JP2013108299A - 地震時液状化防止地盤改良工法 - Google Patents

地震時液状化防止地盤改良工法 Download PDF

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Abstract

【課題】地震時に液状化が起こる可能性の高い地盤にセメントミルクと原地盤を混合して原地盤の性質を変えることにより地震時に液状化が起こりにくくする工法を提供する。
【解決手段】上載荷重が無いか若しくは上載荷重が軽い上載構造物の建設された砂地盤において、当該砂地盤をセメントミルクと撹拌混合すると共に、現場砂地盤にセメントミルクを充填して地盤中に円形状コラムを形成する撹拌混合装置を使用し、地盤のN値を少なくとも平均的に15以上とする円形状コラムを複数形成すると共に、その際、円形状コラムの直径D、平面上円形状コラム中心間のピッチpとして、p≦2Dを満足する範囲内で、前記円形状コラムを縦横に一定間隔のピッチとして複数形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震時に液状化が起こる可能性の高い地盤にセメントミルクと原地盤を混合して原地盤の性質を変えることにより地震時に液状化が起こりにくくする工法に関し、特に上載荷重が無いか上載荷重が軽い上載構造物を有した地盤において地震時に液状化が起こりにくくすることのできる地震時液状化防止地盤改良工法に関するものである。
地盤の液状化が大きく国際的な問題になってきたのは昭和39年(1964年)の新潟地震であった。それまでは構造物の基礎の設計に当っては、上載構造物の荷重に対して支持力が十分であるか、また、有害な地盤沈下が生じないかの2点を検討するに止まっていた。1964年に新潟地震が地盤の液状化による被害が生じ、それ以降地盤の液状化に関する研究が国際的に行われるようになった。
その研究の代表的なものの一つにカルフォルニア大学のシード教授のものがある。それによれば、液状化が起こる地盤の特性として、次の(a)〜(d)のような条件が挙げられている。
(a)緩い砂層からなる地盤
(b)その砂の粒径が比較的細かいものから構成されている地盤
(c)その砂の粒径が比較的揃っているものから構成されている地盤
(d)地下水位面が高くて地盤が水で飽和されているか、飽和に近い状態の地盤
それ以後、上載構造物の基礎設計に当り地盤の液状化の検討が行われるようになって現在に至っている。
以上、液状化が起こる地盤に関する研究の概要を述べたが、新潟地震以後、わが国だけでも宮城県沖地震、日本海沖地震、阪神淡路地震等が起こり、今回の2011年3月11日の東日本大地震が起こった。その影響で首都圏においても地盤の液状化が生じて社会問題化されている。
地盤の液状化の起こる地盤条件は上述のように研究されてきたが、その上載構造物との関係の研究があまりなされていないように思われる。新潟地震以来当発明者の経験したことを源として分析してみると、液状化が起こっている場所は上載構造物が無いか、若しくは非常に軽い物がある場所であり、例えば、道路、駐車場、木造の家屋のある場所で液状化が起こっていることの知見を得た。
以上のような地盤の液状化が起こる条件を列挙することによりその対策が見えてくる。
<鉄骨、鉄筋コンクリート構造物の基礎について>
杭基礎において、既成杭を使用する場合、昔はディーゼルハンマー等で杭を打設していたので、杭間の緩い砂層はその振動等で締められ締っていた。しかし、現在では環境問題としての騒音防止等の理由から先行掘りをして杭を施工する工法が採用され、杭間の地盤は締め固めることがない。このため新たな施工に際して、基礎杭の締固めがされた地盤であるか否か、予め既成杭の施工方法を充分に考慮しておく必要がある。
また、杭基礎において、現場施工の杭を使用する場合、色々な施工方法があるが、原則として現場の土とコンクリートを入れ替える方法が採用される。この方法の場合も、杭間の地盤は締固められない。
この結果、上記いずれの場合も、地震時に杭間の地盤が液状化の恐れがある。この杭間に液状化が起こればその部分の杭に対する摩擦がゼロとなり、杭に対する引張抵抗がゼロとなる。もしこのような設計をしていると、地震時に上載構造物が横力を受けて転倒を起こし、そのとき杭が抜かれる恐れがある。
