JP2001192254A - コンクリート、コンクリート構造物、コンクリート構造物の施工方法、砂防ダムおよび砂防ダムの施工方法 - Google Patents
コンクリート、コンクリート構造物、コンクリート構造物の施工方法、砂防ダムおよび砂防ダムの施工方法Info
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Abstract
性を向上させる。 【解決手段】 砂防ダム1は内部コンクリート1a、外
部コンクリート1bおよび鉄筋1cなどから構築されて
おり、この内部コンクリート1aは骨材としてクラッシ
ャランを用いた超硬練りによる貧配合コンクリートであ
る。クラッシャランは道路舗装の下層路盤に使用される
粒状路盤材であり、JIS A 5001において品質
規格されている道路用砕石である。クラッシャランは現
地発生材に比べて均一性が高く、安価で汎用性がある。
このため、施工現場がどこであっても一定の品質のもの
を容易に入手でき、標準的な品質管理基準や施工要領等
を作成することができるとともに、煩雑でコストのかか
る試験調査等を簡略化することができる。
Description
とセメントとを適当な割合で混ぜ、かつ水と練り合わせ
て硬化させたコンクリートに関し、更には該コンクリー
トを用いたコンクリート構造物、コンクリート構造物の
施工方法、砂防ダムおよび砂防ダムの施工方法に関す
る。
る。図13に示すように、従来の砂防ダム101は、ダ
ムコンクリートとしては比較的セメント使用料の多いコ
ンクリート101aを用いた均一型コンクリート施工に
より構築されていた。すなわち、従来、砂防ダム101
の構築に使用されているコンクリートは、JIS A
5308に規格化されているレディーミクストコンクリ
ートのうち、呼び強度で16N/mm2〜21N/mm
2、単位セメント量で230kg/m3程度のコンクリ
ートが用いられている。
一型コンクリート施工された従来の砂防ダム101は、
高い強度を有する反面、施工コストが高く経済性に問題
があった。
ilized Excavated Materials)工法やCSG(Cemented
Sand and Gravel)工法と称する施工技術を利用した砂
防ダムの構築が、コスト削減を目的として試験的に実施
されている。これらの工法では、河床砂利など施工現場
で調達できる材料(現地発生材と称する)を骨材に利用
して、施工現場にてコンクリートを製造するために、運
送費や建設残土の処理が軽減されて、これにより工期の
短縮化とコストの低減が期待されている。
法やCSG工法に用いられる現地発生材は、施工現場で
調達するため、その品質が施工現場毎に異なり品質が安
定しない。このため、現地発生材の品質を施工現場毎に
室内や現地で分析したり、試験施工により強度を確認す
る必要があり、それらの品質検査に却って時間とコスト
がかかってしまうという新たな問題が生じていた。さら
に、現地発生材の品質が区々な結果、現地発生材の配合
等を施工現場毎に作業員に指示する必要があり、品質管
理基準や施工要領の標準化を図れず、このことからも作
業工程が煩雑となり施工コストが高くなる問題があっ
た。
なされたもので、コストの削減とともに、品質の安定化
を図り施工性の向上を図ることを目的とする。
に本発明のコンクリートは、クラッシャランを骨材とし
て用いたことを特徴とする。クラッシャランは、道路舗
装の下層路盤に使用される粒状路盤材であり、JIS
(日本工業規格) A 5001において品質規格され
ている道路用砕石である。このように、クラッシャラン
は、品質規格に適合するように粒度調節されているた
め、安価で汎用性があり、一定の品質のものを各地で容
易に入手することができる。
001において品質規格されているクラッシャランは、
粒度範囲20乃至0mmのC−20、30乃至0mmの
C−30、40乃至0mmのC−40などの種類がある
が、本発明のコンクリートは、粒径40乃至0mmのク
ラッシャラン(C−40)を主骨材として用いることが
好ましく、必要に応じて、ふるい分けや他の粒度範囲の
クラッシャランを添加する等により粒度比率を調整して
もよい。
細骨材として混入してもよく、更にクラッシャランの粒
度を調整し、粒度範囲40乃至5mmのクラッシャラン
を粗骨材として用いるとともに、粒径5mm以下のシラ
スを細骨材として混入することもできる。
