JP6626391B2 - 機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置 - Google Patents

機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置 Download PDF

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Description

本発明は、機械式駐車装置の制御方法及びこの制御方法により制御される機械式駐車装置に関する。
機械式駐車装置では、通常、駐車装置の入出庫口に入出庫扉が設けられている。そして、入出庫扉を開いた状態で、入出庫口を介して車両の入出庫が行われ、入出庫が完了した後、入出庫扉が閉じられる。
入出庫口の外部には操作盤が設置されており、管理人や利用者自身が入出庫のための各操作をこの操作盤によって行うことができる。例えば、利用者が車両を入出庫する際には、操作盤を操作することにより、パレットを乗降部に呼び出して入出庫扉が開かれる。そして、入庫する際には乗降部のパレット上に車両を停車させ、出庫する際には、パレット上の車両を乗降部から外へ出して停車させる。その後、乗降部内の安全を確認し、操作盤を操作して入出庫扉を閉める。
しかし、利用者の不注意等により乗降部内の安全確認が十分になされなかった場合、入出庫扉の閉扉操作が行われて乗降部内に人が閉じ込められるおそれがある。また、入出庫扉が開放した状態の場合、次の利用者が、先の利用者が入出庫扉を閉じずに立ち去ったと思い込み、乗降部内を確認せずに入出庫扉を閉じると、先の利用者が閉じ込められるおそれがある。
このように乗降部内に人が閉じ込められるのを防ぐために、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1,2等を参照)。
例えば、特許文献1では、入出庫扉を開放する前に第1の認証処理を行って入出庫扉を開放し、その後、車両を入出庫し、入出庫扉を閉じる前に第2の認証処理を行うようにしている。そして、第1の認証処理の認証情報と第2の認証処理の認証情報とが照合処理で一致した後に、操作盤で閉扉操作がなされて入出庫扉が閉じられる。
2014−139401号公報 2015−151679号公報
上記特許文献1の場合、第1の認証処理の認証情報と第2の認証処理の認証情報とが一致すれば閉扉操作ができるので、例えば、認証情報としての暗証番号を家族で共有している場合など、第1の認証操作を行った者とは異なる第三者(同乗する家族)が、家族全員が退出したとする思い込みによって、第2の認証操作を行い、さらに閉扉操作を実行するおそれがあり、乗降部内の人の居残りを防止することが難しい場合がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、入出庫操作を行う利用者を一人に限定し、入出庫操作が完了するまでは第三者による操作を防止して安全性を高めることができる機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、乗降部において車両の入出庫が行われる機械式駐車装置の制御方法であって、車体搬送手段を前記乗降部へ呼び出す搬送呼出処理と、前記乗降部の入出庫扉を開く前に、ランダムに生成される操作者識別情報を利用者へ通知する操作者識別情報通知処理と、前記車体搬送手段が前記乗降部に到着した後に、前記入出庫扉を開く開扉処理と、前記入出庫扉を閉じる前に、前記乗降部の外部に存在する利用者から入力される操作者識別情報を取得する操作者識別情報取得処理と、前記操作者識別情報通知処理により通知した操作者識別情報と前記操作者識別情報取得処理により取得された操作者識別情報とが一致しているか否かを判定する判定処理と、前記判定処理における判定結果が一致した後に、前記入出庫扉を閉じる閉扉処理と、を有する。
この制御方法によれば、操作者識別情報通知処理が行われた後、開扉処理が行われ、入出庫の完了後に、乗降部の外部における利用者の操作者識別情報入力操作によって操作者識別情報が入力され、この入力される操作者識別情報が、通知済みの操作者識別情報と一致しなければ、閉扉処理は行われない。操作者識別情報は、入出庫する際に、それが通知された利用者のみが知りうるので、当該利用者が例えば乗降部の外部の操作盤を操作して操作者識別情報入力操作を行わないと入出庫扉を閉じることができない。よって、入出庫操作を行う利用者を一人に限定し、入出庫操作が完了するまでは第三者による操作を防止して、乗降部内での人の居残りを防ぎ、安全性を高めることができる。なお、本書における「判定結果が一致した」とは、判定処理による判定結果が「一致」であることをいう。