以上のことから、緩い砂地盤に造成された場所に杭を使用していて、地震時に液状化を起こす恐れのある場所では、杭に引張力を持たせるような設計は避けるべきである。このことは、杭と上載構造物を連結する設計は避けるべきことを教えている。そして杭は飽くまでも垂直力だけを負担させて、杭頭と上載構造物との間には砕石とか砂利で層を設けることが望ましい。
<地盤改良による基礎>
本工法の基礎は、基礎を含めて地盤全体を上層構造物の荷重の支持に当らせるとの考え方である。
前述のように上載構造物が無い或いは木造家屋のように比較的軽い上載構造物支持地盤の所で液状化が起こることを見出したので、当該地盤について、その現地盤を液状化が起こりにくい地盤に改めることがこの工法の特徴である。
前述の如く、液状化の起こる地盤の特性の一つに緩い砂層の条件がある。この緩い砂層とは、標準貫入試験のN値が15以下と一般に定義されている。本発明は、これを踏まえて、対象地盤のN値を15以上に改良すれば液状化対策になるとの知見を基礎にする。
なお、これまでの地盤改良工法について工法について簡単に説明する。その具体的な工法として、次の工法がある。
<M1:バイブロフローティション工法>
我が国においてはその施工深度が8m程度である。
<M2:サンドコンパクション工法>
一般的に使用されているが、充填材の砂の入手が非常に困難になっていると同時に施工管理が難しい。
<M3:深層混合工法>
ビル、盛土道路、堰堤等の上載構造の基礎として一般に広く普及している。
しかし、上記いずれの工法においても、上載構造物の無い駐車場、道路、荷重の軽微な木造家屋に対してこれを液状化防止工法として適用し使用した例は従来見当たらないし、これまでなかった。
特開2011−069093
以上から、本発明は、上載構造物の無い駐車場、道路や、上載荷重の軽微な木造家屋の建築された地盤に対して、地震時に液状化するのを防止する地震時液状化防止地盤改良工法を提供するものである。
本発明は、地震時に液状化が起こる可能性の高い砂地盤に、上載荷重が無いか若しくは軽い上載構造物、例えば木造建屋の建設された所が最も地震時に液状化起こる可能性が高いので、そのような砂地盤の現場において、撹拌混合装置を使用して当該砂地盤をセメントミルクと撹拌混合すると共に、現場砂地盤にセメントミルクを充填して地盤中に円形状コラムを形成し、これにより略均一の強さを有する地盤に改良して、上載荷重の無い又は軽い地盤においても地震時の液状化を起こりにくくすることを可能とした地盤改良工法であって、改良した地盤のN値を少なくとも平均的に15以上として、前記円形状コラムを平面上円形状コラム中心間のピッチを同じくした一定の所定ピッチで縦横に複数形成する地震時液状化防止地盤改良工法を提供する。
本発明は、上記発明においてより具体的な構造上の特徴を有するものとして、さらに前記円形状コラムの直径D、相隣る円形状コラム中心間の距離をピッチpとするとき、p≦2Dを満足するものとして円形状コラムを形成する地震時液状化防止地盤改良工法を提供する。
また、本発明は、前記円形コラムを、内部に現地砂を含んだ円筒状ソイルセメント円柱として形成する地震時液状化防止地盤改良工法、又は内部を含めてセメントミルクと原地盤を混合した中実ソイルセメント円柱として形成する地震時液状化防止地盤改良工法を提供する。
さらに、本発明は、前記円形コラムの形成し際して、注入されるセメントミルクの注入圧力を所定深度における間隙水圧以上とし、前記円筒状ソイルセメント円柱又は中実ソイルセメント円柱に係る所定の寸法以上の拡大範囲にまでセメントミルクを注入浸透可能として前記円形コラムを形成する地震時液状化防止地盤改良工法を提供する。
本発明によれば、上載構造物の無い駐車場、道路や、上載荷重の軽微な木造家屋の建築される地盤において、地震の振動が加えられた際であっても、上載構造物の無い駐車場、道路や、上載荷重の軽微な木造家屋の建築された地盤において砂の粒子をセメントミルクの供給によって相互に結合することにより地震時に容積変化が生じにくくした構造に施工してあるため、地震時に液状化するのを防止することができる。
