JP5387613B2 - 遷移金属シリサイド−Si複合粉末及びその製造方法、並びに、遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非特許文献1には、Mn(CO)5SiCl3錯体を原料として、CVD法によって加熱基板上にMn19Si33ナノワイヤーを成長させる方法が開示されている。
同文献には、
(1)Mnシリサイドナノワイヤーを製造するための原料としてMn(CO)5SiCl3錯体を用いると、Mn及びSiを効率的に気相輸送することができる点、
(2)このような方法により、長さが数ミクロン〜数十ミクロンで、幅が10〜100nmのナノワイヤー又はナノリボンが得られる点、
(3)ナノワイヤー及びナノリボンに加えて、直径が10〜20nmの短い(〜1μm)ナノロッドと小さなナノ粒子も得られ、ナノワイヤー、ナノリボン及びナノロッドは、ナノ粒子から核生成すると考えられる点、
(4)解析された25個のナノワイヤーの平均Si原子組成は58±11%であり、ほぼ完全にSiのみからなるナノワイヤーもある点、及び、
(5)同一サンプルから得られた3個のナノワイヤの中では、結晶相は、いずれもMn19Si33と同定された点、
が記載されている。
ここで、通常の原料の溶融、冷却という合成工程では、Mn−Siの相図に従って混合物が生成するため、単相のMnSi1.7粉末が得られないが、特許文献2には、
(a)急冷却により単相化が実現できること、並びに、
(b)平均粒径9.08μm(比表面積0.31m2/g)及び平均粒径10.2μm(比表面積0.29m2/g)の微粒子が合成できること、
が記載されている。
同文献には、
(a)CaSi2から除去されたCaの割合は、30〜50%である点、
(b)このような方法によりCaSi2からCaを完全に取り除くのは難しい点、及び、
(c)Ca除去の困難性は電気化学的酸化の不均一性に由来する点、
が記載されている。
一方、 遷移金属シリサイドは、高い電子伝導性を有しているものが多い。例えば、MnSixやFeSixは、熱電材料などへの応用が検討されている電子伝導体である。そのため、MnSix等の遷移金属シリサイドとSiとを複合化させると、高い電子伝導性と高いLiイオン吸蔵放出能とを兼ね備えた材料が得られると考えられる。また、MnSix等の遷移金属シリサイドとSiの形態を最適化すると、Liイオンの吸蔵放出に伴う体積変化が緩和され、耐久性が向上すると考えられる。
特許文献1、2に記載の方法は、液体急冷法であるため、微粒子の大量合成に適している。また、溶湯の組成をSi過剰とすれば、MnSixとSiの複合体も製造可能と考えられる。しかしながら、この方法では、到達できる粒子サイズに限界がある。
さらに、MnSixとSiの複合体の製造方法として、過剰のSiを含むMn−Si溶製材をボールミルなどで機械的粉砕する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、到達できる粒子サイズに限界がある。また、ボールや容器からの不純物の混入が避けられない。さらに、粉砕粒子がアモルファス化し、結晶性の高い粒子は得られない。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような遷移金属シリサイド−Si複合粉末を製造することが可能な遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末及びその製造方法を提供することにある。
一種又は2種以上の遷移金属元素(M)を含み、
Si/M比(z)が2.0≦z≦20.0であり、
比表面積が2.5m2/g以上であり、
遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドとを含む複合体からなることを要旨とする。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末を製造するために用いられ、
Si/Ca比(w)が2.0≦w≦20.0であり、
少なくともCaシリサイド相を含むことを要旨とする。
但し、前記遷移金属元素(M)がMnのみからなるときは、w=2.0を除く。
Ca源とSi源とを、Si/Ca比(モル比)(w)が2.0≦w≦20.0となるように配合し、前記原料を溶解させる溶解工程と、
前記溶解工程で得られた溶湯を凝固させ、本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末を得る凝固工程と
を備えていることを要旨とする。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物を加熱し、冷却する反応工程と、
前記反応工程で得られた反応物を、前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び/又はハロゲン化Caを溶解可能な1又は2以上の溶媒で洗浄し、未反応の前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び副生した前記ハロゲン化Caを除去する洗浄工程と
を備えていることを要旨とする。
次に、CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物(例えば、塩化Mn)とを所定の比率で混合し、所定の温度で加熱すると、遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドと、ハロゲン化Caとを含む反応物が得られる。また、遷移金属元素(M)のハロゲン化物を過剰に配合した場合には、反応物には未反応の遷移金属元素(M)のハロゲン化物も含まれる。
ハロゲン化Ca及び遷移金属元素(M)のハロゲン化物は、ともに溶媒(例えば、エタノール)に可溶であるため、反応物を適当な溶媒で洗浄すると、遷移金属シリサイド−Si複合粉末が得られる。
[1. 遷移金属シリサイド−Si複合粉末]
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末は、
一種又は2種以上の遷移金属元素(M)を含み、
Si/M比(z)が2.0≦z≦20.0であり、
比表面積が2.5m2/g以上であることを要旨とする。
