JP3506680B2 - 土構造堤体の補強方法 - Google Patents
土構造堤体の補強方法Info
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Description
や地震に対して補強が必要な小規模な貯水用ダムや河川
堤防などの土構造堤体を補強する方法に関する。より詳
細には、土構造堤体を掘削して生じた堤体土を原材料
に、その一部をセメント等の固化材により固化した塊
を、土中に埋込みながら残りの堤体土により再盛土する
ことで補強堤体盛土を築造するもので、断面を変更する
ことなく堤体の安定性を向上させる既設の盛土の補強法
に関するものである。
どの土構造堤体の安定性を向上させるためには、外部か
ら入手した盛土材により押え盛土あるいは腹付け盛土等
により、法面勾配を緩くするなどの堤体断面変更による
補強を行なっていた。この場合には堤体に接した盛土用
地が新たに必要になること、また新たな堤体補強のため
の良質な盛土材を探し(土取り場の購入)、そこからの
土運搬が必要となる。また、堤体断面を変更しないで補
強するには、現況の堤体を全部あるいは部分的に掘削除
去して、現状堤体土よりも強度あるいは遮水性に優れた
良質な土砂を購入するなどして外部から新たに入手した
盛土材を用いて堤体を再度築造していた。このため、現
況堤体を掘削して発生した土の土捨て場の確保とそこま
での運搬が必要となる。また良質な盛土材を探すことが
必要となる。
土のための用地や土捨て場・土取り場の確保(新たに用
地購入)、工事現場から土捨て場への土砂搬出と土取り
場から工事現場までの土砂搬入のための土運搬に伴う交
通量増加や排気ガスの発生などの近隣住環境の悪化を招
く等の問題を生じさせる。また、土捨て・土取り場の跡
地利用の問題も生じさせる。小規模な貯水用ダムや河川
堤防などの土構造堤体は、築造年代が古く老朽化して、
漏水が著しく豪雨、地震などに対して安定性や耐久性に
不足するものが多く、早急に補強を必要とされているも
のが多い。特に市街地化が進んだ地域では、地震や豪雨
時のため池決壊による二次災害が懸念されるため、緊急
に補強が必要とされている。
事業用地がないか不足する場合が多い、堤体の改修・
補強に必要な盛土材や遮水材をため池周辺で確保しにく
い、工事は騒音・振動等による住環境を損なうことな
く進める必要があるなど、従来からの方法では堤体の補
強をしにくい状況にある。本発明はこのような状況を鑑
みてなされたもので、堤体の裏面の住宅地側には押え盛
土・腹付け盛土が可能な用地が確保できない、近隣から
堤体補強のための工事用土を調達しにくなどの問題を抱
える市街地に近接した地区にある堤体の豪雨や地震に対
する安定性・耐久性を向上させる堤体補強法の提供を目
的とするものである。
本発明は、老朽化した小規模な貯水用ダムや河川堤防な
どの土構造堤体を補強する方法であって、前記土構造堤
体の補強すべき部分を掘削し、前記掘削により生じた堤
体土にセメント等の固化材を混合し固化させて多数の固
化土塊を作り、前記掘削された土構造堤体の掘削面上
に、前記多数の固化土塊を平面的に並べると共に、それ
ら固化土塊の相互の隙間に前記掘削により生じた堤体土
を埋め込んで補強土層を作り、前記掘削された土構造堤
体の掘削面上で、前記補強土層を上方に順次積み重ねて
いくことで、前記補強すべき部分に補強盛土部を築造す
るようにしたことを特徴とする。また、本発明の土構造
堤体の補強方法は、老朽化した小規模な貯水用ダムや河
川堤防などの土構造堤体を補強する方法であって、前記
土構造堤体の補強すべき部分を掘削し、前記掘削された
土構造堤体の掘削面上で、前記掘削により生じた堤体土
を敷き均し転圧して作った土層を複数順次上方に積み重
ねて堤体土層を築造し、この堤体土層に相互に間隔をお
いて多数の窪みを掘削し、これらの窪みに、前記掘削に
より生じた堤体土にセメント等の固化材を混合して固化
処理した堤体土を、まだ固化される前の状態でそれぞれ
