JPH11247114A - 部分排水性道路舗装構造とその構築方法 - Google Patents

部分排水性道路舗装構造とその構築方法

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JPH11247114A
JPH11247114A JP6190398A JP6190398A JPH11247114A JP H11247114 A JPH11247114 A JP H11247114A JP 6190398 A JP6190398 A JP 6190398A JP 6190398 A JP6190398 A JP 6190398A JP H11247114 A JPH11247114 A JP H11247114A
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JP
Japan
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road
pavement
pavement structure
mixture
side end
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JP6190398A
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English (en)
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Shokichi Hairi
昭吉 羽入
Bunichi Tatsushita
文一 達下
Akio Yoshimatsu
昭夫 吉松
Manabu Obata
学 小幡
Katsumi Eri
勝美 江里
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Nichireki Co Ltd
Original Assignee
Nichireki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 轍掘れに雨水や融雪水等が滞留することによ
ってもたらされる種々の不都合がなく、しかも、強度と
耐久性とを兼ね備え、簡単な作業で安価に構築できる舗
装構造とその構築方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 開粒度型舗装用混合物を用いて構築され
た排水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造
と隣接させて、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側
端にかけての部分に有する部分排水性道路舗装構造を提
供すると共に、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接
させて、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端にか
けての部分に開粒度型舗装用混合物を舗設し、道路側端
側車線のほぼ中央部から道路側端にかけての部分に排水
性舗装構造を構築する部分排水性道路舗装構造の構築方
法を提供することによって上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分排水性道路舗
装構造とその構築方法に関し、更に詳しくは、開粒度型
舗装用混合物を用いて道路側端側車線のほぼ中央部から
道路側端にかけての部分を排水性舗装構造とした新規な
部分排水性道路舗装構造とその構築方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】道路舗装は、通常、路床や路盤を整備し
て強固なものとした上に、耐流動性を十分に備えた舗装
用混合物を用いて構築されるのが原則であるが、それで
も、経年変化に伴う路床構造の変化や、通過車両による
繰り返し荷重、温度変化、その他種々の要因によって、
不等沈下や舗装表面の変形を招き、その影響は車両のタ
イヤ等が通過する頻度の高い部分に集中し、いわゆる轍
掘れという現象が発生する。轍掘れの発生する位置はま
ちまちであるが、通常、車線中央部を挟んで車線当たり
2本でき、一旦、轍掘れができてしまうと、後続車両も
自然とその部分を通過するようになるので、ますます顕
著なものとなっていくのが一般的である。
【0003】轍掘れの部分には、雨水や融雪水などが溜
まり易く、特に、道路側端側の轍掘れに溜まった雨水や
融雪水などは、車両通過時に跳ね上げられ、道路脇の人
家や商店などを汚すと共に、歩行者にも跳ね掛かり、種
々のトラブルの原因となることがある。また、運転者の
側からしても、轍掘れに雨水等が滞留していると、道路
脇の歩行者等に注意を払わなければならないだけでな
く、滞留水によってハンドルを取られたり、夜間に凍結
してスリップの原因となったりして、運転に支障をもた
らすものである。このように、轍掘れは、降雨、降雪の
多い日本にあっては、種々の問題を引き起こし、日本の
道路事情を不快なものとする一因であった。
【0004】しかしながら、従来、このような問題に対
する対策は十分には為されておらず、轍掘れの激しい道
路の舗装を取り除き、全面的に再構築するか、あるい
は、轍掘れの激しい箇所に点々と混合物を舗設して、部
分的に凹みを繕うことしか行われていないのが現状であ
る。舗装を全面的に再構築するのは、確かに1つの方法
ではあるが、費用が嵩み、再び轍掘れが生じた際には、
同様の問題が避けられないという欠点がある。また、轍