ートに混入される粗骨材とは、5mm網ふるいに質量で
85%以上留まる骨材と定義され、また細骨材とは、1
0mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で8
5%以上通る骨材と定義されている。したがって、クラ
ッシャランを粗骨材として用いた場合であっても、かか
る定義を満足する範囲内において、粒径5mm以下のク
ラッシャランが含まれていてもよく、また細骨材として
混入するシラスの中に粒径5mm以上のものが含まれて
いてもかまわない。
カルデラから高温のマグマが多量のガスを含んで噴出し
た際に、火山ガラスを主とする溶融物質の破片や粒子が
熱い雲の状態となって流下し、堆積・溶結してできた発
泡状の物質である。このシラスは、一般に組成鉱物の約
80%近くが火山ガラスで占められいるため、河床砂利
などに比べて品質も安定している。そして、火山地帯に
おいては、広範囲にわたり容易に採取することができ、
しかも安価である。したがって、特に火山地帯とその周
辺地域においては、細骨材としてこのシラスを用いるこ
とにより、いっそう材料コストの削減を図ることが可能
となる。なお、周知のとおり我が国は全国各地に火山地
帯が点在しているため、我が国内においては各地で容易
にシラスを入手できることはもとより、近年、シラスの
有効利用を目的とした研究開発が進んでおり、今後はク
ラッシャランと同様に一定品質のシラスが各地でいっそ
う容易に入手可能となることが予想される。
上記本発明のコンクリートによって構築することを特徴
とする。かかる構成によれば、標準的な品質管理基準や
施工要領等を作成することができるので、施工性を向上
させることができる。
上記本発明のコンクリートの外側は、該コンクリートよ
りも高い強度を有する外部コンクリートで補強するか、
または該コンクリートよりも高い強度を有するコンクリ
ートブロックを積み重ねてなる外壁で補強することが好
ましい。これにより、コンクリート構造物の耐久性や耐
摩耗性を向上させることができる。
物の施工方法は、上記本発明のコンクリートを投入する
投入工程と、このコンクリートを敷き均しするとともに
該コンクリートに振動を加えて転圧する敷き均し転圧工
程と、を含むことを特徴とする。したがって、コンクリ
ートの硬化を長時間待つ必要がなくなり施工期間を短縮
することができる。
発明において、投入工程は、型枠を構築することなく施
行現場にそのまま上記本発明のコンクリートを投入する
か、またはあらかじめ構築した型枠内に上記本発明のコ
ンクリートを投入する工程とすることができる。
る発明において、上記本発明のコンクリートの外側を、
該コンクリートよりも高い強度を有する外部コンクリー
トまたはコンクリートブロックで補強する補強工程を含
むことことが好ましい。ここで、この補強工程は、上記
本発明のコンクリートの外側に、型枠を設置する工程
と、該コンクリートと型枠との間に外部コンクリートを
投入する工程と、を含むことが好ましい。また、この補
強工程は、上記本発明のコンクリートの外側に、コンク
リートブロックを積み重ねて外壁を構築する工程として
もよい。
る。すなわち、この発明の砂防ダムは、上記本発明のコ
ンクリートによって構築されることを特徴とする。クラ
ッシャランやシラスは、施工現場がどこであっても一定
の品質のものを近隣から容易に入手することができるの
で、コストが低減し、施工性を向上させることができ
る。
のコンクリートの外側は、該コンクリートよりも高い強
度を有する外部コンクリートで補強するか、または該コ
ンクリートよりも高い強度を有するコンクリートブロッ
クを積み重ねてなる外壁で補強することが好ましい。こ
れにより、流送砂利による耐摩耗性や土石流等による耐
衝撃性を向上させることができる。
は、上記本発明のコンクリートを投入する投入工程と、
該コンクリートを敷き均しするとともにこのコンクリー
トに振動を加えて転圧する敷き均し転圧工程と、を含む
ことを特徴とする。この施工法法によれば、コンクリー
トの硬化を長時間待つ必要がなくなり施工期間を短縮す
ることができる。
も、投入工程は、型枠を構築することなく施行現場にそ
のまま上記本発明のコンクリートを投入するか、または
あらかじめ構築した型枠内に、上記本発明のコンクリー
トを投入する工程とすることができる。
いても、上記本発明のコンクリートの外側を、該コンク
リートよりも高い強度を有する外部コンクリートまたは
