JP6644594B2 - 免震装置 - Google Patents

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本発明は、下側の構造体と上側の構造体との間に設けられ、それら上下の構造体を少なくとも垂直方向の振動について絶縁させる免震装置に関する。特に、本発明は、上側の構造体と下側の構造体を垂直方向及び水平方向の振動について絶縁させるのに好適な技術に関する。
特許文献1には、建屋と基礎との間で水平方向振動及び鉛直方向振動を絶縁させる三次元免震装置が開示されている。以下、特許文献1で用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載の三次元免震装置について説明する。
ばね及び減衰器としての機能を併せ持つ4体のエアダンパ(4)が基礎(2)上に設置され、フレーム(5)がこれらエアダンパ(4)上に設置されている。フレーム(5)には4体のリニアベアリング(7d)が設けられ、リニアベリング(7d)には、基礎(2)上に立設された4本の支柱(7a)がリニアベリング(7d)にそれぞれ挿入されている。これによりフレーム(5)は鉛直方向に移動可能とされているとともに、水平方向の動きが拘束されている。オイルダンパ型オイルダンパ(6)の下端が基礎(2)に連結され、そのオイルダンパ(6)の上端がフレーム(5)の中央部に連結されている。オイル型オイルダンパ(6)が支柱(7a)及びエアダンパ(4)によって囲われており、支柱7a)とエアダンパ(4)が交互に周方向に配列されている。フレーム(5)上には積層ゴム(3)が設置され、積層ゴム(3)上に建屋(1)が設置されている。この積層ゴム(3)によって水平方向の免震が実現される。
特開2008−121328号公報
特許文献1に記載の技術では、支柱(7a)が棒状であるがゆえに、水平方向の荷重が大きくなると、支柱(7a)の曲げや座屈が発生し、フレーム(5)を支柱(7a)によって十分拘束することができない。
また、オイルダンパ(6)が支柱(7a)及びエアダンパ(4)によって囲われているので、オイルダンパ(6)の点検・修繕を行いにくい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、水平方向の拘束力の向上を図ることと、ダンパの点検・修繕を行いやすくすることである。
以上の課題を解決するための本発明の免震装置は、軸方向が鉛直方向となるよう下部体上に立設される外筒と、前記外筒の上部の内側に配置された内側部材と、前記外筒の上部と前記内側部材との間に設けられ、前記内側部材の外周と前記外筒の上部の内周を連結し、前記外筒と前記内側部材を鉛直方向の振動について絶縁させる垂直免震支承と、前記下部体上に設けられ、前記内側部材を弾性的に支持する垂直弾性体と、前記内側部材の下側において前記垂直弾性体を取り囲むように周方向に配列され、前記内側部材と前記下部体を連結し、前記外筒に対する前記内側部材の相対的な鉛直方向の振動エネルギーを吸収する複数のダンパと、を備える。
以上の発明によれば、外筒と内側部材との間に垂直免震支承が設けられているので、内側部材に対する水平拘束力が高い。つまり、外筒は筒状であるがゆえに高剛性であるため、内側部材から垂直免震支承を介して受ける水平荷重に対して強く抵抗する。
また、垂直免震支承が外筒の上部の内側に配置されているので、垂直免震支承の下方であって外筒の内側にスペースを形成することができる。そのため、内側部材の下側に周方向に配列されたダンパの点検・修繕等を行うに際して、そのスペースを利用することができる。よって、ダンパの点検・修繕を行いやすい。また、ダンパが垂直弾性体を取り囲むように配列されているので、スペースでダンパの点検等を行う際に垂直弾性体が邪魔にならない。
好ましくは、前記垂直免震支承が複数、前記内側部材と前記外筒との間において周方向に配列されている。