また、前記操作者識別情報通知処理により通知される操作者識別情報は、数字及び/または文字からなる情報であってもよい。
また、前記操作者識別情報通知処理により通知される操作者識別情報は、表示画面に表示されるパターンの情報であってもよい。
また、前記閉扉処理は、前記判定処理における判定結果が一致した場合に、該一致に応答して前記入出庫扉を閉じるようにしてもよい。
また、前記閉扉処理は、前記判定処理における判定結果が一致し、かつ利用者による閉扉操作が行われた場合に、前記入出庫扉を閉じるようにしてもよい。
また、前記開扉処理は、前記車体搬送手段が前記乗降部に到着し、かつ、前記操作者識別情報通知処理に対して利用者による通知確認操作が行われた場合に、前記入出庫扉を開くようにしてもよい。
また、前記開扉処理を行った後、所定時間経過しても前記閉扉処理がなされないときに、前記操作者識別情報通知処理によって通知した操作者識別情報を外部の管理センタの端末へ送信する送信処理を有するようにしてもよい。例えば、先の利用者が車両を入出庫した後、入出庫扉を閉め忘れて立ち去った場合に、次の利用者は、管理センタへ電話して、先の利用者に通知した操作者識別情報を聞いて、その操作者識別情報を入力して入出庫扉を閉めることができ、先の利用者の入出庫操作を完了させることができる。
また、前記搬送呼出処理を行う前に行われ、利用者が予め登録された正規の利用者であることを確認する認証処理を有するようにしてもよい。このように認証処理が行われることによって、正規の利用者以外の者に利用されることがなく、セキュリティー上、好ましい。
また、前記認証処理と前記搬送呼出処理との間に行われ、利用者の車両が入庫済みであるか否かを示す情報に基づいて利用者が入庫のために来たのか出庫のために来たのかを判別する入出庫判別処理を有するとともに、前記入出庫判別処理によって利用者が入庫のために来たと判別した場合には、前記開扉処理を行った後で、入庫する前記車両が前記乗降部に乗り入れられ、かつ、その後に人が前記乗降部から退出したことを検出することにより入庫完了判定を行う入庫完了判定処理を有し、前記開扉処理を行った後、前記入庫完了判定処理による入庫完了判定が行われるまでは、前記操作者識別情報取得処理を行わないようにしてもよい。これにより、利用目的に応じた適切な対応を行うことができる。
また、前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記操作者識別情報通知処理と前記操作者識別情報取得処理と前記判定処理とを省略するとともに、前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記開扉処理を行った後で、出庫する前記車両が前記乗降部から退出したことを検出することにより出庫完了判定を行う出庫完了判定処理を有し、前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記車体搬送手段が前記乗降部に到着したことを条件に前記開扉処理を行い、前記開扉処理の後に前記出庫完了判定処理が行われ、かつその後に前記乗降部の外部に設けられた操作盤に対して利用者による閉扉操作が行われることによって前記閉扉処理を行うようにしてもよい。これにより、出庫の際には、制御の簡略化及び利用者の操作の簡略化を図ることができる。
また、本発明のある形態に係る機械式駐車装置は、上記の機械式駐車装置の制御方法によって制御されることを特徴とする。この構成によれば、上記の機械式駐車装置の制御方法による効果と同様の効果が得られる。
本発明は、以上に説明した構成を有し、入出庫操作を行う利用者を一人に限定し、入出庫操作が完了するまでは第三者による操作を防止して安全性を高めることができる機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態の機械式駐車装置の乗降部を示す平面図である。 図2は、図1に示す機械式駐車装置の概略ブロック図である。 図3は、図1に示す機械式駐車装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、図1に示す機械式駐車装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