投入して充填し、固化処理した堤体土を窪み内で固化さ
せて窪みの内部に固化土塊を作って、前記堤体土層と多
数の固化土塊からなる補強土層を作り、前記掘削された
土構造堤体の掘削面上で、前記補強土層を上方に順次積
み重ねていくことで、前記補強すべき部分に補強盛土部
を築造するようにしたことを特徴とする。また、本発明
の土構造堤体の補強方法は、前記土構造堤体の補強すべ
き部分を掘削し、前記掘削された土構造堤体の掘削面上
で、前記掘削により生じた堤体土を敷き均し転圧して作
った土層を複数順次上方に積み重ねて堤体土層を築造
し、この堤体土層の相互に間隔をおいた多数箇所におい
て、それぞれ掘り起こしつつこれら箇所の堤体土にセメ
ント等の固化材を混合し固化させて堤体土層の中で固化
土塊を作って、堤体土層と多数の固化土塊からなる補強
土層を作り、前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、
前記補強土層を上方に順次積み重ねていくことで、前記
補強すべき部分に補強盛土部を築造するようにしたこと
を特徴とする。
は、堤体補強のための新たな用地確保が不可能、外部か
らの堤体補強用土が調達しにくいなどの問題を抱える市
街地に近接した地区にあるダムや河川堤防などの堤体
を、既設堤体断面を変えることなく(新たな盛土用地を
必要としない)、既設堤体を掘削して発生した土の一部
をセメント等の固化材により固化した土塊を土中に埋め
ながら旧堤体と同じ断面もしくはそれよりも経済的断面
で再盛土することで、安定性を向上させるものである。
して安定性や耐久性が不足し、堤体の補強が必要な小規
模な貯水用ダムや河川堤防を掘削して発生した現状堤体
土を、所定の大きさ・形状になるようにセメント等の固
化材により固化させた固化土塊SSを、旧堤体Eと同じ
断面かあるいはそれよりも経済的な断面になるように土
中に積み上げながら築造するか、あるいは所定の間隔を
おいて土中に埋め込みながら土構造堤体の補強盛土部G
を築造すると、図1(ロ)、(ハ)に示すように、土中
内に積上げられた積層構造にある固化土塊SSのかみ合
わせ効果や、あるいはある間隔で配置された浮き構造に
ある個々の固化土塊SSが擬似的な骨格構造を形成して
堤体の安定性を向上させる効果をもち、また破壊状態で
は固化土塊を含む複合地盤からなる堤体内を通るすべり
面での補強された抵抗力τRは、図2に示すように、土
単体の強度とτOと固化土塊SSの強度τSSの合成さ
れた強度により大きなものとなり、近似的に
を通るすべり面の合計長さ、Lはすべり面の全長であ
る。さらに、この固化土塊SSによる補強盛土部Gは通
常土のみによる堤体に比較すると強度は大きくなり、以
下の理由により地震等により堤体に大きな変形が生じて
も旧堤体や周辺地盤の変形に追従し応力集中やクラック
の発生は生じない。つまり、図1(イ)に示したよう
に、補強すべき領域内のすべての既設堤体部分Eを現状
堤体土をセメント等の固化材により土質改良して置き換
えると、強度的な安定性は容易に確保できるが、地震時
のように通常土からなる既設堤体部が大きな変形をする
場合には、この変形に新設堤体部の剛性が高く追従でき
ずに剛性の相違に起因した応力集中のよる局部的な破壊
が生じる可能性がある。本発明ではこの問題を解決する
ために、補強部全体を改良土で置換するのではなく、所
々を固化土で置き換える方法を採用している。そのた
め、図3に示すように、土中に積み上げられた固化土塊
SSの集合体は個々の固化土塊SSの接触部のすべりや
圧壊、固化土塊の回転等により、また固化土塊SSをあ
る間隔で配置された場合にも隣り合う固化土塊SS間に
ある土のために、変形性は固化土塊単体の場合よりも通
常土に近いものとなる。また、本発明では、上述のよう
に堤体の安定性を向上させる効果をもつことから、固化
土塊SSや土中への配置の仕方を工夫により、補強後の
堤体を既設堤体より新たな用地を生じさせる経済的な断
面とすることも可能である(図4)。