掘れの激しい箇所に部分的に混合物を充填舗設して凹み
を繕う方法は、充填箇所と非充填箇所との間に不要の段
差を生じ、運転者に不快な振動を与えるだけでなく、道
路としての美観を損ね、所詮その場しのぎのものでしか
ない。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術のもつ欠点を解決するために為されたもので、轍掘れ
に雨水や融雪水等が滞留することによってもたらされる
種々の不都合がなく、しかも、強度と耐久性とを兼ね備
え、簡単な作業で安価に構築できる舗装構造とその構築
方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、雨水や融雪水等が滞留
して特に不都合がもたらされるのは、専ら道路側端に近
い側の轍部であることに着目し、道路側端に近い側の轍
部を含む部分のみを排水性舗装構造とすることによって
上記課題が解決できることを見出して本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、開粒度型舗装用混合
物を用いて構築された排水性舗装構造を、既設もしくは
新設の他の舗装構造と隣接させて、道路側端側車線のほ
ぼ中央部から道路側端にかけての部分に有する部分排水
性道路舗装構造を提供すると共に、既設もしくは新設の
他の舗装構造と隣接させて、道路側端側車線のほぼ中央
部から道路側端にかけての部分に開粒度型舗装用混合物
を舗設し、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端に
かけての部分に排水性舗装構造を構築する部分排水性道
路舗装構造の構築方法を提供することによって上記課題
を解決するものである。
【0008】本発明の部分排水性道路舗装構造において
は、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端にかけて
の部分が、開粒度舗装用混合物を用いて構築される排水
性舗装構造である。道路側端側車線とは、上下方向合計
2車線(すなわち、片側1車線)の道路では、それぞれ
の車線であり、上下方向合計4車線以上(すなわち、片
側2車線以上)の道路では、それぞれの方向の車線のう
ち、道路側端側の車線のことである。通過車両の轍のう
ち、最も道路側端に近い轍は、通常、そのような道路側
端側車線のほぼ中央部から道路側端にかけての部分に存
在する。したがって、道路側端側車線のほぼ中央部から
道路側端にかけての部分とは、道路側端から道路側端に
最も近い轍部を含む道路の部分と言い換えることも可能
である。このように、道路側端側車線のほぼ中央部から
道路側端にかけての部分を排水性舗装構造としておけ
ば、たとえ将来、轍掘れが出来たとしても、その部分に
雨水や融雪水等が滞留することはなく、沿道の人家や歩
行者に滞留水を跳ね掛けることもない。しかも、道路全
幅を排水性舗装構造とするものではないので、道路全体
としての強度や耐久性を損なうことがなく、施工上も安
価である。
【0009】本発明においては、開粒度舗装用混合物を
用いて構築される排水性舗装構造は、既設もしくは新設
の他の舗装構造と隣接して構築される。他の舗装構造と
は、本発明において開粒度型舗装用混合物を用いて構築
される排水性舗装構造以外の舗装構造を言い、通常は、
加熱混合物を用いて構築される密粒度型の舗装構造であ
るのが一般的である。本発明においては、そのような既
設の他の舗装構造の一部を、補修などの目的で一部削除
し、削除した部分に開粒度型舗装用混合物を舗設して排
水性舗装構造を構築しても良いし、新たに道路舗装を構
築する際に、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端
にかけての部分に開粒度型舗装用混合物を舗設して排水
性舗装とし、ほぼ同時に新設される他の舗装構造と隣接
するようにしても良い。
【0010】本発明で使用する開粒度舗装用混合物と
は、排水性舗装を構築するのに適したもので、好ましく
は、空隙率が10〜30%の範囲のものである。排水性
舗装を構築するのに適したものであるならば、その成分
や配合割合に特に制限はないが、典型的には、骨材を主
材料とし、これに、アスファルト、アスファルト乳剤、
ないしは水硬性無機材料などを混合して得られるもので
ある。
【0011】また、本発明においては、構築される排水
性舗装構造は、通常、舗装体表層部を構成する単層とし
て構築される。このようにすることによって、既設舗装
の一部を削除して、その部分に開粒度型舗装用混合物を
舗設する場合においても、また、新たに道路舗装を構築
する場合にあっても、簡単な作業で、かつ、簡便に部分
排水性舗装構造を構築することが可能となる。
【0012】本発明における排水性舗装構造の部分には
導水パイプを内蔵させておくことが望ましい。導水パイ
プを敷設しておくことにより、排水性舗装構造からの排
水を効率的に集水し、集水桝に排出することが可能とな
る。なお、本発明における排水性舗装構造の部分と、集
水桝との間を、適宜、水抜き孔によって連通させておく
ことは言うまでもない。
【0013】本発明においては、排水性舗装構造と既設
もしくは新設の他の舗装構造との接合部を、細骨材、ア
スファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合物
によって、充填、一体化することにより、排水性舗装構
造と既設又は新設の他の舗装構造とを強固に密着、一体
化することもまた1つの大きな特徴である。開粒度型舗
装用混合物を用いて構築した排水性舗装構造と既設もし
