JP6314056B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、フレキシブルプリント基板等の外部配線を介して各電極間に電圧を印加すると、駆動壁が変形することで、吐出チャネル内の圧力が高まり、吐出チャネル内に収容されたインクがノズル孔を通して吐出されるようになっている。
また、各共通配線は、チャネルの並設方向に沿って延在するとともに、アクチュエータプレートにおける各ダミーチャネルに対して他端側に位置する部分で共通電極に接続されている。
また、上述した特許文献1の構成では、ダミーチャネルの共通電極と共通配線とをダミーチャネルの延在方向に沿って延びる引き出し部を介して接続する必要があり、これによっても配線パターンが複雑になる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、第1方向に沿って延在するとともに、液体が充填される噴射チャネル及び液体が充填されないダミーチャネルが、第1方向に直交する第2方向に交互に並設されてなる第1チャネル列及び第2チャネル列が第1方向に間隔をあけて配設されたアクチュエータプレートと、前記噴射チャネルの内面に形成された個別電極と、前記アクチュエータプレートの一方の主面上で前記個別電極に接続された個別配線と、前記ダミーチャネルの内面に形成された共通電極と、前記一方の主面上で前記共通電極に接続された共通配線と、を備え、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列間の前記ダミーチャネル同士は、第1方向から見て重ならず、かつ第1方向の内側端部同士が第2方向から見て重なり合う位置にそれぞれ配設され、前記共通配線は、前記一方の主面上において、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列の前記ダミーチャネル同士が第2方向から見て重なり合うラップ領域上を第2方向に沿って延在して、前記共通電極に接続されるとともに、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列に対して第1方向の外側に位置する尾部のうち、少なくとも一方の尾部に引き出され、外部配線に接続されていることを特徴とする。
したがって、高密度記録化等を図った上で、配線パターンの簡素化及び製造効率の向上を実現できる。
この構成によれば、各チャネル列の個別配線が第1方向の外側に向けて互いに逆方向に引き出されているため、同一方向に引き出す場合と異なり、一方のチャネル列の個別配線が共通配線や、他方のチャネル列のダミーチャネルと交差することがない。これによっても、配線パターンの簡素化及び製造効率の向上を図ることができる。
この場合、共通配線が各外部配線に接続されているため、共通配線のインピーダンスを抑制できる。
この場合、各チャネル列の吐出チャネル同士及びダミーチャネル同士が千鳥状に配列されることになるので、印刷時のドットのピッチをより狭くすることが可能になり、更なる高密度記録化を図ることができる。
この場合、隣り合うチャネル列間において、第1方向で対向する吐出チャネル及びダミーチャネルの噴射側傾斜部及びダミー側傾斜部同士がアクチュエータプレートの厚さ方向で重なり合う位置に相互に近接配置されているため、アクチュエータプレートの第1方向への小型化が可能となる。この場合、例えば複数のアクチュエータプレートをウエハレベルで一括して作成し、最後に各アクチュエータプレート毎に分割する場合には、1枚のウエハから作成できるアクチュエータプレートの取り個数も増加できる。そのため、液体噴射ヘッドの低コスト化を実現できる。
この場合、ダミー側傾斜部が、ラップ領域上に位置しているため、共通電極と共通配線とが滑らかに接続されることになる。これにより、共通電極及び共通配線間の安定した導通を確保できる。
この構成によれば、液体を介して各電極間が短絡するのを抑制できるため、水性インク等の導電性を有するインクを用いる等、汎用性を向上させることができる。
この構成によれば、上記本発明に係る液体噴射ヘッドを備えているため、高密度記録化等に対応できるとともに、信頼性の高い液体噴射装置を提供できる。
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、紙等の記録紙(被記録媒体)Pを搬送する一対の搬送手段(移動機構)2,3と、インクが収容されたインクタンク4と、記録紙Pに液滴状のインクを吐出するインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させるインク循環手段6と、インクジェットヘッド5を記録紙Pの搬送方向(以下、X方向とする)と直交する方向(記録紙Pの幅方向、以下、Y方向とする)に走査させる走査手段(移動機構)7と、を備えている。なお、図中Z方向はX方向及びY方向と直交する高さ方向を示す。
