JP2016204182A - CaSi2の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CaSi2の精製方法を提供すること【解決手段】結晶性シリコンを含むCaSi2とアルカリ水溶液とを接触させる工程、を含むことを特徴とするCaSi2の精製方法。【選択図】図1

Description

本発明は、CaSiの精製方法に関する。
シリコンは半導体、太陽電池、二次電池などの構成要素として用いられることが知られており、それゆえに、シリコンに関する研究が活発に行われている。
例えば、特許文献1には、CaSiを濃塩酸で処理し、層状ポリシランを製造したこと、及び、当該層状ポリシランが二次電池の活物質として機能し得ることが記載されている。
また、特許文献2には、CaSiと酸とを反応させてCaを除去した層状ポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成したこと、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が記載されている。
特開2011−90806号公報 国際公開第2014/080608号
上述した特許文献に記載のCaSiには、不純物として結晶性シリコンが存在するものがあることを本発明者は知見した。かかる結晶性シリコンは、粉末X線回折測定にて、26〜31°付近にシャープなピークとして観察されるものである。そして、CaSiに含まれる結晶性シリコンは、CaSiが特許文献2に記載の層状シリコン化合物やシリコン材料に変換される際にも、結晶性シリコンのままで存在する。そして、結晶性シリコンは、二次電池の活物質として用いられた場合、充放電によって膨張及び収縮すること、及び、かかる膨張及び収縮により亀裂が生じ得ること、並びに、その結果、二次電池の性能が劣化することを本発明者は知見した。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、結晶性シリコンを含むCaSiから結晶性シリコンを除去し得る、CaSiの精製方法を提供することを目的とする。
本発明のCaSiの精製方法は、結晶性シリコンを含むCaSiとアルカリ水溶液とを接触させる工程、を含むことを特徴とする。
本発明のCaSiの精製方法は、CaSiに含まれる結晶性シリコンの含有量を好適に低減できる。
実施例1、実施例2及び比較例1のCaSiのX線回折チャートの重ね書きである。 実施例4及び比較例1のCaSiのX線回折チャートの重ね書きである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のCaSiの精製方法は、結晶性シリコンを含むCaSiとアルカリ水溶液とを接触させる工程(以下、接触工程という。)、を含むことを特徴とする。
高純度な試薬として市販されているCaSiは、結晶性シリコンをほとんど含んでいない。しかしながら、鉄の精錬過程などで汎用される廉価なCaSiには、一定量の結晶性シリコンが存在する。接触工程で用いるCaSiは粉末状態のものが好ましい。好適な粉末状のCaSiとしては、例えば、目開き250μmの篩や目開き150μmの篩を通過したものや、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合にD50が1〜30μmの範囲内のものを例示できる。
結晶性シリコンを含むCaSiにアルカリ水溶液が接触すると、結晶性シリコンがアルカリ水溶液に溶解して、CaSiから除去される。したがって、結晶性シリコンを含むCaSiにアルカリ水溶液が接触しさえすれば、CaSiは精製できる。結晶性シリコンを含むCaSiから効果的に結晶性シリコンを除去するためには、アルカリ水溶液中に、結晶性シリコンを含むCaSiを分散させるのが好ましい。接触工程における、結晶性シリコンを含むCaSiとアルカリ水溶液との好ましい質量比は1:1〜1:100の範囲内であり、より好ましい質量比は1:10〜1:50の範囲内である。
アルカリ水溶液としては、pH11.0〜15.0の範囲内のアルカリ水溶液が好ましく、pH13.0〜15.0の範囲内のアルカリ水溶液がより好ましく、pH13.0〜14.0の範囲内のアルカリ水溶液がさらに好ましい。アルカリ水溶液のpHが低すぎると結晶性シリコンの除去が不十分になる場合があり、また、アルカリ水溶液のpHが高すぎると反応が激しくなるため、副生物が多量に生じる場合がある。なお、本明細書におけるpH値は、25℃で測定した場合の値を意味する。
アルカリ水溶液に含まれる水溶性の塩基性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム若しくは水酸化セシウムから選択されるアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム若しくは水酸化バリウムから選択されるアルカリ土類金属の水酸化物、水酸化テトラメチルアンモニウム若しくは水酸化テトラエチルアンモニウムなどの水酸化テトラアルキルアンモニウム、グアニジン、又は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属のシュウ酸塩若しくはアルカリ金属の酢酸塩などのアルカリ金属と弱酸との塩を例示できる。これらの塩基性物質を単独で採用又は併用してアルカリ水溶液を調製すればよい。アルカリ水溶液の好適なpH範囲との関係から、アルカリ金属の水酸化物、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化ストロンチウム、又は、水酸化バリウムを採用してアルカリ水溶液を調製するのが好ましい。
接触工程の温度は、15℃以上が好ましく、15℃〜40℃がより好ましく、20℃〜30℃がさらに好ましい。
接触工程は、撹拌条件下で行われるのが好ましい。好適な撹拌速度として、20rpm〜10000rpm、50rpm〜1000rpm、100rpm〜500rpmを例示できる。
接触工程の接触時間は、2時間〜30時間が好ましく、5時間〜25時間がより好ましい。接触工程が撹拌条件下で行われる場合には、接触時間を撹拌時間と読み替えてもよい。
