JP2016016638A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印字安定性の優れた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクジェットヘッド5は、インクを吐出する複数の第1ノズル孔51および第2ノズル孔を有するノズルプレート50と、ノズルプレート50に積層されるとともに、第1ノズル孔51に連通する第1チャネル61、および第2ノズル孔に連通する第2チャネル62がそれぞれ複数並設されたアクチュエータプレート60と、チャネル61,62の並設方向に沿って延設され、各チャネル61,62内にまとめて連通する入口側共通インク室81と、入口側共通インク室81に対してインクの流通方向における上流側に位置し、インクを貯留するインク貯留部100と、を備える。そして、インク貯留部100は、流路断面積が入口側共通インク室81よりも大きくなっているとともに、その内面の一部が撓み変形可能な圧力緩衝部105により画成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関するものである。
従来、記録紙に液滴状のインクを吐出して、記録紙に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を備えたインクジェットプリンタ(液体噴射装置)がある。
このインクジェットプリンタにおいて、インクタンク内に貯留されたインクは、供給管を通してインクジェットヘッドに供給され、さらにインクジェットヘッド内において共通インク室等を流通した後、複数のチャネル内にそれぞれ充填される。そして、チャネル内に充填されたインクは、チャネル内の拡縮により、ノズル孔を通して吐出される(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開昭58−45065号公報 特開2009−18540号公報
ところで、インクジェットヘッドでは、インクを吐出した時に生じるチャネル内の圧力変動が、共通インク室や、共通インク室を通して他のチャネル内に伝播し、吐出性能(印字安定性)にばらつきが発生するおそれがある。
また、インクジェットヘッドでは、インクジェットヘッドの走査時やインク給排時等において、インクタンクとインクジェットヘッドとの間を接続する供給管の揺動等によってもインクジェットヘッド内(チャネル内)に圧力変動が発生するおそれがある。
さらに、インクジェットヘッドでは、インクが共通インク室等の流路断面積の狭い流路を通して各チャネル内に供給されるため、上述した流路内での圧力損失が大きく、各チャネル内で圧力差が生じるおそれがある。具体的に、共通インク室は、各チャネルの並設方向に沿って延設されるとともに、各チャネル内にまとめて連通している。そして、インクは、共通インク室内をチャネルの並設方向に流通する過程で、各チャネル内に分配される。そのため、共通インク室内への流入口からチャネルまでの距離が長くなるに従い圧力損失が大きくなる。したがって、各チャネルのうち、共通インク室の流入口に近いチャネル内と、流入口から離れたチャネル内と、で圧力差が大きくなり、吐出性能にばらつきが発生しやすい。特に、チャネル数が多く、チャネルの並設方向における共通インク室の長さが長くなるに従い、上述した課題が顕著に表れる。
そこで本発明は、印字安定性の優れた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供するものである。
本発明の液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数の噴射孔を有する噴射孔プレートと、前記噴射孔プレートに積層されるとともに、前記噴射孔に各別に連通するチャネルが複数並設されたアクチュエータプレートと、前記チャネルの並設方向に沿って延設され、前記複数のチャネル内にまとめて連通する入口側共通液体室と、前記入口側共通液体室に対して液体の流通方向における上流側に位置し、液体を貯留する液体貯留部と、を備え、前記液体貯留部は、流路断面積が前記入口側共通液体室よりも大きくなっているとともに、その内面の一部が撓み変形可能な圧力緩衝部により画成されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、入口側共通液体室の上流側に位置し、入口側共通液体室よりも流路断面積が大きい液体貯留部を備えているため、液体の供給源から供給される液体は、液体貯留部に一旦貯留された後、入口側共通液体室内を通して各チャネルにまとめて供給されることになる。この場合、入口側共通液体室全体に液体を均一に供給することができるため、各チャネル内に液体を均一に供給することができる。したがって、液体が入口側共通液体室内に直接供給される構成に比べて、チャネルの並設箇所の違いにより発生するチャネル間での圧力差を抑制できる。その結果、印字安定性の優れた液体噴射ヘッドを提供できる。
また、液体貯留部における内面の一部が圧力緩衝部により画成されているため、液体噴射ヘッド内の圧力変動に応じて、液体貯留部の内面を構成する圧力緩衝部が撓み変形することで、圧力変動を緩衝することができる。特に、液体貯留部は、入口側共通液体室よりも流路断面積が大きくなっているため、圧力緩衝部の面積を確保し易くなり、圧力緩衝効果をより高めることが可能である。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記複数のチャネルは、延在方向の一端部で前記入口側共通液体室内に連通するとともに、他端部で出口側共通液体室内に連通し、前記液体貯留部は、前記アクチュエータプレートの厚さ方向から見て前記出口側共通液体室と重なる位置まで延在している、ことを特徴とする。
