JP2013221347A - 地盤構造および地盤改良方法 - Google Patents

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眞一郎 今村
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Abstract

【課題】 地震時の地盤の変状を抑制することができる地盤構造およびその地盤構造を構築するために実施される地盤改良方法を提供する。
【解決手段】 地盤構造は、地震動が加えられることにより液状化する液状化層10と、液状化層10上に繊維が添加され撹拌混合された土砂により造成され、上部に車両が通行する舗装部12または構造物が構築される地盤改良体11とを含む。地盤改良方法は、液状化層10上の地盤表層部の土砂に繊維を添加し、撹拌混合して、液状化層10上に地盤改良体11を造成する工程を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震時の地盤の変状を抑制することができる地盤構造およびその地盤構造を構築するために実施される地盤改良方法に関する。
臨海部、氾濫源、埋立地等の軟弱地盤では、地震が発生することにより地盤の液状化が発生する可能性が高く、液状化が発生すると、地表付近の含水状態の土砂が液体の性質を示し、道路や構造物等が揚圧力を受けて破壊し、沈下を引き起こす。この道路の破壊や沈下により、緊急車両の通行を妨げ、避難経路をなくし、救援活動ができなくなるため、予め液状化対策を講じることが重要とされている。
従来、地震による液状化発生時において、地表面の不陸の発生を抑制し、かつ、地表面への噴発を防止するために、液状化の発生が予想される地盤の表層部に床版またはシートが設置され、床版またはシートによる版状の地表構造物により蓋材を構成した不陸抑制・噴発防止構造が提案されている(特許文献1参照)。
この構造は、床版またはシートによる版状の地表構造物が地盤表層部を覆う蓋材の役目をすることから、液状化発生時の地表面の不陸・凸凹を抑制することができ、地表への噴発(砂や汚染物等)を防止することができる。また、床版やシートの下に砂利や有孔配水管等のドレーン部材を設けることで、床版やシートが蓋材として密閉性を確保できずに噴出抑制できない場合に、液状化による砂まじりの水を側方へ排出することができる。
また、軟弱地盤上に設けられ、路面の中央から路肩側に向けて排水のための下り勾配を有し、道路を構築する位置の周囲の地盤よりも密度の小さい道路部が、道路の下方の幅方向中央部に設けられ、地盤の密度以上となる路肩部が、道路の下方に、道路部の幅方向両側を挟むように設けられ、道路部および路肩部を貫通するようにジオグリッドが埋設されてなる、道路の変状防止構造も提案されている(特許文献2参照)。
この構造は、道路直下に軽量土を置いて周辺地盤との重量バランスをとり、路床全体にジオグリッドを敷設して一体化と補強を図ることで、液状化が発生しても、道路が極端に沈下したり、隆起したり、段差を生じたりするのを抑制することができる。
特開2010−112039号公報 特開2010−037793号公報
特許文献1に記載の構造は、道路直下に床版やシートを設置して蓋材を構成し、この蓋材により地盤の変状を抑制するが、隆起や持ち上がりがあり、路面に凹凸や亀裂を生じる場合がある。蓋材の下にドレーン部材を設け、噴出する水を側方へ排出することができるが、均一に排水することができない場合、路面が傾斜し、緊急車両等の安全な通行が不可能になる。また、均一に排水しようとすると、適切な位置に適切な数のドレーン部材を設ける必要があり、施工が複雑になる。
特許文献2に記載の構造は、周囲の地盤より密度の小さい道路部を、道路の下方の幅方向中央部に設け、周囲の地盤の密度以上となる路肩部を、道路の下方の幅方向両側を挟むように設け、道路部および路肩部を貫通するようにジオグリッドを埋設することから、施工方法が複雑である。また、場所によって、道路周辺の住宅や工場等の既設構造物が異なり、歩道や道路幅も異なることから、周辺地盤との重量バランスをとることが難しい。
臨海部や埋立地等、液状化が発生する可能性の高い地盤層が厚い場合、その地盤層全部を置換し、もしくは固結し、または締め固める等して密度を増大させる方法も考えられる。しかしながら、道路延長が大きいことから、コストが極めて膨大なものになる。一例として、サンドコンパクションパイル工法を挙げることができるが、この工法は、衝撃荷重や振動によって地盤中に砂を圧入して蜜な砂柱群を造成するため、既存の道路に対して地盤改良を行うには大掛かりな工事で、費用や敷地制約条件等の面で現実的ではない。
