JPH10265253A - 道路舗装用常温混合物とそれを使用した舗装構築方法 - Google Patents

道路舗装用常温混合物とそれを使用した舗装構築方法

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JPH10265253A
JPH10265253A JP8724497A JP8724497A JPH10265253A JP H10265253 A JPH10265253 A JP H10265253A JP 8724497 A JP8724497 A JP 8724497A JP 8724497 A JP8724497 A JP 8724497A JP H10265253 A JPH10265253 A JP H10265253A
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JP
Japan
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weight
parts
asphalt
aggregate
room temperature
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Application number
JP8724497A
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Inventor
Akira Ito
亮 伊藤
Manabu Obata
学 小幡
Norio Meshida
紀雄 召田
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Nichireki Co Ltd
Original Assignee
Nichireki Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10265253A publication Critical patent/JPH10265253A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の道路舗装の構築に使用可能な、汎用性
と耐久性とを兼備した道路舗装用常温混合物を得ること
を課題とし、更には、その常温混合物を用いた舗装構築
方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 骨材、水硬性無機材料、及びアスファル
ト乳剤を主たる成分とする道路舗装用常温混合物、及
び、その道路舗装用常温混合物を用いた舗装構築方法を
提供することにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路舗装用常温混
合物とそれを使用した舗装構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路舗装の構築においては、通
常、加熱アスファルトが使用されている。しかしなが
ら、加熱アスファルトは、温度変化によって粘度が変動
し施工性が影響を受けるため、温度管理に注意を払わな
ければならないという欠点があるだけでなく、当然のこ
とながら、加熱手段などの設備を必要とし、安全面でも
注意を払わなければならないといった問題を有してい
た。
【0003】近年、これに代わるものとして、排水性舗
装等の特殊舗装や、小規模な舗装補修といった限られた
用途に、常温アスファルト混合物を使用する提案も為さ
れているが、排水性を確保するために特殊な骨材と混合
する物であったり、補修用のため耐久性に劣るなどの欠
点を有しており、通常の道路舗装全般に使用できる常温
アスファルト混合物の提案は未だ為されていない。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、通常の道路
舗装の構築に使用可能な、汎用性と耐久性とを兼備した
道路舗装用常温混合物を得ることを課題とし、更には、
その常温混合物を用いた舗装構築方法を提供することを
課題とするものである
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、骨材、水硬性
無機材料、及びアスファルト乳剤を主たる成分とする道
路舗装用常温混合物、及び、その道路舗装用常温混合物
を用いた舗装構築方法を提供することにより、上記課題
を解決するものである。
【0006】即ち、本発明は、常温混合物を早期に硬化
させるためにセメント等の水硬性無機材料を添加し、加
えて、使用する骨材の粒度を調整することによって、従
来限られていた常温混合物の用途を拡大し、一般の舗装
構築にも使用できるようにしたものである。
【0007】本発明の道路舗装用常温混合物に使用され
る骨材は、粗骨材80〜20重量部、細骨材20〜65
重量部、及びフィラー0〜15重量部の配合割合か、も
しくは、粗骨材100〜5重量部、細骨材0〜80重量
部、及びフィラー0〜15重量部の配合割合か、もしく
は、粗骨材20〜0重量部、細骨材90〜60重量部、
及びフィラー0〜20重量部の配合割合か、もしくは、
これらを混合したものであるのが好ましい。
【0008】このような骨材100重量部に対して、水
硬性無機材料0〜25重量部及びアスファルト乳剤0〜
25重量部、もしくは、水硬性無機材料2〜15重量部
及びアスファルト乳剤2〜20重量部、もしくは、水硬
性無機材料2〜20重量部及びアスファルト乳剤8〜3
0重量部が、さらに配合される。
【0009】このようにして得られる道路舗装用常温混
合物は、施工性に優れ、短時間で所要の強度を発現で
き、更に、適宜の繊維材料を加えることによって、耐久
性や強度にも優れた舗装材料となる。
【0010】また、着色顔料を適宜配合することによっ
て、種々の色を持たせることができ、特に保護層等の最
上層に使用した場合には、周囲の景観に合った色彩の舗
装を構築することができる。
【0011】このような、道路舗装用常温混合物は、工
場で製造されても良いし、施工現場で製造されても良
い。所定量ずつ、袋、もしくは、ポリ容器等に入れてお
けば、必要量だけを製造場所に搬入したり、製造装置に
仕込むことができ便利である。
【0012】また、本発明の道路舗装用常温混合物は、
アスファルトマットや緩衝シートと併用すると、更に威
力を発揮する。即ち、本発明の道路舗装用常温混合物を
舗設するに先立って、既設構造物との接合箇所や、既に
