JP6642822B2 - MSix(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)含有シリコン材料およびその製造方法 - Google Patents

MSix(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)含有シリコン材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、MSix(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)含有シリコン材料およびその製造方法に関するものである。
シリコン材料は半導体、太陽電池、二次電池などの構成要素として用いられることが知られており、そして、近年、シリコン材料に関する研究が活発に行われている。
例えば、非特許文献1には、CaSiを酸と反応させて層状ポリシランを合成することが記載されている。
特許文献1には、CaSiを酸と反応させて層状ポリシランを合成することが記載されており、当該層状ポリシランを活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な容量を示すことが記載されている。
また、特許文献2には、珪素、アルミニウム、鉄、チタンからなる合金が記載されており、該合金を負極活物質としたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献3には、CaSiを酸と反応させて層状ポリシランを合成し、当該層状ポリシランを300℃以上で加熱して水素を離脱させたナノシリコン材料を製造したこと、及び、当該ナノシリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な容量維持率を示すことが記載されている。
また、本発明者らは、特許文献4にて、珪素、カルシウム及び銅からなる合金を製造し、当該合金を原料としてシリコン材料を製造したことを報告している。
特開2011−090806号公報 特表2009−517850号公報 国際公開第2014/080608号 特願2014−110821号
PHYSICAL REVIEW B, Volume48, 1993, p.8172-p.8189
上述したように、シリコン材料の研究が熱心に行われており、そして、半導体、太陽電池、二次電池などの技術分野において、新しいシリコン材料の提供が熱望されている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新しいシリコン材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、新しいシリコン材料を提供すべく、試行錯誤を繰り返して鋭意検討した。そして、Ca、Ti及びSiを加熱して製造した溶湯を冷却したところ、特許文献4で得られたような3成分の化合物ではなく、CaSiマトリックスに針状のTiSiが分散しているものが得られることを発見した。また、上記溶湯を急速冷却したところ、TiSiの形状が著しく小さくなり、TiSiがCaSi中に均一に分散して存在することを発見した。そして、かかるCaSiを原料としてポリシランを合成し、さらに、ポリシランから水素を離脱させたシリコン材料を合成して、当該シリコン材料を試験したところ、当該シリコン材料が負極活物質として好適に機能することを本発明者は発見した。本発明者はかかる発見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明のMSix含有シリコン材料は、シリコンマトリックス中にMSix(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有シリコン材料であって、上記MSixが、1〜100nmのサイズの結晶子を含有することを特徴とする。
本発明のMSix含有シリコン材料の製造方法は、
Ca、M(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素)及びSiを含む溶湯を、急速冷却装置にて冷却して、珪化カルシウムマトリックス中にMSix(ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有珪化カルシウムを得る工程、
前記MSix含有珪化カルシウムを酸と反応させて、ポリシランマトリックス中にMSixを含有するMSix含有ポリシランを得る工程、
前記MSix含有ポリシランを300℃以上で加熱する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明のMSix含有シリコン材料は、好適なシリコン材料となり得る。