くは新設の他の舗装構造との接合部には段差が生じ易
く、また、接合部においては密度や滑り抵抗などが不連
続になるため、接合部は、車両の通行によって最も損傷
を受け易い箇所である。本発明においては、接合部ない
しはその周辺部に、細骨材、アスファルト乳剤、およ
び、水硬性無機材料を含む混合物を流し込み、少なくと
も排水性舗装構造の空隙部を充填し、既設もしくは新設
の他の舗装構造と一体化させることにより、接合部を補
強する。このようにすることによって、部分排水性道路
舗装構造に十分な耐久性を付与することが可能となるも
のである。
【0014】本発明においては、通常、道路側端から最
も近い車線のほぼ中央までの部分に開粒度型舗装用混合
物を用いて排水性舗装が構築されるが、排水性舗装が構
築される領域は、必ずしも道路側端又はその近傍を含む
必要はなく、場合によっては、道路側端からある程度距
離を置いたところから排水性舗装を構築しても良い。ま
た、上下車線の区別のない道路にあっては、道路側端に
近い轍部を含む部分に排水性舗装を構築すれば良い。本
発明は、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端にか
けての部分以外の部分にも別途排水性舗装構造を備えた
舗装構造を決して排除するものでない。
【0015】本発明の部分排水性道路舗装構造並びにそ
の構築方法が適用される道路とは、一般道路、高速道路
のみならず、工場等の構内道路、駐車場、広場、飛行
場、港湾施設等、舗装され、車両等が通行する全ての場
所を含み、それぞれの場所において、車両等が通行する
ことによって道路側端に最も近い轍部に滞留する雨水等
が不都合をもたらす全ての場所に適用されるものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の部分排水性道路舗
装構造とその構築方法について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の部分排水性道路舗装構造
の断面の一例を示す図であり、図1において、符号1は
本発明の部分排水性道路舗装構造を、2は排水性舗装構
造を、3は既設舗装の表層を、4は既設の非排水性舗装
の基層を、5は既設舗装の上層路盤を示す。6は排水性
舗装構造2の内部に埋設された導水パイプ、7はL字
溝、8は車両のタイヤ、9は轍掘れによる既設舗装の表
層底部である。
【0018】図1の場合、排水性舗装構造2は、既設舗
装の表層3を、車線のほぼ中央部から道路側端にかけて
部分的に削り取り、その後に、開粒度型舗装用混合物を
舗設することによって構築される。図示の例にあって
は、既設舗装の轍掘れ部分に相当する表層3の底部9
は、一部、削り取られずに残され、その上に排水性舗装
構造2が構築されているが、既設舗装の残された表層3
の厚さが足りない場合には基層4を一部含めて削り取っ
たり、道路側端部で沈下が激しい場合には、轍掘れ以外
の部分においても既設舗装の表層3を残すようにしても
良い。いずれにしても、舗設される開粒度型舗装用混合
物によって構築される排水性舗装構造が、通常、舗装体
の表層を構成するような厚さになるように既設舗装を削
り取るのが好ましい。好ましい排水性舗装構造2の厚さ
は3〜10cm程度である。排水性舗装構造2の厚さが
3cm未満であると、決して実施できないという訳では
ないが、十分な排水能力が得られず、また、10cmを
越えると、構築費用が増大する割には排水能力は増大せ
ず、不経済である。
【0019】削り取られた箇所には開粒度型舗装用混合
物が搬入され、敷き均され、十分に転圧されることによ
り舗設される。開粒度型舗装用混合物の搬入に先立っ
て、開粒度型舗装用混合物が舗設される部分の基層4な
いしは表層3の上面や例えばL字溝7などの露出面等に
タックコートを施したり、基層4ないしは表層3の上面
に図示しない防水シートをアスファルト系溶剤型接着剤
などで接着しておくのが望ましい。そのようにしておく
ことにより、排水性舗装構造2に浸透してきた雨水等の
水は、基層4に浸透することなく、導水パイプ6に集め
られ、集水桝に排出される。集水桝を側溝等の適宜の位
置に予め設けておくことは勿論である。
【0020】導水パイプ6としては、ステンレス鋼材を
スパイラル状に捲回したものや、ガラス繊維、天然繊
維、合成繊維、人造繊維、炭素繊維、金属繊維、金属線
などで網状もしくはメッシュ状に形成された管、強化耐
熱性合成樹脂管に多数の孔をあけた有孔管、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊
維や炭素繊維の不織布で管状に形成されたものなどを用
いることができる。なお、導水パイプ6の断面形状は円
に限られるものではなく、三角、四角、楕円等、種々の
形態が可能である。導水パイプ6の直径は10〜30m
mが好ましく、従って、導水パイプ6を埋設する場合に
は、排水性舗装構造2の厚さもそれ以上が要求されるの
は勿論である。
【0021】排水性舗装構造2が構築される位置は、道
路側端に最も近い轍部が含まれるような位置であって、
排水性舗装構造2の道路側端部からの幅Xは、通常、1
00〜350cm、好ましくは200〜300cmの範
囲であるが、道路側端も最も近い轍部が含まれるような
幅であるなら、何も上記特定の数値範囲に限られる訳で
はない。また、排水性舗装構造2の幅Xは、常に一定で
ある必要はなく、道路幅が変動し、側帯幅が変動してい
るような場合には、変動するのが当然である。なお、図
1の例においては、道路側端に接して排水性舗装構造を
構築しているが、排水性舗装構造の構築位置は、必ずし
も道路側端に接する必要はなく、道路側端から一定距離