る。図5は、本発明による現状堤体を掘削して発生した
土をセメント等の固化材により固化させた多数の固化土
塊により補強した補強盛土部の全体図を示す。図5にお
いて、符号Bは基礎地盤、符号Eは既設の現状堤体部、
符号Gは新たに築造された補強盛土部を示しており、補
強盛土部Gは、多数の固化土塊SSと堤体土による盛土
PSにより築造されている。本実施の形態では、現状堤
体部Eの一部が残されて掘削され、掘削された部分に
は、ほぼ水平面上を延在する平坦な面で形成された上方
を向いた下部平坦部12と、下部平坦部12の一側から
斜めに立ち上る斜面部14と、斜面14の上部にほぼ水
平面上を延在する平坦な面で形成された上方を向いた上
部平坦部16とが形成され、補強盛土部Gは、これら下
部平坦部12と斜面部14と上部平坦部16上にわたっ
て形成されている。
図8を参照して説明する。 (1)堤体の安定計算等により最小安全率Fsoを与え
る円弧すべり面SCの位置等から現状堤体部E(既設堤
体)内の補強領域Rを設定する(図6(イ))。 (2)補強領域Rにあたる現状の堤体土を掘削し、前記
下部平坦部12と斜面部14と上部平坦部16を形成す
る(図6(ロ))。 (3)必要に応じて掘削堤体面に、より詳細には下部平
坦部12と斜面部14にフィルター層(サンドマット
層)SMとフィルター層Fを設ける(図7(ハ))。フ
ィルター層SM、Fは、砂利や砂などにより構成されて
いる。こられフィルター層SM、Fは、現状堤体部Eか
ら補強盛土部Gに入り込む浸透水を排水し、補強盛土部
Gをより強固なものにするためのものである。
塊SSは、掘削した堤体土から作ったもので、堤体土に
所定量のセメント等の固化材を添加し、水と共に攪拌混
合して固化処理し、固化させたものである。固化土塊S
Sの大きさは、工事の規模に応じて取り扱い性や効率性
などの観点から適宜決定される。例えば重機を用いる場
合には、重機により固化土塊SSを効率良く運搬でき、
また、固化土塊SSを効率良く並べられる程度の大きさ
に形成され、人力により扱う場合には、人力により運べ
る程度の大きさに形成される。重機を用いて固化土塊S
Sを運搬する規模の工事では、例えば、その直径が50
cmから1m程度、長さが50cmから1.5m程度の
ものが用いられ、人力により固化土塊SSを運搬する規
模の工事では、その直径が50cm程度、長さが50c
mから1m程度のものが用いられる。固化土塊SSを作
る方法は、種々考えられるが、この実施の形態では、ほ
ぼ一定の容積のものを効率良く多数作れることから後述
するように袋を用いている。
する堤体断面になるように、下部平坦部12上に互いに
接しさせて並べてゆき、多数の固化土塊SSを上下に重
ねることなくほぼ水平に平面的に並べて1段階分を築造
する。(図7(ニ))。なお、多数の固化土塊SSを、
互いに接しさせることなく間隔をおいて並べていっても
よいが、上記のように互いに接しさせて並べていくと、
補強盛土部Gの安定性をより高める上で有利となる。 (6)互いに接するように並べた固化土塊SSの隙間が
埋まるように、掘削した堤体土による詰め土PSを固化
土塊SS間に埋め込む。これにより多数の固化土塊SS
とこれら固化土塊SSの隙間を塞ぐ詰め土PSにより補
強土層Dが作られる(図8(ホ))。また、斜面部14
から最も離れた箇所に固化土塊SSを覆う法面が形成さ
れるように覆土層PSaを築造する。
てから、上記と同様に固化土塊SSを互いに接するよう
に並べ、さらにそれらの隙間を詰め土PSで塞ぎ、ま
た、覆土層PSaを築造して、前記の補強土層Dの上に
新たな補強土層Dを積み重ねる(図8(ヘ))。 (8)以下、この作業を繰返して行い、上部平坦部16
上に補強土層Dを積み重ねていき、図5に示すように、
両側の法面を覆土層PSaで覆い、最も上位の補強土層
Dの上面を覆土層PSbで覆い、外気に触れる法面や地
表面が覆土層PSa、PSbで覆われた補強盛土部Gが
完成される。これにより、新設堤体表面の乾・湿繰り返