舗設されている道路舗装用混合物等との間にアスファル
トマットを配置しておけば、舗設後、アスファルトマッ
トは有効な目地材として機能し、接合部分における歪み
の吸収や強度の維持、ひび割れ防止、シーリング等に有
効である。緩衝シートは、アスファルトマット上に配置
され、接合部のシーリングや、ひび割れ防止に機能す
る。
【0013】なお、本発明で対象とする舗装とは、一般
の道路舗装のみならず、公園、橋、高速道路、飛行場、
工場、広場、商店街、駐車場など、全ての舗装を包含す
るものである。また、本発明で敷設するとは、材料を敷
き広げたり、敷き均したりして、所定の空間に満遍なく
いきわたらせることをいい、その手段や方法は問うもの
ではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の道路舗装用常温混
合物(以下、単に「常温混合物」という)とそれを使用
した舗装構築方法について詳細に説明する。
【0015】〈常温混合物〉本発明の常温混合物とは、
アスファルト乳剤、水硬性無機材料、及び骨材を主たる
成分とし、更には、繊維材料や着色顔料、並びに水、そ
の他の添加剤等を適宜加えて、加熱することなく、常温
で混合して得られた混合物であって、種々のタイプのも
のがあり得るが、典型的には、例えば表1に示すような
配合の、タイプA、タイプB、及びタイプCの3つのタ
イプが考えられる。
【0016】
【表1】
【0017】これら3つのタイプの違いは、主として、
その使用する骨材の違いにあり、それぞれのタイプにお
ける骨材の粒度は、表2に示すとおりである。
【0018】
【表2】
【0019】表から明らかなように、タイプAの常温混
合物に使用される骨材の最大粒径が一番大きく、タイプ
Cの常温混合物に使用される骨材の最大粒径が一番小さ
い。タイプBはその中間であり、最大粒径のみならず、
粒度の点でも、タイプA及びタイプCの中間である。タ
イプAの常温混合物は主として路盤用に、タイプBの常
温混合物は主として表基層用に、そして、タイプCの常
温混合物は主として保護層用に使用されるが、これらの
区別は必ずしも絶対的なものではなく、例えば、タイプ
Bを路盤や保護層に、タイプCを表基層に、また、タイ
プAを表基層に使用するなど、種々の変形使用が可能で
ある。また、これら3つのタイプの常温混合物は、単独
で使用するのみならず、その2種以上を相互に種々の割
合で混合して、使用することも可能である。ただ、常温
混合物をこのように、通常の舗装に適した典型的なタイ
プに分けておくことにより、舗装設計に合わせた施工が
容易に実現できるという利点がある。タイプの数を3以
外の数とすることも可能であるが、余り少なくても自由
度がなく、逆に多すぎても複雑になりすぎるので、3種
程度が妥当な数である。
【0020】なお、本発明の常温混合物のタイプがこれ
ら3つに限られないことは勿論である。
【0021】以下、常温混合物に配合される各々の材料
について説明する。
【0022】〈アスファルト乳剤〉本発明の常温混合物
に使用するアスファルト乳剤とは、レーキアスファルト
等の天然アスファルト、ストレートアスファルトやブロ
ーンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱
瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)
等の石油アスファルト、重油、タール、ピッチ等の1
種、または2種以上を混合した瀝青物を、各種界面活性
剤やクレー(例えばベントナイト)などの乳化剤を用
い、さらには、アルカリ、酸、塩、分散剤、保護コロイ
ドなどを必要に応じて添加して、コロイドミル、ホモジ
ナイザー、ホモミキサーなどの適当な乳化機によって、
水中に乳化させたものである。
【0023】乳化剤としては、カチオン系、両性系、ア
ニオン系のいずれをも用いることができる。
【0024】本発明で使用できるカチオン系の乳化剤と
しては、長鎖アルキル基を有する脂肪族あるいは脂環族
のモノアミン、ジアミン、トリアミン、アミドアミン、
ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒドロキシアルキ
ルジアミン、ロジンアミン、これらアミン類の酸化エチ
レン付加物、アミンオキサイド、または、これらのアミ
ン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸などの酸
を作用させた水溶性ないし水分散性の塩、さらには、こ
れらのアミン系界面活性剤の第四級アンモニウム塩等が
挙げられる。また、これらの界面活性剤と共に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピ
レンブロックコーポリマーなどのノニオン系界面活性剤
を併用することもできる。
【0025】本発明で使用できるアニオン系の乳化剤と
しては、高級アルコール硫酸エステル、アルキルアリル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αオレ
フィンスルホン酸塩、高級アルコールエトオキシレー
ト、高級アルコールエトオキシレートサルフェート、石
鹸、ナフタリンスルホン酸塩およびホルマリン変性物、
アルカリリグニン塩、リグニンスルホン酸塩、カゼイン
のアルカリ塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0026】本発明で使用できる両性系の乳化剤として
は、アルキルフェノール、モノおよび多価アルコール
酸、脂肪族類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド類、エタ
ノールアミン類等のアルキレンオキシドの付加物、など
が挙げられる。
【0027】また、本発明のアスファルト乳剤に用いら
れる分散剤や保護コロイドとしては、ナフタリンスルホ
ン酸ソーダ、カゼイン、アルギン酸、ゼラチン、カルボ
キシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸ソーダ、リグニンスルホン酸塩、ニトロフミン酸塩
等が挙げられる。
【0028】上記3種の乳化剤は、いずれも適宜使用可
能であるが、両性系の乳化剤を使用して得られたアスフ
ァルト乳剤には、セメント等の水硬性無機材料と混合し
易い利点がある反面、どちらかというと、剥離や摩耗に
弱い欠点があり、また、カチオン系の乳化剤を使用して
