JP6622540B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、アクチュエータプレートのうち、吐出チャネルとダミーチャネルとの間を仕切る駆動壁が変形して吐出チャネル内が拡縮変形することで、吐出チャネル内のインクがノズル孔から吐出される。
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、アクチュエータプレートに隔壁が形成されているため、チャネル延在方向における一端側と他端側とで駆動壁の形状(ダミーチャネルの内面形状)が異なる。そのため、インク吐出時において、吐出チャネルが拡縮変形する際、チャネル延在方向の一端側と他端側とで変形のバランスが崩れるおそれがある。その結果、インクの吐出方向が偏向する等の吐出不良が発生するおそれがある。
この構成によれば、各チャネル列において、第1方向で対向する噴射チャネル同士及びダミーチャネル同士が第2方向にオフセットしている場合に比べて、噴射チャネル及びダミーチャネルそれぞれを面対称に形成し易くなる。
この構成によれば、各電極に駆動電圧を印加すると、噴射チャネルを画成する2つ駆動壁に厚み滑り変形が生じることで、噴射チャネルの容積が変化する。その後、各電極に印加した駆動電圧をゼロにすることで、駆動壁が復元して噴射チャネルの容積が元に戻る。上述した変形の過程において、噴射チャネルの容積が増大することにより、液体が噴射チャネル内に誘導される。一方、噴射チャネルの容積が縮小することで、噴射チャネルの内部の圧力が増加し、液体が加圧される。その結果、噴射孔を通して液体が外部に噴射され被記録媒体に文字や画像等を記録することができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータプレートの主面、若しくは前記主面とは反対面には、前記共通電極に接続された共通パッドが形成されていてもよい。
この構成によれば、アクチュエータプレートの主面、若しくは主面とは反対面において、個別パッドや共通パッドを介して個別電極や共通電極と外部配線との接続を行うことができる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
この構成によれば、各チャネル列間において、第1方向で対向するダミーチャネルの内面に形成された個別電極同士が連通部の内面を介して導通するのを防止できる。
この構成によれば、例えば無電解めっき等により各チャネル内に電極を形成する場合において、各チャネル列同士の第1方向で対向するダミーチャネル内の個別電極同士を分断溝によって分断できる。これにより、連通部を介して連通するダミーチャネルの内面に形成された個別電極同士が連通部の内面を介して導通するのを防止できる。
この構成によれば、噴射チャネルを間に挟んで第2方向で対向する個別電極同士をバイパス電極によって接続することで、導通の信頼性を確保できる。
ところで、アクチュエータプレートで発生する熱量は、噴射チャネルとダミーチャネルとの間を仕切る駆動壁の静電容量に比例するとともに、電圧の二乗に比例する。そのため、アクチュエータプレートの発熱を抑えるためには、噴射チャネル(駆動壁)を低電圧で変形させることが好ましい。
そこで、本発明の構成では、各チャネルの内面において第1圧電板及び第2圧電板に跨るように共通電極及び個別電極をそれぞれ形成することで、各電極の面積を増加させ噴射チャネル(駆動壁)を低電圧で変形させることができる。これにより、噴射チャネルの狭ピッチ化に伴い駆動壁の第2方向の幅を狭くしたとしても、静電容量の増加に伴う液体噴射ヘッドの発熱を抑えることができる。
この構成によれば、各噴射孔が第2方向で互い違いに配置されているため、被記録媒体上において、液体噴射ヘッドを第1チャネル列及び第2チャネル列の延在方向に直交する方向に走査しながら各噴射孔から吐出される液体を第2方向に沿う同一直線上に着弾させることで、同一の直線上に着弾する液体の密度を向上させることができる。これにより、高分解能化を実現できる。
この構成によれば、上記本発明に係る液体噴射ヘッドを備えているため、高性能で信頼性に優れたプリンタを提供できる。
[プリンタ]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、紙等の被記録媒体Pを搬送する一対の搬送手段2,3と、インクが収容されたインクタンク4と、被記録媒体Pに液滴状のインクを吐出するインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させるインク循環手段6と、インクジェットヘッド5を被記録媒体Pの搬送方向(以下、X方向とする。)と直交する方向(被記録媒体Pの幅方向(以下、Y方向とする。))に走査させる走査手段(移動機構)7と、を備えている。なお、図中Z方向はX方向及びY方向と直交する高さ方向を示す。
図1、図2に示すように、インク循環手段6は、インクジェットヘッド5にインクを供給するインク供給管21及びインクジェットヘッド5からインクを排出するインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。なお、インク供給管21及びインク排出管22は、インクジェットヘッド5を支持する走査手段7の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インクジェットヘッド5からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。そして、インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を介して循環可能となっている。
