JP6645794B2 - 舗装構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示される発明は、剛性の大きい構造物と路床もしくは路盤との境界部に補強材によって充填材を包囲した緩衝層を形成するものとし、このような緩衝層を複数重合して緩衝部としている。そして、この上に路盤及び舗装層を形成するものとなっている。上記補強材にはシート状物又はネット状物が用いられ、充填材には土砂、砂、砕石、各種廃材等が用いられている。
また、上記沈下抑制層は、路盤を形成する工程の前又は後に、効率よく形成することができる。そして、この沈下抑制層は、砕石等の粒状材料の粒子間がアスファルト等によって結着されたものとなっているので、厚さを路盤の厚さに比べて薄くすることができ、沈下抑制層を舗装体の下側に形成する領域と形成しない領域との境界で路面に影響が生じるのを抑制することができる。
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
図1は、本発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。また、図2は、この舗装構造の拡大断面図である
この舗装構造は、既存の地盤1を掘削して水路等として使用される管路3を設け、埋め戻した部分に適用されたものであって、既存の地盤1と埋戻し土2とにわたって路床4が形成されている。この路床4の上に連続するように下層路盤5が形成され、その上に沈下抑制層6が積層されている。そして沈下抑制層6の上には上層路盤7及びアスファルト混合物による舗装体8が形成されている。そして、沈下抑制層6には鋼からなる網状体10が埋め込まれている。
上記鋼板は、例えば厚さが0.1mm〜3.0mm程度のものを用いることができ、望ましくは0.4mm〜1.6mm程度のものを用いる。そして、幅は3mm〜100mm程度とすることができ、本実施の形態では厚さが0.8mm、幅が20mmのものを用いている。また、ハニカム状となった六角形のそれぞれは、頂角間の最大寸法を30mm〜200mm程度とすることができる。
この上層路盤7又は下層路盤5は、沈下抑制層6が形成されていない領域と舗装体8の高さを一致させるために、沈下抑制層6が形成されない部分の厚さに比べて沈下抑制層6に相当する厚さを低減したものとするのが望ましい。本実施の形態では下層路盤5の厚さが、沈下抑制層6が形成されない領域に比べて薄くなっている。
また、下層路盤5又は上層路盤7は、セメント又は石灰等が混合されて安定処理がなされているものであってもよいし、加熱アスファルト又はアスファルト乳剤によって安定処理がなされたものであってもよい。
工場等において帯状の鋼板を結合してパネル状の網状体を形成するときに、帯状となった同じ長さの複数の鋼板を、交互に長さ方向の位置が所定量だけずれるようにして結合する。これにより、図5に示すように帯状の鋼板11が連続する方向の端部では、結合された複数の鋼板11が一つ置きに突き出した状態となる。このようなパネル状となった網状体10a,10bの互いに接合する端部を突き合わせると双方から帯状の鋼板11a−a,11a−bが突き出しており、一方のパネル状の網状体10aから突き出した鋼板11a−aを他方のパネル状の網状体10bから突き出した鋼板11a−bの間に挿入し、他方から突き出した鋼板11a−bと隣接するように重ね合せることができる。そして、図6に示すように突き出した鋼板11a−aの先端部11dは他方から突き出した鋼板11a−b間にある鋼板11b−bの先端部11eと突き合わせることができる。このようにして、接合する双方のパネル状の網状体10a,10bから突き出した鋼板11a−a,11a−bを重ね合わせて結合することによって双方のパネル状網状体を接合することができる。重ね合わせた鋼板11a−a,11a−bの結合は、パネル状の網状体を製作するときに隣り合う鋼板を結合するのと同様に重ねあわせた鋼板に押し抜き加工を施すことによって結合することができる。
なお、図6において、黒くぬりつぶした押し抜き加工部11cが、二つの網状体10a,10bを接合するために現場で押し抜き加工を行った結合部である。
沈下抑制層6に埋め込む網状体は、図3に示すものに限定されるものではなく、他の形態のものを用いることもできる。例えば図7に示すように複数の帯状の鋼板21を波形に曲げ加工し、これらを並列して隣り合う鋼板21a,21bの対向するように張り出した部分22a,22bを重ねあわせて結合したものを用いることができる。この網状体20では、隣り合う鋼板21a,21bの結合に鋲23を用いており、双方の鋼板21a,21bに設けられた開口に鋲23を挿通し、鋲23の先端部を押しつぶすように変形させてかしめるものである。
また、網状体として鉄板に貫通する切込み線を断続的に設け、切込み線と直角方向に鉄板を引き延ばして網状とした、いわゆるエキスパンドメタルを用いることもできる。
なお、本発明において使用する粒状材料には、砂利、砂、砕石の他、鉄鋼スラグ、鉱物材料の焼成形成物等を含むものを用いることもできる。
締め固められた下層路盤5の上にアスファルト乳剤等のプライムコート層(図示しない)を形成し、その上に網状体10を敷き並べる。そして、その上から加熱アスファルト、砕石、砂等を含む粒状材料等を混合したアスファルト混合物を敷き均し、上記網状体を埋め込んで舗装体を形成するのと同様に転圧して形成することができる。また、プライムコート層の上に、又はプライムコート層に代えて合成樹脂からなるシートを敷設し、その上に沈下抑制層を形成することもできる。
上記のように形成された沈下抑制層6では、網状体10が沈下抑制層の下部に埋め込まれているが、複数の層に分けて転圧するものとして網状体を層厚の中間部分又は上部に埋め込むこともできる。また、複数層の網状体を埋め込むこともできる。
10:網状体, 11:帯状の鋼板, 12:鋼板の折り曲げられた部分, 13:隣り合う鋼板の対向する方向に張り出した部分, 14:重ね合せた鋼板を押し抜いた部分, 15:六角柱状の空間
20:網状体, 21:鋼板, 22:隣り合う鋼板の対向する方向に張り出した部分, 23:鋲,
31:構造物, 32:埋戻し土, 33:既存の地盤, 34:切り土部分, 35:盛り土部分, 36,37:沈下抑制層
Claims (4)
- 路床の上に路盤が積層され、さらに路盤上に舗装体が形成された舗装構造であって、
前記路床と前記舗装体との間に、前記路床又は該路床の下側にある路体の構造が変化する位置の両側にわたって連続して形成された沈下抑制層を有し、
前記沈下抑制層は、砕石、砂利及び砂の少なくともいずれかを含む粒状材料の粒子間が、アスファルトを主成分とする材料、セメント及び合成樹脂のうちの少なくともいずれかによって結着されたものであり、
該沈下抑制層内に、網状体が前記舗装体の路面に沿った方向に連続するように埋め込まれていることを特徴とする舗装構造。 - 前記網状体は、上下方向に幅を有する複数の帯状の鋼板で構成されており、所定の間隔で水平方向に曲折された複数の帯状の鋼板が配列されて隣り合う鋼板が互いに結合され、該鋼板で仕切られた六角柱状の空間がハニカム状に形成されている鋼製六角パネルであることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造。
- 前記沈下抑制層は、加熱により溶融するアスファルトと前記粒状材料とを混練した混合物で形成され、
前記網状体は、転圧された前記混合物中に埋め込まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。 - 前記沈下抑制層は、締め固められた路盤材料中に前記網状体が埋め込まれ、上下方向における該網状体が埋め込まれた範囲の前記路盤材料は、加熱により溶融するアスファルト、アスファルト乳剤、セメント及び合成樹脂の少なくともいずれか一つを加えることによって安定化処理が施されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
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