これらのことから、道路直下の液状化が発生する可能性の高い地盤層全体を液状化対策として地盤改良した事例はほとんどなく、経済的で高い効果を有する液状化対策を目的とした地盤改良方法は確立されていない。したがって、液状化対策を目的として、経済的で、優れた地盤変状の抑制効果を有する地盤改良方法の提供が望まれていた。
本発明者らは、鋭意検討の結果、舗装道路直下の路床を含む表層地盤に短繊維を添加し、撹拌混合して地盤改良を行うことにより、簡単かつ安価に、地震時の液状化による道路変状(道路交通に支障をきたす沈下や不等沈下)を抑制することができることを見出した。本発明は、このことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の地盤構造および地盤改良方法を提供することにより解決することができる。
本発明の地盤構造は、地震の揺れにより液状化する液状化層と、液状化層上に繊維が添加され撹拌混合された土砂により造成され、上部に車両が通行する舗装部または構造物が構築される地盤改良体とを含む。
地盤改良した全体部分が、繊維が添加され撹拌混合された土砂により造成されていなくてもよく、その土砂により一定間隔で交差するように格子状に造成された改良部を備えるものとされていてもよい。
また、本発明の地盤構造は地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接し、液状化層の下部にまで延びる土留材が挿設されていてもよく、固化材を添加し、撹拌混合して壁状改良体を造成してもよい。土留材には、複数の開口部を備える排水部材が設けられていてもよく、土留材または壁状改良体には、開口部が設けられ、開口部を挿通するように排水材が設けられていてもよい。
本発明は、上記地盤構造を構築するために実施される地盤改良方法も提供することができる。この地盤改良方法は、地震の揺れにより液状化する液状化層上の地盤表層部の土砂に繊維を添加し、撹拌混合して、液状化層上に地盤改良体を造成する工程を含む。この工程では、繊維が撹拌混合された土砂により一定間隔で交差するように格子状の改良部を造成することにより地盤改良体を造成することもできる。
また、地盤改良体の造成後、地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接し、液状化層の下部にまで延びる土留材を挿設する工程を含むことができる。また、地盤改良体の造成後、地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接する位置の地盤に、固化材を添加しつつ撹拌混合して壁状改良体を造成する工程を含むこともできる。さらに、土留材または壁状改良体には開口部が設けられていて、その開口部を挿通するように排水材を設置する工程を含むことができる。
本発明の地盤構造および地盤改良方法を提供することにより、液状化が発生した時、地盤の沈下を許容するが、道路や構造物の不等沈下量を抑制することができる。このため、液状化に伴う大きな道路変状や構造物の傾きが生じなくなり、緊急車両の通行が可能で、避難経路も確保することができ、救援活動もスムーズに行うことができる。また、従来の固結工法や締め固め工法による液体化対策の改良範囲(全層改良)を大幅に縮減することができ、経済的になる。
地盤改良体の厚さを大きくするほど、液状化が発生したときの沈下量を小さくすることができるため、許容沈下量とコストパフォーマンスを勘案しながらこの厚さを検討することができる。また、上記の特許文献1および2に記載の方法と比較しても、施工が容易で、安価で実施することができる。そして、液状化層が、緩い飽和砂地盤のみならず、軟弱粘性土地盤に対しても適用することができるので、汎用性が高い。
また、改良形状を格子状にすることで、格子内地盤の液状化の抑制を図るとともに、版状改良としても経済的な地盤改良を提供することができ、改良範囲もさらに縮減することができるので、さらに経済的になる。
本発明の地盤構造の第1実施形態を示した断面図。 本発明の地盤構造の第2実施形態を示した断面図。 本発明の地盤構造の第3実施形態を示した断面図。 本発明の地盤構造の第4実施形態を示した断面図。
図1は、本発明の地盤構造の第1実施形態を示した断面図である。この地盤構造は、地震の揺れにより液状化する地盤内部の液状化層10と、液状化層10上に造成された地盤改良体11と、地盤改良体11上に構築された舗装部12とを含んで構成されている。図1には、地下水面も示されている。
液状化層10は、地下水面下の飽和した緩い砂質土と地下水で構成される。この液状化層10では、連続した地震動が加えられるまでは、砂粒子間のせん断応力による摩擦によって安定を保っている。しかしながら、地震のように連続した振動が加えられると、土粒子間隙中の水圧の上昇に伴い、土粒子間に作用する有効応力が減少することによって,砂粒子間のかみ合う力が消失し、砂粒子が水に浮いた状態となり、液状化が発生する。