コンクリートブロックで補強する補強工程を含むことこ
とが好ましい。ここで、この補強工程は、上記本発明の
コンクリートの外側に、型枠を設置する工程と、該コン
クリートと型枠との間に外部コンクリートを投入する工
程と、を含むことが好ましい。また、この補強工程は、
上記本発明のコンクリートの外側に、コンクリートブロ
ックを積み重ねて外壁を構築する工程としてもよい。
いて詳細に説明する。 〈コンクリートに関する実施形態(以下、実施形態1と
する)〉この発明のコンクリートに関する実施形態1
は、骨材としてクラッシャランとセメントとを所定の割
合で混ぜて、水と練り合わせて硬化したものである。ま
た、このコンクリートは、超硬練りコンクリート(Extr
emely Stiff ConsistencyConcrete)としてある。この
超硬練りコンクリートは、スランプ0cm程度の乾燥状
態に練り合わせ、振動によって締固めるコンクリート構
造物や、成形直後に脱枠して養生するようなコンクリー
ト構造物を施工する場合に用いられるものである。
舗装の下層路盤に使用される粒状路盤材であり、JIS
A 5001において品質規格されている道路用砕石
である。すなわち、クラッシャランは、日本工業規格
(JIS)に適合するように粒度調節され、一定の品質
を有している。例えば、C−40として規定されている
クラッシャランは、粒度範囲40乃至0mmであり、コ
ンクリート骨材の細骨材率s/aに当たる粒径5mmに
対する加積通過率が約20%とされている。
て、クラッシャランを粒径5mm以上の粗骨材と粒径5
mm以下の細骨材とにふるい分けしたところ、粗骨材で
は絶乾比重が2.60、吸水率が1.55%であり、細
骨材では絶乾比重が2.51、吸水率が2.56%であ
った。さらに、クラッシャランの締固め特性は、最大乾
燥密度2.038g/cm3に対する最適含水比が5.
5%であり、セメント添加前におけるクラッシャランの
最適な締固めに必要な単位水量は約110kg/m3で
あった。
0のクラッシャラン(粒径40乃至0mm)を主骨材と
して使用し、必要に応じて、ふるい分けや他の粒度範囲
のクラッシャランを添加する等により粒度比率を調整す
ることとした。なお、この発明において、クラッシャラ
ンにはいわゆる再生クラッシャランも含まれる。
材に比べて均一性が高く、安価で汎用性があるクラッシ
ャランを骨材として用いている。このため、施工現場が
どこであっても一定の品質のものを近隣から容易に入手
でき、標準的な品質管理基準や施工要領等を作成するこ
とができるとともに、煩雑でコストのかかる試験調査等
を簡略化することができる。
下、実施形態2とする)〉この発明のコンクリートに関
する実施形態2は、骨材としてクラッシャランを用いる
とともに、更にシラスを細骨材として混入し、これらク
ラッシャランおよびシラスを含む骨材とセメントとを所
定の割合で混ぜて、水と練り合わせて硬化したものであ
る。また、このコンクリートも、超硬練りコンクリート
(Extremely Stiff Consistency Concrete)としてあ
る。
高温のマグマが多量のガスを含んで噴出した際に、火山
ガラスを主とする溶融物質の破片や粒子が熱い雲の状態
となって流下し、堆積・溶結してできた発泡状の物質
(火山噴出物)である。このシラスは、一般に組成鉱物
の約80%近くが火山ガラスで占められいるため、河床
砂利などに比べて品質も安定している。
粒度調整し、JIS A 0203に規定される細骨材
として使用することとした。一方、クラッシャランは、
40乃至5mmに粒度調整し、JIS A 0203に
規定される粗骨材として使用することとした。これら粗
骨材としてのクラッシャランおよび細骨材としてのシラ
スの混合比率は、コンクリートの圧縮強度を向上させる
最適混合比とすることが好ましいが、本発明者らの実験
によれば重量比1:1程度で後述する砂防ダムへの適用
に充分な圧縮強度を得ることができた。なお、粗骨材と
してのクラッシャランの混合比率を高めれば、更に圧縮
強度特性が向上した。
囲40乃至0mm)を粒度調整せずに使用し、これに5
mm以下のシラスを細骨材の補間材として混入させても
よい。
施形態(以下、実施形態3とする)〉図1は本実施形態
3の砂防ダムを示す側面断面図である。図1に示すよう
に、本実施形態3に係る砂防ダム1は、内部コンクリー
