JPH11247117A - 部分排水性道路舗装構造とその構築方法 - Google Patents

部分排水性道路舗装構造とその構築方法

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JPH11247117A
JPH11247117A JP6192498A JP6192498A JPH11247117A JP H11247117 A JPH11247117 A JP H11247117A JP 6192498 A JP6192498 A JP 6192498A JP 6192498 A JP6192498 A JP 6192498A JP H11247117 A JPH11247117 A JP H11247117A
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JP
Japan
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pavement
pavement structure
road
mixture
drainage
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JP6192498A
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English (en)
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Norio Meshida
紀雄 召田
Bunichi Tatsushita
文一 達下
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Nichireki Co Ltd
Original Assignee
Nichireki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路脇に堆積した雪からの融雪水や滞留する
雨水等を有効に排水し、しかも、強度と耐久性とを兼ね
備え、簡単な作業で安価に構築できる舗装構造とその構
築方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 開粒度型舗装用混合物を用いて構築され
た排水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造
と隣接させて道路側端部に有する部分排水性道路舗装構
造を提供すると共に、既設もしくは新設の他の舗装構造
と隣接させて道路側端部に開粒度型舗装用混合物を舗設
し、道路側端部に排水性舗装構造を構築する部分排水性
道路舗装構造の構築方法を提供することによって上記課
題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分排水性道路舗
装構造とその構築方法に関し、更に詳しくは、開粒度型
舗装用混合物を用いて道路側端部を排水性舗装構造とし
た新規な部分排水性道路舗装構造とその構築方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】降雪地帯においては、道路中央部分は除
雪機などで除雪されるものの、道路側端部には除雪機な
どで排除された雪が堆積し、これが日中の気温上昇など
に伴って融雪すると、その融雪水によって路面が冠水し
たり、道路外に溢れ出て沿道の人家等に流入したりして
思わぬ被害をもたらすことがある。また、降雪地帯でな
くても、道路側端部が不等沈下などによって凹んでいる
ような場合には、雨水等の滞留を招きやすく、水跳ね
や、夜間の凍結など、通行の妨げとなったり、更には事
故の原因となったりすることがある。
【0003】従来、このような問題に対する対策は十分
には為されておらず、堆積した雪に対しては、沿道の住
民が独力で、付近にある排水溝に捨てるなどして排除し
ているのが現状であり、道路側端部に滞留する雨水等に
対しては何等の有効な対策も為されていない。
【0004】一方、雨水等を舗装路面から内部に浸透さ
せて排水する排水性舗装なるものが近年行われている
が、これは、空隙率の大きな混合物を用いて舗装体表層
を構築し、表層を形成する骨材の間隙から浸透した雨水
等を不透水性の基層上を流して集水枡等に排水するもの
であるため、表層における骨材間の結合力が弱く、降雪
地帯など、冬季にチェーンを装着した車両が通行するよ
うな道路には到底採用できる舗装ではなかった。また、
基層に不透水性の層を設け、その上に透水性の表層を設
けるものであるため、作業工程が複雑で、かつ、道路の
横断方向全般に渡って構築されるのが一般的であり、コ
ストがかかるという問題があった。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術のもつ欠点を解決するために為されたもので、降雪地
帯などで道路脇に堆積した雪からの融雪水や滞留した雨
水等を有効に排水し、しかも、強度と耐久性とを兼ね備
え、簡単な作業で安価に構築できる舗装構造とその構築
方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、除雪機などで排除され
た雪が堆積したり、雨水等が滞留したりするのは専ら道
路側端部であることに着目し、道路側端部のみを排水性
舗装構造とすることによって融雪水や雨水などを排水す