その場合、セメントミルクの供給を最小限して、地震時に容積変化が生じにくいリングコラムを作成することができ、安価な工法を提供することができる。
本発明のリングコラム工法によれば、地震時に地下水中に浮遊した砂粒子を円筒形のコラムの中に閉じ込めて上下のみの運動に拘束すると共に、在来の地盤の強度を上げて液状化しにくい地盤とすることができる。
本発明のリングコラム工法として、離間施工形態を示す概要図である。 本発明のリングコラム工法によるソイルセメント筒状円柱部分と内部砂部分の寸法例を示す図であり、(a)は単位体積分の分解図であり、(b)は工法施工前の無垢の単位体積を示す。 本発明の地盤改良工法の適用として、複数のコラムの離間施工に係る他の例を示すもので、ソイルセメント中実円柱を形成する場合の例を示す。 本発明の地盤改良工法の適用として、複数のコラムの隣接施工例を示し、(a)はソイルセメント筒状円柱を形成する場合を、(b)はソイルセメント中実円柱を形成する場合をそれぞれ示す。 本発明に係る工法を適用する対象地盤の説明図である。 地盤改良装置の施工形態の一例を示す図であり、(a)は本地盤改良工法に使用されるスクリュウオーガー装置部分の概要図であり、(b)はスクリュウオーガー装置を使用した施工図の一例である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る工法は、先に述べた先行の地盤改良工法との関係で述べれば、上記深層混合工法に改良を加え、従来の工法に比して経済的にした工法であり、先ず、次に示す工法(以下「リングコラム工法」と称する。)を例として説明する。
この原理を簡略に説明すると次のようになる。
地盤の強さは一般的に次の式で示すことができる。
(数1)
τ=σtanφ° ・・・(1)式
ここで、τ=地盤の強さ
σ=土の重さ
φ=土の内部摩擦角

N=標準貫入試験で得られるN値
地震時には、上記(1)式は次の(3)式ようになる。
(数3)
τ=(σ−u)tanφ° ・・・(3)式
u=地震時に発生する地下の水圧
上記(1)(2)(3)式について明らかなことは、地盤を固め締めることによりN値が上昇し、その結果tanφ°の値が大きくなる。この結果、(1)式において地盤の強度τが大きくなり、地盤強化が図られる。
一方、(3)式では、tanφ°の値が大きくなっても、水圧uが発生し、(σ−u)となると、τ=0となり、地盤が崩壊することとなる。
次に液状化の起こる可能性のある地盤に上載構造物を建設した場合は、上載構造物の直下は地震時には次式で表される。
(数4)
τ=(ΔP+σ−u)tanφ° ・・・(4)式
ここで、各記号は次を表す。
τ:地盤強度
ΔP:上載構造物の荷重
σ:土圧
u:地震時発生する地下の水圧
以上を踏まえて、図5を参照すれば、上載構造物の荷重を受ける地盤を(A)エリア、上載構造物の荷重を受けない地盤を(B)エリアとして、各地盤エリアにおける地盤の強さは、次の式で表すことができる。
上載構造物の荷重を受ける地盤(A)エリアでは、τ=(ΔP+σ−u)tanφ°・・・(4)式
上載構造物の荷重を受けない地盤(B)エリアでは、 τ=(σ−u)tanφ° ・・・(3)式
ここで、上載構造物の荷重を受ける地盤(A)エリアよりも、その周辺の上載構造物の荷重を受けない地盤(B)エリアの方が液状化の可能性が大である。
実際これまでは、(A)エリア上載構造物の支持のため当然基礎工法が施工されることが一般的である。しかし、その周辺の(B)エリアは無処理である場合が殆どであった。
したがって、このケースの場合、地震時に(B)エリアに液状化が生じ、その結果地盤沈下が起こり建物と周辺に段差が生じ大変不都合になる。そこで、(B)エリアにおける液状化の対策として、このリングコラム工法を開発したのである。
このリングコラム工法は、従来の深層混合工法の施工機械に改良を加えた改良型施工機械(例えば、実願2011−005611号)(図6参照)を使用して砂質土地盤中にセメントミルクを注入施工し、これによって、地盤内にセメント現地砂との混合体になるリング状のコラムを複数作成造成するものである。これによれば、その結果、砂層の間隔が小さくなり、砂層の強度が増加すると共に、砂の粒子と粒子がバインダーの役目をするセメントで固化された地盤が構成される。これにより、複数の粒子を一塊にした地盤を構成する砂粒を大きくして液状化が起こりにくい性質を持つ地盤に改良することができる。