ト1a、外部コンクリート1bおよび鉄筋1cなどから
構築されている。内部コンクリート1aは、既述した実
施形態1または2のコンクリートを用いており、この内
部コンクリート1aに必要とされる強度指数は、砂防ダ
ム1の堤体内に発生する最大主応力を考慮すると、一般
に一軸圧縮強度が30kg/cm2程度である。また、
内部コンクリート1aの配合量は、例えば、実施形態1
のコンクリートを用いて目標強度を30kg/cm2程
度とした場合には、単位セメント量が80kg/m3、
単位水量が150kg/m3、クラッシャランが210
0kg/m 3程度とすればよい。ただし、この配合割合
は、必要に応じて任意に調整できることは勿論である。
リートを内部コンクリート1aに用いて砂防ダム1を構
築すると、従来のINSEM工法やCSG工法による高
い施工性や経済性を最大限に活かしながら、砂防ダムに
要求される品質面について、より柔軟に対応することが
できる。
cは、内部コンクリート1aを補強するためのものであ
り、内部コンクリート1aの外側に構築されている。こ
の実施形態3では、強度の高いコンクリートからなる外
部コンクリート1bを内部コンクリート1aの外周に構
築して、内部コンクリート1aを補強している。
ダムの施工方法を説明するための図であり、図2(a)
は練り混ぜ工程を示し、図2(b)は投入工程を示し、
図2(c)は敷き均し転圧工程を示し、図3(a)は型
枠設置工程を示し、図3(b)は外壁設置工程を示す。
内で、クラッシャラン、セメントおよび水等がバックホ
ウ3によって練り混ぜられて、内部コンクリート1aが
生成される(図2(a)参照)。ここで、クラッシャラ
ン、セメント、水等はダンプトラック等によって別々に
混合ヤード2まで搬送される。また、内部コンクリート
1aは超硬練りであり単位セメント量が小さいので、材
料が均一になるように十分に練り混ぜることが好まし
い。例えば、内部コンクリート1aは、1m3当たり約
1分程度、好ましくは1m3当たり約2分程度の練り混
ぜを行う。
には、該シラスもダンプトラック等によって別々に混合
ヤードまで搬送し、混合ヤード2に投入して同様に練り
混ぜ、内部コンクリート1aを生成する。
ド2からダンプトラック4によって搬送され、H型鋼5
aを積み上げて設置した型枠5内に投入される(図2
(b)参照)。このとき、内部コンクリート1aの側面
は型枠5によって固定されるが、超硬練りされた内部コ
ンクリート1aは、型枠5を構築せずにそのまま施工場
所に投入することもできる。なお、内部コンクリート1
aを型枠5内へ投入(ダンビング)するときには、骨材
分離に十分注意する必要がある。
工程および転圧工程を実施する。敷き均し工程では、例
えば、敷き均し厚さが、転圧後1リフト当たり50cm
(25cmを2層敷き均し)になるように、内部コンク
リート1aを敷き均しする。この敷き均し工程は、転圧
効果を十分にすることと、運搬および投入時に分離した
内部コンクリート1aをかき混ぜて均質な状態にするこ
とを目的としている。ダンプトラック4によって型枠5
内に投入すると骨材分離が生じ易く、敷き均し厚さを厚
くすると粗骨材だけが固まった箇所が発生して、転圧し
ても粗骨材の隙間にモルタル分を充填することが困難に
なる。このため、敷き均しを薄く行うことによって、材
料の分離を解消するとともに、ブルドーザー等の敷き均
し機械によって数回に分けて撒き出し敷き均して、転圧
効果を向上させることが好ましい。
たは6t級の振動ローラ6の自重による圧密と、振動に
よる骨材間摩擦の減少およびモルタルの流動作用によ
り、内部コンクリート1aを締固める(図2(c)参
照)。本発明者らによる試験施工によれば、6t級の振
動ローラ6を使用した場合には、初期転圧を振動なしで
1往復、規定転圧を振動ありで3往復、仕上げ転圧を振
動なしで1往復程度させた結果、内部コンクリート1a
の沈下はほとんど見られず、全面的にブリージングが発
生して、良好な転圧状態であることが確認されている。
クリートを用いた施工に対する現場密度試験(砂置換
法)によれば、平均で98.6%の締固め度であった。
このように、敷き均し工程および転圧工程を行うこと
で、水分量の少ない内部コンクリート1aであっても長
時間硬化を待つ必要がなく施工期間を短縮できる。
鉄筋1cを加工して組み立てるとともに、型枠7を設置
する(図3(a)参照)。そして、この型枠7と内部コ