実施例1及び比較例1のMSix含有シリコン材料のX線回折プロファイルである。 実施例1のMSix含有シリコン材料の走査型電子顕微鏡画像である。 実施例1のMSix含有シリコン材料のTiを対象としたEDX像である。 比較例1の珪化カルシウムの粒子の断面の走査型電子顕微鏡画像である。 比較例3の珪化カルシウムの粒子の断面の走査型電子顕微鏡画像である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明のMSix含有シリコン材料は、シリコンマトリックス中にMSix(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有シリコン材料であって、上記MSixが、1〜100nmのサイズの結晶子を含有することを特徴とする。
本発明のMSix含有シリコン材料の製造方法は、
Ca、M(Mは第3〜9族元素から選択される少なくとも一元素)及びSiを含む溶湯を、急速冷却装置にて冷却して、珪化カルシウムマトリックス中にMSix(ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有珪化カルシウムを得る工程、
前記MSix含有珪化カルシウムを酸と反応させて、ポリシランマトリックス中にMSixを含有するMSix含有ポリシランを得る工程、
前記MSix含有ポリシランを300℃以上で加熱する工程、
を含むことを特徴とする。
以下、MSix含有シリコン材料の製造方法に沿って、本発明を説明する。
まず、MSix含有珪化カルシウムを得る工程(以下、第一工程ということがある。)について説明する。第一工程で用いられるCa、M及びSiとしては、元素単体又はこれら元素の合金が好ましい。CaSiを原料として用いてもよい。Mは周期律表の第3〜9族元素から選択される元素のうち少なくとも一つであるので、Mは当該元素のうち、単独の元素でもよいし、複数の元素でもよい。Mとしては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、Feが好ましい。Ca、M及びSiには、不可避の不純物並びに他の元素及び化合物が、Ca、M及びSiの溶湯の形成を阻害しない範囲で含まれていても良い。Ca、M及びSiの使用量は、第一工程で得られるMSix含有珪化カルシウムの組成比に合わせて決定すればよい。
Ca、M及びSiはそれぞれを単独で溶融させた上で混合して溶湯としてもよいし、2者を混合して溶融させた上で残りの1者を混合して溶湯としてもよく、また、3者を混合して溶融させてもよい。Caの融点は842℃、Siの融点は1410℃であり、Mの融点はCa及びSiの融点よりも高い。そして、Caは沸点が1484℃であり、かつ飛散しやすい軽金属であるから、Caの減少を抑制するために、Caの沸点より低い温度で溶湯とするのがよい。なお、Ca存在下であれば、M及びSiはこれらの融点より低い温度でも溶湯となり得る。
また、Ca、M及びSiを含む溶湯を冷却して固化した固化体を用いて、溶湯を準備してもよい。
加熱温度としては、Ca、M及びSiの混合物が溶湯となり得る温度であればよい。ここで、溶湯とは、Ca、M及びSiの混合物の液体様の状態を意味する。加熱温度としては1000℃〜1800℃の範囲内が好ましく、1050℃〜1500℃の範囲内がより好ましく、1100℃〜1400℃の範囲内がさらに好ましい。なお、Ca、M及びSiの3成分系では、例えば、以下のメカニズムで溶湯が生成していると考えられる。
・溶融Ca中にSiやMが溶解して溶湯となる
・溶融Ca中で固体のSiや固体のMにCaが拡散し、徐々にSiやMの融点が下がり、溶湯となる
・固体のM中にSiが拡散し、徐々にMの融点が下がり、溶湯となる
そのため、第一工程においては、Ca、M及びSiの各単体の融点以上の加熱温度が必ずしも必要ではないと考えられる。
第一工程の加熱装置としては、例えば、高周波誘導加熱装置、電気炉、ガス炉を使用することができる。第一工程は、加圧又は減圧条件下としてもよいし、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下としてもよい。
MSixとしては、TiSi、TiSi、ZrSi、HfSi、VSi、NbSi、TaSi、CrSi、CrSi1/3、MoSi、MoSi1/3、MoSi3/5、WSi、FeSi、FeSiなどを例示できる。
前記溶湯を冷却すると、まず、高融点のMSixが析出し、その後、層状のCaSiが形成される。ここで、溶湯の冷却速度が急速であれば、MSixの結晶核が発生したあと結晶成長する時間が非常に短いために、MSixの結晶子の大きさは非常に小さい。また、MSixの結晶子が小さく、その組織が成長しないことから、MSixは珪化カルシウムマトリックス中に均一に分散する状態となる。第一工程においては、溶湯を急速冷却装置にて冷却するため、MSixの結晶子は非常に小さく、かつ、CaSiの全体に均一に析出する。したがって、第一工程で得られるMSix含有珪化カルシウムは、珪化カルシウムマトリックス中にMSixが均一に分散した状態である。
MSixの結晶子の大きさは、MSix含有珪化カルシウムに対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDプロファイルのMSix結晶に由来する回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。好ましいMSix結晶子のサイズとして、1〜100nm、5〜90nm、10〜80nmを例示できる。