し等による固化土塊SSの劣化防止が覆土層PSa、P
Sbにより図られた補強盛土部Gが得られる。
を用いて固化土塊SSを作った。 (1)口元(投入口)の大きい型枠フレームFRを設け
る(図9(イ))。この型枠フレームFRは金属板やベ
ニヤなどからなり、例えば、上部が開放された立方体状
の箱体20と、この箱体20の上部に設けられた鍔部2
2とで構成されている。 (2)大型土のう袋のような袋FBを多数用意する。こ
の袋FBは、変形可能で、また、中に物を詰め込んだ状
態で持ち上げた時に破壊されないような強度を有する材
質で形成されたものを用いる。そして、袋FBを箱体2
0に入れ、袋FBの口元を鍔部22の上で広げた状態と
する。(図9(ロ))。 (3)固化処理ピット内などにおいて、掘削した堤体土
に所定量のセメント等の固化材を添加し、トレンチャー
などの攪拌混合機械により水と共に攪拌混合して固化処
理する(図10(ハ))。
Bの中に、まだ固まらない状態にある固化処理した堤体
土を入れる(図10(ニ))。そして、袋FBの口元を
ひもで絞り、口元を閉塞する。なお、固化された堤体土
と袋FBとにより本実施の形態では固化土塊SSが作ら
れる。 (5)次に、まだ固まらない状態の固化処理された堤体
土が詰められた袋FBを吊り上げ(図10(ホ))、所
定の場所に仮置きしてから、あるいは直接盛立て箇所に
運び、固まらない状態の堤体土が詰められた袋FBを並
べて上記のように補強土層Dを作る。
化したのち、袋FBすなわち固化土塊SSを並べて補強
土層Dを作ってもよいが、上記のように袋FBの中に詰
められた堤体土がまだ固まらないうちに、袋FBすなわ
ち固化土塊SSを並べて補強土層Dを作れば、固化土塊
SSは、下方の補強土層Dの固化土塊SSと、また、横
方向に隣り合う固化土塊SSとの間でそれらの一部が密
接し易く、補強盛土部Gの安定性を高める上で有利とな
る。なお、固化土塊SSを作る方法としては、前記のよ
うに袋FBを用いる方法の他に、例えば、まとまった量
の堤体土にセメント等の固化材を添加し、水と共に攪拌
混合して固化させた大きな塊を、バックホーなどにより
砕いていき、固化土塊SSを作る方法が挙げられる。
する。なお、第1の実施の形態と同一の箇所には同一の
符号を付して説明する。 (1)下部平坦部12に所定層厚のフィルター層(サン
ドマット層)SMを設ける(図11(イ))。 (2)フィルター層(サンドマット層)SMの上で、斜
面部14にフィルター層Fを設けながら所定厚さΔHま
で所定層厚で堤体土(掘削した堤体土)を播き出し・敷
き均してて、転圧しながら土層を複数積み重ねて堤体土
層E’を築造する(図11(ロ))。 (3)堤体土層E’の相互に間隔をおいた多数の箇所
に、それぞれ所定の形状をした窪み(窪み)RPを掘削
する(図11(ハ))。
から、また、掘削の効率性の点から、例えば、深さが1
m程度、直径が1m程度、窪み相互の間隔が1m程度で
施工される。なお、窪みRPの大きさは、堤体や補強盛
土部Gの規模により、また、用いる重機の種類によって
異なるが、堤体強度を確保する観点から、また、掘削の
効率性の点から、また、掘削した堤体土の強度などのよ
うな性状も考慮されつつ決定される。 (6)窪みRP内に、ピット内などで掘削した堤体土に
所定量のセメント等の固化材を添加し、トレンチャー等
の攪拌混合機械により水と共に攪拌混合して固化処理し
た堤体土を、まだ固化していない状態のうち投入する。
これにより窪みFP内に固化処理した堤体土が隙間なく
充填され、窪みFP内で固化させて固化土塊SSを作る
(図11(ニ))。これにより堤体土層E’と多数の固
化土塊SSにより補強土層Dが作られ、この状態を、図
12(ホ)に平面図で示す。 (7)そして、前記と同様に、この補強土層Dの上に、
堤体土により堤体土層E'を築造し、窪みRPを掘削
し、掘削窪みFP内に固化土塊SSを作って補強土層D
を作り(図12(ヘ))、このように補強土層Dを上方
に順次積み重ねながら補強盛土部Gを築造する。