図1、図2に示すように、インク循環手段6は、インクジェットヘッド5にインクを供給するインク供給管21、及びインクジェットヘッド5からインクを排出するインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。なお、インク供給管21及びインク排出管22は、インクジェットヘッド5を支持する走査手段7の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インクジェットヘッド5の後述する出口側共通インク室91a,91b(図3参照)からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。そして、インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を介して循環可能となっている。
次に、上述したインクジェットヘッド5について詳述する。なお、インクジェットヘッド5Y,5M,5C,5Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、まとめてインクジェットヘッド5として説明する。
図3はインクジェットヘッド5の分解斜視図、図4はノズルプレート51を取り外した状態におけるインクジェットヘッド5の底面図である。
図3、図4に示すように、各インクジェットヘッド5は、後述する吐出チャネル71における延在方向(Y方向(第1方向))の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのうち、インクタンク4との間でインクを循環させる循環式のインクジェットヘッド5である。また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、複数のノズル孔(噴射孔)85,86からなるノズル列87,88が二列に亘って形成された二列タイプのインクジェットヘッド5である。
図5は図4のV−V線に相当する断面図、図6は図4のVI−VI線に相当する断面図である。
図5、図6に示すように、アクチュエータプレート52は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成され、その分極方向が厚さ方向(Z方向)に沿って一方向に設定されている。このアクチュエータプレート52には、X方向(第2方向)に間隔をあけて並設された複数のチャネル71,72からなるチャネル列(第1チャネル列63及び第2チャネル列64)が2列配設されている。なお、以下の説明では、主に第1チャネル列63について説明し、第2チャネル列64における第1チャネル列63と対応する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
図3、図6に示すように、吐出チャネル71は、X方向から見た側面視において、Z方向の一端側に向けて凸の湾曲形状を呈している。具体的に、吐出チャネル71は、Y方向の両端部から中央部に向かうに従いZ方向の一端側に向けて湾曲しながら延びる切り上がり部(吐出側傾斜部)66と、各切り上がり部66間に位置する中間部67と、を有している。吐出チャネル71は、中間部67を通してアクチュエータプレート52におけるZ方向の一端側に位置する第1主面52a上に開口し、切り上がり部66及び中間部67を通してZ方向の他端側に位置する第2主面52b上に開口している。すなわち、アクチュエータプレート52において、吐出チャネル71の中間部67に位置する部分は、Z方向に貫通している。
一方、図4、図6に示すように、各チャネル列63,64におけるダミーチャネル72のY方向の内側端部同士は、Z方向の一端部(第1主面52a側)において、X方向から見て互いに重なり合っている。この場合、アクチュエータプレート52の第1主面52a上において、各チャネル列63,64のダミーチャネル72同士がX方向で重なり合う領域は、ダミー側ラップ領域R2を構成している。
このように、本実施形態において、各チャネル列63,64の個別電極73は、対応するフレキシブルプリント基板80,81の個別電極用配線82に接続されている。一方、共通電極75は、複数の引出配線78を介して各フレキシブルプリント基板80,81に接続されている。
図3に示すように、ノズルプレート51は、厚みが50μm程度のポリイミド等のフィルム材からなり、アクチュエータプレート52の第1主面52a上に接着されている。なお、ノズルプレート51は、Y方向における幅がアクチュエータプレート52よりも狭くなっており、アクチュエータプレート52におけるY方向の外側端部(尾部70A,70B)を露出させている。そして、アクチュエータプレート52のうち、ノズルプレート51から露出した部分に上述したフレキシブルプリント基板80,81がそれぞれ実装されている。
図3に示すように、カバープレート53は、各チャネル列63,64を閉塞するようにアクチュエータプレート52の第2主面52b上に接着された板状とされている。
図3、図6に示すように、カバープレート53には、入口側共通インク室90及び出口側共通インク室(第1出口側共通インク室91a、及び第2出口側共通インク室91b)が形成されている。