をおいて設けるようにしても良い。そのような場合に
は、道路側端に接して残る既設舗装部分に、集水桝に通
ずる水抜き孔を設けることが必要であるのは言うまでも
ない。また、降雪地帯にあっては、排水性舗装構造を構
築するに際して、排水性舗装構造下部に図示しない電熱
マットや温水パイプ等の融雪装置を埋設しておくのが好
ましい。
【0022】排水性舗装構造2と既設舗装の表層3との
接合部には段差が生じ易く、また、密度や滑り抵抗に不
連続性があるので、車両の通行等によって、排水性舗装
構造2が損傷を受ける危険性がある。そこで、図1に示
すように、モルタル状の混合物10を接合部とその周辺
部に流し込み、接合部とその周辺部における空隙を充填
して、排水性舗装構造2と既設舗装との密着性を向上さ
せ、両者を一体化するのが望ましい。このようにするこ
とによって、例えば、既設舗装の表層3に、図示しない
角欠部等が存在したとしても、モルタル状の混合物10
によって充填され、強固な接合部を形成することができ
る。モルタル状の混合物10は、既設舗装の表層3上を
約1〜2mm程度の厚さで一部覆うように流し込むのが
良く、モルタル状混合物10の充填幅Yは5〜30cm
程度、好ましくは7〜25cm程度、また表層3を覆う
幅Zは2〜10cm程度、好ましくは3〜7cm程度が
十分な接合性を得る上で望ましい。このように、排水性
舗装構造と非排水性舗装構造との接合部をモルタル状混
合物10によって充填、一体化することにより、本発明
の部分排水性道路舗装構造の耐久性は一層向上する。モ
ルタル状混合物10によって接合部とその周辺部を充填
した後、必要に応じて、排水性舗装構造2の上部に、ア
クリル系、エポキシ系の樹脂を散布してトップコートを
行っても良い。
【0023】図2は、本発明の部分排水性道路舗装構造
を新規に構築する場合の一例を示し、図1と同じものに
は同じ符号を付してある。図2において、11は道路の
センターラインを、12は型枠を、13は型枠12固定
するアンカーボルトを示し、14は路側帯、15は第1
車線、16は第2車線を示す。部分排水性道路舗装構造
は、基層4までを通常の方法で構築したのち、まず、セ
ンターライン11から第1車線15のほぼ中央部までを
型枠12、12で囲み、型枠12、12間に通常の密粒
度型アスファルト混合物を投入し、敷き均して、転圧す
ることによって行われる。転圧後、非排水性舗装の表層
3が常温にまで十分冷えた状態にあることを確認した
後、道路側端側の型枠12を取り除き、第1車線15の
中央部から道路側端との間に開粒度型舗装用混合物を搬
入する。搬入に先立ち、タックコートを施したり、防水
シートを敷設したり、更には、導水パイプ6を敷設した
りするのは、図1の場合と同様である。
【0024】次いで、搬入された開粒度型舗装用混合物
を敷き均し、転圧して、排水性舗装構造2を構築する。
続いて、排水性舗装構造2と表層3との接合部にモルタ
ル状混合物を流し込み、接合部とその周辺部を充填し、
排水性舗装構造2と表層3とを密着一体化するのも図1
の場合と同様である。必要に応じてトップコートを行っ
ても良いことは勿論である。
【0025】次に、本発明で使用する開粒度型舗装用混
合物とモルタル状混合物について説明する。
【0026】〈開粒度型舗装用混合物〉本発明で使用す
る開粒度型舗装用混合物は、排水性舗装を構築するのに
適したものであればどのようなものを用いても良いが、
好ましくは、粗骨材及び/又は細骨材を主材料とし、ア
スファルトを結合材として、これらを撹拌、混合して得
られるものである。混合は、典型的には次のような手順
で行われる。すなわち、まず、骨材並びにアスファルト
を、別々に、160〜180℃程度に加熱しておき、そ
の加熱状態にある骨材をミキサーに入れ、20〜30秒
程度空撹拌する。次に、同じく加熱状態にあるアスファ
ルトをミキサーに入れ、更に混合を続けると、1〜2分
で両者の混合状態は十分なものとなり、トラック等で施
工現場に運ばれる。なお、このような開粒度型舗装用混
合物の製造は施工現場で行っても良いことは勿論であ
る。また、顔料等を添加して有色の開粒度舗装用混合物
としても良い。
【0027】本発明で使用する開粒度型舗装用混合物に
使用する骨材としては、社団法人日本道路協会発行の
「アスファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨
材であればどのようなものでも使用でき、例えば、砕
石、玉砕、砂利、鉄鋼スラグ等があり、また、これらの
骨材にアスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材お
よび再生骨材なども使用できる。その他、これに類似す
る粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量
骨材、陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、アルミニ
ウム粒、プラスチック粒、セラッミックス、エメリー等
も使用することができる。
【0028】本発明で使用する粗骨材としては、一般的
には、粒径範囲2.5〜5mmの7号砕石、粒径範囲5
〜13mmの6号砕石、粒径範囲が13〜20mmの5
号砕石、あるいは、これらの1種または2種以上を混合
した砕石や、合成された砕石等を使用することができ
る。これら骨材に、骨材に対して0.3〜2重量%程度
のアスファルト乳剤やストレートアスファルト、エポキ
シ樹脂とその硬化剤、ゴムや合成樹脂などで被覆したも
のも使用できる。
【0029】また、本発明で使用する細骨材とは、2.
