JP5863915B1 - 敷地における液状化対策構造 - Google Patents
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敷地を掘り下げて形成された凹部に樹脂ブロック層が設けられ、樹脂ブロック層の上側に構築物が設けられた構造であり、
樹脂ブロック層は、水平に並べられた複数の樹脂ブロックで形成されており、
各樹脂ブロックは、構築物の下側に間隙水圧緩和用の空間を形成しつつ構築物を支える樹脂(発泡スチロールを除く)製の構造部材であり、内部に水が進入できるよう開口を有する形状であり、
樹脂ブロック層は全体に遮砂透水シートで覆われており、遮砂透水シートは、地盤の砂を遮断しつつ水を透過させるシートであり、
遮砂透水シートは樹脂製の不織布で形成されており、不織布の見かけ開孔径O 95 は0.37mm以下であり、
樹脂ブロック層の高さをh、樹脂ブロック層の容積率をα(0<α<1)とし、敷地の地下に存在する地下水層の厚さをTとしたとき、h≧0.01T/(1−α)となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記敷地の地盤には、鉛直方向に延びる複数の支持杭が設けられており、各支持杭は、多孔構造のものであって、地震発生時に間隙水圧により地下水が内部を通って又は周面に沿って上昇するものであり、
前記樹脂ブロック層は、支持杭の内部を通って又は周面に沿って上昇する地下水が流入するよう支持杭に対して遮水層を介在させない状態で接近して設けられているか又は支持杭に接触して設けられているという構成を有する。
また、遮砂透水シートは樹脂製の不織布で形成されており、不織布の見かけ開孔径O95は0.37mm以下であるので、液状化が生じ易い砂質においてより確実に被害防止の効果が得られる。
さらに、樹脂ブロック層の高さh、樹脂ブロック層の容積率α、地下水層の厚さTについて、h≧0.01T/(1−α)となっているので、地下水層の厚さに応じた間隙水圧緩和空間が確保され、この点で被害防止の効果がより確実となる。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、樹脂ブロック層は、柱状改良杭と通して上昇する地下水が流入する位置に設けられているので、柱状改良杭による地盤改良の効果に加え、柱状改良杭を地下水の上昇経路として利用しつつ間隙水圧を緩和させることができる。このため、液状化が地表面にまで達して被害が生じるのを防止する効果がさらに高く得られる。
図1は、実施形態の液状化対策構造を有する構築物の概略図である。図1に示す構築物は、敷地1の地盤10の上に施工された基礎2と、基礎2の上に施工された建物3とから成っている。
実施形態の液状化対策構造の大きな特徴点は、基礎2の下に大きな空間(空洞)Sを形成し、液状化発生時にこの空間内に水を引き込むことで間隙水圧を緩和する点である。以下、この空間Sを間隙水圧緩和空間と呼ぶ。
脚部52は、正方形のベース部51の各角の位置に合計4つ設けられている。脚部52の位置は、角の縁から少し内側の位置である。各脚部52は、対角線上に位置し、角の縁からの距離はすべて同じである。
各脚部52の高さは皆同じである。各脚部52の上端面には、嵌め込み用の突起(以下、嵌め込み突起)53が形成されている。嵌め込み突起53は、上側に位置させる別の樹脂ブロック5との組み合わせのための部位である。
また、各脚部52の上端面には、嵌め込み用の孔(以下、嵌め込み孔)54が形成されている。嵌め込み孔54は、嵌め込み突起53が嵌め込まれる孔である。嵌め込み孔54も、各上端面に二つずつ設けられている。嵌め込み孔54は、平面視で見た場合、斜め右上から斜め左下の方向の対角線上に設けられている。即ち、各脚部52の上端面において、各嵌め込み孔54は各嵌め込み突起53と線対称に配置されている。
また、図1に示すように、最も外側に位置する上下一対の樹脂ブロック5の外側には、壁材プレート41が設けられている。壁材プレート41の詳細構造の図示は省略するが、壁材は、同様に樹脂製の板状部材であり、通水用の開口を多数有している。凹凸が嵌り合う構造により、壁材プレート41は各樹脂ブロック5に連結されている。尚、壁材プレート41は、より強度を高めるため、上下各対の樹脂ブロック5の各側部に設けられる場合もある。
上記のように各樹脂ブロック5は、開口50を多数有する形状であり、内部に水が浸入し得る。液状化発生時には、高い間隙水圧によって上昇する水は、開口50を通して各樹脂ブロック5内に浸入するが、単に樹脂ブロック5を並べただけであると、周囲の砂(敷地の地盤10の砂)を巻き込んで浸入してしまう。こうなると、地盤10が削り取られたような状態になり、不同沈下を誘発してしまうことがあり得る。