遷移金属元素(M)は、電子伝導性を有するシリサイドを形成可能なものであれば良い。遷移金属元素(M)は、Sc〜Zn(第1遷移元素)、Y〜Cd(第2遷移元素)、La〜Au(第3遷移元素)、又はAc〜Rg(第4遷移元素)のいずれであっても良い。
これらの中でも、遷移金属元素(M)は、Mn、Fe、Ni、Co、Tiが好ましい。これは、これらの遷移金属元素(M)は、高い電子伝導性を有するシリサイドを比較的容易に合成できるため、及び、これらの元素は、他の遷移金属元素に比べて安価であるためである。
複合粉末中には、これらの遷移金属元素(M)のいずれか1種が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
Si/M比(z)は、遷移金属シリサイド−Si複合粉末全体に含まれるSiと遷移金属元素(M)のモル比を表す。
Si/M比が小さすぎると、複合粉末に含まれるSi相の割合が減少する。本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末をLi二次電池の負極材料として用いる場合において、Si/M比が小さくなりすぎると、複合粉末の充放電容量が低下する。従って、zは、2.0以上である必要がある。
一方、Si/M比が大きくなりすぎると、複合粉末に含まれる遷移金属シリサイド相の割合が減少する。本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末をLi二次電池の負極材料として用いる場合において、Si/M比が大きくなりすぎると、複合粉末の電子伝導度が低下する。従って、zは、20.0以下である必要がある。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末をLi二次電池の負極材料として用いる場合において、複合粉末に含まれるSi相の粒径が大きくなるほど、Liの拡散が律速となり、充放電容量が低下する。また、遷移金属シリサイド相の粒径が大きくなるほど、Si相と遷移金属シリサイド相との接触面積が小さくなるため、導電パスが形成されにくくなり、複合粉末の電子伝導性が低下する。従って、複合粉末の粒径は小さいほど良い。換言すれば、複合粉末の比表面積は、大きいほど良い。
後述する方法を用いると、比表面積が2.5m2/g以上である複合粉末が得られる。製造条件を最適化すると、比表面積が3.0m2/g以上、あるいは、5.0m2/g以上である複合粉末が得られる。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末は、遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドとを含む複合体からなる。複合粉末は、さらにSi粒子(原料に由来する粗大なSi粒子)を含んでいても良い。
本発明において、「遷移金属シリサイド粒子」とは、電子伝導性を有する遷移金属シリサイド相を主成分とする粒子をいう。遷移金属シリサイド相とは、遷移金属元素(M)とSiとで構成される化合物(MSix)相をいう。遷移金属シリサイド粒子は、1種類の遷移金属元素(M)を含むものでも良く、あるいは、2種以上の遷移金属元素(M)を含む固溶体でも良い。また、遷移金属シリサイド粒子は、1種類の遷移金属シリサイド相を含むものでも良く、あるいは、2種以上の遷移金属シリサイド相を含む混合物でも良い。
後述するように、本発明に係るMnSix−Si複合粉末は、過剰のSiを含む条件下で合成されるため、通常、Mnシリサイド粒子は、MnSi1.73相からなる。しかしながら、製造条件によっては、MnSi相などの他のMnシリサイド相が含まれる場合がある。本発明において、Mnシリサイド粒子には、MnSi1.73相以外のMnシリサイド相が含まれていても良い。
Mnシリサイド粒子は、上述したc軸方向の長周期構造が異なる種々のMnSi1.73相の内、いずれか1種を含んでいても良く、あるいは、2種以上を含んでいても良い。
「遷移金属シリサイド相を主成分とする」とは、1個の粒子に含まれる遷移金属シリサイド相の割合が70体積%以上であることをいう。遷移金属シリサイド相の割合は、さらに好ましくは、80体積%以上、さらに好ましくは、90体積%以上である。
「Si相含有粒子」とは、Si相を主成分とする粒状又は層状物質をいう。Si相含有粒子は、出発原料に由来する粗大なSi粒子と、層状CaSi2のSiシート層の剥離により生成するSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドとを含む。
後述するように、本発明に係る方法を用いて遷移金属シリサイド−Si複合粉末を合成する場合において、過剰のSiを含むCaSiy系粉末を出発原料に用いるときには、合成された遷移金属シリサイド−Si複合粉末には、出発原料に由来する1〜5μmあるいはそれ以上のSi粒子が含まれる。
また、CaSiy系粉末を合成する際に、層状CaSi2を合成するのに必要な化学量論量で原料を配合した場合であっても、得られた粉末中に微量のSi粒子が含まれる場合がある。
粗大なSi粒子が含まれているか否かは、SEMやTEMによる直接観察の他、X線回折ピークの明瞭性などにより判定することができる。
「Si相を主成分とする」とは、1個の粒子に含まれるSi相の割合が70体積%以上であることをいう。Si相の割合は、さらに好ましくは、80体積%以上、さらに好ましくは、90体積%以上である。
例えば、MnSix−Si複合粉末を600〜630℃で合成する場合、複合粉末に含まれるSi粒子の含有量は、Mnシリサイド相の組成と、複合粉末全体のSi/Mn比(z)でほぼ一義的に定まる。一般に、Si/Mn比が大きくなるほど、複合粉末に含まれるSi粒子の含有量が多くなる。これは、同温度域では、MnSi1.73相が最安定相であるためである。
一方、これより低い温度では、MnSi相とMnSi1.73相との生成エンタルピーが逆転する温度域がある。そのため、温度が低いほど、MnSi相の生成量が増え、それに付随してSi粒子の含有量も増大すると考えられる。
「Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイド」とは、Si相を主成分とする板状又はナノシート状の層状物質をいう。
