスクリューによって、組成物の原料を移動させながら混練し、組成物を定量で押し出すことができる。押出機11として、たとえば、単軸押出機、2軸押出機を挙げることができる。なかでも、2軸押出機が好ましい。
押出機11にはダイ13が取り付けられている。ダイ13は、アダプタを介して、シリンダーに取り付けられていることができる。ダイ13は、押出機11の出口から移動してきた組成物が流れるための流路(以下、「ノズル」と言う。)を有する。ノズルの出口、つまり吐出口は円形状をなす。ただし、吐出口の形状は、これに限られない。たとえば、楕円形状であってもよい。吐出口は、ダイ13の幅方向に並ぶように複数設けられている(図示していない)。吐出口の数は、たとえば1〜50であり、5〜30であってもよい。
ダイ13から出たストランド51を受け入れることができるように水槽21が配置されている。つまり、水槽21が、押出機11の下流に配置されている。水槽21としては、ストランド冷却バスを好適に使用できる。水槽21には水が入っている。その水によって形成された水面25は、ダイ13の吐出口よりも下にある。
水槽21内には、ストランド51を導くための一つ以上のガイドローラー27が設けられている。ガイドローラー27の数は、たとえば1〜10であり、2〜7であってもよい。ここで、最上流のガイドローラー27を、ガイドローラー27Aと呼び、ガイドローラー27Aよりも下流のガイドローラー27をガイドローラー27Bと呼ぶ。各ガイドローラー27は、ストランド51における上の部分、具体的には、ストランド51の径方向で水面25寄りの部分と接するように配置されている。各ガイドローラー27の軸は、水平、かつTransverse Direction(以下、「TD」と言う。)方向に延びる。なお、図1には、ガイドローラー27が複数、具体的には二つ設けられている様子が示されている。
水槽21の下流にも、ストランド51を導くための一つ以上のガイドローラー31が設けられている。ガイドローラー31の数は、たとえば1〜10であり、2〜7であってもよい。ここで、最上流のガイドローラー31を、ガイドローラー31Aと呼ぶ。各ガイドローラー31は、ストランド51における下の部分、具体的には、ストランド51の径方向で地面寄りの部分と接するように配置されている。各ガイドローラー31の軸は、水平かつTD方向に延びる。なお、図1には、ガイドローラー31が複数、具体的には二つ設けられている様子が示されている。
ガイドローラー31の下流には、ペレタイザー41が配置されている。ペレタイザー41は、ストランド51を引き取るための引取ロール(図示していない)と、引き取ったストランド51を切断するためのカッター(図示していない)とを備える。ペレタイザー41が、ストランド51をロールで引き取りながらカッターで切断することで、ペレットを形成することができる。
本実施形態におけるペレットの製造方法では、ストランド51が、押出機11でダイ13から空気中に押し出され、水槽21内の水に入り、ガイドローラー27に沿って水中を進み、水上に出て、ガイドローラー31に沿って空気中を進み、ペレタイザー41で切断される。
<2.ペレットの製造方法>
本実施形態におけるペレットの製造方法は、組成物からなるストランド51をダイ13から押し出す工程(以下、「押出工程」と言う。)と、ストランド51を引き取りながら冷却する工程(以下、「冷却工程」と言う。)と、冷却されたストランド51を切断して、ペレットを得る工程(以下、「ペレタイズ工程」と言う。)とを含む。ストランド51を冷却する工程(冷却工程)は、ストランド51を、水槽21内の水に引き込み水冷する工程(以下、「水冷工程」と言う。)、および水冷されたストランド51を空冷する工程(以下、「空冷工程」と言う。)を含む。
<2.1.組成物からなるストランドを押し出す工程(押出工程)>
押出工程では、組成物の原料、たとえば、熱可塑性樹脂と、必要に応じて強化材や添加剤などとを混錬し、組成物からなるストランド51をダイ13の吐出口から空気中に押し出す。
組成物の原料として、たとえば、熱可塑性樹脂、強化材、離型剤、オレフィン系化合物などを挙げることができる。これらについては、後ほど詳述する。原料を混錬することで、組成物を作り出すことができる。
組成物の原料は押出機11で混練する。混練のために2軸押出機を使用する場合、スクリューの長さL(mm)の、スクリューの直径D(mm)に対する比(以下、「スクリューL/D」と言う。)が10〜100であることが好ましい。100以下であると、熱劣化による、組成物の機械的強度の低下を抑制できる。
ダイ13のノズルは、少なくとも吐出口付近で、水面25に近づくように水平方向に対して傾いて延びている。つまり、ノズルの吐出方向が、水面25に近づくように水平方向に対して傾いている。吐出口付近におけるノズルの傾斜、つまり吐出方向の傾斜は、水平方向に対して5°以上が好ましく、10°以上がより好ましい。ノズルの傾斜は、水平方向に対して90°以下が好ましく、85°以下がより好ましい。なお、ノズルが、Machine Direction(以下、「MD」と言う。)方向で端から端まで、水平方向に対して傾斜する必要はない。
ダイ13における吐出口の径Dは、2.0mm以上が好ましく、2.5mm以上がより好ましい。2.0mm以上であると、ストランド51における溶融部分の強度を確保できるため、強度不足に起因したストランド切れを抑制できる。径Dは、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好まし、5mm以下がより好ましい。10mm以下であると、ストランド51の内部を効果的に冷却することが可能であるので、水冷工程で内部の固化を効果的にすすめることができる。したがって、ストランド51がガイドローラー27によって受ける圧力によって、ストランド51の断面形状が、過度に変形することを防止することが可能であるため、過度に扁平なペレットが生じることを抑制できる。なお、径Dは、吐出口が楕円形状をなす場合、吐出口の最大径を指す。
押出工程では、たとえば、熱可塑性樹脂と、強化材と、添加剤(たとえば離型剤、オレフィン系化合物など)とをブレンダーで混合し、これを、押出機11の第一供給口に設けられたホッパーを通じて押出機11に投入する、という手順を踏んでもよいし、熱可塑性樹脂と添加剤とをブレンダーで混合し、これを、押出機11の第一供給口に設けられたホッパーを通じて押出機11に投入し、第一供給口よりも下流に設けられた第二供給口(以下、「サイド口」と言う。)から強化材をフィーダーで押出機11に投入する、という手順を踏んでもよい。もちろん、これら以外の手順を踏んでもよい。なお、押出工程では、揮発成分や分解低分子成分を除去するためや、強化材などと熱可塑性樹脂(たとえばポリアミド樹脂)との反応性を高めるために、サイド口とダイヘッドとの間で真空ポンプによる吸引をおこなうことが好ましい。
吐出口での組成物の温度Tは、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上がさらに好ましく、240℃以上がさらに好ましい。温度Tは、400℃以下が好ましく、360℃以下がより好ましく、320℃以下がさらに好ましい。
温度Tは、組成物の融点Tプラス10℃以上(つまり、融点Tおよび10℃の和以上)が好ましく、融点Tプラス15℃以上がより好ましく、融点Tプラス20℃以上がさらに好ましい。なぜなら、組成物を、効果的に溶融させることができるためである。温度Tは、組成物の融点Tプラス80℃以下(つまり、融点Tおよび80℃の和以下)が好ましく、融点Tプラス60℃以下が好ましく、融点Tプラス50℃以下がさらに好ましい。なぜなら、温度Tが過度に高いと、組成物が顕著に熱劣化するためである。なお、温度Tは、吐出口でのストランド51の温度と言い換えることができる。
温度Tは、熱可塑性樹脂がポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)である場合、270℃以上が好ましく、275℃以上がより好ましく、280℃以上がさらに好ましい。この場合、温度Tは、340℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましく、310℃以下がさらに好ましい。