得られたアスファルト乳剤には、剥離や摩耗に強いとい
う利点がある反面、どちらかというと、セメント等の水
硬性無機材料と混合し難いという欠点があるので、例え
ば、主として路盤用に使用されるタイプAの常温混合物
に使用するアスファルト乳剤には両性系の乳化剤を、ま
た、主として表基層又は保護層に使用されるタイプBの
常温混合物に使用するアスファルト乳剤には、両性系又
はカチオン系の乳化剤を、そして、主として保護層に使
用されるタイプCの常温混合物に使用するアスファルト
乳剤には、カチオン系の乳化剤を使用するのが好まし
い。
【0029】本発明に使用されるアスファルト乳剤にお
いては、上記乳化分散される瀝青物に、天然ゴムまたは
各種合成ゴムを単独あるいは併用の形で用いることがで
きる。合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、スチレン
・イソプレン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ
ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムな
どの各種合成ゴムが、単独あるいは併用の形で用いられ
る。特に、クロロプレンゴム、スチレン・イソプレン共
重合体ゴムを用いた場合には、高温ならびに低温におけ
る特性が改善されて好ましい。また、ムーニー粘度が、
固形またはラテックスタイプのもので、10〜100程
度のものが良い結果が得られて好ましい。
【0030】また、本発明の常温混合物に使用されるア
スファルト乳剤には、瀝青物にゴムの他に下記ポリマー
を添加して改質アスファルトとし、これを乳化してアス
ファルト乳剤としたものも含まれる。すなわち、添加さ
れるポリマーとしては、エチレン酢酸ビニール共重合
体、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレー
ト、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニールなどの合成高分
子重合樹脂、クマロン樹脂、石炭酸樹脂、キシレン樹
脂、尿素ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂などの合成樹
脂、ロジン、テルペン樹脂などの天然樹脂などが挙げら
れる。
【0031】また、これらのアスファルト乳剤に、耐熱
性向上や、紫外線等による劣化防止、作業性向上、並び
に接着性向上等の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加
剤、粘度調整剤などを添加しても良い。
【0032】本発明の常温混合物に使用するアスファル
ト乳剤中の固形分の含有量は、50〜80重量%の範囲
が好ましい。固形分の含有量が50重量%未満では、常
温混合物層に所要の粘弾性を付与することができない。
一方、固形分の含有量が80重量%を越えると、粘性が
増大して、良好な施工性が維持できなくなる。
【0033】ゴムまたはポリマー入りのアスファルト乳
剤の場合には、ゴムまたはポリマーの固形分の量は、5
〜20重量%の範囲が好ましい。ゴムまたはポリマーの
固形分の含有量が5重量%未満では、常温混合物層に所
要の粘弾性を付与することができない。一方、ゴムまた
はポリマーの固形分の含有量が20重量%を越えると、
粘性が増大して、良好な施工性が維持できなくなる。
【0034】アスファルト乳剤の分解は自然分解に依る
のが一般的であるが、場合によっては分解促進剤を使用
して強制分解させても良い。
【0035】〈水硬性無機材料〉本発明の常温混合物に
使用する水硬性無機材料としては、セメント、無水石
膏、半水石膏、粉末状高炉スラグなどが使用可能である
が、中でも、セメントを用いるのが最も好ましい。
【0036】使用するセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポル
トランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉
セメント、シリカセメント、アルミナセメント、膨張セ
メント、高炉コロイドセメント、コロイドセメント、超
速硬セメント、白色セメント、フライアッシュセメン
ト、耐硫酸塩セメント、ジェットセメントなどが挙げら
れる。
【0037】〈骨材〉本発明の常温混合物に使用する骨
材とは、社団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗
装要綱」に記載されている舗装用の骨材で、砕石、玉
砕、砂利、鉄鋼スラグ等である。また、これらの骨材に
アスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材および再
生骨材なども使用できる。その他、これに類似する粒状
材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量骨材、
陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、アルミニウム
粒、プラスチック粒、セラッミックス、エメリー等も使
用することができる。
【0038】これら骨材は、粗骨材、細骨材、及びフィ
ラーに大別されるが、本発明の常温混合物に使用する粗
骨材とは、2.36mmふるいに止まる骨材であって、
一般的には、粒径範囲2.5〜5mmの7号砕石、粒径
範囲5〜13mmの6号砕石、粒径範囲が13〜20m
mの5号砕石、さらには、粒径範囲が20〜30mmの
4号砕石等の種別があるが、これらの1種または2種以
上を混合した砕石や、合成された砕石等を使用する。こ
れら骨材には、骨材に対して0.3〜1重量%程度のス
トレートアスファルトを被覆しておくのが好ましい。
【0039】本発明の常温混合物に使用する細骨材と
は、2.36mmふるいを通過し、かつ、0.075m
mふるいに止まる骨材をいい、例えば、川砂、丘砂、山
砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人
工骨材等が挙げられる。
【0040】本発明の常温混合物に使用するフィラーと
は、0.075mmふるいを通過するものであって、例
えば、スクリーニングスのフィラー分、石粉、焼却炉
灰、クレー、タルク、フライアッシュ、カーボンブラッ
クなどであるが、このほか、ゴム粉粒、コルク粉粒、木
質粉粒、樹脂粉粒、パルプ、人工骨材であっても、0.