例えば、630℃でCaSiy系粉末と塩化Mnとを反応させると、CaSi2相のCaがMnと交換され、MnSi1.73相を主成分とするMnシリサイド相とナノシート状のSi相が生成する。ナノシート状のSi相は、CaSi2相を構成するSiシート層が交換反応の際に剥離することにより生成すると考えられる。すなわち、MnSix−Si複合粉末には、交換反応に由来するナノシート状のSi相が含まれる。この点は、Fe等の他の遷移金属元素の場合も同様である。
剥離したSiシート層は、層間から完全にCaが抜き取られている場合と、層間に若干のCa原子が残っている場合とがあると考えられている。層間に若干のCa原子が残っている場合、電気的中性を保つために、層間には、さらにハロゲン原子Xが導入されていると考えられる。
すなわち、本発明に係る複合粉末に含まれる「Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイド」とは、CauXvSi2(0≦u≦0.1、0≦v≦0.2、Xはハロゲン)で表される組成を有する板状又はナノシート状の層状物質をいう。
「Si相を主成分とする」とは、1個の板状又はナノシート状の層状物質に含まれるSi相の割合が70体積%以上であることをいう。Si相の割合は、さらに好ましくは、80体積%以上、さらに好ましくは、90体積%以上である。
一般に、Si/Mn比が大きくなるほど、又は、合成温度が低くなるほど、複合粉末に含まれるSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドの含有量が多くなる。
遷移金属シリサイド−Si複合粉末は、遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドのみ、又は、これらとSi粒子のみからなるのが好ましいが、これら以外の相(異相)が含まれていても良い。但し、複合粉末の特性に悪影響を及ぼす異相は、少ないほど良い。
異相としては、例えば、
(1)塩化Mn、塩化Feなどの出発原料の残留物、
(2)酸化Mn、酸化Fe、SiO2、塩化Caなどの交換反応時の副生成物、
などがある。
ここで、「異相の含有量」とは、遷移金属シリサイド相、Si相及び異相のXRD最強線強度の総和に対する異相のXRD最強線強度の割合をいう。
例えば、「MnSi相のXRD最強線」とは、(210)面反射(MnSi:JCPDSカードNo.00−042−1487)をいう。「MnSi1.73相のXRD最強線」とは、(2,1,15)面反射(Mn15Si26(MnSi1.73):JCPDSカードNo.00−020−0724)をいう。他の既知の相も同様であり、JCPDSカードからXRD最強線を知ることができる。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末をLi二次電池の負極材料に用いる場合、その充電容量は、Si相含有粒子の含有量に依存する。一般に、複合粉末全体に占めるSi相含有粒子の割合が多くなるほど、充電容量が増大する。製造条件を最適化すると、電位窓:0.02〜1.5V(vs.Li)、印加電流:100μAにおけるLiイオンの充電容量が500mAh/cm3以上、800mAh/cm3以上、あるいは、1000mAh/cm3以上である遷移金属シリサイド−Si複合粉末が得られる。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末(以下、単に「CaSiy系粉末」ともいう)は、
Si/Ca比(w)が2.0≦w≦20.0であり、
少なくともCaシリサイド相を含むことを要旨とする。
但し、前記遷移金属元素(M)がMnのみからなるときは、w=2.0を除く。
Si/Ca比(w)は、CaSiy系粉末全体に含まれるSiとCaのモル比を表す。
Si/Ca比が小さすぎると、CaSiy系粉末に含まれるSi相の割合が減少する。このようなCaSiy系粉末を出発原料に用いて遷移金属シリサイド−Si複合粉末を合成すると、遷移金属シリサイド−Si複合粉末に含まれるSi相の割合が減少する。従って、Si/Ca比は、2.0以上である必要がある。
一方、Si/Ca比が大きくなりすぎると、CaSiy系粉末に含まれるCaSi2相の割合が減少する。このようなCaSiy系粉末を出発原料に用いて遷移金属シリサイド−Si複合粉末を合成すると、遷移金属シリサイド−Si複合粉末に含まれるSi相の割合が過剰となる。従って、Si/Ca比は、20.0以下である必要がある。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末の比表面積は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、CaSiy系粉末の比表面積が大きくなるほど、これを用いて合成される遷移金属シリサイド−Si複合粉末の比表面積も大きくなる。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末は、少なくともCaシリサイド相を含む。CaSiy系粉末は、さらにSi相を含む複合体(CaSiy−Si複合粉末)であっても良い。
本発明において、「Caシリサイド相」とは、CaとSiで構成される化合物(CaSiy)相をいう。Caシリサイド相としては、具体的には、CaSi2相、CaSi相などがある。
後述するように、本発明に係るCaSiy系粉末は、CaSi2を生成させるのに必要な化学量論量又はこれより過剰のSiを含む条件下で合成されるため、通常、Caシリサイド相は、CaSi2相からなる。しかしながら、製造条件によっては、CaSiy系粉末には、CaSi相などの他のCaシリサイド相が含まれる場合がある。本発明において、CaSiy系粉末には、CaSi2相以外のCaシリサイド相が含まれていても良い。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末は、上述した組成(Si欠損量)の異なる種々のCaSi2相の内、いずれか1種を含んでいても良く、あるいは、2種以上を含んでいても良い。
本発明に係るCaSiy系粉末をSi過剰の条件下で合成した場合、CaSiy系粉末は、過剰のSi相を含む。後述の方法を用いてCaSiy系粉末を合成する場合、過剰のSi相は、通常、Caシリサイド相中にラメラ状に分散していると考えられる。
一方、Ca源とSi源とを層状CaSi2を生成させるのに必要な化学量論量で配合した場合であっても、合成された粉末中には、微量のSi相が含まれる場合がある。これは、層状CaSi2に部分的にSi欠損が生じるため、あるいは、微量のCaSi相が共存するため、と考えられる。