温度Tは、熱可塑性樹脂がポリカプロアミド(ポリアミド6)である場合、230℃以上が好ましく、235℃以上がより好ましく、240℃以上がさらに好ましい。この場合、温度Tは、300℃以下が好ましく、280℃以下がより好ましく、270℃以下がさらに好ましい。
ダイ13から押し出されたストランド51は破断しやすい。なぜなら、押し出されたストランド51が、溶融状態の組成物からなるためである。
ストランド51は、せん断応力(具体的には、ストランド51の径方向断面に沿って両側部分を互いにずれさせるような応力)よりも、引張方向の応力に対して強い。なぜなら、ストランド51を引取ロールで引き取ることによって、ストランド51が伸びるので、ストランド51中のポリマーが、ストランド51の進行方向、つまりストランド51の長さ方向に配向するためである。なお、ストランド51を構成する組成物が、強化材としてガラス繊維を含む場合には、ガラス繊維もストランド51の進行方向に配向する。
<2.2.ストランドを冷却する工程(冷却工程)>
冷却工程では、ダイ13から押し出されたストランド51を、ペレタイザー41に向けて引き取りながら冷却する。なぜなら、ダイ13から押し出された溶融状態のストランド51を、ペレタイザー41で切断することが難しいためである。冷却工程では、ストランド51を、水槽21内の水に引き込み水冷し、水冷されたストランド51を空冷する。
<2.2.1.ストランドを、水槽内の水に引き込み水冷する工程(水冷工程)>
水冷工程では、ダイ13から押し出されたストランド51を、水槽21内の水に引き込む。ストランド51を、水槽21内の水に引き込み水冷するため、径方向(具体的にはストランド51の径方向)で等方的にストランド51を冷却できる。仮に、このような水冷工程に代えて、ストランド51をコンベアベルトにのせて搬送しながら水や空気などを吹きつけることによって冷却する、という工程であったならば、ストランド51の径方向で等方的にストランド51を冷却することは難しい。
水槽21に入れるための水として、水道水、井戸水、雨水、純水などを使用できる。水槽21内の水は、薬品などが添加されていてもよい。
水冷工程におけるストランド51を冷却する速度(以下、「冷却速度」と言う。)が過度に速いと、水冷中での表層部の固化速度と、水冷中での内部(つまり、表層部よりも軸寄りの部分)の固化速度との差が過度に開くため、水冷中に内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮するおそれがある。
水槽内の水の温度(以下、「水温」と言う。)Tは、3℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、15℃以上がさらに好ましく、20℃以上がさらに好ましく、50℃以上がさらに好ましい。3℃以上であると、3℃未満にくらべて、水冷工程の冷却速度が遅いため、水冷中での表層部の固化速度と、水冷中での内部の固化速度との差を小さくすることができる。その結果、水冷中に内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、水冷中にストランド51内に空洞が生じることを防止できる。水温Tは、80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、55℃以下がさらに好ましい。80℃以下であることによって、ストランド51を効果的に冷却することができる。
水温Tは、組成物のガラス転移温度Tよりも高くてもよく、低くてもよいものの、ガラス転移温度Tよりも高いことが好ましい。これによって、水温Tがガラス転移温度Tよりも低い場合にくらべて、冷却速度が遅いため、水冷中での表層部の固化速度と、水冷中での内部の固化速度との差を小さくすることができる。その結果、水冷中に内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、水冷中にストランド51内に空洞が生じることを防止できる。水温Tは、たとえば、組成物のガラス転移温度Tプラス10℃以上(つまり、ガラス転移温度Tおよび10℃の和以上)であってもよい。
水冷工程では、ストランド51が、水槽21内の水に入水角δ45°以上85°以下で入ることが好ましい。ストランド51が、水槽21内の水に入水角δ45°以上85°以下で入ることによって、入水によって生じるせん断応力(具体的には、ストランド51の径方向断面に沿って両側部分を互いにずれさせるような応力)を低減できるため、このようなせん断応力に起因したストランド切れを抑制できる。入水角δは、50°以上が好ましく、55°以上がより好ましい。なお、入水角δとは、ストランド51を側方から見たときに、ストランド51が水面25と交わってつくる鋭角の大きさである。すなわち、入水角δとは、ガイドローラー27の軸方向でストランド51を見たときに、ストランド51が水面25と交わってつくる鋭角の大きさである。入水角δが85°以下であることによって、ストランド51の振れにともなってストランド51がダイ13に接触することを防止可能であるので、そのような接触に起因するストランド切れを防止できる。入水角δは、80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がさらに好ましい。
入水したストランド51は、ガイドローラー27Aで湾曲するところ、湾曲が急であると、湾曲がストランド51に過度に残存することがある。なぜなら、ストランド51が、組成物からなるので、水冷によってストランド51の固化が進むにつれて柔軟性が低下するためである。ストランド51に残存した湾曲によって、ストランド51の振れ、すなわち暴れが大きくなる。ストランド51の振れは、ストランド切れを引き起こす。なぜなら、ストランド51の振れによって、ストランド51における吐出口を出ていない部分と、ストランド51における吐出口を出た部分とを互いにずれさせるような応力(せん断応力)が、ストランド51にかかるためである。
ストランド51に湾曲が過度に残存することを抑制するために、ガイドローラー27A前後でストランド51がなす角度δ2Aは100°以上が好ましく、110°以上がより好ましい。100°以上であることによって、ストランド51の湾曲の緩やかさを確保できるため、湾曲の過度な残存を防止できる。よって、ストランド51の振れを抑えることができる。角度δ2Aは180°未満が好ましい。角度δ2Aは、ストランド51とガイドローラー27Aとをしっかり接触させるために160°以下がより好ましく、150°以下がさらに好ましく、140°以下がさらに好ましく、130°以下がさらに好ましい。160°以下であることによって、ストランド51とガイドローラー27Aとをしっかり接触させることが可能であるため、ガイドローラー27Aよりも下流で生じるストランド51の振れや暴れが、ガイドローラー27Aよりも上流に伝わり難くすることができる。したがって、ストランド切れを、いっそう効果的に抑制できる。しかも、ストランド51とガイドローラー27Aとをしっかり接触させることが可能であるため、ガイドローラー27Aとの接触でストランド51に生じる応力を拡散することもできる。角度δ2Aは、具体的には、ストランド51を側方から見たときに、ストランド51がガイドローラー27A前後でなす角のうち、水面25に向かって開く角の大きさである。
ガイドローラー27B前後でストランド51がなす角度δ2Bは100°以上が好ましい。角度δ2Bは、180°未満が好ましく、179°以下がより好ましく、178°以下がさらに好ましい。179°以下であることによって、ストランド51とガイドローラー27Bとをしっかり接触させることができる。角度δ2Bは、具体的には、ストランド51を側方から見たときに、ストランド51がガイドローラー27B前後でなす角のうち、水面25に向かって開く角の大きさである。
