JP2013199040A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の液体流路の流通過程における圧力損失に起因する液体噴射時のボリューム差による画質への影響を低減することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置の提供。
【解決手段】第1ノズル列に連通する複数の第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対して第1の流れF1で液体を供給する第1流路31、及び、第1流路31と接続されると共に液体の流出口43aが設けられ、第1ノズル列に並設された第2ノズル列に連通する複数の第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対して第1の流れF1と逆向きの第2の流れF2で第1流路31を流通した液体を供給する第2流路32、を備える液体流路30、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置に関するものである。
液体噴射記録装置として、被記録媒体等にインクや機能液等を噴射して文字や図形等の所定のパターンを記録するインクジェット方式の記録装置が知られている。この方式は、例えば、インクや機能液等の液体を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドに供給し、そのヘッドチップに設けられた液体噴射チャネルに液体を充填させる。そして、電圧の印加により液体噴射チャネルを変形させ、それによる容量の変化によって、充填された液体を連通するノズルから噴射するよう構成されている。
下記特許文献1に開示されているインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給系について、インクジェットヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させる循環系を採用している。インクジェットヘッドは、ノズル列に沿って延在する共通インク室を有し、この共通インク室の一端側にインク供給流路が接続され、この共通インク室の他端側にインク排出流路が接続されている。インク供給流路及びインク排出流路は、インクタンクに接続されている。
この構成によれば、インク供給流路から供給されたインクは、共通インク室を一端側から他端側に流通した後、インク排出流路に導入される。インク排出流路に導入されたインクは、インクタンクに戻り、インクタンクに接続されたインク供給流路から再び共通インク室に供給される。したがって、インクジェットヘッド内のインクをフレッシュなインクで置換することができ、インクジェットヘッド内の気泡や成分が沈殿したインクをノズルから吸引して廃棄するためのインク量を低減できる効果がある。
特開2006−256022号公報
ところで、上記のようなインクの流入口と流出口を有する液体流路を用いたインク循環系のインクジェットヘッドにおいては、ヘッド内の圧力損失によって、流入口側と流出口側に圧力差が生まれる。そうすると、流入口に近いノズルと流出口に近いノズルとの間にはインク噴射時にボリューム差が生じ、ノズル順にインクボリュームが漸次低減するため、ノズル列方向に濃淡グラデーションが現れ、画質に影響を与える問題がある。
特に、インクジェットヘッドがノズル列の延在方向に複数並んで配置されている場合、流出口に近くインクボリュームが小さいノズルと、流入口に近くインクボリュームが大きいノズルとが隣り合って配置されることとなる。そうすると、両ノズル間で濃淡のコントラストが際立ってしまい、そのコントラストがインクジェットヘッドの間にスジのように現れ、画質に影響を与える問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液体の液体流路の流通過程における圧力損失に起因する液体噴射時のボリューム差による画質への影響を低減することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、第1ノズル列に連通する複数の第1液体噴射チャネルを有する第1アクチュエータープレートと、前記第1アクチュエータープレートと積層して設けられ、前記第1ノズル列に並設された第2ノズル列に連通する複数の第2液体噴射チャネルを有する第2アクチュエータープレートと、液体の流入口が設けられ、前記第1液体噴射チャネルのそれぞれに対して第1の流れで前記液体を供給する第1流路、及び、前記第1流路と接続されると共に前記液体の流出口が設けられ、前記第2液体噴射チャネルのそれぞれに対して前記第1の流れと逆向きの第2の流れで前記第1流路を流通した前記液体を供給する第2流路、を備える液体流路と、を有するヘッドチップを採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、液体が液体流路を流通する過程における圧力損失による生じた圧力差によって、第1アクチュエータープレートの複数の第1液体噴射チャネルにおいても端から端でボリューム差が生じ、さらに、第2アクチュエータープレートの複数の第2液体噴射チャネルにおいても端から端でボリューム差が生じるが、第1液体噴射チャネルのそれぞれに対して液体を供給する第1の流れと、第2液体噴射チャネルのそれぞれに対して液体を供給する第2の流れは、互いに逆向きとなる。そうすると、第1液体噴射チャネルに対する液体供給の順序(圧力低下順)と、第2液体噴射チャネルに対する液体供給の順序(圧力低下順)が、互いに逆になり、それらが積層して設けられているので、第1ノズル列と第2ノズル列とから近接した位置に着弾する液体ボリュームは、例えば「大、小」の組や、「中、中」の組等といったように、ボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。したがって、ノズル順に液体ボリュームが漸次低減することによる濃淡グラデーションの発生を抑制することができる。また、チップ形状も流路もシンプルな構造となり、構造を安価にできる。