CaSiy系粉末に含まれるSi相の含有量は、Caシリサイド相の組成と、複合粉末全体のSi/Ca比でほぼ一義的に定まる。一般に、Si/Ca比が大きくなるほど、CaSiy系粉末に含まれるSi相の含有量が増大する。
CaSiy系粉末は、Caシリサイド相のみ、又は、これとSi相のみからなるのが好ましいが、これら以外の相(異相)が含まれていても良い。但し、CaSiy系粉末の特性に悪影響を及ぼす異相は、少ないほど良い。
異相としては、例えば、
(1)出発原料の残留物、
(2)合成反応時の副生成物(例えば、SiO2など)、
などがある。
ここで、「異相の含有量」とは、Caシリサイド相、Si相及び異相のXRD最強線強度の総和に対する異相のXRD最強線強度の割合をいう。
例えば、「CaSi相のXRD最強線」とは、(111)面反射(CaSi:JCPDSカードNo.00−026−0324)をいう。「CaSi2相のXRD最強線」とは、(0,0,12)面又は(107)面(CaSi2:JCPDSカードNo.00−001−1276)からの反射の内、より強く実測されるXRDピークの強度をいう。他の既知の相も同様であり、JCPDSカードからXRD最強線を知ることができる。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末の製造方法は、溶解工程と、凝固工程とを備えている。
溶解工程は、Ca源とSi源とを、Si/Ca比(モル比)(w)が2.0≦w≦20.0となるように配合し、前記原料を溶解させる工程である。
Ca源には、純Ca、CaSiなどを用いることができる。同様に、Si源には、純Si、CaSiなどを用いることができる。
Ca源及びSi源は、Si/Ca比(モル比)が上述の範囲となるように配合する。一般に、Si/Ca比が大きくなるほど、Si相の多い複合粉末が得られる。Si/Ca比(w)比のより好ましい範囲は、上述した通りであるので、説明を省略する。
溶解条件は、均一な溶湯が得られる条件であれば良い。
凝固工程は、前記溶解工程で得られた溶湯を凝固させ、本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末を得る工程である。溶湯を凝固させる場合において、溶湯組成及び/又は凝固条件を最適化すると、所定量のCaシリサイド相と所定量のSi相とを含む凝固物が得られる。得られた凝固物は、そのまま、又は、必要に応じて粉砕した後、遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末として用いられる。
急冷凝固方法としては、具体的には、
(1) ノズル内で溶融させた溶湯を、回転する銅ロール(冷却媒体)上に噴霧又は滴下する方法(銅ロール法)、
(2) ノズル内で溶融させた溶湯をノズル穴から噴霧又は滴下させ、溶湯の流れに周囲からジェット流体を吹きつけ、生成した液滴を落下させながら凝固させる方法(アトマイズ法)、
などがある。
急冷凝固方法としてアトマイズ法を用いる場合、溶湯の酸化を防ぐために、ジェット流体には、不活性ガス(例えば、Arなど)を用いるのが好ましい。
本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末の製造方法は、混合工程と、反応工程と、洗浄工程とを備えている。本発明に係る方法は、さらに磁気選別工程を備えていても良い。
混合工程は、本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物とを混合する工程である。
混合工程は、遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物とを、M/Ca比(モル比)(α)がα≧1となるように混合するものが好ましい。
CaSi2+αMnCl2→
MnSix+(2−x)Si+(α−1)MnCl2+CaCl2 ・・・(1)
(1)式に従って反応が進む場合において、α(Mn/Ca比)が1であるときには、理想的には、すべてのMnCl2がCaSi2との反応に消費される。αが1を超えると、未反応のMnCl2がそのまま残る。しかしながら、未反応のMnCl2及び副生したCaCl2は、いずれも溶媒(例えば、エタノール)に可溶であるため、反応物からMnCl2及びCaCl2を除去するのは比較的容易である。従って、αは、1以上が好ましい。
一方、MnCl2の必要以上の添加は、実益がないだけでなく、未反応のMnCl2を除去するための工数が増大する。従って、αは、5以下が好ましい。αは、さらに好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
なお、αが1未満である場合、合成された粉末中にはCaSi2が残留する。CaSi2は、後述する洗浄工程において除去できないが、用途によっては、CaSi2が残留していても実害がない場合がある。このような場合には、αは1未満であっても良い。
反応工程は、前記混合工程で得られた混合物を加熱し、冷却する工程である。
加熱温度は、遷移金属元素(M)のハロゲン化物とCaSiy系粉末との反応が効率よく進行する温度であれば良い。
一般に、加熱温度が低すぎると、実用的な時間内に反応が完結しない。従って、加熱温度は、遷移金属元素(M)のハロゲン化物の融点(Tm)の30%以上が好ましい。加熱温度は、さらに好ましくは、Tmの35%以上、40%以上、あるいは、50%以上である。
一方、加熱温度が高くなりすぎると、原料が溶融して粗大な粉末が生成したり、あるいはSi相含有粒子の割合が減少する。従って、加熱温度は、遷移金属元素(M)のハロゲン化物の融点(Tm)の98%以下が好ましい。加熱温度は、さらに好ましくは、Tmの95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、あるいは、70%以下である。
さらに、本発明に係る複合粉末をLi二次電池の負極材料として用いる場合、加熱温度は、電位窓:0.02〜1.5V、印加電流:100μAにおけるLiイオンの充電容量が500mAh/cm3以上である材料が得られる温度とするのが好ましい。
例えば、MnSix−Si複合粉末を合成する場合、加熱温度は、400℃〜630℃が好ましい。加熱温度は、さらに好ましくは、500℃〜630℃である。
