JP3899731B2 - インク噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、これまでのインパクト方式の印字装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつあるノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとして、インクジェット方式の印字装置が挙げられる。なかでも印字に使用するインク液滴のみを噴射するドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコストの安さなどから急速に普及している。
【0003】
ドロップ・オン・デマンド型として特公昭53−12138号公報に開示されているカイザー型、あるいは特公昭61−59914号公報に開示されているサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインクに加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とされ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】
以上のような欠陥を同時に解決する新たな方式として提案されたのが、特開昭63−247051号公報に開示されている圧電セラミックスを利用したせん断モード型である。せん断モード型のインク噴射装置は、インク噴射チャンネルの左右両側を画定する側壁を、その高さ方向に分極し、該側壁の両側面に形成した電極によって分極方向と直交する方向の電界を生成すると、側壁はせん断モード変形、すなわち菱形に変形して、インク噴射チャンネルの容積を増減し、インクに噴射のための圧力を与える。
【0005】
また、この構成では、1つの噴射チャンネルにおける側壁の変形が隣のチャンネルに影響を与えないように、各噴射チャンネルの間に非噴射チャンネルを設けることが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種のインク噴射装置では、多数の噴射チャンネルが微細ピッチで配列されるため、各側壁の電極と制御回路を電気的に接続することが困難であり、ワイヤボンディング法によって接続をすることが提案されていた。また、例えば特開平7−132589号公報に開示されているように、噴射チャンネルを形成する部材の一端に、該噴射チャンネルの前端に直交する溝を形成し、該溝の側面に沿って噴射チャンネル内の電極を延長して、前記部材の外面に引き出し、制御回路と接続しやすくしたものがある。いずれの場合も加工工数が多くなり、コストが高いという問題がある。
【0007】
各噴射チャンネルの間に非噴射チャンネルを設けた場合、インクが非噴射チャンネルに流れ込まないように非噴射チャンネルの端部を閉塞しておいて、噴射チャンネルの一端にインクを供給するマニホールド部材を接合し、また、噴射チャンネルの他端にノズル孔を有するノズルプレートを接合し、噴射チャンネルおよび非噴射チャンネルの長手方向側面をカバープレートによって覆う必要があり、部品点数が多く、加工工数も多かった。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、制御回路との電気的な接続が容易で、また部品点数が少なく低コストのインク噴射装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1の発明では、分極された圧電材料で少なくとも一部が構成された側壁と、前記側壁によって相互に隔てられたインクを噴射する複数の噴射チャンネル及び噴射チャンネルの両側に設けられインクを噴射しない複数の非噴射チャンネルとが、配列して形成されたアクチュエータ基板と、前記噴射チャンネルを挟んで隣接する2つの前記非噴射チャンネルの内面に形成された駆動電極と、前記複数の噴射チャンネルの内面に形成された共通電極と、前記噴射チャンネルとそれぞれ対応した複数のノズルが設けられたノズルプレートと、前記複数の噴射チャンネルにインクを供給するマニホールド部材とを備え、前記両電極をとおして前記側壁に電圧を印加することにより、前記側壁を変形させ前記噴射チャンネル内のインクに圧力