次に、上述したインクジェットヘッド5について詳述する。なお、インクジェットヘッド5Y,5M,5C,5Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明ではまとめてインクジェットヘッド5として説明する。
図3は、インクジェットヘッド5において、カバープレート53を取り外した状態を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV線に相当する断面図である。図5は、図3のV−V線に相当する断面図である。
図3〜図5に示すように、各インクジェットヘッド5は、後述する吐出チャネル61におけるチャネル延在方向(第1方向)の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのうち、インクタンク4との間でインクを循環させる循環式のインクジェットヘッド5である。また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、複数のノズル孔75,76からなるノズル列73,74が二列に亘って形成された二列タイプのインクジェットヘッド5である。
アクチュエータプレート52は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されたプレートである。アクチュエータプレート52は、その分極方向が厚さ方向(Z方向)に沿って一方向に設定された、いわゆるモノポール基板である。アクチュエータプレート52には、X方向(第2方向)に間隔をあけて並設された複数のチャネル61,62からなるチャネル列(第1チャネル列63及び第2チャネル列64)が2列配設されている。なお、以下の説明では、主に第1チャネル列63について説明し、第2チャネル列64における第1チャネル列63と対応する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
切り上がり部61aは、チャネル延在方向の外側に向かうに従い上方に向けて湾曲しながら延在している。
中間部61bは、アクチュエータプレート52をZ方向に貫通している。
なお、図4に示すように、切り上がり部61aの終端(チャネル延在方向の外側端縁)の位置は、後述するカバープレート53の入口側共通インク室(第1入口側共通インク室81a及び第2入口側共通インク室82a)及び出口側共通インク室(第1出口側共通インク室81b及び第2出口側共通インク室82b)のZ方向真下に形成した供給スリット84、87及び排出スリット85,88の開口端(供給スリット84のチャネル延在方向における図面右側の端部、供給スリット87のチャネル延在方向における図面左側の端部、排出スリット85のチャネル延在方向における図面左側の端部及び排出スリット88のチャネル延在方向における図面右側の端部)と一致している。そこで、共通電極66は、切り上がり部61aの終端の位置まで形成されている。
また、共通電極66は、吐出チャネル61の上端縁からZ方向の中央部に至る範囲に形成されている。
図4、図5に示すように、ノズルプレート51は、アクチュエータプレート52の下面に接着されている。本実施形態において、ノズルプレート51は、吐出チャネル61の中間部61b及びダミーチャネル62を下方から閉塞している。
第1ノズル列73は、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数の第1ノズル孔(第1噴射孔)75を有している。各第1ノズル孔75は、X方向に間隔をあけて一直線上に並設されている。これら第1ノズル孔75は、上述した第1チャネル列63の吐出チャネル61内に連通している。具体的に、第1ノズル孔75は、第1チャネル列63の吐出チャネル61において、チャネル延在方向の中央部に位置するように形成されている。第1ノズル孔75は、X方向において第1チャネル列63の吐出チャネル61と同等の配列ピッチで形成されている。
図4、図5に示すように、カバープレート53は、各チャネル列63,64を閉塞するようにアクチュエータプレート52の上面に接着されている。カバープレート53は、上述したアクチュエータプレート52に対してY方向の幅が短く形成されている。この場合、アクチュエータプレート52の尾部のうち、カバープレート53に対してY方向の外側に位置する部分に上述した共通パッド67及び個別パッド72が露出している。そして、これら共通パッド67及び個別パッド72に上述したフレキシブルプリント基板69,70が接続される。
したがって、第1入口側共通インク室81a及び第1出口側共通インク室81bは、それぞれ供給スリット84及び排出スリット85を通して各吐出チャネル61に連通する一方、ダミーチャネル62には連通していない。すなわち、各ダミーチャネル62は、第1入口側共通インク室81a及び第1出口側共通インク室81bの底部によって閉塞されている。
