JP6944164B1 - 地盤改良方法及び改良地盤構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物用又は建造物用の敷地として利用する軟弱地盤の排水能力と支持力の向上及び不等沈下抑制を、従来の方法に比べて簡便な工事で効率的に、且つ、低コストで行うことができる地盤改良方法及び改良地盤構造を提供する。【解決手段】軟弱地盤1の土と直に接触するように側壁面に砕石が配置されてなる砕石杭2の複数を軟弱地盤1の垂直方向に形成し、複数の砕石杭2の地表側の水平方向に砕石杭の複数に跨がる平坦状のグラベルマット3を、グラベルマット3の全質量に対して50質量%を超える含有量で砕石を含有し、且つ、粒度分布を有する材料によって形成される透水性の層を有する形で敷設する地盤改良方法であり、この地盤改良方法によって砕石杭の複数と地表側の水平方向に敷設されるグラベルマットとを有するハイブリッドな改良地盤構造を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、軟弱地盤改良用の基礎杭として砕石杭を施工する地盤改良方法及び改良地盤構造に関し、特に、軟弱地盤の排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる地盤改良方法及び改良地盤構造に関する。
地盤が軟弱の場合、その地盤を補強するため杭が施工されるのが一般的である。地盤を補強する杭類としては、圧入工法やプレボーリング工法等により施工されるRC杭、鋼杭及びセメント改良杭などの既製杭又は砂杭があるが、それ以外にも掘削した縦孔内に砕石を充填して柱状に施工する砕石杭が提案されている(例えば、特許文献1)。
前記砕石杭は、RC杭、鋼杭及びセメント改良杭に比べて、(1)原地盤と協働して一体かつ柔構造で建築物又は建造物を地盤面全体で支えるように施工できること、(2)低コスト施工が可能なこと、及び(3)前記砕石杭が軟弱地盤に含まれる水のドレーン層として機能し、排水能力を有するため、地震時に生じる過剰間隙水圧を消散することによって地震時に対しても補強・改良効果が高い地盤を形成できること等のいくつかの利点を有する。また、砂杭に比べると強度及び透水性を有するため、地震等によって起きる変形に対して砂杭より優位な抑制効果が得られる。このような利点を有する砕石杭は、建築物用又は建造物用の敷地として液状化層が存在する地盤の改良だけでなく、液状化対策費用を低減できることから駐車場や軽微な建築物用の地盤改良にも適用されることが提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献1及び2に開示される砕石杭は砕石だけで形成されるものであるが、それ以外にも様々な構成が提案されている。例えば、砕石杭の目詰まりを起こしにくくするため、ジオテキスタイルの袋及び透水性シートで形成された長尺状袋体に砕石を詰めた状態で造成する工法が特許文献3及び4にそれぞれ提案されている。さらに、特許文献5には、杭の上層部内に施工された砕石杭と、当該砕石杭内に既製杭を施工し、それらの直下に砕石又は砂からなる根固め部を構成する合成基礎杭が提案されている。
砕石杭は軟弱地盤の排水効果が得られる点で大きな特徴を有するが、強度を低下させずに排水機能を十分に発揮させる別の杭として、特許文献6には鋼管により形成される支持杭の本体外周部に多孔質な透水層を設けた液状化対策支持杭が提案されている。また、特許文献6には、この液状化対策支持杭の透水層の上部でグラベルマットと接する構造が記載されている。
他方、軟弱地盤上に盛土や道路の設置等を行う場合には、軟弱地盤の地盤沈下を抑制するだけでなく、上載物である盛土や道路等の荷重を分散させる効果を得るため、軟弱地盤に地盤改良杭を打設する方法と、ジオテキスタイル(ジオネット又はジオグリッド材)の単独又はジオテキスタイルと粒状材料(砂又は砕石等からなるグラベル)とを有する補強部材を軟弱地盤と盛土との間に配置する方法と、を組み合わせる地盤改良方法が知られている(例えば、盛土の構築方法については特許文献7〜9を参照)。ここで使用される地盤改良杭としては、セメント改良杭、深層混合改良杭、又は前記のRC杭や鋼杭が一般的である。
特開2011−163098号公報 特開2015−101938号公報 特開平02−178413号公報 特開平1−226919号公報 特開2017−214810公報 特開平09−316874号公報 特開2008−45341号公報 特開2016−108929号公報 特開平11−269860号公報
上述したように、砕石杭は、セメント改良杭、深層混合改良杭、又はRC杭や鋼杭に比べていくつかの利点を有するが、地盤改良杭として今後の適用を拡大するためには設置する杭の本数を減らしたり、設置面積を小さくする等によって施工コストの一層の低減が求められている。また、軟弱地盤の上載物である建築物又は建造物の重量及び数が増える場合でも、頻繁する地震等によって起きる地盤沈下を極力抑制する効果を高める必要がある。さらに、砕石杭は施工できる地盤の深さに制約を受けるため、軟弱地盤の層が厚くなる場合や軟弱地盤層が深部にある場合は、地盤沈下の抑制効果が薄れるという問題があった。砕石杭は、掘削又は砕石充填等の施工技術の観点から、低コストで施工できる地盤の深さとしては5m位が限度であり、それ以上の深さになると施工コストの大幅な上昇が避けられない。
しかしながら、特許文献1〜4に開示されるように従来の砕石杭だけによる地盤改良方法では上記の技術課題を解決することが非常に困難である。特許文献2及び4には、砕石杭の上部に、単粒度の砕石を用いるグラベルレーン、又は砕石杭と同様な砂や砕石等のグラベルからなるグラベルマット、と呼ばれる砕石層が設けられる構造が開示されているが、前記グラベルレーン又は前記グラベルマットは、単に地中構造物と支持杭との間に介在するマット層として敷設されるものである。そのため、上載物である建築物又は建造物から受ける荷重を分散させる機能を、前記グラベルレーン又は前記グラベルマットに持たせることについては何ら認識がされていなかった。
また、特許文献5に開示される合成基礎杭は、砕石杭内に既製杭を施工するため軟弱地盤からの排水機能が十分ではなく、加えて、上載物である建築物又は建造物の重量及び体積が増える場合や激しい地震が頻発する場合には、前記既製杭などに亀裂や損傷などが発生しやすく、繰り返し受ける地震に対して満足できる補強効果が得られないことがある。
また、特許文献6に記載の液状化対策支持杭は、支持杭の本体外周部に設けた多孔質な透水層による軟弱地盤からの排水効果が、砕石で形成される層に比べて小さくなるため、地震に対して十分な補強効果を示さないという問題があった。ここで、特許文献6には、液状化対策支持杭の透水層の上部でグラベルマットと接する構造が記載されている。しかしながら、このグラベルマットは、単に地中構造物と支持杭との間に介在するマット層として敷設されるものであるため、上載物である建築物又は建造物から受ける荷重を分散させる効果については、前記特許文献2及び4と同じように不明である。
また、特許文献7〜9に開示される盛土の構築方法は、地盤改良杭としてセメント固化によるセメント改良杭、深層混合改良杭、又はRC杭や鋼杭が一般的に使用されるものである。さらに、特許文献7に記載される盛土構造物は、前記地盤改良杭の上に配置されるセメント安定処理した土を有しており、遮水効果を有する材料で構成されている。しかしながら、これらの杭構造やセメント安定処理した土を建築物用又は建造物用の軟弱地盤に適用する場合は、軟弱地盤からの排水能力がないため、地震時に生じる過剰間隙水圧を消散することができず、砕石杭に比べて地震に対して脆弱な構造となる。また、これらの杭は剛な構造体であるため、地震時にいったん亀裂や損傷が生じると、軟弱地盤に上載される建築物又は建造物に壊滅的なダメージを与えるという問題があった。
それに対して、砕石杭は相対的に柔な構造体であるといえるので、地震時に生じ得る変形に追随でき、壊滅的な破壊に至らない。他方、砂杭についても砕石杭と同様に柔な構造体を形成できるが、強度及び透水性などが砕石杭に比べて大幅に劣るため、地震時において損傷などが起きやすく、この目的に合致する基礎杭として使用することが難しい。
このように、砕石杭の形成は、変形追随性の高い基礎を構築できる地盤改良・補強に使用できるため、「粘り強い(高い靭性)」の構造体を形成するために不可欠な技術である。しかしながら、上述したように、今後とも頻発が予想される大規模の激しい地震に対応するためには、従来の砕石だけの杭、又は既製杭と組み合わせる合成基礎杭だけでは対応することが困難である。加えて、軟弱地盤の上載物である建築物又は建造物の形状や重量の様々な変化に対して柔軟に対応できる汎用性の拡大、及び施工コストの一層の低減という砕石杭に対する従来からの要望に対しても応える必要があった。
本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、軟弱地盤改良の基礎杭として排水能力を有する砕石杭を使用する技術において、激しい揺れが繰り返して起こる大規模地震の発生にも対応できるだけでなく、汎用性が高く適用範囲の拡大が期待でき、且つ、施工コストの一層の低減という要望に対して十分に応えるため、軟弱地盤の排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる地盤改良方法及び改良地盤構造を提供することを目的とする。
本発明者は、軟弱地盤改良の基礎杭として砕石杭の複数を軟弱地盤の垂直方向に形成し、さらに、該砕石杭の地表側の水平方向に砕石を含むグラベルマットを複数の砕石杭に跨って敷設するハイブリッド構造によって上記の課題を解決できることを見出して本発明に到った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