この構成によれば、厚さ方向に直交する方向への液体噴射ヘッドの大型化を抑制した上で、液体貯留部の流路断面積を確保できるため、上述した作用効果がより奏功される。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータプレートには、前記複数のチャネルが並設されてなるチャネル群が複数列配設され、前記入口側共通液体室は、複数列の前記チャネル群のうち、第1チャネル群の前記チャネルに連通する第1入口側共通液体室と、複数列の前記チャネル群のうち、前記第1チャネル群に隣接する第2チャネル群の前記チャネルに連通する第2入口側共通液体室と、を有し、前記第1入口側共通液体室および前記第2入口側共通液体室は、前記液体貯留部における流路幅方向の中央部でまとめて連通している、ことを特徴とする。
この構成によれば、液体貯留部内に貯留された液体が、各入口側共通液体室を通して第1チャネル群および第2チャネル群のチャネル内に均一に供給されることになる。このため、各チャネル群間での圧力差を抑制でき、印字安定性をより高めることができる。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記液体貯留部内に液体を導入する液体導入管を備え、前記液体導入管は、前記液体貯留部における流路幅方向の中央部に配設されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、液体導入管と液体貯留部との間を接続する液体の流通経路を短くすることができるため、液体噴射ヘッド内を流通する液体の圧力損失をより低減することができる。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記液体導入管と前記液体貯留部との間には、前記液体導入管に対して分配されるとともに、前記液体貯留部内に連通する分配流路が接続されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、液体は、分割された複数の流路を介して液体貯留部に流れ込むため、液体貯留部全体に液体を行き渡らせやすくなり、各チャネル内に液体をより均一に供給することができる。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記液体貯留部は、前記入口側共通液体室内に連通するスリットを有する流路部材と、前記スリットを閉塞するとともに、前記流路部材に接着された前記圧力緩衝部と、を備え、前記スリットにおいて、前記圧力緩衝部側に位置する部分には、接着剤収容部が形成されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、流路部材に圧力緩衝部を接着するための接着剤が仮にスリット内に流れ込んだとしても、流れ込んだ接着剤を接着剤収容部内に留めることができる。このため、スリットに流れ込んだ接着剤によって液体貯留部の流路断面積が狭められたり、接着剤がスリットの内面における不特定の場所に付着したりして、液体の流通が阻害されるのを抑制できる。これにより、各チャネル内に液体を均一に供給することができる。
上記の液体噴射ヘッドにおいて、前記圧力緩衝部は、撓み変形可能な可撓膜であり、前記流路部材には、前記圧力緩衝部の撓み変形を許容するとともに、前記圧力緩衝部における前記流路部材との接着部分を挟持する支持プレートが配設されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、可撓膜により形成された圧力緩衝部の撓み変形を制限することなく、圧力緩衝部に外部の部材が接触して圧力緩衝部が破損することを防止できる。
本発明の液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる搬送手段と、前記液体が収容された液体タンクと、前記液体噴射ヘッドと前記液体タンクとの間で前記液体を循環させる循環手段と、を備えている、ことを特徴とする。
この構成によれば、上記の液体噴射ヘッドを備えているため、印字安定性の優れた液体噴射装置を提供できる。
本発明によれば、印字安定性の優れた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供できる。
インクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドおよびインク循環手段の概略構成図である。 インクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 図3のV−V線における断面図である。 図3のVI−VI線における断面図である。 図3のVII−VII線における断面図である。 流路プレートの平面図である。 流路プレートの底面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の一例として、インク(請求項における「液体」に相当。)を利用して記録紙に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)を例に挙げて説明する。
(プリンタ)
図1は、プリンタの概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、紙等の記録紙P(請求項における「被記録媒体」に相当。)を搬送する一対の搬送手段2,3と、インクが収容されたインクタンク4(請求項における「液体タンク」に相当。)と、記録紙Pに液滴状のインクを吐出するインクジェットヘッド5(請求項における「液体噴射ヘッド」に相当。)と、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させるインク循環手段6(請求項における「循環手段」に相当。)と、インクジェットヘッド5を記録紙Pの搬送方向(以下、Y方向という。)と直交する方向(以下、X方向という。)に走査させる走査手段7(請求項における「搬送手段」に相当。)と、を備えている。なお、図中Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向を示す。
