JP6630795B1 - 非常梯子の載置台および鉄道車両 - Google Patents

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【課題】非常梯子の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる非常梯子の載置台および鉄道車両を提供すること。【解決手段】非常時に鉄道車両1から乗客や乗務員を線路上に降車させる非常梯子70が、車輪85aを備える載置台80に載置されて、第1通路53に配置される。これにより、非常時や点検時に作業者は、非常梯子70を第1通路53から持ち上げて移動させる必要がなくなる。その結果、非常梯子70の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる。【選択図】図6

Description

本発明は、非常梯子の載置台および鉄道車両に関し、特に、非常梯子の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる非常梯子の載置台および鉄道車両に関する。
従来より、鉄道車両がプラットホームのない場所で停止した場合に、乗客を車両から線路上に降車させるための非常梯子を車両の床下に収納する鉄道車両がある(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1のように非常梯子を車両の床下に収納するものでは、非常梯子を車両に設置する作業者(主に乗務員)が車外に降りる必要があり、安全に非常梯子を車両に設置することができなかった。
特に、走行用のレールとは別に並設した第3のレールから鉄道車両の電力を集電する(第三軌条方式の)鉄道車両では、車外に(線路上に)降りた場合に第3のレールに触れて感電する恐れがあり、危険である。また、第三軌条方式の鉄道車両では、床下に電力を集電するための集電靴(コレクターシュー)が配設されるため、床下に非常梯子の収納スペースを確保することが困難であった。
一方、非常梯子を乗務員室に設置する鉄道車両がある(特許文献2)。この鉄道車両によれば、非常梯子を車両に設置する場合に、車外に降りる必要がなくなるので、安全に非常梯子を車両に設置することができる。
特許文献2のように非常梯子を乗務員室に設置する場合には、妻面に形成される貫通扉までの通路上に非常梯子を立てた状態で配置すると共に、通路の隣りに配設される運転台または車掌台にバンド等で非常梯子を固定していた。
特開2014−202038号公報(例えば、段落0022,0032〜0034、図3,8など) 特開2018−70068号公報(例えば、段落0017など)
ここで、車両の点検時には、通路側から運転台および車掌台の内部を点検する。そのため、上述した運転台および車掌台の間の通路に非常梯子を配置するものでは、車両の点検の度に非常梯子を持ち上げて他の場所に移す必要がある。
しかしながら、非常梯子は重いため、持ち上げて移動させると作業者の負担が大きいという問題点があった。
また、非常梯子を鉄道車両の貫通扉や乗降口に設置して使用する際には、非常梯子を設置する場所まで持ち上げて移動させることとなり、簡易に非常梯子を設置することができないという問題点があった。特に、非常梯子は乗車した者であれば誰でも設置する可能性があるため、非力な人の力でも簡易に運んで設置できる構造が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非常梯子の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる非常梯子の載置台および鉄道車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の鉄道車両は、運転台および車掌台を有する乗務員室と、その乗務員室の妻面に形成される貫通扉と、前記運転台および車掌台の間に位置し、前記貫通扉までの通路とされる第1通路と、線路上に降車するための非常梯子とを備えるものであり、前記非常梯子が載置される載置台を備え、前記載置台は、前記非常梯子が収容される第1収容部材と、その第1収容部材の側面に配設される第2収容部材と、前記第1収容部材の外縁に前記載置台を移動させる作業者の持ち手となる取手と、回転可能な車輪を備え、前記取手が形成される側を前記貫通扉と反対側に位置させた状態で前記第1通路に配置され、前記車輪は、前記取手を挟んで前記第1収容部材の反対側に配設され、前記第1収容部材および第2収容部材の底部を前記乗務員室の床面に当接させた場合に、前記乗務員室の床面から離間した位置に配設され、前記第1収容部材および第2収容部材は、前記車輪が前記乗務員室の床面に当接されると、前記第1収容部材および第2収容部材の底部が前記乗務員室の床面から離間され、前記第2収容部材は、前記第1収容部材に対し前記車掌台側の側面に配設され、前記貫通扉側と反対側の外縁が前記第1収容部材の前記貫通扉側と反対側の外縁よりも前記貫通扉側と反対側に配置され、前記貫通扉側の外縁が前記第1収容部材の前記貫通扉側の外縁よりも前記貫通扉側と反対側に配置される。
請求項1記載の鉄道車両によれば、非常梯子が載置される載置台を備え、載置台は、回転可能な車輪を備え、第1通路に配置されるので、載置台の車輪を転動させて非常梯子を移動させることができ、非常梯子を持ち上げて移動させる必要がなくなる。その結果、非常梯子の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる。
また、載置台の車輪を転動させて非常梯子を移動させることができるので、非力な人でも非常梯子の運搬を簡易に行わせることができる。
また、載置台は、非常梯子が載置された部分の外縁に載置台を移動させる作業者の持ち手となる取手を備え、その取手が形成される側を貫通扉と反対側に位置させた状態で第1通路に配置されるので、取手を車両中央側に位置させた状態で載置台を第1通路に配置することができる。よって、載置台を移動させる作業者は、載置台の取手を把持して、第1通路から載置台を引き出すことで載置台を移動させることができ、第1通路から載置台を移動させる際に載置台の向きを変更する必要がなくなる。その結果、非常梯子の運搬を簡易に行わせることができる。
