JP6187175B2 - Ca−Si−F系化合物、並びに、半導体及び電池 - Google Patents

Ca−Si−F系化合物、並びに、半導体及び電池 Download PDF

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Description

本発明は、Ca−Si−F系化合物、並びに、半導体及び電池に関し、さらに詳しくは、新規なCaSi2x化合物を含むCa−Si−F系化合物、並びに、このようなCa−Si−F系化合物を用いた半導体及び電池に関する。
Siナノシートは、ポリシラン(Si22)nやシロキセン(Si2HOH)nを出発原料として製造されている。また、ポリシランやシロキセンは、CaとSiが交互に積層した構造を持つCaSi2結晶を塩酸処理し、CaSi2結晶からCaを抜くことによって合成されている。
CaSi2結晶からポリシランやシロキセンを合成する場合、合成されるポリシランやシロキセンの面積は、層状になっているCaSi2のSi層の面積で決まる。よって、原料として大型のCaSi2単結晶を用いることにより、ポリシランやシロキセンも大型になるため、これらから合成されるSiナノシートも大型化する。
このような大型のCaSi2単結晶の製造方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、CaSi2組成よりCaが20%多い原料を1350℃まで加熱し、10℃/hで徐冷する方法が開示されている。
同文献には、この方法により、5×5mm2の単結晶が得られる点が記載されている。
また、非特許文献2には、化学量論組成の割合でCaとSiを混合した原料を、1200〜1400℃まで昇温し、10℃/hで徐冷する方法が開示されている。
同文献には、この方法により、8×8mmの単結晶が得られる点が記載されている。
また、特許文献1には、50〜60wt%Si含有のCa−Si原料棒を用い、フローティングゾーン法によりCaSi2単結晶を育成する方法が記載されている。
さらに、非特許文献3には、化学量論組成の原料棒からフローティングゾーン法によりCaSi2単結晶を育成する方法が記載されている。
同文献には、この方法により直径10mmの単結晶が得られる点が記載されている。
非特許文献1、2に記載の方法を用いると、長さがミリメートルオーダーの板状単結晶を製造することができる。また、特許文献1、非特許文献3に記載の方法を用いると、直径10mm程度の棒状単結晶を製造することができる。
しかしながら、Ca、Si、及びFを含むCa−Si−F系化合物が合成された例は、従来にはない。
特開平03−183696号公報
Shoji Yamanaka, F.Suehiro, K.Sasaki and M.Hattori, Physica 105B(1981)230-233 J.Evers and A.Weiss, Mat.Res.Bull.9(1974)549-554 Toshiyuki Hirano, Journal of the Less-Common Metals, 157(1991)329-337
本発明が解決しようとする課題は、新規なCaSi2x化合物を含むCa−Si−F系化合物を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このようなCa−Si−F系化合物を用いた半導体及び電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るCa−Si−F系化合物は、CaSi2x(0<x≦1.1)で表される組成を有する化合物(CaSi2x化合物)を含むことを要旨とする。
本発明に係る半導体は、本発明に係るCa−Si−F系化合物を用いたことを要旨とする。
さらに、本発明に係る電池は、本発明に係るCa−Si−F系化合物を用いたことを要旨とする。
CaSi2にフッ素を拡散させると、CaSi2の全部又は一部が新規な化合物(CaSi2x化合物)に変態する。
CaSi2x化合物は、半導体である。そのため、例えばCaSi2層の表層部分のみをCaSi2x化合物に変態させると、金属的性質を持つCaSi2層と、半導体的性質を持つCaSi2x化合物層からなるショットキー結合を形成することができる。
