JP2022040726A - ポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Figure 2022040726000001
【課題】炭素繊維を使用して良好な成形体を得ることができるポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物、及び該ポリオレフィン樹脂組成物からなる炭素繊維強化樹脂成形体、及び炭素繊維を、ポリオレフィン樹脂とイミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤と共に混練押出機で混練りし、該混練物を混練押出機から押し出してペレットにする炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び該炭素繊維強化樹脂ペレットを用いて射出成形、押出成形、ブロー成形の何れかによって成形体を製造する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物と、炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法と、炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法に関する。
炭素繊維強化樹脂成形体は、軽量で高い剛性を有するため、各種の分野で使用されている。例えば、自動車や航空機の部品、ノートパソコンなどの携帯機器の筐体等に炭素繊維強化樹脂成形体は使用されている。
炭素繊維強化樹脂成形体の使用量が増加するにしたがい、使用後の炭素繊維強化樹脂成形体の廃棄量も増加し、その再利用が求められている。
炭素繊維強化樹脂成形体の再利用の一つとして、廃炭素繊維強化樹脂成形体から再生炭素繊維を得る方法が提案されている。
特開2013-64219号公報 特開平7-33904号公報
しかし、再生炭素繊維を使用した炭素繊維強化樹脂成形体は、バージン(未使用)の炭素繊維を使用した炭素繊維強化樹脂成形体と比べて物性及び外観が劣る問題があった。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、リサイクルされる前のバージン(未使用)の炭素繊維のみならず、再生炭素繊維を使用しても良好な物性及び外観を有する成形体を得ることができるポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記結晶核剤は、脂肪酸アミドまたは脂肪酸金属塩の一方または両方であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記結晶核剤は、マスターバッチからなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記イミン変性ポリオレフィン樹脂は、前記炭素繊維の10~50重量%であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記炭素繊維は、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、5~40重量部であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記炭素繊維は、裁断されたチョップド炭素繊維、または粉砕されたミルド炭素繊維であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から6の何れか一項において、前記炭素繊維は、廃炭素繊維強化樹脂の熱分解物であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1から7の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物からなる炭素繊維強化樹脂成形体に係る。
請求項9の発明は、炭素繊維を、ポリオレフィン樹脂とイミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤と共に混練押出機で混練りし、該混練物を前記混練押出機から押し出してペレットにすることを特徴とする炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法に係る。
請求項10の発明は、ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤とを含むポリオレフィン樹脂組成物から得られた炭素繊維強化樹脂ペレットを用い、射出成形、押出成形、ブロー成形の何れかによって成形体を得ることを特徴とする炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法に係る。
本発明によって得られるポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤とを含むものからなるため、リサイクル処理されていないバージン(未使用)の炭素繊維のみならず、再生炭素繊維を使用しても、成形時の固化結晶に対する結晶核剤による促進効果によって、良好な物性及び外観を有する成形体を得ることができる。
実施例と比較例のポリオレフィン樹脂組成物の配合と物性等を示す表である。
以下、以下本発明における、ポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法について説明する。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂とを含むものからなる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレンとメチル、エチル、プロピル若しくはブチルの各アクリル酸エステルとの共重合体、又はこれらの塩素化物、あるいはそれらの混合物、さらにはそれらとアイソタクチックポリプロピレン若しくはアタクチックポリプロピレンの混合物等を挙げることができる。特に好ましいポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレンである。