本実施形態では、機械式駐車装置として、パレット式の駐車装置を例に説明する。図1は、本実施形態の機械式駐車装置の乗降部を示す平面図である。以下では、便宜上、図1に示すように、機械式駐車装置1の前後左右を決めて説明する。また、図1では、車両Vを簡略化して矩形状枠として示す。また、図2は、図1に示す機械式駐車装置1の概略ブロック図である。
この機械式駐車装置1は、駐車塔2内に複数のパレット(車体搬送手段)6が収容されている。駐車塔2には、車両Vが入出庫される場所となる乗降部3が設けられ、この乗降部3の正面側には車両Vを入出庫するための入出庫口4が設けられ、この入出庫口4には入出庫扉5が備えられている。この入出庫口4の外側の側方(図では右方)には、機械式駐車装置1の運転操作等を行う操作盤7が設けられている。
また、この機械式駐車装置1には、物体を検知する複数のセンサ11〜16が設けられている。車両Vを入出庫させる車両配置部であるパレット6の左側方に左部センサ11が設けられ、右側方に右部センサ12が設けられている。また、パレット6の前方には、乗降部3の左右方向全長で物体を検知する前部センサ13が設けられ、パレット6の前後方向の中間部分には、車両Vの有無を検知するための車両検知センサ16が設けられている。さらに、パレット6と入出庫扉5との間には、乗降部3の左右方向全長で物体を検知する後部センサ14が設けられ、入出庫口4の部分には、入出庫扉5の外側で物体を検知する扉外センサ15が設けられている。なお、模式的に一点鎖線とその両端の黒丸とで示された各センサ11〜16は、例えば、両端の黒丸部分に投光器と受光器とが対向配置された光センサで構成され、一点鎖線は物体が検知される光の通路を示している。
また、図2に示すように、機械式駐車装置1には、例えば、エレベータ式の駐車装置の場合、複数のパレット6の各々を格納する複数の格納部(図示せず)が備えられており、格納部と乗降部3との間でパレット6を搬送するパレット搬送手段8と、入出庫扉5を開閉する入出庫扉開閉手段9とを有している。なお、機械式駐車装置1は、エレベータ式に限らず、垂直循環式、水平多層式、箱型循環式、平面往復式等の駐車装置であってもよい。また、パレットを使用せず、パレット搬送手段に代えて車体搬送手段に直接車両を積載して格納部と乗降部の間で搬送する駐車装置であってもよい。
操作盤7には、制御装置71と、画面に文字及び画像等を表示する表示装置72と、スピーカ73と、契約者識別情報入力手段74と、操作者識別情報入力手段75と、通信手段76とが備えられている。
制御装置71は、表示装置72及びスピーカ73を制御して操作手順を案内する情報等を出力する。また、制御装置71は、契約者識別情報入力手段74から契約者識別情報が入力されるとともに、操作者識別情報入力手段75から操作者識別情報が入力される。また、制御装置71は、通信手段76を用いて、機械式駐車装置1等を管理している管理センタの所定端末等へ情報を送信する。通信手段76は、例えば、インターネット等を介して管理センタの所定端末等へ情報を送信することができるよう構成されている。
また、制御装置71は、パレット搬送手段8及び入出庫扉開閉手段9を制御し、各センサ11〜16からの出力信号が入力される。なお、後述するように、操作盤7に、入出庫扉5を閉じるために操作する閉扉ボタン、パレット6を呼び出すために操作するスタートボタン等の操作部が設けられている場合があるが、この場合、利用者等によって各操作部に対して操作(例えば、閉扉ボタンを押す操作、スタートボタンを押す操作)が行われることにより各操作部からの指示信号が制御装置71に入力される。
制御装置71は、CPU等の演算処理部と、ROMおよびRAM等を含みCPUが実行する制御プログラム及び種々のデータ等を記憶する記憶部とを有しており、CPUが制御プログラムを実行することにより機械式駐車装置1全体を制御する。なお、制御装置71は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。例えば、パレット搬送手段8を制御する制御装置と、入出庫扉開閉手段9を制御する制御装置とが、制御装置71から別個に分離されていてもよいし、さらに操作盤7の外部に設けられていてもよい。