第2出口側共通インク室91bは、第2チャネル列64の吐出チャネル71におけるY方向の外側端部とZ方向で対向する部分に形成されている。そして、第2出口側共通インク室91bは、第2チャネル列64の吐出チャネル71におけるY方向の外側端部において、第2チャネル列64の吐出チャネル71内にまとめて連通している。
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、記録紙Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環手段6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
そしてこの間に、各インクジェットヘッド5より4色のインクを記録紙Pに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
本実施形態のようなサイドシュートタイプのうち、循環式のインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、入口側共通インク室90を通り、各チャネル列63,64の吐出チャネル71内に供給される。また、各吐出チャネル71内のインクは、各出口側共通インク室91a,91b内に流入し、その後インク排出管22に排出される。インク排出管22に排出されたインクは、インクタンク4に戻された後、再びインク供給管21に供給される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させる。
なお、本実施形態におけるインクを吐出チャネル71の内部に循環させる動作と、吐出チャネル71からインクを吐出する動作は、個別に実施しても、同時に実施しても構わない。
次に、上述したインクジェットヘッド5の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、アクチュエータプレート52の製造方法を主として説明する。図7はインクジェットヘッド5の製造方法を説明するためのフローチャートである。図8〜図19は、インクジェットヘッド5の製造方法を説明するための工程図であって、図8〜図13は図6に相当する断面図、図14〜図19は図5に相当する断面図である。
その後、図5〜図7に示すように、アクチュエータプレート52の第1主面52a上にノズルプレート51を接合する(ノズルプレート接合工程(S8))。
さらに、アクチュエータプレート52の尾部70A,70Bのうち、ノズルプレート51から露出した部分にフレキシブルプリント基板80,81を実装する。
以上により、本実施形態のインクジェットヘッド5が作製される。
この構成によれば、各チャネル列63,64の個別配線74がY方向で互いに逆方向に引き出されているため、同一方向に引き出す場合と異なり、一方のチャネル列63,64の個別配線74が共通配線76や、他方のチャネル列63,64のダミーチャネル72と交差することがない。さらに、共通配線76がダミー側ラップ領域R2上を延在し、ダミー側ラップ領域R2で共通電極75に接続されるため、共通電極75と共通配線76とを接続する引き回し部分を共通配線76に形成する必要がない。
したがって、高密度記録化等を図った上で、配線パターンの簡素化及び製造効率の向上を実現できる。
また、ノズル孔85,86の形状に関しても、円形に限定されるものではない。例えば、三角等の多角形状や、楕円形状や星型形状でも構わない。
また、上述した実施形態では、各チャネル列63,64間において、吐出チャネル71同士及びダミーチャネル72同士が半ピッチずれた千鳥状に配列された構成について説明したが、これに限られない。吐出チャネル71同士及びダミーチャネル72同士が、X方向で異なる位置に形成されていれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、吐出チャネル71同士及びダミーチャネル72同士が半ピッチずれた構成について説明したが、これに限らず、各チャネル列63,64の少なくともダミーチャネル72同士がY方向で重ならない構成であれば構わない。すなわち、各チャネル列63,64の吐出チャネル71同士は、Y方向で重なる構成であっても構わない。
また、上述した実施形態では、切り上がり部66,68を円弧状に形成した場合について説明したが、これに限らず、Y方向の中央部から内側端部に向かうに従い傾斜して延在していれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、引出配線78がチャネル列63,64に対してX方向の外側に配置された構成について説明したが、これに限らず、引出配線78の位置は個別配線74と交差しない位置であれば適宜設計変更が可能である。
この構成によれば、インクを介して各電極73,75が短絡するのを抑制できるため、水性インク等の導電性を有するインクを用いる等、汎用性を向上させることができる。