炭素繊維は、リサイクル処理(加熱処理)等がされていない炭素繊維として製造されたバージン(未使用)の炭素繊維あるいは再生炭素繊維の何れでもよく、何れか一方のみ、あるいは両方を併用することもできる。
再生炭素繊維の場合は、廃炭素繊維強化樹脂を加熱処理して得られる熱分解物が好ましい。廃炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維と樹脂とからなる炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形体の廃棄物である。また、廃炭素繊維強化樹脂から再生炭素繊維を得るための加熱処理は、廃炭素繊維強化樹脂を加熱して樹脂を炭化物とし、その炭化物を酸化分解して炭素繊維(再生炭素繊維)を得る処理であり、公知の処理技術である。
炭素繊維は、裁断されたチョップド炭素繊維(好ましくは1~15mmの長さ)、または粉砕されたミルド炭素繊維の何れでもよい。チョップド炭素繊維は、ミルド炭素繊維よりも、成形体の線膨張係数が小になって伸縮性が小さくなる。一方、ミルド炭素繊維は、チョップド炭素繊維よりも、成形体の外観(平滑性)が良好になる。
炭素繊維の配合量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、5~40重量部が好ましく、より好ましくは5~10重量部である。炭素繊維の配合量が少なすぎると成形体の剛性が低くなり、逆に多すぎると成形体の成形性が低下するようになる。
イミン変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィンにイミノ基を多数含有しているポリイミド化合物を、ラジカル発生剤の存在下でグラフト処理することによって得られるものである。ポリイミド化合物の基となるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
イミン変性ポリオレフィン樹脂をポリオレフィン樹脂組成物に配合することにより、ポリオレフィン樹脂組成物の溶融押出時におけるメルトテンションの限界速度の値が大になり、成形体の外観(成形体表面の平滑性)を良好にできる。メルトテンションの限界速度は、樹脂の溶融押出時における増速引取による破断時の最大速度であり、JIS K7199に基づいて測定される。メルトテンションの限界速度の値が大きいほど、溶融体の破裂を生じ難いため、得られる成形体の表面の平滑性が良好なものになる。
イミン変性ポリオレフィン樹脂の配合量は、炭素繊維の10~50重量%が好ましい。イミン変性ポリオレフィン樹脂の配合量が少なすぎると、成形体の平滑性及び衝撃強度が悪くなる。
結晶核剤としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、へベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が好ましい。結晶核剤は、これらの一つに限られず二以上でもよく、また脂肪酸アミドと脂肪酸金属塩の双方を組み合わせて使用してもよい。
結晶核剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、0.005~1.0重量部が好ましい。例えば、結晶核剤がステアリン酸亜鉛の場合、好適な量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.01~0.1重量部である。
結晶核剤は、オレフィン系樹脂をベース樹脂(主成分)とするマスターバッチを使用してもよい。市販されている結晶核剤のマスターバッチの例としては、理研ビタミン社製「リケマスターCN-001」、「リケマスターCN-002」、ミリケン・ケミカルズ社製「HL3-4」等が挙げられる。それらの中でも、高密度ポリエチレン(HDPE)をベースとし、結晶核剤がステアリン酸亜鉛である「リケマスターCN-002」は好適である。なお、「リケマスターCN-0002」は、(結晶核剤)ステアリン酸亜鉛:1.36%/(主成分)高密度ポリエチレン(HDPE)からなる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、炭素繊維強化樹脂ペレットにされて、炭素繊維強化樹脂成形体の製造に用いられる。
炭素繊維強化樹脂ペレットの製造は、炭素繊維を、ポリオレフィン樹脂とイミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤と共に、混練押出機で混練りし、該混練物をストランド状に押出し、水中冷却槽に通して冷却硬化し、ペレタイザーで切断してペレットとすることにより行うことができる。なお、樹脂のペレット化は、公知の方法である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物を用いて行う炭素繊維強化樹脂成形体の製造は、射出成形、押出成形、ブロー成形の何れかによって行われ、成形体の用途に応じた成形方法が採用される。
射出成形では、前記炭素繊維強化樹脂ペレットを、射出成形機に投入して溶融し、その溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出してキャビティ形状の炭素繊維強化樹脂成形体を形成し、その後金型から取り出す。
押出成形では、前記炭素繊維強化樹脂ペレットを、押出機に投入して溶融し、溶融樹脂をダイスから押し出してダイス形状の長尺品からなる炭素繊維強化樹脂成形体を形成する。
ブロー成形では、前記炭素繊維強化樹脂ペレットを押出機に投入して溶融し、ヘッドから筒状のパリソンを押し出し、前記パリソンをブロー金型内に挟み込み、その状態でパリソン内に気体を吹き込んで金型内面形状に膨らませることにより、中空炭素繊維強化樹脂成形体を形成し、その後金型から取り出す。
なお、ブロー成形は、筒状のパリソンに代えてシート状に押し出して形成したシート状パリソンの2枚をブロー金型で挟み、2枚のシート状パリソン間に気体を吹き込んで金型内面形状に膨らませる方法でもよい。