MSixの形状を、X軸方向の長さa、Y軸方向の長さb及びZ軸方向の長さcを用いて表すと、a≧b≧cの場合に、a<3×c、a<2×c又はa<1.5×cを満足すると推定される。
第一工程でのMSixの形状が、以後のポリシラン及びシリコン材料におけるMSixの形状に反映される。以後で説明するMSixを含有するシリコン材料を二次電池の負極活物質として用いた場合において、MSixはシリコンよりも高強度かつ高ヤング率であるため、シリコンの膨張及び収縮による応力を緩衝する役割を担うと推定される。そうすると、シリコンの膨張及び収縮による応力を効率的に遮断するために、MSixはシリコン全体に均一に分布している状態が好ましいといえる。
本明細書で述べる急速冷却装置とは、溶湯を放置して冷却する装置は含まれず、溶湯を強制的に冷却する装置を意味する。急速冷却装置としては、回転する冷却ロール上に溶湯を噴射する冷却手段(いわゆるメルトスパン法、ストリップキャスト法、又は、メルトスピニング法)や、細流化した溶湯に対して流体を吹き付けるアトマイズ法などの冷却手段を用いた冷却装置を例示できる。アトマイズ法としては、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心力アトマイズ法、プラズマアトマイズ法を例示できる。具体的な急速冷却装置としては、液体急冷凝固装置、急冷薄片製造装置、液中紡糸装置、ガスアトマイズ装置、水アトマイズ装置、回転ディスク装置、回転電極法装置(以上、日新技研株式会社)、液体急冷装置、ガスアトマイズ装置(以上、株式会社真壁技研)を例示できる。好ましい冷却速度として、1000〜100000℃/秒を例示できる。
また、第一工程においては、溶湯を急速冷却装置にて冷却することで、結晶粒サイズが比較的小さいCaSiが生じる。第一工程において生じたCaSiの結晶粒サイズが、本発明のシリコン材料の粒子サイズを左右する要因の一つである。第一工程で生じるCaSiの結晶粒サイズの平均径の範囲として、0.1〜20μm、0.5〜15μm、1〜10μmを例示できる。なお、CaSiの結晶粒サイズの平均径とは、以下の方法で得た直径の平均値を意味する。
1)MSix含有珪化カルシウムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。
2)SEM像において、CaSiの結晶粒の全体が観察される結晶粒すべてにつき、EBSD(Electron Back Scatter Diffracion Patterns)法を用いて、各結晶粒の面積をそれぞれ算出する。
3)各結晶粒を真円と仮定した場合の直径をそれぞれ算出する。
4)直径の平均値を算出する。
したがって、本明細書における「急速冷却装置にて冷却」の一態様として、「MSix含有珪化カルシウムが、平均径0.5〜15μmのCaSi結晶粒を含有する程度の速度で冷却」を挙げることができる。
MSix含有珪化カルシウムを組成式で表わすとCaSi(0.5≦d≦1、0<e≦0.5、1≦f≦3)となる。なお、上記組成式において、不可避の不純物等については考慮していない。MSix含有珪化カルシウムの理想的な組成式では、2×d+x×e=fを満たすことになるが、MSix含有珪化カルシウム中にSi単体などが存在していても良いため、上記の組成式となる。
dの値が小さすぎると、層状のCaSiのマトリックス中にMSixが存在している状態が保てなくなるおそれがある。dの値が大きすぎると、MSix含有珪化カルシウムにおいて層状でないCa14Si19が存在することになり、そして、次工程で除去されるべきCa塩の量が多大になる。
eの値が大きすぎると、CaSiのマトリックス中にMSixが存在している状態が保てなくなるおそれがあり、また、以後で説明するMSixを含有するシリコン材料を二次電池の負極活物質として用いた場合において、MSix自体は活物質としての作用が弱い若しくは無いため、二次電池の容量が低下してしまうおそれがある。
fの値が小さすぎると、CaSiのマトリックス中にMSixが存在している状態が保てなくなるおそれがあり、また、以後で説明するMSixを含有するシリコン材料を二次電池の負極活物質として用いた場合において、二次電池の容量が低下してしまう。fの値が大きすぎると、Si単体の量が多くなりすぎて、MSix含有珪化カルシウムの安定性や次工程の反応性などに悪影響を及ぼすおそれ、また、本発明のMSix含有シリコン材料の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
好ましいd、e、fの範囲として、0.6≦d≦0.99、0.7≦d≦0.98、0.75≦d≦0.97、0<e≦0.4、0<e≦0.3、0<e≦0.25、1.3≦f≦2.7、1.5≦f≦2.5、1.7≦f≦2.3を例示できる。
得られたMSix含有珪化カルシウムを粉砕してもよく、さらに分級してもよい。
次に、前記MSix含有珪化カルシウムを酸と反応させて、ポリシランマトリックス中にMSixを含有するMSix含有ポリシランを得る工程(以下、第二工程ということがある。)について説明する。第二工程においては、MSix含有珪化カルシウムを構成する層状のCaSiのうちCaが酸のHで置換されつつ、SiがSi−H結合を形成する。MSix含有ポリシランは、原料のMSix含有珪化カルシウムのCaSiによるSi層の基本骨格が維持されているため、層状をなす。