さらに、車輪は、第1収容部材および第2収容部材の底部を乗務員室の床面に当接させた場合に、乗務員室の床面から離間した位置に配設され、第1収容部材および第2収容部材は、車輪が乗務員室の床面に当接されると、第1収容部材および第2収容部材の底部が乗務員室の床面から離間するので、鉄道車両の運行時には第1収容部材および第2収容部材の底部を乗務員室の床面に当接させつつ、車輪を乗務員室の床面から離すことで、鉄道車両に対して載置台を移動しにくくすることができる。その結果、鉄道車両の振動や鉄道車両の急停止による慣性力等で、載置台が鉄道車両に対して移動することを抑制できる。
また、第2収容部材は、第1収容部材に対し車掌台側の側面に配設され、貫通扉側と反対側の外縁が第1収容部材の貫通扉側と反対側の外縁よりも貫通扉側と反対側に配置されるので、取手側(貫通扉側と反対側)に傾く力が載置台に作用して、第1収容部材の貫通扉側と反対側の端部を中心に載置台が回転しようとする場合に、その回転中心よりも貫通扉側と反対側で第2収容部材の底面を乗務員室の床面に当接させることができる。その結果、取手側(貫通扉側と反対側)に傾く力が載置台に作用した場合に、載置台が倒れることを抑制できる。
さらに、貫通扉側の外縁が第1収容部材の貫通扉側の外縁よりも貫通扉側と反対側に配置されるので、第2収容部材と貫通扉との間に空間を形成でき、その第2収容部材と貫通扉との間の空間を利用して、貫通扉を開閉するための駆動部を配設できる。これにより、貫通扉を開閉するための駆動部を配設する分、載置台全体を第1通路から退避させる必要がなくなる。その結果、載置台を貫通扉に近い位置に配置することができ、第1通路内に載置台を収めやすくできる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項記載の鉄道車両の奏する効果に加え、非常梯子は、載置台に対して起立した状態で載置され、その起立した上方側ほど取手側に傾倒されるので、非常梯子が載置台に当接する位置を取手が形成される側から遠ざけることができる。これにより、非常梯子の質量を載置台の取手から離れた位置に作用させることができる。
ここで、取手が形成される側の載置台の外縁には、その取手の質量が作用する。よって、非常梯子を載置していない状態での載置台の重心は、水平方向において取手が形成される側に近くなる。そのため、非常梯子を載置していない状態での載置台は、鉄道車両の振動や鉄道車両の急停止による慣性力等で、取手が形成される側に転倒しやすくなる。
これに対し、請求項記載の鉄道車両によれば、非常梯子の質量を載置台の取手から離れた位置に作用させることができるので、非常梯子が載置された状態での載置台の重心を取手側から離間させることができる。その結果、非常梯子が載置された状態での載置台が、鉄道車両の振動や鉄道車両の急停止による慣性力等で、取手が形成される側に載置台が転倒することを抑制できる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項記載の鉄道車両の奏する効果に加え、非常梯子が上方側に向かうほど取手側に傾斜した姿勢で載置されることにより非常梯子と載置台との間に形成される空間に、貫通扉の開閉を案内する案内部を塞ぐ塞ぎ板が載置されるので、塞ぎ板を載置する分、載置台の外形が大きくなることを抑制できる。その結果、載置台を移動させる際の載置台の移動が妨げられることや、載置台が運転士の運転の邪魔になることを抑制できる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、載置台には、非常梯子を貫通扉に設置する際に貫通扉の開閉を案内する案内部を塞ぐ塞ぎ板と、運転士以外の他の乗務員が着席する補助椅子と、乗務員が手の届かない高さの作業をする場合に乗る踏み台とのそれぞれが載置されるので、運転士が鉄道車両の運行中に使用しないものをまとめて載置台に載置することができる。これにより、貫通扉へ非常梯子を設置する場合や運転台または車掌台を点検する場合に、塞ぎ板、補助椅子、又は、踏み台を非常梯子と一緒に第1通路から移動させることができる。その結果、塞ぎ板、補助椅子、又は、踏み台が、貫通扉(車両)へ非常梯子を設置する場合や運転台または車掌台を点検する場合に邪魔になることを抑制できる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項記載の鉄道車両の奏する効果に加え、補助椅子および踏み台を載置台に固定する固定手段を備え、補助椅子および踏み台は、それぞれ別の固定手段で固定されるので、補助椅子または踏み台の一方(使用しない方)と非常梯子と塞ぎ板とを載置台から取り外すことなく、補助椅子または踏み台の他方(使用する方)を載置台から取り外すことができる。その結果、補助椅子および踏み台の載置台からの取り外しの手間を省くことができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項記載の鉄道車両の奏する効果に加え、踏み台は、載置台の外縁であって、取手よりも貫通扉と反対側の位置に載置されるので、踏み台を鉄道車両の中央側から取り外すことができる。これにより、第1通路に配置された載置台を移動させることなく、鉄道車両の中央側から踏み台を取り外すことができる。
なお、踏み台は、通常の運転業務において乗務員が手の届かない高さの作業をする場合に使用するため、鉄道車両の停止時に使用される非常梯子および塞ぎ板や、運転士以外の乗務員(例えば、運転士の運転を指導する指導者等)が特別に乗車した際に使用する補助椅子に比べて使用頻度が高い。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項又はに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、補助椅子は、車掌台側の載置台の外縁に載置されるので、補助椅子を載置台から取り外す場合に、第1通路から載置台を引き出して移動させた後に、車掌台側から補助椅子を取り外すことができる。その結果、運転士の運転の邪魔になることなく、簡単に補助椅子を載置台から取り外すことができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、塞ぎ板は、非常梯子に固定され、非常梯子に固定された状態で載置台に載置されるので、非常梯子と塞ぎ板とを同時に取り出させることができる。これにより、非常梯子を車両に設置する作業者に塞ぎ板が非常梯子と同時(非常梯子を車両に設置する際)に使用するものであることを理解させることができる。その結果、非常梯子および塞ぎ板の設置を簡易に行わせることができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、載置台の外縁には、壁部が立設されるので、鉄道車両の振動や鉄道車両の急停止による慣性力等で載置台に載置した非常梯子が載置台に対して位置ずれして、非常梯子が載置台から落下することを抑制できる。