以上によれば、複数の垂直免震支承が周方向に配列されているので、内側部材に対する水平拘束力がより高くなるうえ、内側部材の水平方向の位置・姿勢が安定する。また、複数の垂直免震支承が設けられても、垂直免震支承の下方であって外筒の内側にスペースを形成することができる。
好ましくは、前記免震装置が、前記外筒に設置された開閉扉を更に備える。
以上によれば、開閉扉を開いて、外筒の内側に進入することができる。
好ましくは、前記外筒に設置された窓を更に備える。
以上によれば、ダンパ及び垂直弾性体を窓越しの目視により点検することができる。
好ましくは、前記免震装置が、前記内側部材の上端に設けられた台座部を更に備え、前記内側部材が前記外筒と同軸状の筒状に設けられ、前記台座部が前記内側部材の上端開口を閉塞するよう前記内側部材の上端に設けられ、前記垂直弾性体の上部が前記内側部材の内側に配置され、前記台座部が前記垂直弾性体に弾性的に支持される。
以上によれば、垂直弾性体の上部が筒状の内側部材内に配置されているので、外筒が低く、内側部材の下端から下部構造体までの距離が短くても、垂直弾性体用の設置高さを確保することができる。外筒が低ければ、免震装置全体としても低く、コンパクトな免震装置を提供することができる。
好ましくは、前記免震装置が、前記台座部上に設置され、前記台座部の上方の上部構造体と前記台座部を水平方向の振動について絶縁させる水平免震支承を更に備える。
以上によれば、上部構造体と下部構造体を水平方向の振動について絶縁させることができる。
好ましくは、前記免震装置が、前記下部体としての水平免震支承を更に備え、前記水平免震支承がその下方の下部構造体と前記外筒を水平方向の振動について絶縁させる。
以上によれば、上部構造体と第二下部構造体を水平方向の振動について絶縁させることができる。
本発明によれば、外筒が内側部材から垂直免震支承を介して受ける外筒に掛かる水平荷重に対して強く抵抗し、内側部材に対する水平拘束力が高い。また、垂直免震支承の下方であって外筒の内側にスペースを形成することができ、そのスペースを利用してダンパの点検・修繕等を容易に行える。
図1は免震装置の鉛直断面図である。 図2は免震装置の水平断面図である。 図3は変形例に係る免震装置の鉛直断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
1. 三次元免震装置の概要
図1は、三次元免震装置1の鉛直断面図である。図2は、図1に示すII-IIに沿った面を矢印方向に見て示した水平断面図である。
三次元免震装置1は、下部体としての基礎2と上部構造体(例えば、原子力建屋、原子炉、原子力施設、建物躯体)3との間に設置され、基礎2に対する上部構造体3の相対的な水平方向及び鉛直方向の振動について基礎2と上部構造体3を絶縁させるものである。三次元免震装置1は、外筒10、内筒20、複数の垂直免震支承30、複数のリンク機構式ダンパ40、垂直弾性体50、台座部60及び水平免震支承70等を備える。
外筒10は、その中心軸線が鉛直方向に延びるように基礎2上に立設されている。外筒10の上部の内側には内筒20が外筒10と同軸状となるように複数の垂直免震支承30によって支持され、外筒10と内筒20は鉛直方向の振動について垂直免震支承30によって絶縁されている。内筒20は外筒10の上端から上方に突出した状態にあり、内筒20の上端には円盤状の台座部60が固定されている。外筒10の内側には、複数のリンク機構式ダンパ40が周方向に配列されるよう基礎2上に設置されている。内筒20がこれらリンク機構式ダンパ40上に設置されているとともに、リンク機構式ダンパ40によって支持されている。リンク機構式ダンパ40の配列の内側において、垂直弾性体50が基礎2上に設置されており、台座部60が垂直弾性体50上に設置されることによって、台座部60及び内筒20が垂直弾性体50によって弾性的に支持されている。台座部60上には水平免震支承70が設置され、水平免震支承70上に上部構造体3が設置される。水平免震支承70によって上部構造体3と台座部60が水平方向の振動について絶縁されている。