前述の契約者識別情報は、機械式駐車装置1を利用する際に、利用者が契約者であることを認証するための情報であり、例えば、機械式駐車装置1の個々の契約者ごとに予め定められている契約者専用の暗証番号である。この場合、例えば、契約者識別情報入力手段74は、例えばテンキーあるいはタッチパネル等の番号入力部によって構成され、利用者による番号入力部の操作によって契約者専用の暗証番号が入力される。
制御装置71では、全ての契約者の各々に付与されている契約者識別情報を登録した契約者テーブルを予め記憶しており、契約者認証手段71aとして機能する。この契約者認証手段71aでは、契約者テーブルに登録されている全ての契約者識別情報の中に、契約者識別情報入力手段74から入力される契約者識別情報と一致するものがあれば、利用者が契約者であると判定し、一致するものが無ければ契約者ではないと判定する。なお、制御装置71には、管理責任者が利用者に機械式駐車装置1の取扱いに関して教育を行い、管理責任者から操作権限を与えられた利用者が、契約者として登録(契約者識別情報等が記憶)されている。
また、操作者識別情報は、契約者識別情報とは異なる情報であり、例えば、パスワード(数字のみ、英字等の文字のみ、または数字と文字とが混在する情報)である。この場合、操作者識別情報入力手段75は、例えばテンキーあるいはタッチパネル等のパスワード入力部によって構成され、契約者専用の暗証番号を入力する契約者識別情報入力手段74を兼ねるようにしてもよい。
制御装置71は、車両が入庫または出庫される際に、操作者識別情報をランダムに生成して、入出庫扉5を開く前に、利用者に通知するとともに記憶している。操作者識別情報がパスワードの場合には、制御装置71は、例えば、表示装置72とスピーカ73との少なくとも一方からパスワードを出力させて、利用者に通知する。また、制御装置71は、パスワードを利用者の携帯電話へメール送信するようにしてもよい。この場合、例えば、前述の契約者テーブルに、個々の契約者識別情報とともに携帯電話のメールアドレスが対応付けられて予め登録されている。
そして、制御装置71は、操作者認証手段71bとして機能する。この操作者認証手段71bでは、入出庫扉5を開いた後、車両の入出庫が完了し、入出庫扉5を閉じる前に、利用者の操作によって操作者識別情報入力手段75から入力される操作者識別情報が、先に通知した操作者識別情報と一致しているか否かを判定し、一致していれば操作者が同一であると判定し、一致していなければ操作者は同一でないと判定する。
次に、機械式駐車装置1の利用方法の一例について説明する。図3及び図4は、機械式駐車装置1の制御方法の一例を示すフローチャートである。この制御方法は、制御装置71により実行され、車両の入庫時と出庫時とで概ね同一であるが、出庫時は、これに限らない。
ここでは、契約者識別情報は個々の契約者専用の暗証番号であり、操作者識別情報がパスワードである場合を例に説明する。
利用者は、車両を入出庫(入庫または出庫)する際、操作盤7に向かい、まず、契約者認証操作を行う。契約者認証操作は、ここでは、利用者がテンキー等の契約者識別情報入力手段74を用いて契約者専用の暗証番号を入力する操作である。
そして、制御装置71では、まず、ステップS1で、利用者による契約者認証操作が実行されたか否かを判定し、契約者認証操作が実行されると、次のステップS2に移行して、契約者認証操作を行った利用者が契約者であるか否かを判定する(認証処理)。ここで、利用者による契約者認証操作が実行されることにより、契約者識別情報(契約者専用の暗証番号)が制御装置71に入力される。
ステップS2では、制御装置71が前述の契約者認証手段71aとして機能し、契約者テーブルに登録されている全ての契約者識別情報の中に、契約者認証操作により入力される契約者識別情報と一致するものが存在するか否かを判定し、一致するものがあれば、契約者である(Yes)と判定し、一致するものが無ければ契約者ではない(Nо)と判定する。
このステップS2の判定結果がNоの場合には、ステップS3に移行してエラー表示処理を行い、表示装置72とスピーカ73によりエラー表示がなされる。