また、本発明においては、前記第1流路及び前記第2流路は、所定方向に延在し、並設されており、前記液体流路は、前記所定方向の一端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する接続路と、前記所定方向の他端側において前記第1流路と前記第2流路とを非接続とする仕切りと、を有し、前記流入口及び前記流出口は、前記所定方向の他端側に設けられている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、流入口から流入した液体が第1流路を流通した後、接続路により折り返して、逆向きの流れとなって第2流路を流通し、流出口から流出する。このため、圧力損失によって、折り返し位置の所定方向一端側において第1ノズル列及び第2ノズル列から噴射される液体ボリュームは「中、中」の組となり、流入口及び流出口が設けられた所定方向他端側において第1ノズル列及び第2ノズル列から噴射される液体ボリュームは「大、小」の組となる。このため、ボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。
また、本発明においては、前記接続路は、前記第1アクチュエータープレート及び前記第2アクチュエータープレートに開口する貫通孔である、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、第1アクチュエータープレート側を流通した液体が、貫通孔を介して第2アクチュエータープレート側に回り込むことができる。
また、本発明においては、前記第1流路及び前記第2流路は、所定方向に延在し、並設されており、前記液体流路は、前記所定方向の一端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する第1接続路と、前記所定方向の他端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する第2接続路と、を有し、前記流入口及び前記流出口は、前記所定方向の一端側と他端側との間の中間位置に設けられている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、中間位置に設けられた流入口から流入した液体が所定方向両側へ向かう外向き流れとなって第1流路を流通した後、第1接続路及び第2接続路によりそれぞれ折り返して、中間位置に設けられた流出口に向かう内向きの流れとなって第2流路を流通し、流出口から流出する。このため、圧力損失によって、折り返し位置の所定方向一端側及び他端側において第1ノズル列及び第2ノズル列から噴射される液体ボリュームは「中、中」の組となり、流入口及び流出口が設けられた所定方向の中間位置において第1ノズル列及び第2ノズル列から噴射される液体ボリュームは「大、小」の組となる。このため、ボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。
また、本発明においては、前記第1接続路及び前記第2接続路は、前記第1アクチュエータープレート及び前記第2アクチュエータープレートにそれぞれ開口する貫通孔である、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、第1アクチュエータープレート側を流通した液体が、それぞれの貫通孔を介して第2アクチュエータープレート側に回り込むことができる。
また、本発明においては、前記第1液体噴射チャネル及び前記第2液体噴射チャネルの少なくともいずれか一方の、少なくとも一部を覆うカバープレートを有し、前記カバープレートは、前記液体流路の少なくとも一部を形成する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、カバープレートを用いて、液体流路の少なくとも一部を形成するので、製造コストを低減することができる。
また、本発明においては、先に記載のヘッドチップを有する、液体噴射ヘッドを採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、濃淡グラデーションの発生を抑制することができる液体噴射ヘッドが得られる。
また、本発明においては、前記液体流路の少なくとも一部を形成する溝部を備える流路部材を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、流路部材の溝部によって、液体流路の流路面積を大きく調整できるため、液体流路における液体の流通性を確保することができる。
また、本発明においては、先に記載の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給部と、前記液体噴射ヘッドと対向する位置を通過するように被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送部と、を有する、液体噴射記録装置を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、濃淡グラデーションの発生を抑制することができ、被記録媒体に対して高画質のパターンを記録することができる液体噴射記録装置が得られる。
また、本発明においては、前記液体噴射ヘッドが、前記ヘッドチップのノズル列の延在方向に複数並んで配置されている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、隣り合う液体噴射ヘッドの両ノズル間で濃淡のコントラストが際立つことがなくなるため、被記録媒体に対してスジの発生を抑制した高画質のパターンを記録することができる。
したがって、本発明によれば、液体の液体流路の流通過程における圧力損失に起因する液体噴射時のボリューム差による画質への影響を低減することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置が得られる。