また、結晶質のCaSi2x化合物は、空孔サイトが多数ある構造を有し、かつ、リチウムイオンを置換可能なサイトが多い。また、Ca−Si−F系化合物は、Si粒子を配合するなどすれば、高容量のリチウムイオン電池の電極として有効である。
板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において280℃で10h熱処理したサンプルの外観写真である。 板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において240〜280℃で10h熱処理したサンプルの表面のXRDパターンである。 2mm以下に粉砕したCaSi2粉末を、イオン液体[BMlm]BF4中において240℃で10h熱処理したサンプルの粉末XRDパターンである。 板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において260℃で10h熱処理したサンプルの断面の反射電子像である。
板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において300℃で10〜30h熱処理したサンプルの粉末XRDパターンである。 板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において300℃で15h熱処理したサンプルの断面の反射電子像である。 図7(a)は、板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において300℃で20h熱処理し、その後に粉砕したサンプルの[100]方位の電子線回折像(DP)及び暗視野像(DF)である。図7(b)は、図7(a)と同一のサンプルであるが、異なる箇所で撮影された[100]方位の電子線回折像(DP)及び暗視野像(DF)である。 板状のCaSi2結晶粒を、イオン液体[BMlm]BF4中において260℃で10h熱処理したサンプルにおける各方位の電子線回折像(DP)である。
表1(a)の結晶構造モデル(a)、及び、表1(b)の結晶構造モデル(b)である。 表2(a)の結晶構造モデル(a)、及び、表2(b)の結晶構造モデル(b)である。 6−lay構造のCaSi2からCaSi2Fへの変態過程の模式図である。 超格子構造が観察されるサンプルの[001]方位の電子線回折像(図12(a))、[100]方位の電子線回折像(図12(b))、及び、[100]方位から観察した高分解能TEM像(図12(c))である。
双晶が形成されているエリアの[100]方位の電子線回折像(左図)、及び高分解能TEM像(右図)である。 積層欠陥が形成されているエリアの[100]方位の電子線回折像(左図)、及び高分解能TEM像(右図)である。 CaSi2とCaSi2xとが交互に積層している層状構造が形成されているエリアの[2−10]方位の高分解能像(図15(a))、及び電子回折像の一部(図15(b))である。
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. Ca−Si−F系化合物]
本発明に係るCa−Si−F系化合物は、CaSi2x(0<x≦1.1)で表される組成を有する化合物(CaSi2x化合物)を含む。
Ca−Si−F系化合物は、
(a)CaSi2x化合物のみからなる場合と、
(b)CaSi2x化合物に加えて、他の化合物を含む場合と、
がある。他の化合物については、後述する。
[1.1. CaSi2x化合物]
[1.1.1. 組成]
「CaSi2x化合物」とは、Ca、Si、及びFを所定の比率で含む化合物をいう。
CaSi2x化合物は、製造条件に応じて、
(a)結晶質となる場合と、
(b)アモルファス又はアモルファスに近い状態(以下、これらを総称して「アモルファス状」という)となる場合と、
がある。