ステップS2の判定結果がYesの場合には、ステップS4に移行し、入出庫情報テーブルに基づいて入庫か出庫かを判別する入出庫判別処理を行う。ここで、入出庫情報テーブルには、個々の契約者の車両が入庫済みであるか否かを示す情報を含んでいる。例えば、予め定められている契約者番号と、契約者識別情報と、当該契約者の車両が載置されているパレット6の番号とが対応付けて記憶された情報からなり、例えば、車両が入庫されていない場合には、パレット6の番号は記憶されていない(あるいは空であることを示す情報を記憶していてもよい)。なお、契約者番号と契約者識別情報とは対応づけられて予め入出庫情報テーブルに記憶されており、入出庫情報テーブルを前述の契約者テーブルに兼用するようにしてもよい。また、制御装置71は、入出庫情報テーブルを記憶しており、車両が入庫及び出庫されるたびに入出庫情報テーブルを更新している。
よって、制御装置71は、入出庫情報テーブルに基づいて、利用者が入庫するためにきたのか出庫するためにきたのかを判別することができ、ステップS4では、利用者の車両が入庫されていなければ「入庫(利用者が入庫のために来た)」と判別し、車両が入庫済みであれば「出庫(利用者が出庫のために来た)」と判別する。
次に、ステップS5に移行してパレット6を呼び出す搬送呼出処理を実行し、入庫時には空のパレット6が、出庫時には当該車両が積載されたパレット6が、それぞれパレット搬送手段8によって乗降部3への搬送が開始される。
次に、ステップS6では、前述したようにパスワードを生成して利用者に通知する(操作者識別情報通知処理)。ここで、パスワードを表示装置72に画面表示させる場合には、例えば、所定時間(10秒程度)表示した後、表示を終了させるようにする。
次に、ステップS7では、パレット6が乗降部3に到着していることを条件として、開扉処理を実行し、入出庫扉開閉手段9により入出庫扉5が開扉される。
ここまでに、利用者は、操作盤7で契約者認証操作(契約者専用の暗証番号の入力操作)を行い、パスワードの通知を受けている。そして、入出庫扉5が開扉されると、この後、利用者は、入庫の際には車両Vをパレット6上の規定位置に停車させ、出庫の際にはパレット6に積載された車両Vを入出庫口4の外に出庫させる。
そして、制御装置71は、ステップS6の開扉処理を実行直後に、タイマー(「以下、開扉タイマー」という)を作動させる(ステップS8)。
次に、制御装置71は、ステップS9で、センサ11〜16の出力信号に基づいて車両の入出庫が完了したか否かを判定する。例えば、入庫の際には、車両検知センサ16が検知状態であり、かつ、センサ11〜14が非検知状態であるときに、降車した運転手(利用者)が入出庫口4を通過することにより扉外センサ15が検知状態から非検知状態になった場合に、入庫が完了したと判定してもよい。また、出庫の際には、車両検知センサ16及びセンサ11〜14が非検知状態であるときに、車両が入出庫口4を通過することにより扉外センサ15が検知状態から非検知状態になった場合に、出庫が完了したと判定してもよい。
すなわち、制御装置71は、ステップS4の入出庫判別処理で「入庫」と判別した場合には、ステップS9では入庫が完了したかの否かの判定を行い(入庫完了判定処理)、ステップS4の入出庫判別処理で「出庫」と判別した場合には、ステップS9では出庫が完了したかの否かの判定を行う(出庫完了判定処理)。
そして、入出庫(入庫または出庫)が完了したと判定すれば、ステップS10へ移行して安全確認報知処理を実行し、表示装置72とスピーカ73によって利用者に駐車塔2(乗降部3)内の安全確認を行うよう報知がなされる。
利用者は安全確認を行った後、操作盤7に向かい、パスワード入力操作を行う。このパスワード入力操作は、利用者が操作者識別情報入力手段75を用いて先に通知されたパスワードと同一のパスワードを入力する操作である。
制御装置71は、ステップS11で、利用者によるパスワード入力操作が実行されたか否かを判定し、パスワード入力操作が実行されると入力されたパスワードを取得(操作者識別情報取得処理)し、ステップS12へ移行し、パスワード入力操作によって入力されるパスワードと、先のステップS6で通知したパスワードとが一致しているか否かを判定し(判定処理)、判定結果が一致しなければ、操作者が同一ではないと判定し、ステップS13に移行してエラー表示処理を行い、表示装置72とスピーカ73によりエラー表示がなされる。その後、ステップS11以降の処理が繰り返される。