075mmふるいを通過するものならば、フィラーとし
て使用可能である。
【0041】なお、上述のような、粗骨材、細骨材、及
びフィラー等の区別は、骨材の性状把握や粒度設計を容
易とするための便宜上のものであり、必要とする粒度が
得られるのであれば、粗骨材、細骨材、及びフィラー等
の任意の2種以上が混じり合った連続粒度を有する骨
材、例えば、粒度調整砕石、クラッシャーラン、切込み
砕石、かき込み砂利等を使用することも可能である。
【0042】〈繊維材料〉本発明で使用する繊維材料と
しては、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリプロピレン、ビニロン、アクリル、ポリ塩化ビ
ニリデン等の合成繊維、または半合成繊維、天然繊維、
ガラス繊維、再生繊維、炭素繊維、金属繊維等、種々の
ものが用いられるが、中でも、耐アルカリガラス繊維が
好ましい。
【0043】これらの繊維は、モノフィラメントや、モ
ノフィラメントを多数集束させたマルチフィラメントで
あってもよく、あるいは、紡績糸や撚糸であっても良い
が、使用時には適当な長さに切断された短繊維として使
用する。使用する短繊維の長さに特に制限はないが、あ
まり短いと繊維による強度維持やひび割れ追従性等に効
果がないので、1.5mm以上のもの、好ましくは20
mm〜35mmのものが好ましい。
【0044】使用する繊維材料の量は、通常、常温混合
物100重量部に対して、1〜10重量部の範囲、好ま
しくは、2〜5重量部の範囲である。繊維材料の使用量
が1重量部未満であると、さほど効果が見られず、ま
た、10重量部を越えると、本発明の舗装用常温混合物
の施工性が劣化する。
【0045】〈着色顔料〉本発明で使用する着色顔料と
しては、有機系、無機系、いずれの顔料でも良く、例示
すれば、以下のとおりである。
【0046】無機顔料 白色・・・二酸化チタン、酸化亜鉛、鉛白 黒色・・・鉄黒、黒鉛、カーボンブラック 赤色・・・カドミウムレッド 橙色・・・モリブデンオレンジ 黄色・・・水酸化第二鉄、酸化鉄黄、黄鉛 緑色・・・酸化クロム、クロムグリーン 青色・・・群青、紺青、コバルトブルー 紫色・・・マンガンバイオレット 有機顔料 赤色・・・ウオッチングレッド、キナクリドンレッド 橙色・・・パーマネントオレンジ 黄色・・・ファストエロー 緑色・・・フタロシアニングリーン 青色・・・フタロシアニンブルー 紫色・・・ジオキサジンバイオレット などが挙げられる。
【0047】これら着色顔料は、1種、もしくは2種以
上が組み合わせて用いられ、その典型的な使用量は常温
混合物100重量部に対して1〜12重量部であるが、
望ましくは3〜8重量部が好ましい。着色顔料の使用量
が1重量部未満であると、鮮明な色が得られず、12重
量部を越えると、効果にさほど差が見られず、不経済で
ある。
【0048】〈水、その他の添加剤〉本発明の常温混合
物に使用する添加水としては、通常、例えば、水道水、
工業用水、地下水、河川水、農業用水等の淡水が使用さ
れる。
【0049】その他、本発明の常温混合物には、流動化
剤や空気連行剤などの添加剤が適宜使用される。
【0050】〈常温混合物の製造〉本発明の常温混合物
は、例えば、次のような方法で製造することができる。
【0051】粗骨材と細骨材、及びフィラーをミキサー
に投入し、十分に混合した段階で、水を添加し、更に混
合した後、水硬性無機材料、アスファルト乳剤、及び必
要に応じて顔料や繊維材料を、順次ミキサーに投入し、
混合して製造する。ミキサーとしては、例えば、連続ミ
キサー、パグミルミキサー、パン型ミキサー、又は可傾
式ミキサーなどを使用する。
【0052】あるいは、細骨材、フィラー、及び水をミ
キサーに投入して、十分混合した後、これに、セメン
ト、及びアスファルト乳剤をこの順に加え、更に混合す
る。こうして調整された混合物を、別途、粗骨材のみを
投入したミキサーに入れて、混合し、必要があれば、顔
料や繊維材料を加えて、更に混合して、常温混合物を製
造する。現場で製造された常温混合物、あるいは、現場
以外で製造された常温混合物は、施工現場に運ばれ、道
路舗装の構築に使用される。
【0053】〈舗装の構築〉図1に、通常のアスファル
ト舗装の構成を模式的に示す。符号1で示される舗装構
造は、路床2、下層路盤3、上層路盤4、表基層5、及
び保護層6からなっており、本発明の常温混合物は、原
則的には、このいずれの層の構築にも使用できる。即
ち、路床2や、下層路盤3を構築するときにも使用可能
であるが、一般に、路床2は自然土であったり、改良す
るにしても良質土の客土との入替えや安定処理によって
対応可能である場合が多く、また、下層路盤3には、ク
ラッシャラン、鉄鋼スラグ、砂などの比較的強度が小さ
く現場近くで経済的に入手できる材料を用いることが多
いので、通常は、下層路盤3の一部や、上層路盤4を含
めて上層路盤4よりも上の層の構築に使用する。
【0054】上述のタイプ別に従って、本発明の常温混
合物の使用例を示せば、表3のようになる。
【0055】
【表3】
【0056】この表3からも明らかなように、本発明の
常温混合物は、種々組み合わせて、路盤、表基層、及び
保護層の構築に使用することができ、使用例1のよう
に、3種をそれぞれ路盤、表基層、及び保護層の構築に
使用することもできるし、使用例2に示すように、表基
層と路盤とを1種類の常温混合物を用いて単層に構築す
ることも可能である。また、使用例3及び4に示すよう
に、保護層は構築しないことも可能であり、その場合に
は、タイプBのものタイプCのものいずれの常温混合物
を保護層として用いる場合にも、使用する乳化剤はカチ
オン系のものが好ましい。
【0057】また、例示はしないものの、表基層を、表
層と基層とに分けて構築することも可能である。