舗装部12は、舗装道路であり、路床上に構築される。路床は、道路を舗装する際に地面を削って地ならしした地盤である。路床上には、車両の通行によりかかる荷重を分散させて路床に伝達する路盤が設けられる。路盤は、上層路盤と下層路盤とから構成され、下層路盤は、路床上に砕石を用いて形成され、上層路盤は、下層路盤上に粒度が調整された砕石を用いて形成される。一般に、上層路盤に用いられる砕石は、粒径が25mm程度のものが採用される。
路盤上には基層が設けられ、基層上には表層が設けられる。基層は、表層からの荷重を均等に路盤に伝達する役割をもつ。基層は、粗粒度のアスファルト層で、粗粒度アスファルト混合物を用いて形成される。表層は、車両の荷重を直接受ける層であり、開粒度アスファルト混合物や細粒度アスファルト混合物を用いて形成される。表層と基層との間には、防水性を高め、アスファルト混合物とのなじみを良くするためのプライムコートが設けられる。
地盤改良体11は、上記の路床および路床の下側の路体を構成する土砂に繊維を添加し、撹拌混合して造成される。繊維としては、長さ1〜150mmの短繊維が用いられる。土砂に短繊維を混合すると、砂粒子と短繊維、短繊維同士が絡み合い、土砂の強度や靱性(ねばり強さ)等の力学的特性が向上する。そのほか、耐浸食性が向上し、植物の根の引き抜き抵抗も向上する。この短繊維を土砂に混合して地盤改良体11を液状化層10上に造成することにより、地盤改良体11が所定の強度特性を発揮するので、下部の液状化層10が液状化し、その液状化層10に含まれる砂粒子間の間隙水圧が増加したとしても、場所によって異なる沈下量となる不等沈下は発生しない。このため、この地盤改良体11上に構築された舗装部12に凹凸が生じたり、亀裂が生じたりすることがなくなる。
短繊維は、太さが1〜150dtexのものを使用することができる。dtexは、繊維の長さ10000mの質量をグラム数で表した値である。土砂に添加する短繊維の添加量としては、土砂に対する乾燥重量比を0.1〜10%とすることができる。短繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン等の合成樹脂繊維や鋼繊維等を挙げることができる。
短繊維は、鋼繊維より合成樹脂繊維のほうが望ましい。合成樹脂繊維は、酸やアルカリに侵されず、錆びることもなく、作業機械を摩耗させることもなく、少ない添加量で高い補強効果を得ることができるからである。
材質、長さ、太さ、添加量は、現場施工、施工条件、所要の設計強度によって変わり、室内試験や現場施工試験(出来形確認試験)等を実施した上で決定することが望ましい。具体的には、土質条件に応じて添加量等の配合を調整し、所要の強度特性を発揮し得る現場配合条件を決定することにより、この添加量等を決定することができる。
短繊維は、土砂との十分な定着力および土砂中での良好な分散性をもつために、短繊維の断面形状を、X形、Y形、十字形、多角形、星形等とし、突起部や凹部を備えたものを用いることができる。また、短繊維は、分散性を向上させるために、界面活性剤により表面処理されていることが望ましい。短繊維を土砂へ投入する際、短繊維同士のからみ合いが少なくなるからである。
地盤改良体11を造成するために、これまでに知られたいかなる手法でも採用することができる。一例では、表層部の土砂をパワーショベルやバックホウにより掘削し、その土砂をミキサーに投入し、そのミキサーに短繊維を添加し、撹拌混合した後、埋め戻すことによって造成することができる。
そのほか、ボーリングマシンを用い、ロッドの先端に設けられた先鋭なビットを回転して地盤を掘削し、ロッドの周部に設けられた開口から圧縮空気とともに短繊維を噴射し、ロッドの外周に設けられた撹拌翼の回転により、周囲の土砂を撹拌して噴射された短繊維と混合し、円柱状の改良体を造成し、これにオーバーラップして次の改良体を造成することを繰り返して、図1に示すような略直方体の地盤改良体11を造成することができる。
このような地盤改良体11を造成することによる表層地盤改良を施すことで、地盤の改良厚さを薄くすることができる。改良厚さは、事前に設計することができるが、必要に応じて数値解析や模型実験等で改良効果を検証することができる。なお、改良厚さは、地震動の規模や地盤条件、地下水位、地域地盤特性等によって変わるので、これらも考慮して設計を行うことが重要である。許容する沈下量については、道路を管理する管理者が定めることができる。例えば、改良効果や予想される沈下量は、模型実験や数値解析によって検証の上、適切な地盤改良厚さを設定することが望ましい。
地盤改良体11としては、図1に示すような略直方体の版状の地盤改良体11とすることができるが、その他の形状であってもよい。また、地盤構造は、この地盤改良体11に加えて、シートパイル等の土留材や壁状改良体等を備えるものであってもよい。また、地盤改良体11を造成する際、短繊維に加えて、鉄粉等の土壌浄化剤等を添加してもよい。