制御装置71は、上記の判定結果が一致すれば操作者は同一と判定し、ステップS14に移行して閉扉処理を実行し、入出庫扉開閉手段9によって入出庫扉5が閉じられる。なお、エレベータ式の場合には、入出庫扉5が閉じられた後、パレット6が所定の格納部へ搬送される。また、制御装置71は、ステップS14の閉扉処理を実行するとともに入出庫情報テーブルを更新する。
さらに制御装置71は、ステップS15で、開扉タイマーを停止させてリセットする。
なお、開扉タイマーは、ステップS8で作動を開始してから所定時間(t)経過後にタイムアップする(ステップS21)。制御装置71は、開扉タイマーがタイムアップすると、ステップS6で利用者に通知したパスワードを、通信手段76から管理センタの所定端末へ送信(送信処理)させる(ステップS22)。開扉タイマーについては、上記所定時間(t)を、ステップS7の開扉処理を実行してから、利用者が車両の入出庫を行い、ステップS14の閉扉処理が実行されるまでに通常要する時間より少し長い時間(例えば、5分程度)に設定されている。よって、利用者が、パスワード入力操作を実行し忘れて、入出庫扉5が開いた状態のままで立ち去った場合などに開扉タイマーがタイムアップする。この後の処理等については後述することとする。
本実施形態では、ステップS6のパスワード(操作者識別情報)の通知処理が行われた後、ステップS7の開扉処理が行われ、入出庫の完了後に、乗降部3の外部の操作盤7を用いた利用者のパスワード入力操作によってパスワードが入力され、この入力されるパスワードが、通知済みのパスワードと一致しなければ、ステップS14の閉扉処理は行われない。パスワードは、入出庫する際に、それが通知された利用者のみが知りうるので、当該利用者が乗降部3の外部の操作盤7を操作してパスワード入力操作を行わないと入出庫扉5を閉じることができない。よって、入出庫操作を行う利用者を一人に限定し、入出庫操作が完了するまでは第三者による操作を防止して、乗降部3内での人の居残りを防ぎ、安全性を高めることができる。
また、利用者が予め登録された契約者(正規の利用者)であることを確認する認証処理(ステップS2)が行われることによって、契約者以外の者に利用されることがなく、セキュリティー上、好ましい。
なお、操作盤7に、例えばスタートボタンを設け、正規の利用者が契約者認証操作を行った後、スタートボタンを押すことで、ステップS5の搬送呼出処理が開始されるようにしてもよい。
また、ステップS6のパスワードの通知がなされたときに、利用者が通知を確認したことを示す通知確認信号を制御装置71へ入力するための操作部(例えば確認ボタン)を操作盤7に設けておいてもよい。この場合、パスワードの通知(ステップS6)を行った後、利用者が確認ボタンを押す等の通知確認操作を行うことにより通知確認信号が制御装置71へ入力される。そしてこの場合、制御装置71は、呼び出したパレット6が乗降部3に到着し、かつ通知確認信号が入力されたことを条件に、開扉処理(ステップS7)を実行するよう構成される。
また、操作盤7に、入出庫扉5を閉じるための操作ボタンとして閉扉ボタンを設け、利用者によるパスワード入力操作と、閉扉ボタンを押す操作(閉扉操作)との両方が行われることにより、ステップS14の閉扉処理が行われるようにしてもよい。この場合、閉扉操作は、パスワード入力操作(操作者識別情報入力操作)の前に行うようにしてもよいし、後で行うようにしてもよい。
また、利用者が車両を入出庫した後、例えば、パスワード入力操作を実行しないか、閉扉ボタンがある場合にそれを押し忘れることにより、入出庫扉5を閉め忘れて立ち去る場合がある。そこで、開扉タイマーがタイムアップしたときに、利用者に通知したパスワードを管理センタの所定端末へ送信させる(ステップS21,S22)ようにしている。そして、次の利用者は、入出庫扉5が開いている場合には、管理センタへ電話して、先の利用者に通知したパスワードを聞いて、そのパスワードを入力し、閉扉ボタンがある場合にそれを押すことにより、入出庫扉5を閉めることができ、先の利用者の入出庫操作を完了させることができる。なお、次の利用者に閉扉に係る操作を行わせる場合、操作者識別情報入力操作や閉扉操作を行う前に、一旦場内に立ち入って安全確認したことをセンサで判定したり、操作盤7に安全確認したことを入力するための安全確認ボタンを設け、これを押させるようにしてもよい。この場合、例えば、操作盤7等に、「入出庫扉を閉め忘れている場合には管理センタへ電話してください」という旨の表示をしておけばよい。
〔契約者識別情報入力手段の他の例〕