また、例えば、FeSix−Si複合粉末を合成する場合、加熱温度は、300℃〜500℃が好ましい。加熱温度は、さらに好ましくは、350℃〜450℃である。
原料中に2種以上の遷移金属元素(M)が含まれる場合、加熱温度は、少なくとも1種類の遷移金属元素(M)のハロゲン化物について、上述した条件を満たす温度であれば良い。
また、加熱時の雰囲気は、原料の酸化を防ぐために、不活性雰囲気が好ましい。
反応終了後、反応物を冷却する。冷却は、急冷でも良く、あるいは、徐冷でも良い。
洗浄工程は、前記反応工程で得られた反応物を、前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び/又はハロゲン化Caを溶解可能な1又は2以上の溶媒で洗浄し、未反応の前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び副生した前記ハロゲン化Caを除去する工程である。
洗浄は、未反応の遷移金属元素(M)のハロゲン化物(例えば、MnCl2)及び副生したハロゲン化Ca(例えば、CaCl2)を除去するために行う。洗浄に用いる溶媒は、遷移金属元素(M)のハロゲン化物又はハロゲン化Caのいずれか一方を溶解可能なものでも良く、あるいは、双方を溶解可能なものでも良い。
遷移金属元素(M)のハロゲン化物又はハロゲン化Caのいずれか一方を溶解可能な2種以上の溶媒を用いる場合、洗浄は、2段階に分けて行うか、あるいは、混合溶媒を用いる必要がある。一方、双方を溶解可能な溶媒を用いる場合には、洗浄は、単一の溶媒を用いて1段階で行うことができる。さらに、未反応の遷移金属元素(M)のハロゲン化物が残らない条件下で反応させた場合には、洗浄は、少なくともハロゲン化Caを溶解可能な溶媒を用いて1段階で行うことができる。
例えば、遷移金属元素(M)のハロゲン化物がMnCl2であり、ハロゲン化CaがCaCl2である場合、これらの双方を溶解可能な溶媒としては、例えば、エタノール、水などがある。
これらの溶媒は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
磁気選別工程は、洗浄が行われた複合粉末を溶媒に再分散させ、分散液から磁性を持つ粉末を分離する工程である。
遷移金属シリサイドの中には、磁性を持つもの(例えば、Fe3Si)がある。遷移金属シリサイドは、専ら電子伝導体として機能し、通常、Liイオンの充電容量は低い。そのため、複合粉末に含まれる遷移金属シリサイドが過剰である場合には、高いLiイオンの充電容量は得られない。
これに対し、複合粉末に含まれる遷移金属シリサイドの中に磁性体が含まれている場合、合成された複合粉末の磁気選別を行うことにより、複合粉末に含まれる遷移金属シリサイド粒子の割合を制御することができる。その結果、選別後の粉末に含まれるSi相含有粒子の割合を増大させることができ、これによって充電容量も増大する。
また、磁気選別は、分散液中に磁場を印加することにより行う。磁場を印加する方法としては、例えば、分散液中に磁石を浸漬する方法などがある。
Ca源とSi源からCaSiyを合成する場合において、Si源を層状CaSi2を生成させるのに必要な化学量論量又はこれより過剰に加えると、Caシリサイド相を含むCaSiy系粉末、又は、Caシリサイド相とSi相との複合体からなるCaSiy系粉末が得られる。
次に、CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物(例えば、塩化Mn)とを所定の比率で混合し、所定の温度で加熱すると、遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート若しくはCa欠損層状Caシリサイドと、ハロゲン化Caとを含む反応物が得られる。また、遷移金属元素(M)のハロゲン化物を過剰に配合した場合には、反応物には未反応の遷移金属元素(M)のハロゲン化物も含まれる。
ハロゲン化Ca及び遷移金属元素(M)のハロゲン化物は、ともに溶媒(例えば、エタノール)に可溶であるため、反応物を適当な溶媒で洗浄すると、遷移金属シリサイド−Si複合粉末が得られる。
得られたMnSix−Si複合粉末は、CaSi2相と塩化Mnとの反応により生成した微細なMnシリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドとを含んでいるので、比表面積が大きい。また、粒子を微細化するために必ずしも粉砕をする必要がないので、不純物量も少ない。
さらに、MnSix−Si複合粉末は、結晶性の高いMnシリサイド粒子(導電材料)と、原料に由来するSi粒子(Liイオンの吸蔵放出体)と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイド(Liイオンの吸蔵放出体)とがナノレベルで複合しているため、これをLi二次電池の負極材料として用いると、高い充放電容量を示す。さらに、複合化によってLiイオンの吸蔵放出に伴うSiの体積変化が緩和されるので、耐久性も高い。
シリサイドの生成相については、次のように熱力学的及び動力学的に決定される。例えば、Feシリサイドにおいては、FeSi、Fe3Si、FeSi2などのように複数の相が存在する。いずれの相が形成されるかは、各相の生成エンタルピーで決まり、反応時間が十分あれば、合成温度において最も安定な相が形成される。反応時間が不十分である場合、あるいは、各相の生成エンタルピーが拮抗している場合には、複数の相が共存すると考えられる。
一方、粉末中に含まれる板状又はシート状のSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドについては、原料の層状CaSi2からCaが抜け、Siシート層が剥離することにより生成するため、共存して生成する遷移金属シリサイドの種類にはよらないと考えられる。
[1. 試料の作製]
[1.1. CaSiy−Si複合粉末の合成]
図1上段に、CaSiy−Si複合粉末の合成手順を示す。まず、所定量のCaSi粉末とSi粉末とを秤量し、混合した。この原料をアーク溶解法を用いて溶解・凝固させ、溶製材(Arc溶製材原料)を作製した。溶製材を乳鉢で粉砕(53μmメッシュ以下)し、CaSiy−Si複合粉末を得た。Si/Ca比(w:ICP分析値)は、仕込み組成とほぼ同等の2.11(実施例1)、又は、2.20(実施例2)であった。