る機能を分担させると共に、車両が通行する道路中央部
分は従来の非排水性舗装のまま残すことによって上記課
題が解決できることを見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、開粒度型舗装用混合
物を用いて構築された排水性舗装構造を、既設もしくは
新設の他の舗装構造と隣接させて道路側端部に有する部
分排水性道路舗装構造を提供すると共に、既設もしくは
新設の他の舗装構造と隣接させて道路側端部に開粒度型
舗装用混合物を舗設し、道路側端部に排水性舗装構造を
構築する部分排水性道路舗装構造の構築方法を提供する
ことによって上記課題を解決するものである。
【0008】本発明の部分排水性道路舗装構造において
は、車両が通行する道路中央部分は既設もしくは新設の
他の舗装構造である。他の舗装構造とは、開粒度型舗装
用混合物を用いて構築される排水性舗装構造以外の舗装
構造を言い、通常は、加熱混合物を用いて構築される密
粒度型の舗装構造であるのが一般的である。そのような
密粒度型の舗装構造は、車両の通行にも耐える十分な強
度を備えている反面、融雪水や雨水などの浸透を許さ
ず、排水機能を有していない。一方、開粒度型舗装用混
合物を用いて構築される排水性舗装構造は、融雪水や雨
水などの浸透、排出機能を有し、除雪機などで排除され
た雪が堆積する道路側端部を開粒度型舗装用混合物を用
いて構築した排水性舗装構造とすることによって、融雪
水などが集中しても十分に対応でき、道路全体として
は、十分な強度と排水性とを兼ね備えた部分排水性道路
舗装構造を構築することが可能となるものである。この
ように、道路を縦断方向に分割し、その各々の部分に異
なった機能を分担させるという発想はこれまでに存在せ
ず、本発明は、少なくともこの点において新規である。
【0009】道路側端部に排水性舗装構造を構築するに
際しては、不等沈下などによって凹み雨水等が滞留しや
すくなった既設舗装の一部を、補修などの目的で一部削
除し、削除した部分に開粒度型舗装用混合物を舗設して
排水性舗装構造を構築しても良いし、新たに道路舗装を
構築する際に、道路側端部に開粒度型舗装用混合物を舗
設して排水性舗装とするようにしても良い。また、道路
側端部の凹みが大きな場合には、既設舗装の道路側端部
を削り取ることなく、その凹みに開粒度舗装用混合物を
舗設して排水性舗装構造を構築しても良い。
【0010】本発明においては、道路側端部に構築され
る排水性舗装構造は、通常、舗装体表層部を構成する単
層として構築される。このようにすることによって、既
設舗装の一部を削除して、その部分に開粒度型舗装用混
合物を舗設する場合においても、また、新たに道路舗装
を構築する場合にあっても、簡単な作業で、かつ、簡便
に部分排水性舗装構造を構築することが可能となる。
【0011】また、本発明における排水性舗装構造の部
分には導水パイプを内蔵させておくことが望ましい。導
水パイプを敷設しておくことにより、排水性舗装構造か
らの排水を効率的に集水し、集水桝に排出することが可
能となる。なお、本発明における排水性舗装構造の部分
と、集水桝との間を、適宜、水抜き孔によって連通させ
ておくことは言うまでもない。
【0012】本発明においては、排水性舗装構造と既設
もしくは新設の他の舗装構造との接合部を、細骨材、ア
スファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合物
によって、充填、一体化することにより、排水性舗装構
造と既設又は新設の他の舗装構造とを強固に密着、一体
化することもまた1つの大きな特徴である。開粒度型舗
装用混合物を用いて構築した排水性舗装構造と既設もし
くは新設の他の舗装構造との接合部には段差が生じ易
く、また、接合部においては密度や滑り抵抗などが不連
続になるため、接合部は、車両の通行によって最も損傷
を受け易い箇所である。本発明においては、接合部ない
しはその周辺部に、細骨材、アスファルト乳剤、およ
び、水硬性無機材料を含む混合物を流し込み、少なくと
も排水性舗装構造の空隙部を充填し、既設もしくは新設
の他の舗装構造と一体化させることにより、接合部を補
強する。このようにすることによって、部分排水性道路
舗装構造に十分な耐久性を付与することが可能となるも
のである。
【0013】本明細書において、道路側端部とは、一般
に車両が通行することの少ない道路の側端部をいい、歩
道と車道との区別のない道路にあっては、路肩又はその
近辺を、また、歩道と車道との区別のある道路にあって
は、歩道に隣接した車道の側帯又はその近辺を、さらに
は、中央分離帯がある道路にあっては、中央分離帯に隣
接した側帯又はその近辺などを指すものであり、道路に
よっては車線の一部を含んでいても良い。また、道路中
央部とは、道路側端部以外の道路部分をいうものとす
る。
【0014】本発明においては、通常、道路側端から一
定距離の範囲の道路側端部に開粒度型舗装用混合物を用
いて排水性舗装が構築されるが、排水性舗装が構築され
る領域は、必ずしも道路側端又はその近傍を含む必要は
なく、場合によっては、道路側端からある程度距離を置
いたところから排水性舗装を構築しても良い。また、本
発明は、道路側端部以外の部分にも別途排水性舗装構造
を備えた舗装構造を決して排除するものでない。
【0015】本発明の部分排水性道路舗装構造並びにそ
の構築方法が適用される道路とは、一般道路、高速道路