特に、請求項記載の鉄道車両では、非常梯子が傾斜した状態で載置されるため、鉄道車両の振動や鉄道車両の急停止による慣性力等で、非常梯子の載置台に対する位置がずれやすくなるところ、請求項記載の鉄道車両によれば、非常梯子が載置台に対して位置ずれしても非常梯子が載置台から落下することを抑制できる。
請求項1記載の載置台によれば、非常梯子の移動を簡易に行わせることができる。また、非力な人でも非常梯子の運搬を簡易に行わせることができる。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態における鉄道車両の斜視正面図である。 (a)は、鉄道車両の車内を上面視した模式図であり、(b)は、図2(a)のIIb方向視における鉄道車両の車内の模式図である。 (a)は、載置台の上面図であり、(b)は、載置台の背面図である。 (a)は、図3(a)のIVa方向視における載置台の側面図であり、(b)は、図3(a)のIVb方向視における載置台の側面図である。 (a)は、載置台の上面図であり、(b)は、載置台の背面図である。 (a)は、図5(b)のVIa方向視における載置台の側面図であり、(b)は、図5(b)のVIb方向視における載置台の側面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態における鉄道車両1の斜視正面図である。図2(a)は、鉄道車両1の車内を上面視した模式図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb方向視における鉄道車両1の車内の模式図である。
なお、図1(a)及び図2(a)では、鉄道車両1の妻面(妻構体30)に配設される貫通扉32及び鉄道車両1の側面(側構体20)に配設される開閉扉22により、鉄道車両1の妻面に形成される貫通口31及び鉄道車両1の側面に形成される乗降口21が閉鎖された状態が図示され、図1(b)では、鉄道車両1の妻面に形成される貫通口31及び鉄道車両1の側面に形成される乗降口21が開放された状態が図示される。また、図2(a)では、貫通口31が開放されたあとの貫通扉32の外形、及び、作業者によって移動された後の載置台80の外形が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図2(a)に示す鉄道車両1に対して、紙面左側を鉄道車両1の前方(正面)側として、紙面右側を鉄道車両1の後方(背面)側として、紙面奥側を鉄道車両1の下側として、紙面手前側を鉄道車両1の上側として、紙面上側を鉄道車両1の右側として、紙面下側を鉄道車両1の左側としてそれぞれ説明する。
図1及び図2に示すように、鉄道車両1は、車体の土台となる台枠10と、車体の側面を構成する一対の側構体20と、車体の妻面を構成する一対の妻構体30と、車体の屋根面を構成する屋根構体40とを主に備えて構成され、それら台枠10、一対の側構体20、一対の妻構体30、及び、屋根構体40に囲まれた空間に乗務員室50及び客室60が形成される。なお、図1及び図2では、一対の妻構体30のうち、鉄道車両1の進行方向側の妻構体30のみが図示される。
妻構体30は、開口形成される貫通口31と、その貫通口31を塞ぐ貫通扉32とを備え、鉄道車両1の側面の側構体20は、開口形成される乗降口21と、その乗降口21を塞ぐ一対の開閉扉22とを備える。
貫通口31は、災害や事故などで鉄道車両1がプラットホームのない場所で停止した場合(以下「非常時」と称す)に、後述する非常梯子70(図5及び図6参照)を設置して、乗客および乗務員を車両前方から線路上に降車させるための開口である。
貫通扉32は、貫通口31に設けられる扉であり、貫通口31の周囲に配設されるリンク部材33(図2(a)参照)と、貫通口31の下方の縁部に設けられる溝状の案内溝34(図1(b)参照)とにより、鉄道車両1に対し左右方向に移動可能に配設される。なお、貫通扉32は、通常(鉄道車両が運行中)、貫通口31の周囲に設けられる掛金(図示しない)により貫通口31を閉鎖した状態で固定される。
乗降口21は、鉄道車両1がプラットホームに停車した際に、乗降口21に設けられた一対の開閉扉22が開放されることで、乗客が乗り降り可能とされる。なお、非常時には、上述した貫通口31と同様に、乗降口21にも後述する非常梯子70を設置して乗客および乗務員を線路上に降車させることが可能である。
乗務員室50は、乗務員が乗車する空間であり、鉄道車両1の前方側端部に形成される。客室60は、乗務員室50の後方に形成される。なお、鉄道車両1は、複数の車両を連結して構成され、その両端に乗務員室50が形成される。鉄道車両1は、それぞれの乗務員室50側を前方側として、その前方側に進行可能に構成される。本説明では、理解を容易とするため、一方側の乗務員室50側を前方側として説明する。
乗務員室50は、鉄道車両1の進行方向に対して乗務員室50の左側の空間に配設される運転台51と、その運転台51と所定の間隔を隔て乗務員室50の右側の空間に配設される車掌台52と、それら運転台51及び車掌台52の間に配置される非常梯子70及びその非常梯子70が載置される載置台80とを主に備える。
また、運転台51と車掌台52との間には、乗務員室50の妻面(妻構体30)に形成される貫通口31までの通路となる第1通路53(図2(a)参照)が形成され、その第1通路53に、非常梯子70及び載置台80が配設される。
非常梯子70は、上述したように、非常時に、貫通口31や乗降口21に設置して、乗客および乗務員を鉄道車両1から線路上に降車させるための梯子であり、後述する載置台80に載置された状態で第1通路53(乗務員室50)に配置される。