比較として、Si/Ca比(w)がICP分析値で1.97(比較例1)となるように原料を配合した以外は、実施例1、2と同様にしてCaSiy粉末を合成した。
図1下段に、MnSix−Si複合粉末の合成手順を示す。まず、Ar雰囲気中で、粉砕されたCaSiy−Si複合粉末とMnCl2粉末とを混合した。Mn/Ca比(α)は、2とした。得られた混合粉末を棒状に圧粉成形(〜20MPa)し、圧粉体を石英ガラス管に真空封入した。この石英ガラス管を所定温度で加熱(600〜630℃、5h)した。
石英ガラス管を室温に冷却した後、加熱物をガラス管から取り出し、乳鉢で粉砕した。得られた粉末をエタノールに分散し、攪拌することで洗浄した。洗浄後、エタノール中の粉末を遠心分離(15,000rpm、10分)した。さらに、固形分を乾燥させ、MnSix−Si複合粉末を得た(実施例1、2)。
比較例1で得られたCaSiy粉末を出発原料に用いた以外は、実施例1、2と同様にして、MnSix−Si複合粉末を合成した。
表1に、粉末の合成条件を示す。
[2.1. 粉末組成]
合成された粉末の組成を、ICPにより測定した。
[2.2. 密度]
ピクノメーターを用いて、合成された粉末の密度を測定した。
[2.3. 比表面積]
窒素吸着等温線よりBET法で、合成された粉末の比表面積を算出した。
[2.4. X線回折]
合成された粉末についてX線回折を行い、生成相を同定した。
[2.5. SEM及びTEM]
合成された粉末について、SEM観察及びTEM観察を行った。TEM観察試料は、粉末試料をエタノールで分散して得た分散液をTEMグリッドに滴下して調製した。
図2に示す手順に従い、評価用電極の作製及び充放電特性の評価を行った。
まず、合成粉末を約4mg秤量し、8mm角のNiフォーム上に敷いた。このNiフォーム/合成粉末を一軸加圧プレス(200MPa)した。図3(a)に示すように、リード線が接続されたNiフォーム/合成粉末をセパレータで包み、さらにその外側をリード線が接続されたLi箔で包み、評価用電極とした。
次に、図3(b)に示すように、評価用電極の両面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ガイドで挟み、これをビーカ内に設置した。ビーカー内に、1MのLiPF6を含む電解液(溶媒:エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC);EC/DEC=3/7(vol比))を滴下し、定電流(10μA又は20μA)での充放電容量を測定した。
電位が1.5Vから0.02Vまで変化する過程を充放電の一サイクルとして、容量を評価した。Liの挿入・脱離に伴って試料の電位が変化する。Liが試料から脱離する過程を充電過程とした。表2に、充放電容量の測定条件を示す。
[3.1. 粉末組成]
実施例1、2で合成されたCaSiy−Si複合粉末及びMnSix−Si複合粉末の組成、並びに、比較例1で合成されたCaSiy粉末及びMnSix−Si複合粉末の組成は、いずれも、仕込み組成にほぼ一致した。
表3に、実施例1、2及び比較例1で合成されたMnSix−Si複合粉末の密度及び比表面積を示す。なお、表3には、ICP分析値でのz(=Si/Mn比)も併せて示した。
表3より、以下のことがわかる。
(1)Si/Mn比(z)が大きくなるほど、密度が低くなる。これは、zが大きくなるほど、Si相の割合が多くなるためと考えられる。
(2)Si/Mn比(z)により、粉末の比表面積が異なる。これは、zにより、Mnシリサイド粒子、Si粒子及びSiナノシートの割合が変化するためと考えられる。
[3.3.1. CaSiy−Si複合粉末]
図4に、実施例1、2で合成されたCaSiy−Si複合粉末及び比較例1で合成されたCaSiy粉末のX線回折パターンを示す。
比較例1で合成された粉末は、CaSi2相単相であった。一方、実施例1、2で得られた粉末は、いずれも、CaSi2相とSi相の複合体であった。図4より、Si/Ca比(w)が大きくなるほど、Siのピークが大きくなることがわかる。
[3.3.2. MnSix−Si複合粉末]
図5に、実施例1、2及び比較例1で得られたMnSix−Si複合粉末のX線回折パターンを示す。
実施例1、2及び比較例1で得られた塩化Mnとの反応後の粉末は、いずれも、MnSi1.73相とSi相の複合体であった。なお、図5において、比較例1のSiのピークは小さいが、実施例1、2及び比較例1のいずれも、TEM観察により粉末中にSiナノシートが含まれていることを確認している。図5より、Si/Mn比(z)が大きくなるほど、Siのピークが大きくなることがわかる。
[3.4.1. CaSiy−Si複合粉末]
図6に、実施例2で得られたCaSiy−Si複合粉末のSEM像を示す。図6(a)は低倍率SEM像、図6(b)は中倍率SEM像、図6(c)及び図6(d)は高倍率SEM像(2視野)である。
実施例2で得られたCaSiy−Si複合粉末の粒径は、数〜数十μmであった。また、一つの粒子の中に、CaSi2相とSi相が混在していることがわかった。Si相は、CaSi2相中にラメラ状に分散していると推定される。
図示はしないが、実施例1のCaSiy−Si複合粉末も、実施例2と同様であった。
図7に、実施例2で得られたMnSix−Si複合粉末のSEM像を示す。図7(a)は低倍率SEM像、図7(b)及び図7(c)は高倍率SEM像(2視野)である。
実施例2で得られたMnSix−Si複合粉末は、粒径数十〜数百nmのMnシリサイドと、Siとが複合した粉末であった。ここで、図7のSEM像においては、白いコントラスト部がMnシリサイド、灰色のコントラスト部がSiである。Si粒子は、1〜数μm程度の粒径であり、その表面には、Mnシリサイド粒子が付着していた。
図8のTEM像においては、Mnシリサイド(黒いコントラスト部)と、Si(ナノシート状のSiと推定される。黒いコントラスト部の周囲のもや状のコントラスト部。)が混在している状態が確認された。ここで、このSiは、単原子層程度の厚みで、直径1μm程度と考えられた。
なお、図8(c)は、Siナノシート1枚(原子層程度の厚み)の部分と、いくつかのシートが重なり合っている部分とで構成されるコントラストと考えられる。また、図8(d)の筋状の黒いコントラストは、シートがめくれて折れ曲がったコントラストと考えられ、その長さからSiシートの直径を1μm程度と推定した。