ガイドローラー27Aの径は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましい。ガイドローラー27Aの径が大きいほど、ガイドローラー27Aとストランド51との接触面積が増加する傾向があるので、ストランド51の上流部分(具体的には、ダイ13の吐出口からガイドローラー27Aと接するまでの部分)の振れを低減できる。ガイドローラー27Aの径は、たとえば、20cm以下であってもよく、15cm以下であってもよい。
各ガイドローラー27の径は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましい。各ガイドローラー27の径が大きいほど、各ガイドローラー27とストランド51との接触面積が増加する傾向があるので、ストランド51の上流部分(たとえば、ダイ13の吐出口からガイドローラー27Aと接するまでの部分)の振れを低減できる。各ガイドローラー27の径は、たとえば、20cm以下であってもよく、15cm以下であってもよい。各ガイドローラー27の径は、互いに等しくても、異なっていてもよい。
ストランド51が、水槽21内の水に浸る長さ(以下、「水浸漬長」と言う。)Lは、式1を満足する。ここで水浸漬長Lは、ストランド51が入水する点から、水上に出る点までのストランド51自体の長さである。
≦L≦L (式1)
式1において、Lはcmで表される。
およびLは、次のとおりである。
=K×D×{(T−TC2)/(T−T)}×v (式2)
=K×D×v (式3)
ここで、Kは0.74である。Kの値(すなわち0.74)は、式2の右辺を計算して得られた数値の単位がcmとなるように決められている。Dは、ペレットの径であり、mmで表される。Tは、ダイ13における吐出口での組成物の温度であり、℃で表される。TC2は、組成物の降下結晶化温度であり、℃で表される。Tは、水槽21内の水の温度(すなわち水温)であり、℃で表される。vは、ストランド51を引き取る速度であり、cm/秒で表される。Kは0.37である。Kの値(すなわち0.37)は、式3の右辺を計算して得られた数値の単位がcmとなるように決められている。
水浸漬長LがL以上であることによって、中空ペレットの発生頻度を低減することができる。その機序は次のとおりである。
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水浸漬長LがL以上であることによって、水冷中に、ストランド51の表層部の固化を開始させるだけでなく、ストランド51の内部(つまり、表層部よりも軸寄りの部分)の固化も開始させることができる。なぜなら、Lが、ストランド51の内部の固化を水冷中に開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中での長さ(以下、「水中長さ」と言う。)を示すためである。これについては、後ほど詳述する。
表層部の固化と内部の固化とを水冷中に開始させることが可能であることによって、内部の固化を空冷中に開始させる場合にくらべて、表層部の固化速度と内部の固化速度との差を縮めることができる。なぜなら、水冷は、空冷くらべて冷却効果が高いので、内部を効果的に冷却することができるためである。
表層部の固化速度と内部の固化速度との差を縮めることが可能であることによって、内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮することを防止できるため、ストランド51内に空洞が発生することを防止できる。仮に、内部が表層部よりも大きく遅れて固化収縮したとすると、固化収縮を起こす内部と、すでに固化した表層部との間に空洞が発生する。つまり、ストランド51内に空洞が発生する。
したがって、水浸漬長LがL以上であることによって、ストランド51内に空洞が発生することを防止できるため、中空ペレットの発生頻度の低減することができる。
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は、ストランド51の内部の固化を水冷中に開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さを示す。その理由は次のとおりである。
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を導く式2に関して、TC2が降下結晶化温度であるので、TC2を、ストランド51の固化が開始する温度に見立てることができるため、T−TC2は、吐出口での温度と、固化が開始する温度との隔たりを示す。
いっぽう、TとTとの開きが大きいほど、ストランド51の冷却速度が速いため、T−Tは、ストランド51の冷却速度に見立てることができる。
よって、(T−TC2)/(T−T)は、ストランド51が固化を開始するために必要な時間の指標を示す。なぜなら、隔たり(温度上の隔たり)としてのT−TC2を、冷却速度としてのT−Tで割ることによって、ストランド51が固化を開始するために必要な時間の指標を求めることができるためである。
ストランド51が固化を開始するために必要な時間の指標としての(T−TC2)/(T−T)に、vをかけることによって、ストランド51の固化を開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さを示す指標を得ることができる。なぜなら、vは、ストランド51を引き取る速度、すなわち、ストランド51が水槽21内を移動する速度であるためである。
しかしながら、{(T−TC2)/(T−T)}×vは、ストランド51の「表層部」の固化を開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さを示す指標であるにとどまり、ストランド51の「内部」(つまり、表層部よりも軸寄りの部分)の固化を開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さを示す指標であるとまでは言えない。なぜなら、ストランド51の内部は、表層部にくらべて固化を開始するまでに時間がかかるという事情があるところ、このような事情が、{(T−TC2)/(T−T)}×vには反映されていないためである。
ストランド51の「内部」の固化を開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さは、水中でのストランド51の径に比例する。なぜなら、水中でのストランド51の径が大きいほど、ストランド51の「内部」の固化を開始させるために時間がかかるので、水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さも長くなるためである。
そのような比例関係をLに反映させるために、{(T−TC2)/(T−T)}×vに、Dをかけている。実際、Dは、ペレットの径であるので、水中でのストランド51の径に見立てることができる。
このような過程で、D×{(T−TC2)/(T−T)}×vが組み立てられているため、D×{(T−TC2)/(T−T)}×vは、ストランド51の「内部」の固化を水冷中に開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さを示す指標であると言える。
指標としてのD×{(T−TC2)/(T−T)}×vに、経験的に求めた係数、すなわちKをかけることによって、ストランド51の「内部」の固化を水冷中に開始させるために水槽21内の水に浸すべきストランド51の水中長さそのもの、つまり、Lを得る。
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水浸漬長LがL以下であることによって、ペレタイズ直後の水分率が一定以下のペレット、たとえば水分率0.10質量%未満のペレットを得ることができる。なぜなら、Lが、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランド51の水中長さを示すためである(これについては、後ほど詳述する)。さらには、ストランドが空冷中にほとんど吸水しないので、水冷での吸水率が、ペレタイズ直後の水分率を支配すると言えるためである。ここで、吸水率とは、(水冷中にストランド51が吸収する水の質量)/(ストランド51の正味の質量)という意味で使用する。以下、水冷中にストランド51が吸収する水の質量を、「吸水質量」と言う。ストランド51の正味の質量を、「正味質量」と言う。