載置台80は、2台の非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が載置される台であり、それら2台の非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が載置された状態で、第1通路53に配置される。なお、図2(a)及び図2(b)では、載置台80に載置される2台の非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93の外形が2点鎖線で模式的に図示される。
次いで、図2から図4を参照して、載置台80について説明する。図3(a)は、載置台80の上面図であり、図3(b)は、載置台80の背面図である。図4(a)は、図3(a)のIVa方向視における載置台80の側面図であり、図4(b)は、図3(a)のIVb方向視における載置台80の側面図である。
なお、以下の説明では、理解を容易とするため、図3(a)における下側を載置台80の後方側として、図3(a)における上側を載置台80の前方側として、図3(a)における右側を載置台80の右方側として、図3(a)における左側を載置台80の左方側として、図3(a)における紙面手側を載置台80の上方側として、図3(a)における紙面奥側を載置台80の下方側として、それぞれ説明する。
図2から図4に示すように、載置台80は、上方側が開放された箱状の第1収容部材81と、その第1収容部材81の右側に並接され、上方側が開放された箱状の第2収容部材82と、第1収容部材81の底面に沿って配設される支持部材83と、第1収容部材81の外側縁部に配設され、上方に向かって突設される取手部材84と、その取手部材84が配設される側の第1収容部材81の外縁に配設される一対の車輪部材85と、それら支持部材83、取手部材84、及び、一対の車輪部材85を接続する接続部材86とを主に備えて形成される。
なお、載置台80が第1通路53に配置された状態では、第1収容部材81の右側に並接される第2収容部材82が車掌台52側と対向する位置(車掌台52側)に配置され、取手部材84が第1収容部材81に対して貫通口31(貫通扉32)と反対側に配置される(図2(a)及び図2(b)参照)。
第1収容部材81は、矩形状の第1底部81aと、その第1底部81aの外縁から上方に立設され、第1底部81aの周囲を取り囲う第1側壁部81bとを備え、全体がステンレス製の金属材料から形成される。
第1底部81aは、2台の非常梯子70と、塞ぎ板91とが載置される板状の部材であり、それら2台の非常梯子70及び塞ぎ板91を載置可能な大きさに設定される。また、第1底部81aは、開口形成される開口部81a1と、支持部材83が接続されるためのネジが挿通される挿通孔(図示しない)とを備える。
開口部81a1は、第1収容部材81の内部に貯まる水を外部に排出するための開口であり、第1底部81aの下面に接続される支持部材83と上下方向に重ならない位置に形成される。これにより、第1収容部材81の内部に水がたまり、第1収容部材81の内部に収容する(第1底部81aに載置する)非常梯子70及び塞ぎ板91が錆びることを抑制できる。
特に、非常梯子70は、後述するように支柱72や手すり73(図5及び図6参照)が伸縮可能に構成されているため、支柱72や手すり73に錆が発生すると非常梯子70の使用時に支柱72や手すり73を簡易に延長させることができなくなる恐れがあるところ、支柱72や手すり73に錆が発生することを抑制できるので、非常梯子70を簡易に鉄道車両1に設置することができる。
第2収容部材82は、第1収容部材81と同様に、矩形状の第2底部82aと、その第2底部82aの外縁から上方に立設され、第2底部82aの周囲を取り囲う第2側壁部82bとを備え、全体がステンレス製の金属材料から形成される。なお、第1収容部材81と第2収容部材82とは、第1底部81aと第2底部82aとが略同一の高さに設定され、第1側壁部81bに第2側壁部82bが溶接されて接合される。
第2底部82aは、折りたたみ式の補助椅子92が載置される板状の部材であり、補助椅子92を載置可能な大きさに設定される。また、第2底部82aは、開口形成される開口部82a1を備える。なお、開口部82a1の用途は、第1底部81aの開口部81a1と同様であるため、その詳しい説明は省略する。
また、第2底部82aは、第1収容部材81の第1底部81aに対して、前方側の外縁が第1底部81aよりも後方側に配置されると共に、後方側の外縁が第1底部81aよりも後方側に配置される。これにより、載置台80の前方右側の配置スペースを確保することができる。その結果、上述した貫通扉32の開閉動作を案内するリンク部材33(図2(a)参照)が補助椅子92と当接して載置台80の配置が全体的に後方側となり、運転台51と車掌台52との間(第1通路53)から載置台80が突出することを抑制できる。
支持部材83は、第1収容部材81及び第2収容部材82を支持し、後述する取手部材84が作業者により操作されて載置台80が移動される際に、第1収容部材81及び第2収容部材82を鉄道車両1の床面から持ち上げるための部材である。支持部材83は、第1収容部材81の第1底部81aの下面と対向する位置から第1底部81aの外縁よりも外側に一部が突出した状態では配設される。なお、支持部材83は、第1底部81aと対向する部分がネジにより第1底部81a(第1収容部材81)と固定され、第1底部81aの外縁から外方に突出した部分に後述する接続部材86が接続される。
取手部材84は、上下方向に延設される一対の延設部84aと、それら一対の延設部84aの上方側端部の間に介設される把持部84bと、把持部84bよりも下方位置で一対の延設部84a間に介設される介設部84cとを備える。
把持部84bは、載置台80を移動させる作業者が把持する部分であり、上下方向に延設される一対の延設部84aにより作業者が姿勢を崩さず(例えば、中腰姿勢)把持可能な高さに配設される。
また、取手部材84は、載置台80が第1通路53に配置された状態では、貫通口31の反対側に位置した状態とされる。即ち、載置台80は、取手部材84を鉄道車両1の車両中央側に向けた状態で第1通路53に配設される。よって、載置台80を移動させる作業者は、載置台80の把持部84bを把持して、第1通路53から載置台80を引き出すことで載置台80を移動させることができ、第1通路53から載置台80を移動させる際に載置台80の向きを変更する必要がなくなる。その結果、非常梯子70の運搬を簡易に行わせることができる。