このようなCaSi2x化合物を含むCa−Si−F系化合物は、フッ素が共存する環境下において結晶質又はアモルファスのCaSi2を加熱し、CaSi2にフッ素を拡散させることにより得られる。アモルファスのCaSi2を出発原料に用いた場合であっても、必ずしもアモルファス状のCaSi2x化合物は得られないが、製造条件を最適化すると、アモルファス状のCaSi2x化合物が生成する場合がある。製造方法の詳細については、後述する。
CaSi2x化合物のSi/Ca比(原子比)は、形式的には2.0である。しかしながら、本発明において「CaSi2x化合物」というときは、化学量論組成の化合物だけでなく、CaSi2x化合物と同視できる限りにおいて、化学量論組成から若干ずれている組成を持つ化合物も含まれる。
化学量論組成からのずれの程度は、フッ素の含有量、空孔の含有量、CaSi2からCaSi2x化合物への変態の進行程度などにより異なる。後述する方法を用いた場合、Si/Ca比は、2.0±0.15程度となる。
CaSi2x化合物のF/Ca比(x)(原子比)は、製造条件に応じて、0<x≦1.1の範囲で変化する。一般に、xが大きくなるほど、CaSi2からCaSi2x化合物への構造の変化が進行する。特に、0.8≦x≦1.1である場合、X線回折や電子線回折において、構造の変化が明瞭に現れる。
[1.1.2. 結晶構造]
CaSi2x化合物が結晶質である場合、CaSi2x化合物の結晶系は、三方晶に属する。また、結晶質のCaSi2x化合物は、Caサイト及びFサイトに相対的に多量の空孔を含む。
CaSi2x化合物の格子定数や空間群は、フッ素の含有量、空孔の含有量、CaSi2からCaSi2xへの変態の進行程度などにより異なる。
Ca−Si−F系化合物は、
(a)特定の格子定数及び空間群を持つ単一のCaSi2x化合物を含む場合と、
(b)格子定数及び/又は空間群の異なる2種以上のCaSi2x化合物を含む場合と、
があると考えられる。
後述する方法を用いた場合、CaSi2x化合物の格子定数aは、0.38nm≦a≦0.39nmとなる。但し、超格子構造を取るCaSi2x化合物の格子定数aは、上記の値の倍となる。
CaSi2x化合物の格子定数cは、空間群により異なる。
前記CaSi2x化合物が空間群R−3、R32、又はR−3mに属する場合には、格子定数cは、0.80nm≦c≦1.02nmとなる。
一方、前記CaSi2x化合物が空間群R−3cに属する場合には、格子定数cは、1.61nm≦c≦2.03nmとなる。
[1.1.3. 双晶及び積層欠陥]
CaSi2x化合物が結晶質である場合、CaSi2x化合物は、双晶を含む場合がある。双晶を含むCaSi2x化合物は、波長変換デバイスなどの電気光学素子に利用できる可能性がある。
双晶は、CaSi2からCaSi2x化合物への変態過程で生成する。フッ素が共存する環境下でCaSi2を熱処理する場合において、一般に、原料のCaSi2結晶に積層欠陥があるほど、あるいは、熱処理条件が高温であるほど、双晶が生成しやすくなる。
同様に、CaSi2xが結晶質である場合、CaSi2x化合物は、双晶に加えて又はこれに代えて、積層欠陥を含む場合がある。
積層欠陥は、CaSi2からCaSi2x化合物への変態過程で生成する。フッ素が共存する環境下でCaSi2を熱処理する場合において、一般に、原料のCaSi2結晶に積層欠陥があるほど、あるいは、熱処理条件が高温であるほど、積層欠陥が生成しやすくなる。
[1.1.4. 超格子構造]
CaSi2xが結晶質である場合、CaSi2x化合物は、双晶及び/又は積層欠陥に加えて、又はこれらに代えて、超格子構造を備えているものを含む場合がある。
超格子構造は、CaSi2からCaSi2x化合物への変態過程で生成する。フッ素が共存する環境下でCaSi2を熱処理する場合において、一般に、熱処理時間が長くなるほど、超格子構造が生成しやすくなる。
[1.2. 他の化合物]
フッ素が共存する環境下においてCaSi2を熱処理すると、CaSi2中にフッ素が拡散する。そのため、熱処理条件を最適化すると、理想的には、CaSi2のすべてをCaSi2x化合物に変態させることができる。
一方、熱処理条件を最適化すると、CaSi2x化合物以外の他の化合物を含むCa−Si−F系化合物が得られる場合がある。