接触工程後には、アルカリ水溶液とCaSiとを分離する工程が行われる。例えば、濾過工程、洗浄工程、乾燥工程を経て、CaSiを単離すればよい。単離後のCaSiを分析した結果、結晶性シリコンの除去が不十分であれば、単離後のCaSiに対して再度、接触工程を行ってもよい。
本発明のCaSiの精製方法を経て精製されたCaSiは、不純物である結晶性シリコンの含有量が少なくなっているため、以下に説明する層状シリコン化合物及びシリコン材料の原料として、好適に使用できる。
本発明の層状シリコン化合物の製造方法は、本発明のCaSiの精製方法で製造されたCaSiと酸とを反応させる反応工程、を含むことを特徴とする。
酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、フルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロゲルマン酸、ヘキサフルオロスズ(IV)酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸が例示される。これらの酸を単独又は併用して使用すれば良い。
また、酸は水溶液として用いられるのが、作業の簡便性及び安全性の観点、並びに、副生物の除去の観点から好ましい。
反応工程に用いる酸は、CaSiに対して2当量以上のプロトンを供給できる量で用いればよい。したがって、1価の酸であれば、CaSi1モルに対して2モル以上で用いればよい。
反応工程の反応条件は、真空などの減圧条件又は不活性ガス雰囲気下とすることが好ましく、また、氷浴などの室温以下の温度条件とするのが好ましい。同工程の反応時間は適宜設定すれば良い。
さて、反応工程において、酸として塩化水素を用いた場合の反応式で示すと、以下のとおりとなる。
3CaSi+6HCl→Si+3CaCl
ポリシランであるSiが理想的な層状シリコン化合物に該当する。この反応は、層状のCaSiのCaが2Hで置換されつつ、Si−H結合を形成すると考えることもできる。CaSiは、Ca層とSi層が積層した構造からなる。そして、層状シリコン化合物は、原料のCaSiにおけるSi層の基本骨格が維持されているため、層状をなす。
反応工程において、酸は水溶液として用いられるのが好ましいことは、前述した。ここで、Siは水と反応し得るため、通常は、層状シリコン化合物がSiなる化合物のみで得られることはほとんどなく、酸素や酸由来の元素を含有する。
反応工程以降は、層状シリコン化合物を濾取する濾過工程、層状シリコン化合物を洗浄する洗浄工程、層状シリコン化合物を乾燥する乾燥工程、層状シリコン化合物を粉砕若しくは分級する工程を、必要に応じて適宜実施するのが好ましい。
本発明の層状シリコン化合物の製造方法にて製造された層状シリコン化合物(以下、本発明の層状シリコン化合物ということがある。)は、二次電池等の活物質として使用できる。
また、本発明の層状シリコン化合物を加熱することで水素などを離脱させ、シリコン材料(以下、本発明のシリコン材料ということがある。)としてもよい。
本発明のシリコン材料の製造方法は、本発明の層状シリコン化合物を300℃以上で加熱する工程(以下、シリコン材料製造工程ということがある。)を含む。
シリコン材料製造工程を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
Si→6Si+3H
ただし、シリコン材料製造工程に実際に用いられる層状シリコン化合物は酸素や酸由来の元素を含有し、さらに不可避不純物も含有するため、実際に得られるシリコン材料も酸素や酸由来の元素を含有し、さらに不可避不純物も含有するものとなる。本発明のシリコン材料は、ケイ素のモル量を100としたとき酸素元素のモル量が50以下であることが好ましく、40以下の量となるのが特に好ましい。また、ケイ素のモル量を100としたとき酸由来の元素のモル量が8以下の量であることが好ましく、5以下の量となるのが特に好ましい。
シリコン材料製造工程は、通常の大気下よりも酸素含有量の少ない非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、真空を含む減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気を例示できる。加熱温度は、350℃〜1200℃の範囲内が好ましく、400℃〜1200℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎると水素の離脱が十分でない場合があり、他方、加熱温度が高すぎるとエネルギーの無駄になる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すれば良く、また、反応系外に抜けていく水素などの量を測定しながら加熱時間を決定するのも好ましい。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造されるシリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子の割合、並びに、シリコン結晶子の大きさを調製することもでき、さらには、製造されるシリコン材料に含まれる、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子を含むナノ水準の厚みの層の形状や大きさを調製することもできる。
シリコン結晶子のサイズとしては、ナノサイズのものが好ましい。具体的には、シリコン結晶子サイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。シリコン結晶子サイズは、シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDチャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。なお、ここで述べたシリコン結晶子は、XRDチャートにブロードなピークとして観察されるものを意味しており、既述した結晶性シリコンとはピーク形状において区別できる。