接続部材86は、下方側が開放した門型に形成され、その門型に形成された両端が支持部材83に接続される一方、上方側の端部に取手部材84の延設部84aの下端が接続される。また、支持部材83及び取手部材84が連結される間に、車輪部材85の脚部85bが接続される。
車輪部材85は、車輪85aと、その車輪85aを回転可能な状態で支持し、車輪85aを接続部材86と連結させる脚部85bとを備える。この車輪85aにより、載置台80を移動させる場合には、車輪85aを転動させて移動させることができる。よって、図2(a)に示す様に、2台の非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が載置された状態の載置台80を簡易に移動させる(例えば、図2(a)に示す矢印A方向に移動させる)ことができる。
ここで、鉄道車両1の点検時には、第1通路53側から運転台51及び車掌台52の内部を点検する。そのため、運転台51及び車掌台52の間の第1通路53に単に非常梯子70を載置する(床に置く)ものでは、鉄道車両1の点検の度に非常梯子70を持ち上げて他の場所に移す必要がある。しかしながら、非常梯子70は重いため、持ち上げて移動させると作業者の負担が大きいという問題点があった。
また、非常時には、非常梯子70を設置する場所(特に、乗降口21に設置する場合)まで持ち上げて移動させることとなり、簡易に非常梯子70を設置することができないという問題点があった。特に、非常梯子70は乗車した者であれば誰でも設置する可能性があるため、非力な人の力でも簡易に運んで設置できる構造が求められていた。
これに対し、本実施形態では、非常梯子70が車輪85aを備える載置台80に載置されるので、運転台51及び車掌台52を点検する場合に作業者は、非常梯子70を第1通路53から持ち上げて移動させる必要がなくなる(車輪85aを転動させて移動させることができる)。その結果、非常梯子70の移動を簡易に行わせることができ、作業者の負担を軽減できる。
また、車輪85aを転動させて非常梯子70を移動させることができるので、非力な人でも非常梯子70の運搬を簡易に行わせることができる。その結果、非常梯子70の貫通口31や乗降口21への設置を簡易に行わせることができる。
なお、脚部85bは、第1収容部材81及び第2収容部材82の第1底部81a及び第2底部82a(支持部材83)が鉄道車両1の床面に当接した状態(図3,4に示す状態)において、車輪85aが鉄道車両1の床面から離れる位置に配設される。
これにより、鉄道車両1の運行時には、第1収容部材81及び第2収容部材82の第1底部81a及び第2底部82a(支持部材83)を鉄道車両1の床面に当接させつつ、車輪85aを鉄道車両1の床面から離すことで、鉄道車両1に対して載置台80を移動しにくくすることができる。その結果、鉄道車両1の振動や鉄道車両1の急停止による慣性力等で、載置台80が鉄道車両1に対して移動することを抑制できる。
一方、載置台80を運搬する場合には、載置台80を取手部材84が配設される背面側に傾倒(回転)させることで、車輪85aを鉄道車両1の床面に当接させつつ、第1収容部材81及び第2収容部材82の第1底部81a及び第2底部82a(支持部材83)を鉄道車両1の床面から離すことができる。これにより、車輪85aを転動させて載置台80を移動可能とできると共に、載置台80を運搬する際の抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、載置台80に載置される非常梯子70の運搬を簡易に行わせることができる。
次いで、図5及び図6を参照して、載置台80への非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93の載置方向について説明する。図5(a)は、載置台80の上面図であり、図5(b)は、載置台80の背面図である。図6(a)は、図5(b)のVIa方向視における載置台80の側面図であり、図6(b)は、図5(b)のVIb方向視における載置台80の側面図である。
なお、図5及び図6では、載置台80に非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が載置され固定された状態が図示される。また、図5及び6では、載置台80の第1収容部材81及び第2収容部材82の内部に配設される非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92の外形の一部が破線で図示される。
図5及び図6に示すように、載置台80の第1収容部材81には非常梯子70及び塞ぎ板91が載置され、載置台80の第2収容部材82には補助椅子92が載置され、載置台80の取手部材84及び接続部材86には踏み台93が載置される。
非常梯子70は、梯子の足場となる板状の複数のステップ71と、それら複数のステップ71の両端を支持する一対の支柱72と、それら一対の支柱72のそれぞれに回転可能に配設される一対の手すり73とを主に備えて形成される。
支柱72は、内径の異なる複数の中空状のパイプを組み合わせて形成されており、非常梯子70が不使用な状態(鉄道車両1が運行中)では大径側のパイプの内側に小径側のパイプを挿入することで、全長を短くした状態とできる一方、非常梯子70を使用する場合には小径側のパイプを大径側のパイプから引き出すことで、全長を長くすることができる。
手すり73は、乗客や乗務員が非常梯子70を使用して降車する場合に把持する部分であり、支柱72の軸方向に延設される第1のパイプと、その第1のパイプの両端を支柱72に連結する第2のパイプとを組み合わせて形成される。
なお、手すり73は、第1のパイプが支柱72と同様に大小の異なる内径のパイプを組み合わせて形成されており、上記した支柱72の全長の変化に伴って軸方向に伸縮可能に形成される。これにより、上下方向の外形を小さくした状態で非常梯子70を乗務員室50(図2(a)参照)に配置することができる。
また、手すり73は、支柱72に対して回転可能に配設されており、非常梯子70が不使用な状態(鉄道車両1が運行中)ではステップ71側に回転させておくことで、前後方向の外形を小さくした状態で非常梯子70を乗務員室50(図2(a)参照)に配置することができる。