を与えてそのインクを前記ノズルから噴射するインク噴射装置において、前記アクチュエータ基板は、一体に構成された基板に、前記側壁の一端に連続して前記複数の噴射チャンネルの各一端を閉塞するように形成された噴射チャンネル閉塞部と、前記噴射チャンネル閉塞部の一部の表面に形成され前記駆動電極を電気的に接続する電極であって、同一の前記非噴射チャンネル内において、それぞれ電気的に絶縁されて隔てられ、且つ前記噴射チャンネルを挟んで隣接する2つの前記駆動電極同士を接続する連結駆動電極と、前記側壁の他端に連続して前記複数の非噴射チャンネルの各他端を閉塞するように形成された非噴射チャンネル閉塞部と、前記非噴射チャンネル閉塞部の一部の表面に形成され前記共通電極同士を電気的に接続する連結共通電極と、前記噴射及び非噴射チャンネルからなる2列のチャンネル列を有し、前記チャンネル列間で前記噴射チャンネル閉塞部が対応する前記非噴射チャンネルの一方の端部を閉塞するように、一方の前記チャンネル列の前記噴射チャンネルが、他方の前記チャンネル列の前期非噴射チャンネルと対応して配置され、前記ノズルプレートは、前記複数のノズルが2列の千鳥状に配列して形成され、各ノズル列に対して前記チャンネル列がそれぞれ対応するように前記噴射及び非噴射チャンネルの長手方向側面を覆うとともに、前記噴射チャンネル閉塞部の上面の前記連結駆動電極に対応して個々の 電極パターン及び前記非噴射チャンネル閉塞部の上面の前記連結共通電極に対応して1つの電極パターンが形成され、当該ノズルプレートが前記噴射及び非噴射チャンネルを覆うことで、前記個々の電極パターンがそれぞれ対応する前記連結駆動電極と電気的に接続され、前記1つの電極パターンが対応する前記連結共通電極と電気的に接続されおり、前記マニホールド部材は、前記アクチュエータ基板を囲むように前記ノズルプレートに接合されて、前記アクチュエータ基板の2つの前記他端に同時にインクを供給するマニホールド流路を形成している。
【0009】
上述したインク噴射装置によれば、マニホールド部材からインクを複数の噴射チャンネルに供給するとともに、非噴射チャンネル閉塞部が非噴射チャンネルへのインクの浸入を防ぐと同時に、その閉塞部の一部に形成された連結共通電極が、全ての噴射チャンネル内の電極を電気的に相互に接続する役割をしている。また、噴射チャンネル閉塞部が該噴射チャンネルからのインクの漏出を防ぐと同時に、その噴射チャンネル閉塞部の一部に形成された連結駆動電極が、該噴射チャンネルを挟んで隣接する2つの駆動電極を電気的に相互に接続する役割をしている。さらに、ノズルプレートが2個の前記アクチュエータ基板の各チャンネルの長手方向側面を覆う部材を兼ねることができ、部品点数を減らし、部品コスト、工程コストを低減することができる。また、1枚のノズルプレートに2列のノズル列が形成されることで、2列のノズルの位置関係を高精度に設定することができる。
【0010】
【0011】
また、2つの列の噴射チャンネルに同時にインクを供給する。さらに、2個分のアクチュエータ基板、ノズルプレートおよびマニホールド部材がそれぞれ一体に構成され、いっそう部品点数を減らすことができる。
【0012】
さらに、前記連結駆動電極が前記噴射チャンネル閉塞部の上面に形成されているとともに、前記連結共通電極が前記非噴射チャンネル閉塞部の上面に形成され、前記ノズルプレートは、前記連結駆動電極および前記連結共通電極と電気的に接続する導電性のパターンを有する。これにより、ノズルプレートが制御回路との電気接続部品とを兼ね、さらに部品点数を減らし、製造コストを低減することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、インク噴射装置10は、アクチュエータ基板100と、カバー兼ノズルプレート140と、マニホールド部材132と、配線部材例えばFPC(フレキシブルプリント基板)130とで構成されている。
【0019】