外筒10、内筒20、複数の垂直免震支承30、複数のリンク機構式ダンパ40、垂直弾性体50、台座部60及び水平免震支承70等が組み付けられることによって、三次元免震装置1がモジュール化・ユニット化されたものとなっている。以下、三次元免震装置1の各構成要素について詳細に説明する。
2. 外筒
外筒10は、その内周面の少なくとも上部が正多角形状に形成されている。具体的には、外筒10は円筒状の鋼製アウターフレーム11、正多角形筒状の鋼製支持フレーム12及び複数の鋼製連結部材13を有し、アウターフレーム11の下端が基礎2に定着され、支持フレーム12が複数の鋼製連結部材13によってアウターフレーム11の上部の内側に固定され、これら連結部材13がアウターフレーム11と支持フレーム12とを同軸状に配置するようにこれらフレーム11,12を連結する。なお、周方向に配列された複数の連結部材13をリング状に形成された単一又は複数の鋼板に代えてもよく、この場合、そのリング状鋼板の外縁がアウターフレーム11の内周面に定着され、そのリング状鋼板の内縁が支持フレーム12の外周面に定着されてもよい。
アウターフレーム11には開口11aが形成され、その開口11aを開閉する開閉扉14がその開口11aに設置されている。作業者等はこの開閉扉14を開いて、開口11aを通って外筒10の内側に進入することができる。開閉扉14は、ヒンジにより開口11aを開閉するものでよいし、開口11aに対して着脱可能に設けられていることによって開口11aを開閉するものでもよい。
また、アウターフレーム11には観察窓11bが設けられており、観察窓11b越しに外筒10の内側を観察することができる。
3. 内筒
内筒20はその外周面の少なくとも下部が正多角形状に形成されている。具体的には、内筒20が正多角形筒状の鋼製インナーフレーム21、正多角形筒状の鋼製支持フレーム22及び複数の鋼製連結部材23を有し、インナーフレーム21の下部が支持フレーム22の内側に配置され、支持フレーム22が連結部材23によってインナーフレーム21の下部の内側に固定され、これら連結部材23がインナーフレーム21と支持フレーム22とを同軸状に配置するようにこれらフレーム21,22を連結する。なお、周方向に配列された複数の連結部材23をリング状に形成された単一又は複数の鋼板に代えてもよく、この場合、そのリング状鋼板の外縁が支持フレーム22の内周面に定着され、そのリング状鋼板の内縁がインナーフレーム21の外周面に定着されてもよい。
以下の説明において特に断りがなければ、径方向とは、外筒10及び内筒20の軸線を中心とした径方向のことをいい、周方向とは、外筒10及び内筒20の軸線を中心とした周方向をいい、軸方向とは、外筒10及び内筒20の軸線の方向(つまり、鉛直方向)をいう。
4. 台座部
台座部60は、内筒20のインナーフレーム21の上端開口を閉塞するように、インナーフレーム21の上端に取り付けられている。台座部60はインナーフレーム21及び支持フレーム22よりも大径であり、台座部60の外周部がインナーフレーム21の外周から径方向外方に延出する。また、台座部60の下面の中央部にはリング状の受け部61が凸状に設けられている。その受け部61はインナーフレーム21の上端開口内に配置されている。
5. 垂直免震支承
垂直免震支承30は、一対の対向フランジ31,32と、これらフランジ31,32の間にゴム層と鋼板が交互に積層されてなる免震積層体33と、を有する。垂直免震支承30は、免震積層体33の積層方向が径方向となるように内筒20の支持フレーム21と外筒10の支持フレーム12との間において周方向に配列されている。垂直免震支承30の一方のフランジ31が支持フレーム22の外面に固定され、他方のフランジ32が支持フレーム12の内面に固定されている。上から見て、支持フレーム11,21が正多角形状に形成されており、正多角形の辺となる支持フレーム11,21の内側平面・外側平面に垂直免震支承30が取り付けられているので、垂直免震支承30は安定して支持される。なお、垂直免震支承30が外筒10の上部の内側に設けられているので、外筒10の内側であって垂直免震支承30の下方には、スペース25が存在する。