する。なお、第1の実施の形態と同一の箇所には同一の
符号を付して説明する。 (1)下部平坦部12に所定層厚のフィルター層(サン
ドマット層)SMを設ける(図13(イ))。 (2)フィルター層(サンドマット層)SMの上で、斜
面部14にフィルター層Fを設けながら所定厚さΔHま
で所定層厚で堤体土(掘削した堤体土)を播き出し・敷
き均してて、転圧しながら土層を複数積み重ねて堤体土
層E’を築造する(図13(イ))。
多数の箇所において、固化処理機械により所定の形状・
容積の範囲内で堤体土層E'を掘り起こし、セメントな
どの固化材料を添加しながら原位置で水と共に攪拌混合
し、堤体土層E'中で固化土塊SSを直接作る(図13
(ロ))。これにより堤体土層E’と多数の固化土塊S
Sにより補強土層Dが作られる。なお、固化土塊SSの
大きさは前記と同様である。 (4)そして、この補強土層Dの上に、堤体土により堤
体土層E'を築造し、この堤体土層E'に固化処理機械に
より多数の固化土塊SSを直接作って補強土層Dを作
り、このように補強土層Dを上方に順次積み重ねながら
補強盛土部Gを築造する。
うな優れた効果が発生する。 1)市街化が進んだ地域のように堤体の両側あるいは片
側に押え盛土や腹付け盛土等の堤体補強用の追加盛土の
用地が確保できない場合でも堤体補強が可能である。 2)工事計画地の近くで堤体の補強用土が入手できない
場合でも、現状の堤体断面内でかつその堤体土を使用す
るため、堤体補強が可能である。 3)外部から補強用土を調達する場合には土取業者から
購入するかあるいは土取り場用地を購入する必要があ
る。この場合には現状土を除去して新たに入手した良質
土により再度盛土することになるが、掘削土の土捨て場
までの搬出や土捨て場の確保や、外部からの購入した良
質な土の搬入が必要である。この発明では新たな用地買
収(土取り場・土捨て場)や土砂の搬入・出を伴わずに
堤体補強が可能である。
いため、土砂運搬による交通渋滞の惹起や、廃棄ガスの
発生など近隣に及ぼす住環境の悪化がない。 5)既設堤体断面の変更が無いので経済的な補強が可能
である。 6)この固化土塊は堤体土に比較すると強度も大きく剛
性も高いが、土中にある間隔で配置されているので、あ
るいは積層状土塊でも隣り合う土塊間にある空隙のた
め、補強堤体部は地震等により堤体に大きな変形が生じ
ても旧堤体や周辺地盤の変形に追従し応力集中やクラッ
クの発生は生じない。
れば、小規模ダムや河川堤防などの堤体の安定性や耐久
性を、既設の堤体土を用いて向上させることが可能とな
る。また、押え盛土や腹付け盛土のような断面増加によ
る新たな用地が不要となり、外部への掘削発生土の捨土
や外部からの堤体補強用土の調達が不要(外部から土を
持ち込まず・持ち出さない)なため土捨て場や土取り場
が不要となり、これらにより済的にも優れた効果があ
る。また、固化土塊や土中への配置の仕方を工夫により
補強後の堤体を既設堤体より新たな用地を生じさせる経
済的な断面とすることも可能である。さらに、土運搬に
伴う排気ガスや交通渋滞に伴う自然破壊がないなどの周
辺への環境負担が大幅に減少させる効果が生じる。
明図である。
である。
法の工程図である。
法の工程図である。
法の工程図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 老朽化した小規模な貯水用ダムや河川堤
防などの土構造堤体を補強する方法であって、 前記土構造堤体の補強すべき部分を掘削し、 前記掘削により生じた堤体土にセメント等の固化材を混
合し固化させて多数の固化土塊を作り、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上に、前記多数の固
化土塊を平面的に並べると共に、それら固化土塊の相互
の隙間に前記掘削により生じた堤体土を埋め込んで補強
土層を作り、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、前記補強土層