例えば、基板上にCaSi2薄膜を形成し、フッ素が共存する環境下において基板を適度に熱処理すると、CaSi2薄膜の表層部分のみがCaSi2x化合物に変態する。CaSi2は、金属的性質を持つのに対し、CaSi2x化合物は、半導体的性質を持つ。そのため、このようなCaSi2層/CaSi2x化合物層からなる接合体は、ショットキー結合として機能する。
また、原料として6−lay構造のCaSi2を用いた場合、CaSi2からCaSi2x化合物への変態は、CaSi2層とCaSi2x層とが数層ずつ交互に積層した状態で進行する。そのため、フッ素が共存する環境下において原料を適度に熱処理すると、CaSi2x化合物からなる層と、CaSi2からなる層とが交互に積層している層状構造を備えたCa−Si−F系化合物が得られる。また、このような変態過程が双晶や積層欠陥を生成させる一因となっている。
CaSi2層の層数は、製造条件にもよるが、通常、4原子層〜12原子層程度である。
また、CaSi2x層の層数は、製造条件にもよるが、通常、4原子層〜6原子層程度である。
変態の初期段階で生成するCaSi2x化合物は、エネルギー的に不安定な化合物である。そのため、過度の熱処理は、CaSi2x化合物の構造の変化を引き起こす。
例えば、層状構造を備えたCa−Si−F系化合物に対して過度の熱処理(例えば、相対的に高温での熱処理)を行うと、CaSi2x化合物からなるnmサイズの微粒子の凝集体を含むCa−Si−F系化合物が得られる。凝集体は、層状構造を備えたCa−Si−F系化合物の全部又は一部が、エネルギー的により安定な形態に変化したものと考えられる。凝集体を構成する微粒子の結晶方位は、元の層状構造の結晶方位をほぼ維持している。
熱処理をさらに継続すると、結晶質の微粒子は、さらにアモルファス状に変化する場合もある。
[2. Ca−Si−F系化合物の製造方法]
本発明に係るCa−Si−F系化合物は、
CaSi2を含む原料を準備する原料準備工程と、
前記CaSi2にフッ素を拡散させ、本発明に係るCa−Si−F系化合物を合成する拡散工程と
を備えた製造方法により、製造しても良い。
[2.1. 原料準備工程]
まず、CaSi2を含む原料を準備する(原料準備工程)。原料は、CaSi2を含むものであれば良い。CaSi2へのフッ素の拡散が可能な限りにおいて、原料の結晶構造、大きさ、形状等は、特に限定されない。
CaSi2を含む原料としては、例えば、
(a)CaSi2の多結晶、単結晶、又はアモルファスからなるバルク又は粉末、
(b)Si基板などの基板上に形成されたCaSi2薄膜、
などがある。
[2.2. 拡散工程]
次に、前記CaSi2にフッ素を拡散させ、本発明に係るCa−Si−F系化合物を合成する(拡散工程)。CaSi2へのフッ素の拡散方法は、特に限定されるものではなく、原料の種類や目的に応じて、最適な方法を選択することができる。
フッ素の拡散方法は、特に、フッ素を含有する液相中、又はフッ素を含有する気相中において、前記原料を熱処理する方法が好ましい。このような方法により、容易にCa−Si−F系化合物を合成することができる。
[2.2.1. 液相]
フッ素を含有する液相としては、例えば、
(a)フッ素ガスを溶媒に溶解させた溶液、
(b)フッ素を含有する化合物を溶媒に溶解させた溶液、
(c)フッ素を含有する化合物の融液
などがある。
フッ素を含有する液相は、溶液又は融液の状態でCaSi2へのフッ素の拡散が可能なものであればよい。このような液相としては、例えば、
(a)NH4F水溶液、HF水溶液などのフッ化物溶液、
(b)[BMlm]BF4、[EMIm]BF4、[BMIm]PF6などのイオン液体、
などがある。
溶媒は、フッ素ガス、又はフッ素を含有する化合物を溶解可能なものであればよい。このような溶媒としては、例えば、水などがある。
溶液中のフッ素ガス又は化合物の濃度は、特に限定されるものではなく、現実的な熱処理時間内に所定量のフッ素を拡散させることが可能な濃度であれば良い。
[2.2.2. 気相]
フッ素を含有する気相としては、例えば、
(a)フッ素ガス、
(b)フッ素を含有する化合物を気化又は分解させることにより得られるガス、
(c)(a)及び/又は(b)のガスと、適当なキャリアガスとの混合ガス