酸としては、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、フルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロゲルマン酸、ヘキサフルオロスズ(IV)酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸が例示される。これらの酸を単独又は併用して使用すれば良い。
特に、MSixの種類によっては、酸として、フッ素アニオンを生じ得る酸を採用するのが好ましい場合がある。当該酸を採用することにより、MSix含有ポリシランに生じ得るSi−O結合やSiと他の酸のアニオンとの結合(例えば、塩酸の場合にはSi−Cl結合)を減少することができる。なお、MSix含有ポリシランにSi−O結合やSi−Cl結合が存在すると、次工程を経ても、MSix含有シリコン材料にSi−O結合やSi−Cl結合が存在する場合がある。そして、Si−O結合やSi−Cl結合を有するMSix含有シリコン材料を負極活物質として採用したリチウムイオン二次電池においては、Si−O結合やSi−Cl結合がリチウムイオンの移動をある程度阻害すると推定される。
第二工程において、酸は、モル比にてMSix含有珪化カルシウムに含まれるCaよりも過剰に用いるのが好ましい。同工程は無溶媒で行ってもよいが、目的物の分離やCaClなどの副生物の除去の観点から溶媒として水を採用するのが好ましい。同工程の反応条件は、真空などの減圧条件又は不活性ガス雰囲気下とすることが好ましく、また、氷浴などの室温以下の温度条件とするのが好ましい。同工程の反応時間は適宜設定すれば良い。
酸として塩酸を用いた場合の第二工程の化学反応を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。なお、MSixは、第二工程で化学的に変化しないので、下記反応式には関わらない。
3CaSi+6HCl→Si+3CaCl
上記反応式において、Siが理想的なポリシランに該当する。
第二工程においては、水存在下で行われるのが好ましく、そしてSiは水と反応し得るため、通常は、ポリシランがSiなる化合物で得られることはほとんどなく、Si(OH)(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、s+t+u=6、0<s<6、0<t<6、0<u<6)で表される化合物として得られる。なお、ここでは、ポリシランに残存し得るCaなどの不可避不純物については、考慮していない。
したがって、MSix含有ポリシランを組成式で表わすと、MSi(OH)(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、0<e≦0.5、1≦f≦3、0<a<f−x×e、0<b<f−x×e、0<c<f−x×e、x×e+a+b+c≦f)となる。
理解を容易にするために、MSix含有ポリシランにおけるM及びSiのみの組成式を示すと、MSi(0<e≦0.5、1≦f≦3)となる。好ましいe及びfの範囲として、0<e≦0.4、0<e≦0.3、0<e≦0.25、1.3≦f≦2.7、1.5≦f≦2.5、1.7≦f≦2.3を例示できる。
基本的にMSixの形状は第二工程では変化しない。もちろん、MSix含有ポリシランにおけるMSixの結晶子の大きさは、MSix含有ポリシランに対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDプロファイルのMSix結晶に由来する回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出してもよい。好ましいMSix結晶子のサイズやMSixの形状は、第一工程で述べたのと同様である。
次に、前記MSix含有ポリシランを300℃以上で加熱する工程(以下、第三工程ということがある。)について説明する。第三工程は、前記MSix含有ポリシランを300℃以上で加熱し、水素や水などを離脱させ、MSix含有シリコン材料を得るものである。第三工程の化学反応を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。なお、MSixは、第三工程でも化学的に変化しないので、下記反応式には関わらない。
Si→6Si+3H
ただし、第三工程に実際に用いられるMSix含有ポリシランはMSi(OH)(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、0<e≦0.5、1≦f≦3、0<a<f−x×e、0<b<f−x×e、0<c<f−x×e、x×e+a+b+c≦f)で表されるものであり、さらに不可避不純物も含有するため、実際に得られるMSix含有シリコン材料は、MSi(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、0<e≦0.5、1≦f≦3、0≦p<a、0≦q<b、0≦r≦c、x×e+p+q+r≦f、ただしa、b、cはMSix含有ポリシランの組成式で定義される。)で表され、さらに不可避不純物も含有するものとなる。