を上方に順次積み重ねていくことで、前記補強すべき部
分に補強盛土部を築造するようにした、 ことを特徴とする土構造堤体の補強方法。 - 【請求項2】 前記多数の固化土塊を、前記掘削により
生じた堤体土にセメント等の固化材を混合し固化処理を
施して多数の変形可能な袋にそれぞれ詰め込んで作り、
このように固化土塊を、固化処理が施された堤体土と袋
とにより構成するようにしたことを特徴とする請求項1
記載の土構造堤体の補強方法。 - 【請求項3】 前記多数の固化土塊を、前記掘削により
生じた堤体土にセメント等の固化材を混合し固化処理を
施して多数の変形可能な袋にそれぞれ詰め込んで作り、
このように固化土塊を、固化処理が施された堤体土と袋
とにより構成し、前記補強土層を、前記掘削された土構
造堤体の掘削面上に、前記袋に詰め込まれた堤体土が固
化される前に、前記多数の固化土塊を互いに接しさせつ
つ平面的に並べると共に、それら固化土塊の相互の隙間
に前記掘削により生じた堤体土を埋め込んで作るように
したことを特徴とする請求項1記載の土構造堤体の補強
方法。 - 【請求項4】 老朽化した小規模な貯水用ダムや河川堤
防などの土構造堤体を補強する方法であって、 前記土構造堤体の補強すべき部分を掘削し、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、前記掘削によ
り生じた堤体土を敷き均し転圧して作った土層を複数順
次上方に積み重ねて堤体土層を築造し、 この堤体土層に相互に間隔をおいて多数の窪みを掘削
し、 これらの窪みに、前記掘削により生じた堤体土にセメン
ト等の固化材を混合して固化処理した堤体土を、まだ固
化される前の状態でそれぞれ投入して充填し、固化処理
した堤体土を窪み内で固化させて窪みの内部に固化土塊
を作って、前記堤体土層と多数の固化土塊からなる補強
土層を作り、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、前記補強土層
を上方に順次積み重ねていくことで、前記補強すべき部
分に補強盛土部を築造するようにした、 ことを特徴とする土構造堤体の補強方法。 - 【請求項5】 老朽化した小規模な貯水用ダムや河川堤
防などの土構造堤体を補強する方法であって、 前記土構造堤体の補強すべき部分を掘削し、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、前記掘削によ
り生じた堤体土を敷き均し転圧して作った土層を複数順
次上方に積み重ねて堤体土層を築造し、 この堤体土層の相互に間隔をおいた多数箇所において、
それぞれ掘り起こしつつこれら箇所の堤体土にセメント
等の固化材を混合し固化させて堤体土層の中で固化土塊
を作って、堤体土層と多数の固化土塊からなる補強土層
を作り、 前記掘削された土構造堤体の掘削面上で、前記補強土層
を上方に順次積み重ねていくことで、前記補強すべき部
分に補強盛土部を築造するようにした、 ことを特徴とする土構造堤体の補強方法。 - 【請求項6】 前記掘削された土構造堤体の掘削面と、
補強土層との境の部に、砂利や砂などからなり水の排水
を可能としたフィルター層を設けることを特徴とする請
求項1乃至5に何れか1項記載の土構造堤体の補強方
法。 - 【請求項7】 前記補強土層を上方に順次積み重ねてい
き、その表面を、掘削により生じた堤体土で覆うことで
前記補強盛土部を築造するようにしたことを特徴とする
請求項1乃至6に何れか1項記載の土構造堤体の補強方
法。
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JP2001210253A JP3506680B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 土構造堤体の補強方法 |
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