アクチュエータ基板100は、積層された2枚のチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)の圧電セラミックス材料101,102からなる。各材料101,102は相互に反対方向にそれぞれ厚さ方向109A,109Bに分極されている。なお、2枚とも圧電材料である必要はなく、一方のみ圧電材料で構成すればよい。該2枚の材料101,102には、厚さ方向にわたって、インク噴射チャンネル113と非噴射チャンネル115とが、ダイヤモンドブレード、レーザー等により切削加工されている。噴射チャンネル113と非噴射チャンネル115は、側壁117を挟んで交互に配置され、また、同じ深さであり、かつ平行であり、アクチュエータ基板100の上面100cに開口して加工されている。
【0020】
噴射チャンネル113は後述するマニホールド流路133からインクを導入するために、後部端面100bに開口しているが、非噴射チャンネル115にはマニホールド流路133からのインクの浸入を防ぐために、後部端面100bにおいて、前記側壁117と連続して形成された非噴射チャンネル閉塞部111が設けられている。一方、アクチュエータ基板100の前部端面100aでは、噴射チャンネル113からインクが漏れることを防ぐために、噴射チャンネルの前端に閉塞部120が設けられ、逆に非噴射チャンネル115は開口している。各閉塞部111,120は側壁117と連続して形成されている。
【0021】
カバー兼ノズルプレート140は、各チャンネル113,115の長手方向側面が開口するアクチュエータ基板100の上面100cに接着剤にて接合される。該プレート140には、噴射チャンネル113に対応してノズル118が貫通形成されている。マニホールド部材132は、アクチュエータ基板100とカバー兼ノズルプレート140の後部端面に接着剤にて接合される。マニホールド部材132はその供給口132aが図示しないインクタンク等のインク供給源に接続され、マニホールド流路133をへて複数のチャンネル113にインクを供給する。
【0022】
そして、噴射チャンネル113の内面には導電性の金属化層として共通電極119、非噴射チャンネル115の内面には導電性の金属化層として駆動電極121がそれぞれ形成されている。同一の非噴射チャンネル115内で対向して隣接する駆動電極121間は、相互に隔てられ、電気的に絶縁されており、噴射チャンネル113を挟んで隣接する2つの駆動電極121間は、前記閉塞部120の前部端面100a表面に形成された導電性の金属化層としてなる連結駆動電極122を介して電気的に導通している。また、全ての噴射チャンネル113内の電極119は、非噴射チャンネル閉塞部111の後部端面100b表面に形成された導電性の金属化層としてなる連結共通電極123を介して電気的に相互に導通している。連結共通電極123は、アクチュエータ基板100の右または左側部端面100eの金属化層、または底面100dの金属化層を介して前部端面100aに設けられた電極126に連続している。電極126と連結駆動電極122との間は、相互に隔てられ、電気的に絶縁されている。
【0023】
連結駆動電極122、電極126は、FPC130に形成された電極パターン131を介して図示しない制御回路に接続される。電極126は廃止して連結共通電極123を図示しない導電性のフレーム等を介してアースに接続してもよい。
【0024】
そして、噴射チャンネル内の電極119を共通電位例えばアースに接続し、インクを噴射しようとする噴射チャンネルの両外側の駆動電極121,121に、図示しない制御回路が電極パターン131、連結駆動電極122を介して電圧を印加することによって、該噴射チャンネルの側壁117が、図2に示すように噴射チャンネル113の容積を増加する方向にせん断モードで変形する。詳細に説明すると、噴射チャンネルを挟む両側壁117にそれぞれ分極方向と直交する方向135、137の電界が発生し、側壁117を構成する材料101,102がそれぞれ側壁の高さ方向に反対方向109A,109Bに分極されているから、側壁117の上下各材料がそれぞれ反対方向に菱形に変形する。このときノズル118付近を含む噴射チャンネル113内の圧力が減少する。この状態を、インクに発生した圧力波の噴射チャンネル113内での片道伝播時間Tだけ維持する。また、その間にマニホールド流路133からインクが供給される。
【0025】
なお、上記片道伝播時間Tは噴射チャンネル113内の圧力波が、噴射チャンネル113の長手方向に伝播するのに必要な時間であり、噴射チャンネル113の長さLとこの噴射チャンネル113内部のインク中での音速aによりT=L/aと決まる。