のみならず、工場等の構内道路、駐車場、広場、飛行
場、港湾施設等、舗装され、車両等が通行する全ての場
所を含み、それぞれの場所において、車両等が通行する
ことの少ない部分が道路側端部に該当するものである。
また、本発明の部分排水性道路舗装構造並びにその構築
方法は、降雪地帯における融雪水の排水のみに限られる
ものではなく、降雪地帯以外の場所においても、雨水等
を道路側端部の路面に浸透させ、排水する場合に適用で
きることは勿論である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の部分排水性道路舗
装構造とその構築方法について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の部分排水性道路舗装構造
の断面の一例を示す図であり、図1において、符号1は
本発明の部分排水性道路舗装構造を、2は排水性舗装構
造を、3は既設舗装の表層を、4は既設の非排水性舗装
の基層を、5は既設舗装の上層路盤を示す。6は排水性
舗装構造2の内部に埋設された導水パイプ、7はU字
溝、8は除雪機などで排除され道路側端部に堆積した
雪、9は車両のタイヤである。
【0018】図1の場合、排水性舗装構造2は、既設舗
装の表層3の道路側端部を削り取り、その後に、開粒度
型舗装用混合物を舗設することによって構築される。図
示の例にあっては、既設舗装の表層3の部分だけが削り
取られ、その削り取られた場所に開粒度型舗装用混合物
が舗設されているが、削り取る既設舗装は表層3の部分
に限られるものではなく、既設舗装の表層3の厚さが薄
い場合には、基層4をも含めて削り取り、逆に、既設舗
装の表層3の厚さが十分にある場合には、表層3を残し
て削り取るようにしても良い。また、既設舗装が湾曲し
ているような場合には、基層4を部分的に削り取った
り、表層3を部分的に残して削り取る場合も存在する。
いずれにしても、舗設される開粒度型舗装用混合物によ
って構築される排水性舗装構造が、通常、舗装体の表層
を構成するような厚さになるように既設舗装を削り取る
のが好ましい。好ましい排水性舗装構造2の厚さは3〜
10cm程度である。排水性舗装構造2の厚さが3cm
未満であると、決して実施できないという訳ではない
が、十分な排水能力が得られず、また、10cmを越え
ると、構築費用が増大する割には排水能力は増大せず、
不経済である。
【0019】削り取られた箇所には開粒度型舗装用混合
物が搬入され、敷き均され、十分に転圧されることによ
り舗設される。開粒度型舗装用混合物の搬入に先立っ
て、開粒度型舗装用混合物が舗設される部分の基層4の
上面や例えばU字溝7などの側溝等の露出面等にタック
コートを施したり、基層4の上面に図示しない防水シー
トをアスファルト系溶剤型接着剤などで接着しておくの
が望ましい。そのようにしておくことにより、排水性舗
装構造2に浸透してきた融雪水等の水は、基層4に浸透
することなく、導水パイプ6に集められ、集水桝に排出
される。集水桝を側溝等の適宜の位置に予め設けておく
ことは勿論である。
【0020】また、例えば、図2に示すように、既設舗
装の沈下が激しく、道路側端部がかなり凹んでいるよう
な場合には、既設舗装を削り取ることなく、そのまま開
粒度舗装用混合物を舗設して排水性舗装構造を構築する
ことも可能である。なお、この場合にも、既設舗装の露
出面を清掃し、露出面にタックコートを施したり、防水
シートを敷設したり、更には、導水パイプを設けておく
ことは同様である。
【0021】導水パイプ6としては、ステンレス鋼材を
スパイラル状に捲回したものや、ガラス繊維、天然繊
維、合成繊維、人造繊維、炭素繊維、金属繊維、金属線
などで網状もしくはメッシュ状に形成された管、強化耐
熱性合成樹脂管に多数の孔をあけた有孔管、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊
維や炭素繊維の不織布で管状に形成されたものなどを用
いることができる。なお、導水パイプ6の断面形状は円
に限られるものではなく、三角、四角、楕円等、種々の
形態が可能である。導水パイプ6の直径は10〜30m
mが好ましく、従って、導水パイプ6を埋設する場合に
は、排水性舗装構造2の厚さもそれ以上が要求されるの
は勿論である。
【0022】排水性舗装構造2が構築される位置は、一
般に車両の通行が少なく、除雪機などによって排除され
た雪9が堆積する道路側端部であり、排水性舗装構造の
道路側端部からの幅Xは、通常、10〜200cm、好
ましくは30〜150cmの範囲である。幅Xが10c
m未満であると、十分な排水能力が得られないばかりで
なく、開粒度型舗装用混合物の舗設作業が困難となる。
一方、幅Xが200cmを越えると、排水能力は増大す
るものの、車両のタイヤの通過する頻度が増し、かつ、
構築費用の増大につながるので、好ましくない。排水性
舗装構造の幅Xは、常に一定である必要はなく、道路幅
が変動し、側帯幅が変動しているような場合には、変動
させることも可能である。なお、図1や図2の例におい
ては、道路側端に接して排水性舗装構造を構築している
が、排水性舗装構造の構築位置は、必ずしも道路側端に
接する必要はなく、道路側端から一定距離をおいて設け
るようにしても良い。そのような場合には、道路側端に
接して残る既設舗装部分に、集水桝に通ずる水抜き孔を
設けることが必要であるのは言うまでもない。また、降
雪地帯にあっては、排水性舗装構造を構築するに際し