尚、以上は不織布の場合であるが、織布の場合も同様に見かけ開孔径O95が0.37mm以下であるものが使用できる。このような織布の遮砂透水シートとしては、例えば2mm以上の厚さのポリプロピレン製の織布を使用することができる。
まず、図3(1)に示すように、敷地1の地盤10を掘り下げ、底面を平らにする。そして、掘り下げて形成した凹部の底面及び側面を覆うようにして遮砂透水シート61を被せる。その後、底面に砕石72を敷き詰める。
次に、図3(3)に示すように、樹脂ブロック5の上に緩衝層7を施工する。即ち、リプラボード又はEPSボードを並べて載置し、樹脂ブロック層4の上側を覆った状態で敷き詰めて緩衝層7とする。また、敷地1を掘り下げて形成した凹部と樹脂ブロック層4の側面との間には、若干の空間が残るが、この空間には、砕石72が充填される。
実施形態の構造において、図4(1)に示すように、敷地1の地盤10は砂地層11となっており、且つ敷地1の地下の比較的浅い位置に地下水層12が存在している。この状態において、大きな地震が発生し、地震の振動により砂地層11,12がいったん緩んで大きな間隙水圧が地下水層12に生じたとする。この結果、図4(2)に示すように、地下水Wが急激に上昇し、液状化の発生となる。
尚、樹脂ブロック層4の下側での砂地層11の液状化により、樹脂ブロック層4が全体に沈下し得る。但し、樹脂ブロック層4により上載圧は軽量化され且つ均等になっているので、沈下は小さく、また均等(同沈下)である。
構造プロトタイプとしては、まず、仮想地盤容器91の底面及び側面緩衝材93の内側面を覆うようにして防水シート931を敷設した。そして、底面の防水シート931の上に厚さ150mmのウレタン樹脂層94を設け、その上に砂を投入して厚さ300mm程度の細砂層95を形成した。ウレタン樹脂層94+細砂層95が、砂地層11を有する地盤10をシミュレートした層である。
尚、実際の施工では基礎2の一部は地中に埋設された状態となるため、PC層96の下面は砕石層95の上面より少し下側になるように、砕石層95の上面に凹部を形成し、その中にPC層96が入り込んだ状態とした。
そして、従来構造及び実施形態の構造とも、防水シート931内に水Wを投入して水を溜め、貯水槽100を形成して地下水層のシミュレーションとした。貯水槽100は、仮想地盤容器91の底面から300mmの高さに達するまで投入した。この水量は、従来構造及び実施形態の構造とで同じである。
一方、実施形態の構造では、PC層96は濡れておらず、PC層96や角筒体98の傾斜は目視では確認できなかった。PC層96や角筒体98を取り外し、リプラボード(緩衝層7)や上側の樹脂ブロック5も取り外して内部を確認すると、樹脂ブロック層4内に多くの水が浸入しているのが確認された。図6は、この様子を写した写真である。
図8において、基礎2の占有領域をAとする。ベタ基礎の場合、占有領域Aは建物3の底面の領域と実質的に同じになる。布基礎の場合には、外郭(外側の輪郭)が取り囲む領域が占有領域Aとなり、これも建物3の底面の領域と実質的に同じである。
また、樹脂ブロック層4の高さhは、間隙水圧緩和空間Sの容積Qを決めるものであり、R×hが十分な間隙水圧緩和作用をもたらすよう決められる。図8において、地下水層12の厚さをTとし、地下水層12までの深さをDとする。地下水層12の厚さTは、その下の安定層13から砂地層11までの高さである。また、樹脂ブロック層4の全体の容積に対して各樹脂ブロック5の肉厚部が占める空間の容積を容積率と呼び、α(0<α<1)で表す。即ち、樹脂ブロック層5の全体の容積をQ’とすると、間隙水圧緩和空間Sの容積Q=(1−α)Q’である。
尚、上記想定において、地中水層12までの深さDは、季節に応じて変化し得る(例えば雨季には浅くなる)。従って、ボーリング調査の際の時期を考慮し、一年の平均的な値を過去のデータから推算して求めるようにする。
第二の実施形態の構造は、前述した杭工法に本願発明の技術思想を適用したものであり、杭工法の欠点を解消したものとなっている。即ち、図9及び図10に示すように、第二の実施形態では、敷地1の地盤10に柱状改良杭8が設けられている。
各柱状改良杭8は、軟弱層を貫通し、安定層13に達する長さ(深さ)とされる。軟弱層は、この例では、地下水層とその上の砂地層11を含む層である。各柱状改良杭8については、液状化対策も兼ねるため、砕石系杭工法が採用されている。この実施形態では、細長く掘り下げた空間内に砕石を詰め込むことで各柱状改良杭8が形成されている。このため、各柱状改良杭8はポーラスな(多孔構造)となっており、水が通過できるようになっている。