【0026】
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からほぼT時間がたつと噴射チャンネル113内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせて駆動電極121に印加されている電圧を0(V)に戻す。すると、側壁117が変形前の状態に戻り、インクに圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、側壁117が変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力が噴射チャンネル113のノズル118付近の部分に生じて、インク液滴がノズル118から噴射される。
【0027】
次に、本実施の形態に係るインク噴射装置10の製造方法について図面を参照して説明する。
【0028】
図3(a)に示すように、2枚の材料101,102を積層したアクチュエータ基板100に対して、ダイヤモンドブレードやレーザー等による切削加工を行い、噴射チャンネル113と非噴射チャンネル115となる複数の溝を千鳥状に形成し、最終的に切断部Y、Zにて分割することで複数個のアクチュエータ基板100を得る。ここで、噴射チャンネル113と非噴射チャンネル115の両溝とも、突っ切りの形状でなく、インク噴射装置になったときに必要な長さの約2倍の長さで、溝長さ方向(図中左右方向)の両端にそれぞれ閉塞部120、111を有している。閉塞部120と閉塞部111とは、溝の長さ方向において、インク噴射装置になったときのアクチュエータ基板100の幅(Y−Z間長さ)だけずらして配置し、それぞれの中心Y、Zを切断している。
【0029】
このようにして得られたアクチュエータ基板100は、メッキ等の手法により図3(b)に示すように、全表面に導電性の金属化層が形成される。
【0030】
つづいて、不必要な部位の前記金属化層を除去する。平面研削装置等により上部端面100cの金属化層を除去し、各チャンネル内の金属化層を電極119、駆動電極121として独立させる。非噴射チャンネル115内で対向して隣接する駆動電極121間を電気的に絶縁状態にするために、ダイヤモンドブレード、レーザー等の切削加工により、非噴射チャンネル内底部125の金属化層を非噴射チャンネルの長手方向に除去する。さらに該非噴射チャンネル内底部125と連続するように前部端面100a上の金属化層を除去する分割溝124を形成する。その結果、該前部端面100a上に残る金属化層が、噴射チャンネル113両外側の2つの駆動電極121と接続した連結駆動電極122となる。
【0031】
また、アクチュエータ基板後部端面100bの金属化層は、連結共通電極123として残される。連結共通電極123は、前部端面100aに形成されている電極126に、側部端面100eまたは底面100dの金属化層を介して接続している。底面100dの金属化層は平面研削加工等により完全に除去してもよいが、残す場合、該金属化層と連結共通電極123との間は、金属化層が除去され、電気的に絶縁状態にされる。
【0032】
以上の工程により、全ての噴射チャンネル113内の電極119は、非噴射チャンネル閉塞部111の後部端面100bに形成された連結共通電極123を介して、相互に電気的に導通している。同一の非噴射チャンネル115内で対向して隣接する2つの駆動電極121間は、電気的に絶縁されており、噴射チャンネル113を挟んで隣接する2つの駆動電極121は、閉塞部120の前部端面100aに形成された連結駆動電極122にそれぞれ電気的に導通している。
【0033】
上述のように製造されたアクチュエータ基板100に対して、図1に示すように上部端面100cに、ノズル118を有するカバー兼ノズルプレート140を、該ノズル118と噴射チャンネル113とが連通するように接合する。次に、マニホールド流路133を有するマニホール132を前記アクチュエータ基板100の後部端面100bに、該マニホールド流路133と、噴射チャンネル113とが連通するように接合する。
【0034】