塞ぎ板91は、非常梯子70を貫通口31(貫通扉32)に設置する際に貫通扉32の開閉を案内する案内溝34を塞ぐ板である。これにより、鉄道車両1の貫通口31から乗客および乗務員を線路上に降車させる際に、乗客および乗務員が案内溝34に躓いて怪我をすることを防止できる。
補助椅子92は、主に運転士以外の乗務員が乗車した(例えば、運転士の運転を指導する指導者が乗車した)場合に、その乗務員が着座する椅子であり、折り畳んだ状態で第2収容部材82に配設される。
ここで、補助椅子92は、主に、運転士以外の乗務員が使用するため、その乗務員が補助椅子92を取り外す際に、運転士の運転操作の邪魔にならないよう、車掌台52側から補助椅子92を取り出すこととなる。
しかしながら、補助椅子92が運転台51側に載置されると、第1通路53から載置台80を引き出したあとに、載置台80を回転させて補助椅子92を車掌台52側に位置させる必要があり、補助椅子92を取り外すための工程が多くなり手間である。
これに対し、補助椅子92を収容する第2収容部材82は、上述したように車掌台52側に配設されるので、第1通路53から載置台80を引き出して移動させた後に、車掌台52側から補助椅子92を取り外すことができる。その結果、運転士の運転の邪魔になることなく、簡単に補助椅子92を載置台80から取り外すことができる。
踏み台93は、乗務員が手の届かない高さの作業をする場合に足場を形成する脚立であり、折り畳んだ状態で、載置台80の取手部材84側に載置される。
このように、載置台80には、非常梯子70だけでなく、運転士が鉄道車両の運行中に使用しないもの(塞ぎ板91、補助椅子92、踏み台93)が載置される。よって、非常時や点検時に、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93を非常梯子70と一緒に第1通路53から移動させることができる。その結果、非常時や点検時に塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が邪魔になることを抑制できる。
また、踏み台93は、取手部材84を間に挟んで第1収容部材81(第1側壁部81b)と対向する位置に載置され、載置台80は、取手部材84側を貫通扉32と反対側に位置させた状態で第1通路53に配設される(図2(a)参照)ので、踏み台93を鉄道車両1の中央側から取り外すことができる。これにより、第1通路53に配置された載置台80を移動させることなく、鉄道車両1の中央側から踏み台93を取り外すことができる。
なお、踏み台93は、通常の運転業務において運転士が運転作業以外で手の届かない高さの作業をする場合に使用するため、非常時に使用する非常梯子70及び塞ぎ板91や、運転士以外の乗務員(例えば、運転士を指導する指導者)が特別に乗車した際に使用する補助椅子92に比べて使用頻度が高い。そのため、非常梯子70、塞ぎ板91、及び、補助椅子92に比べ踏み台93が載置台80から簡易に取り外し可能な位置に載置される方が、載置台80を第1通路53から移動させる頻度が少なくなり効率的である。
次いで、載置台80に載置される非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93の載置台80への固定方法について説明する。載置台80に載置された非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93は、帯状の第1バンド101、第2バンド102、第3バンド103に巻かれることにより載置台80に固定される。
第1バンド101は、載置台80の取手部材84、補助椅子92、及び、2台の非常梯子70の周囲を旋回して(取り囲んで)配設される。これにより、補助椅子92及び非常梯子70が載置台80に固定される。
第2バンド102は、2台の非常梯子70及び塞ぎ板91の周囲を旋回して配設される。これにより、塞ぎ板91が非常梯子70に固定される。なお、上記した第1バンド101により、非常梯子70は載置台80に固定されるので、非常梯子70に固定される塞ぎ板91も載置台80に対して固定される。
第3バンド103は、載置台80の取手部材84(介設部84c)及び接続部材86と、踏み台93の周囲を旋回して配設される。これにより、踏み台93を載置台80に固定することができる。
このように、補助椅子92及び踏み台93は、それぞれ別の第1バンド101及び第3バンド103により載置台80に固定される。従って、第1バンド101又は第3バンド103を取り外すのみで補助椅子92又は踏み台93を載置台80から取り出すことができる。
即ち、第1バンド101又は第3バンド103の片方を取り外すことで、補助椅子92及び踏み台93のうち使用しない一方を載置台80から取り外すことなく、補助椅子92及び踏み台93のうち使用する他方を載置台80から取り外すことができる。その結果、載置台80からの補助椅子92及び踏み台93の取り外しの手間を省くことができる。
また、塞ぎ板91は、第2バンド102で非常梯子70に固定され、非常梯子70に固定された状態で、第1底部81a(第1収容部材81)に載置される。従って、第2バンド102が取り付けられた状態では、非常時に第1収容部材81(載置台80)から非常梯子70と塞ぎ板91とを同時に取り出させることができる。これにより、非常梯子70を貫通口31(貫通扉32)に設置する作業者に塞ぎ板91が非常梯子70と同時に使用するものであることを理解させることができる。その結果、非常梯子70及び塞ぎ板91の設置を簡易に行わせることができる。
次いで、載置台80に載置される非常梯子70について説明する。図6に示すように、非常梯子70は、載置台80の第1収容部材81に対して、支柱72が起立した姿勢とされると共に、起立した上方側ほど取手部材84側(後方側)に傾倒した状態で配設される。これにより、非常梯子70の質量を取手部材84から離れた位置に作用させることができる。
ここで、載置台80の取手部材84側(後方側)には、取手部材84の質量および車輪部材85の質量が作用する。よって、非常梯子70を載置台80に載置していない状態では、その重心が水平方向において取手部材84側(後方側)に近くなり、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で、取手部材84側に傾倒(転倒)しやすくなる恐れがある。