[1]本発明は、建築物用又は建造物用の敷地として利用する軟弱地盤において、前記軟弱地盤の土と直に接触するように側壁面に砕石が配置されてなる砕石杭の複数を前記軟弱地盤の垂直方向に形成し、前記砕石杭の地表側の水平方向に、前記砕石杭の複数に跨って平坦状の層が形成されるように砕石を含むグラベルマットを敷設する地盤改良方法であって、
前記グラベルマットが、前記グラベルマットの全質量を基準にして50質量%を超える含有量で砕石を含有し、且つ、修正CBR値が60を超え、透水性が確保された層を有することを特徴とする地盤改良方法を提供する。
[2]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが2層以上の構造からなり、前記砕石グラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記グラベルマットの上に構築される建築物又は建造物の側に向けて、順に緻密度が高くなる積層構造によって前記グラベルマットの敷設が行われることを特徴とする前記[1]に記載の地盤改良方法を提供する。
[3]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記建築物又は建造物の側に向けて、順に前記砕石が含まれる材料の粒度分布が広くなる層を積層する積層構造によって形成されることを特徴とする前記[2]に記載の地盤改良方法を提供する。
[4]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスが配置されることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の地盤改良方法を提供する。
[5]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に、前記グラベルマットとは別体で平面状のジオシンセティックスが配置され、且つ、前記ジオシンセティックスの周辺が前記グラベルマットに固定及び拘束されることを特徴とする前記[4]に記載の地盤改良方法。
[6]本発明は、前記ジオシンセティクスの周辺を前記グラベルマットに固定及び拘束する方法が、次の(A)、(B)及び(C)
(A)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、簡易杭を前記グラベルマットに向けて打設する方法、
(B)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットが敷設される層の方向へ折り曲げて埋設する方法、及び
(C)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に荷重用の錘を載荷する方法、
の少なくともいずれかの方法によって行われることを特徴とする前記[5]に記載の地盤改良方法を提供する。
[7]本発明は、前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる網状体であり、該ジオネット又はジオグリッドからなる網状体が前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最底面に配置される状態で、前記砕石を含むグラベルマットを敷設することを特徴とする前記[4]〜[6]のいずれか一項に記載の地盤改良方法を提供する。
[8]本発明は、前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる不織布であり、該ジオネット又はジオグリッドからなる不織布が前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面、又は前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内に配置される状態で、前記砕石を含むグラベルマットを敷設することを特徴とする前記[4]〜[6]のいずれか一項に記載の地盤改良方法を提供する。
[9]本発明は、建築物用又は建造物用の敷地として利用する軟弱地盤において、前記軟弱地盤の垂直方向に形成され、前記軟弱地盤の土と直に接触するように側壁面に砕石が配置されてなる複数の砕石杭と、前記複数の砕石杭の地表側の水平方向に前記複数の砕石杭に跨って平坦状の層を形成するように敷設される、砕石を含むグラベルマットと、を有する改良地盤構造であって、
前記グラベルマットが、前記グラベルマットの全質量を基準にして50質量%を超える含有量で前記砕石を含有し、且つ、修正CBR値が60を超え、透水性が確保された層を有することを特徴とする改良地盤構造を提供する。
[10]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが、前記複数の砕石杭の側から前記グラベルマットの上に構築される建築物又は建造物の側に向けて、順に各層ごとに緻密度が高くなっていく積層構造を有することを特徴とする前記[9]に記載の改良地盤構造を提供する。
[11]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記建築物又は建造物の側に向けて、順に前記砕石が含まれる材料の粒度分布が広くなる層を積層することにより形成される積層構造を有することを特徴とする前記[10]に記載の改良地盤構造を提供する。
[12]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスが配置されることを特徴とする前記[9]〜[11]のいずれか一項に記載の改良地盤構造を提供する。
[13]本発明は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に、前記ブラベルマットとは別体で配置される平面状のジオシンセティックスを有し、前記ジオシンセティックスの周辺が前記グラベルマットに固定及び拘束された状態にあることを特徴とする前記[12]に記載の地盤改良方法を提供する。
[14]本発明は、前記グラベルマットに前記ジオシンセティクスの固定及び拘束を行うため、次の(D)、(E)及び(F)、
(D)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、前記ブラベルマットに向けて打設される簡易杭、
(E)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットに埋設するため、前記グラベルマットが敷設される層の方向に折り曲げられた前記ジオシンセティックスの端部折り曲げ部分、及び
(F)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に載荷される荷重用の錘、
の少なくともいずれかを有することを特徴とする前記[13]に記載の改良地盤構造を提供する。
[15]本発明は、前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる網状体であり、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最底面に配置される前記ジオネット又はジオグリッドからなる網状体を有することを特徴とする前記[12]〜[14]のいずれか一項に記載の改良地盤構造を提供する。
[16]本発明は、前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる不織布であり、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面又は前記グラベルマットが敷設される層内に配置される前記ジオネット又はジオグリッドからなる不織布を有することを特徴とする前記[12]〜[14]のいずれか一項に記載の改良地盤構造を提供する。
本発明の実施形態による地盤改良方法は、軟弱地盤改良の基礎杭として排水能力を有する砕石杭を軟弱地盤の垂直方向に形成し、さらに、該砕石杭の地表側の水平方向に砕石を含むグラベルマットを複数の砕石杭に跨って敷設することによって、軟弱地盤の排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる。それにより、激しい揺れが繰り返して起こる大規模地震の発生にも対応でき、且つ、上載物である建築物又は建造物の形状や重量の様々な変化に対しても柔軟に対応できるため汎用性が高まることから、適用を拡大できるだけでなく、施工コストの一層の低減を図ることができる。
本発明の実施形態による改良地盤構造は、軟弱地盤の土と直に接触する複数の砕石杭と、前記複数の砕石杭の地表側の水平方向に前記複数の砕石杭に跨って平坦状の層を形成するように敷設される砕石を含むグラベルマットと、を有するハイブリッド構造であり、排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる構造体を、従来の施工方法の活用又は組合せを行うだけで、簡単で、且つ、低コストで形成することができる。
また、本発明の実施形態による地盤改良方法及び地盤改良構造は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスを配置することにより、前記砕石を含むグラベルマットによる軟弱地盤の上載物に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制に対して相乗的な効果を得ることができる。また、前記ブラベルマットとは別体で前記平面状のジオシンセティックスが配置される場合は、前記ジオシンセティックスを前記グラベルマットに固定し、拘束することにより、これらの効果を一層高めることができる。