などがある。
フッ素を含有するガスを発生可能な化合物としては、例えば、SF6、HFなどがある。
気相中のフッ素の濃度は、特に限定されるものではなく、現実的な熱処理時間内に所定量のフッ素を拡散させることが可能な濃度であればよい。
[2.2.3. 熱処理条件]
熱処理は、原料を液相中に浸漬した状態、又は原料を気相に曝した状態で行う。熱処理条件は、所定量のフッ素を効率よく拡散させることが可能な条件であれば良い。
フッ素源の種類によっては、フッ素の拡散は、室温近傍においても生ずる。すなわち、本発明において「熱処理」というときは、室温近傍での保持も含まれる。
一般に、熱処理温度が高くなるほど、フッ素の拡散速度が速くなる。最適な温度は、フッ素源により異なる。例えば、NH4F等のフッ化物溶液の場合は、室温〜100℃が好ましい。
イオン液体の場合、熱処理温度が高くなりすぎると、イオン液体が分解するおそれがある。従って、熱処理温度は、100℃〜300℃が好ましく、さらに好ましくは、200℃〜300℃である。
熱処理時間は、熱処理温度に応じて最適な時間を選択する。一般に、熱処理時間が長くなるほど、フッ素の拡散量が増大する。
一方、CaSi2へのフッ素の拡散量には限界がある。そのため、フッ素濃度の上昇という点において、必要以上の熱処理には実益がない。しかしながら、過度の熱処理は、Ca−Si−F系化合物の構造の変化を引き起こす。
最適な熱処理時間は、Ca−Si−F系化合物の用途や熱処理温度にもよるが、通常、10〜30時間程度である。
[3. 半導体]
本発明に係るCa−Si−F系化合物は、半導体として用いることができる。
例えば、CaSi2層/CaSi2x化合物層からなる接合体は、ショットキー結合として機能する。そのため、Ca−Si−F系化合物は、ショットキーバリアダイオード、金属−半導体電界効果トランジスタなどに利用することができる。
[4. 電池]
本発明に係るCa−Si−F系化合物は、電池の正極又は負極に用いることができる。
CaSi2x系化合物は、空孔サイトが多数ある構造を有するため、リチウムイオンを置換可能なサイトが多い。そのため、Ca−Si−F系化合物は、高容量のリチウムイオン電池の電極として有効である。
[5. 作用]
CaSi2にフッ素を拡散させると、CaSi2の全部又は一部がCaSi2x(0<x≦1)で表される組成を有する新規な化合物(CaSi2x化合物)に変態する。
CaSi2x化合物は、半導体である。そのため、例えばCaSi2層の表層部分のみをCaSi2x化合物に変態させると、金属的性質を持つCaSi2層と、半導体的性質を持つCaSi2x化合物層からなるショットキー結合を形成することができる。
また、結晶質のCaSi2x化合物は、空孔サイトが多数ある構造を有し、かつ、リチウムイオンを置換可能なサイトが多い。そのため、Ca−Si−F系化合物は、高容量のリチウムイオン電池の電極として有効である。
[1. 実験1]
[1.1. 試料の作製]
板状のCaSi2結晶粒又はこれを粉砕した粉末をイオン液体[BMlm]BF4に浸し、温度範囲100〜300℃の各温度で10〜30h熱処理を行った。
[1.2. 評価]
[1.2.1. 280℃以下、10h熱処理]
図1に、板状のCaSi2結晶粒を280℃で10h熱処理したサンプルの外観写真を示す。熱処理後の結晶表面は、黒色に変化するものの、金属光沢を有している。
図2に、板状のCaSi2結晶粒を240〜280℃で10h熱処理したサンプルの表面をθ−2θ試料面に設定し測定したXRDパターンを示す。XRDパターンには、CaSi2には存在しなかった2.82Å(0.282nm)付近と3.2Å(0.32nm)付近の2箇所に、非常にブロードなピークが検出された。
260℃以上では、2.82Å付近のピークは徐々に弱くなった。一方、3.2Å付近のピークは強くなり、かつ、高温になるほど面間隔が狭くなる傾向が見られた。また、6−lay構造のCaSi2を原料としているにもかかわらず、より低温の熱処理によって6−lay構造から3−lay構造のCaSi2へ変態する傾向が確認された。