図1の配合からなる各実施例及び各比較例のポリオレフィン樹脂組成物を、混練押出機(品名:KTX-30、神戸製鋼製)で溶融混練し、直径3mmのストランド状で水中冷却層に押し出し、ペレタイザー(品名:ストランドカッター、タナカ社製)で長さ3~4mmに切断して各実施例及び各比較例のペレットを製造した。溶融混練条件はバレルおよびダイ温度200℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hである。
使用した原料を以下に示す。
・ポリエチレン:高密度ポリエチレン(HDPE)、品名;ハイゼックス5000H、株式会社プライムポリマー製
・バージン炭素繊維(チョップド):ポリアクリロニトル(PAN)系炭素繊維糸を短繊維化したカットファイバー、品名:トレカ(登録商標)カットファイバー T008-003 東レ株式会社製
・再生炭素繊維(チョップド):廃炭素繊維強化樹脂の熱分解物からなる繊維長10mm以下の再生炭素繊維、品名;チョップド再生CF繊維、カーボンファイバーリサイクル工業株式会社製

・イミン変性ポリオレフィン樹脂:品名:アドマー(登録商標)IP、三井化学株式会社製
・酸変性ポリオレフィン樹脂:マレイン酸変性ポリオレフィン、品名;ユーメックス、三洋化成株式会社製
・結晶核剤含有マスターバッチ:(結晶核剤)ステアリン酸亜鉛1.36%/(主成分)高密度ポリエチレン(HDPE)、品名;リケマスターCN-002、理研ビタミン社製
各実施例及び各比較例のペレットを、押出成形機(品名:GS90、池貝社製)に投入し、押出成形によって、外径30mm、内径25mmからなるチューブ状の成形体を製造した。成形条件は、ダイ温度200℃、スクリュー回転数30rpm、引取速度2.0m/minである。
各実施例及び各比較例に対し、機械物性、成形性、耐熱膨張性について評価した。
機械物性は、曲げ弾性率(MPa)と、荷重たわみ温度(0.45MPa)を測定した。
曲げ弾性率(MPa)は、JIS K7171に基づき、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの試験片に対して行った。
荷重たわみ温度は、JIS K7191B法に基づき、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの試験片を、支点間距離:64mmで支え、試験片中央に0.45MPaの荷重をかけた状態で、120℃/hrの速度で昇温し、曲げひずみの増加分が0.2%になったときの温度を荷重たわみ温度とする。荷重たわみ温度の測定結果は、耐熱変形性の評価に使用した。荷重たわみ温度が70℃未満の場合に評価「×」、70℃~79℃未満の場合に「△」、79℃~89℃未満の場合に「〇」、89℃以上の場合に「◎」とした。
成形性は、メルトテンション限界速度をJIS K7199に基づいて測定し、その値で外観性(表面の平滑性)を評価した。
メルトテンション限界速度は、樹脂の溶融押出時の増速引取による破断時の引取速度であり、限界速度の値が大きいほど、溶融樹脂の破断を生じ難いため、成形体外観(表面の平滑性)が良好になる。
メルトテンション限界速度の測定結果が10m/min未満の場合に、外観(表面の平滑性)評価「×」、10~12m/min未満の場合に「△」、12~18m/min未満の場合に「〇」、18m/min以上の場合に「◎」とした。
耐熱膨張性は、線膨張係数を測定し、その値で評価した。線膨張係数の測定方法は、長さ1000mmのサンプルを20℃の恒温槽に8時間収納した後、サンプルの長さLcを測定し、次に60℃の恒温槽に8時間収納した後、サンプルの長さLhを測定し、その値を用いて線膨張係数=(Lh-Lc)/[Lc(60-20)]の式によって線膨張係数(単位:/℃)を算出した。
線膨張係数の測定値が4.0×10-5/℃以上の場合に、耐熱膨張性評価「×」、3.0×10-5/℃~4.0×10-5/℃未満の場合に「△」、2.0×10-5/℃~3.0×10-5/℃未満の場合に「〇」、2.0×10-5/℃未満の場合に「◎」とした。
実施例1は、ポリエチレン100重量部、再生炭素繊維(チョップド)10重量部、イミン変性ポリオレフィン樹脂1重量部、結晶核剤含有マスターバッチ1重量部(含有結晶核剤0.014重量部)からなるポリオレフィン樹脂組成物の例である。
実施例1の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が727MPa、荷重たわみ温度が82℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「〇」、メルトテンション限界速度が17.4m/min、外観(平滑性)評価「〇」、線膨張係数(20℃→60℃)が2.7×10-5/℃、耐熱膨張性評価「〇」であり、良好な物性及び外観を有するものである。
実施例2は、実施例1における結晶核剤含有マスターバッチを3重量部(含有結晶核剤0.041重量部)に増加させ、他を実施例1と同様にした例である。
実施例2の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が823MPa、荷重たわみ温度が91℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「◎」、メルトテンション限界速度が19.5m/min、外観(平滑性)評価「◎」、線膨張係数(20℃→60℃)が2.2×10-5/℃、耐熱膨張性評価「〇」であり、物性及び外観が実施例1よりも良好になった。
実施例3は、実施例1における結晶核剤含有マスターバッチを5重量部(含有結晶核剤0.068重量部)に増加させ、他を実施例1と同様にした例である。
実施例3の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が840MPa、荷重たわみ温度が92℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「◎」、メルトテンション限界速度が19.4m/min、外観(平滑性)評価「◎」、線膨張係数(20℃→60℃)が2.1×10-5/℃、耐熱膨張性評価「〇」であり、実施例2と同等の良好な物性及び外観を有する。
実施例4は、実施例2におけるイミン変性ポリオレフィン樹脂を5重量部に増加させ、他を実施例2と同様にした例である。