上記MSix含有シリコン材料の組成式において、pは0≦p<0.5の範囲内が好ましく、0≦p<0.3の範囲内がより好ましく、0≦p<0.1の範囲内がさらに好ましく、p=0が最も好ましい。上記MSix含有シリコン材料の式において、qは0≦q<0.7の範囲内が好ましく、0≦q<0.5の範囲内がより好ましく、0≦q<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦q≦0.2の範囲内が特に好ましい。上記MSix含有シリコン材料の式において、rは0≦r<0.7の範囲内が好ましく、0≦r<0.5の範囲内がより好ましく、0≦r<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦r≦0.2の範囲内が特に好ましい。
理解を容易にするために、MSix含有シリコン材料におけるM及びSiのみの組成式を示すと、MSi(0<e≦0.5、1≦f≦3)となる。好ましいe及びfの範囲として、0<e≦0.4、0<e≦0.3、0<e≦0.25、1.3≦f≦2.7、1.5≦f≦2.5、1.7≦f≦2.3を例示できる。
第三工程は、通常の大気下よりも酸素含有量の少ない非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、真空を含む減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気を例示できる。加熱温度は、350℃〜950℃の範囲内が好ましく、400℃〜800℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎると水素の離脱が十分でない場合があり、また、加熱温度が高すぎるとエネルギーの無駄になる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すれば良い。反応系外に抜けていく水素などの量を測定しながら加熱時間を決定するのが好ましい。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造されるMSix含有シリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子の割合、並びに、シリコン結晶子の大きさを調製することもできる。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造されるMSix含有シリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子を含むナノ水準の厚みの層の形状を調製することもできる。
シリコン結晶子のサイズとしては、ナノサイズのものが好ましい。具体的には、シリコン結晶子サイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。シリコン結晶子サイズは、シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDチャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。
第三工程により、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するMSix含有シリコン材料を得ることができる。そして、MSix含有シリコン材料には、MSixがシリコンのマトリックスに均一に分散して存在する。
MSix含有シリコン材料を二次電池の活物質として使用することを考慮すると、リチウムイオンなどの電荷担体の効率的な挿入及び脱離反応のためには、上記板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。また、板状シリコン体の長軸方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内のものが好ましい。また、板状シリコン体は、(長軸方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。
基本的にMSixの形状は第三工程でも変化しない。もちろん、MSix含有シリコン材料におけるMSixの結晶子の大きさは、MSix含有シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDプロファイルのMSix結晶に由来する回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出してもよい。好ましいMSix結晶子のサイズやMSixの形状は、第一工程で述べたのと同様である。