なお、取手部材84側と反対側への載置台80の傾倒は、取手部材84と反対側に配設される貫通扉32(図2(a)参照)に規制される。そのため、載置台80が取手部材84側に傾倒することが、特に問題となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、載置台80に対して支柱72(非常梯子70)を取手部材84側(後方側)に傾斜した状態で載置することで、非常梯子70の質量を取手部材84側(後方側)から離れた前方側に作用させることができる。これにより、非常梯子70が載置された状態での載置台80の重心を取手部材84側から離間させることができる。その結果、非常梯子70が載置された状態での載置台80が、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で、取手部材84側に傾倒することを抑制できる。
また、非常梯子70と一緒に第1収容部材81に載置される塞ぎ板91は、非常梯子70が上方側に向かうほど取手部材74側に傾倒した姿勢で載置台80に載置されることにより、非常梯子70と第1収容部材81(載置台80)の第1底部81aとの間に形成される空間X(図6(a)参照)に載置される。
これにより、塞ぎ板91を第1収容部材81(載置台80)に載置する分の第1収容部材81(載置台80)の外形を大きくする必要がなくなる。その結果、非常時や点検時に載置台80を移動させる際に載置台80の移動が妨げられることや、載置台80が第1通路53から飛び出て載置台80が乗務員(例えば、運転士の移動)の邪魔になることを抑制できる。
さらに、非常梯子70の複数のステップ71は、一対の支柱72の並接方向に対して直交する一方側に一対の支柱72から突出した状態で配設される。そして、非常梯子70は、一対の支柱72から突出する側を載置台80の取手部材74側(後方側)と反対側(前方側)に向けた状態で載置される。
よって、非常梯子70の重心をステップ71の突出分、前方側に寄せることができる。従って、非常梯子70が載置された状態での載置台80の重心を取手部材84側から離間させることができる。その結果、非常梯子70が載置された状態での載置台80が、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で、取手部材84側に傾倒することを抑制できる。
また、上述したように、第2底部82aは、第1収容部材81の第1底部81aに対して、後方側の外縁が第1底部81aよりも後方側に配置される。これにより、第1収容部材81が、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で、取手部材84側に傾倒(回転)しようとする場合に、第2底部82aを鉄道車両1の床面に当接させて、第1収容部材81(載置台80)が傾倒することを抑制できる。
即ち、第1収容部材81に回転力が加わる場合に、その回転を第2収容部材82の第2底部82aにより支持させることができる。その結果、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で、取手部材84側に傾倒することを抑制できる。
また、第1収容部材81及び第2収容部材82には、上述したように第1側壁部81b及び第2側壁部82bを備えるので、鉄道車両1の振動や鉄道車両1の急停止による慣性力等で、第1収容部材81及び第2収容部材82の内部に載置される非常梯子70、塞ぎ板91、及び、補助椅子92が移動して、それら非常梯子70、塞ぎ板91、及び、補助椅子92が載置台80から落下することを抑制できる。
特に、非常梯子70は、上述したように、載置台80に対して起立した上方側が、取手部材84側に向かって傾斜して載置されるので、載置台80に対して非常梯子70が当接する面積が小さくなる傾向がある。そのため、鉄道車両1の振動や鉄道車両1の急停止による慣性力等で、非常梯子70の載置台80に対する位置がずれやすくなるところ、非常梯子70が載置台80に対して位置ずれしても、非常梯子70が第1収容部材81(載置台80)から落下することを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、車輪部材85(車輪85a)が一対(2個)配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、車輪部材85(車輪85a)の数は、2個以上でも、1個でも良い。
上記実施形態では、載置台80を傾倒(回転)させた場合に車輪85aが鉄道車両1の床面に当接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、載置台80の非移動時に車輪85aが鉄道車両1の床面に当接しないものであれば良い。
例えば、第1収容部材81に対し車輪85aを上下に移動可能に配設して、載置台80を移動させる場合にのみ車輪85aを鉄道車両1の床面に当接させるものであっても良い。
上記実施形態では、非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が第1バンド101から第3バンド103の3本のバンドで載置台80に固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、別途、載置台80の取手部材84及び補助椅子92の周囲を旋回して配設される第4バンド(図示しない)を備え、第1バンド101を、補助椅子92を旋回しないよう、載置台80の取手部材84及び2台の非常梯子70の周囲を旋回して配設しても良い。
この場合には、第4バンドを取り外して、補助椅子92を載置台80から取り出した際に、非常梯子70及び塞ぎ板91を第1バンド101及び第2バンド102により載置台80に固定した状態に維持することができる。その結果、載置台80からの補助椅子92及び踏み台93の取り外しの手間を省き易くできる。
上記実施形態では、第1通路53に載置台80が配置された状態で鉄道車両1が運行される場合について説明したが、図2(a)に示すように、第1通路53に配置した載置台80の非常梯子70と、車掌台52に配設されるディスプレイ52aのブラケットとを、帯状のバンド104で固定してもよい。
これによれば、非常梯子70と車掌台52とを固定することができるので、非常梯子70が載置された状態での載置台80が、鉄道車両1の振動や載置台80が載置された乗務員室50(図2(a)参照)とは反対側の乗務員室50を鉄道車両1の前方側として運行する場合の鉄道車両1の急停止による慣性力等で傾倒することを抑制できる。