本発明に係る液状化防止対策として、上記リングコラム工法について述べたが、同様にセメントミルクを注入して地盤を中実の円柱状に改良する混合撹拌装置(特開2011−069093)を利用して、特に上載構造物の無い駐車場、道路や、上載荷重の軽微な木造家屋の建築された地盤に適用することができる。したがって、セメントミルクを注入して地盤を固化する工法であって、中実の円柱を形成する場合、また筒状の円柱を形成する場合の両工法を含めてテノコラム(登録商標第2076314)工法と称することとする。
そこで、本発明に係る液状化防止対策としてのテノコラム(登録商標第2076314)工法(深層混合工法の一種)の設計上の考え方について、(1)液状化の発生する地盤の条件(2)液状化の発生しやすい場所及び(3)テノコラム(登録商標第2076314)工法の適用場所の観点からまとめる。
(1)液状化の発生する地盤の条件
液状化の発生する地盤は、砂地盤であってしかも次の条件がある所である。
(a)緩い砂層からなる地盤
(b)粒径の小さい砂で構成されている地盤
(c)砂の粒が揃っている地盤
(d)地下水で飽和されている地盤
以上(a)〜(d)の条件が全て揃っている所は地震時に液状化が起こる可能性が大である。一方、(a)〜(d)条件の一つでも欠けると液状化の可能性が比較的小さくなる。
しかし、行政等の指導では、(a)〜(d)条件の一つでも含んでいると液状化が起こる可能性があるというようにすることがあるので注意が必要である。
(2)液状化の発生しやすい場所
駐車場、道路、岸壁埠頭、木造建屋等
以上のことから、上載荷重が無いか、上載構造物が有っても荷重として小さい場所である。
(3)テノコラム(登録商標第2076314)工法の適用場所について
上記(1)(2)から、対象地盤条件、場所が明らかであるので、それに対応して摘要することになる。
なお、上記(1)(a)において、「緩い砂層」とは標準貫入試験のN値が15以下とされている。したがって、本工法ではその対策として、「N値」を15以上に改良する工法とする。
以下、本発明のテノコラム(登録商標第2076314)工法の内、リングコラム工法について詳細に説明する。
テノコラム(登録商標第2076314)工法として、砂地盤にセメントミルクを螺旋円筒状に注入施工してリング状筒体を形成するリングコラム施工方法について、以下の実寸をもつ施工例として述べる。
直径1mコラムを造成するテノコラム(登録商標第2076314)工法に改良を加えて、外側部分に0.1m厚のリング状の柱を施工する。即ち、図1、図2を参照して、施工後直径1mのコラムはその内側に0.1m厚の固形筒が形成され、0.4m半径の内部は現砂地盤が埋め戻されている。
一般に砂層において、間隙比と標準貫入試験のN値との関係は次の(5)式で与えられる。
e=0.95−N/100 ・・・(5)式
ここで、e:間隙比、N:標準貫入試験値
一方、砂層において液状化防止のためには、砂層のN値を15以上にする指針があるので、このN値を15以上に改良すればよい。
図1、2に示したリングコラム寸法において、図式化するため深度方向の長さを「h」とし、全体積V、リング内部の体積V1、リング部分の体積V2とすると、各体積は次の一般式で与えられる。
全体積Vは、V=r2π・h
リング内部の体積V1は、V1=(r1)2π・h
リング部分の体積V2は V2=V−V1
図2において、外径1mの円柱の内側に0.1m厚の固化層をなすリングが形成され、内部に現地盤の砂が充填されている。ここで、円柱の半径0.5m、リングの厚み0.1m、砂部分の半径0.4mとした図2の具体的寸法例に従い、この場合の現地盤の平均N値を5と仮定して計算する。
先ずリングコラム工法の施される対象として、施工前無垢の現地盤における単位体積に係る全体積V等諸値について試算する。
間隙比e1は、与えられた(5)式;e1=0.95−N/100,N=5より、
e1=0.9(=0.95−0.5)である。
また、本テノコラムの深度方向1mと仮定した場合の体積Vは