本発明の実施形態における液体噴射記録装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドおよびインク供給手段を含むインクシステムを示す構成図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの横断面図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの縦断面図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの斜視図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの正面図である。 本発明の実施形態における被記録媒体に対する印字結果を示す概念図である。 本発明の第2実施形態における液体噴射ヘッドの横断面図である。 本発明の第2実施形態における液体噴射ヘッドの縦断面図である。 本発明の第2実施形態における被記録媒体に対する印字結果を示す概念図である。 本発明の第3実施形態における液体噴射ヘッドの縦断面図である。 本発明の第3実施形態における液体噴射ヘッドの流入口及び流入口の配置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、液体として、インクを噴射するヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を例示する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態における液体噴射記録装置1を示す斜視図である。
図1に示すように、液体噴射記録装置1は、紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段(被記録媒体搬送部)2,3と、被記録媒体Sにインクを噴射する液体噴射ヘッド4と、液体噴射ヘッド4にインクを供給するインク供給手段(液体供給部)5と、液体噴射ヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(以下、Y方向と記す。)と略直交する方向(以下、X方向と記す。)に走査させる走査手段6と、を備えている。
一対の搬送手段2,3は、それぞれX方向に延設されたグリッドローラ2a,3aと、グリッドローラ2a,3aに平行して延設されたピンチローラ2b,3bと、グリッドローラ2a,3bを軸回転させるモータ等の図示せぬ駆動機構と、を備えている。
インク供給手段5は、インクが収容されたインクタンク50と、インクタンク50と液体噴射ヘッド4とを接続するインク配管51と、を備えている。インクタンク50は、複数備えられており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクのインクタンク50Y,50M、50C,50BがY方向に並べて設けられている。インク配管51は、液体噴射ヘッド4(キャリッジ62)の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
走査手段6は、X方向に延設された一対のガイドレール60,61と、一対のガイドレール60,61に沿って摺動可能なキャリッジ62と、キャリッジ62をX方向に移動させる駆動機構63と、を備えている。駆動機構63は、一対のガイドレール60,61の間に配設された一対のプーリ64,65と、一対のプーリ64,65間に巻回された無端ベルト66と、一方のプーリ64を回転駆動させる駆動モータ67と、を備えている。
一対のプーリ64,65は、一対のガイドレール60,61の両端部間にそれぞれ配設されており、X方向に間隔をあけて配置されている。無端ベルト66は一対のガイドレール60,61間に配設されており、この無端ベルトにはキャリッジ62が連結されている。キャリッジ62には複数の液体噴射ヘッド4が搭載されており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクの液体噴射ヘッド4Y,4M,4C,4BがX方向に並べて搭載されている。
図2は、本発明の実施形態における液体噴射ヘッド4およびインク供給手段5を含むインクシステムを示す構成図である。
図2に示すように、液体噴射記録装置1は、液体噴射ヘッド4にインクを供給するインク供給手段5について、液体噴射ヘッド4とインクタンク50との間でインクを循環させる循環系を採用している。液体噴射ヘッド4とインクタンク50との間を接続するインク配管51は、インク供給配管51Aと、インク回収配管51Bと、を含んで構成されている。
インク供給手段5は、ポンプ52A,52Bと、圧力センサ53A,53Bと、コントローラ54と、を有する。ポンプ52Aは、インク供給配管51Aに設けられ、インクタンク50のインクを液体噴射ヘッド4に向けて圧送する構成となっている。また、ポンプ52Bは、インク回収配管51Bに設けられ、液体噴射ヘッド4のインクをインクタンク50に向けて圧送(回収)する構成となっている。
圧力センサ53Aは、インク供給配管51Aに設けられ、液体噴射ヘッド4に流入する直前のインク圧力を計測し、当該計測結果をコントローラ54に出力する構成となっている。また、圧力センサ53Bは、インク回収配管51Bに設けられ、液体噴射ヘッド4から流出した直後のインク圧力を計測し、当該計測結果をコントローラ54に出力する構成となっている。
コントローラ54は、圧力センサ53A,53Bの計測結果からポンプ52A,52Bの駆動を制御することで、循環系内のインク圧力を調整可能な構成となっている。コントローラ54は、例えば、圧力センサ53Aの計測結果と、圧力センサ53Bの計測結果とが同一となるように、ポンプ52A,52Bの駆動をそれぞれ制御することで、循環系内で圧力センサ53A,53Bに挟まれた液体噴射ヘッド4におけるインク圧力を略一定に維持・調整することができる。
液体噴射ヘッド4は、流路部材42,43が接続されたヘッドチップ41と、ベースプレート44と、配線基板45と、を備えている。
液体噴射ヘッド4は、図1に示すキャリッジ62の基台62aにネジ等で固定されている。ヘッドチップ41の一面側には、流路部材42が取り付けられている。また、ヘッドチップ41の他面側には、流路部材43が取り付けられている。
流路部材42,43の内部には、インクを流通させるための液体流路30(図2において不図示、後述する図4及び図5参照)が形成されている。流路部材42には、インク供給配管51Aと連通する流入口42aが形成されている。また、流路部材43には、インク回収配管51Bと連通する流出口43aが形成されている。
ベースプレート44は、略垂直に立設されており、このベースプレート44の表面には配線基板45が取り付けられている。配線基板45には、ヘッドチップ41を制御する図示せぬ制御回路が設けられている。配線基板45とヘッドチップ41との間は、フレキシブル基板46によって電気的に接続されている。