本発明による改良地盤構造の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明による地盤改良方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明による改良地盤構造を構成する砕石杭の変形例を示す図である。 本発明の実施形態で得られる軟弱地盤の排水効果と荷重分散(低減)効果との相乗的な効果を説明するための模式図である。 本発明においてグラベルマットが2層構造を有する改良地盤構造の一実施形態を示す図である。 本発明による砕石杭と補強部材とを有する改良地盤構造で得られる軟弱地盤の排水効果と荷重分散(低減)効果との相乗的な効果を説明するための模式図である。 本発明による改良地盤構造においてグラベルマット層に設ける補強部材の配置場所が異なる改良地盤構造の例を示す図である。 本発明においてグラベルマットにジオシンセティクスの固定と拘束を行うときの地盤改良方法及び改良地盤構造の例を示す図である。 本発明の実施例及び従来技術の比較例で使用する1g場振動台模型実験装置の構成及び構造を示す図である。 本発明の実施例1〜3及び従来技術の比較例1〜3において、加振開始からの経過時間とともに生じる模型構造物の沈下量の変化を示す図である。 本発明の実施例1〜3及び従来技術の比較例1〜3において、模型構造物の沈下量及びめり込み沈下量の測定結果を地盤の改良面積に対応させてプロットした図である。 図11に示す模型構造物の沈下量とめり込み沈下量との関係を説明するための図である。 本発明の実施例1〜3及び従来技術の比較例1〜3において、めり込み沈下量の測定結果を改良面積比に対応させてプロットした図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明による改良地盤構造及び地盤改良方法の一実施形態を模式的に示す図である。図1において(a)には改良地盤構造の上面図を、(b)には(a)に示すA−A断面図をそれぞれ示す。図1に示す実施形態の改良地盤構造は、軟弱地面1の垂直方向に形成される砕石杭2の複数と、複数の砕石杭2の地表側の水平方向に複数の砕石杭2に跨って平坦状の層を形成するように敷設される砕石を含むグラベルマット3と、を有する。軟弱地盤の上載物として建築物又は建造物4が、グラベルマッ3の上に設けられる。図1において、建築物又は建造物4を除いたものが、本発明による改良地盤構造に相当する。
図1に示す改良地盤構造は、基本的に図2に模式的に示す地盤改良方法によって形成される。図2に示す地盤改良方法は、基本的な工程として、軟弱地盤1に(S1)砕石杭の施工と、(S2)複数の砕石杭の施工と、(S3)砕石を含むグラベルマットの敷設とを有する。図1に示す(S1)及び(S2)の工程において、砕石杭は、公知の施工方法によって軟弱地盤1の垂直方向に必要な本数まで形成される。その後、(S3)の工程によって、砕石杭2の地表側の水平方向に、砕石杭2の複数に跨って平坦状の層が形成されるように砕石を含むグラベルマット3が敷設される。
グラベルマット3は、建築物又は建造物4から軟弱地盤1に負荷する荷重を分散して低減する機能と、砕石孔2を通して軟弱地盤に含まれる水を地表側に排水できる機能との両者が得られるように、砕石を含むことが必要である。また、これら2つの機能が十分に発現するには、砕石を含むグラベルマット3の厚さは、5cm以上が実用的であり、さらに10cm以上が好ましい。グラベルマット3の厚さが5cm未満であると、荷重分散(低減)の効果がほとんど得られない。グラベルマット3の厚さの上限値は特に制限されないが、100cmを超える厚さでは荷重分散(低減)の効果が飽和する傾向になるだけで、逆に、グラベルマット3の施工が煩雑となるため、施工のための時間短縮とコスト低減の点から100cm以下で敷設することが好ましい。砕石を含むグラベルマット3による荷重分散(低減)のメカニズムとその効果については、後述の図4を用いて説明する。
図1及び図2に示す砕石杭2は、軟弱地盤1に含まれる水のドレーン層として十分に機能するように、軟弱地盤の土と直に接触するように側壁面に砕石を露出させて配置することが必要である。本発明の実施形態において砕石を含む杭は、図1及び図2に示すように、杭全体が砕石だけで構成されるものに限定されない。例えば、図3に示す砕石杭の変形例を使用してもよい。図3の(a)は、網状のジオテキスタイルの袋5に砕石6を詰めた杭を使用する例であるが、ジオテキスタイルの袋5に含まれる砕石6は、ジオテキスタイルの袋5の網状部分を除けば軟弱地盤の土と直に接触するため、本発明の効果を奏することができる。また、図3の(b)に示すように、砕石杭の別の構成として、セメント固化によるセメント改良杭、深層混合改良杭、RC杭又は鋼杭等の既製杭7が砕石6の内部に施工される構成を採用することもできる。この砕石杭は、前記特許文献3に開示されるものと類似の構造を有しており、必要に応じて、前記砕石杭の直下には砕石又は砂からなる根固め部を構成してもよい。
なお、砕石杭2の別の構成としては、例えば、特開2017−150267号に記載されるように、埋設した塩化ビニル管や薄肉鋼管、もしくはドレーン管等の低強度管内に砕石を充填するものが開示されている。しかしながら、この構造を有する砕石杭は、側壁面が水の浸透を阻む低強度管で覆われる形態であるため、水のドレーン層としての機能が十分ではなく、本発明には不適な杭構造である。同様に、前記特許文献5に開示されるように、杭本体の外周に、砂等の自然粒状材料、または、スラグや樹脂等の廃材による粒状材料を有する杭を、図1及び図2に示す砕石杭に代えて適用する場合も、排水機能が十分でないため本発明には不適である。
このように、本発明の実施形態で使用する砕石杭は、軟弱地盤の土と直に接触するように、側壁面に砕石を露出させて設けることが必要である。例えば、杭全体が砕石だけで構成されるものを採用することにより、軟弱地盤1に含まれる水のドレーン層として機能を十分に発現することができる。
本発明の実施形態で使用する砕石杭2による排水効果と、砕石を含むグラベルマット3による荷重分散(低減)効果との相乗的な効果によって実現される軟弱地盤の沈下抑制及び不等沈下抑制について図4を用いて説明する。ここで、「不等沈下」とは、建築物又は建造物4が傾いて沈下する現象のことである。
図4の左側に示すように、軟弱地盤1に含まれる水は、軟弱地盤1の土と直に接触する側壁面の砕石によって砕石杭2の複数に浸透する。浸透した水は、砕石杭2の上方に向かい(図において↑で示す方向)、その後、砕石杭2の地表側の水平方向に砕石杭2の複数に跨って設けられるグラベルマット3の平坦状の層を構成する砕石の隙間を通して建築物又は建造物4の周辺に浸透する形で透水する(図において←又は→で示す方向)。砕石杭2の複数に浸透した水は、排出口として建築物又は建造物4の周辺に設けられる地表から放水されるようになるため、放水能力が大幅に向上するようになる。それにより、クラベルマット3が無い場合に比べて、砕石杭2による排水効果の一層の向上を図ることができる。このとき、クラベルマット3としては透水性を有する材料で形成することが必要である。
図4の右側には、クラベルマット3の有無による建築物又は建造物4の荷重分散(低減)効果の違いを模式的に示している。建築物又は建造物4の荷重を確実に支持できるだけの強度を有するグラベルマット3を用いて、建築物又は建造物4の底面積と同じか、又はその面積以上で砕石杭2の複数に跨って平坦状の層を形成する場合は、建築物又は建造物4の荷重を分散する効果、すなわち、(建築物又は建造物4の荷重)/(クラベルマット3の面積)を小さくする効果が得られる。そのため、同じ土壌深さで対比するとき、クラベルマット無しの場合に比べて荷重の低減を図ることができる。
本発明の実施形態で使用するクラベルマット3は、上記の2つの条件を満たす材料として、砕石杭2を構成する材料と同じ砕石を含む。そのとき、クラベルマット3に含まれる砕石の含有量を、グラベルマット3の質量を基準にして50質量%を超えるように規定するとともに、より緻密なブラベルマット3を形成するため、グラベルマット3を構成する材料が単一粒度ではなく、粒度分布を有することが必要である。それにより、建築物又は建造物4の荷重に対する荷重分散(低減)の効果が十分に得られる。また、クラベルマット3に含まれる砕石の含有量は、80質量%以上であれば、荷重分散(低減)について大きな効果が得られる。さらに、この含有量を90質量%以上とすることにより、荷重分散(低減)だけでなく、同時に砕石による排水効果を大幅に高めることができる。
グラベルマット3による荷重分散(低減)効果は、グラベルマット3に一定荷重を負荷したときの荷重強さと相関関係があることから、例えば、路床や路盤の支持力の大きさを表す指標として使用される修正CBR(California Bearing Ratio:路床土支持力比)によって規定することができる。この路床土支持力比は、標準寸法の貫入ピストンを路床や路盤の中に貫入させるのに必要な荷重強さ(荷重)を測定し、標準荷重強さ(標準荷重)と比較し相対的な強さを求めるものであり、その試験方法が日本工業規格(JIS A 1211 1998)CBR試験方法として規定されている。本発明の実施形態においては、修正CBRとして、JIS A 1211に示す方法に準じて、3層に分けて各層92締固めたときの最大乾燥密度の95%の締固め度に相当する状態における水侵CBRを測定し、その測定値を用いる。ここで、締固め度とは、路床又は路盤の締固めの程度を表す指標であり、現場で測定した乾燥密度のJIS A 1210(突固めによる土の締固め試験方法)に従って最大乾燥密度に対する百分率で表したものである。