て、排水性舗装構造下部に図示しない電熱マットや温水
パイプ等の融雪装置を埋設しておくのが好ましい。
【0023】図3は、図1の例における排水性舗装構造
2と既設舗装の表層3との接合部の拡大図であり、図1
と同じものには同じ符号を付してある。排水性舗装構造
2と既設舗装の表層3との接合部には段差が生じ易く、
また、密度や滑り抵抗に不連続があるので、車両の通行
等によって、排水性舗装構造2が損傷を受ける危険性が
ある。そこで、図3に示すように、モルタル状の混合物
10を接合部とその周辺部に流し込み、接合部とその周
辺部における空隙を充填して、排水性舗装構造2と既設
舗装との密着性を向上させ、両者を一体化するのが望ま
しい。このようにすることによって、例えば、既設舗装
の表層3に、符号11で示すような角欠部11が存在し
たとしても、モルタル状の混合物10によって充填さ
れ、強固な接合部を形成することができる。モルタル状
の混合物10は、既設舗装の表層3上を約1〜2mm程
度の厚さで一部覆うように流し込むのが良く、モルタル
状混合物10の充填幅Yは5〜30cm程度、好ましく
は7〜25cm程度、また表層3を覆う幅Zは2〜10
cm程度、好ましくは3〜7cm程度が十分な接合性を
得る上で望ましい。このように、排水性舗装構造と非排
水性舗装構造との接合部をモルタル状混合物によって充
填、一体化することにより、本発明の部分排水性道路舗
装構造の耐久性は一層向上する。モルタル状混合物10
によって接合部とその周辺部を充填した後、必要に応じ
て、排水性舗装構造2の上部に、アクリル系、エポキシ
系の樹脂を散布してトップコートを行っても良い。
【0024】図4は、本発明の部分排水性道路舗装構造
を新規に構築する場合の一例を示し、図1と同じものに
は同じ符号を付してある。図4において、12は道路の
センターラインを、13は型枠を、14は型枠13固定
するアンカーボルトを示し、15は下層路盤、16は路
床土である。部分排水性道路舗装構造は、基層4までを
通常の方法で構築したのち、まず、センターライン12
から排水性舗装構造2とする道路側端部を除いた部分ま
でを型枠13、13で囲み、型枠13、13間に通常の
密粒度型アスファルト混合物を投入し、敷き均して、転
圧することによって行われる。転圧後、非排水性舗装の
表層3が所定の強度を発現したのを確認した後、道路側
端側の型枠13を取り除き、表層3と道路側端との間に
開粒度型舗装用混合物を搬入する。搬入に先立ち、タッ
クコートを施したり、防水シートを敷設したり、更に
は、導水パイプ6を敷設したりするのは、図1の場合と
同様である。
【0025】次いで、搬入された開粒度型舗装用混合物
を敷き均し、転圧して、排水性舗装構造2を構築する。
排水性舗装構造2と表層3との接合部にモルタル状混合
物を流し込み、接合部とその周辺部を充填し、排水性舗
装構造2と表層3とを密着一体化するのも図1の場合と
同様である。必要に応じてトップコートを行っても良い
ことは勿論である。
【0026】次に、本発明で使用する開粒度型舗装用混
合物とモルタル状混合物について説明する。
【0027】〈開粒度型舗装用混合物〉本発明で使用す
る開粒度型舗装用混合物は、排水性舗装を構築するのに
適したものであり、粗骨材及び/又は細骨材を主材料と
し、アスファルトを結合材として、これらを撹拌、混合
して得られるものである。混合は、典型的には次のよう
な手順で行われる。すなわち、まず、骨材並びにアスフ
ァルトを、別々に、160〜180℃程度に加熱してお
き、その加熱状態にある骨材をミキサーに入れ、20〜
30秒程度空撹拌する。次に、同じく加熱状態にあるア
スファルトをミキサーに入れ、更に混合を続けると、1
〜2分で両者の混合状態は十分なものとなり、トラック
等で施工現場に運ばれる。なお、このような開粒度型舗
装用混合物の製造は施工現場で行っても良いことは勿論
である。また、顔料等を添加して有色の開粒度舗装用混
合物としても良い。
【0028】本発明で使用する開粒度型舗装用混合物に
使用する骨材としては、社団法人日本道路協会発行の
「アスファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨
材であればどのようなものでも使用でき、例えば、砕
石、玉砕、砂利、鉄鋼スラグ等があり、また、これらの
骨材にアスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材お
よび再生骨材なども使用できる。その他、これに類似す
る粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量
骨材、陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、アルミニ
ウム粒、プラスチック粒、セラッミックス、エメリー等
も使用することができる。
【0029】本発明で使用する粗骨材としては、一般的
には、粒径範囲2.5〜5mmの7号砕石、粒径範囲5
〜13mmの6号砕石、粒径範囲が13〜20mmの5
号砕石、あるいは、これらの1種または2種以上を混合
した砕石や、合成された砕石等を使用することができ
る。これら骨材に、骨材に対して0.3〜2重量%程度
のアスファルト乳剤やストレートアスファルト、エポキ
シ樹脂とその硬化剤、ゴムや合成樹脂などで被覆したも
のも使用できる。
【0030】また、本発明で使用する細骨材とは、2.