一方、各チャネル列63,64の吐出チャネル61それぞれについても、チャネル延在方向における中心を通りチャネル延在方向に直交する面に対して面対称に形成されている。なお、連通部89の内面には、上述した個別電極71は形成されていない。そのため、各チャネル列63,64のうち、チャネル延在方向で対向するダミーチャネル62に形成された個別電極71は、連通部89によって互いに電気的に分離されている。
このようにしたことによって、吐出チャネル61の駆動壁65は、チャネル延在方向の全長において共通電極66及び個別電極71により挟まれているため、駆動壁65の駆動バランスが良く、液滴状のインクをノズル孔75,76からZ方向の真下に向かって噴射することができる。
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環手段6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
そしてこの間に、各インクジェットヘッド5より4色のインクを被記録媒体Pに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
本実施形態のようなサイドシュートタイプのうち、循環式のインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、各入口側共通インク室81a,82aを通り、供給スリット84,87を介して各チャネル列63,64の吐出チャネル61内に供給される。また、各吐出チャネル61内のインクは、排出スリット85.88を介して各出口側共通インク室81b,82b内に流入し、その後インク排出管22に排出される。インク排出管22に排出されたインクは、インクタンク4に戻された後、再びインク供給管21に供給される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させる。
次に、上述したインクジェットヘッド5の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、主にアクチュエータプレート52の製造方法について説明する。図6はインクジェットヘッド5の製造方法を説明するためのフローチャートである。図7〜図17は、インクジェットヘッド5の製造方法を説明するための工程図である。
さらに、アクチュエータプレート52の尾部にフレキシブルプリント基板69,70を実装する。
以上により、本実施形態のインクジェットヘッド5が作製される。なお、上述した実施形態では、第2凹部92のうち連通部89に相当する部分を第2マスク94によって被覆する構成について説明したが、これに限られない。例えば、第2凹部92のうち連通部89に相当する部分を第1マスク91によって被覆しても構わない。
この構成によれば、インク吐出時において、吐出チャネル61が拡縮変形する際、チャネル延在方向の一端側と他端側とをバランスよく変形させることができる。これにより、偏向等の吐出不良が発生するのを抑制し、安定した吐出性能を得ることができる。しかも、本実施形態では、ダミーチャネル62が吐出チャネル61に比べてチャネル延在方向に長く形成されているため、吐出チャネル61におけるチャネル延在方向の全体をスムーズに変形させることができる。
この構成によれば、例えば吐出チャネル61同士及びダミーチャネル62同士がX方向にオフセットしている場合に比べて、吐出チャネル61及びダミーチャネル62それぞれを面対称に形成し易くなる。
さらに、各パッド67,72がアクチュエータプレート52の上面に形成されているため、各パッド67,72を介して各電極66,71とフレキシブルプリント基板69,70との接続を行うことができる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
この構成によれば、被記録媒体P上においてインクジェットヘッド5をY方向に走査しながら、ノズル孔75,76から吐出されるインクをX方向(各チャネル列63,64の延在方向)に沿う同一直線上に着弾させることで、インクの密度を向上させることができる。これにより、高分解能化を実現できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、共通電極66aや個別電極71aが各チャネル61,62の下半部に形成されている点で上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図18に示すインクジェットヘッド5において、共通電極66aは、各吐出チャネル61の内面のうちX方向で対向する内側面に形成されている。共通電極66aは、Z方向において、各吐出チャネル61の下端縁から中央部に至る範囲に形成されている。また、共通電極66aは、チャネル延在方向において、吐出チャネル61の中間部61bと同等の範囲に形成されている。
一方、図19に示すように、個別電極71aは、各ダミーチャネル62の内面のうちX方向で対向する内側面に形成されている。個別電極71aは、Z方向において、各ダミーチャネル62の下端縁から中央部に至る範囲に形成されている。また、ダミーチャネル62は、チャネル延在方向における全域に亘って形成されている。なお、本実施形態においても、連通部89には電極材料が付着しておらず、連通部89を通してチャネル延在方向で対向するダミーチャネル62の個別電極71a同士が連通部89によって電気的に分断されている。