続いて、電極パターン131を形成したFPC130を、前記アクチュエータ基板100の前部端面100aに、連結駆動電極122および電極126と電極パターン131とが電気的に導通するように接合することで、インク噴射装置10となる。この電極パターン131は、他端で図示しない制御回路と電気的に接続される。
【0035】
以上詳述したように、本実施の形態のインク噴射装置10では、非噴射チャンネル閉塞部111がマニホールド流路133から非噴射チャンネル115へのインクの浸入を防ぐと同時に、その非噴射チャンネル閉塞部111の後部端面100bに形成された連結共通電極123が、全ての噴射チャンネル内電極119間を電気的に接続する役割をしている。また、閉塞部120が噴射チャンネル113からのインクの漏出を防ぐと同時に、その閉塞部120の前部端面100aに形成された連結駆動電極123が、噴射チャンネル113を挟んで隣接する駆動電極121と電気的に接続し、かつFPC130の電極パターン131との接続部としての役割をしている。このため、従来のような余分な溝加工などを必要とせずに電極を引き回すことができ、簡単に制御部との電気接続ができるようになった。また、ノズルプレートとカバープレートが別部品でなく1つの部品として構成されているので、部品点数が減り、部品コスト、工程コストがさらに低減されている。
【0036】
なお、本発明の実施例では、FPC130をアクチュエータ基板100の前部端面100aに接合したが、アクチュエータ基板100の底面100dにて接合してもよい。この場合には、連結駆動電極122に電気的に接続する電極をそのままアクチュエータ基板100の底面100dに形成しておけばよいので、予めメッキ法等により形成しておいた金属化層を、ダイヤモンドブレード、レーザー等の切削加工により、分割して必要な電極パターン配置にすればよい。また、本実施の形態では、側壁117の高さ方向全体に電極119,121を形成したが、材料101,102の一方のみを圧電材料にした場合にはその圧電材料の部分のみに電極を形成するようにしてもよい。さらに、アクチュエータ基板100を1つの圧電材料で形成して、側壁117の上または下半分のみに電極を形成するようにしてもよい。連結駆動電極122は、アクチュエータ基板100に不要な部分のみマスク処理して導電性金属を蒸着等により形成するようにしてもよい。
【0037】
図4は本発明を具体化した別の実施の形態を示すもので、カバー兼ノズルプレート140Aが2個分の大きさに形成されて、2個のアクチュエータ基板100がその前部端面を向かい合わせるように、カバー兼ノズルプレート140Aにそえぞれ接合されている。マニホールド部材132は2個のアクチュエータ基板100の後部端面にそれぞれ接合されている。アクチュエータ基板100、FPC130およびマニホールド部材132の構造は、前記実施の形態と同様である。この場合、2列のノズル118の位置関係を高精度に設定することができる。また、記録密度を高めるためにノズル118は2列の千鳥状に配置されることが好ましい。
【0038】
図5はさらに別の実施の形態を示すもので、FPC130が廃止され、カバー兼ノズルプレート140Bに電極パターン131が設けられる。
【0039】
詳細に説明すると、連結駆動電極122Bは噴射チャンネル113の閉塞部120の上面に形成され、連結共通電極123Bは非噴射チャンネル115の閉塞部111の上面に形成されている。アクチュエータ基板100の前部および後部端面100a,100bには導電性の金属化層は存在しない。カバー兼ノズルプレート140Bには、連結駆動電極122Bに対応して個々の電極パターン131B−1、複数の連結共通電極123Bに対応して1つの連続した電極パターン131B−2がそれぞれ形成され、カバー兼ノズルプレート140Bをアクチュエータ基板100上に接合したとき、それらが相互に電気的に接続される。電極パターン131Bの端部は、図示しない制御回路に接続される。
【0040】
このアクチュエータ基板100の製造方法は、図3(a)に示すように噴射チャンネル119および非噴射チャンネル115となる溝を形成した後、Y,Zで切断する前に、アクチュエータ基板にメッキ等により導電性の金属化層を形成する。その後、Y,Zで切断することで、前部および後部端面100a,100bに金属化層のないアクチュエータ基板100を得ることができる。そして、アクチュエータ基板100の上面100cにおいて、連結駆動電極122B、連結共通電極123Bを残しながら該上面100cの金属化層を除去することで、アクチュエータ基板が完成する。