これら垂直免震支承30は、外筒10に対する内筒20の相対的な軸方向の移動を許容するとともに、外筒10に対する内筒20の相対的な径方向の移動を拘束する。
垂直免震支承30のサイズや数は、目的とする鉛直方向固有振動数や、上部構造体3の重量に応じたものとする。
なお、垂直免震支承30は積層ゴム式の免震支承であったが、例えば弾性体支承、摩擦支承又はすべり支承であってもよい。つまり、垂直免震支承30は、外筒10に対する内筒20の水平方向の動きを拘束するとともに、外筒10に対する内筒20を鉛直方向の振動について絶縁するものであれば、垂直免震支承30の種類・方式・形態等を適宜変更してもよい。
6. 垂直弾性体
垂直弾性体50は、複数の皿ばね51がベース80の中央部上に積み重ねられることにより構成された皿ばね積層体からなる。最上段の皿ばね51が台座部60の受け部61に当接し、台座部60がその最上段の皿ばね51上に設置されている。
これら皿ばね51は上から下に向かって複数のグループに分けられている。そして、これら皿ばね51はグループ毎に互い違いに重ねられており、各グループ内では同じ向きに重ね合わせられている。具体的には、上段グループの皿ばね51は円錐面の頂点が下向きになるように重ねられ、中上段グループの皿ばね51は円錐面の頂点が上向きになるように重ねられ、中下段グループの皿ばね51は円錐面の頂点が下向きになるように重ねられ、下段グループの皿ばね51は円錐面の頂点が上向きになるように重ねられている。
台座部60及び内筒20が垂直弾性体50によって支持されることにより、地震が発生していない平時において垂直免震支承30が鉛直方向に変形するのを抑制できる。
垂直弾性体50は、台座部60及び内筒20が軸方向の振動により初期位置から軸方向に変位した場合に、その台座部60及び内筒20を初期位置に復元させる復元力を発生させる。初期位置とは、地震が発生していない平時の自然状態における台座部60及び内筒20の位置をいう。
皿ばね51の数や弾性係数等は、目的とする鉛直方向固有振動数や、上部構造体3の重量に応じたものとする。
7. リンク機構式ダンパ
リンク機構式ダンパ40は、4節の平行四辺形リンク機構と、その平行四辺形リンク機構の各節点に設けられた回転摩擦材とを有する。リンク機構式ダンパ40の向きは上下の節点の回転軸方向が外筒10の径方向となるように設定されており、リンク機構式ダンパ40の上側の節点が回転可能に内筒20の下端(特に、支持フレーム21及びインナーフレーム22の下端)に取り付けられ、リンク機構式ダンパ40の下側の節点が円盤状のベース80に回転可能に取り付けられている。これらリンク機構式ダンパ40は、垂直弾性体50を取り囲むように周方向に配列されている。リンク機構式ダンパ40は、外筒10に対する内筒20の相対的な軸方向の振動エネルギーを吸収し、その振動を減衰させるものである。
リンク機構式ダンパ40の減衰容量は調整可能である。具体的には、節点に設けられた回転摩擦材の積層数や種類を変更したり、節点の締め付け力を増減したりすることによってリンク機構式ダンパ40の減衰容量を調整することができる。ここで、リンク機構式ダンパ40の減衰容量は、上部構造体3の重量や垂直弾性体50の弾性係数に応じたものとする。
複数のリンク機構式ダンパ40が周方向に配列されるように内筒20の下に設けられており、外筒10の内周面と内筒20の外周面との間隔が垂直免震支承30によって確保されているので、リンク機構式ダンパ40と外筒10との間にスペース25が存在する。そのため、作業員が外筒10に入って、スペース25においてリンク機構式ダンパ40の点検・修繕等を行える。