ペレタイズ直後の水分率が一定以下であるため、乾燥設備を用いてペレットを乾燥させる操作(たとえば、ペレットに乾燥エアーを当てる操作)を省略することや、その操作にかかる時間を短くすることが可能である。よって、ペレットを乾燥させるためのコストを抑えることができる。
は、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランド51の水中長さを示す。その理由は次のとおりである。
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吸水率(吸水質量/正味質量)を構成する吸水質量は、吸水速度×浸漬時間で、おおよそ表すことができる。なぜなら、吸水速度が速いほど、吸水質量が大きくなるためであり、浸漬時間が長いほど吸水質量が大きくなるためである。
吸水速度は、ストランド51の表面積が大きいほど早いため、円柱の側面積の公式を利用して、k×π×D×ストランド51の水中長さでおおよそ表すことができる。ここで、kは係数であり、πは円周率である。
よって、吸水質量は、下記式でおおよそ表すことができる。
吸水質量=k×π×D×ストランド51の水中長さ×浸漬時間
いっぽう、吸水率(吸水質量/正味質量)を構成する正味質量は、体積×密度=質量の公式を利用して π×(D/2)×ストランド51の水中長さ×dでおおよそ表すことができる。ここで、dは、ストランド51の密度である。
よって、吸水率(吸水質量/正味質量)は、下記式でおおよそ表すことができる。
吸水率=(k×π×D×ストランド51の水中長さ×浸漬時間)/{π×(D/2)×ストランド51の水中長さ×d}
=k×浸漬時間/{(D/4)×d}
=k´×浸漬時間/D
ここで、k´は、係数である。
この式に、浸漬時間=ストランド51の水中長さ/v を代入すると、次式を得ることができる。ここで、vは、ストランド51を引き取る速度である。
吸水率=(k´×ストランド51の水中長さ)/(D×v)
この式は、次のように変形することができる。
ストランド51の水中長さ=(吸水率×D×v)/k´
=k´´×D×v
ここで、k´´は、係数である。
k´´として、0.37を採用することによって、水冷中の吸水率が0.10質量%未満となる、ストランド51の水中長さを得ることができる。0.37は、経験から求めた値である。
よって、0.37×D×vで算出されるLは、水冷での吸水率が0.10質量%未満となる、ストランド51の水中長さを示す。
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<2.2.2.水冷後のストランドを空冷する工程(空冷工程)>
空冷工程では、水冷されたストランド51を空冷する。空冷工程では、ストランド51に付着した水分の少なくとも一部を、ストランド51が持つ熱によって気化させることができる。その結果、ペレタイズ後の吸水を抑制することができる。ストランド51に付着した水分をとばすために、ストランド51に送風することが好ましい。送風機を使用する場合、送風機の風圧が0.1MPa以上、風量が5m/min以上であると、ストランド51に付着した水分を効果的に飛ばすことができる。
水冷されたストランド51は、ガイドローラー31Aで湾曲するところ、湾曲が急であると、ストランド51の振れが発生しやすい。なぜなら、水冷によって固化がすすんだため、ストランド51の柔軟性が高くないためである。
ストランド51の振れを抑制するために、ガイドローラー31A前後でストランド51がなす角度δ3は、140°以上が好ましく、150°以上がより好ましい。140°以上であることによって、ストランド51の湾曲の緩やかさを確保できるため、ストランド51の振れを抑制できる。角度δ3は、179°以下が好ましく、175°以下がより好ましく、170°以下がさらに好ましい。角度δ3は、具体的には、ストランド51を側方から見たときに、ストランド51が、ガイドローラー31A前後でなす角のうち、地面に向かって開く角の大きさである。
角度δ3が角度δ2Aよりも大きいことが好ましい。これによって、ストランド51の振れを低減できる。これについて説明する。ガイドローラー31Aでストランド51が湾曲するときは、ガイドローラー27Aで湾曲するときよりも、ストランド51の固化がすすんでいるため柔軟性が低い。ストランド51の柔軟性が低いため、ガイドローラー31Aでの曲がりが過度にきついと、ストランド51がその曲がりに追従できないことがある。ストランド51がその曲がりに追従できないと、ストランド51の振れが生じる。ここで、角度δ3が角度δ2Aよりも大きいと、その逆の場合(つまり、角度δ3が角度δ2Aよりも小さい場合)にくらべて、ストランド51が、ガイドローラー31Aでの曲がりに追従しやすい。したがって、角度δ3が角度δ2Aよりも大きいと、その逆の場合にくらべて、ストランド51の振れを低減できる。
ガイドローラー31Aの径は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましい。ガイドローラー31Aの径は、たとえば、20cm以下であってもよく、15cm以下であってもよい。
各ガイドローラー31の径は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましい。各ガイドローラー31の径は、たとえば、20cm以下であってもよく、15cm以下であってもよい。各ガイドローラー31の径は、互いに等しくても、異なっていてもよい。
ストランド51の空冷長は、適宜設定することができる。ここで、空冷長とは、ストランド51が水上に出る点から、切断される点までのストランド51自体の長さである。空冷長は、ストランド51が、ペレタイザー41で切断可能な温度まで下がるように設定することが好ましい。
<2.3.空冷されたストランドを切断してペレットを得る工程(ペレタイズ工程)>
ペレタイズ工程では、空冷されたストランド51をペレタイザー41で切断して、ペレットを得る。
ストランド51を切断する点で、ストランド51の表面温度は、ガラス転移温度Tよりも低いことが好ましい。これによって、ストランド51のカッティング不良を抑制できるため、連結した二つ以上のペレットからなる双子ペレットの発生頻度を低減できる。
ペレットは、通常、円柱状、具体的には直円柱状をなす。ペレット断面の形状(以下、「断面形状」と言う。)は、通常、楕円形状をなす。なぜなら、ストランド51がガイドローラー27によって受ける圧力によって、ストランド51の断面形状が楕円形状となるためである。ただし、ペレットの断面形状は、これに限られない。たとえば、円形状であってもよい。なお、ペレット断面とは、ペレタイザー41で形成された切り口である。
ペレットの径Dは、吐出口の径Dよりも小さい。なぜなら、ストランド51を引取ロールで引き取ることによって、ストランド51に張力がかかるので、ストランド51が、溶融部分で伸びる(つまり、ストランド51が、少なくともダイ13から水面25までの部分で伸びる)ためである。なお、ペレットの径Dは、ペレット断面(ペレタイザー41で形成された切り口)の最大径、およびペレット断面の最小径をノギスで測定し、最大径および最小径の和を2で割ることによって求める。ペレットの径Dは、ペレット100個分の平均値である。
ペレットの径Dは、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましく、2.0mm以上がさらに好ましい。ペレットの径Dは、4.5mm以下が好ましく、4.0mm以下がより好ましく、3.5mm以下がさらに好ましい。
ペレットの扁平率は、2.0以下が好ましく、1.9以下がより好ましい。ペレットの扁平率が小さいほど、ペレットの比表面積が小さくなる傾向があるところ、ペレットの扁平率が2.0以下であると、ペレットの比表面積の大きさが制限されるため、ペレットの吸水(たとえば、ペレットを袋詰めするまでのペレットの吸水)を低減することができる。ペレットの扁平率は、たとえば、1.2以上であってもよく、1.3以上であってもよく、1.4以上であってもよい。なお、ペレットの扁平率は、ペレット断面の最大径を、ペレット断面の最小径で割った値である。ペレットの扁平率は、ペレット100個分の平均値である。