なお、結晶粒を2mm以下に粉砕し、熱処理した場合でも、板状CaSi2結晶粒の場合と同様に、2.82Å付近と3.2Å付近の2か所にブロードなピークが検出された。図3に、2mm以下に粉砕したCaSi2粉末を240℃で10h熱処理したサンプルの粉末XRDパターンを示す。
図4に、板状のCaSi2結晶粒を260℃で10h熱処理したサンプルの断面の反射電子像を示す。CaSi2の(001)面に沿って、表面から100μm以上フッ素が拡散しており、結晶内部になるに従ってフッ素濃度が減少していた。また、フッ素が拡散した領域は、[001]方向に膨張していた。表面から5μm以内の箇所の組成は、約CaSi20.83であった。
[1.2.2. 300℃、10〜30h熱処理]
図5に、板状のCaSi2結晶粒を300℃で10〜30h熱処理した後、粉砕したサンプルの粉末XRDパターンを示す。熱処理時間が長時間になるに従い、CaSi2由来のピークは弱くなり、3.14Å(0.314nm)の格子間隔のピーク強度が強くなった。この格子間隔3.14Åのブロードなピークは、低温熱処理で検出された3.2Åのピークが3.14Åまで変化したものであると推察される。
このピークがCaSi2x化合物由来か、あるいは、3.135Å(0.3135nm)の111(Si)若しくは3.154Å(0.3154nm)の111(CaF2)由来かは、XRDパターンのみでは判別できない。
なお、長時間熱処理するほど強度が強くなる24〜25°のピークは、CaSi2結晶粒表面に付着したイオン液体の分解物だと推察される。
板状のCaSi2結晶粒を300℃で15h熱処理したサンプルを樹脂埋めし、(001)面と垂直な面を鏡面研磨した。図6に、鏡面研磨面の反射電子像を示す。
図4の260℃−10h熱処理サンプルと同様に、フッ素が拡散したサンプルの周辺部分が[001]方向に膨張しており、内部のフッ素が拡散していない箇所も(001)面に沿って劈開していた。この熱処理条件のサンプルは、260℃熱処理と比較して、劈開性が非常に高くなっていた。また、Ca、Si、Fの組成比は、約CaSi21になっていることから、300℃で長時間熱処理を行っても組成比CaSi2Fで安定であり、これ以上F濃度は高くならないことが判明した。
300℃−20h熱処理サンプルを粉砕し、TEMで観察した。図7(a)に、サンプル中のある箇所(層状構造が観察される箇所)の[100]方位の電子線回折像(DP)及び暗視野像(DF)を示す。図7(b)に、図7(a)と同一のサンプルであるが、異なる箇所(凝集体が観察される箇所)で撮影された[100]方位の電子線回折像(DP)及び暗視野像(DF)を示す。
CaSi2のc軸方向に、それぞれ、c面間隔が3.3Å(0.33nm)(図7(a))、及び3.1Å(0.31nm)(図7(b))の反射が見られる。各暗視野像は、これら反射によるものである。
図7(a)及び図7(b)は、ともに300℃−20h熱処理サンプルであるが、反応の進行度合いにばらつきがあるため、組織に違いが見られる。図7(a)のDPは、c軸方向にストリークが見られ、DFでも層状構造(CaSi2とCaSi2xが数層ずつ交互に積層した構造)を確認できる。一方、図7(b)では、DPのストリークは消滅し、DFでも層状構造より約φ3nmの凝集体が目立ち始めている。
以上から、高温での長時間の熱処理により、徐々に層状構造から凝集体に変化することが確認された。
[1.2.3. CaSi2x化合物の構造]
図8に、260℃−10h熱処理したサンプルの同一エリアを回転させて撮影した各方位の電子線回折像(DP)を示す。変態度合によってc軸に垂直な面間隔が変化するため、一つの結晶粒でも面間隔のばらつきが大きいことがXRD結果から判明している。003若しくは006の面間隔が3.17〜3.2Å(0.317〜0.32nm)とばらつくのは、CaSi2xへの変態度合が一様でないサンプルに対して、φ300nmの制限視野絞りを入れた箇所が若干ずれているためだと推察される。
DPから推察される格子定数及び空間群は2通りある。
図8の[100]DPのスポットの指数付は、
(a)3.2Åが003となり、3.16Åが0−11となる場合と、
(b)3.2Åが006となり、3.16Åが0−12となる場合と