5mmフルイを通過するもので、例えば、川砂、丘砂、
山砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、
人工骨材、石粉、焼却炉灰、クレー、タルク、フライア
ッシュ、カーボンブラックなどであるが、このほか、ゴ
ム粉粒、コルク粉粒、木質粉粒、樹脂粉粒、パルプ、人
工骨材等が挙げられ、これらの細骨材は、その1種もし
くは2種以上を用いることができる。
【0031】本発明に用いられるアスファルトとして
は、天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブロ
ーンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱
瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)
などの石油アスファルトが使用される。これらのアスフ
ァルトは、単独で使用しても良く、また、2種以上を混
合して使用しても良い。
【0032】アスファルトと骨材との混合物の性能をよ
り確実なものとするために、アスファルトを改質するの
が良い。改質アスファルトに使用するゴム及び熱可塑性
高分子重合物としては、例えば、天然ゴム、ガタバーチ
ャ、環化ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・
イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロス
ルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、EP
Tゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合ゴ
ムなどのゴム、及び、エチレン・酢酸ビニール共重合
物、エチレン・エチルアクリレート共重合物、ポリエチ
レン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可
塑性高分子重合物であり、これらの1種もしくは2種以
上が併用して使用される。
【0033】上記のゴムや熱可塑性高分子重合物ととも
に、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、
液状樹脂、軟化剤などを添加することができる。例え
ば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とそ
の誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成
テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポ
リブタジエン、ポリブデン、イソブチレンとブタジエン
との共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アン
トラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油などで
ある。また、老化防止剤、酸化防止剤、硫黄等も添加す
ることができる。
【0034】改質アスファルト中のアスファルトと、ゴ
ム及び熱可塑性高分子重合物との配合割合は、アスファ
ルト100重量部に対してゴム及び熱可塑性高分子重合
物が通常、2〜100重量部の範囲が好ましい。ゴム及
び熱可塑性高分子重合物の量が2重量部未満では、改質
アスファルトとしての性能を発揮することができず、骨
材間の接着力や把握力が一般のアスファルトと余り変わ
らないのに対して、100重量部を越えると、凝集力が
強すぎて、かえって骨材からの剥離が生じて骨材の飛散
を起こし易い。また、上記のアスファルトとしては、使
用後の特性を考慮して、針入度(25℃)が40〜12
0程度のものを使用するのが好ましい。
【0035】本発明で使用する開粒度舗装用混合物は、
上記の骨材並びにアスファルトを撹拌、混合して製造さ
れる。使用する骨材の粒度、及び、骨材とアスファルト
の配合割合に特に制限はなく、結果として空隙率10〜
30%の混合物が得られれば良いが、その典型的な骨材
粒度及び配合割合を示せば表1のとおりである。なお、
空隙率とは、混合物を通常の方法で転圧し締め固めた状
態で空中並びに水中での重量を測定し、(空中重量)/
{(空中重量)−(水中重量)}なる関係式で実際の密
度を求め、次いで、(空隙率%)=100−100×
{(実際の密度)/(理論密度)}なる式によって得ら
れる値である。
【0036】
【表1】
【0037】〈モルタル状混合物〉次に、本発明で使用
するモルタル状混合物について説明する。
【0038】本発明で使用するモルタル状混合物は、細
骨材とアスファルト乳剤と水硬性無機材料とを主成分と
し、これらを混合撹拌して製造したものである。使用す
る細骨材としては、開粒度型舗装用混合物に使用するも
のと同じものが使用でき、アスファルト乳剤の典型的な
配合割合は、細骨材100重量部に対して10〜50重
量部、好ましくは、20〜40重量部の範囲である。ア
スファルト乳剤の量が10重量部未満、もしくは、50
重量部超では、決して使用できないという訳ではない
が、良好な混合物が得られ難いという不都合がある。ま
た、水硬性無機材料の典型的な配合割合は、細骨材10
0重量部に対して0〜10重量部、好ましくは、1〜6
重量部の範囲である。水硬性無機材料の量が10重量部
を越えると、決して使用できないという訳ではないが、
良好な混合物が得られ難くなる。
【0039】モルタル状混合物に使用するアスファルト
乳剤とは、レーキアスファルト等の天然アスファルト、
ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミ
ブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト(例え
ば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石油アスファル
ト、重油、タール、ピッチ等の1種、または2種以上を
混合した瀝青物を、各種界面活性剤やクレー(例えばベ
ントナイト)などの乳化剤を用い、さらには、アルカ
リ、酸、塩、分散剤、保護コロイドなどを必要に応じて
添加して、コロイドミル、ホモジナイザー、ホモミキサ
ーなどの適当な乳化機によって、水中に乳化させたもの
である。
【0040】乳化剤としては、カチオン系、アニオン
系、両性系のいずれをも用いることができる。
【0041】本発明で使用できるカチオン系の乳化剤と
しては、長鎖アルキル基を有する脂肪族あるいは脂環族