【0058】〈アスファルトマット〉また、本発明で
は、目地材としてアスファルトマットを使用する場合が
あるが、そのアスファルトマットとは、瀝青材料を主た
る原料とし、それにゴムおよび/またはエラストマーを
添加して、接着力、結合力、弾力性、耐熱性、耐寒性、
耐衝撃性、伸張性、耐候性等を改善して、マット状に形
成したもので、本発明において舗設される常温混合物と
既存のL字溝等の構造物との間に配置すると、施工後
は、目地材としての機能を果たし、温度変化等による膨
張、収縮が作用した場合にも、生じる歪みを十分に吸収
して、ひび割れの発生等を有効に防止する。また、異種
材料又は同種材料間の接合部のシーリング機能も有して
おり、接合面の凹凸をカバーして、密な接合を実現する
ものである。アスファルトマットは、施工現場の状況に
合わせて、適宜の大きさに切断して使用されるが、加
熱、溶融して使用しても良く、常温混合物の舗設後に存
在している空隙等に、ロートなどを用いて注入し、目地
とすることもできる。
【0059】このアスファルトマットに使用される瀝青
材料としては、レーキアスファルト等の天然アスファル
ト、ストレートアスファルト、セミブローンアスファル
ト、ブローンアスファルト、プロパン脱瀝アスファルト
などの石油アスファルト等で、これらの瀝青材料の1種
もしくは2種以上が必要に応じて混合使用される。これ
ら瀝青材料としては、針入度が25℃、100g、5秒
で、20〜150(1/10mm)、軟化点が50〜1
50℃のものが好ましい。
【0060】添加されるゴムまたはエラストマーとして
は、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・
イソプレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ブチル
ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロルスルホン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴ
ム、EPTゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエ
ンブロック共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック
共重合ゴム、エチレン・酢酸ビニール共重合物、エチレ
ン・アクリレート共重合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニール、ポリ酢酸ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニー
ル共重合物、酢酸ビニール・アクリレート共重合物等が
挙げられる。これらのゴムまたはエラストマーは、固体
状、粉末状、ラテックス状等、種々の状態のものが使用
でき、また、再生物であっても構わない。
【0061】本発明のアスファルトマットにおける、瀝
青材料とゴムおよび/またはエラストマーとの配合割合
は、瀝青材料:ゴムおよび/またはエラストマー=(5
5〜85重量%):(45〜15重量%)の範囲が好ま
しい。瀝青材料が55重量%未満であると粘着性が著し
く減少して不都合であり、一方、瀝青材料が85重量%
を越えると、粘着性は向上するものの、接着力、結合
力、弾力性、耐候性、耐衝撃性等の効果が減少し、瀝青
結合材としての所期の効果が期待できなくなる。
【0062】本発明のアスファルトマットには、更に、
粘着付与剤として、熱可塑性固形樹脂や液状ゴム、液状
樹脂、軟化剤、可塑剤などを添加するのが好ましい。添
加される粘着付与剤としては、例えば、ロヂンとその誘
導体、テルペン樹脂、石油樹脂とその誘導体、アルキル
フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンイ
ンデン樹脂、合成テルペン樹脂(例えば、日本ゼオン
製、商品名「クイントン」)、アルキレン樹脂、ポリイ
ソブチレン、ポリブタジエン、ポリブデン、イソブチレ
ンとブタジエンの共重合物(例えば、東燃石油化学製、
商品名「SKポリマー 1000」、または、日本ゼオ
ン製、商品名「クイントール」)、プロセスオイル、パ
イン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合動植物油等が
挙げられる。
【0063】粘着付与剤の添加量は、瀝青材料とゴムお
よび/またはエラストマーとの混合物100重量部に対
して、2〜15重量部が好ましい。粘着付与剤の添加量
が2重量部未満であると、粘着性向上に効果が見られ
ず、一方、粘着付与剤の添加量が15重量部を越える
と、粘性が著しく増大し、アスファルトマットの製造工
程に支障を来すので不都合である。
【0064】本発明のアスファルトマットには、更に、
老化防止剤や酸化防止剤、カーボンブラック等の顔料な
ども有利に添加できる。
【0065】更には、硫黄その他の加硫剤を加えて部分
的に加硫することも可能である。
【0066】〈緩衝シート〉更に、本発明では、必要に
応じて緩衝シートを、上記アスファルトマット上に配置
して使用しても良い。使用する緩衝シートとは、アスフ
ァルトを被覆もしくは浸透被覆した高弾性を有する網状
の基材と、同じく、アスファルトを浸透被覆した合成繊
維などのシートとを一体化して、シート状に形成した、
厚さ1.5〜4mm程度、幅20〜50cm程度のもの
である。
【0067】高弾性を有する網状の基材とは、金属線、
金属繊維、合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの高弾
性を有する繊維状の材料を、織布もしくは不織布等の形
で網状又はメッシュ状に形成したもので、高弾性を有