得られたMSix含有シリコン材料を粉砕してもよく、さらに分級してもよい。一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合における、MSix含有シリコン材料の粒子の好ましい粒度分布としては、平均粒子径(D50)が1〜30μmの範囲内であることを例示でき、より好ましくは平均粒子径(D50)が1〜10μmの範囲内であることを例示できる。
本発明のMSix含有シリコン材料は、リチウムイオン二次電池などの二次電池、電気二重層コンデンサ及びリチウムイオンキャパシタなどの蓄電装置の負極活物質として使用することができる。また、本発明のMSix含有シリコン材料は、例えばCMOS、半導体メモリ及び太陽電池などの材料や、光触媒材料などとしても利用することができる。
以下、蓄電装置の代表例として、MSix含有シリコン材料を負極活物質として具備する本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池は、MSix含有シリコン材料を負極活物質として具備する。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、MSix含有シリコン材料を負極活物質として具備する負極、電解液及びセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の各組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも正極活物質として使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極及び/又は負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いればよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、MSix含有シリコン材料を用いればよく、MSix含有シリコン材料のみを採用してもよいし、MSix含有シリコン材料と公知の負極活物質を併用してもよい。MSix含有シリコン材料を炭素で被覆したものを負極活物質として用いてもよい。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から、外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
以下のとおり、実施例1のMSix含有珪化カルシウム、MSix含有ポリシラン、MSix含有シリコン材料、リチウムイオン二次電池を製造した。
・第一工程
Ca、Ti及びSiを1:0.06:1.94のモル比で炭素坩堝に秤量し、高周波誘導加熱装置にて、アルゴンガス雰囲気下、坩堝を1150℃で加熱してCa、Ti及びSiを含む溶湯とした。前記溶湯を所定の鋳型に注湯して冷却して固化体とした後、固化体を液体急冷凝固装置(日新技研株式会社)に投入し、再度溶湯とした後に急速冷却して、珪化カルシウムマトリックス中にTiSiを含有するTiSi含有珪化カルシウムを得た。得られたTiSi含有珪化カルシウムを乳鉢で粉砕し、目開き53μmの篩にかけた。目開き53μmの篩を通過したTiSi含有珪化カルシウムを実施例1のMSix含有珪化カルシウムとした。
・第二工程
氷浴中の35質量%HCl水溶液100mLに、アルゴンガス気流中にて上記実施例1のMSix含有珪化カルシウム10gを加え、90分間撹拌した。反応液中に粉末が分散するのが確認できた。反応液を濾過し、残渣を蒸留水及びアセトンで洗浄し、さらに、室温で12時間以上減圧乾燥して8gのTiSi含有ポリシランを得た。これを実施例1のMSix含有ポリシランとした。
・第三工程
上記実施例1のMSix含有ポリシラン8gをアルゴンガス雰囲気下、900℃で1時間加熱し、実施例1のMSix含有シリコン材料を得た。
・リチウムイオン二次電池製造工程
実施例1のMSix含有シリコン材料を用いて、以下のとおり、実施例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
負極活物質として実施例1のMSix含有シリコン材料を45質量部、さらに負極活物質として黒鉛を40質量部、結着剤としてポリアミドイミドを10質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部及び適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合してスラリーとした。
集電体として厚さ20μmの電解銅箔を準備した。該銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記スラリーが膜状になるように塗布した。スラリーが塗布された銅箔を80℃で20分間乾燥することでN−メチル−2−ピロリドンを揮発により除去し、その結果、表面に負極活物質層が形成された銅箔を得た。該銅箔を負極活物質層の厚みが20μmとなるように、ロールプレス機で圧縮して接合物を得た。この接合物を200℃で2時間減圧加熱乾燥し、負極とした。