上記シリコン材料製造工程により、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するシリコン材料を得ることができる。この構造は、走査型電子顕微鏡などによる観察で確認できる。シリコン材料をリチウムイオン二次電池の活物質として使用することを考慮すると、リチウムイオンの効率的な挿入及び脱離反応のためには、板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。また、板状シリコン体の長軸方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内のものが好ましい。また、板状シリコン体は、(長軸方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。
本発明のシリコン材料は、粉砕や分級を経て、一定の粒度分布の粒子としてもよい。本発明のシリコン材料の好ましい粒度分布としては、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合に、D50が1〜30μmの範囲内を例示できる。
本発明のシリコン材料は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極活物質として使用することができる。その際には、本発明のシリコン材料を炭素で被覆して用いるのが好ましい。
以下、本発明のシリコン材料を負極活物質として具備する二次電池について、その代表としてリチウムイオン二次電池を例にして、説明する。本発明のシリコン材料を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池を、以下、本発明のリチウムイオン二次電池という。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、本発明のシリコン材料を負極活物質として具備する負極、電解液及びセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の各組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも正極活物質として使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極及び/又は負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属又は当該イオンを含む化合物を用いればよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、及び各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロースを例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、本発明のシリコン材料を含むものであればよく、本発明のシリコン材料のみを採用してもよいし、本発明のシリコン材料と公知の負極活物質を併用してもよい。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極及び負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体及び負極の集電体から、外部に通ずる正極端子及び負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例及び比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
結晶性シリコンを含むCaSiとして、日本重化学工業株式会社製のカルシウムシリコン(以下、「粗CaSi」という場合がある。)を採用した。当該粗CaSiは目開き250μmの篩を通過した粉末状のものである。
・接触工程
アルカリ水溶液として、pH13.4の水酸化ナトリウム水溶液を準備した。
25℃に制御した恒温槽中の反応容器に、粗CaSiとpH13.4の水酸化ナトリウム水溶液とを質量比1:28.5で投入し、これらを撹拌速度150rpmで20時間撹拌した。撹拌終了後、反応液を濾過して、残渣を減圧下で乾燥し、実施例1のCaSiを得た。
・反応工程
アルゴン雰囲気下、10℃とした濃度35重量%のHCl水溶液500gに、50gのCaSiを加え、撹拌した。反応液から発泡が無くなったのを確認した後、さらに同条件下、4時間攪拌した。その後、室温まで昇温し、濾過を行った。残渣を300mLの蒸留水で3回洗浄した後、300mLのエタノールで洗浄し、減圧乾燥して39.4gの固形物を得た。当該固形物を実施例1の層状シリコン化合物とした。
・シリコン材料製造工程
実施例1の層状シリコン化合物を、Oを1体積%以下の量で含むアルゴン雰囲気下にて900℃で1時間加熱し、シリコン材料を得た。これを実施例1のシリコン材料とした。
・リチウムイオン二次電池製造工程
負極活物質として実施例1のシリコン材料45質量部、負極活物質として天然黒鉛40質量部、導電助剤としてアセチレンブラック5質量部、結着剤としてポリアミドイミド10質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを混合し、スラリーを調製した。上記スラリーを、集電体としての厚さ約20μmの電解銅箔の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥して、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを200℃で2時間減圧乾燥し、負極活物質層の厚さが23μmの負極を得た。
上記の手順で作製した負極を評価極として用い、リチウムイオン二次電池(ハーフセル)を作製した。対極は厚さ500μmの金属リチウム箔とした。