5mmフルイを通過するもので、例えば、川砂、丘砂、
山砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、
人工骨材、石粉、焼却炉灰、クレー、タルク、フライア
ッシュ、カーボンブラックなどであるが、このほか、ゴ
ム粉粒、コルク粉粒、木質粉粒、樹脂粉粒、パルプ、人
工骨材等が挙げられ、これらの細骨材は、その1種もし
くは2種以上を用いることができる。
【0030】本発明に用いられるアスファルトとして
は、天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブロ
ーンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱
瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)
などの石油アスファルトが使用される。これらのアスフ
ァルトは、単独で使用しても良く、また、2種以上を混
合して使用しても良い。
【0031】アスファルトと骨材との混合物の性能をよ
り確実なものとするために、アスファルトを改質するの
が良い。改質アスファルトに使用するゴム及び熱可塑性
高分子重合物としては、例えば、天然ゴム、ガタバーチ
ャ、環化ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・
イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロス
ルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、EP
Tゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合ゴ
ムなどのゴム、及び、エチレン・酢酸ビニール共重合
物、エチレン・エチルアクリレート共重合物、ポリエチ
レン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可
塑性高分子重合物であり、これらの1種もしくは2種以
上が併用して使用される。
【0032】上記のゴムや熱可塑性高分子重合物ととも
に、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、
液状樹脂、軟化剤などを添加することができる。例え
ば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とそ
の誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成
テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポ
リブタジエン、ポリブデン、イソブチレンとブタジエン
との共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アン
トラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油などで
ある。また、老化防止剤、酸化防止剤、硫黄等も添加す
ることができる。
【0033】改質アスファルト中のアスファルトと、ゴ
ム及び熱可塑性高分子重合物との配合割合は、アスファ
ルト100重量部に対してゴム及び熱可塑性高分子重合
物が通常、2〜100重量部の範囲が好ましい。ゴム及
び熱可塑性高分子重合物の量が2重量部未満では、改質
アスファルトとしての性能を発揮することができず、骨
材間の接着力や把握力が一般のアスファルトと余り変わ
らないのに対して、100重量部を越えると、凝集力が
強すぎて、かえって骨材からの剥離が生じて骨材の飛散
を起こし易い。また、上記のアスファルトとしては、使
用後の特性を考慮して、針入度(25℃)が40〜12
0程度のものを使用するのが好ましい。
【0034】本発明で使用する開粒度舗装用混合物は、
典型的には、上記の骨材並びにアスファルトを撹拌、混
合して製造される。使用する骨材の粒度、及び、骨材と
アスファルトの配合割合に特に制限はなく、結果として
空隙率10〜30%の混合物が得られれば良いが、その
典型的な骨材粒度及び配合割合を示せば表1のとおりで
ある。なお、空隙率とは、混合物を通常の方法で転圧し
締め固めた状態で空中並びに水中での重量を測定し、
(空中重量)/{(空中重量)−(水中重量)}なる関
係式で実際の密度を求め、次いで、(空隙率%)=10
0−100×{(実際の密度)/(理論密度)}なる式
によって得られる値である。
【0035】
【表1】
【0036】また、本発明で使用する開粒度舗装用混合
物としては、骨材100重量部に対して、アスファルト
乳剤0〜15重量部、水硬性無機材料1〜15重量部を
配合し、混合した常温舗装用混合物を使用することもで
きる。この混合物は、常温で施工することができるの
で、材料の加熱に伴うCO2 の発生がなく、作業性が良
いだけでなく、地球環境にも影響を与えることの少ない
優れた舗装用材料である。使用する骨材は、上記開粒度
舗装用混合物に使用するのと同様のものが使用でき、ま
た、アスファルト乳剤及び水硬性無機材料としては、以
下に述べるモルタル状混合物に使用するのと同様のもの
が使用できる。
【0037】〈モルタル状混合物〉次に、本発明で使用
するモルタル状混合物について説明する。
【0038】本発明で使用するモルタル状混合物は、細
骨材とアスファルト乳剤と水硬性無機材料とを主成分と
し、これらを混合撹拌して製造したものである。使用す
る細骨材としては、開粒度型舗装用混合物に使用するも
のと同じものが使用でき、アスファルト乳剤の典型的な
配合割合は、細骨材100重量部に対して10〜50重
量部、好ましくは、20〜40重量部の範囲である。ア
スファルト乳剤の量が10重量部未満、もしくは、50
重量部超では、決して使用できないという訳ではない
が、良好な混合物が得られ難いという不都合がある。ま
た、水硬性無機材料の典型的な配合割合は、細骨材10
0重量部に対して0〜10重量部、好ましくは、1〜6
重量部の範囲である。水硬性無機材料の量が10重量部
を越えると、決して使用できないという訳ではないが、
良好な混合物が得られ難くなる。
【0039】モルタル状混合物に使用するアスファルト
乳剤とは、レーキアスファルト等の天然アスファルト、
ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミ
ブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト(例え
ば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石油アスファル
ト、重油、タール、ピッチ等の1種、または2種以上を
混合した瀝青物を、各種界面活性剤やクレー(例えばベ
ントナイト)などの乳化剤を用い、さらには、アルカ
リ、酸、塩、分散剤、保護コロイドなどを必要に応じて