【0041】
この実施の形態では、カバー兼ノズルプレート140B上に制御回路を一体に配置するようにしてもよい。また、カバー兼ノズルプレート140Bは、前記FPCと同様なフレキシブルな材料を用いることもできる。
【0042】
図6,7はさらに別の実施の形態を示すものである。アクチュエータ基板100Cには、チャンネル113,115のなす列が2列一体に設けられる。詳細に説明すると、図7にアクチュエータ基板の一部平面を示すように、一方の列の噴射チャンネル113と他方の列の非噴射チャンネル115とが対応するように配置されている。このため、噴射チャンネル閉塞部120Cは、他方の列の非噴射チャンネル115の一方の端部も閉塞していることになり、該非噴射チャンネル115の他方の端部は、前述の実施の形態と同様にアクチュエータ基板の端部において閉塞部111Cによって閉塞されている。
【0043】
そして、噴射チャンネル113と非噴射チャンネル115内には前述の実施の形態と同様に電極119、駆動電極121,121が形成されている。噴射チャンネル閉塞部120Cの上面には、噴射チャンネル113を挟む両非噴射チャンネル115,115の該噴射チャンネル側駆動電極121,121に接続した連結駆動電極122Cが形成され、また、非噴射チャンネル閉塞部111Cの上面には、隣接する噴射チャンネル113内の電極119に接続した連結共通電極123Cが形成されている。
【0044】
カバー兼ノズルプレート140Cには、2列の噴射チャンネル113に対応してノズル118が2列形成され、また、連結共通電極123Cおよび連結駆動電極122Cに対応して、図示しないが図5と同様の電極パターン131Bが2組形成されている。
【0045】
マニホールド部材132Cは、アクチュエータ基板100Cの底面から両端部に沿ってアクチュエータ基板100Cを囲むようにコ字状をなし、2つの列の噴射チャンネル113に同時にインクを供給するようにしている。マニホールド流路133の上端は、カバー兼ノズルプレート140Cによって閉塞されている。
【0046】
この実施の形態では、2個分のアクチュエータ基板、カバー兼ノズルプレートおよびマニホールド部材がそれぞれ一体に構成され、いっそう部品点数を減らすことができる。
【0047】
なお各実施の形態において、FPC130またはノズルプレート140上の電極パターン131,131Bの、アクチュエータ基板に接合される端部が、連結駆動電極122,122B,122Cと同じかわずか大きい幅を有していれば、アクチュエータ基板側の連結駆動電極122を廃止し、電極パターン131,131Bの端部を2つの駆動電極121に直接接続することができる。同様に、連結共通電極123B、123Cも廃止し、電極119を電極パターンに直接接続することもできる。
【0048】
【発明の効果】
上述したように、本発明のインク噴射装置によれば、非噴射チャンネル閉塞部が非噴射チャンネルへのマニホールド部材からのインクの浸入を防ぐと同時に、その非噴射チャンネル閉塞部の一部に形成された連結共通電極が、全ての噴射チャンネル内電極間を電気的に接続する役割をしている。また、噴射チャンネル閉塞部が噴射チャンネルからのインクの漏出を防ぐと同時に、その閉塞部の一部に形成された連結駆動電極が、噴射チャンネルを挟んで隣接する駆動電極と電気的に接続し、かつFPCなど配線部材との接続部としての役割をしている。このため、簡単に制御回路との電気接続ができるようになった。
【0049】
また、上記のように、噴射チャンネルと非噴射チャンネルの一端および他端を閉塞し、噴射チャンネルと対応するノズルを有するノズルプレートを噴射および非噴射チャンネルを覆って設け、噴射チャンネルにインクを供給するマニホールド部材をアクチュエータ基板に接続した構成であるから、部品点数が減り、製造コストを低減することができる。また、1枚のノズルプレートに形成されることで、2列のノズルの位置関係を高精度に設定することができ、ノズルが2列の千鳥状に配置されることで記録密度を高めることができる。マニホールド部材はアクチュエータ基板を囲むようにノズルプレートに接合されて、アクチュエータ基板の2つの他端に連通するマニホールド流路を形成しているので、2つの列の噴射チャンネルに同時にインクを供給する。さらに、2個分のアクチュエータ基板、ノズルプレートおよびマニホールド部材がそれぞれ一体に構成され、いっそう部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインク噴射装置の分解斜視図である。