扁平率の標準偏差は小さいほど、ストランド51の振れが小さいことを示す。なぜなら、ストランド51の振れにともなって、ストランド51がガイドローラー27との接触で受ける圧力が増減するところ、その圧力に扁平率が比例するためである。
よって、扁平率の標準偏差は小さいほど好ましい。標準偏差は、0.20以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下がさらに好ましく、0.08以下がさらに好ましい。
ペレットの長さ、具体的には、ペレットの軸方向の長さは、1mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2mm以上がさらに好ましく、2.5mm以上がさらに好ましい。ペレットの長さは、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましく、5mm以下がさらに好ましく、4mm以下がさらに好ましい。
ペレットの水分率、具体的には、ペレタイズ直後におけるペレットの水分率は0.10質量%未満が好ましい。0.10質量%未満であると、乾燥設備を用いてペレットを乾燥させる操作を省略することができる。よって、乾燥設備の設置や、乾燥操作のためのランニングコストを省略できる。
<2.4.他の工程>
ペレットに、必要に応じて乾燥エアーを当てながら、ペレットを放置してもよい。ペレットを放置することで、ペレットに付着した水分の少なくとも一部を、ペレットが持つ熱によって気化させることができる。ペレットは、必要に応じて選別され、必要に応じて袋に詰められる。
<2.5.ペレットの径Dの、吐出口の径Dに対する比(D/D)>
ストランド51の溶融部分にかかる張力が大きいほど、ペレットの径Dの、吐出口の径Dに対する比(D/D)が小さくなる。よって、比(D/D)は、ストランド51の溶融部分にかかる張力の指標にすることができる。なお、比(D/D)は、ストランド51を引き取る速度(引取速度)で調整することができる。
比(D/D)は0.45以上が好ましく、0.50以上がより好ましく、0.53以上がさらに好ましい。0.45以上であることによって、ストランド51の溶融部分に、過度な張力がかかることを防止することができるため、ストランド切れを抑制することができる。比(D/D)は、0.97以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.93以下がさらに好ましい。0.97以下であることによって、ストランド51の溶融部分の振れを抑える程度の張力を、ストランド51の溶融部分にかけることができる。
<2.6.ストランドを引き取る速度(以下、「引取速度」と言う。)>
引取速度vは、20cm/秒以上であり、30cm/秒以上が好ましい。20cm/秒以上であることによって、単位時間あたりのペレット生産量に優れる。引取速度vは、140cm/秒以下であり、130cm/秒以下が好ましい。
<2.7.組成物の物性>
組成物のガラス転移温度T、つまりペレットのガラス転移温度Tは、たとえば、20℃以上であってもよく、30℃以上であってもよく、40℃以上であってもよい。ガラス転移温度Tは、たとえば、80℃以下であってもよく、70℃以下であってもよく、60℃以下であってもよい。
組成物の融点T、つまりペレットの融点Tは、たとえば、180℃以上であってもよく、190℃以上であってもよく、200℃以上であってもよい。融点Tは、たとえば、300℃以下であってもよく、290℃以下であってもよく、280℃以下であってもよく、270℃以下であってもよい。
組成物の降下結晶化温度TC2、つまりペレットの降下結晶化温度TC2は、たとえば、140℃以上であってもよく、160℃以上であってもよく、180℃以上であってもよい。降下結晶化温度TC2は、たとえば、280℃以下であってもよく、270℃以下であってもよく、260℃以下であってもよく、250℃以下であってもよい。
組成物の曲げ破壊ひずみ、具体的には、ペレットから作製した3点曲げ試験用試験片の曲げ破壊ひずみは10%以上であることが好ましい。曲げ破壊ひずみが10%以上であると、10%未満の場合にくらべて中空ペレットが生じやすい。なぜなら、曲げ破壊ひずみが10%以上であると、10%未満の場合にくらべて、強化材の量が少なく、かつ熱可塑性樹脂の含有量が多い傾向があるためである。曲げ破壊ひずみは、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。曲げ破壊ひずみは、80%以下であってもよく、70%以下であってもよい。曲げ破壊ひずみは、強化材の量などで調整できる。曲げ破壊ひずみは、強化材の量が多いほど、小さくなる傾向がある。
組成物の曲げ破壊ひずみは、JIS K 7171:2016に準じて求める。具体的には、ペレットから3点曲げ試験用試験片を作製し、3点曲げ試験をおこない、曲げ破壊ひずみを求める。
<2.8.組成物、およびその原料>
組成物は、熱可塑性樹脂と、必要に応じて強化材とを含む。
熱可塑性樹脂は、特に限定されず、たとえばポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリサルホン(PSU)、ポリアリレート(PAR)、ポリエステル(PEs)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、フッ素樹脂、ポリアクリレートなどを挙げることができる。なかでもポリアミド、ポリエステルが好ましく、ポリアミドが特に好ましい。熱可塑性樹脂は、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミドは、特に限定されず、たとえば、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ポリアミド4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド5T)、ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミドM−5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド6T(H))、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリラウリルラクタム(ポリアミド12)、ポリ−11−アミノウンデカン酸(ポリアミド11)、およびこれらの構成単位を含む共重合体などを挙げることができる。なかでも、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)が好ましい。ポリアミドは、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、組成物100質量%中、55質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量は、85質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。
強化材は、力学的特性、具体的にはペレットを成形することによって得られた成形品の力学的特性を高めることが可能な物質である。強化材の形状は特に限定されず、たとえば、繊維状であってもよく、粒状であってもよい。強化材は、特に限定されず、たとえば、ガラス繊維、針状ワラストナイト、マイカ、タルク、未焼成クレー、ウィスカ(たとえばチタン酸カリウィスカ)、炭素繊維、セラミック繊維、シリカ、アルミナ、カオリン、石英、粉末状ガラス(ミルドファイバー)、グラファイト、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、金属粉末などを挙げることができる。なかでも、ガラス繊維、タルクのような無機強化材が好ましく、ガラス繊維、タルクがより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましい。強化材は、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。