個々の契約者に専用のICカードが付与されている場合には、契約者識別情報入力手段74はICカードリーダで構成される。この場合、ICカードをICカードリーダにかざすあるいはタッチすることで、ICカードから契約者識別情報が読み取られる。
また、個々の契約者に専用のリモコンが付与されている場合には、契約者識別情報入力手段74は、リモコンからの信号を受信する受信装置で構成される。この場合、利用者のリモコンの操作によって、リモコンから契約者識別情報が送信され、その情報が受信装置で受信される。
また、契約者に専用のカードキーが付与されている場合には、契約者識別情報入力手段74は、カードキーの情報を読み取る読み取り装置で構成される。この場合、カードキーを読み取り装置の挿入部に挿入することで、カードキーから契約者識別情報が読み取られる。
また、契約者識別情報入力手段74は、利用者の身体的特徴を示す生体情報(例えば、顔の画像データ、手や指の静脈模様の画像データ、指紋の画像データ等)を撮像するカメラ等で構成され、生体情報を契約者識別情報としてもよい。この場合、契約者識別情報入力手段74及び契約者認証手段71aを、生体認証装置で構成することができる。この生体認証装置には、全ての契約者から契約時において取得した生体情報(契約者の顔、手や指の静脈模様、あるいは、指紋の画像データ等)が予め登録(記憶)されている。そして、操作盤7に、例えば契約者認証ボタンが設けられ、この契約者認証ボタンが押されたときに撮影した利用者の生体情報を取得し、予め登録されている全ての契約者の生体情報の中に、取得した生体情報と一致するものが存在するか否かを判定し、一致するものがあれば、契約者であると判定し、一致するものが無ければ契約者ではないと判定する。
〔操作者識別情報の他の例〕
操作者識別情報は、前述のパスワードの他、表示画面上に表示可能なパターン(文字、模様等)の情報であってもよい。この場合、制御装置71は、上記パターンを通知する際(ステップS6)には、表示装置72の画面に表示させる。そして、操作者識別情報入力手段75は、例えば、タッチパネル等の入力手段で構成され、利用者がタッチパネル上に、通知されたパターンを描くことにより、操作者識別情報入力操作が行われる。なお、制御装置71は、ステップS6で、上記パターンの画像データをメールに添付して利用者の携帯電話へ送信するようにしてもよい。また、操作者識別情報入力手段75を、入力部を備えたリモコンやタッチパネルを備えた携帯端末とし、これらからパスワードやパターンを入力し、制御装置71に備えられた受信器でこれらを取得するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、図3及び図4を用いて入庫時と出庫時を同一の制御フローとして説明したが、出庫時はこれに限らない。出庫時は、入出庫扉5が開かれて車両を乗降部3から外へ出した後(すなわち出庫後)は、操作盤7付近から乗降部3内の人の有無の確認が容易であるので、制御装置71から利用者への操作者識別情報(パスワード等)の通知及び利用者による操作者識別情報の入力操作を省略するようにしてもよい。例えば、操作盤7に前述の閉扉ボタン(ここでは安全確認ボタンと呼んでもよい)を設けておいて、ステップS4において「出庫」と判別した場合には、ステップS6及びステップS11〜S13の処理を省略し、ステップS10の安全確認報知処理が行われた後、利用者が安全確認を行ってから閉扉ボタンを押す操作(閉扉操作)が行われることによりステップS14の閉扉処理が行われるようにしてもよい。これにより、出庫の際には、制御の簡略化及び利用者の操作の簡略化を図ることができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、入出庫操作を行う利用者を一人に限定し、入出庫操作が完了するまでは第三者による操作を防止して安全性を高めることができる機械式駐車装置の制御方法等として有用である。
1 機械式駐車装置
2 駐車塔
3 乗降部
5 入出庫扉
6 パレット(車体搬送手段)
7 操作盤
S1〜S15 ステップ

Claims (11)

  1. 乗降部において車両の入出庫が行われる機械式駐車装置の制御方法であって、
    車体搬送手段を前記乗降部へ呼び出す搬送呼出処理と、
    前記乗降部の入出庫扉を開く前に、ランダムに生成される操作者識別情報を利用者へ通知する操作者識別情報通知処理と、