し、伸びにくく、伸ばすのに大きな引張応力を要するよ
うなものである。使用する金属線としては、銅線やステ
ンレス線等が挙げられ、合成繊維としては、芳香属ポリ
アミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、
ビニロン等が挙げられる。
【0068】アスファルトを浸透被覆した合成繊維など
のシートとは、上記合成繊維を織布、不織布、編布など
の形でシート状にしたものや、紙などに、アスファルト
を浸透被覆させたもので、この、合成繊維などのシート
と前記網状の基材とを片面同志で重ね合わせて、両者を
一体化する。一体化は、両者に被覆又は浸透被覆してい
るアスファルトの粘着作用によって行われるが、粘着性
が不足する場合には、両者の間に別途、アスファルト層
を設けてから一体化しても良い。
【0069】使用するアスファルトには、ゴムや合成樹
脂などを混和しておくことも可能であるし、鉱物質粉末
や、ガラス繊維の短繊維、合成繊維の短繊維などのフィ
ラーを加えておくこともできる。
【0070】このように、緩衝シートは、アスファルト
を被覆もしくは浸透被覆した高弾性を有する網状の基材
と、同じく、アスファルトを浸透被覆した合成繊維など
のシートとを一体化して、シート状に形成したものなの
で、上下の層と良く密着するだけでなく、引張応力に対
して強い抵抗性を有しているので、アスファルトマット
上に配置すると、アスファルトマットを介して隣接して
いる材料間の分離防止やひび割れの発生等の防止に効果
がある。
【0071】〈プライムコート及びタックコート〉本発
明では、各材料間の接着性を高めるために、必要に応じ
て、プライムコート又はタックコートを使用するが、プ
ライムコート又はタックコートとしては、アスファルト
乳剤や改質アスファルト乳剤などを使用する。改質アス
ファルト乳剤を使用すると、特に付着力が高まり有利で
ある。プライムコート又はタックコートの散布量は、
0.5〜2.0l/m2 程度が好ましい。
【0072】以下、実施例を用いて、本発明を更に説明
するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないこ
とは勿論である。
【0073】
【実施例1】工場の構内舗装を本発明の常温混合物を用
いて構築した。既に施工済みの下層路盤上に、まず、タ
イプAの常温混合物を用いて、厚さ10cmの上層路盤
を構築し、続いて、タイプBの常温混合物を用いて、厚
さ5cmの表基層を構築し、最後に、タイプCの常温混
合物を用いて、厚さ5mmの保護層を構築した。構内の
景観美のために、タイプCの常温混合物には、赤色の着
色顔料を混入した。施工面積は1000m2 (5m×2
00m)であった。施工状況の概略を図2に模式的に示
した。
【0074】常温混合物としては、以下のものを使用し
た。
【0075】 〈タイプAの常温混合物〉 骨材(粗細骨材):クラッシャラン(粒径30−0mm)(葛生産) ・・・・・ 100 重量部 水硬性無機材料:超早強セメント(秩父小野田セメント(株)製) ・・・・・ 5.5重量部 アスファルト乳剤:アスゾルH(ニチレキ(株)製) ・・・・・ 9 重量部 繊維材料 :チョップドストランド l=25mm(東洋紡(株)製) ・・・・・ 3 重量部 水 :水道水 適量 但し、繊維材料の重量部は、骨材、水硬性無機材料、及
びアスファルト乳剤の混合物に対するものである(以
下、同じ。)。
【0076】製造は、骨材、水硬性無機材料、アスファ
ルト乳剤、及び繊維材料を、この順でミキサーに投入
し、混合することによって行った。
【0077】 〈タイプBの常温混合物〉 骨材:6号砕石(粒径13−5mm)(葛生産)・・・・・23 重量部 7号砕石(粒径5−2.5mm)(葛生産)・・・・31.5重量部 粗目砂(鬼怒川産) ・・・・・・・・・・・・・・35 重量部 フィラー(フライアッシュ)(東京電力(株)製)・10.5重量部 水硬性無機材料:ポーラスファイン(住友大阪セメント(株)製) ・・・・・ 4 重量部 アスファルト乳剤:ポーラスゾール(ニチレキ(株)製) ・・・・・ 9.5重量部 繊維材料 :チョップドストランド l=25mm(東洋紡(株)製) ・・・・・ 4 重量部 水 :水道水 ・・・・・ 適量 製造は、骨材、水硬性無機材料、アスファルト乳剤、及
び繊維材料を、この順でミキサーに投入し、混合するこ
とによって行った。
【0078】 〈タイプCの常温混合物〉 骨材:7号砕石(粒径5−2.5mm)(葛生産)・・・・ 6 重量部 粗目砂(鬼怒川産) ・・・・・・・・・・・・・・85 重量部 フィラー(フライアッシュ)(東京電力(株)製)・ 9 重量部 水硬性無機材料:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)製) ・・・・・ 4.5重量部 アスファルト乳剤:パックゾールS(ニチレキ(株)製) ・・・・・11.5重量部 着色顔料 :酸化クロム(赤色) ・・・・・ 6 重量部 水 :水道水 ・・・・・ 適量 但し、着色顔料の重量部は、骨材、水硬性無機材料、及
びアスファルト乳剤の混合物に対するものである。
【0079】〈準備作業1〉既に構築済みの下層路盤上
に、プライムコートとしてアスファルト乳剤(CPE−
3、ニチレキ(株)製)を、1.2l/m2 の割合で散
布した。続いて、5mの施工幅の2.5mずつに分け
て、作業を進めるべく、施工幅中央位置に、符号7で示
すアスファルトマット(アスマット、ニチレキ(株)
製)を配置した。アスファルトマット7は、厚さ1cm
のものを、幅10cmになるように切断して用いた。長
さは2mであった。このアスファルトマット7を固定す
るために、第1の型枠8(10cm×5cm×5m)を
アンカー9で下層路盤3に固定し、この第1の型枠8と