添加して、コロイドミル、ホモジナイザー、ホモミキサ
ーなどの適当な乳化機によって、水中に乳化させたもの
である。
【0040】乳化剤としては、カチオン系、アニオン
系、両性系のいずれをも用いることができる。
【0041】本発明で使用できるカチオン系の乳化剤と
しては、長鎖アルキル基を有する脂肪族あるいは脂環族
のモノアミン、ジアミン、トリアミン、アミドアミン、
ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒドロキシアルキ
ルジアミン、ロジンアミン、これらアミン類の酸化エチ
レン付加物、アミンオキサイド、または、これらのアミ
ン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸などの酸
を作用させた水溶性ないし水分散性の塩、さらには、こ
れらのアミン系界面活性剤の第四級アンモニウム塩等が
挙げられる。また、これらの界面活性剤と共に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピ
レンブロックコーポリマーなどのノニオン系界面活性剤
を併用することもできる。
【0042】本発明で使用できるアニオン系の乳化剤と
しては、高級アルコール硫酸エステル、アルキルアリル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αオレ
フィンスルホン酸塩、高級アルコールエトオキシレー
ト、高級アルコールエトオキシレートサルフェート、石
鹸、ナフタリンスルホン酸塩およびホルマリン変性物、
アルカリリグニン塩、リグニンスルホン酸塩、カゼイン
のアルカリ塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0043】本発明で使用できる両性系の乳化剤として
は、アルキルフェノール、モノおよび多価アルコール
酸、脂肪族類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド類、エタ
ノールアミン類等のアルキレンオキシドの付加物、など
が挙げられる。
【0044】また、アスファルト乳剤に用いられる分散
剤や保護コロイドとしては、ナフタリンスルホン酸ソー
ダ、カゼイン、アルギン酸、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、リグニンスルホン酸塩、ニトロフミン酸塩等が挙げ
られる。
【0045】本発明に使用されるアスファルト乳剤とし
ては、上記乳化分散される瀝青物に、ゴム及び熱可塑性
高分子重合物から選ばれる1種または2種以上を、直接
混和するポストミックスタイプによる方法で改質した改
質アスファルト乳剤を用いることもできる。
【0046】改質アスファルト乳剤に使用されるゴム及
び熱可塑性高分子重合物は、例えば、天然ゴム、ガタバ
ーチャ、環化ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、
EPTゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重
合ゴムなどのゴム、及び、エチレン・酢酸ビニール共重
合物、エチレン・アクリレート共重合物、ポリエチレ
ン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可塑
性高分子重合物であり、これらの1種もしくは2種以上
が併用して使用される。これらは、例えば、粉末状、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものであり、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものはポストミ
ックスタイプの方法による改質アスファルト乳剤に専ら
使用されるが、プレミックスタイプの方法による改質ア
スファルト乳剤に使用しても良い。
【0047】上記のゴムや熱可塑性高分子重合物ととも
に、接着性や相溶性を改善するために、粘着付与剤とし
て熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、
可塑剤などを添加しても良い。例えば、ロジンとその誘
導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッ
ド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール
樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アル
キレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、イソ
ブチレンとブタジエンとの共重合物、鉱油、プロセスオ
イル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動
植物油、重合油などである。また、老化防止剤、酸化防
止剤、硫黄等も添加することができる。さらにまた、改
質アスファルト乳剤の粘度調整を目的に、MC、CM
C、HEC、PVA、ゼラチンなどの水溶性高分子保護
コロイドを添加することも可能である。
【0048】改質アスファルト乳剤中のアスファルト
と、ゴム及び熱可塑性高分子重合物との配合割合は、ア
スファルト100重量部に対してゴム及び熱可塑性高分
子重合物が10〜100重量部程度、好ましくは、20
〜50重量部程度である。ゴム及び熱可塑性高分子重合
物の量が10重量部未満では、改質アスファルト乳剤が
分解、硬化した後における改質アスファルト乳剤の骨材
に対する接着力、把握力が劣るのに対し、100重量部
を越えると、凝集力が強すぎて、かえって骨材からの剥
離が生じ易く、また、経済的でない。また、改質アスフ
ァルト乳剤中のアスファルトとしては、分解、硬化した
後の特性を考慮して、針入度(25℃)が40〜300
程度のものを使用するのが好ましい。改質アスファルト
乳剤の蒸発残留物(固形物)濃度は、通常、40〜80
重量%程度であるが、本発明では、なるべく濃度の高い
ものが望ましい。
【0049】また、これらのアスファルト乳剤には、耐
熱性向上や、紫外線等による劣化防止、作業性向上、並
びに接着性向上等の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加
剤、粘度調整剤などを添加しても良い。
【0050】アスファルト乳剤の分解は自然分解に頼る
のが一番であるが、場合によっては、分解剤を使用して
強制的に分解させても良い。
【0051】本発明のモルタル状混合物に使用する水硬
性無機材料としては、セメント、無水石膏、半水石膏、
粉末状スラグなどが挙げられる。
【0052】使用するセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポル
トランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、アルミナセメント、膨張セメント、高炉コロイドセ