ンクリート1aとの間に、例えば、呼び強度21N/m
m2程度と比較的強度の大きなコンクリートをポンプ車
8によって投入して、外部コンクリート1bおよび鉄筋
1cからなる外壁を構築する(図3(b)参照)。この
ように、内部コンクリート1aを補強するための外部コ
ンクリート1bを構築することにより、流送砂利による
耐摩耗性や土石流等による耐衝撃性を向上させることが
できる。
れる砂防ダムにあっては、鉄筋1cを省略して無筋コン
クリートとしてもよい。また、大型の砂防ダムを構築す
るような場合には、外部コンクリートとして、内部コン
クリート1aの外側または外部コンクリート1bの更に
外側に、捨型枠兼用のコンクリートブロックを構築して
もよい。そして、外部コンクリート1bが固まった後
(例えば、投入から約24時間程度経過後)に、内部コ
ンクリート1aの上に新たな型枠5を設置して、同じ手
順で各作業が繰り返される。
の実施形態(以下、実施形態4とする)〉図4は本実施
形態4の砂防ダムを示す側面断面図、図5は同じく正面
図である。本実施形態4では、内部コンクリート1aの
外側に、高い強度を有するコンクリートブロック21を
積み重ねて外壁を構築することにより、内部コンクリー
ト1aを補強する構造としてある。なお、内部コンクリ
ート1aは、既述した実施形態3の同一である。
21を、図5に示す如く各段ごと千鳥状にずらせて積み
重ねるとともに、同ブロック21の2箇所に縦方向に穿
設した透孔21aをそれぞれ異なるコンクリートブロッ
ク21の間で連通させ、該透孔21aに鉄筋22を挿入
することにより、各コンクリートブロック21のずれ防
止と、外力に対する強化を図っている。また、本実施形
態4では、図4に示す如く、棒状のアンカー23を内部
コンクリート1a内に延在するように配置するととも
に、このアンカー23を介してコンクリートブロック2
1と内部コンクリート1aとを連結し、内部コンクリー
ト1aとの一体化を図っている。
ダムの施工方法を説明するための図である。なお、本実
施形態4においても、内部コンクリート1aは、先の実
施形態3と同様、練り混ぜ工程、投入工程、敷き均し転
圧工程の各工程をもって構築される。
コンクリートブロック21を、砂防ダムの外壁を構築す
る位置に合わせて並べて配置する。そして、図2(a)
で示した如く混合ヤード2内で練り混ぜて生成した内部
コンクリート1aを、図2(b)で示したと同様にダン
プトラックをもって搬送し、並べて配置したコンクリー
トブロック21の内側に投入する。続いて、先の実施形
態3と同様に(図2(c)参照)、内部コンクリート1
aの敷き均し工程および転圧工程を実施して、内部コン
クリート1aを敷き固める。
側に内部コンクリート1aを敷き固めた後、同コンクリ
ートブロック21に穿設された透孔21aに鉄筋22を
差し込む(図6(b)参照)。このとき、透孔21aの
内面と鉄筋22との間に隙間がある場合は、該隙間にモ
ルタル等の充填材を挿入して鉄筋22を固定しておくこ
とが好ましい。
上面から適宜の長さだけ突き出す全長としてある。この
突き出した鉄筋22に、図7に示す如く棒状のアンカー
23の基端部を引っ掛けるとともに、同アンカー23を
内部コンクリート1aの上面に配置する。なお、本実施
形態4では、アンカー23の基端部は、鉄筋22に引っ
掛けるためにフック形状としてあり、その先端部は、外
側への引抜き抵抗を増加させるために屈曲させてある
が、該アンカー23の構成は任意に変更できることは勿
論であり、例えば、アンカー23の基端部をコンクリー
トブロック21にあらかじめ埋設しておくこともでき
る。さらに、コンクリートブロック21と内部コンクリ
ート1aとを連結して一体化を図る手段については、ア
ンカー23を介する以外にも種々の構成が考えられる。
コンクリートブロック21を積み重ねる。このとき、同
コンクリートブロック21の透孔21aに、第一段目の
コンクリートブロック21から突き出た鉄筋22を差し
込む。そして、同じ手順で各作業が繰り返される。この
ように、内部コンクリート1aを補強する外壁をコンク
リートブロック21を用いて構築することによっても、
流送砂利による耐摩耗性や土石流等による耐衝撃性を向
上させることができる。
明の実施形態1または2に係るコンクリートによる他の
構造物への適用例を説明する。図8乃至図12はこの発
明の実施形態1または2に係るコンクリートによる他の