但し、各樹脂ブロック5と各柱状改良杭8とは接近しており、両者の距離は短くなっている。各樹脂ブロックの周囲に設けられた砕石と各柱状改良杭8とが接触している場合もある。
この例の樹脂ブロック5は、ほぼ方形の平板状のものとなっている。樹脂ブロック5は、概略的には皿状に凹んだ凹部内に格子状に補強用のリブ55を形成した構造となっている。また、図2に示す樹脂ブロック5と同様、通水用の開口50を多数有している。
次に、砕石の上に別の遮砂透水シート6を敷き、その上に樹脂ブロック5を並べていき、格子状の樹脂ブロック層4を形成する。その後、樹脂ブロック層4全体を遮砂透水シート6で覆う。遮砂透水シート6の端は、必要に応じて粘着テープ等で貼り合わせる。
その後、各柱状改良杭8及び樹脂ブロック層4の上側に基礎2を施工し、基礎2の上に建物3を施工する。この実施形態では、基礎2や建物3の施工領域は、各柱状改良杭8及び樹脂ブロック層4をカバーし、それらより少し広い領域である。
また、この実施形態では、建物3に加え、ライフライン31や塀32の基礎311,321の下側にも各々樹脂ブロック層4が施工されているので、液状化がこれらの構築物の地下で進行した際にも、同様に間隙水圧が緩和され、液状化の被害がこれらの構築物に及ぶのが防止される。
尚、このようなセメント系の柱状改良杭の場合、細長く掘り下げた箇所の周囲の砂地層の砂を巻き込んだ形で固化材が固化する。このため、各柱状改良杭8の周囲の砂地層は若干固化し、これにより補強効果が得られる。このため、液状化が発生した際、砂地層の圧縮による不同沈下が発生しにくいという効果が得られる。
上述したように、樹脂ブロック層4は、間隙水圧緩和空間Sを形成することで間隙水圧を緩和し、液状化被害を防止するものである。従って、より大きなものとする方が、より多い量の上昇地下水を溜め込むことができるので好適である。この観点からは、図12(1)に示すように、構築物(建物3)の施工領域よりも大きな領域を占めるように樹脂ブロック層4を施工することが考えられる。
さらに、全体として十分な容積の間隙水圧緩和空間が確保されれば良いので、図12(3)に示すように、樹脂ブロック層4は、複数のものが離散して設けられる場合もあり得る。
11 砂地層
12 地下水層
2 基礎
3 建物
4 樹脂ブロック層
400 樹脂ブロック層
5 樹脂ブロック
6 遮砂透水シート
7 緩衝層
72 砕石
8 柱状改良杭
S 間隙水圧緩和空間
W 地下水
Claims (2)
- 敷地において施工される液状化対策構造であって、
敷地を掘り下げて形成された凹部に樹脂ブロック層が設けられ、樹脂ブロック層の上側に構築物が設けられた構造であり、
樹脂ブロック層は、水平に並べられた複数の樹脂ブロックで形成されており、
各樹脂ブロックは、構築物の下側に間隙水圧緩和用の空間を形成しつつ構築物を支える樹脂(発泡スチロールを除く)製の構造部材であり、内部に水が進入できるよう開口を有する形状であり、
樹脂ブロック層は全体に遮砂透水シートで覆われており、遮砂透水シートは、地盤の砂を遮断しつつ水を透過させるシートであり、
遮砂透水シートは樹脂製の不織布で形成されており、不織布の見かけ開孔径O 95 は0.37mm以下であり、
樹脂ブロック層の高さをh、樹脂ブロック層の容積率をα(0<α<1)とし、敷地の地下に存在する地下水層の厚さをTとしたとき、h≧0.01T/(1−α)となっていることを特徴とする敷地における液状化対策構造。 - 前記敷地の地盤には、鉛直方向に延びる複数の支持杭が設けられており、各支持杭は、多孔構造のものであって、地震発生時に間隙水圧により地下水が内部を通って又は周面に沿って上昇するものであり、
前記樹脂ブロック層は、支持杭の内部を通って又は周面に沿って上昇する地下水が流入するよう支持杭に対して遮水層を介在させない状態で接近して設けられているか又は支持杭に接触して設けられていることを特徴とする請求項1記載の敷地における液状化対策構造。
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| JPN6015033263; 地盤工学会液状化対策工法編集委員会: 液状化対策工法 , 20040730, P.83〜84、図-3.17, 社団法人地盤工学会 * |
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