V≒0.785(=π×0.5×0.5×1)であり、
そしてその空隙は、V×e1/(1+e1)で与えられ、≒0.37(=0.785×0.9/(1+0.9))である。
次に、リングコラム工法の施された施工後の地盤における単位体積に係る全体積V等諸値について試算する。
図1において、リング状にテノコラム(登録商標第2076314)工法を施工した場合の厚み0.1mのリング状の部分は、セメントミルクと現地盤砂を混合固化した部分で、殆ど間隙が0に近いと考えられる。間隙のあるのは、中の砂の部分のみとなる。
中の砂部分についての、上記同様の諸量試算は、次の通りである。
リング内部の体積V1は、
V1≒0.5〔m3〕(=0.4×0.4×π×1?V1=(r1)2×π・h)である。
その空隙は、V1×e1/(1+e1)で与えられ、
5.0×0.9/(1+0.9)≒0.24〔m3〕となる。
これにより、リングコラム工法施工後の地盤におけるコラム単位体積に係る空隙比e2は、
リング外径1mの体積V(=0.785m3)に対して、空隙が0.24〔m3〕である場合として計算することができ、このときの空隙比e2は、e2=0.24/0.785≒0.3である。
また、N値の試算値は、N=(0.95−0.3)・100≒65と試算される。
以上から、そこでリングコラム工法により、リングコラムを縦横に間隔を置いて複数個形成する場合を想定し、リングコラムの中心間のピッチをpとし、施工形成された4個のリングコラムに囲まれるコラム中心を結ぶ矩形部分の面積をAとすると、次の計算値が得られる。
上述したように、砂層において液状化防止のために砂層のN値を15以上にする必要があることから、この地盤をN値平均15以上とするには、改良した面積0.785〔m2〕のN値65の部分と、非改良の面積AのN値5の部分とにより得られる次の式が、平均N値を15以上であるとすればよい。
平均N値を15とすると、15≦(0.785×65+A×5)/(A+0.785)の式から
A=0.785×5≒3.9≒4〔m2〕が得られる。
このことより、設計として、直径1mのテノコラムを2m正方形間隔で打設すればよいことが試算できた。
一般論として、自然にある砂層の場合には、N値5より小さいものは殆どないと思われる。しかし、人工的に造成した地盤造成を後の日の浅い所で、N値5以下のことがあるので、注意は必要である。
先行のテノコラム(登録商標第2076314)工法をそのまま砂地盤適用し、中実コラムを形成する場合について、図3を参考にしながら、以下に述べる。
N値が5である現地盤に対し直径1mの中実コラムを作成する場合であって、中実のテノコラムを、間隔をおいて縦横に複数個形成する場合を想定し、テノコラムの中心間のピッチをpとし、施工形成された4個のコラム中心を結ぶ矩形の面積をAとした場合を例として説明する。
図2を参照して、直径1mの中実コラムを上下所定の間隔で作成する場合、
施工後の中実コラム部分については、無垢の深さ1mとする単位体積V=0.785〔m3〕の部分における空隙にセメントミルクが充填され固化されるので、空隙0である。
一方、4個のコラム中心を結ぶ矩形の面積をAから直径1mの中実コラム部分の面積0.785〔m2〕を除いた砂質部分については、間隙比e=0.95−N/100を適用して、上記例における間隙比e1=0.95−5/100=0.90と計算できる。
地盤をN値平均15以上とするため、実施例1に倣って、15≦(0.785×95+A×5)/(A+0.785)の式から、A≦6.28〔m2〕が得られる。
縦横同一長さの四角形であるとした場合、ピッチp=2.5mが最大でありであり、実施例1と同様に、ピッチp=2m、A<4〔m2〕として施工しても問題はないことが分かる。
したがって、設計としては、実施例1の場合と同様、直径1mのテノコラムを2m間隔で正方形位置に打設することができる。
なお、配設位置は角形隅部に限らず、並行四辺形の隅部などこれに準ずるものであればどのようなものでもよい。
また必要とするセメントミルク材料の容量は、深さ1mとする単位体積Vは、深度1mと仮定して上記例と同様、V=0.785〔m3〕であり、このときの空隙は、0.785×0.785×0.9/(1+0.9)=0.292〔m3〕と計算され、これにより、セメントミルクベースで1m長さ当り、0.292〔m3〕の材料を必要とする。