図10に、MnSix−Si複合粉末のSi/Mn比と充電容量との関係を示す。図10には、人造黒鉛MCF(現行のLi二次電池で使用されているカーボン負極と同等の材料)の充電容量も併せて示した。カーボン負極は、人造黒鉛MCFとポリテトラフルオロエチレン(5wt%)とを混合して得たシートをNiメッシュに貼り付けたものである。
図10より、実施例1、2で得られたMnSix−Si複合粉末は、カーボン負極と同等以上の充電容量を発現することがわかる。
図11に示すように、実施例2で得られた複合粉末は、印加電流値を増大(=充放電速度を増大させることに相当)させても、高い充電容量を維持した。
これは、主に電気伝導を担っていると考えられるMnシリサイドと、主にLiとの反応を担っていると考えられるSiが、図9に示すようにナノレベルで混合されているために、Liの拡散経路と電子の伝導経路の両者が適切に形成されているためと考えられる。
[1. 試料の作製]
[1.1. CaSiy−Si複合粉末(CaSi2.05粉末)の合成]
図12上段に、CaSiy−Si複合粉末の合成手順を示す。まず、所定量のCaSi粉末とSi粉末とを秤量し、混合した。この原料をアーク溶解法を用いて溶解・凝固させ、溶製材(Arc溶製材原料)を作製した。溶製材を乳鉢で粉砕(53μmメッシュ以下)し、CaSiy−Si複合粉末を得た。Si/Ca比(w:ICP分析値)は、仕込み組成とほぼ同等の2.05であった。
図12下段に、FeSix−Si複合粉末の合成手順を示す。まず、Ar雰囲気中で、粉砕されたCaSiy−Si複合粉末とFeCl2粉末とを混合した。Fe/Ca比(α)は、2とした。得られた混合粉末を棒状に圧粉成形(〜20MPa)し、圧粉体を石英ガラス管に真空封入した。この石英ガラス管を所定温度で所定時間加熱した。加熱条件は、400℃×5h(実施例11)、又は、350℃×5h(実施例12、13)とした。
石英ガラス管を室温に冷却した後、加熱物をガラス管から取り出し、乳鉢で粉砕した。得られた粉末をエタノールに分散し、攪拌することで洗浄した。洗浄後、エタノール中の粉末を遠心分離(15,000rpm、10分)した。さらに、固形分を乾燥させ、粉末を得た(実施例11)。
表4に、粉末の合成条件を示す。
[2.1. 粉末組成、密度、比表面積、X線回折、SEM及びTEM]
実施例1と同様の手順に従い、粉末組成、密度及び比表面積の測定、X線回折、並びに、SEM及びTEMによる観察を行った。
[2.2. 充放電特性]
電流値を100μAとした以外は実施例1と同様の手順に従い、評価用電極の作製及び充放電特性の評価を行った。
表5に、充放電容量の測定条件を示す。なお、比較例11は、人造黒鉛MCF(現行のLi二次電池で使用されているカーボン負極と同等の材料)である。
[3.1. 粉末組成]
実施例11で合成されたFeSix−Si複合粉末の組成は、仕込み組成にほぼ一致した。
表6に、実施例11〜13で合成された粉末の密度及び比表面積を示す。なお、表6には、ICP分析値でのz(=Si/Fe比)も併せて示した。
表6より、以下のことがわかる。
(1)反応温度が高くなるほど、比表面積が低下する。これは、高温で長時間反応させると、シリサイドの生成が進行し、また、原料の溶融や合成された粉末の凝集が起こるためと考えられる。
(2)粉末の回収方法に応じて、粉末の密度及び比表面積が異なる。これは、磁気選別により高密度のFe3Si相と、低密度のSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドの含有量が異なるためと考えられる。
[3.3.1. CaSiy−Si複合粉末]
図13に、実施例11で合成されたCaSiy−Si複合粉末のX線回折パターンを示す。図13より、合成された粉末は、微量のSiを含む層状CaSi2相からなることがわかる。
図14及び図15に、実施例11〜13で得られたFeSix−Si複合粉末のX線回折パターンを示す。
実施例11で得られた粉末は、FeSi相、FeSi2相、Si相、及び、Ca欠損層状Caシリサイド(Ca欠損CaSi2)相からなる粉末であった。また、実施例12、13で得られた粉末は、いずれもFeSi相、Fe3Si相、Si相、及び、Ca欠損層状Caシリサイド(Ca欠損CaSi2)相からなる粉末であった。Ca欠損CaSi2の詳細については、後述する。
[3.4.1. SEM観察]
図16に、実施例12で得られたFeSix−Si複合粉末のSEM像を示す。実施例12で得られた粉末には、粒径1μm以下程度のFeSi粒子及びFe3Si粒子(SEM像で明るい灰色コントラストで見える部分)と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドと考えられる粒子(SEM像で暗い灰色コントラストで見える部分)が観察された。ここで、EDX分析により、後者の粒子の組成は、Ca:Cl:Si=0〜0.05:0〜0.10:2の範囲にあり、場所により異なることがわかった。また、SEM観察によると、原料由来の数μmの粗大Siも少量観察された。
図17に、実施例12で得られたFeSix−Si複合粉末の低倍率TEM像(左上図)、FeSi相を含む領域の高倍率TEM像(左下図)、及びFeSi相の電子線回折像(右図)を示す。実施例12で得られた粉末には、粒径数μmのSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドと考えられる粒子(下地の灰色コントラスト部)と粒径100nm以下程度のFeSi粒子又はFe3Si粒子と考えられる粒子(黒色コントラスト部)が密接して複合しているしている粒子が観察された。FeSi粒子又はFe3Si粒子は、下地のSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドの上に載っていると考えられる。
ここで、図17右図に示すように、単結晶のように明瞭な電子線回折を示すFeSi粒子の存在が確認され、複合粒子は結晶性の高いFeSi粒子やFe3Si粒子を含有していることが示唆された。
ここで、電子線回折像(図18右下図)から、この板状粒子は、原料の層状CaSi2とほぼ同じ構造をとっており、Caがほぼ抜けたCaSi2であることがわかった。また、Caが完全に抜けた部分は、Siになると考えられる。この点は、上述のXRD及びSEM像より、Si及びCa欠損層状Caシリサイドの存在が示唆されていることからも明らかである。