【図2】図1のインク噴射装置の動作を説明する断面図である。
【図3】図1のインク噴射装置の製造工程示す図である。
【図4】本発明の別の実施の形態のインク噴射装置を示す断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態のインク噴射装置の分解斜視図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態のインク噴射装置の断面図である。
【図7】図6のインク噴射装置のアクチュエータ基板の一部平面図である。
【符号の説明】
10 インク噴射装置
100 アクチュエータ基板
118 ノズル
113 噴射チャンネル
115 非噴射チャンネル
117 側壁
111 非噴射チャンネル閉塞部
119 電極
120 噴射チャンネル閉鎖部
121 駆動電極
122 連結駆動電極
123 連結共通電極
132 マニホールド部材
140 カバー兼ノズルプレート
Claims (1)
- 分極された圧電材料で少なくとも一部が構成された側壁と、前記側壁によって相互に隔てられたインクを噴射する複数の噴射チャンネル及び噴射チャンネルの両側に設けられインクを噴射しない複数の非噴射チャンネルとが、配列して形成されたアクチュエータ基板と、前記噴射チャンネルを挟んで隣接する2つの前記非噴射チャンネルの内面に形成された駆動電極と、前記複数の噴射チャンネルの内面に形成された共通電極と、前記噴射チャンネルとそれぞれ対応した複数のノズルが設けられたノズルプレートと、前記複数の噴射チャンネルにインクを供給するマニホールド部材とを備え、前記両電極をとおして前記側壁に電圧を印加することにより、前記側壁を変形させ前記噴射チャンネル内のインクに圧力を与えてそのインクを前記ノズルから噴射するインク噴射装置において、
前記アクチュエータ基板は、一体に構成された基板に、前記側壁の一端に連続して前記複数の噴射チャンネルの各一端を閉塞するように形成された噴射チャンネル閉塞部と、前記噴射チャンネル閉塞部の一部の表面に形成され前記駆動電極を電気的に接続する電極であって、同一の前記非噴射チャンネル内において、それぞれ電気的に絶縁されて隔てられ、且つ前記噴射チャンネルを挟んで隣接する2つの前記駆動電極同士を接続する連結駆動電極と、前記側壁の他端に連続して前記複数の非噴射チャンネルの各他端を閉塞するように形成された非噴射チャンネル閉塞部と、前記非噴射チャンネル閉塞部の一部の表面に形成され前記共通電極同士を電気的に接続する連結共通電極と、前記噴射及び非噴射チャンネルからなる2列のチャンネル列を有し、前記チャンネル列間で前記噴射チャンネル閉塞部が対応する前記非噴射チャンネルの一方の端部を閉塞するように、一方の前記チャンネル列の前記噴射チャンネルが、他方の前記チャンネル列の前期非噴射チャンネルと対応して配置され、
前記ノズルプレートは、前記複数のノズルが2列の千鳥状に配列して形成され、各ノズル列に対して前記チャンネル列がそれぞれ対応するように前記噴射及び非噴射チャンネルの長手方向側面を覆うとともに、前記噴射チャンネル閉塞部の上面の前記連結駆動電極に対応して個々の電極パターン及び前記非噴射チャンネル閉塞部の上面の前記連結共通電極に対応して1つの電極パターンが形成され、当該ノズルプレートが前記噴射及び非噴射チャンネルを覆うことで、前記個々の電極パターンがそれぞれ対応する前記連結駆動電極と電気的に接続され、前記1つの電極パターンが対応する前記連結共通電極と電気的に接続されおり、
前記マニホールド部材は、前記アクチュエータ基板を囲むように前記ノズルプレートに接合されて、前記アクチュエータ基板の2つの前記他端に同時にインクを供給するマニホールド流路を形成していることを特徴とするインク噴射装置。
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