また、リンク機構式ダンパ40の上下の節点の回転軸方向が外筒10の径方向となっているので、外筒10の径が短くてもリンク機構式ダンパ40と外筒10との干渉を防止できる。スペース25内の作業員が周方向に移動でき、複数のリンク機構式ダンパ40の点検・修繕等を続けて行える。
また、複数のリンク機構式ダンパ40によって、垂直弾性体50の上側の皿ばね51と下側の皿ばね51との同心状の配置が保持される。更に、ベース80に対する台座部60の水平方向の位置が複数のリンク機構式ダンパ40によって決まる。
重力加速度を上回るような鉛直方向の加速度の大地震が発生しても、外筒10と内筒20がリンク機構式ダンパ40の可動限界の範囲で拘束される。そのため、大地震の衝撃により垂直免震支承30が破損して弾性機能を喪失した場合でも、台座部60がベース80から上方に離れた状態がリンク機構式ダンパ40によって保持されて、台座部60がベース80や外筒10に対して衝突・落下しない。また、台座部60が水平方向に大きくする振動することもリンク機械式ダンパ40によって抑制できる。
なお、平行四辺形リンク機構の対角節点間がエアダンパ、オイルダンパ、鋼材ダンパ等の伸縮式ダンパによって連結されていてもよい。また、リンク機構式ダンパ40の代わりに、伸縮式ダンパによって内筒20の下端とベース80が連結されてもよい。
8. 水平免震支承
水平免震支承70は、上下一対の対向フランジ71,72と、これらフランジ71,72の間にゴム層と鋼板が交互に積層されてなる免震積層体73と、を有する。下側のフランジ71が台座部60に固定され、上側のフランジ72が上部構造体3に固定されている。
これら水平免震支承70は、台座部60に対する上部構造体3の相対的な水平方向の移動を許容するとともに、台座部60に対する上部構造体3の相対的な鉛直方向の移動を拘束する。
水平免震支承70のサイズは、目的とする水平方向固有振動数や、上部構造体3の重量に応じたものとする。
9. 効果
(1) 内筒20が複数の垂直免震支承30によって囲まれ、更にこれら垂直免震支承30が外筒10によって囲まれているので、内筒20に対する水平拘束力が高い。つまり、外筒10は、筒状であるがゆえに、特許文献1に記載の支柱(2)よりも高剛性であって、内筒20から受ける水平荷重に対して強く抵抗する。また、垂直免震支承30が免震積層ゴムであるので、特許文献1に記載のベアリング(7d)及び支柱(7a)と比較して、水平方向の荷重に対して大きな耐力を有する。
(2) 外筒10、内筒20、複数の垂直免震支承30、複数のリンク機構式ダンパ40及び垂直弾性体50が同心状に配置されているので、三次元免震装置1のサイズ、特に径方向のサイズをコンパクトにすることができる。
(3) 垂直免震支承30の下側であってリンク機構式ダンパ40の外側にスペース25が形成されているので、そのスペース25を作業員の作業スペースとして利用することができる。また、リンク機構式ダンパ40が垂直弾性体50の外側に配置されているので、作業員が垂直弾性体50に邪魔されずにリンク機構式ダンパ40の点検等を行える。なお、垂直弾性体50が可動部を有さない皿ばね51の積層体であるので、リンク機構式ダンパ40と比較しても、垂直弾性体50の寿命が長い上、メンテナンスの必要性も低い。そのため、垂直弾性体50がリンク機構式ダンパ40によって囲われることによって垂直弾性体50のメンテナンスの作業性が低くても、大きな問題とはならない。
(4) 垂直弾性体50の上部が内筒20内に配置されているので、外筒10が低く、内筒20の下端から基礎2までの距離が短くても、垂直弾性体50用の設置高さを確保することができる。外筒10が低ければ、三次元免震装置1全体としても低く、コンパクトな三次元免震装置1を提供することができる。