一方、Caが完全に抜けなかった場合、電気的中性を保つために、層状物質の層間にClが入り込んむと考えられる。EDXにより組成分析を行ったところ、図18右上図の○印内の組成は、Ca0.03Cl0.06Si2であった。
また、図20に、実施例12で得られたFeSix−Si複合粉末に含まれるさらに別の層状物質のTEM像を示す。図20に示すように、板状又はシート状の粒子を上から見ていると考えられるTEM像が観察された。
表7に、FeSix−Si複合粉末の充電容量を示す。表7には、人造黒鉛MCF(比較例11)の充電容量も併せて示した。
実施例12、13では、比較例11を大きく上回る充電容量を示した。これは、Feシリサイド粒子(FeSi、Fe3Si、又はFeSi2)は、Liとほとんど反応せず、充電容量が小さいのに対し、粉末中に含まれるSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドは、Liと反応して高い充電容量を示すためと考えられる。実施例11については、充放電容量の測定を行っていないが、図14に示すように相当量のSiを含んでいるので、十分な充電容量が期待できる。
なお、このSiナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドは、厚み10nm程度の薄い板状又はシート状で、それらが隙間を空けて積層している。そのため、電界液が拡散しやすく、Liとの反応性が高いものと推定される。また、導電性の良いFe−Si粒子と密接に複合化されているため、充電に伴う集電材への電子の受け渡しも良好であると考えられる。
また、本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末及びその製造方法は、本発明に係る遷移金属シリサイド−Si複合粉末を製造するための原料及びその製造方法として使用することができる。
Claims (12)
- 一種又は2種以上の遷移金属元素(M)を含み、
Si/M比(z)が2.0≦z≦20.0であり、
比表面積が2.5m2/g以上であり、
遷移金属シリサイド粒子と、Siナノシート又はCa欠損層状Caシリサイドとを含む複合体からなる遷移金属シリサイド−Si複合粉末。 - 前記Siナノシート又は前記Ca欠損層状Caシリサイドは、CauXvSi2(0≦u≦0.1、0≦v≦0.2、Xはハロゲン)で表される組成を有する請求項1に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末。
- Si粒子をさらに含む請求項1又は2に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末。
- 前記遷移金属元素(M)は、Mn及びFeからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素である請求項1から3までのいずれかに記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末。
- Li二次電池の負極材料として用いられる請求項1から4までのいずれかに記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末。
- Liイオンの充電容量が500mAh/cm3以上である請求項5に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末。
- 請求項1から6までのいずれか1項に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末を製造するために用いられ、
Si/Ca比(w)が2.0≦w≦20.0であり、
少なくともCaシリサイド相を含む
遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末。
但し、前記遷移金属元素(M)がMnのみからなるときは、w=2.0を除く。 - Ca源とSi源とを、Si/Ca比(モル比)(w)が2.0≦w≦20.0となるように配合し、前記原料を溶解させる溶解工程と、
前記溶解工程で得られた溶湯を凝固させ、請求項7に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末を得る凝固工程と
を備えた遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末の製造方法。 - 前記凝固工程は、前記溶湯を急冷凝固させるものである請求項8に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末の製造方法。
- 請求項7に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末と遷移金属元素(M)のハロゲン化物とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物を加熱し、冷却する反応工程と、
前記反応工程で得られた反応物を、前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び/又はハロゲン化Caを溶解可能な1又は2以上の溶媒で洗浄し、未反応の前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物及び副生した前記ハロゲン化Caを除去する洗浄工程と
を備えた遷移金属シリサイド−Si複合粉末の製造方法。 - 前記混合工程は、前記遷移金属シリサイド−Si複合粉末製造用CaSiy系粉末と前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物とを、M/Ca比(モル比)(α)がα≧1となるように混合するものである請求項10に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末の製造方法。
- 前記反応工程は、前記混合物を前記遷移金属元素(M)のハロゲン化物の融点の30%以上98%以下の温度で加熱するものである請求項10又は11に記載の遷移金属シリサイド−Si複合粉末の製造方法。
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