修正CBR値は、路床や路盤として使用される材料によって変わることが報告されている。例えば、下層路盤材における修正CBR値を下記表1に示す。
Figure 0006944164
また、一般財団法人新潟県建設技術センターからは下記表2に示すような修正CBRの規格(新潟県)が報告されている(一般財団法人新潟県建設技術センター、建設材料試験業務「建設材料試験の豆知識」p.38を参照)。



Figure 0006944164
本発明の実施形態においては、グラベルマット3の材料として砕石を含まない砂利や砂を使用する場合は、砕石を使用する場合に比べて、建築物又は建造物4の荷重を分散(低減)させる効果がほとんど得られなかった。また、グラベルマット3の材料として単一粒度砕石を用いる場合は、粒度分布を有する砕石に比べて砕石間の空隙が大きくなるため、軟弱地盤からの排水効果は十分に得られるものの、建築物又は建造物4の荷重を分散(低減)させる効果が小さいことが分かった。単粒度砕石は、舗装層及び浅層改良層の下方に形成されるグラべルマットに使用することが提案されているが(前記特許文献2を参照)、修正CBR値が上記表1に示す砕石とは異なり60以下となる傾向にあるため、本発明の目的である建築物用途又は建造物用途には適したものではなかった。
このように、建築物又は建造物4の荷重分散(低減)効果は、グラベルマット3の材質によって大きく影響される。また、グラベルマット3として砕石を使用する場合でも、砕石が含まれる材料の粒度分布の有無によってグラベルマット3の修正CBR値が変化する。したがって、本発明の実施形態で使用するグラベルマット3は、砕石の含有量がグラベルマット3の質量を基準にして50質量%を超えるだけでなく、砕石を含む材料の粒度分布等を調整し、且つ、透水性が確保される必要がある。それにより、前記の排水効果及び荷重分散(低減)効果が相乗的に得られる。その場合、前記砕石を含む材料は、荷重分散(低減)効果が十分に得られるように、砂又は砂利だけから構成される材料(上記表1を参照)、及び単粒度砕石からなる材料と区別するため、60を超える修正CBR値を有することが目安となる。さらに、グラベルマット3を構成する層は、修正CBR値が70以上になるように材料の粒度分布を調製するのが実用的であり、さらに80以上になるように調製することがより好ましい。本発明の実施形態において、グラベルマット3の修正CBRの上限値は、グラベルマット3を通して軟弱地盤に含まれる水を排水する効果が得られる程度の値であればよく、特に規定されるものではないが、200の値以下であることが好ましい。
以上のように、本発明による実施形態は、砕石孔2による排水効果、及び砕石を含むグラベルマット3による荷重分散(低減)効果の相乗的な効果によって、従来の工法に比べて軟弱地盤の沈下及び不等沈下に対して大きな抑制効果を得ることができる。
図5は、本発明においてグラベルマットが単一層ではなく、2層構造を有する改良地盤構造の一実施形態を示す図である。図5に示す改良地盤構造のグラベルマット8は、砕石杭2に当接する層8aが、建築物又は建造物4の側に敷設される層8bに比べて低い修正CBR値を有する材料を用いて形成される。修正CBR値は、グラベル層8を構成する層8a及び8bの緻密度によって変わり、緻密度が高くなる層が大きな修正CBR値を有する。したがって、グラベルマット8は、複数の砕石杭2の側からグラベルマット8の上に構築される建築物又は建造物4の側に向けて、順に緻密度が高くなる積層構造、すなわち図5において8a及び8bがそれぞれ下層及び上層として配置して形成される。ここで、砕石杭2に当接する層8aは軟弱地盤からの排水効果を優先して形成され、他方、建築物又は建造物4の側に敷設される層8bは荷重分散(低減)効果を優先して形成されるものである。
グラベルマット8を構成する層8a及び8bを形成するために使用する材料としては、50質量%を超える範囲で砕石の含有量を各層で変える方法、又は、砕石杭2の側から建築物又は建造物4の側に向けて、順に粒度分布が広くなるように調製した砕石を各層として使用することにより、建築物又は建造物4の側に向けて修正CBR値を大きくする方法等がある。
砕石の含有量を各層で変える方法では、グラベルマット8の修正CBR値を高くする材料として、例えば、大粒径のコンクリート、アスファルトコンクリート等を8bの層に添加した材料を使用することができる。逆に、8aの層には修正CBR値を低くする材料として、例えば、小粒径を有する砂利又は砂等を添加した材料を使用してもよい。
また、複数の砕石杭2の側から建造物又は建造物4の側に向けて、順に粒度分布が広くなるように調製した砕石を各層として使用する方法では、様々な粒径を有する砕石を用いて粒度分布をそれぞれ変えた材料を8a及び8bの層として使用することができる。砕石の粒度分布の調製は、8bの層が8aの層に比べて粒度分布が広くなるように混合する。グラベルマット8が砕石以外の材料を含む場合は、砕石の粒度分布を調整できるような粒径を有する他の材料を、クラベルマット8の質量を基準にして50質量%未満で混合してもよい。例えば、小さな粒径を有する材料として砂利又は砂等を使用することができる。また、大きな粒径を有する材料としては、建築物又は建造物の基礎又は壁からの再生物等を所定の粒径以上に篩分けしたものを使用することができる。砕石以外にも、墓石等を粉砕して得られる再生物から最適な粒径を有するものを選択して使用してもよい。
グラベルマット8を構成する層8bの厚さは、それより下の層8aが低い修正GBR値を有する場合、図1及び図2に示すグラベルマット3と同じように、厚さを5cm以上、100cm以下とするのが実用的である。これは、建築物又は建造物4の荷重分散(低減)効果に対して、層8aからの寄与はほとんど期待できず、主に層8bが寄与するためである。他方、層8aの厚さは、軟弱地盤からの放水効果を得るために必要な厚さで敷設すればよく、施工上の観点から決めることができる。また、層8aを構成する材料として、砕石を含有し、且つ、粒度分布を有する材料(例えば、修正GBR値が60を超え、さらに実用的に70以上と高く、且つ、透水性が確保されるように調整された粒度分布を有する材料)を使用する場合は、層8a及び8bから構成されるグラベルマット8の総厚を5cm以上、100cm以下に設定すればよい。その場合、軟弱地盤からの放水効果は主に層8aによって奏するが、層8bにおいても砕石による放水効果が得られる。
図5に示す実施形態においては、グラベル層が2層で構成されるが、修正CBR値がそれぞれ異なる3層以上から構成されるものであってもよい。3層以上の各層を形成するときに使用する材料は、2層の場合と基本的に同じ考え方に基づいて、修正CBR値を考慮し、各成分の組成比、緻密度及び粒度分布を調整することによりそれぞれ選択することができる。
本発明の実施形態においては、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石グラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に補強部材として平面状のジオシンセティックス(又はジオテキスタイルとも呼ばれる。)を配置することにより、前記砕石を含むグラベルマットの強度を上げ、建築物又は建造物4の荷重分散(低減)効果の一層の向上を図ることができる。前記平面状のジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)は、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体又はそれ自身が不織布の形態を有しており、それらの形態が透水機能を十分に有することから、軟弱地盤からの放水効果に対してほとんど影響を与えない。
図6に、砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最底面にジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)を配置して施工する改良地盤構造の一実施形態を示す。合わせて、砕石杭2による排水効果と、砕石を含むグラベルマット3の最底面に補強部材であるジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)としてジオネット又はジオグリッドからなる網状体9を配置することによって奏する荷重分散(低減)効果と、の相乗的な効果によって実現される軟弱地盤の沈下抑制及び不等沈下抑制の効果を、図6を用いて説明する。
本発明による実施形態においては、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体9は、グラベルマット10とは別体に設けてもよいし、両者を一体化した形で建築物又は建造物4を支える一つの梁部材として設けてもよい。図6は前者の例を示す図であるが、様々な施工形態に対応しやすいこと及び施工費用の低減の点から、網状体9をグラベルマット10とは別体に設けることが実用的である。例えば、グラベルマット10の一面上に建築物又は建造物4の2以上を施工する場合、建築物又は建造物4の底面積に応じて網状体9の2以上を用意し、それぞれを個別にグラベルマット10に配置する。それにより、建築物又は建造物4の底面積に対応して網状体9のサイズを最適化できるだけでなく、施工時間の短縮化を同時に図ることができる。また、施工形態の急な変更に対しても短時間で対応することができる。