図20に示すように、本実施形態では、カバープレート接合工程(S6)及び研削工程(S7)を電極形成工程(S4)よりも前に行う点で上述した第1実施形態と相違している。
すなわち、本実施形態のインクジェットヘッド5では、研削工程(S7)の終了後、アクチュエータプレート52の下面に図示しない第1マスク及び第2マスクを配置する。この状態で、アクチュエータプレート52の下面側から蒸着法を行う。これにより、アクチュエータプレート52の下面に各パッド67a,72aが形成される。アクチュエータプレート52の各チャネル61,62内の下半部に各電極66a,71aがそれぞれ形成される。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、上述した各電極66,71やパッド67,72を無電解めっきにより形成する点で、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図21〜図23に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド5において、アクチュエータプレート152は、分極方向がZ方向で異なる2枚の圧電板(第1圧電板152a及び第2圧電板152b)を積層してなる、いわゆるシェブロン基板である。
図24、図25に示すように、本実施形態の電極形成工程(S5)では、各電極166,171やパッド67,72を無電解めっきにより形成する。電極形成工程(S5)では、まずアクチュエータプレート152のうち、各電極166,171やパッド67,72の形成領域(第1マスク103の開口部から露出する領域)に対して触媒を付与する。具体的には、塩化第1錫水溶液に浸漬させ、アクチュエータプレート152の表面に塩化第1錫を吸着させるセンシタイジング処理を行う。続いて、アクチュエータプレート152を水洗等により軽く洗浄する。その後、アクチュエータプレート152を塩化パラジウム水溶液に浸漬させ、アクチュエータプレート152の表面に塩化パラジウムを吸着させる。すると、アクチュエータプレート152の表面に吸着した塩化パラジウムと、上述したセンシタイジング処理で吸着した塩化第1錫と、の間で酸化還元反応が生じることで、触媒として金属パラジウムが析出される(アクチベーティング処理)。次に、触媒(金属パラジウム)が付与されたアクチュエータプレート152をめっき液に浸漬させることで、アクチュエータプレート152のうち、触媒が付与された部分にめっき被膜110が析出される。
また、連通部89がダミーチャネル62と同等の溝深さに形成されているため、電極形成工程(S5)において、仮に第2凹部92(ダミーチャネル62や連通部89)の底面に電極材料が付着している場合に、この電極材料を研削工程(S6)においてダミーチャネル62や連通部89に亘ってまとめて除去できる。これにより、各チャネル列63,64において、ダミーチャネル62の内面のうちX方向で対向する内側面に形成された個別電極171同士が、ダミーチャネル62の底面を介して導通するのを抑制できる。なお、上述した実施形態では、研削工程(S7)によって第2凹部92の底面に付着した電極材料を除去する構成について説明したが、これに限られない。例えば、レーザーやダイシングブレード等によって第2凹部92の底面に付着した電極材料を除去しても構わない。
W=CV2…(1)
これに対して、本実施形態では、シェブロン基板からなるアクチュエータプレート152の各チャネル61,62の内面においてZ方向の全体に亘って電極166,171を形成することで、各電極166,171の面積を増加させることができる。これにより、吐出チャネル61(駆動壁65)を低電圧で変形させることができるため、狭ピッチ化に伴い駆動壁65のX方向の幅を狭くしたとしても、静電容量Cの増加に伴うインクジェットヘッド5の発熱を抑えることができる。
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、分断溝101の内面にバイパス電極130が形成されている点で上述した第2実施形態と相違している。図26は、第4実施形態に係るインクジェットヘッド5において、カバープレート53を取り外した状態を示す平面図である。
図26に示すインクジェットヘッド5において、分断溝101の内面(Y方向で対向する内側面)には、バイパス電極130が形成されている。バイパス電極130は、吐出チャネル61を挟んでX方向で対向する個別電極171同士を接続している。バイパス電極130は、分断溝101の内側面全体に亘って形成されている。バイパス電極130におけるX方向の一端部は、吐出チャネル61に対してX方向の一端側に位置するダミーチャネル62内において、X方向の他端側に形成された個別電極171に接続されている。一方、バイパス電極130におけるX方向の他端部は、吐出チャネル61に対してX方向の他端側に位置するダミーチャネル62内において、X方向の一端側に形成された個別電極171に形成されている。