繊維状の強化材として、ガラス繊維のような無機繊維、有機繊維、金属繊維などを挙げることができる。無機繊維として、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウィスカなどを挙げることができる。なかでも、ガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維として、たとえばチョップドストランド状のガラス繊維を挙げることができる。
ガラス繊維の径は1μm〜100μmが好ましい。「ガラス繊維の径」は、ガラス繊維の長手方向に対して垂直な断面における径である。なお、その断面において最大径および最小径がある場合には、「ガラス繊維の径」は最大径を指す。ガラス繊維の繊維長は0.1mm〜10mmが好ましい。
タルクのような粒状の強化材の平均粒子径は、1μm〜100μmが好ましい。平均粒子径は、島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「SALD−2300」で測定される。
強化材は、アミノシラン処理のようなシラン処理が施されていてもよい。つまり、強化材は、カップリング剤(具体的にはシランカップリング剤)で表面処理されていてもよい。
組成物が強化材を含む場合、強化材の含有量は、組成物100質量%中、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
カップリング剤が、強化材に予め付着していることができるものの、強化材の熱可塑性樹脂に対する濡れ性をさらに高めるために、強化材に予め付着したカップリング剤とは別に、カップリング剤を添加することが好ましい。カップリング剤の添加量は、強化材100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。カップリング剤の添加量は、強化材100質量部に対して、3.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
このようなカップリング剤、つまり添加用のカップリング剤として、シランカップリング剤を挙げることができる。カップリング剤は、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。
組成物が強化材を含んでいてもよいものの、強化材を含まないことが好ましい。
組成物は、力学的特性以外の性質(たとえば電気的性質)の改良のための充てん材をさらに含んでいてもよい。
組成物は、安定剤をさらに含むことが好ましい。安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの有機系酸化防止剤や、熱安定剤や、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系などの光安定剤や、紫外線吸収剤や、金属不活性化剤や、銅化合物や、ハロゲン化アルカリ金属化合物などを挙げることができる。なかでも、銅化合物が好ましい。安定剤は、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。なお、安定剤の含有量は適宜調整できるものの、組成物100質量%中5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。「安定剤の含有量」とは、組成物が安定剤を複数種含む場合には、それらの合計含有量である。
安定剤として使用可能な銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅塩などを用いることができる。銅化合物は、1種のみを単独使用してもよく、数種を組み合わせて用いてもよい。
組成物は、耐衝撃や柔軟性のような特性を改質することを目的として、オレフィン系化合物を含むことができる。オレフィン系化合物は、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を有することが好ましい。そのようなオレフィン系化合物として、たとえば、変性ポリオレフィン、変性スチレン系共重合体などを挙げることができる。変性ポリオレフィンは、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を有する単量体を、共重合やグラフト重合などによって未変性のポリマー分子鎖中に含ませたα−オレフィン系の重合体である。ここで、重合体とは、共重合体を包含する。変性スチレン系共重合体は、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を有する単量体を、共重合やグラフト重合などによって未変性のポリマー分子鎖中に含ませたスチレン系の共重合体である。
変性ポリオレフィンおよび変性スチレン系重合体を得る際に用いることのできる未変性のポリマーとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリメチルペンテンなどのホモポリマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、イソブチレンなどのα−オレフィン、1,4−ヘキサジエンジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデンノルボルネン、5−エチル−2,5−ノルボルナジエン、5−(1’−プロベニル)−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンの少なくとも1種を通常の金属触媒あるいはメタロセン系高性能触媒等を用いてラジカル重合して得られるポリオレフィンを挙げられる。具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、未水添または水添ポリブタジエン、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体などが挙げられる。これらのうちジエン系エラストマとしては、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるA−B型またはA−B−A’型のブロック共重合弾性体であり、末端ブロックAおよびA’は同一でも異なってもよく、かつ芳香族部分が単環でも多環でもよいビニル系芳香族炭化水素から誘導された熱可塑性単独重合体または共重合体が挙げられる。ビニル系芳香族炭化水素の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタレンおよびそれらの混合物などが挙げられる。中間重合体ブロックBは共役ジエン系炭化水素からなり、たとえば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンおよびそれらの混合物から誘導された重合体などが挙げられる。またブロック共重合体の中間重合体ブロックBが水添処理を受けたものを用いることもできる。
未変性ポリマーにカルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を導入する方法としては、特に制限はなく、共重合や未変性ポリオレフィンにラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。
変性ポリオレフィンおよびスチレン系重合体の具体例として、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体(ここで「−g−」はグラフトを表わす。以下同じ。)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。これらの中でも、アミンとの反応性が高いカルボン酸無水物基を有する(共)重合体が好ましい。
オレフィン系化合物の含有量は、組成物100質量%中、3質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましい。オレフィン系化合物の含有量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