が想定される。
組成はCaSi2xであること、及び、バルクが[001]方向に膨張していたことから、Ca元素及びSi元素の密度は原料のCaSi2よりも低くなっていることが判明している。表1の(a)及び(b)に、この2点を考慮した場合にDPから予想されるCaSi2xの結晶構造の空間群、原子座標、占有率を示す。また、図9(a)及び図9(b)に、それぞれ、これらの構造モデルを示す。
Figure 0006187175
モデル(a)とモデル(b)の相違点は、
(1)モデル(b)の格子定数がモデル(a)の倍になっている点と、
(2)モデル(a)はCa、F、SiがA、B、C…とスタッキングしているのに対し、モデル(b)はA、C、B…とスタッキングしている点
である。
また、モデル(a)を[100]から60°回転させて[0−10]方位から見ると、モデル(b)のスタッキングと一致する。
さらに、モデル(a)、(b)ともにSiサイトとCaサイトは入れ替わることも可能である。入れ替わったモデルは、ユニットセルの取り方が変わっただけである。
さらに、表2及び図10に示すように、表1のSiとCaのサイトが入れ替わったモデルも成立する。そのため、表1及び表2のどちらの可能性も考えられる。
Figure 0006187175
これらのCaSi2xモデルでは、フッ素の原子座標zはCaとSiの中間の0.25(モデル(a))、又は、0.125(モデル(b))としている。Si−F間よりもCa−F間のイオン結合が強いことが予想されるため、Ca−F間が近くなるz位置である可能性も考えられる。
しかし、CaF2のCa−F間距離は2.365Å(0.2365nm)であるのに対し、これらCaSi2xモデルのCa−F間距離は2.352Å(0.2352nm)であり、妥当な値であると推察される。また、CaSi2xの高分解能像からは、Ca層とSi層の違いは全くみられないことからも、FとCaの中間位置付近にFのサイトは位置していると予想される。
図11に、出発原料である6−lay構造のCaSi2からCaSi2xへの予想される変態過程を示す。CaSi2xへの変態前に、まずCaSi2(6−lay)からCaSi2(3−lay)へ変態することがXRD結果から判明している。CaSi2(6−lay)の矢印で示したCaとSiが+(2/3、1/3、0)並進移動し、CaSi2(3−lay)へ変態している。また、c軸方向へ約1.04倍、層間が広がり、Si層とCa層の間隔が2.55Å(0.255nm)から2.65Å(0.265nm)へ変化する。
その後、Fが拡散し、格子定数cが15.9Å(1.59nm)から19.2Å(1.92nm)へ約1.2倍膨張しながら、Si六員環を形成していたSi−Si結合が切断され、Siが上下にそれぞれ±(0,0,0.053)並進移動する。さらに、分断されたSi層の間に、半分のCaが(−1/3、1/3、−1/6)並進移動して、R−3c若しくはR−3mなどのCaSi2xが形成されると予想される。
[1.2.4. 超格子構造]
CaSi2x構造は、格子定数a=3.83Å(0.383nm)、c=9.6Å(0.96nm)(R−3mなど)若しくはc=19.2Å(1.92nm)(R−3c)の構造(表1参照)であることが推定された。特に高温で熱処理を行ったCaSi2xをTEM観察した場合、図12(a)の[001]DP、及び図12(b)の[100]DPに矢印で示した超格子反射が観察された。
今回観察された超格子反射は100反射の倍周期であることから、超格子構造の格子定数aは、倍の7.66Å(0.766nm)であり、c面内において、ある原子が1:3にオーダリングしていることが予想される。
前述の表1のモデル(a)、(b)は、この超格子反射の1:3のオーダリングも考慮しており、占有率0.25のFが空孔と1:3にオーダリングするために超格子反射が出現したと推測される。
図12(c)に、[100]方位から観察した超格子構造の高分解能像を示す。中央部分の原子3層分のc面内の周期は、母相の倍の周期になっていることから、DPで観察された超格子構造の原子像であると推察される。