なお、バンド104は、載置台80に載置される2台の非常梯子70のうち載置台80の前方側に載置される非常梯子70に固定される。これにより、載置台80が取手部材84側に傾倒することを抑制しやすくできる。
上記実施形態では、踏み台93が載置台80の取手部材84及び接続部材86に第3バンド103で固定されて、載置台80に載置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、上方が開放した箱状の第3収容部材を載置台80の取手部材84に配設して、その第3収容部材に踏み台93を収容するようにしても良い。この場合、踏み台93を第3収容部材の上方から取り出すのみで載置台80から取り出すことができるので、踏み台93の取り出しを簡易に行わせることができる。
上記実施形態では、非常梯子70、塞ぎ板91、補助椅子92、及び、踏み台93が帯状のバンドで固定される場合について説明したが、固定するもの(固定手段)は帯状に限らず、例えば紐であっても良い。
上記実施形態では、載置台80の第2収容部材82の後方側端部が第1収容部材81の後方側端部よりも後方側に位置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2収容部材82の後方側端部を第1収容部材81の後方側端部よりも前方側または後方側端部と同一の位置に配設するものであっても良い。
上記実施形態では、載置台80が鉄道車両1に配置された状態において、補助椅子92が車掌台52側に載置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、貫通口31(貫通扉32)側、運転台51側、又は、取手部材84側に補助椅子92が載置されるものであっても良い。
上記実施形態では、支持部材83が第1底部81aの底面に沿って配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、支持部材83を第1収容部材81の第1側壁部81bに沿って配設して、支持部材83と第1側壁部81bとを締結固定するようにしても良い。なお、この場合には、載置台80を鉄道車両1に配置した場合(通常の運行中)に、第1底部81a及び第2底部82aを鉄道車両1の床面に当接させた状態にすることができる。
1 鉄道車両
32 貫通扉
34 案内溝(案内部)
50 乗務員室
51 運転台
52 車掌台
53 第1通路
70 非常梯子
80 載置台
81 第1収容部材
81a 第1底部(載置台の底部)
82 第2収容部材
82a 第2底部(載置台の底部)
83 支持部材(載置台の底部)
84 取手部材(取手)
84b 把持部(取手)
85a 車輪
91 塞ぎ板
92 補助椅子
93 踏み台
101 第1バンド(固定手段)
102 第2バンド(固定手段)
103 第3バンド(固定手段)

Claims (10)

  1. 運転台および車掌台を有する乗務員室と、その乗務員室の妻面に形成される貫通扉と、前記運転台および車掌台の間に位置し、前記貫通扉までの通路とされる第1通路と、線路上に降車するための非常梯子とを備えた鉄道車両において、
    前記非常梯子が載置される載置台を備え、
    前記載置台は、前記非常梯子が収容される第1収容部材と、その第1収容部材の側面に配設される第2収容部材と、前記第1収容部材の外縁に配設され前記載置台を移動させる作業者の持ち手となる取手と、回転可能な車輪を備え、前記取手が形成される側を前記貫通扉と反対側に位置させた状態で前記第1通路に配置され
    前記車輪は、前記取手を挟んで前記第1収容部材の反対側に配設され、前記第1収容部材および第2収容部材の底部を前記乗務員室の床面に当接させた場合に、前記乗務員室の床面から離間した位置に配設され、
    前記第1収容部材および第2収容部材は、前記車輪が前記乗務員室の床面に当接されると、前記第1収容部材および第2収容部材の底部が前記乗務員室の床面から離間され、
    前記第2収容部材は、前記第1収容部材に対し前記車掌台側の側面に配設され、前記貫通扉側と反対側の外縁が前記第1収容部材の前記貫通扉側と反対側の外縁よりも前記貫通扉側と反対側に配置され、前記貫通扉側の外縁が前記第1収容部材の前記貫通扉側の外縁よりも前記貫通扉側と反対側に配置されることを特徴とする鉄道車両。
  2. 前記非常梯子は、前記載置台に対して起立した状態で載置され、その起立した上方側ほど前記取手側に傾倒されることを特徴とする請求項記載の鉄道車両。
  3. 前記非常梯子が上方側に向かうほど前記取手側に傾倒した姿勢で載置されることにより前記非常梯子と前記載置台との間に形成される空間に、前記貫通扉の開閉を案内するレールを塞ぐ塞ぎ板が載置されることを特徴とする請求項記載の鉄道車両。
  4. 前記載置台には、前記非常梯子を前記貫通扉に設置する際に前記貫通扉の開閉を案内するレールを塞ぐ塞ぎ板と、乗務員が着席する補助椅子と、乗務員が手の届かない高さの作業をする場合に乗る踏み台とのそれぞれが載置されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両。
  5. 前記補助椅子および踏み台を前記載置台に固定する固定手段を備え、
    前記補助椅子および踏み台は、それぞれ別の固定手段で固定されることを特徴とする請求項記載の鉄道車両。
  6. 記踏み台は、前記載置台の外縁であって、前記取手よりも前記貫通扉と反対側の位置に載置されることを特徴とする請求項記載の鉄道車両。
  7. 前記補助椅子は、前記車掌台側の前記載置台の外縁に載置されることを特徴とする請求項又はに記載の鉄道車両。
  8. 前記塞ぎ板は、前記非常梯子に固定され、その固定された状態で前記載置台に載置されることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の鉄道車両。
  9. 前記載置台の外縁には、壁部が立設されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両に使用されるものであることを特徴とする載置台。
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