組成物は、離型剤、難燃剤、難燃助剤、結晶核剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料などをさらに含むことができる。これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して使用することができる。離型剤としては、長鎖脂肪酸またはそのエステルや金属塩、アマイド系化合物、ポリエチレンワックス、シリコーン、ポリエチレンオキシドなどを挙げることができる。長鎖脂肪酸としては、特に炭素数12以上が好ましく、たとえばステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などを挙げることができる。部分的もしくは全カルボン酸が、モノグリコールやポリグリコールによりエステル化されていてもよく、または金属塩を形成していてもよい。アマイド系化合物としては、エチレンビステレフタルアミド、メチレンビスステアリルアミドなどを挙げることができる。これら離型剤は、単独であるいは混合物として用いてもよい。離型剤の含有量は、組成物100質量%中、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。離型剤の含有量は、組成物100質量%中、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。
<3.上述の実施形態には種々の変更を加えることができる>
上述の実施形態におけるペレットの製造方法には、種々の変更を加えることができる。たとえば、以下の変形例から、一つまたは複数を選択して、上述の実施形態に変更を加えることができる。
上述の実施形態では、ダイ13のノズルが、少なくとも吐出口付近で、水面25に近づくように水平方向に対して傾いて延びている、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、ダイ13のノズルが、少なくとも吐出口付近で、水平方向に傾斜せずに延びている、という構成でもよい。なお、ノズルが、MD方向で端から端まで、水平方向に傾斜せずに延びている必要はない。
上述の実施形態では、入水角δが45°以上85°以下であるという構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、入水角δが45°未満であってもよく、85°超えであってもよい。
上述の実施形態では、角度δ2Aが100°以上180°未満である、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、角度δ2Aが、100°未満であってもよく、180°以上であってもよい。
上述の実施形態では、角度δ2Bが100°以上180°未満である、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、角度δ2Bが、100°未満であってもよく、180°以上であってもよい。
上述の実施形態では、水槽21内に複数のガイドローラー27が設けられている、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、図2に示すように、水槽21内に、一つのガイドローラー27(27A)が設けられている、という構成でもよい。一つのガイドローラー27(27A)が設けられていることによって、ストランド51が水中で湾曲する回数を制限できる。水槽21内に、一つのガイドローラー27(27A)が設けられている構成において、角度δ2Aは、150°以下がさらに好ましく、140°以下がさらに好ましく、130°以下がさらに好ましい。150°以下であると、ストランド51とガイドローラー27Aとをしっかり接触させることが可能であるため、ガイドローラー27Aよりも下流で生じるストランド51の振れや暴れが、ガイドローラー27Aよりも上流に伝わり難くすることができる。したがって、ストランド切れを、いっそう効果的に抑制できる。しかも、ストランド51とガイドローラー27Aとをしっかり接触させることが可能であるため、ガイドローラー27Aとの接触でストランド51に生じる応力を拡散することもできる。
上述の実施形態では、各ガイドローラー27が、ストランド51における上の部分、具体的には、ストランド51の径方向で水面25寄りの部分と接するように配置されている、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。
上述の実施形態では、水槽21の下流に複数のガイドローラー31が設けられている、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、水槽21の下流に、ガイドローラー31が一つだけ設けられている、という構成でもよく、ガイドローラー31が設けられていない、という構成でもよい。
上述の実施形態では、各ガイドローラー31が、ストランド51における下の部分、具体的には、ストランド51の径方向で地面寄りの部分と接するように配置されている、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。
上述の実施形態では、角度δ3が140°以上である、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。
上述の実施形態では、角度δ3が角度δ2Aよりも大きい、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。
上述の実施形態では、空冷されたストランド51を切断してペレットを得る、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、空冷されたストランド51を、さらに水冷してもよい。
上述の実施形態では、比(D/D)が0.45以上0.97以下である、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、比(D/D)が、0.45未満であってもよく、0.97超えであってもよい。
上述の実施形態では、ペレットの径Dが4.5mm以下である、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。ペレットの径Dが、4.5mm超えであってもよい。
以下、本発明を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
ポリアミド樹脂の相対粘度
ポリアミド樹脂0.25gを、96%の硫酸25mlに溶解してサンプル溶液を作製した。サンプル溶液10mlをオズワルド粘度管に入れ、サンプル溶液の落下時間を20℃で測定した。溶媒、つまり硫酸の落下時間も20℃で測定した。これらを測定した後、相対粘度(RV)を、以下の式より算出した。
RV=T/T
RVは、相対粘度である。Tは、サンプル溶液の落下時間である。Tは、溶媒の落下時間である。
吐出口での組成物の温度T
温度Tは、ダイの吐出口に設けた熱電対温度計で測定した。
水温T
水温Tは、水槽内に設けた水温計で測定した。
入水角δ、角度δ2A、および角度δ3
ダイの吐出口からペレタイザー入口まで、ストランドの経路に沿って、幅20cmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5000」、厚み100μm)をたるみなく張った。このようにして張られたポリエステルフィルムで形成された入水角δ、角度δ2A、および角度δ3をアングルプロトラクターで読み取った。
水分率
ペレタイズ直後のペレットの水分率を、カールフィッシャー式水分率計(三菱化学社製、CA−100型)を用いて200℃で測定した。
ペレットの径D
ペレットの径Dは、ペレット断面(ペレタイザーで形成された切り口)の最大径、およびペレット断面の最小径をノギスで測定し、最大径および最小径の和を2で割ることによって求めた。ペレットの径Dとして、ペレット100個分の平均値を表1に示す。
中空ペレット含有率
ペレット500個を目視で観察することによって中空ペレットの個数を数え、中空ペレット含有率を下記式で求めた。