構造物への適用例を示す図であり、図8は道路擁壁への
適用例を示し、図9は砂防ダム等の基礎地盤への適用例
を示し、図10は砂防ダム袖部等の人工地山や間詰め、
ダム下流部等の洗掘部への適用例を示し、図11は道路
路体材料への適用例を示し、図12は河川護岸への適用
例を示す。
りに、実施形態1または2に係るコンクリートで道路擁
壁10を構築することで、コストの削減を図ることがで
きる(図8参照)。
ートによってダム基礎11や堤体基礎地盤を置き換えれ
ば、基礎の安定化を図ることができる(図9参照)。
リートによって、砂防ダム袖部12の巻き込みおよび間
詰めを構築すれば、コストの削減を図ることができる
(図10参照)。例えば、斜面崩壊災害を復旧する場合
に、テンサー等による補強土工法では定着長が不足する
ため、崩壊斜面を掘削する必要が生じる。その結果、二
次災害を誘発するだけではなく、建設コストが高くな
る。実施形態1または2に係るコンクリートを用いた工
法によれば、崩壊斜面の下端からカウンタを当てながら
地山を復旧することができるので、建設コストの削減を
図ることができるとともに、安全性や経済性も優れてい
る。
る場合に、実施形態1または2に係るコンクリートによ
って道路路体材料13を強化すれば、盛土部分14の安
定化を図り、土石流に対する防災機能が向上する(図1
1参照)。
リートによって従来のブロック護岸15を強化すれば、
コストの削減を図ることができる(図12参照)。
されるものではない。例えば、内部コンクリート1aの
耐久性を向上させる目的で、アルカリ骨材反応を抑制す
るフライアッシュや高炉スラグ等の混和材、AE(空気
連行)剤等の混和剤を、内部コンクリート1aに添加し
てもよい。また、良質な河床砂礫やトンネルズリ等の現
地発生材をクラッシャランやシラスとともに骨材に使用
して、建設コストをよりいっそう削減することもでき
る。さらに、大規模な構造物については、バックホウに
よる現地混合方式(現地ヤード方式)に代えて、プラン
ト混合方式や簡易プラント混合方式を使用してもよい。
として外部コンクリートまたはコンクリートブロックに
よる構成を示したが、これに限定されるものではなく、
例えば、金属鋼板やカーボン繊維等の耐摩耗性および耐
衝撃性に優れた部材をコンクリートの外側に設けること
で該コンクリートを補強してもよい。
ート、コンクリート構造物、コンクリート構造物の施工
方法、砂防ダムおよび砂防ダムの施工方法によれば、ク
ラッシャランを骨材として用いたので、コストを削減
し、品質の安定化を図り、施工性を向上させることがで
きる。
面図である。
法を説明するための図であり、(a)は練り混ぜ工程を
示し、(b)は投入工程を示し、(c)は敷均し転圧工
程を示す。
ダムの施工工程を説明するための図であり、(a)は型
枠設置工程を示し、(b)は外壁設置工程を示す。
面図である。
正面図である。
法を説明するための側面断面図である。
の平面図である。
ートの道路擁壁への適用例を示す図である。
ートの砂防ダム等の基礎地盤への適用例を示す図であ
る。
リートの砂防ダム袖部等の人工地山や間詰めやダム下流
部等の洗掘部への適用例を示す図である。
リートの道路路体材料への適用例を示す図である。
リートの河川護岸への適用例を示す図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 クラッシャランを骨材として用いたこと
を特徴とするコンクリート。 - 【請求項2】 請求項1記載のコンクリートにおいて、 粒度範囲40乃至0mmのクラッシャランを主骨材とし
て用いたことを特徴とするコンクリート。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のコンクリートに
おいて、 シラスを細骨材として混入することを特徴とするコンク
リート。 - 【請求項4】 請求項3記載のコンクリートにおいて、 粒度範囲40乃至5mmのクラッシャランを粗骨材とし
て用いるとともに、粒径5mm以下のシラスを細骨材と
して混入することを特徴とするコンクリート。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
コンクリートによって構築されたことを特徴とするコン
クリート構造物。 - 【請求項6】 請求項5記載のコンクリート構造物にお
いて、 前記コンクリートの外側を、該コンクリートよりも高い