    前記車体搬送手段が前記乗降部に到着した後に、前記入出庫扉を開く開扉処理と、
    前記入出庫扉を閉じる前に、前記乗降部の外部に存在する利用者から入力される操作者識別情報を取得する操作者識別情報取得処理と、
    前記操作者識別情報通知処理により通知した操作者識別情報と前記操作者識別情報取得処理により取得された操作者識別情報とが一致しているか否かを判定する判定処理と、
    前記判定処理における判定結果が一致した後に、前記入出庫扉を閉じる閉扉処理と、
    を有する機械式駐車装置の制御方法。
  2. 前記操作者識別情報通知処理により通知される操作者識別情報は、数字及び/または文字からなる情報である、請求項1に記載の機械式駐車装置の制御方法。
  3. 前記操作者識別情報通知処理により通知される操作者識別情報は、表示画面に表示されるパターンの情報である、請求項1に記載の機械式駐車装置の制御方法。
  4. 前記閉扉処理は、
    前記判定処理における判定結果が一致した場合に、該一致に応答して前記入出庫扉を閉じる、請求項1〜3のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法。
  5. 前記閉扉処理は、
    前記判定処理における判定結果が一致し、かつ利用者による閉扉操作が行われた場合に、前記入出庫扉を閉じる、請求項1〜3のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法。
  6. 前記開扉処理は、
    前記車体搬送手段が前記乗降部に到着し、かつ、前記操作者識別情報通知処理に対して利用者による通知確認操作が行われた場合に、前記入出庫扉を開く、請求項1〜5のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法。
  7. 前記開扉処理を行った後、所定時間経過しても前記閉扉処理がなされないときに、前記操作者識別情報通知処理によって通知した操作者識別情報を外部の管理センタの端末へ送信する送信処理を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法。
  8. 前記搬送呼出処理を行う前に行われ、利用者が予め登録された正規の利用者であることを確認する認証処理を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法。
  9. 前記認証処理と前記搬送呼出処理との間に行われ、利用者の車両が入庫済みであるか否かを示す情報に基づいて利用者が入庫のために来たのか出庫のために来たのかを判別する入出庫判別処理を有するとともに、
    前記入出庫判別処理によって利用者が入庫のために来たと判別した場合には、前記開扉処理を行った後で、入庫する前記車両が前記乗降部に乗り入れられ、かつ、その後に人が前記乗降部から退出したことを検出することにより入庫完了判定を行う入庫完了判定処理を有し、
    前記開扉処理を行った後、前記入庫完了判定処理による入庫完了判定が行われるまでは、前記操作者識別情報取得処理を行わない、請求項8に記載の機械式駐車装置の制御方法。
  10. 前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記操作者識別情報通知処理と前記操作者識別情報取得処理と前記判定処理とを省略するとともに、
    前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記開扉処理を行った後で、出庫する前記車両が前記乗降部から退出したことを検出することにより出庫完了判定を行う出庫完了判定処理を有し、
    前記入出庫判別処理によって利用者が出庫のために来たと判別した場合には、前記車体搬送手段が前記乗降部に到着したことを条件に前記開扉処理を行い、前記開扉処理の後に前記出庫完了判定処理が行われ、かつその後に前記乗降部の外部に設けられた操作盤に対して利用者による閉扉操作が行われることによって前記閉扉処理を行う、請求項9に記載の機械式駐車装置の制御方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法によって制御されることを特徴とする機械式駐車装置。
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