図3は、本発明の実施形態における液体噴射ヘッド4の分解斜視図である。図4は、本発明の実施形態における液体噴射ヘッド4の横断面図である。図5は、本発明の実施形態における液体噴射ヘッド4の縦断面図である。図6は、本発明の実施形態におけるヘッドチップ41の斜視図である。図7は、本発明の実施形態におけるヘッドチップ41の正面図である。なお、図4に示す矢視A−A断面は、図5に対応する。図5に示す矢視B−B断面は、図4に対応する。
図3に示すように、液体噴射ヘッド4は、ヘッドチップ41を有する。ヘッドチップ41には、ノズルプレート10が設けられている。
ノズルプレート10には、図1に示す被記録媒体Sに向けてインク滴を噴射するノズル孔11が複数設けられている。ノズルプレート10は、図3に示すように、複数のノズル孔11によって形成される第1ノズル列12Aと第2ノズル列12Bとを有する。第1ノズル列12A及び第2ノズル列12Bは、所定方向(Y方向)に延在し、並設されている。本実施形態では、解像度(dpi)を向上させるため、第1ノズル列12Aに対し第2ノズル列12Bが、半ピッチ分だけY方向に変位している。このため、ノズル孔11は、千鳥状に配置されている。本実施形態の解像度は、第1ノズル列12Aで90dpi、第2ノズル列12Bで90dpi、トータルで180dpiとなる。なお、本実施形態では、ノズル孔11を千鳥状に配置したが、使用目的に合わせて同一位置に配置してもよい。
ヘッドチップ41は、第1アクチュエータープレート13Aを有する。第1アクチュエータープレート13Aは、第1ノズル列12Aに連通する複数の第1液体噴射チャネル13A1を有する。第1液体噴射チャネル13A1は、第1ノズル列12Aのノズル孔11と一対一で対応して設けられ、対応するノズル孔11と連通しており、いわゆるスリーサイクルタイプとなっている。なお、第1ノズル列12A及び第2ノズル列12Bは、それぞれY方向に一直線である必要はない。例えば、第1ノズル列12Aの単列においてX方向に隣り合うノズル孔11がずれて配置していても構わない。
第1アクチュエータープレート13Aは、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなる矩形プレートである。第1アクチュエータープレート13Aの一面側には、第1アクチュエータープレート13Aの短手方向(以下、Z方向と記す。)に延びる断面視矩形の凹溝状の第1液体噴射チャネル13A1が形成されている。第1液体噴射チャネル13A1は、第1アクチュエータープレート13Aの長手方向(Y方向)に所定間隔をあけて複数配列されている。
第1液体噴射チャネル13A1の先端部は、第1アクチュエータープレート13Aの端面まで延在されており、その先はノズルプレート10によって閉塞されている。第1液体噴射チャネル13A1の基端部(ノズル孔11側の反対側の端部)の底面は傾斜されており、基端側に向かうに従い漸次浅くなっている。
第1液体噴射チャネル13A1には、不図示の電極が設けられている。この電極は、Z方向に延びる帯状の電極であり、第1液体噴射チャネル13A1の側面の上部に蒸着されている。この電極は、フレキシブル基板46を介して電圧が印加されることで、厚みすべり変形によって第1液体噴射チャネル13A1の容量を変化させ、第1液体噴射チャネル13A1に充填されたインクを噴射させる構成となっている。すなわち、圧電材料からなるプレートの一面側に矩形溝(第1液体噴射チャネル13A1)を所定ピッチで複数並列に形成することにより、第1アクチュエータープレート13Aが形成される。
ヘッドチップ41は、第2アクチュエータープレート13Bを有する。第2アクチュエータープレート13Bは、第2ノズル列12Bに連通する複数の第2液体噴射チャネル13B1を有する。第2液体噴射チャネル13B1は、第2ノズル列12Bのノズル孔11と一対一で対応して設けられ、対応するノズル孔11と連通しており、いわゆるスリーサイクルタイプとなっている。なお、第2アクチュエータープレート13Bの基本構成は、第1アクチュエータープレート13Aと同様であるため詳細な説明は割愛するが、圧電材料からなるプレートの一面側に矩形溝(第2液体噴射チャネル13B1)を所定ピッチで複数並列に形成することにより、第2アクチュエータープレート13Bが形成される。
第2アクチュエータープレート13Bは、第1アクチュエータープレート13Aと積層して設けられている。本実施形態の第2アクチュエータープレート13Bは、第1アクチュエータープレート13Aと背面合せで設けられている。本実施形態の第2アクチュエータープレート13Bは、第2液体噴射チャネル13B1が第1液体噴射チャネル13A1と半ピッチ分だけY方向に変位しするように接合されている。このため、第1液体噴射チャネル13A1及び第2液体噴射チャネル13B1は、ノズル孔11に対応して千鳥状に配置されている。
ヘッドチップ41は、カバープレート14,15を有する。カバープレート14は、第1アクチュエータープレート13Aに重ね合わせられた矩形プレートであり、第1液体噴射チャネル13A1の少なくとも一部を覆うように配設されている。カバープレート14には、カバープレート14の長手方向(Y方向)に延びた平面視矩形穴のインク室8が形成されている。インク室8は、図5に示すように、第1液体噴射チャネル13A1の基端側と連通している。また、インク室8は、第1液体噴射チャネル13A1の端から端までカバーできる長さで延在している。カバープレート14の一面側(第1アクチュエータープレート13Aと反対側の面)には、流路部材42が接合されて重ね合わせられており、インク室8は、流路部材42の溝部22に連通している。
カバープレート15は、第2アクチュエータープレート13Bに重ね合わせられた矩形プレートであり、第2液体噴射チャネル13B1の少なくとも一部を覆うように配設されている。カバープレート15には、カバープレート15の長手方向(Y方向)に延びた平面視矩形穴のインク室9が形成されている。インク室9は、図5に示すように、第2液体噴射チャネル13B1の基端側と連通している。また、インク室9は、第2液体噴射チャネル13B1の端から端までカバーできる長さで延在している。カバープレート15の一面側(第2アクチュエータープレート13Bと反対側の面)には、図2に示す流路部材43が接合されて重ね合わせられており、インク室9は、流路部材43の溝部23に連通している。