対極をφ14mm、評価極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター及びCelgard社製「Celgard2400」)を両極の間に介装して電極体とした。この電極体を電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースに、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解液を注入し、電池ケースを密閉して、実施例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例2)
接触工程の撹拌時間を2時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のCaSiを得た。
(実施例3)
接触工程の制御温度を15℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3のCaSiを得た。
(実施例4)
接触工程において、粗CaSiとpH14.7の水酸化ナトリウム水溶液とを質量比1:1.4で投入した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4のCaSi、実施例4の層状シリコン化合物、実施例4のシリコン材料、実施例4のリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例1)
粗CaSiを比較例1のCaSiとした。接触工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の層状シリコン化合物、比較例1のシリコン材料、比較例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(評価例1)
各CaSiについて、全自動水平型多目的X線回折装置SmartLab(株式会社リガク製)を用いて以下の条件でX線回折測定を行った。測定は、CuKα線を使用し、光学系に集中法を用いて、0°〜90°まで行った。得られたX線回折チャートにつき、2θ=28.4度付近に発現する結晶性シリコンに該当するピークの有無を観察した。
実施例1及び実施例4のCaSiのX線回折チャートからは、結晶性シリコンに該当するピークが観察されなかった。実施例1及び実施例4の条件下では、結晶性シリコンが完全に除去できたといえる。また、実施例2及び実施例3のCaSiのX線回折チャートからは、結晶性シリコンに該当するピークが観察されたものの、そのピーク強度は、比較例1のCaSiのX線回折チャートと比較すると、低減されていた。実施例1、実施例2及び比較例1のCaSiのX線回折チャートの重ね書きを図1に示し、実施例4及び比較例1のCaSiのX線回折チャートの重ね書きを図2に示す。
また、各CaSiについて、酸素・窒素・水素分析装置EMGA(株式会社堀場製作所)を用いて酸素量を分析した。以上の結果を表1に示す。
Figure 2016204182
実施例4のCaSiで観測された酸素量の著しい増加は、接触工程において、pH14.7の水酸化ナトリウム水溶液を用いて25℃、20時間の撹拌を行った場合に、CaSiに対する何らかの副反応が生じた結果が反映されたといえる。
(評価例2)
実施例1及び実施例4のリチウムイオン二次電池並びに比較例1のリチウムイオン二次電池について、温度25℃、電流0.2mAで対極に対する評価極の電圧が0.01Vになるまで充電を行い、次いで温度25℃、電流0.5mAで対極に対する評価極の電圧が1Vになるまで放電を行うとの充放電サイクルを50サイクル行った。各リチウムイオン二次電池につき、容量維持率を以下の式で算出した。
容量維持率(%)=100×(50サイクル目の充電容量)/(初回充電容量)
なお、評価例2では、評価極にLiを吸蔵させることを充電といい、評価極からLiを放出させることを放電という。以上の結果を表2に示す。
Figure 2016204182
実施例1及び実施例4のリチウムイオン二次電池は、比較例1のリチウムイオン二次電池よりも著しく優れた容量維持率を示した。なお、実施例4のリチウムイオン二次電池は初回充電容量が低かった。これは、実施例4のCaSiで観測された酸素量の増加によるものと考えられる。
本発明のCaSiの精製方法で製造されたCaSiを出発原料として用いたシリコン材料を負極活物質とするリチウムイオン二次電池は、優れた容量維持率を示すことが裏付けられた。

Claims (9)

  1. 結晶性シリコンを含むCaSiとアルカリ水溶液とを接触させる工程、
    を含むことを特徴とするCaSiの精製方法。
  2. 前記アルカリ水溶液のpHが11.0〜15.0の範囲内である請求項1に記載のCaSiの精製方法。
  3. 前記アルカリ水溶液のpHが13.0〜14.0の範囲内である請求項1に記載のCaSiの精製方法。
  4. 前記工程の温度が15℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のCaSiの精製方法。
  5. 前記工程の接触時間が2時間〜30時間の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載のCaSiの精製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のCaSiの精製方法で製造されたCaSiと酸とを反応させる反応工程、
    を含む層状シリコン化合物の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法で製造された層状シリコン化合物を300℃以上で加熱する工程、
    を含むシリコン材料の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法で製造されたシリコン材料を使用する工程、
    を含む二次電池の製造方法。
  9. 請求項7に記載の製造方法で製造されたシリコン材料を具備する二次電池。
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