図6の左側に示す改良地盤構造は、基本的に図2に示す工程に従って行われるが、軟弱地盤1に(S1)砕石杭2の施工、及び(S2)複数の砕石杭2の施工を行う。引き続き、複数の砕石杭2の地表側の水平方向に補強部材であるジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)としてジオネット又はジオグリッドからなる網状体9を敷設する工程を追加して行った後、(S3)砕石を含むグラベルマット10の敷設を行う。このようにして、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体9が、グラベルマット10が敷設される層の最底面に配置される改良地盤構造が形成される。
図6に示す改良地盤構造では、軟弱地盤1に含まれる水が、側壁面で露出する砕石を通して砕石杭2の複数に浸透する。浸透した水は、砕石杭2の上方に向かい(図において↑で示す方向)、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体9の隙間をすり抜けた後、砕石杭の地表側の水平方向に砕石杭の複数に跨って設けられるグラベルマット10の平坦状の層を構成する砕石の隙間を通して建築物又は建造物4の周辺に浸透する形で透水する(図において←又は→で示す方向)。砕石杭2の複数に浸透した水は、排出口として建築物又は建造物4の周辺に設けられる地表から放水されるようになるため、放水が迅速に行われるようになる。それにより、図4に示すクラベルマット3と同様に、砕石杭2による排水効果の一層の向上を図ることができる。
図6の右側には、クラベルマット10からなる層の有無に加えて、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体9の有無によって影響を受ける建築物又は建造物4の荷重分散(低減)効果の違いを模式的に示している。図6に示す改良地盤構造は、グラベルマット10の層がジオネット又はジオグリッドからなる網状体9で補強されるため、グラベルマット10だけの場合に比べて、建築物又は建造物4の荷重(分散)低減効果の一層の向上を図ることができる。そのため、同じ土層深さで比較したとき、最も高い荷重分散(低減)効果を得ることができる。
グラベルマットにジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)を配置する場所が異なる場合の改良地盤構造の例を図7に示す。図7の(a)は、ジオシンセティックス(又はジオテキスタイル)の補強部材としてジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を、砕石を含むグラベルマット10が敷設される層の最上面に、グラベルマット3とは別体で配置して敷設する改良地盤構造を示す図である。図7の(a)に示す改良地盤構造は、基本的に図2に示す工程に従って行われるが、軟弱地盤1に(S1)砕石杭2の施工、(S2)複数の砕石杭2の施工、及び(S3)砕石を含むグラベルマット10の敷設の各工程を経た後、クラベルマット10の層の上にジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を敷設する工程を追加して行う。このようにして、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11が、グラベルマット10が敷設される層の最上面に配置される改良地盤構造が形成される。ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11は、グラベルマット10上の敷設性が優れる点を考慮して、図6に示すジオネット又はジオグリッドからなる網状体9の代りに使用されるものである。
図7の(b)は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を、グラベルマット10が敷設される層内に、グラベルマット3とは別体で配置して敷設される改良地盤構造を示す図である。図7の(b)に示す改良地盤構造は、基本的に図2に示す工程に従って行われる。まず、軟弱地盤1に(S1)砕石杭2の施工、及び(S2)複数の砕石杭2の施工を行う。その後、(S3)砕石を含むグラベルマット10の敷設工程において、まず、複数の砕石杭2の上に所望の厚さのグラベルマット10aを敷設し、その10aの層の上にジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を敷設し、次いで、所望の厚さのグラベルマット10bを敷設する工程を追加して行う。
図7の(b)に示す改良地盤構造は、グラベルマットの各層10a及び10bの厚さが同じであってもよく、異なっていてもよい。グラベルマット10a及び10bで使用する材料は、砕石が50質量%を超える含有量で多く含まれ、且つ、粒度分布を有するという条件があるものの、同じ構成を有する材料を使用してもよく、異なる構成の材料をしてもよい。同じ構成を有する材料を使用する場合、グラベルマット10a及び10bの層の総厚は、上記のように5cm以上100cm以下に設定すればよい。また、異なる構成の材料を使用するとき、グラベルマット10a及び10bの層の両者が砕石を含有し、且つ、粒度分布を有する材料(例えば、修正GBR値が60を超え、さらに実用的に70以上と高く、且つ、透水性が確保されるように調整された粒度分布を有する材料)で構成される場合は、両者の層の総厚を、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を含めて、上記のように5cm以上100cm以下に設定して施工を行う。この場合の改良地盤構造は、図5に示す改良地盤構造において、クラベルマット8a及び8bの間にジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を配置する施工したものと同じ構造となる。この構造では、グラベルマット10がジオネット又はジオグリッドからなる不織布11によって補強されるため、建築物又は建造物4の荷重(分散)低減について図5に示す改良地盤構造(グラベルマットがジオネット又はジオグリッドからなる不織布によって補強されていない改良地盤構造)と同じ程度の効果を期待する場合にはグラべルマット10の総厚を薄くできるという利点がある。他方、グラべルマット10の総厚を同じにする場合は、図5に示す改良地盤構造に比べて、荷重(分散)低減効果を高めることができる。
図7の(b)に示す改良地盤構造のグラベルマット10において、建築物又は建造物4の側に敷設される10bの層には、修正CBR値が、砕石を含有し、且つ、粒度分布を有する材料(例えば、修正GBR値が60を超え、さらに実用的に70以上と高く、且つ、透水性が確保されるように調整された粒度分布を有する材料)を使用する必要があるが、複数の砕石杭2の上に敷設される10aの層は、軟弱地盤1からの放水性を優先して、クラベルマットの修正CBR値が低い材料を使用してもよい。その場合でも、グラベルマット10bがジオネット又はジオグリッドからなる不織布11によって補強される構造であるため、図5に示す改良地盤構造に比べて、グラネルマット10bの層厚を薄くすることができるという利点がある。
図7の(c)は、ジオネット又はジオグリッドからなる網状体9及び不織布11の少なくともいずれかを、砕石を含むグラベルマット12の層の最上面及び最底面に、グラベルマット3とは別体で配置して敷設する改良地盤構造を示す図である。図7の(c)に示す改良地盤構造は、基本的に図2に示す工程に従って行われるが、まず、軟弱地盤1に(S1)砕石杭2の施工、及び(S2)複数の砕石杭2の施工を行う。その後、複数の砕石杭2の地表側の水平方向に補強部材としてジオネット又はジオグリッドからなる網状体9を敷設する工程を追加して行い、引き続き、(S3)砕石を含むグラベルマット12の敷設工程を行う。さらに、追加の工程として、クラベルマット12の層の上に補強部材としてジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を敷設する工程を行う。
図7の(c)に示す改良地盤構造は、上記の方法以外にも、次のような工程を経て形成してもよい。基本的に図2に示す工程に従って、まず、軟弱地盤1に(S1)砕石杭2の施工、及び(S2)複数の砕石杭2の施工を行う。その後、ジオネット又はジオグリッドからなる網状シート部材と、該網状シート部材に取り込まれた砕石を含む材料とを備える袋詰め状のグラベルマットを、図7の(c)に示すグラベルマット12、網状体9及び不織布11に代えて、複数の砕石杭2の地表側の水平方向に敷設する。この方法では、施工形態の急な変更に対応することが難しいものの、図7の(c)に示す方法に比べて、グラベルマットを構成する層の最上面及び最底面の両面に、補強部材として機能するジオネット又はジオグリッドからなる網状体を同時に一度で敷設できるという利点を有する。
本発明に実施形態による地盤改良方法及び改良地盤構造は、グラベルマットによる軟弱地盤の上載物に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制の効果を高めるため、平面状のジオシンセティクスの例として、図6又は図7にそれぞれ示すジオネット又はジオグリッドからなる網状体9又は不織布11を、グラベルマット10又は12に固定して拘束することが実用的である。特に、グラベルマット10又は12が敷設される層の最上面及び最底面、並びにグラベルマット10又は12が敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に、ブラベルマット10又は12とは別体でジオネット又はジオグリッドからなる網状体9又は不織布11を配置する場合は、網状体9又は不織布11の周辺をグラベルマット10又は12に固定及び拘束することが必要の条件となる。仮に地盤沈下が発生するときに網状体9又は不織布11がグラベルマット10又は12に固定及び拘束されていない状態であると、両者の層の分離又は剥離によって建造物又は建造物4が施工された領域の地盤だけが地表面沈下量よりも深くめり込み、その領域の沈下量が周辺の地表面の沈下量より大きくなるという問題が起きる。すなわち、後述の図12において[めり込み沈下量=分離建造物又は建造物の沈下量―地表面沈下量]で定義されるめり込み沈下量が大きくなり、軟弱地盤の上載物に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制に対して、グラベルマット10又は12及び網状体9又は不織布11の両者による相乗的な効果が十分に得られなくなる。