ヘッドチップ41は、液体流路30を有する。液体流路30は、図4及び図5に示すように、第1流路31と、第1流路31に接続された第2流路32と、を有する。本実施形態の第1流路31は、カバープレート14のインク室8と、流路部材42の溝部22とによって形成されている。また、本実施形態の第2流路32は、カバープレート15のインク室9と、流路部材42の溝部23とによって形成されている。なお、流路部材42は、図5に示すように、インクに含まれる気泡等をヘッドチップ41内に入れないようにするため流入口42aに設けられたフィルター部材42cを有する。
図5に示すように、第1流路31には、インク供給配管51Aと接続されてインクが流入してくる流入口42aが設けられている。一方、第2流路32には、インク回収配管51Bと接続されてインクが流出していく流出口43aが設けられている。このため、インク供給配管51Aから供給されたインクは、ヘッドチップ41内において、流入口42aから第1流路31に流入し、第1流路31と第2流路32とを流通した後、流出口43aからインク回収配管51Bに回収される一方向の循環流れを形成することとなる。
図4に示すように、第1流路31は、第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対して第1の流れF1で液体を供給する。一方、第2流路32は、第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対して第1の流れF1と逆向きの第2の流れF2で第1流路31を流通した液体を供給する。本実施形態では、第1流路31及び第2流路32は、所定方向(Y方向)に延在し、並設されている。なお、所定方向とは、第1ノズル列12A,第2ノズル列12Bの延在方向に対応し、また、第1液体噴射チャネル13A1,第2液体噴射チャネル13B1の一つ一つが延在する方向(Z方向)と直交する方向(チャネル並設方向)に対応する。
液体流路30は、所定方向の一端側30Aにおいて第1流路31と第2流路32とを接続する接続路33と、所定方向の他端側30Bにおいて第1流路31と第2流路32とを非接続とする仕切り34と、を有する。
接続路33は、図6及び図7に示すように、矩形開口形状を有し、一端側30Aにおいて、背面合わせの第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bを厚み方向で貫通して形成されている貫通孔である。仕切り34は、他端側30Bにおいて、第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13B自体によって形成されている。
なお、第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bは背中合わせにせずに、積層することも可能である。その場合の積層の順番は、例えば上から流路部材42、カバープレート14、第1アクチュエータープレート13A、流路部材43、カバープレート15及び第2アクチュエータープレート13Bという順に積層することが可能である。また、「積層する」という本件における定義は、第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bとを直接貼り合わせる場合だけでなく、カバープレートなどを介して第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bとを積層する場合も含むものとする。
図4に示すように、流入口42a及び流出口43aは、他端側30Bに設けられている。流入口42aは、他端側30Bにおける、第1アクチュエータープレート13Aの端部に対応する位置(少なくとも複数の第1液体噴射チャネル13A1の上流側)に設けられている。また、流出口43aは、他端側30Bにおける、第2アクチュエータープレート13Bの端部に対応する位置(少なくとも複数の第2液体噴射チャネル13B1の下流側)に設けられている。
液体流路30においては、貼り合された一方の第1アクチュエータープレート13A側の端部には流入口42aが配置され、貼り合わされた他方の第2アクチュエータープレート13B側の端部には仕切り34を隔てて流入口42aの裏側に流出口43aが配置される。また、第1流路31においては流入口42aから最も離れた位置において、第2流路32においては流出口43aから最も離れた位置において、第1流路31と第2流路32とが接続路33によって連通している。
このため、液体流路30においては、流入口42aから流入したインクは第1アクチュエータープレート13A側で第1流路31を流通した後、第1アクチュエータープレート13Aの反対側の端部で、第2アクチュエータープレート13B側に回り込む。第2アクチュエータープレート13B側は、第1アクチュエータープレート13A側から回り込んだインクを流出口43aまで導く第2流路32が形成されている。本実施形態の第1流路31においては、流入口42aから接続路33が設けられた一端側30Aに向かってインクが流通する第1の流れF1が形成される。また、本実施形態の第2流路32においては、接続路33から流出口43aが設けられた他端側30Bに向かってインクが流通する第1の流れF2が形成される。
続いて、上記構成の液体噴射記録装置1による印字動作について、図8を追加参照しつつ説明する。
図8は、本発明の実施形態における被記録媒体Sに対する印字結果を示す概念図である。
なお、図3及び図4に基づいて記載すると、ノズル孔11は千鳥配列となっている。そのため、第1ノズル列12A及び第2ノズル列12Bのノズル孔11に対応する図8のインク滴a,fの組、インク滴b,eの組、およびインク滴c,dの組は、厳密にはそれぞれ千鳥配置となっている。例えば、Y方向(図8の紙面左右方向)においてインク滴fがインク滴aとbの間に位置する。ただし、図8では簡略化のため、各インク滴をY方向にずらさずに、X方向に一致する配置として各インク滴を記載している。この簡略化については、後述する図11においても同様である。
図1に示すように、液体噴射記録装置1にセットされた被記録媒体Sは、搬送手段2によって、液体噴射ヘッド4の下方であって、液体噴射ヘッド4と対向する位置を通過するように搬送される。その搬送過程において、液体噴射ヘッド4から被記録媒体Sに向かってインクが噴射されると共に、走査手段6によって液体噴射ヘッド4が被記録媒体Sの搬送方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に往復移動する。これにより、被記録媒体Sの一面にインクが噴射される。