中空ペレット含有率=(中空ペレットの個数/500個)×100
ガラス転移温度T
ガラス転移温度Tは、JIS K 7121−1987にしたがって、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製「EXSTAR6000」)で測定した。具体的には、ペレットから厚み0.5mm以下の試験片を切り出し、5mg分の試験片を、窒素気流下で、−40℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、DSC曲線を得た。低温側のベースラインの延長線と、遷移部(すなわち曲線部)における最大傾斜を示す接線との交点の温度(いわゆる補外ガラス転移開始温度)を、ガラス転移温度Tとして読み取った。なお、空の容器を、基準物質として使用した。
融点T
融点Tは、JIS K 7121−1987にしたがって、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製「EXSTAR6000」)で測定した。具体的には、ペレットから厚み0.5mm以下の試験片を切り出し、5mg分の試験片を、窒素気流下で20℃/分で昇温し、DSC曲線を得た。昇温時の吸熱ピークのピークトップ温度(いわゆる融解ピーク温度)を融点Tとして読み取った。なお、空の容器を、基準物質として使用した。
降下結晶化温度TC2
降下結晶化温度TC2は、JIS K 7121−1987にしたがって、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製「EXSTAR6000」)で測定した。具体的には、ペレットから厚み0.5mm以下の試験片を切り出し、5mg分の試験片を、窒素気流下で20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、窒素気流下で、その温度(300℃)で5分間保持した後、窒素気流下で10℃/分の速度にて100℃まで降温させた。これによって得たDSC曲線において、降温時の最大発熱ピークのピークトップ温度(いわゆる結晶化ピーク温度)を、降下結晶化温度TC2として読み取った。なお、空の容器を、基準物質として使用した。
曲げ破壊ひずみ
ペレットから作製した3点曲げ試験用試験片の曲げ破壊ひずみを、JIS K 7171:2016に準じて求めた。具体的には、3点曲げ試験用試験片を、二つの支持台に載せ、支点間中央に圧子で力を加えて、たわませた。試験は、以下の条件でおこなった。
3点曲げ試験用試験片 長さ100mm、幅10mm、厚さ4mm
支点間距離 64mm
試験速度 2mm/min
実施例1〜7および比較例1〜2におけるペレットの作製
ポリアミド66(「Stabamid 27AE1K」ローディア社製、RV=2.7)100質量部、変性スチレン共重合体(「タフテックM1943」旭化成社製) 5.5質量部、変性ポリエチレン(「モディックDH0200」三菱化学社製) 3.0質量部、ステアリン酸マグネシウム(「NP−1500」淡南化学工業社製)0.7質量部を計量し、これらをタンブラーで混合した後、スクリューL/D34の二軸押出機(「TEM48BS」東芝機械社製)の主供給口に供給し、溶融混練をおこない、径D4.5mmの吐出口を10個有するダイからストランドを吐出した。
ダイから出てきたストランドを、水槽内に引き込み水冷し、水冷されたストランドを空冷し、冷却されたストランドをペレタイザーでペレット状に切断し、ペレットを生産した。なお、ここまでの操作は、図2に示すような設備構成を用いて、表1に示す条件でおこなった。なお、水冷工程および空冷工程で利用された各ガイドローラーの径は4.8cmであった。
ペレットを、100℃で12時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械株式会社製「IS80」)でシリンダー温度285℃、金型温度80℃で射出成形し、3点曲げ試験用試験片を作製した。
実施例8〜10におけるペレットの作製
ポリアミド66に代えてポリアミド6(「UBE NYLON 1013B」宇部興産社製、RV=2.5)を使用し、かつ、表1に示す条件に従ったこと以外は、実施例1と同じ方法でペレットを製造した。シリンダー温度を275℃に設定したこと以外は実施例1と同じ方法でペレットから3点曲げ試験用試験片を作製した。
Figure 0006652215
引取速度vが20cm/秒〜140cm/秒を満足し、しかも、水浸漬長Lが式1を満足することで、中空ペレットの発生頻度を低減することができた。さらに、ペレタイズ直後における水分率が0.10質量%未満のペレットを得ることができた。
いっぽう、水浸漬長LがL未満である比較例1では、中空ペレットの発生頻度が実施例にくらべて高かった。水浸漬長LがL超えである比較例2では、ペレタイズ直後におけるペレットの水分率が実施例にくらべて高かった。
本実施形態におけるペレットの製造方法は、中空ペレットの発生頻度を低減することができるため、産業上利用可能である。
11…押出機、13…ダイ、21…水槽、25…水面、27…ガイドローラー(特に、最上流のガイドローラー27が、ガイドローラー27Aであり、ガイドローラー27Aよりも下流のガイドローラー27がガイドローラー27Bである。)、31…ガイドローラー(特に、最上流のガイドローラー31がガイドローラー31Aである。)、41…ペレタイザー、51…ストランド、δ…入水角、δ2A…角度(具体的には、ガイドローラー27A前後でストランド51がなす角度)、δ2B…角度(具体的には、ガイドローラー27B前後でストランド51がなす角度)、δ3…角度(具体的には、ガイドローラー31A前後でストランド51がなす角度)

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を含む組成物からなるストランドを、ダイの吐出口から押し出す工程と、
    前記ストランドを引き取りながら冷却する工程と、
    冷却された前記ストランドを切断して、ペレットを得る工程とを含み、
    前記ストランドを冷却する工程では、前記ストランドを20cm/秒〜140cm/秒で引き取り、
    前記ストランドを冷却する工程は、前記ストランドを、水槽内の水に引き込み水冷する工程を含み、
    前記ストランドが前記水槽内の水に浸る長さLは式1を満足し、
    前記式1は、
    ≦L≦L
    であり、
    Lはcmで表され、
    =K×D×{(T−TC2)/(T−T)}×v
    =K×D×v
    は0.74であり、
    は、前記ペレットの径であり、mmで表され、
    は、前記吐出口における前記組成物の温度であり、℃で表され、
    C2は、前記組成物の降下結晶化温度であり、℃で表され、
    は、前記水槽内の水の温度であり、℃で表され、
    vは、前記ストランドを引き取る速度であり、cm/秒で表され、
    は0.37であ
    前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含む、
    ペレットの製造方法。
  2. 前記組成物が強化材を含み、前記強化材の含有量が、前記組成物100質量%中、30質量%以下である、請求項1に記載のペレットの製造方法。
  3. 前記組成物が強化材を含まない、請求項1に記載のペレットの製造方法。
  4. 前記水槽内の水の温度Tが3℃〜80℃である、請求項1〜3のいずれかに記載のペレットの製造方法。
  5. 前記水槽内の水の温度Tが、前記組成物のガラス転移温度よりも高い、請求項1〜4のいずれかに記載のペレットの製造方法。
  6. 前記ペレットの径Dが4.5mm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のペレットの製造方法。
  7. 前記ストランドを冷却する工程は、前記水槽内で水冷された前記ストランドを空冷する工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のペレットの製造方法。
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