本発明の実施形態による地盤改良方法及び改良地盤構造において、前記ジオシンセティックスとして使用する網状体9又は不織布11をグラベルマット10に固定して拘束する例を、図8に示す実施形態によって説明する。図8は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を、グラベルマット10の層の最上面に配置するときの改良地盤構造の断面図であり、図7の(a)に示す構造の変形例を示している。
ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11をグラベルマット10に固定して拘束する方法としては、例えば、図8の(a)に示すように、前記ジオシンセティックスとして使用するジオネット又はジオグリッドからなる不織布11の端部に、簡易杭13をグラベルマット10に向けて打設することによって行うことができる。不織布11がグラベルマット10に固定及び拘束が行われた後、不織布11の上に基礎が設けられてから建築物又は建造物4が建てられる。簡易杭13の打設場所は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11の周辺端部であればよく、打設本数及び打設位置は、不織布11の拘束力に応じて最適化して選ぶことができる。
図8の(a)において、簡易杭13は不織布11を貫通してグラベルマット10の内部までに届くように打設する。さらに、簡易杭13がグラベルマット10を貫通するまで簡易杭13をより深く打設することにより、グラベルマット10に対する不織布11の固定及び拘束をより強固に行うことができる。なお、グラベルマットへの簡易杭13の打設方法は、不織布11が最底面に設置される場合には除かれる。
図8の(b)及び(c)は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11の端部をグラベルマット10の方向に折り曲げ、グラベルマット10に埋設する改良地盤構造を示す図である。図8の(b)に示すように、不織部11の周辺を所定の長さに折り曲げた後、折り曲げ部分14をグラベルマット10に埋設することによって不織布11の固定が行われる。ここで、折り曲げ部分14の長さは、不織布11の拘束力に応じて最適化して選ぶことができる。その場合、図8の(c)に示すように、不織布11が配置される側とは反対側のグラベルマット10の面の周辺一部にまで折り曲げてもよい。また、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11をグラベルマットの中間層として敷設する場合には、図8の(b)及び(c)に示す場合と異なり、不織布11の折り曲げは前記中間層の下部方向だけに限定されるものではなく、前記中間層の上部に敷設されるクラベルマットの側に不織布11を折り曲げてもよい。その場合、不織布11の上下どちらに折り曲げても不織布11の拘束力が得られるため、折り曲げ方向は施工の容易性の観点も含めて決めることができる。さらに、折り曲げ部分は不織布11の周辺4方向に限定されず、相対する2方向だけで行ってもよい。
また、図8の(d)は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11の端部面の全周に荷重用の錘15を載荷する改良地盤構造を示す図である。ここで、荷重用錘15は、不織布11の端部面の全周において、線状、点状又は所望の幅を有する面状に連続的に載荷されるが、所望の間隔をあけて間欠的に載荷する方法を採用してもよい。荷重用錘としては、不織布11の移動や変位を抑えるため、石、コンクリート及び土等の少なくともいずれかからなる重量物で構成される。石、コンクリート及び土等の少なくともいずれかからなる重量物は、金網等で構成された枠体又はプラスチックや布等からなる袋状体の内部に充填された形で構成されてもよい。また、荷重用錘は、建築物又は建造物4の塀の一部として設けてもよいし、建築物又は建造物4の庭に配置する置物や構造体の一部として配置してもよい。
図8に示す改良地盤構造は、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11を、グラベルマット10の層の最上面に配置するときの例であるが、グラベルマット10の層の最下面又は層の内部で固定及び拘束を行うときも、ジオネット又はジオグリッドからなる不織布11に代えて網状体9を使用する場合や、施工順序を変更する場合があるだけで、基本的に図8に示すものと同様の方法で行うことができる。また、本発明の実施径形態においては、図8の地盤改良方法及び改良地盤構造が(a)〜(d)に示すもののいずれか一つに制約されず、それらの2以上を組合わせて採用してもよい。
このように、本発明の実施形態による地盤改良方法は、次の(A)、(B)及び(C)
(A)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、簡易杭を前記グラベルマットに向けて打設する方法、
(B)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットが敷設される層の方向へ折り曲げて埋設する方法、及び
(C)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に荷重用の錘を載荷する方法、
の少なくともいずれかの方法によって、前記砕石を含むグラベルマットに前記ジオシンセティクスの固定と拘束を行うことができる。
また、本発明の実施形態では、次の(D)、(E)及び(F)、
(D)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、前記ブラベルマットに向けて打設される簡易杭、
(E)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットに埋設するため、前記グラベルマットが敷設される層の方向に折り曲げられた前記ジオシンセティックスの端部折り曲げ部分、及び
(F)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に載荷される荷重用の錘、
の少なくともいずれかを有することにより、グラベルマット10に前記ジオシンセティクスの固定及び拘束が行われる改良地盤構造を提供することができる。
本発明の実施形態では、上述したように、砕石を含むグラベルマット10に、前記ジオシンセティクスとして使用する網状体9又は不織布11の固定と拘束を行うことにより、地盤沈下が発生しても前記ジオシンセティクスが前記グラベルマットから分離することを抑えることができ、疑似的に一体化した構造を形成することができる。それにより、グラベルマットによる軟弱地盤の上載物に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制に対して両者による相乗的な効果を得ることができる。
以上が、本発明の実施形態であるが、本発明の効果を実証するために「1g場振動台模型実験装置」を用いて模擬的に行った実験結果を次の実施例によって説明する。本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3及び比較例1〜3]
図9に、本実施例及び比較例で使用する1g場振動台模型実験装置の構成及び構造を示す。図9の(a)、(b)及び(c)は、1g場振動台模型実験装置16の斜視写真図、正面模式図及び上面模式図である。図9の(b)及び(c)の模式図で示すように、1g場振動台模型実験装置16の容器である土槽17には、その底部に非液状化層として相対密度が70%の土が収容され、前記非液状化層の上部に重ねて液状化層として相対密度が30%の土が収容されている。これら非液状化層及び液状化層から構成される模型地盤18は、本発明における軟弱地盤を模擬するものである。本発明における建築物又は建造物を模擬するものとしては、図9の(b)に示すように、幅190mm×奥行170mmで、重さが0.7kgfである模型構造物19を使用した。また、本発明における砕石杭を模擬して、図9の(c)に示すように、直径3.0cm、長さ約25cmの砕石杭20を、X=5cm及びY=10cmの間隔で模型地盤18に、8本、12本及び20本の本数でそれぞれ個別に挿入した。このようにして埋設される砕石杭20による模型地盤18の改良率(置換率)は、[π×1.5(cm)]/[10(cm)]の式から計算した結果、7%である。
また、グラベルマット21は、砕石杭の本数に関わらず、一定の面積(30cm×20cm)のものを、図9の(c)に示すように、複数の砕石杭の中央部に敷設した。ここで敷設するグラベルマット21は、粒度分布を広くすることによって修正CBR値が60を超えるように粒度を調整した砕石だけで構成した。砕石の修正CBRは、JIS A 1211に示す方法に準じて、3層に分けて各層92締固めたときの最大乾燥密度の95%の締固め度に相当する状態で測定した。グラベルマット21の厚さは、実際に施工する厚さが25〜30cmになるように、1g場振動台模型実験装置16の大きさと相似的に合致するように形成した。