図2に示すように、この印字動作中、インク供給手段5によって液体噴射ヘッド4にインクが供給される。インク供給手段5は、液体噴射ヘッド4とインクタンク50との間でインクを循環させる。インクタンク50のインクは、ポンプ52Aによってインク供給配管51Aを通り、液体噴射ヘッド4に供給される。液体噴射ヘッド4の液体流路30を流通したインクは、ポンプ52Bによってインク回収配管51Bを通り、インクタンク50に回収される。
インク供給配管51Aの内部のインクの圧力は、圧力センサ53Aによって計測されている。また、インク回収配管51Bの内部のインクの圧力は、圧力センサ53Bによって計測されている。圧力センサ53A,53Bによって計測されたインクの圧力値は、コントローラ54に送られる。コントローラ54は、当該圧力値の差が所定の範囲内に収まるようにポンプ52A,52Bの駆動を制御する。
インク供給配管51Aから液体噴射ヘッド4に供給されたインクは、図5に示すように、フィルター部材42cを通過して、流入口42aから液体流路30に流入する。流入口42aから流入したインクは、図4に示すように、第1流路31を第1の流れF1で流通した後、接続路33により折り返して、逆向きの第2の流れF2となって第2流路32を流通し、流出口43aから流出する。インクは、第1流路31を流通する間に、第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対して供給される。また、インクは、第2流路32を流通する間に、第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対して供給される。
液体流路30においては、流通過程における不可避的な圧力損失によって、インクの圧力が低下し、流入口42a側と流出口43a側との間に圧力差が生まれる。このため、第1アクチュエータープレート13Aの複数の第1液体噴射チャネル13A1においても端から端でインク圧力差が生じ、さらに、第2アクチュエータープレート13Bの複数の第2液体噴射チャネル13B1においても端から端でインク圧力差が生じる。したがって、流入口42aから流出口43aに向かってノズル順にインクボリュームが漸次低減し、第1ノズル列12Aと第2ノズル列12Bのいずれにおいてもノズル列方向(Y方向)に濃淡グラデーションが現れる。
ここで、本実施形態では、第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対してインクを供給する第1の流れF1と第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対してインクを供給する第2の流れF2とは、互いに逆向きとなる。そうすると、第1液体噴射チャネル13A1に対するインク供給の順序(圧力低下順)と、第2液体噴射チャネル13B1に対するインク供給の順序(圧力低下順)が、互いに逆になり、それらが背面合せで設けられているので、第1ノズル列12Aと第2ノズル列12Bとから近接した位置に着弾するインクボリュームを均一化することができる。
具体的には、図8に示すように、第1ノズル列12Aの流入口42aに対し最も近接するノズル孔11から噴射されたインク滴a及び第2ノズル列12Bの流出口43aに対し最も近接するノズル孔11から噴射されたインク滴fのインクボリュームは、「大、小」の組となる。一方、第1ノズル列12Aの流入口42aに対し最も離間するノズル孔11から噴射されたインク滴c及び第2ノズル列12Bの流出口43aに対し最も離間するノズル孔11から噴射されたインク滴dのインクボリュームは、「中、中」の組となる。このように、近接した位置に着弾するインクボリュームの総量を見ると、流入口42a及び流出口43a近くのインク滴a,fの組と、折り返し位置近くのインク滴c,dの組とは略一定量となり、それらの組の間の組(例えば、インク滴b,eの組)においても同様に略一定量になる。
したがって、第1ノズル列12Aと第2ノズル列12Bとから近接した位置に着弾するインクボリュームは、例えば「大、小」の組や、「中、中」の組等といったように、ボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。したがって、ノズル順にインクボリュームが漸次低減することによる見た目の濃淡グラデーションの発生を抑制することができる。
このため、例えば、液体噴射ヘッド4が、ヘッドチップ41のノズル列の延在方向(Y方向)に複数並んで配置されている場合であっても、隣り合う液体噴射ヘッド4の両ノズル間では、濃淡のコントラストが際立つことがなくなるため、被記録媒体Sに対してスジの発生を抑制した高画質のパターンを記録することができる。
また、本実施形態においては、チップ形状も流路もシンプルな構造となるため、構造を安価にできる。さらに、本実施形態においては、第1液体噴射チャネル13A1及び第2液体噴射チャネル13B1の少なくとも一部を覆うカバープレート14,15を有し、カバープレート14,15が、液体流路30の少なくとも一部を形成するという構成を採用することによって、液体流路30の形成のための部品としてカバープレート14,15を利用することができるため、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態においては、カバープレート14,15と協働して液体流路30を形成する溝部22,23を備える流路部材42,43を有するという構成を採用することによって、液体流路30の流路面積を大きくできるため、液体流路30におけるインクの流通性を確保でき、また、圧力損失の度合いを低減させることができる。
したがって、上述の本実施形態によれば、第1ノズル列12Aに連通する複数の第1液体噴射チャネル13A1を有する第1アクチュエータープレート13Aと、第1アクチュエータープレート13Aと積層して設けられ、第1ノズル列12Aに並設された第2ノズル列12Bに連通する複数の第2液体噴射チャネル13B1を有する第2アクチュエータープレート13Bと、インクの流入口42aが設けられ、第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対して第1の流れF1でインクを供給する第1流路31、及び、第1流路31と接続されると共にインクの流出口43aが設けられ、第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対して第1の流れF1と逆向きの第2の流れF2で第1流路31を流通したインクを供給する第2流路32、を備える液体流路30と、を有する、という構成を採用することによって、インクの液体流路30の流通過程における圧力損失に起因するインク噴射時のボリューム差による画質への影響を低減することができる。