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、各パッド67b,72bがアクチュエータプレート52の下面に形成されている点で上述した第4実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図27に示すインクジェットヘッド5において、アクチュエータプレート52のうち尾部の下面には、共通パッド67bが形成されている。共通パッド67bは、チャネル延在方向の内側端部が吐出チャネル61の下端開口縁で共通電極166に接続され、チャネル延在方向の外側端部が尾部の下面上で終端している。
図27、図28に示すように、アクチュエータプレート52のうち尾部の下面には、吐出チャネル61を挟んでX方向で対向する個別電極171同士を接続する個別パッド72bが形成されている。個別パッド72bは、尾部の下面において、上述した共通パッド67bよりもY方向の外側に位置する部分をX方向に延在している。
図29に示すように、本実施形態では、まずアクチュエータプレート52の上面に図示しない上面側マスクを配置した後、上述した実施形態と同様に第1凹部形成工程(S2)及び第2凹部形成工程(S3)を行う。
その後、上述した実施形態と同様にカバープレート接合工程(S6)及び研削工程(S7)を行う。
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、チャネル列200〜204が4列形成されている点で上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図30に示すインクジェットヘッド5において、アクチュエータプレート252には、複数のチャネル列(第1チャネル列201、第2チャネル列202、第3チャネル列203及び第4チャネル列204)がY方向に間隔をあけて配列されている。なお、各チャネル列201〜204のうち、Y方向で隣り合うチャネル列同士が請求項の第1チャネル列及び第2チャネル列に相当する。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、各チャネル61,62のチャネル延在方向をY方向に一致させた点で上述した各実施形態と相違している。図31は、第7実施形態に係るインクジェットヘッド5において、カバープレート53を取り外した状態を示す平面図である。
図31に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド5において、各吐出チャネル61及びダミーチャネル62それぞれは、Y方向(チャネル延在方向(第1方向))に沿って直線状に形成されている。各チャネル列63,64において、各吐出チャネル61同士及びダミーチャネル62同士は、それぞれX方向で同等の配列ピッチで形成されている。したがって、各チャネル列63,64において、吐出チャネル61同士及びダミーチャネル62同士は、それぞれX方向で同等の位置に形成されている。したがって、ノズルプレート51において、各ノズル列73,74の対応するノズル孔75,76同士は、X方向で同等の位置に形成されている。
上述した実施形態では、ノズル孔が吐出チャネルにおけるY方向若しくはチャネル延在の中央部で吐出チャネル内に連通する構成について説明したが、これに限られない。すなわち、ノズル孔は、吐出チャネルにおけるY方向若しくはチャネル延在の中途部分(アクチュエータプレートを貫通している部分)で吐出チャネル内に連通する構成であれば、中央部からずれていても構わない。
上述した実施形態では、ダミーチャネル62がアクチュエータプレートをZ方向に貫通する構成について説明したが、これに限られない。
上述した実施形態では。各チャネル列63,64において、各ダミーチャネル62間を連通する連通部89を形成した構成について説明したが、ダミーチャネル62が面対称に形成されていれば、連通部89を有さない構成であっても構わない。また、吐出チャネル61及びダミーチャネル62を同一形状に形成しても構わない。
2…搬送手段(移動機構)
3…搬送手段(移動機構)
5,5B,5C,5M,5Y…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
7…走査手段(移動機構)
51…ノズルプレート(噴射孔プレート)
52,152,252…アクチュエータプレート
61…吐出チャネル(噴射チャネル)
62…ダミーチャネル
63…第1チャネル列
64…第2チャネル列
66,66a,166…共通電極
67,67a,67b…共通パッド
71,71a,171…個別電極
72,72a,72b…個別パッド
75…第1ノズル孔(第1噴射孔)
76…第2ノズル孔(第2噴射孔)
89…連通部
101…分断溝
130…バイパス電極
201…第1チャネル列(第1チャネル列、第2チャネル列)
202…第2チャネル列(第1チャネル列、第2チャネル列)
203…第3チャネル列(第1チャネル列、第2チャネル列)
204…第4チャネル列(第1チャネル列、第2チャネル列)
210…ノズル孔(噴射孔)
211…ノズル孔(噴射孔)
212…ノズル孔(噴射孔)
213…ノズル孔(噴射孔)
214…ノズル孔(噴射孔)
Claims (11)
- アクチュエータプレートと、
前記アクチュエータプレートに形成され、第1方向に沿って延びるとともに、液体が充填される噴射チャネルと、
前記アクチュエータプレートに形成され、第1方向に沿って延びるとともに、液体が充填されないダミーチャネルと、