搬送手段2は、X方向に延設されたグリッドローラ11と、グリッドローラ11に平行して延設されたピンチローラ12と、グリッドローラ11を軸回転させるモータ等の駆動機構(不図示)と、を備えている。同様に、搬送手段3は、X方向に延設されたグリッドローラ13と、グリッドローラ13に平行して延設されたピンチローラ14と、グリッドローラ13を軸回転させる駆動機構(不図示)と、を備えている。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のインクのインクタンク4Y,4M,4C,4BがY方向に並んで設けられている。
図2は、インクジェットヘッドおよびインク循環手段の概略構成図である。
図1および図2に示すように、インク循環手段6は、インクジェットヘッド5にインクを供給するインク供給管21、およびインクジェットヘッド5からインクを排出するインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。なお、インク供給管21およびインク排出管22は、インクジェットヘッド5を支持する走査手段7の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を介してインクジェットヘッド5の後述する入口側共通インク室81(請求項における「入口側共通液体室」に相当。図6参照。)にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インクジェットヘッド5の後述する出口側共通インク室82(請求項における「出口側共通液体室」に相当。図6参照。)からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。そして、インクは、加圧ポンプ24および吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を介して循環可能となっている。
図1に示すように、走査手段7は、X方向に延設された一対のガイドレール31,32と、一対のガイドレール31,32に沿って摺動可能なキャリッジ33と、キャリッジ33をX方向に移動させる駆動機構34と、を備えている。駆動機構34は、一対のガイドレール31,32の間に配設された一対のプーリ35,36と、一対のプーリ35,36間に巻回された無端ベルト37と、一方のプーリ35を回転駆動させる駆動モータ38と、を備えている。
一対のプーリ35,36は、一対のガイドレール31,32の両端部間にそれぞれ配設される。無端ベルト37は、一対のガイドレール31,32間に配設され、この無端ベルト37にキャリッジ33が連結される。キャリッジ33には、複数のインクジェットヘッド5として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のインクのインクジェットヘッド5Y,5M,5C,5BがX方向に並んで搭載される。なお、上述した搬送手段2,3および走査手段7により、インクジェットヘッド5と記録紙Pとを相対的に移動させる搬送手段を構成している。
(インクジェットヘッド)
次に、上述したインクジェットヘッド5について詳述する。なお、インクジェットヘッド5Y,5M,5C,5Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明ではまとめてインクジェットヘッド5として説明する。
図3は、インクジェットヘッドの斜視図である。図4は、インクジェットヘッドの分解斜視図である。
図3および図4に示すように、インクジェットヘッド5は、後述するチャネル61,62の延在方向(X方向)中央からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのうち、インクタンク4とチャネル61,62との間でインクを循環させる循環式のインクジェットヘッド5である。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、複数のノズル孔51,52(請求項における「噴射孔」に相当。)からなるノズル列53,54が2列に亘って形成された2列タイプのインクジェットヘッド5である。
インクジェットヘッド5は、ノズルプレート50(請求項における「噴射孔プレート」に相当。)、アクチュエータプレート60、カバープレート80、流路プレート90(請求項における「流路部材」に相当。)、および支持プレート110を備えている。そして、インクジェットヘッド5は、ノズルプレート50、アクチュエータプレート60、カバープレート80、流路プレート90、および支持プレート110がこの順で接着剤等によりZ方向に積層された構成とされている。なお、以下の説明では、上述したZ方向のうち、支持プレート110側を上方、ノズルプレート50側を下方として説明する。
(アクチュエータプレート)
図5は、図3のV−V線における断面図である。図6は、図3のVI−VI線における断面図である。