メント、コロイドセメント、超速硬セメント、白色セメ
ント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩セメント、ジ
ェットセメントなどが挙げられる。これらの水硬性無機
材料は、その1種もしくは2種以上を併用することも可
能で、更には、水や、公知のセメント用混和材料、例え
ば、収縮補償材、硬化促進材、硬化遅延材、分散剤、空
気連行剤、増粘剤、減水剤、充填剤などを併用すること
も可能である。
【0053】本発明で使用するモルタル状混合物は、上
述したような骨材、水硬性無機材料、アスファルト乳剤
を混合撹拌して製造することができる。混合は、アスモ
ルミキサー等を用いて行い、典型的には次のような手順
で行われる。すなわち、まず、ミキサーの中に細骨材と
水硬性無機材料とを入れ、20〜40秒撹拌する。次い
で、アスファルト乳剤をミキサーに入れ、30〜60秒
程度混合、撹拌する。アスファルト乳剤中の水分で十分
な混合性が得られるが、混合性が不十分な場合には水を
適宜添加して、混合性を良好にすることができる。水は
水道水、工業用水が良いが、淡水であれば良く、河川
水、湖沼水などを使用しても特に支障はない。得られる
混合物はスラリー状であり流動性に優れている。
【0054】以下、実施例を用いて、本発明を更に説明
するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないこ
とは勿論である。
【0055】
【実施例1】工場敷地内の構内道路の既設舗装を、轍掘
れ部を含めて、道路側端から2.5mの幅で10mの長
さに渡って帯状に削り取った。削り取りは、加熱装置を
有する路面切削機を使用し、切削深さは5cmであっ
た。露出した既設舗装面及びL字溝の露出面に、カチオ
ゾール(ゴム入りアスファルト乳剤、ニチレキ(株)
製)を0.8リットル/m2 散布し、タックコートとし
た。散布はエンジンスプレヤーを用いて行った。タック
コート後、導水パイプ(ステンレス鋼製、直径17m
m)をL字溝に沿って配設し、導水パイプの端部を集水
桝中に誘導した。続いて、運搬用トラックから開粒度型
舗装用混合物を既設舗装の切削部後に点々と分散置き
し、レーキやスコップで一様な厚さになるように敷き均
した。敷き均し厚は、後の転圧減を考慮して7cmとし
た。敷き均し後、振動ローラーとバイブレーターを用い
て転圧した。
【0056】開粒度型舗装用混合物に使用した材料及び
配合割合は以下の通りであった。 骨材:100重量部 粗骨材:6号砕石(茨城県笠間産) 81.4重量% 細骨材:中目砂(栃木県鬼怒川産) 12.4重量% フィラー:石粉(東京都西多摩産) 6.2重量% 上記の配合で得られる骨材の合成粒度を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】アスファルト:4.9重量部 改質アスファルト:商品名「タフファルトスーパー」
(ニチレキ(株)製)使用したアスファルトの性状は以
下のとおり。 針入度(25℃) 53(1/10mm) 伸度(15℃) 94(cm) 軟化点 87(℃) 引火点 336(℃) フラース脆化点 −26(℃) 薄膜加熱質量変化 +0.02(%) タフネス(25℃) 266(kgf・cm) テナシティ(25℃) 215(kgf・cm) 粘度(60℃) 91(poise)
【0059】得られた混合物の一部を取り、別途物性試
験を行ったところ、次のような結果が得られた。 密度 1.997(g/cm3) マーシャル安定度 611(kgf) マーシャルフロー値 24(1/100cm) 空隙率 20.1(%) 動的安定度 4830(回/mm) すり減り減量 0.83(cm2
【0060】上記開粒度型舗装用混合物の舗設後、既設
舗装との接合部に、細骨材とアスファルト乳剤と水硬性
無機材料とからなるモルタル状混合物を流し込み、充填
した。モルタル混合物に使用した材料は次のとおりであ
った。
【0061】 細骨材及び水硬性無機材料:細骨材と、水硬性無機材料としての早強ポルトラ ンドセメントとの混合物。早強ポルトランドセメ ントの細骨材に対する配合割合は、細骨材100 重量部に対して、2重量部。(商品名:ロメンパ ッチ(ニチレキ(株)製。荷姿3.5kg/袋) ) アスファルト乳剤 :改質アスファルト乳剤 改質アスファルト中の固形分の性状 針入度(25℃) 62(1/10mm) 軟化点 58(℃) 蒸発残留物 42(%) (商品名:パックゾール(ニチレキ(株)製。荷姿 1リットル/紙箱))
【0062】上記ロメンパッチ3.5kgに対して、パ
ックゾール1リットルを混合し、撹拌すると、約15秒
程度で、モルタル状混合物が得られた。得られたモルタ
ル状混合物の一部を取り、別途物性試験を行ったところ
次のような結果を得た。 〈硬化前の性状〉 可使時間(11℃) 8(分) 硬化時間(11℃) 25(分) 〈硬化後の性状〉 マーシャル安定度 385(kgf) マーシャルフロー値 42(1/100cm)
【0063】上記モルタル状混合物を、接合面から既設
舗装側へ5cm、排水性舗装側へ20cmの幅で流し込
み、モルタル状混合物が十分に浸透するのを待って、溢
れたモルタル状混合物が接合面を跨いで接合面両側の舗
装体表面を1〜2mmの厚さで覆うようにゴムレーキで
敷き広げた。モルタル状混合物は5〜7分程度で固化
し、接合面を強固に一体化、結合した。
【0064】舗設後、1日の養生期間をおいて、散水車
で散水したが、排水性舗装構造部分からの水の浸透、排
出は速やかに行われ、散水直後に車両が通行しても水跳
ねは見られなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性舗装
構造と既設舗装との接合部周辺から、コアーボーラーで
5個のサンプルコアーを抜き取り観察したが、開粒度型
舗装用混合物の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部はモ
ルタル状混合物によって完全に充填されていた。
【0065】
【実施例2】上下方向合計2車線の内の片車線側に、長
さ20mの範囲で、部分排水性舗装を新たに構築した。
基層構築後、タックコートとしてゴム入りアスファルト
乳剤(商品名:カチオゾールGM(ニチレキ(株)
製))を0.8リットル/m2 散布した。散布後、セン
ターラインを挟んで、上下車線のほぼ中央部までの範囲
を型枠で囲み、密粒度加熱アスファルト混合物を舗設、
転圧した。舗設した密粒度加熱アスファルト混合物が常
温にまで十分冷えたことを確認し、型枠を取り除き、L
字溝に沿って実施例1と同じ導水パイプを敷設した。続
いて、同じタックコートを、露出している基層表面及び
L字溝表面に散布し、それぞれの車線のほぼ中央部から
道路側端までの間に、実施例1で用いたのを同じ開粒度
舗装用混合物を舗設して開粒度舗装を5cmの厚さで舗
設した。
【0066】開粒度型舗装用混合物の舗設後、実施例1