2,3…搬送手段(移動機構)
5,5Y,5M,5C,5B…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
7…走査手段(移動機構)
51…ノズルプレート(噴射孔プレート)
52…アクチュエータプレート
52a…第1主面(一方の主面)
52b…第2主面(他方の主面)
63…第1チャネル列
64…第2チャネル列
66…切り上がり部(吐出側傾斜部)
68…切り上がり部(ダミー側傾斜部)
70A…第1尾部(尾部)
70B…第2尾部(尾部)
71…吐出チャネル(噴射チャネル)
72…ダミーチャネル
73…個別電極
74…個別配線
75…共通電極
76…共通配線
80…第1フレキシブルプリント基板(第1外部配線、外部配線)
81…第2フレキシブルプリント基板(第2外部配線、外部配線)
85…第1ノズル孔(噴射孔)
86…第2ノズル孔(噴射孔)
R2…ダミー側ラップ領域(ラップ領域)
Claims (8)
- 第1方向に沿って延在するとともに、液体が充填される噴射チャネル及び液体が充填されないダミーチャネルが、第1方向に直交する第2方向に交互に並設されてなる第1チャネル列及び第2チャネル列が第1方向に間隔をあけて配設されたアクチュエータプレートと、
前記噴射チャネルの内面に形成された個別電極と、
前記アクチュエータプレートの一方の主面上で前記個別電極に接続された個別配線と、
前記ダミーチャネルの内面に形成された共通電極と、
前記一方の主面上で前記共通電極に接続された共通配線と、を備え、
前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列間の前記ダミーチャネル同士は、第1方向から見て重ならず、かつ第1方向の内側端部同士が第2方向から見て重なり合う位置にそれぞれ配設され、
前記共通配線は、前記一方の主面上において、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列の前記ダミーチャネル同士が第2方向から見て重なり合うラップ領域上を第2方向に沿って延在して、前記共通電極に接続されるとともに、前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列に対して第1方向の外側に位置する尾部のうち、少なくとも一方の尾部に引き出され、外部配線に接続されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記個別配線のうち、前記第1チャネル列側の前記個別配線は、前記一方の主面上において、前記第1チャネル列に対して第1方向の外側に位置する第1尾部で第1外部配線に接続され、前記第2チャネル列側の前記個別配線は、前記一方の主面上において、前記第2チャネル列に対して第1方向の外側に位置する第2尾部で第2外部配線に接続されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
- 前記共通配線は、前記一方の主面上において、前記第1尾部及び前記第2尾部まで引き出されるとともに、前記第1外部配線及び前記第2外部配線にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
- 第1方向において、前記第1チャネル列の前記噴射チャネルが前記第2チャネル列の前記ダミーチャネルが対向し、前記第1チャネル列の前記ダミーチャネルが前記第2チャネル列の前記噴射チャネルに対向していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記アクチュエータプレートの前記一方の主面上に積層されるとともに、前記噴射チャネルに各別に連通する複数の噴射孔を有する噴射孔プレートを備え、
前記噴射チャネルは、第1方向の中央部から内側端部に向かうに従い前記アクチュエータプレートの他方の主面側に向けて延びる噴射側傾斜部を有し、
前記ダミーチャネルは、第1方向の中央部から内側端部に向かうに従い前記アクチュエータプレートの前記一方の主面側に向けて延びるダミー側傾斜部を有し、
前記第1チャネル列及び前記第2チャネル列間において、第1方向で対向する前記噴射チャネル及び前記ダミーチャネルは、前記噴射側傾斜部及び前記ダミー側傾斜部同士が、前記アクチュエータプレートの厚さ方向で重なり合う位置に相互に近接配置されていることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記ダミー側傾斜部は、前記ラップ領域上に位置していることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記噴射チャネルの内面には、前記個別電極を被覆する絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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