図2は、地盤構造の第2実施形態として、短繊維が混合された土砂により一定間隔で交差するように格子状に造成された改良部を備える地盤改良体11を含む地盤構造の断面図である。図1に示した第1実施形態では、地盤改良体11全部が、短繊維が混合された土砂からなるが、この図2に示す第2実施形態では、改良部13のみが、短繊維が混合された土砂により構成されている。
格子状に形成された改良部13の格子内部にある土砂は、外部から振動が加えられたとしても、周囲を取り囲む改良部13によりせん断変形が拘束されるため、液状化を抑制,防止することができる。また、地盤改良体11全体として所定の強度特性を発揮するため、不等沈下が発生しなくなり、舗装部12に凹凸が生じたり、亀裂が生じたりすることを防止することができる。また、短繊維の添加量を少なくすることができるので、経済的であり、施工に要する時間も短縮することができる。
短繊維を混合して造成される改良部13の改良幅やその間隔は、任意の幅や間隔とすることができるが、これも模型実験や数値解析によって検証の上、適切な幅や間隔を設定することができる。
改良部13は、例えば、上記のボーリングマシンを用い、ロッドの先端に設けられた先鋭なビットを回転して地盤を掘削し、ロッドの周部に設けられた開口から圧縮空気とともに短繊維を噴射し、ロッドの外周に設けられた撹拌翼の回転により、周囲の土砂を撹拌して噴射された短繊維と混合し、円柱状の改良体を造成し、これにオーバーラップして次の改良体を造成することを繰り返して、図2に示すような格子状の地盤改良体11を造成することができる。上記のパワーショベルやバックホウを用いて掘削し、ミキサーで混合して埋め戻すことにより造成することも可能である。これらの方法に限定されるものではなく、改良部13を造成することができればその他の方法を採用することも可能である。
図3は、地盤構造の第3実施形態として、道路の両側に連続する地盤改良体11の2つの側面に隣接し、液状化層10の下部にまで延びる土留材が挿設された地盤構造の断面図である。土留材として鋼製の矢板であるシートパイル14が挿設され、液状化層10の下部にまで延びるように挿設されている。
シートパイル14を地盤改良体11の2つの側面に隣接して設けることで、この地盤改良体11の下部の液状化層10のせん断変形が拘束されるので、砂粒子間にある間隙水圧が過剰に増加することを抑制、防止することができ、液状化しにくくなる。このため、その上部にある地盤改良体11の改良厚さを薄くすることができる。
シートパイル14は、これまでに知られた方法により地盤内に挿設し、挿設することができる。また、シートパイル14は、断面がコの字形で、両縁部に引っ掛け部を備えており、隣り合う互いの引っ掛け部を掛け合うことにより連結する。この実施形態では、シートパイル14を用いているが、これに限定されるものではなく、壁状改良体であってもよい。
この壁状改良体は、上記のボーリングマシンを用い、石灰、石膏、セメント、水ガラス等の固化材を周囲の地盤に供給しつつ、撹拌翼により撹拌混合して円柱状の改良体を作り、それにオーバーラップするように次の改良体を作り、これを繰り返して壁状改良体を造成することができる。そのほか、地中連続壁工法やSMW工法等を利用して造成することも可能である。
ここで、地中連続壁工法とは、地中に連続した溝状の穴を掘削し、この穴の中に鉄筋コンクリート等を打設して連続した壁を造成する工法である。SMW工法とは、土(Soil)とセメントスラリーを原位置で混合・撹拌(Mixing)し、地中に壁体(Wall)を造成する工法である。このSMW工法では、多軸混練オーガー機を使用して原地盤を削孔し、そのオーガー機の先端からセメントスラリーを吐出し、削孔混練を行い、壁体を造成する。
図4は、地盤構造の第4実施形態として、道路の両側に連続する地盤改良体11の2つの側面に隣接し、液状化層10の下部にまで延びる土留材が挿設され、さらに、土留材に開口部が設けられ、その開口部を挿通するように排水材15が設けられた地盤構造の断面図である。排水材15は、例えば、円管内に粒径が比較的大きい砂利が充填されたものとすることができる。この排水材15の構成は一例であるので、排水機能を実現できればこれ以外の構成(例えば、ポリプロピレン製の排水材など)であってもよい。
排水材15は、地震動レベルが高い場合や、地震動の継続時間が長い場合に、間隙水圧が過剰に増加することがあり、その過剰に増加した間隙水圧を排水によって速やかに消散し、過剰間隙水圧の蓄積を抑制する役割を果たす。シートパイル14で囲まれた液状化層10内の間隙水圧が過剰に増加した場合、そのシートパイル14外の液状化層16へ排水材15を通して排出する。