アスファルトマット7とを、符号10で示す断面U字型
の金具で固定した。
【0080】一方、L字溝11側の側面には、アスファ
ルトマット7を接着剤を用いて固定した。
【0081】〈上層路盤の構築〉工場で製造された上記
タイプAの常温混合物を、アスファルトフィニッシャー
を用いて、アスファルトマット7、7で区切られた空間
内に舗設した。用いた常温混合物は流動状のものではな
かったが、ローラーで転圧できる程の固さは有していな
かったので、転圧は不要であった。仕上げ面はフィニッ
シャー敷き均し面とし、凹凸の極端なところは、レーキ
で不陸整正し、土羽打ちした。
【0082】舗設が25m進むごとに、順次型枠を取り
外し、アスファルトマットを配置しながら、舗設作業を
行った。アスファルトマットは、施工後、目地材として
の機能を果たすものである。
【0083】片側50mの舗設が終了すると、反対側の
舗設に移った。以下、同様にして、全施工面積にわた
り、タイプAの常温混合物の舗設による、上層路盤の構
築を終えた。
【0084】〈準備作業2〉次に、配置されたアスファ
ルトマット上を、ガスバーナーで加熱して、隣接する既
存構造物、及び、舗設された常温混合物との融着を図っ
た。加熱終了後、アスファルトマットの上部に、アスフ
ァルトマットを覆う位置に、リフレクション防止材とし
ての緩衝シート(PMシート、幅30cm、厚さ2m
m、ニチレキ(株)製)を配置した。配置は、接着剤を
用いて貼り付けることにより行った。
【0085】緩衝シートの配置後、タックコートとし
て、アスファルト乳剤(CPE−4、ニチレキ(株)
製)を、0.8l/m2 の割合になるよう、上層路盤面
にエンジンスプレーヤーで散布した。
【0086】続いて、構築された上層路盤上に、第2の
型枠12(5cm×10cm×5m)をアンカーで固定
した。
【0087】〈表基層の構築〉工場で製造された上記タ
イプBの常温混合物を、アスファルトフィニッシャーを
用いて舗設した。舗設の継ぎ目が、上層路盤の継ぎ目と
重ならないように、施工幅をずらして舗設した。型枠は
順次取り外し、約50mの舗設が終了した段階で反対側
を舗設し、以下、順次同様に作業を進め、全施工長にわ
たって表基層の舗設を完了した。8トンのマカダムロー
ラーを用いて舗設面を転圧した。
【0088】〈準備作業3〉構築された表基層面を竹ぼ
うきを用いて清掃後、タックコートとして、アスファル
ト乳剤(CPE−4、ニチレキ(株)製)を、0.8l
/m2 の割合になるよう、エンジンスプレーヤーで散布
した。
【0089】〈保護層の構築〉上記、タイプCの常温混
合物を、舗設機械(スラリーマシーン)を用いて、施工
現場で製造しながら、舗設した。この舗設機械は、搭載
された各種原材料を、所定の割合で自動的に混合し、施
工現場を移動しながら順次舗設していく機械である。
【0090】舗設は片側100mの舗設が終了した段階
で反対側に移り、その作業を繰り返すことにより、施工
長全長にわたって、保護層の構築を終了した。施工幅中
央部の継ぎ目部は、念入りに、ゴムレーキ、ローラーバ
ケ等で平坦に仕上げた。
【0091】各層の構築に常温混合物を使用したので、
従来のような加熱作業の必要がなく、作業は安全に、か
つ、能率良く行うことができた。構築された舗装は、最
上層の保護層が赤色であるため、周囲の景観ともマッチ
し、見栄えのするものであった。
【0092】
【実施例2】公園内の遊歩道(幅5m、長さ100m)
の舗装を、本発明の常温混合物を用いて構築した。遊歩
道表面を、5cmの深さに掘削し、残土を処分した後、
掘削面を振動ローラーで十分に転圧し、締め固めた。
【0093】本発明の常温混合物の舗設は、遊歩道両側
に、芝生植生用に各50cm幅を残して、中央の4mで
あった。
【0094】常温混合物としては、以下のものを使用し
た。
【0095】 〈タイプAの常温混合物〉 骨材:6号砕石(粒径13−5mm)(葛生産)・・・・・71 重量部 粗目砂(鬼怒川産) ・・・・・・・・・・・・・・29 重量部 水硬性無機材料:早強セメント(秩父小野田(株)製) ・・・・・ 6 重量部 アスファルト乳剤:PMH乳剤(ニチレキ(株)製) ・・・・・10 重量部 繊維材料 :チョップドストランド l=25mm(東洋紡(株)製) ・・・・・ 2.5重量部 水 :水道水 ・・・・・ 5 重量部 但し、繊維材料の重量部は、骨材、水硬性無機材料、ア
スファルト乳剤、及び水の混合物に対するものである。
【0096】 〈タイプCの常温混合物〉 骨材:7号砕石(粒径5−2.5mm)(葛生産)・・・・ 5 重量部 細目砂(鬼怒川産) ・・・・・・・・・・・・・・85 重量部 石粉(青梅産) ・・・・・・・・・・・・・・・10 重量部 水硬性無機材料:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)製) ・・・・・ 4.5重量部 アスファルト乳剤:パックゾールS(ニチレキ(株)製) ・・・・・12 重量部 着色顔料 :ベンガラ(赤色) ・・・・・ 5.5重量部 繊維材料 :チョップドストランド l=25mm(東洋紡(株)製) ・・・・・ 2 重量部 水 :水道水 ・・・・・ 適量 但し、着色顔料及び繊維材料の重量部は、骨材、水硬性
無機材料、及びアスファルト乳剤の混合物に対するもの
である。
【0097】〈準備作業1〉所定の位置に型枠をアンカ
ーで止めた後、プライムコートとしてアスファルト乳剤
(CPE−3、ニチレキ(株)製)を、エンジンスプレ
ーヤーで、1.2l/m2 の割合になるよう散布した。
【0098】〈表基層の構築〉事前に準備した、各必要
量を袋詰めにした骨材、水硬性無機材料、及び繊維材料
と、各必要量をポリ容器に入れたアスファルト乳剤と水
とを、作業車に搭載したパン型ミキサー(STR−5.