(5) 三次元免震装置1がモジュール化されたものであるので、三次元免震装置1の設置や撤去が容易である。つまり、外筒10と基礎2の取り付け又は取り外し、ベース80と基礎2の取り付け又は取り外し、水平免震支承70と上部構造体3の取り付け又は取り外しを行えば、三次元免震装置1を設置し、又は撤去することができる。
10. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する変形点は、可能な限り組み合わせて適用してもよい。
(1) 上述の実施形態では、水平免震支承70が台座部60上に設置されている。それに対して、図3に示すように、下部体としての水平免震支承70がベース80及び外筒10の下に設置されていてもよい。つまり、水平免震支承70の下側フランジ72が基礎2に固定され、上側フランジ72の中央部上にベース80が固定され、上側フランジ72上に外筒10が立設され、台座部60が上部構造体3に固定されてもよい。この場合、水平免震支承70が、下部構造体としての基礎2と、外筒10・ベース80・垂直弾性体50・リンク機構式ダンパ40とを水平方向の振動について絶縁させる。
(2) 垂直弾性体50が、皿ばね積層体ではなく、コイルスプリング又は空気ばねであってもよい。
(3) 外筒10や内筒20が鋼製ではなく、鉄筋コンクリート製であってもよい。
(4) リンク機構式ダンパ40の代わりに、エアダンパ又はオイルダンパ等の伸縮式ダンパによって内筒20の下端とベース80が連結されてもよい。
1…三次元免震装置(免震装置), 2…基礎(下部体、下部構造体), 3…上部構造体, 10…外筒, 11b…観察窓, 14…開閉扉, 20…内筒(内側部材), 30…垂直免震支承, 40…リンク機構式ダンパ(ダンパ), 50…垂直弾性体, 60…台座部, 70…水平免震支承(下部体、水平免震支承)

Claims (7)

  1. 軸方向が鉛直方向となるよう下部体上に立設される外筒と、
    前記外筒の上部の内側に配置された内側部材と、
    前記外筒の上部と前記内側部材との間に設けられ、前記内側部材の外周と前記外筒の上部の内周を連結し、前記外筒と前記内側部材を鉛直方向の振動について絶縁させる垂直免震支承と、
    前記下部体上に設けられ、前記内側部材を弾性的に支持する垂直弾性体と、
    前記内側部材の下側において前記垂直弾性体を取り囲むように周方向に配列され、前記内側部材と前記下部体を連結し、前記外筒に対する前記内側部材の相対的な鉛直方向の振動エネルギーを吸収する複数のダンパと、を備える免震装置。
  2. 前記垂直免震支承が複数、前記内側部材と前記外筒との間において周方向に配列されている請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記外筒に設置された開閉扉を更に備える請求項1又は2に記載の免震装置。
  4. 前記外筒に設置された窓を更に備える請求項1から3の何れか一項に記載の免震装置。
  5. 前記内側部材の上端に設けられた台座部を更に備え、
    前記内側部材が前記外筒と同軸状の筒状に設けられ、
    前記台座部が前記内側部材の上端開口を閉塞するよう前記内側部材の上端に設けられ、
    前記垂直弾性体の上部が前記内側部材の内側に配置され、前記台座部が前記垂直弾性体に弾性的に支持される請求項1から4の何れか一項に記載の免震装置。
  6. 前記台座部上に設置され、前記台座部の上方の上部構造体と前記台座部を水平方向の振動について絶縁させる水平免震支承を更に備える請求項5に記載の免震装置。
  7. 前記下部体としての水平免震支承を更に備え、
    前記水平免震支承がその下方の下部構造体と前記外筒を水平方向の振動について絶縁させる請求項1から5の何れか一項に記載の免震装置。
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