前記アクチュエータプレートに積層され、前記噴射チャネルにおける前記第1方向の中途部分で前記噴射チャネル内に連通する噴射孔を有する噴射プレートと、
を有し、
前記アクチュエータプレートには、前記噴射チャネル及び前記ダミーチャネルがそれぞれ前記第1方向に交差する第2方向に交互に並設されてなる第1チャネル列及び第2チャネル列が前記第1方向に間隔をあけて形成され、
前記噴射チャネルは、前記第1方向における前記噴射チャネルの中心を通り前記第1方向に直交する面に対して面対称に形成され、
前記ダミーチャネルは、前記第1方向における前記ダミーチャネルの中心を通り前記第1方向に直交する面に対して面対称に形成され、
前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列の前記ダミーチャネルは、前記アクチュエータプレートにおける前記第1方向の両端面でそれぞれ開放され、
前記アクチュエータプレートのうち、前記第1チャネル列と前記第2チャネル列との間に位置する部分には、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列の前記ダミーチャネル同士を連通させる連通部が形成され、
前記連通部は、前記ダミーチャネルと溝深さが同等に形成されている
液体噴射ヘッド。 - 前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列において、前記第1方向で対向する前記噴射チャネル同士は、前記第1方向に沿って同一直線上に配置され、
前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列において、前記第1方向で対向する前記ダミーチャネル同士は、前記第1方向に同一直線上に配置されている
請求項1に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記噴射チャネルの内面に形成された共通電極と、
前記ダミーチャネルの内面のうち、前記第2方向で対向する内側面に形成された個別電極と、
を備えている
請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記アクチュエータプレートの主面、若しくは前記主面とは反対面には、前記噴射チャネルを間に挟んで前記第2方向で対向する前記個別電極同士を接続する個別パッドが形成されている
請求項3に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記アクチュエータプレートの主面、若しくは前記主面とは反対面には、前記共通電極に接続された共通パッドが形成されている
請求項3又は請求項4に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記個別電極は、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列で対応する前記ダミーチャネル及び前記連通部の内面において、前記連通部の内面を回避した部分に形成されている
請求項3から請求項5の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記アクチュエータプレートのうち、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列間に位置する部分には、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列において、少なくとも前記第1方向で対向する前記ダミーチャネル同士の間で前記個別電極同士を電気的に分離するする分断溝が形成されている
請求項3から請求項5の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記分断溝の内面には、前記噴射チャネルを間に挟んで前記第2方向で対向する前記個別電極同士を接続するバイパス電極が形成されている
請求項7に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記噴射チャネル及び前記ダミーチャネルの溝深さ方向を第3方向とすると、
前記アクチュエータプレートは、前記第3方向で分極方向が異なる第1圧電板及び第2圧電板が前記第3方向で積層されて構成され、
前記共通電極は、前記噴射チャネルの内面において前記第1圧電板及び前記第2圧電板に跨って形成され、
前記個別電極は、前記ダミーチャネルの内面のうち、前記第2方向で対向する内側面で前記第1圧電板及び前記第2圧電板に跨って形成されている
請求項3から請求項8の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記噴射孔は、
前記第1チャネル列の前記噴射チャネルに各別に連通する第1噴射孔と、
前記第2チャネル列の前記噴射チャネルに各別に連通する第2噴射孔と、
を有し、
前記第1噴射孔及び前記第2噴射孔は、前記第2方向で互い違いに配列されている
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、
を備えている液体噴射装置。
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