5ミキサー)を用いて現場で混合し、上記タイプAの常
温混合物を製造した。混合は、粗目砂、水、早強セメン
ト、アスファルト乳剤を、この順にミキサーに投入して
行い、モルタルとして練り上がった段階で、6号砕石を
入れ、最後に繊維材料を入れ、混合した。
【0099】製造した常温混合物は、ミキサーにシュー
トを接続し、作業車から作業現場に舗設した。舗設後、
左官鏝及び板製レーキで平らに敷き均した。
【0100】〈準備作業2〉構築された表基層面を竹ぼ
うきを用いて清掃後、タックコートとして、アスファル
ト乳剤(CPE−4、ニチレキ(株)製)を、0.8l
/m2 の割合になるよう、エンジンスプレーヤーで散布
した。
【0101】〈保護層の構築〉事前に準備した、各必要
量を袋詰めにした骨材、水硬性無機材料、及び着色顔料
及び繊維材料と、各必要量をポリ容器に入れたアスファ
ルト乳剤と水とを、作業車に搭載したパン型ミキサー
(STR−5.5ミキサー)を用いて混合し、上記タイ
プCの常温混合物を現場で製造した。混合は、骨材、水
の順にミキサーに入れ、次いで、セメント、着色顔料、
及びアスファルト乳剤をミキサーに投入して行い、最後
に繊維材料を入れ、混合した。
【0102】製造した常温混合物は、ミキサーにシュー
トを接続し、作業車から作業現場に舗設した。舗設後、
板製レーキ、ゴム製レーキ等で平らに敷き均した。
【0103】最後に、型枠を取り除き、両側の未舗装部
分に客土をして、高麗芝を植え、作業を完了した。
【0104】出来上がった遊歩道は、赤色をしており、
周囲の景観ともマッチした美しいものであった。
【0105】
【発明の効果】以上のように、本発明は、常温混合物を
使用するので、舗装材料を加熱する必要がなく、安全で
ある。しかも、常温混合物には、セメント等の水硬性無
機材料が配合されており、そのため、早期に硬化して所
定の強度を発現することができる。
【0106】また、調整された粒度の骨材を使用するこ
とによって、路盤用、表基層用、保護層用と、常温混合
物を各種用途に使い分けることが可能であり、また、繊
維材料を添加することによって、強度や耐久性に優れた
ものとなり、合わせて、アスファルトマットの目地材
や、緩衝シートの設置などによって、一層有効なひび割
れの防止効果が得られるなど、数々の優れた効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般の舗装構造を示す断面図である。
【図2】 本発明の舗装構築方法の一例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 舗装構造 2 路床 3 下層路盤 4 上層路盤 5 表基層 6 保護層 7 アスファルトマット 8 第1の型枠 9 アンカー 10 U字型金具 11 L字溝 12 第2の型枠

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材、水硬性無機材料、及びアスファル
    ト乳剤を主たる成分とする道路舗装用常温混合物。
  2. 【請求項2】 骨材が、粗骨材80〜20重量部、細骨
    材20〜65重量部、及びフィラー0〜15重量部を配
    合したものである請求項1記載の道路舗装用常温混合
    物。
  3. 【請求項3】 骨材が、粗骨材100〜5重量部、細骨
    材0〜80重量部、及びフィラー0〜15重量部を配合
    したものである請求項1記載の道路舗装用常温混合物。
  4. 【請求項4】 骨材が、粗骨材20〜0重量部、細骨材
    90〜60重量部、及びフィラー0〜20重量部を配合
    したものである請求項1記載の道路舗装用常温混合物。
  5. 【請求項5】 骨材100重量部に対して、水硬性無機
    材料0〜25重量部、アスファルト乳剤0〜25重量部
    を含む請求項2記載の道路舗装用常温混合物。
  6. 【請求項6】 骨材100重量部に対して、水硬性無機
    材料2〜15重量部、アスファルト乳剤2〜20重量部
    を含む請求項3記載の道路舗装用常温混合物。
  7. 【請求項7】 骨材100重量部に対して、水硬性無機
    材料2〜20重量部、アスファルト乳剤8〜30重量部
    を含む請求項4記載の道路舗装用常温混合物。
  8. 【請求項8】 更に、繊維材料及び/又は着色顔料を含
    む請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の道路舗装
    用常温混合物。
  9. 【請求項9】 水硬性無機材料がセメントである請求項
    1、2、3、4、5、6、7又は8記載の道路舗装用常
    温混合物。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8又は9記載の道路舗装用常温混合物を使用する舗装構
    築方法。
  11. 【請求項11】 請求項2又は5記載の道路舗装用常温
    混合物を路盤の構築に使用する舗装構築方法。
  12. 【請求項12】 請求項3又は6記載の道路舗装用常温
    混合物を路盤及び/又は表基層の構築に使用する舗装構
    築方法。
  13. 【請求項13】 請求項4又は7記載の道路舗装用常温
    混合物を表基層及び/又は保護層の構築に使用する舗装
    構築方法。
  14. 【請求項14】 道路舗装用常温混合物によって構築さ
    れる舗装層相互の間、及び/又は道路舗装用常温混合物
    によって構築される舗装層と既設構造物との間に、アス
    ファルトマットを配設する工程を含む請求項10、1
    1、12又は13記載の舗装構築方法。
  15. 【請求項15】 配設されたアスファルトマットを加熱
    する工程を含む請求項14記載の舗装構築方法。
  16. 【請求項16】 アスファルトマットが溶融状態で注入
    されることによって配設される請求項14記載の舗装構
    築方法。
  17. 【請求項17】 アスファルトマットを覆う位置に緩衝
    シートを配置する工程を含む請求項14、15又は16
    記載の舗装構築方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001192254A (ja) * 1999-10-19 2001-07-17 Inbakkusu:Kk コンクリート、コンクリート構造物、コンクリート構造物の施工方法、砂防ダムおよび砂防ダムの施工方法
JP2005207116A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Gifuken Shinrin Kumiai Rengokai ウッドチップ舗装
JP2010071067A (ja) * 2008-08-19 2010-04-02 Jfe Steel Corp 路盤等の補修方法
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