勿論、この空隙にセメントミルクを充填すると空隙は0となる。
以上砂充填筒状コラム、又は中実柱体コラムを縦横に複数個形成するに当って間隔を置いて形成する場合を例にして説明してきたが、これら砂充填筒状コラム、又は中実柱体コラムの複数を縦横に相隣なりに隣接して形成した場合には、却って、間隔を置いた離間形成の場合よりも空隙0の量が多くなることが試算するまでも無く明らかであり、したがって隣接施工型のものは離間施工型のものよりN値を高めることができるので、液状化防止効果をさらに高めることができる。
1 上載構造物
2A 上載構造物の荷重を受ける地盤Aエリア
2B 上載構造物の荷重を受けない地盤Bエリア
3 スクリューオーガー装置
3a オーガー管
3b セメントミルク供給路
3c 排土螺旋羽根
3d 撹拌羽根
3e 噴射管
3f 掘削刃
4A リングコラム工法による円筒状ソイルセメント円柱
4B テノコラム工法による中実ソイルセメント円柱
S 円筒内部砂
R リングコラム工法による円筒状部分
本発明は、地震時に液状化が起こる可能性の高い砂地盤に、上載荷重が無いか若しくは軽い上載構造物、例えば木造建屋の建設され所が最も地震時に液状化起こる可能性が高いので、そのような砂地盤の現場において、撹拌混合装置を使用して当該砂地盤をセメントミルクと撹拌混合すると共に、現場砂地盤にセメントミルクを充填して地盤中に円形状コラムを形成し、これにより略均一の強さを有する地盤に改良して、上載荷重の無い又は軽い地盤においても地震時の液状化を起こりにくくすることを可能とした地盤改良工法であって、改良した地盤のN値を少なくとも平均的に15以上として、前記円形状コラムを平面上円形状コラム中心間のピッチを同じくした一定の所定ピッチで縦横に複数形成する地震時液状化防止地盤改良工法を提供する。
中の砂部分についての、上記同様の諸量試算は、次の通りである。
リング内部の体積V1は、
V1≒0.5〔m3〕(=0.4×0.4×π×1V1=(r1)2×π・h)である。
その空隙は、V1×e1/(1+e1)で与えられ、
5.0×0.9/(1+0.9)≒0.24〔m3〕となる。

Claims (5)

  1. 地震時に液状化が起こる可能性の高い砂地盤であって、特に上載荷重が無いか若しくは軽い上載構造物、例えば木造建屋の建設された砂地盤において、撹拌混合装置を使用して当該砂地盤をセメントミルクと撹拌混合すると共に、現場砂地盤にセメントミルクを充填して地盤中に円形状コラムを形成し、これにより略均一の強さを有する地盤に改良して、上載荷重の無い又は軽い地盤においても地震時の液状化を起こりにくくすることを可能とした地盤改良工法であって、改良した地盤のN値を少なくとも平均的に15以上として、前記円形状コラムを平面上円形状コラム中心間のピッチを同じくした一定の所定ピッチで縦横に複数形成する地震時液状化防止地盤改良工法。
  2. 請求項1記載の地震時液状化防止地盤改良工法おいて、前記円形状コラムの直径Dとし、相隣る円形状コラム中心間の距離をピッチPとするとき、P≦2Dを満足するピッチにおいて円形状コラムを形成する地震時液状化防止地盤改良工法。
  3. 請求項1又は2記載の地震時液状化防止地盤改良工法おいて、前記円形コラムを、内部に現地砂を含んだ円筒状ソイルセメント円柱として形成する地震時液状化防止地盤改良工法。
  4. 請求項1又は2記載の地震時液状化防止地盤改良工法おいて、前記円形コラムを、内部を含めてセメントミルクと原地盤を混合した中実ソイルセメント円柱として形成する地震時液状化防止地盤改良工法。
  5. 請求項1〜4記載の地震時液状化防止地盤改良工法おいて、前記円形コラムを形成するため、注入されるセメントミルクの注入圧力を所定深度における間隙水圧以上とし、前記円筒状ソイルセメント円柱又は中実ソイルセメント円柱に係る所定の寸法以上の拡大範囲にまでセメントミルクを注入浸透可能として前記円形コラムを形成する地震時液状化防止地盤改良工法。
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