排水材15は、排水量に応じた数だけ設けることができ、図4では、シートパイル14の開口部を挿通するように設けられた排水材15を4つと、液状化層16内に鉛直方向に延びる排水材17を4つ備えていて、排水材15を流通した水は、排水材17の頂部へ送られ、その頂部の開口から排出されるようになっている。
ここでは、排水材15を使用したが、これに限られるものではなく、シートパイル14に代えて排水機能付きのシートパイルを採用して地震時に発生する地盤内の過剰間隙水を排出することも可能である。排水機能付きシートパイルは、例えば、側面に水が流入する複数の穴が設けられ、内部に水が通る通路が形成された排水部材を備えており、複数の穴を通して流入した水がその通路を通って排出されるようになっている。
この地盤構造は、本発明の地盤改良方法を用いて構築することができる。その方法としては、地震動によって振動が加えられることにより液状化する液状化層10上の地盤表層部の土砂に繊維を添加し、撹拌混合して、液状化層10上に地盤改良体11を造成する工程を含む。この工程では、繊維が撹拌混合された土砂により一定間隔で交差するように格子状の改良部13を造成することにより地盤改良体11を造成することもできる。
また、地盤改良体11の造成後、地盤改良体11の両側面に隣接し、液状化層10の下部にまで延びる土留材を挿設する工程を含むことができる。これに代えて、地盤改良体11の造成後、地盤改良体11の両側面に隣接する位置の地盤に、固化材を添加しつつ撹拌混合して壁状改良体を造成する工程を含むこともできる。さらに、土留材または壁状改良体には、開口部が設けられていて、その開口部を挿通するように排水材15を設置する工程を含むことができる。
これまで本発明の地盤構造および地盤改良方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…液状化層、11…地盤改良体、12…舗装部、13…改良部、14…シートパイル、15…排水材、16…液状化層、17…排水材

Claims (13)

  1. 地震動が加えられることにより液状化する液状化層と、
    前記液状化層上に繊維が添加され撹拌混合された土砂により造成され、上部に車両が通行する舗装部または構造物が構築される地盤改良体とを含む、地盤構造。
  2. 前記地盤改良体は、前記土砂により一定間隔で交差するように格子状に造成された改良部を備える、請求項1に記載の地盤構造。
  3. 前記地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接し、前記液状化層の下部にまで延びる土留材が挿設された、請求項1または2に記載の地盤構造。
  4. 前記土留材は、水が流入する複数の穴が設けられ、内部に前記水が通る通路が形成された排水部材を備える、請求項3に記載の地盤構造。
  5. 前記土留材には開口部が設けられ、前記開口部を挿通するように設けられる排水材をさらに含む、請求項4に記載の地盤構造。
  6. 前記地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接し、前記液状化層の下部にまで延びるように、固化材を添加しつつ撹拌混合して造成される壁状改良体を備える、請求項1または2に記載の地盤構造。
  7. 前記土留材には開口部が設けられ、前記開口部を挿通するように設けられる排水材をさらに含む、請求項6に記載の地盤構造。
  8. 地盤構造を構築するために実施される地盤改良方法であって、地震動が加えられることにより液状化する液状化層上の地盤表層部の土砂に繊維を添加し、撹拌混合して、前記液状化層上に地盤改良体を造成する工程を含む、地盤改良方法。
  9. 前記造成する工程では、前記繊維が撹拌混合された土砂により一定間隔で交差するように格子状の改良部を造成することにより前記地盤改良体を造成する、請求項8に記載の地盤改良方法。
  10. 前記地盤改良体の造成後、前記地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接し、前記液状化層の下部にまで延びる土留材を挿設する工程を含む、請求項8または9に記載の地盤改良方法。
  11. 前記土留材には開口部が設けられていて、前記開口部を挿通するように排水材を設置する工程をさらに含む、請求項10に地盤改良方法。
  12. 前記地盤改良体の造成後、前記地盤改良体の少なくとも2つの側面に隣接する位置の地盤に、固化材を添加しつつ撹拌混合して壁状改良体を造成する工程を含む、請求項8または9に記載の地盤改良方法。
  13. 前記壁状改良体には開口部が設けられていて、前記開口部を挿通するように排水材を設置する工程を含む、請求項12に記載の地盤改良方法。
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