強度を有する外部コンクリートで補強したことを特徴と
するコンクリート構造物。 - 【請求項7】 請求項5記載のコンクリート構造物にお
いて、 前記コンクリートの外側を、該コンクリートよりも高い
強度を有するコンクリートブロックを積み重ねてなる外
壁で補強したことを特徴とするコンクリート構造物。 - 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
コンクリートを投入する投入工程と、前記投入したコン
クリートを敷き均しするとともに該コンクリートに振動
を加えてこのコンクリートを転圧する敷き均し転圧工程
と、を含むことを特徴とするコンクリート構造物の施工
方法。 - 【請求項9】 請求項8記載のコンクリート構造物の施
工方法において、 前記投入工程は、あらかじめ構築した型枠内に、請求項
1乃至4のいずれか一項に記載のコンクリートを投入す
るものであることを特徴とするコンクリート構造物の施
工方法。 - 【請求項10】 請求項8または9記載のコンクリート
構造物の施工方法において、 前記コンクリートの外側を該コンクリートよりも高い強
度を有する外部コンクリートまたはコンクリートブロッ
クで補強する補強工程を含むことを特徴とするコンクリ
ート構造物の施工方法。 - 【請求項11】 請求項10記載のコンクリート構造物
の施工方法において、 前記補強工程は、前記コンクリートの外側に型枠を設置
する工程と、前記コンクリートと前記型枠との間に外部
コンクリートを投入する工程と、を含むことを特徴とす
るコンクリート構造物の施工方法。 - 【請求項12】 請求項10記載のコンクリート構造物
の施工方法において、 前記補強工程は、前記コンクリートの外側にコンクリー
トブロックを積み重ねて外壁を構築する工程を含むこと
を特徴とするコンクリート構造物の施工方法。 - 【請求項13】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載
のコンクリートによって構築されたことを特徴とする砂
防ダム。 - 【請求項14】 請求項13記載の砂防ダムにおいて、 前記コンクリートの外側を、該コンクリートよりも高い
強度を有する外部コンクリートで補強したことを特徴と
する砂防ダム。 - 【請求項15】 請求項13記載の砂防ダムにおいて、 前記コンクリートの外側を、該コンクリートよりも高い
強度を有するコンクリートブロックを積み重ねてなる外
壁で補強したことを特徴とする砂防ダム。 - 【請求項16】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載
のコンクリートを投入する投入工程と、前記投入したコ
ンクリートを敷き均しするとともに該コンクリートに振
動を加えてこのコンクリートを転圧する敷き均し転圧工
程と、を含むことを特徴とする砂防ダムの施工方法。 - 【請求項17】 請求項16記載の砂防ダムの施工方法
において、 前記投入工程は、あらかじめ構築した型枠内に、請求項
1乃至4のいずれか一項に記載のコンクリートを投入す
るものであることを特徴とする砂防ダムの施工方法。 - 【請求項18】 請求項16または17記載の砂防ダム
の施工方法において、 前記コンクリートの外側を該コンクリートよりも高い強
度を有する外部コンクリートまたはコンクリートブロッ
クで補強する補強工程を含むことを特徴とする砂防ダム
の施工方法。 - 【請求項19】 請求項18記載の砂防ダムの施工方法
において、 前記補強工程は、前記コンクリートの外側に型枠を設置
する工程と、前記コンクリートと前記型枠との間に外部
コンクリートを投入する工程と、を含むことを特徴とす
る砂防ダムの施工方法。 - 【請求項20】 請求項18記載の砂防ダムの施工方法
において、 前記補強工程は、前記コンクリートの外側にコンクリー
トブロックを積み重ねて外壁を構築する工程を含むこと
を特徴とする砂防ダムの施工方法。
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- 2000-07-21 JP JP2000220888A patent/JP4548686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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