と同じモルタル状混合物を用いて接合部を充填、一体化
した。実施例1と同じく、1日の養生期間をおいて、道
路側端部に散水車で散水したが、排水性舗装構造からの
水の浸透、排出は速やかに行われ、車両が通行しても水
跳ねすることはなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性
舗装構造と既設舗装との接合部周辺から、コアーボーラ
ーで5個のサンプルコアーを抜き取り観察したが、開粒
度型舗装用混合物の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部
はモルタル状混合物によって完全に充填されていた。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明は、道路側端側の
車線のほぼ中央部から道路側端までの部分に、既設もし
くは新設の他の舗装構造と隣接して開粒度型舗装用混合
物による排水性舗装構造を構築するものであるので、例
えば、轍掘れがあったり、将来轍掘れが発生したりした
としても、雨水や融雪水等が轍部に滞留することがな
く、車両の通行に伴う水跳ねや、滞留した水によってハ
ンドルを取られる等の恐れがないものである。また、本
発明においては、排水性舗装構造は、表層を構成する単
層として構築されるので、施工が簡単で、かつ、経済的
にも優れたものである。しかも、排水性舗装構造と既設
もしくは新設の他の舗装構造との接合部にモルタル状混
合物を流し込み、接合部を充填して一体化するので、極
めて耐久性に富む部分排水性道路舗装構造が得られるも
のである。このように、本発明は、種々の優れた効果を
有するものであり、産業上、極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の部分排水性道路舗装構造の一例を示
す断面図である。
【図2】 本発明の部分排水性道路舗装構造の他の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 部分排水性道路舗装構造 2 排水性舗装構造 3 表層 4 基層 5 路盤 6 導水パイプ 7 L字溝 8 車両タイヤ 9 轍掘れ部の基層底部 10 モルタル状混合物 11 センターライン 12 型枠 13 アンカーボルト 14 路側帯 15 第1車線 16 第2車線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小幡 学 静岡県富士市伝法2401番地2号 エンゼル ハイム伝法108 (72)発明者 江里 勝美 鳥取県米子市米原1丁目3番地28号 エス テートサンフレッシュ303

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開粒度型舗装用混合物を用いて構築され
    た排水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造
    と隣接させて、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側
    端にかけての部分に有する部分排水性道路舗装構造。
  2. 【請求項2】 道路側端側車線のほぼ中央部から道路側
    端にかけての排水性舗装構造が、道路側端に最も近い轍
    部を含むものである請求項1記載の部分排水性道路舗装
    構造。
  3. 【請求項3】 道路側端側車線のほぼ中央部から道路側
    端にかけての排水性舗装構造が、表層部を構成する単層
    としてのみ存在する請求項1または2記載の部分排水性
    道路舗装構造。
  4. 【請求項4】 排水性舗装構造が導水パイプを内蔵する
    請求項1、2または3記載の部分排水性道路舗装構造。
  5. 【請求項5】 開粒度型舗装用混合物が、空隙率10〜
    30%の範囲にある舗装用混合物である請求項1、2、
    3または4記載の部分排水性道路舗装構造。
  6. 【請求項6】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の他
    の舗装構造との接合部ないしはその周辺部が、細骨材、
    アスファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合
    物によって、充填、一体化されている請求項1、2、
    3、4または5記載の部分排水性道路舗装構造。
  7. 【請求項7】 既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接
    させて、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端にか
    けての部分に開粒度型舗装用混合物を舗設し、道路側端
    側車線のほぼ中央部から道路側端にかけての部分に排水
    性舗装構造を構築する部分排水性道路舗装構造の構築方
    法。
  8. 【請求項8】 既設の舗装構造の一部を削り取り、削り
    取ったあとに開粒度型舗装用混合物を舗設する請求項7
    記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  9. 【請求項9】 道路側端側車線のほぼ中央部から道路側
    端にかけての部分の表層部を除いて他の舗装構造を構築
    し、次いで、道路側端側車線のほぼ中央部から道路側端
    にかけての部分の表層部に開粒度型舗装用混合物を舗設
    する請求項7記載の部分排水性道路舗装構造の構築方
    法。
  10. 【請求項10】 道路側端から道路側端に最も近い轍部
    を含む幅で排水性舗装構造を構築する請求項7、8また
    は9記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  11. 【請求項11】 導水パイプを敷設し、次いで、開粒度
    型舗装用混合物を舗設する請求項7、8、9または10
    記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  12. 【請求項12】 開粒度型舗装用混合物が、空隙率10
    〜30%の範囲にある舗装用混合物である請求項7、
    8、9、10または11記載の部分排水性道路舗装構造
    の構築方法。
  13. 【請求項13】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の
    他の舗装構造との接合部に、細骨材、アスファルト乳
    剤、および、水硬性無機材料を含む混合物を流し込み、
    接合部とその周辺部を充填、一体化する請求項7、8、
    9、10、11または12記載の部分排水性道路舗装構
    造の構築方法。
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