図9の(a)に示すように、1g場振動台模型実験装置16は、振動台を加速度20gal、周波数5Hz、及び加振動時間6秒間の条件で振動させた。また、地盤18の内部及び模型構造物19の表面の一部には、加速計(A1、A2、A3)、変位計(V1、V2)、及び間隙水圧計(W1、W2、W3、W4、W5、W6)を、それぞれ図9の(b)に示す各位置に配置した。
以上のようにして、模型地盤18に砕石杭20をそれぞれ8本、12本及び20本の本数で個別に挿入した1g場振動台模型実験装置16を用いて、模型構造物19の沈下量及びめり込み沈下量をそれぞれ測定した。その結果を図10、図11及び図13に示す。ここで、模型構造物19のめり込み沈下量は、図12に示すように、模型構造物19の沈下量(mm)と地表面沈下量(mm)との差から、(めり込み沈下量=模型構造物の沈下量―地表面沈下量)で定義される値として求めたものである。地表面沈下量は、図9に示す模型地盤18に模型構造物19を設置した後、加振前後における地表面の位置の変化から両者の位置の差として求められる。すなわち、地表面沈下量は、模型構造物19が設置されていない領域を含めた地表面全体が、模型構造物19の設置に伴って沈下したときの量に相当する。
模型構造物19の沈下量は、図9の(b)に示す変位計V1、V2によって測定した。また、図11及び図13に示す改良面積は、図9の(c)に示す砕石杭20の本数8本、12本及び20本がそれぞれ挿入されたときに砕石杭20が設けられる地盤18の外縁部分までの面積として求めた。本実施例及び比較例においては、砕石杭19の本数が8本、12本及び20本であり、且つ、砕石だけから構成されるグラベルマット21を敷設した例を、それぞれ実施例1、2及び3とする。また、砕石杭19の埋設だけで、グラベルマット21が敷設されない例を、砕石杭19の埋設本数が8本、12本及び20本についてそれぞれ比較例1、2及び3とする。
図10に、実施例1〜3及び比較例1〜3について、加振開始からの経過時間[s(秒)]とともに生じる模型構造物の沈下量(mm)の変化を示す。模型構造物の沈下量(mm)は、加振開始から6秒間加振させた後、それ以降24秒間測定したものであり、30秒間にわたって測定したデータである。縦軸に示す模型構造物の沈下量(mm)は、初期の地表面の位置をゼロと規定しているため、沈下量が大きくなるほど下方に向けて大きな値を示すことになる。図10において(a)及び(b)は、グラベルマット21がないとき(比較例1〜3)及びグラベルマット21があるとき(実施例1〜3)のそれぞれの測定結果を示す図である。なお、図10の(a)には、比較参考例として、砕石杭の埋設及びグラベルマットの敷設が両者とも無い模型地盤を「無対策」として示している。
図10の(a)に示すように、比較例1〜3は、砕石杭の埋設本数を増やすことによって模型構造物の沈下量が小さくなるが、8本では「無対策」に比べて沈下量を抑制する効果がほとんど得られなかった。それに対して、図10の(b)に示す実施例1は、比較例2である砕石杭12本の場合とほぼ同じ効果が得られており、砕石杭8本であってもグラベルマット21を敷設することによって沈下を抑制できることが分かった。この違いは、図10の(a)及び(b)において、模型構造物の沈下量が同じ値(12〜13mmの間)で横軸方向に引いた点線Bを比較例2(砕石杭が12本)と実施例1(砕石杭が8本)の間で対比することによって容易に理解される。すなわち、グラベルマット21の敷設によって、砕石杭の本数(幅)を12本(模型構造物の載荷面幅の約2倍に相当する幅に相当する。)から8本に減らすことができ、前記載荷幅を2/3まで狭めることができる。逆の観点から言うと、グラベルマット21のある地盤(実施例)は、グラベルマット21のない地盤(比較例)に比べて、地震支持力を1.5倍に上げることができる。
さらに、砕石杭の本数が多い実施例2(砕石杭12本)及び実施例3(砕石杭20本)では模型構造物の沈下量がより低減されており、比較例2(砕石杭12本)及び比較例3(砕石杭20本)に比べて、模型構造物の沈下が大幅に抑制された。このように、実施例1〜3は、グラベルマット21を敷設することにより模型構造物の沈下量抑制に対して大きな効果を有するだけでなく、砕石杭の本数を少なくできるという効果もあり、地盤改良コストの低減を図ることができる。
図11の(a)及び(b)は、実施例1〜3及び比較例1〜3について測定した模型構造物の沈下量(mm)及びめり込み沈下量(mm)の結果を、それぞれ地盤の改良面積(mm)に対応させてプロットした図である。図11の(a)に示す模型構造物の沈下量は、図10において加振開始から30秒間経過し、ほぼ一定になったときのデータである。同様に、図11の(b)に示すめり込み沈下量についても30秒間経過した後のデータをプロットした。また、改良面積は、図9の(c)に示す上面図に基づいて計算したものであり、砕石杭の本数が0本(無対策)、8本、12本、20本と増えるに伴い、増大するのが分かる。
図11の(a)及び(b)に示すように、実施例1〜3は、砕石杭の打設だけでなく、クラベルマット21の敷設を行うことにより、模型構造物の沈下量及びめり込み沈下量を小さくできた。図11において点線の円で囲まれる部分が、グラネルマットが最も有効となる改良面積の範囲であり、約8000〜12000mmの範囲である。図11から分かるように、グラベルマット21の敷設によって奏する効果は、グラベルマットがある実施例1〜3の測定点(図中において●で示す測定点)を結ぶ曲線と、グラベルマットがない比較参考例(無対策)及び比較例1〜3の測定点(図中において○で示す測定点)を結ぶ曲線と、の間の面積に相当する。
図13は、実施例1〜3及び比較例1〜3について測定しためり込み沈下量(mm)の測定結果を改良面積比に対応させてプロットした図である。改良面積比は、図9に示す模型地盤18の施工面積において奥行の長さが砕石杭の本数に関わらず一定であることから、[改良幅比=(改良幅)/(模型構造物の幅)]の式から計算した改良幅比として求めることができる。図13には、一般的な地盤の標準沈下量、及び建築学会編「建築起草構造設計指針」によって提唱される最大許容沈下量をそれぞれ点線で示している。ここで、最大許容沈下量である6mmを超える量の沈下がみられる場合は欠陥地盤とみなされる。
図13から分かるように、グラベルマットがない比較例1〜3(図において○でプロットした点)では、最大許容沈下量の基準を満たすためには改良面積比(改良幅)を3.5倍以上にする必要がある。それに対して、グラベルマットを敷設する実施例1〜3(図において●でプロットした点)では、より小さな改良面積比(改良幅)で最大許容沈下量の基準(6mm)を満たすことができる。最大許容沈下量の基準を満たす改良面積比(改良幅)は、図13に示す☆印の点から下方に点線で表すように、模型構造物19の幅の1.5倍で十分である。
図13には、比較例3(砕石杭20本)において、砕石杭に代え、砂杭を埋設したときの地盤についてめり込み沈下量の測定結果を合わせて示している(図において■でプロットした点)。図13から分かるように、砂杭の場合は、砕石杭に比べてめり込み沈下量が大きくなる。そのため、仮に、砂杭の上にグラベルマットを敷設したとしても、めり込み沈下量はあまり低減されず、めり込み沈下の抑制効果が十分に得られないことが容易に推察される。
このように、グラベルマットを敷設する実施例1〜3は、グラベルマットがない比較例1〜3で比べて、砕石杭の施工面積を狭めることができるため、施工工事がより簡便になり、施工時間と施工コストの低減を図ることができる。さらに、実施例2及び3の場合は、めり込み沈下量が標準沈下量よりも小さいことから、砕石杭の本数(又は改良面積比)を最適化するとともに、前記砕石杭の複数に跨って砕石を含むグラベルマットを敷設することにより、強い地震にも十分に耐え得るような強固な地盤を構築することができる。また、上記実施例1〜3及び比較例1〜3においては、砕石を含有し、且つ、粒度分布を有する材料として、修正CBR値が60を超えるように粒度分布を調整した砕石だけを有するグラベルマットを用いて検討を行ったが、修正CBR値を70以上、より好ましくは80以上となるように高くなる方向でグラベルマットを構成する材料の粒度分布を調整することによって、より強固な地盤を構築することができる。
本発明の実施形態は、砕石杭の複数と、その上に跨って敷設される、砕石を含むグラベルマットとの地盤構造によって地震支持力を向上できる。さらに、図6及び図7に示すように、グラベルマットからなる層を平面状のジオシンセティクス(又はジオテキスタイル)によって補強することにより前記グラベルマットの強度を上げることができるため、地盤の上載物である建築物又は建造物の荷重分散(低減)効果の一層の向上を図ることが可能になる。そして、前記ブラベルマットとは別体で平面状のジオシンセティックスを配置する場合は、前記ジオシンセティックスの周辺を前記グラベルマットに固定及び拘束するにより、軟弱地盤の上載物(建築物又は建造物)に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制に対して両者による相乗的な効果が得られる。
以上のように、本発明の実施形態による地盤改良方法は、軟弱地盤の排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる。それにより、激しい揺れが繰り返して起こる大規模地震の発生にも対応でき、且つ、上載物である建築物又は建造物の形状や重量の様々な変化に対しても柔軟に対応できるため汎用性が高まることから、適用を拡大できるだけでなく、施工コストの一層の低減を図ることができる。