さらに、本実施形態のノズル孔11の解像度は、前述した180dpiという狭いピッチを実現しているため、厳密なノズル孔11の配列である千鳥配列においても、上述した本実施形態における効果は同様に期待される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、本発明の第2実施形態における液体噴射ヘッド4の横断面図である。図10は、本発明の第2実施形態における液体噴射ヘッド4の縦断面図である。なお、図9に示す矢視C−C断面は、図10に対応する。図10に示す矢視D−D断面は、図9に対応する。
図10に示すように、第2実施形態では、流路部材42,43が設けられておらず、カバープレート14,15によって液体流路30が形成されている点で、上記実施形態と異なる。カバープレート14には、流入口42aが形成され、インク供給配管51Aが接続される。また、カバープレート15には、流出口43aが形成され、インク回収配管51Bが接続される。この構成によれば、上記実施形態よりもシンプルな構造となるため、構造をより安価にできる。
また、図9に示すように、第2実施形態では、液体流路30が、所定方向の一端側30Aにおいて第1流路31と第2流路32とを接続する第1接続路33Aと、所定方向の他端側30Bにおいて第1流路31と第2流路32とを接続する第2接続路33Bと、を有し、流入口42a及び流出口43aが、一端側30Aと他端側30Bとの間の中間位置に設けられている点で、上記実施形態と異なる。
第1接続路33Aは、一端側30Aにおいて、背面合わせの第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bを厚み方向で貫通し、開口して形成されている貫通孔である。また、第2接続路33Bは、他端側30Bにおいて、背面合わせの第1アクチュエータープレート13A及び第2アクチュエータープレート13Bを厚み方向で貫通し、開口して形成されている貫通孔である。
液体流路30においては、貼り合された一方の第1アクチュエータープレート13A側の中間位置には流入口42aが配置され、貼り合わされた他方の第2アクチュエータープレート13B側の中間位置には流入口42aの裏側に流出口43aが配置される。また、第1流路31においては流入口42aから最も離れた位置において、第2流路32においては流出口43aから最も離れた位置において、第1流路31と第2流路32とが第1接続路33A及び第2接続路33Bによってそれぞれ連通している。
このため、液体流路30においては、中間位置に設けられた流入口42aから流入したインクは所定方向(Y方向)両側へ向かう外向き流れ(第1の流れF1)となって第1流路31を流通した後、第1接続路33A及び第2接続路33Bによりそれぞれ折り返して、中間位置に設けられた流出口43aに向かう内向きの流れ(第2の流れF2)となって第2流路32を流通し、流出口43aから流出する。このように、第1液体噴射チャネル13A1のそれぞれに対してインクを供給する第1の流れF1と第2液体噴射チャネル13B1のそれぞれに対してインクを供給する第2の流れF2とは、互いに逆向きとなる。
図11は、本発明の第2実施形態における被記録媒体Sに対する印字結果を示す概念図である。
図11に示すように、圧力損失によって、第1ノズル列12Aの流入口42aに対し最も近接するノズル孔11から噴射されたインク滴a及び第2ノズル列12Bの流出口43aに対し最も近接するノズル孔11から噴射されたインク滴dのインクボリュームは、「大、小」の組となる。一方、第1ノズル列12Aの流入口42aに対し最も離間する両端のノズル孔11から噴射されたインク滴b1,b2及び第2ノズル列12Bの流出口43aに対し最も離間する両端のノズル孔11から噴射されたインク滴c1,c2のインクボリュームは、それぞれの組で「中、中」の関係となる。
このように、折り返し位置の所定方向一端側30A及び他端側30Bにおいて第1ノズル列12A及び第2ノズル列12Bから噴射されるインクボリュームは「中、中」の組となり、流入口42a及び流出口43aが設けられた所定方向の中間位置において第1ノズル列12A及び第2ノズル列12Bから噴射されるインクボリュームは「大、小」の組となる。したがって、第2実施形態によれば、上記実施形態と同様に、インクボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、本発明の第3実施形態における液体噴射ヘッド4の縦断面図である。図13は、本発明の第3実施形態における液体噴射ヘッド4の流入口42a及び流出口43aの配置を示す図である。なお、図12に示す矢視Eのヘッドチップ41は、図13に対応する。図13に示す矢視F−F断面は、図12に対応する。
図12に示すように、第3実施形態では、流路部材42,43の代わりにインク室8,9を閉塞する遮蔽板16,17が設けられ、カバープレート14,15と協働して液体流路30が形成されている点で、上記実施形態と異なる。この構成によれば、カバープレート14,15と平板の遮蔽板16,17とで液体流路30を形成できるため、ヘッドチップ41を構成する部品単価を安価にできる。なお、第3実施形態では、流路部材47に流入口42aが形成され、インク供給配管51Aが接続される。また、流路部材47に流出口43aが形成され、インク回収配管51Bが接続される。遮蔽板16の一部には、貫通孔16aが設けられており、貫通孔16aを覆うようにして流路部材47が取り付けられる。
図13に示すように、第3実施形態では、液体流路30において、第1アクチュエータープレート13Aの同一側に流入口42aと流出口43aとが配置される点で、上記実施形態と異なる。液体流路30は、第1接続路33A,第2接続路33Bを有する。流入口42a及び流出口43aは、他端側30Bにおいて、第1アクチュエータープレート13A側で仕切り35を隔てて設けられている。仕切り35は、カバープレート14の一部によって形成されている。流入口42a及び流出口43aは、他端側30Bにおける、第1アクチュエータープレート13Aの端部に対応する位置(少なくとも複数の第1液体噴射チャネル13A1の上流側)に配置されている。