実施例4の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が811MPa、荷重たわみ温度が89℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「◎」、メルトテンション限界速度が19.6m/min、外観(平滑性)評価「◎」、線膨張係数(20℃→60℃)が2.4×10-5/℃、耐熱膨張性評価「〇」であり、実施例2と同等の良好な物性及び外観を有するものである。
実施例5は、実施例4における再生炭素繊維(チョップド)の10重量部に代えてバージン炭素繊維(チョップド)の10重量部を使用し、他を実施例4と同様にした例である。
実施例5の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が852MPa、荷重たわみ温度が91℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「◎」、メルトテンション限界速度が20.3m/min、外観(平滑性)評価「◎」、線膨張係数(20℃→60℃)が2.4×10-5/℃、耐熱膨張性評価「〇」であり、実施例4よりもさらに良好な物性及び外観を有するものである。
比較例1は、ポリエチレン100重量部、再生炭素繊維(チョップド)10重量部からなり、イミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤マスターバッチの何れも含まないポリオレフィン樹脂組成物の例であり、実施例1とは、イミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤マスターバッチの何れも含まないことで相違する。
比較例1の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が687MPa、荷重たわみ温度が77℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「△」、メルトテンション限界速度が8.6m/min、外観(平滑性)評価「×」、線膨張係数(20℃→60℃)が6.1×10-5/℃、耐熱膨張性評価「×」である。比較例1は、イミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤マスターバッチの何れも含まないため、実施例1と比べて、物性及び外観の何れも大きく低下した。
比較例2は、ポリエチレン100重量部、再生炭素繊維(チョップド)10重量部、結晶核剤含有マスターバッチ3重量部(含有結晶核剤0.014重量部)からなるポリオレフィン樹脂組成物の例であり、比較例1とは結晶核剤含有マスターバッチを3重量部(含有結晶核剤0.014重量部)含むことで相違し、実施例2、4とはイミン変性ポリオレフィン樹脂を含まないことで相違する。
比較例2の成形体は、曲げ弾性率(0.45MPa)が764MPa、荷重たわみ温度が85℃、荷重たわみ温度(耐熱変形性)評価「〇」、メルトテンション限界速度が9.1m/min、外観(平滑性)評価「×」、線膨張係数(20℃→60℃)が6.0×10-5/℃、耐熱膨張性評価「×」である。比較例2は、比較例1と比べて結晶核剤含有マスターバッチを3重量部(含有結晶核剤0.014重量部)含有することにより、荷重たわみ温度(耐熱変形性)の評価が比較例1の「×」から「〇」に向上したが、イミン変性ポリオレフィン樹脂を含有していないことにより、荷重たわみ温度(耐熱変形性)の評価、外観(平滑性)評価、及び耐熱膨張性評価の何れも、実施例2、4より低い(悪い)評価であった。
このように、本発明のポリオレフィン樹脂組成物、炭素繊維強化樹脂成形体、炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法は、物性及び外観の良好な炭素繊維強化樹脂成形体を得ることができる。

Claims (10)

  1. ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 前記結晶核剤は、脂肪酸アミドまたは脂肪酸金属塩の一方または両方であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 前記結晶核剤は、マスターバッチからなることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 前記イミン変性ポリオレフィン樹脂は、前記炭素繊維の10~50重量%であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 前記炭素繊維は、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、5~40重量部であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 前記炭素繊維は、裁断されたチョップド炭素繊維、または粉砕されたミルド炭素繊維であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  7. 前記炭素繊維は、廃炭素繊維強化樹脂の熱分解物であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載のポリオレフィン樹脂組成物からなる炭素繊維強化樹脂成形体。
  9. 炭素繊維を、ポリオレフィン樹脂と、イミン変性ポリオレフィン樹脂及び結晶核剤と共に混練押出機で混練りし、該混練物を前記混練押出機から押し出してペレットにすることを特徴とする炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
  10. ポリオレフィン樹脂と、炭素繊維と、イミン変性ポリオレフィン樹脂と、結晶核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物から得られた炭素繊維強化樹脂ペレットを用い、射出成形、押出成形、ブロー成形の何れかによって成形体を得ることを特徴とする再生炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法。
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