のモノアミン、ジアミン、トリアミン、アミドアミン、
ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒドロキシアルキ
ルジアミン、ロジンアミン、これらアミン類の酸化エチ
レン付加物、アミンオキサイド、または、これらのアミ
ン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸などの酸
を作用させた水溶性ないし水分散性の塩、さらには、こ
れらのアミン系界面活性剤の第四級アンモニウム塩等が
挙げられる。また、これらの界面活性剤と共に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピ
レンブロックコーポリマーなどのノニオン系界面活性剤
を併用することもできる。
【0042】本発明で使用できるアニオン系の乳化剤と
しては、高級アルコール硫酸エステル、アルキルアリル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αオレ
フィンスルホン酸塩、高級アルコールエトオキシレー
ト、高級アルコールエトオキシレートサルフェート、石
鹸、ナフタリンスルホン酸塩およびホルマリン変性物、
アルカリリグニン塩、リグニンスルホン酸塩、カゼイン
のアルカリ塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0043】本発明で使用できる両性系の乳化剤として
は、アルキルフェノール、モノおよび多価アルコール
酸、脂肪族類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド類、エタ
ノールアミン類等のアルキレンオキシドの付加物、など
が挙げられる。
【0044】また、アスファルト乳剤に用いられる分散
剤や保護コロイドとしては、ナフタリンスルホン酸ソー
ダ、カゼイン、アルギン酸、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、リグニンスルホン酸塩、ニトロフミン酸塩等が挙げ
られる。
【0045】本発明に使用されるアスファルト乳剤とし
ては、上記乳化分散される瀝青物に、ゴム及び熱可塑性
高分子重合物から選ばれる1種または2種以上を、直接
混和するポストミックスタイプによる方法で改質した改
質アスファルト乳剤を用いることもできる。
【0046】改質アスファルト乳剤に使用されるゴム及
び熱可塑性高分子重合物は、例えば、天然ゴム、ガタバ
ーチャ、環化ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、
EPTゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重
合ゴムなどのゴム、及び、エチレン・酢酸ビニール共重
合物、エチレン・アクリレート共重合物、ポリエチレ
ン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可塑
性高分子重合物であり、これらの1種もしくは2種以上
が併用して使用される。これらは、例えば、粉末状、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものであり、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものはポストミ
ックスタイプの方法による改質アスファルト乳剤に専ら
使用されるが、プレミックスタイプの方法による改質ア
スファルト乳剤に使用しても良い。
【0047】上記のゴムや熱可塑性高分子重合物ととも
に、接着性や相溶性を改善するために、粘着付与剤とし
て熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、
可塑剤などを添加しても良い。例えば、ロジンとその誘
導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッ
ド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール
樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アル
キレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、イソ
ブチレンとブタジエンとの共重合物、鉱油、プロセスオ
イル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動
植物油、重合油などである。また、老化防止剤、酸化防
止剤、硫黄等も添加することができる。さらにまた、改
質アスファルト乳剤の粘度調整を目的に、MC、CM
C、HEC、PVA、ゼラチンなどの水溶性高分子保護
コロイドを添加することも可能である。
【0048】改質アスファルト乳剤中のアスファルト
と、ゴム及び熱可塑性高分子重合物との配合割合は、ア
スファルト100重量部に対してゴム及び熱可塑性高分
子重合物が10〜100重量部程度、好ましくは、20
〜50重量部程度である。ゴム及び熱可塑性高分子重合
物の量が10重量部未満では、改質アスファルト乳剤が
分解、硬化した後における改質アスファルト乳剤の骨材
に対する接着力、把握力が劣るのに対し、100重量部
を越えると、凝集力が強すぎて、かえって骨材からの剥
離が生じ易く、また、経済的でない。また、改質アスフ
ァルト乳剤中のアスファルトとしては、分解、硬化した
後の特性を考慮して、針入度(25℃)が40〜300
程度のものを使用するのが好ましい。改質アスファルト
乳剤の蒸発残留物(固形物)濃度は、通常、40〜80
重量%程度であるが、本発明では、なるべく濃度の高い
ものが望ましい。
【0049】また、これらのアスファルト乳剤には、耐
熱性向上や、紫外線等による劣化防止、作業性向上、並
びに接着性向上等の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加
剤、粘度調整剤などを添加しても良い。
【0050】アスファルト乳剤の分解は自然分解に頼る
のが一番であるが、場合によっては、分解剤を使用して
強制的に分解させても良い。
【0051】本発明のモルタル状混合物に使用する水硬
性無機材料としては、セメント、無水石膏、半水石膏、
粉末状スラグなどが挙げられる。
【0052】使用するセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポル
トランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、アルミナセメント、膨張セメント、高炉コロイドセ
メント、コロイドセメント、超速硬セメント、白色セメ
ント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩セメント、ジ
ェットセメントなどが挙げられる。これらの水硬性無機
材料は、その1種もしくは2種以上を併用することも可
能で、更には、水や、公知のセメント用混和材料、例え
ば、収縮補償材、硬化促進材、硬化遅延材、分散剤、空
気連行剤、増粘剤、減水剤、充填剤などを併用すること
も可能である。
【0053】本発明で使用するモルタル状混合物は、上
述したような骨材、水硬性無機材料、アスファルト乳剤
を混合撹拌して製造することができる。混合は、アスモ
ルミキサー等を用いて行い、典型的には次のような手順
で行われる。すなわち、まず、ミキサーの中に細骨材と
水硬性無機材料とを入れ、20〜40秒撹拌する。次い
で、アスファルト乳剤をミキサーに入れ、30〜60秒
程度混合、撹拌する。アスファルト乳剤中の水分で十分
な混合性が得られるが、混合性が不十分な場合には水を
適宜添加して、混合性を良好にすることができる。水は
水道水、工業用水が良いが、淡水であれば良く、河川
水、湖沼水などを使用しても特に支障はない。得られる
混合物はスラリー状であり流動性に優れている。
【0054】以下、実施例を用いて、本発明を更に説明
するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないこ
とは勿論である。
【0055】
【実施例1】工場敷地内の構内道路の既設舗装を、道路
側端から1mの幅で10mの長さに渡って帯状に削り取
った。削り取りは、加熱装置を有する路面切削機を使用
し、切削深さは5cmであった。露出した既設舗装面及
びU字溝の露出面に、カチオゾール(ゴム入りアスファ
ルト乳剤、ニチレキ(株)製)を0.8リットル/m2
散布し、タックコートとした。散布はエンジンスプレヤ
ーを用いて行った。タックコート後、導水パイプ(ステ
ンレス鋼製、直径17mm)をU字溝に沿って配設し、
導水パイプの端部を集水桝中に誘導した。続いて、運搬
用トラックから開粒度型舗装用混合物を既設舗装の切削
部後に点々と分散置きし、レーキやスコップで一様な厚
さになるように敷き均した。敷き均し厚は、後の転圧減
を考慮して7cmとした。敷き均し後、振動ローラーと
バイブレーターを用いて転圧した。
【0056】開粒度型舗装用混合物に使用した材料及び
配合割合は以下の通りであった。 骨材:100重量部 粗骨材:6号砕石(茨城県笠間産) 81.4重量% 細骨材:中目砂(栃木県鬼怒川産) 12.4重量% フィラー:石粉(東京都西多摩産) 6.2重量% 上記の配合で得られる骨材の合成粒度を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】アスファルト:4.9重量部 改質アスファルト:商品名「タフファルトスーパー」
(ニチレキ(株)製) 使用したアスファルトの性状は以下のとおり。 針入度(25℃) 53(1/10mm) 伸度(15℃) 94(cm) 軟化点 87(℃) 引火点 336(℃) フラース脆化点 −26(℃) 薄膜加熱質量変化 +0.02(%) タフネス(25℃) 266(kgf・cm) テナシティ(25℃) 215(kgf・cm) 粘度(60℃) 91(poise)
【0059】得られた混合物の一部を取り、別途物性試
験を行ったところ、次のような結果が得られた。 密度 1.997(g/cm3) マーシャル安定度 611(kgf) マーシャルフロー値 24(1/100cm) 空隙率 20.1(%) 動的安定度 4830(回/mm) すり減り減量 0.83(cm2
【0060】上記開粒度型舗装用混合物の舗設後、既設
舗装との接合部に、細骨材とアスファルト乳剤と水硬性
無機材料とからなるモルタル状混合物を流し込み、充填
した。モルタル混合物に使用した材料は次のとおりであ
った。
【0061】 細骨材及び水硬性無機材料:細骨材と、水硬性無機材料としての早強ポルトラ ンドセメントとの混合物。早強ポルトランドセメ ントの細骨材に対する配合割合は、細骨材100 重量部に対して、2重量部。(商品名:ロメンパ ッチ(ニチレキ(株)製。荷姿3.5kg/袋) ) アスファルト乳剤 :改質アスファルト乳剤 改質アスファルト中の固形分の性状 針入度(25℃) 62(1/10mm) 軟化点 58(℃) 蒸発残留物 42(%) (商品名:パックゾール(ニチレキ(株)製。荷姿 1リットル/紙箱))
【0062】上記ロメンパッチ3.5kgに対して、パ
ックゾール1リットルを混合し、撹拌すると、約15秒
程度で、モルタル状混合物が得られた。得られたモルタ
ル状混合物の一部を取り、別途物性試験を行ったところ
次のような結果を得た。 〈硬化前の性状〉 可使時間(11℃) 8(分) 硬化時間(11℃) 25(分) 〈硬化後の性状〉 マーシャル安定度 385(kgf) マーシャルフロー値 42(1/100cm)
【0063】上記モルタル状混合物を、接合面から既設
舗装側へ5cm、排水性舗装側へ20cmの幅で流し込
み、モルタル状混合物が十分に浸透するのを待って、溢
れたモルタル状混合物が接合面を跨いで接合面両側の舗
装体表面を1〜2mmの厚さで覆うようにゴムレーキで
敷き広げた。モルタル状混合物は5〜7分程度で固化
し、接合面を強固に一体化、結合した。
【0064】舗設後、1日の養生期間をおいて、道路側
端部に散水車で散水したが、道路側端部からの水の浸
透、排出は速やかに行われ、道路中央部が冠水すること
はなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性舗装構造と既
設舗装との接合部周辺から、コアーボーラーで5個のサ
ンプルコアーを抜き取り観察したが、開粒度型舗装用混
合物の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部はモルタル状
混合物によって完全に充填されていた。
【0065】
【実施例2】L字溝側溝から35cmの幅で、沈下した
表層部を、一部基層部を含めて、6cmの厚さに小型路
面切削機で切削した。切削あとを清掃後、タックコート
としてゴム入りアスファルト乳剤(商品名:カチオゾー
ルGM(ニチレキ(株)製))を0.8リットル/m2
散布した。散布後、実施例1と同じ導水パイプを敷設
し、続いて実施例1と同じ開粒度型舗装用混合物を舗設
した。
【0066】開粒度型舗装用混合物の舗設後、実施例1
と同じモルタル状混合物を用いて接合部を充填、一体化