また、本発明の実施形態による改良地盤構造は、複数の砕石杭と、前記複数の砕石杭の地表側の水平方向に敷設して形成される砕石を含むグラベルマットと、を有するハイブリッド構造であるため、排水能力と支持力の向上及び沈下抑制を効率的に行うことができる構造体を、従来の施工方法を活用又は組合せによって簡便に、且つ、低コストで形成することができる。
上記の効果は、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスを配置することにより、前記砕石を含むグラベルマットによる軟弱地盤の上載物に対する支持力の向上及び地盤沈下抑制の効果を高めることがきる。これらの効果は、前記ジオシンセティックスを前記グラベルマットに固定し、拘束させるための方法及びその構造を採用することによって一層の向上が期待される。
1・・・軟弱地盤、
2・・・砕石孔、
3・・・砕石を含むグラベルマット、
4・・・建築物又は建造物
5・・・ジテキスタイルの袋
6・・・砕石
7・・・既製杭
8,10,11,12・・・グラベルマット
9・・・ジオネット又はジオグリッドからなる網状体
11・・・ジオネット又はジオグリッドからなる不織布
13・・・簡易杭
14・・・ジオネット又はジオグリッドからなる不織布の折り曲げ部分
15・・・荷重用の錘
16・・・1g場振動台模型実験装置
17・・・土槽
18・・・模型地盤
19・・・模型構造物
20・・・砕石杭
21・・・グラベルマット

Claims (16)

  1. 建築物用又は建造物用の敷地として利用する軟弱地盤において、前記軟弱地盤の土と直に接触するように側壁面に砕石が配置されてなる砕石杭の複数を前記軟弱地盤の垂直方向に形成し、前記砕石杭の地表側の水平方向に、前記砕石杭の複数に跨って平坦状の層が形成されるように砕石を含むグラベルマットを敷設する地盤改良方法であって、
    前記グラベルマットが、前記グラベルマットの全質量を基準にして50質量%を超える含有量で砕石を含有し、且つ、修正CBR値が60を超え、透水性が確保された層を有することを特徴とする地盤改良方法。
  2. 前記砕石を含むグラベルマットは2層以上の構造からなり、前記砕石グラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記グラベルマットの上に構築される建築物又は建造物の側に向けて、順に緻密度が高くなる積層構造によって前記グラベルマットの敷設が行われることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記砕石を含むグラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記建築物又は建造物の側に向けて、順に前記砕石が含まれる材料の粒度分布が広くなる層を積層する積層構造によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の地盤改良方法。
  4. 前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスが配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の地盤改良方法。
  5. 前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に、前記ブラベルマットとは別体で平面状のジオシンセティックスが配置され、且つ、前記ジオシンセティックスの周辺が前記グラベルマットに固定及び拘束されることを特徴とする請求項4に記載の地盤改良方法。
  6. 前記ジオシンセティクスの周辺を前記グラベルマットに固定及び拘束する方法が、次の(A)、(B)及び(C)
    (A)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、簡易杭を前記グラベルマットに向けて打設する方法、
    (B)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットが敷設される層の方向へ折り曲げて埋設する方法、及び
    (C)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に荷重用の錘を載荷する方法、
    の少なくともいずれかの方法によって行われることを特徴とする請求項5に記載の地盤改良方法。
  7. 前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる網状体であり、該ジオネット又はジオグリッドからなる網状体が前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最底面に配置される状態で、前記砕石を含むグラベルマットを敷設することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の地盤改良方法。
  8. 前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる不織布であり、該ジオネット又はジオグリッドからなる不織布が前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面又は前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内に配置される状態で、前記砕石を含むグラベルマットを敷設することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の地盤改良方法。
  9. 建築物用又は建造物用の敷地として利用する軟弱地盤において、前記軟弱地盤の垂直方向に形成され、前記軟弱地盤の土と直に接触するように側壁面に砕石が配置されてなる複数の砕石杭と、前記複数の砕石杭の地表側の水平方向に前記複数の砕石杭に跨って平坦状の層を形成するように敷設される、砕石を含むグラベルマットと、を有する改良地盤構造であって、
    前記グラベルマットが、前記グラベルマットの全質量を基準にして50質量%を超える含有量で前記砕石を含有し、且つ、修正CBR値が60を超え、透水性が確保された層を有することを特徴とする改良地盤構造。
  10. 前記砕石を含むグラベルマットは、前記複数の砕石杭の側から前記グラベルマットの上に構築される建築物又は建造物の側に向けて、順に各層ごとに緻密度が高くなっていく積層構造を有することを特徴とする請求項9に記載の改良地盤構造。
  11. 前記砕石を含むグラベルマットを構成する各層が、前記複数の砕石杭の側から前記建築物又は建造物の側に向けて、順に前記砕石が含まれる材料の粒度分布が広くなる層を積層することにより形成される積層構造を有することを特徴とする請求項10に記載の改良地盤構造。
  12. 前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に平面状のジオシンセティックスが配置されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の改良地盤構造。
  13. 前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面及び最底面、並びに前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層内、の少なくともいずれかの場所に、前記ブラベルマットとは別体で配置される平面状のジオシンセティックスを有し、前記ジオシンセティックスの周辺が前記グラベルマットに固定及び拘束された状態にあることを特徴とする請求項12に記載の地盤改良方法。
  14. 前記グラベルマットに前記ジオシンセティクスの固定及び拘束を行うため、次の(D)、(E)及び(F)、
    (D)前記ジオシンセティックスの周辺端部において、前記ブラベルマットに向けて打設される簡易杭、
    (E)前記ジオシンセティックスの端部を前記グラベルマットに埋設するため、前記グラベルマットが敷設される層の方向に折り曲げられた前記ジオシンセティックスの端部折り曲げ部分、及び
    (F)前記ジオシンセティックスの端部面の全周において線状、点状又は所望の幅を有する面状に載荷される荷重用の錘、
    の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項13に記載の改良地盤構造。
  15. 前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる網状体であり、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最底面に配置される前記ジオネット又はジオグリッドからなる網状体を有することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の改良地盤構造。
  16. 前記ジオシンセティックスがジオネット又はジオグリッドからなる不織布であり、前記砕石を含むグラベルマットが敷設される層の最上面又は前記グラベルマットが敷設される層内に配置される前記ジオネット又はジオグリッドからなる不織布を有することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の改良地盤構造。
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