なお、[001]DPで観察される100反射は、本来は空間群R−3m若しくはR−3cでは出現しないが、原料のCaSi2(R−3m)でもc面に平行な積層欠陥が形成されると出現する。この原因は、積層欠陥が非常に薄いため、逆格子点近傍の散乱強度がc軸方向にストリーク状に延びて、エバルト球と交わるためである。
[1.2.5. 双晶及び積層欠陥]
図13に、観察された双晶のDP及び高分解能像を示す。図9に示したように、モデル(a)とモデル(b)は、スタッキングが異なっており、{001}面を双晶境界とする双晶関係にある。同様に、同じモデルを[100]方向から見た場合と[0−10]方向から見た場合ではスタッキングが異なっており、{001}面を双晶境界とする双晶関係にある。
また、図11に示したCaSi2(6−lay)→CaSi2(3−lay)→CaSi2x(R−3m又はR−3c)への変態は、CaSi2とCaSi2xが数層ずつ交互に積層した状態で進行するために、双晶が形成されやすいと推察される。
さらに、図14に示すように、双晶だけでなく多数の積層欠陥が形成されているエリアの方が多く確認された。
[1.2.6. 層状構造]
図15に、CaSi2とCaSi2xとが交互に積層している層状構造が形成されているエリアの[2−10]方位の高分解能像(図15(a))、及び電子回折像の一部(図15(b))を示す。
熱処理後のサンプルには、図15(a)のような層状構造が形成されているエリアも観察された。図2のXRDパターンからも確認されているように、形成初期のCaSi2xの面間隔は2.82Å(0.282nm)である。一方、図15(b)に示すこのエリアの電子回折像では、0012(CaSi2)の2.55Å(0.255nm)と、CaSi2xからの面間隔2.8Å(0.28nm)の回折点が観察された。
[2. 実験2]
2O:10gにNH4F:0.1gを溶解させ、NH4F水溶液を得た。このNH4F水溶液にCaSi2結晶粒:0.1gを入れ、室温、大気中で10h放置した。
NH4F水溶液中の結晶を取り出し、XRD及びTEM観察で構造を確認した。その結果、イオン液体処理と同様に、CaSi2x化合物が合成されていることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係るCa−Si−F系化合物は、半導体、電池の電極材料などに使用することができる。

Claims (9)

  1. CaSi2x(0<x≦1.1)で表される組成を有する化合物(CaSi2x化合物)を含むCa−Si−F系化合物。
  2. 前記CaSi2x化合物は、結晶質であり、
    前記CaSi2x化合物の結晶系は、三方晶に属する請求項1に記載のCa−Si−F系化合物。
  3. 前記CaSi2x化合物の格子定数aは、0.38nm≦a≦0.39nmであり、
    前記CaSi2x化合物の格子定数cは、
    (a)前記CaSi2x化合物が空間群R−3、R32、又はR−3mに属する場合には、0.80nm≦c≦1.02nmであり、
    (b)前記CaSi2x化合物が空間群R−3cに属する場合には、1.61nm≦c≦2.03nmである
    請求項2に記載のCa−Si−F系化合物。
  4. 前記CaSi2x化合物は、双晶を含む請求項2又は3に記載のCa−Si−F系化合物。
  5. 前記CaSi2x化合物は、超格子構造を備えているものを含む請求項2から4までのいずれか1項に記載のCa−Si−F系化合物。
  6. 0.8≦x≦1.1である請求項1から5までのいずれか1項に記載のCa−Si−F系化合物。
  7. 前記CaSi2x化合物からなる層と、CaSi2からなる層とが交互に積層している層状構造を備えた請求項1から6までのいずれか1項に記載のCa−Si−F系化合物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のCa−Si−F系化合物を用いた半導体。
  9. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のCa−Si−F系化合物を用いた電池。
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