負極を径11mmに裁断し、評価極とした。金属リチウム箔を径13mmに裁断し対極とした。セパレータとしてガラスフィルター(ヘキストセラニーズ社)及び単層ポリプロピレンであるcelgard2400(ポリポア株式会社)を準備した。また、エチレンカーボネート50容量部及びジエチルカーボネート50容量部を混合した溶媒にLiPF6を1mol/Lで溶解した電解液を準備した。対極、ガラスフィルター、celgard2400、評価極の順に、2種のセパレータを対極と評価極で挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースCR2032(宝泉株式会社)に収容し、さらに電解液を注入して、コイン型電池を得た。これを実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(比較例1)
第一工程でTiを用いず、Ca及びSiを1:2のモル比で炭素坩堝に秤量した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の珪化カルシウム、ポリシラン、シリコン材料、リチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例2)
第一工程で液体急冷凝固装置による急速冷却を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のMSix含有珪化カルシウム、MSix含有ポリシラン、MSix含有シリコン材料、リチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例3)
第一工程で液体急冷凝固装置による急速冷却を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の方法で、比較例3の珪化カルシウム、ポリシラン、シリコン材料、リチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例1)
粉末X線回折装置にて、実施例1のMSix含有シリコン材料、比較例1のシリコン材料、比較例2のMSix含有シリコン材料のX線回折を測定した。図1に、実施例1のMSix含有シリコン材料の拡大したX線回折プロファイルと、比較例1のシリコン材料の拡大したX線回折チャートとを重ね書きして示す。
実施例1のMSix含有シリコン材料及び比較例2のMSix含有シリコン材料のX線回折プロファイルからは、TiSi結晶に由来するピークが明確に観察でき、さらに、TiSi結晶に由来するピークもわずかに観察できた。両チャートのTiSi結晶に由来するピークを比較すると、実施例1のMSix含有シリコン材料のピークの方がブロードな形状であった。第一工程の急速冷却により、TiSi結晶の大きさが小さくなったことが裏付けられたといえる。
実施例1のMSix含有シリコン材料のX線回折プロファイルにおいて39度付近に観察されたTiSi結晶に由来するピークに基づき、シェラーの式における結晶子の大きさを計算すると、68nmと算出された。参考までに、比較例2のMSix含有シリコン材料のX線回折プロファイルにおいて39度付近に観察されたTiSi結晶に由来するピークに基づき、シェラーの式における結晶子の大きさを計算すると、102nmと算出された。ただし、比較例2のMSix含有シリコン材料におけるTiSi結晶は、緩慢な冷却にて結晶成長したことにより、球状とは程遠い繊維状となっているため、シェラーの式で算出された結晶子の値が実態をどの程度反映させているかは定かでない。
また、いずれのX線回折チャートからも、28度付近にナノサイズのシリコン結晶子を示すピークが確認できた。
(評価例2)
実施例1のMSix含有珪化カルシウム及びMSix含有シリコン材料の粒子の断面につき、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、さらに、エネルギー分散型X線分析法(EDX)で元素分析を行った。図2に、実施例1のMSix含有シリコン材料のSEM像を示す。
EDXの結果から、実施例1のMSix含有珪化カルシウムにおいて、Ca、Si及びTiが全体に存在すること、並びに、TiはCaSiのマトリックスに均一に分散して存在していることが確認できた。同様に、実施例1のMSix含有シリコン材料において、Si及びTiが全体に存在すること、並びに、TiはSiのマトリックスに均一に分散して存在していることが確認できた。図3に、実施例1のMSix含有シリコン材料のTiを対象としたEDX像を示す。
参考として、比較例2のMSix含有シリコン材料の粒子の断面につき、SEMで観察し、さらに、EDXで元素分析を行った。EDXの結果から、比較例2のMSix含有シリコン材料において、TiはSiのマトリックスに分散して存在しているものの、偏在していることが確認できた。
(評価例3)
実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3のリチウムイオン二次電池につき、対極に対する評価極の電圧が0.01Vになるまで0.5mAで放電を行い、対極に対する評価極の電圧が1Vになるまで0.5mAで充電を行う充放電サイクルを50サイクル行った。(50サイクル目の充電容量/初回充電容量)×100を容量維持率(%)として算出した。なお、評価例3では、評価極にLiを吸蔵させることを放電といい、評価極からLiを放出させることを充電という。結果を表1に示す。