した。実施例1と同じく、1日の養生期間をおいて、道
路側端部に散水車で散水したが、道路側端部からの水の
浸透、排出は速やかに行われ、道路中央部が冠水するこ
とはなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性舗装構造と
既設舗装との接合部周辺から、コアーボーラーで5個の
サンプルコアーを抜き取り観察したが、開粒度型舗装用
混合物の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部はモルタル
状混合物によって完全に充填されていた。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明は、道路側端部
に、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接して開粒度
型舗装用混合物による排水性舗装構造を構築するもので
あるので、例えば、道路側端部に堆積した雪から多量の
融雪水が流れ出ることがあったり、道路側端部に雨水等
が集まることがあっても、それらの融雪水や雨水等を速
やかに浸透、排出することができるものである。また、
本発明においては、排水性舗装構造は、表層を構成する
単層として構築されるので、施工が簡単で、かつ、経済
的にも優れたものである。しかも、排水性舗装構造と既
設もしくは新設の他の舗装構造との接合部にモルタル状
混合物を流し込み、接合部を充填して一体化するので、
極めて耐久性に富む部分排水性道路舗装構造が得られる
ものである。このように、本発明は、種々の優れた効果
を有するものであり、産業上、極めて有用な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の部分排水性道路舗装構造の一例を示
す断面図である。
【図2】 本発明の部分排水性道路舗装構造の他の例を
示す断面図である。
【図3】 接合部の拡大図である。
【図4】 本発明の部分排水性道路舗装構造の更に他の
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 部分排水性道路舗装構造 2 排水性舗装構造 3 表層 4 基層 5 上層路盤 6 導水パイプ 7 U字溝 8 堆積雪 9 車両タイヤ 10 モルタル状混合物 11 角欠部 12 センターライン 13 型枠 14 アンカーボルト 15 下層路盤 16 路床

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開粒度型舗装用混合物を用いて構築され
    た排水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造
    と隣接させて、道路側端部に有する部分排水性道路舗装
    構造。
  2. 【請求項2】 道路側端部の排水性舗装構造が、道路側
    端から10〜200cmの幅で存在する請求項1記載の
    部分排水性道路舗装構造。
  3. 【請求項3】 道路側端部の排水性舗装構造が、表層部
    を構成する単層としてのみ存在する請求項1または2記
    載の部分排水性道路舗装構造。
  4. 【請求項4】 排水性舗装構造が導水パイプを内蔵する
    請求項1、2または3記載の部分排水性道路舗装構造。
  5. 【請求項5】 開粒度型舗装用混合物が、骨材とアスフ
    ァルトとを主成分とし、空隙率10〜30%の舗装用混
    合物である請求項1、2、3または4記載の部分排水性
    道路舗装構造。
  6. 【請求項6】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の他
    の舗装構造との接合部ないしはその周辺部が、細骨材、
    アスファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合
    物によって、充填、一体化されている請求項1、2、
    3、4または5記載の部分排水性道路舗装構造。
  7. 【請求項7】 既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接
    させて、道路側端部に開粒度型舗装用混合物を舗設し、
    道路側端部に排水性舗装構造を構築する部分排水性道路
    舗装構造の構築方法。
  8. 【請求項8】 既設の舗装構造の道路側端部を削り取
    り、削り取ったあとに開粒度型舗装用混合物を舗設する
    請求項7記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  9. 【請求項9】 道路側端部の表層部を除いて他の舗装構
    造を構築し、次いで、道路側端部の表層部に開粒度型舗
    装用混合物を舗設する請求項7記載の部分排水性道路舗
    装構造の構築方法。
  10. 【請求項10】 道路側端から10〜200cmの幅で
    排水性舗装構造を構築する請求項7、8または9記載の
    部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  11. 【請求項11】 導水パイプを敷設し、次いで、開粒度
    型舗装用混合物を舗設する請求項7、8、9または10
    記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  12. 【請求項12】 開粒度型舗装用混合物が、骨材とアス
    ファルトとを主成分とし、空隙率が10〜30%の範囲
    にある舗装用混合物である請求項7、8、9、10また
    は11記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  13. 【請求項13】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の
    他の舗装構造との接合部に、細骨材、アスファルト乳
    剤、および、水硬性無機材料を含む混合物を流し込み、
    接合部とその周辺部を充填、一体化する請求項7、8、
    9、10、11または12記載の部分排水性道路舗装構
    造の構築方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022011211A (ja) * 2020-06-29 2022-01-17 株式会社長谷工コーポレーション 舗装構造

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