上記構成の第3実施形態によれば、第1実施形態において図8で示した被記録媒体Sに対する印字結果と同様の結果になり、インクボリューム総量として見ると、ノズル列の端から端までの均一化を図ることができる。また、この構成によれば、液体噴射ヘッド4の同一側にインク供給配管51Aとインク回収配管51Bとを接続することができるため、配管の取り回しが容易になり、また、一方側に纏めることで液体噴射ヘッド4の幅方向(図1に示すX方向)のスリム化を図ることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明は、第1液体噴射チャネル13A1及び第2液体噴射チャネル13B1がスリーサイクルタイプだけでなく、溝が吐出溝と非吐出溝とが並設方向に繰り返して形成される独立チャネルタイプのものにも適用可能である。なお、独立チャネルタイプの場合、インク室8にスリットを設けて、吐出溝にインクを供給し、非吐出溝にインクを供給しないよう構成されることとなる。
また、例えば、本発明のヘッドチップ41、液体噴射ヘッド4及び液体噴射記録装置1で使用可能な液体は、水性インクだけでなく、油性インクや、ソルベントインク、UVインクなども使用可能であり、また、インク以外の他の液体、例えば、無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)なども使用可能である。
1…液体噴射記録装置、2…搬送手段(被記録媒体搬送部)、4…液体噴射ヘッド、5…インク供給手段(液体供給部)、12A…第1ノズル列、12B…第2ノズル列、13A…第1アクチュエータープレート、13A1…第1液体噴射チャネル、13B…第2アクチュエータープレート、13B1…第2液体噴射チャネル、14,15…カバープレート、22,23…溝部、30…液体流路、30A…一端側、30B…他端側、31…第1流路、32…第2流路、33…接続路、33A…第1接続路、33B…第2接続路、34…仕切り、35…仕切り、41…ヘッドチップ、42…流路部材、42a…流入口、43…流路部材、43a…流出口、F1…第1の流れ、F2…第2の流れ、S…被記録媒体

Claims (10)

  1. 第1ノズル列に連通する複数の第1液体噴射チャネルを有する第1アクチュエータープレートと、
    前記第1アクチュエータープレートと積層して設けられ、前記第1ノズル列に並設された第2ノズル列に連通する複数の第2液体噴射チャネルを有する第2アクチュエータープレートと、
    液体の流入口が設けられ、前記第1液体噴射チャネルのそれぞれに対して第1の流れで前記液体を供給する第1流路、及び、前記第1流路と接続されると共に前記液体の流出口が設けられ、前記第2液体噴射チャネルのそれぞれに対して前記第1の流れと逆向きの第2の流れで前記第1流路を流通した前記液体を供給する第2流路、を備える液体流路と、
    を有する、ことを特徴とするヘッドチップ。
  2. 前記第1流路及び前記第2流路は、所定方向に延在し、並設されており、
    前記液体流路は、前記所定方向の一端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する接続路と、前記所定方向の他端側において前記第1流路と前記第2流路とを非接続とする仕切りと、を有し、
    前記流入口及び前記流出口は、前記所定方向の他端側に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドチップ。
  3. 前記接続路は、前記第1アクチュエータープレート及び前記第2アクチュエータープレートに開口する貫通孔である、ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドチップ。
  4. 前記第1流路及び前記第2流路は、所定方向に延在し、並設されており、
    前記液体流路は、前記所定方向の一端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する第1接続路と、前記所定方向の他端側において前記第1流路と前記第2流路とを接続する第2接続路と、を有し、
    前記流入口及び前記流出口は、前記所定方向の一端側と他端側との間の中間位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドチップ。
  5. 前記第1接続路及び前記第2接続路は、前記第1アクチュエータープレート及び前記第2アクチュエータープレートにそれぞれ開口する貫通孔である、ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドチップ。
  6. 前記第1液体噴射チャネル及び前記第2液体噴射チャネルの少なくともいずれか一方の、少なくとも一部を覆うカバープレートを有し、
    前記カバープレートは、前記液体流路の少なくとも一部を形成する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘッドチップ。
  7. 請求項1に記載のヘッドチップを有する、ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 前記液体流路の少なくとも一部を形成する溝部を備える流路部材を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 請求項7に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給部と、
    前記液体噴射ヘッドと対向する位置を通過するように被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送部と、を有する、ことを特徴とする液体噴射記録装置。
  10. 前記液体噴射ヘッドが、前記ヘッドチップのノズル列の延在方向に複数並んで配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載の液体噴射記録装置。
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