実施例1のリチウムイオン二次電池の容量維持率は、比較例1、比較例2及び比較例3のリチウムイオン二次電池の容量維持率よりも優れていた。また、比較例1〜比較例3の結果から、TiSiの有無及び第一工程の冷却速度の両要素が、リチウムイオン二次電池の容量維持率に影響を与えているといえる。
本発明のリチウムイオン二次電池の容量維持率は、TiSiの緩衝効果、第一工程でTiSiを微粒子としてマトリックス中に均一に分散できたことによるTiSiの均一分散効果、及び、第一工程の急速冷却によるCaSiマトリックス中のCaSi結晶粒の微細化効果の3つの効果による相乗効果の結果、奏されたと考えられる。本発明のMSix含有シリコン材料が好適なことが裏付けられた。
(参考評価例1)
比較例1の珪化カルシウム及び比較例3の珪化カルシウムの断面をSEMで観察した。比較例1の珪化カルシウムのSEM像を図4に示し、比較例3の珪化カルシウムのSEM像を図5に示す。さらに、図4のSEM像において、CaSiの結晶粒の全体が観察される結晶粒すべてにつき、EBSD法を用いて各結晶粒の面積をそれぞれ算出し、各結晶粒を真円と仮定した場合の直径をそれぞれ算出し、算出された直径の平均値を算出した。その結果、平均値は3.42μmであった。この値を、比較例1のCaSiの結晶粒サイズの平均径とした。
なお、比較例3の珪化カルシウムのSEM像には、多くの空孔が観察されたため、EBSD法を用いて各結晶粒の面積を算出することができなかった。ただし、図4及び図5のSEM像から、明らかに比較例3の珪化カルシウムの結晶粒は著しく大きく、概ね200μm程度の径を有することがわかる。

Claims (9)

  1. Ca、M(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、Feから選択される少なくとも一元素)及びSiを含む溶湯を、急速冷却装置にて冷却して、珪化カルシウムマトリックス中にMSix(ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有珪化カルシウムを得る工程、
    前記MSix含有珪化カルシウムを酸と反応させて、ポリシランマトリックス中にMSixを含有するMSix含有ポリシランを得る工程、
    前記MSix含有ポリシランを300℃以上で加熱する工程、
    を含むことを特徴とするシリコンマトリックス中にMSixを含有するMSix含有シリコン材料の製造方法。
  2. 前記急速冷却装置が、回転する冷却ロール上に前記溶湯を噴射する冷却手段を用いる冷却装置、又は、細流化した前記溶湯に対して流体を吹き付ける冷却手段を用いる冷却装置から選択される請求項1に記載のMSix含有シリコン材料の製造方法。
  3. 前記急速冷却装置が、液体急冷凝固装置、急冷薄片製造装置、液中紡糸装置、ガスアトマイズ装置、水アトマイズ装置、回転ディスク装置、又は、回転電極法装置から選択される請求項1又は2に記載のMSix含有シリコン材料の製造方法。
  4. 前記MSixはTiSiである請求項1〜3のいずれかに記載のMSix含有シリコン材料の製造方法。
  5. 珪化カルシウムマトリックス中にMSix(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、Feから選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)を含有し、組成式Ca Si (0.5≦d≦1、0<e≦0.5、1≦f≦3)で表わされるMSix含有珪化カルシウムであって、
    上記MSixが、1〜100nmのサイズの結晶子を含有することを特徴とするMSix含有珪化カルシウム。
  6. ポリシランマトリックス中にMSix(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、Feから選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)を含有するMSix含有ポリシランであって、
    上記MSixが、1〜100nmのサイズの結晶子を含有することを特徴とするMSix含有ポリシラン。
  7. シリコンマトリックス中にMSix(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、Feから選択される少なくとも一元素。ただし、1/3≦x≦3)を含有する負極活物質であって、
    上記MSixが、1〜100nmのサイズの結晶子を含有し、
    前記負極活物質は複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有する粒子であり、
    前記MSixは前記粒子中に分散して存在することを特徴とする負極活物質
  8. 前記MSixはTiSiである請求項7に記載の負極活物質
  9. 請求項7又は8に記載の負極活物質を具備する蓄電装置。
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