図4〜6に示すように、アクチュエータプレート60は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されたプレートであり、その分極方向が厚さ方向(Z方向)に沿って一方向に設定されている。このアクチュエータプレート60の上面には、Y方向に間隔をあけて並設された複数のチャネル(第1チャネル61および第2チャネル62)からなるチャネル群(第1チャネル群63および第2チャネル群64)が2列配設されている。なお、以下の説明では、主に第1チャネル群63(第1チャネル61)について説明し、第2チャネル群64における第1チャネル群63と対応する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
第1チャネル群63は、X方向に沿って延在する複数の第1チャネル61を有し、これら第1チャネル61がY方向に間隔をあけて互いに平行に並んで構成されている。すなわち、各第1チャネル61は、圧電体(アクチュエータプレート60)からなる側壁65によってそれぞれ画成された断面視凹形状の溝である。
各第1チャネル61は、アクチュエータプレート60の上面側から、ダイシングブレード等による切削によって、X方向に直線状、かつY方向に等間隔に形成される。具体的に、各第1チャネル61は、X方向両端部に位置して、上述したダイシングブレードの外周形状に倣った曲率半径を有する円弧部66と、各円弧部66間に位置する矩形部67と、を有している。なお、アクチュエータプレート60において、矩形部67に位置する部分は、厚さ方向(Z方向)に沿って貫通している。
また、第1チャネル群63は、各第1チャネル61のうち、インクを吐出させる吐出チャネル71と、インクを吐出させないダミーチャネル72と、がY方向で交互に並んで構成されている。また、アクチュエータプレート60のうち、ダミーチャネル72に対応する部分には、ダミーチャネル72のX方向の外側端部に連通する浅溝部73が形成されている。
アクチュエータプレート60の側壁65のうち、対向する内側面には、それぞれX方向に亘って延びる駆動電極74が形成されている。これら駆動電極74は、Z方向において、側壁65における上面側から中央部に亘って、側壁65の半分程度の領域に形成されている。具体的に、駆動電極74は、側壁65の内側面のうち、吐出チャネル71に面する内側面に形成されたコモン電極74aと、ダミーチャネル72に面する内側面に形成されたアクティブ電極74bと、を有している。
同一の吐出チャネル71内に形成された一対のコモン電極74aは、コモン端子74c(図4参照)を介して吐出チャネル71におけるX方向の外側で互いに電気的に接続されている。
また、同一のダミーチャネル72内で対向するアクティブ電極74b同士は互いに電気的に分離される一方、吐出チャネル71を介して対向するアクティブ電極74b同士がアクティブ端子74d(図4参照)を介して電気的に接続されている。第1チャネル群63および第2チャネル群64の各駆動電極74は、それぞれフレキシブル基板75,76(図6参照)を介して制御手段に各別に接続されている。
第2チャネル群64は、第1チャネル群63に対してX方向に間隔をあけて配設されている。具体的に、第2チャネル群64は、上述した第1チャネル61と同ピッチでY方向に間隔をあけて配設された複数の第2チャネル62を有し、これら第2チャネル62の配列方向が第1チャネル61の配列方向と平行に並んでいる。
第2チャネル62の吐出チャネル71およびダミーチャネル72は、第1チャネル61の吐出チャネル71およびダミーチャネル72に対して互い違いに並んでいる。したがって、本実施形態のインクジェットヘッド5では、第1チャネル61の吐出チャネル71と、第2チャネル62の吐出チャネル71と、が千鳥状に配置されている。
(ノズルプレート)
ノズルプレート50は、厚みが50μm程度のポリイミド等のフィルム材からなるシート状とされ、アクチュエータプレート60の下面に接着されている。ノズルプレート50には、Y方向に間隔をあけて並設された複数のノズル孔(第1ノズル孔51および第2ノズル孔52)からなるノズル列(第1ノズル列53および第2ノズル列54)が2列配設されている。
第1ノズル列53は、ノズルプレート50をZ方向に貫通する複数の第1ノズル孔51を有し、これら第1ノズル孔51がY方向に間隔をあけて一直線上に並んで構成されている。各第1ノズル孔51は、上述した第1チャネル61の吐出チャネル71内に連通している。具体的に、第1ノズル孔51は、第1チャネル61の吐出チャネル71において、X方向の中央部に位置するように形成され、吐出チャネル71と同ピッチで形成されている。
第2ノズル列54は、ノズルプレート50をZ方向に貫通する複数の第2ノズル孔52を有し、上述した第1ノズル列53と平行に配設されている。各第2ノズル孔52は、上述した第2チャネル62の吐出チャネル71内に連通している。具体的に、第2ノズル孔52は、第2チャネル62の吐出チャネル71において、X方向の中央部に位置するように形成され、吐出チャネル71と同ピッチで形成されている。
したがって、各ダミーチャネル72は、ノズル孔51,52に連通しておらず、ノズルプレート50により下方から覆われている、なお、各ノズル孔51,52は、下方に向かうに従い漸次縮径するテーパ状とされている。
なお、上述した通り、本実施形態のインクジェットヘッド5では、第1チャネル61の吐出チャネル71と、第2チャネル62の吐出チャネル71と、がXY平面において千鳥状に配置されている。よって、第1チャネル61の吐出チャネル71内に連通している第1ノズル孔51と、第2チャネル62の吐出チャネル71内に連通している第2ノズル孔52とは、XY平面において千鳥状に配置されている。
(カバープレート)
図4および図6に示すように、カバープレート80は、各チャネル群63,64を閉塞するようにアクチュエータプレート60の上面に接着された板状とされている。図6に示すように、カバープレート80は、上述したアクチュエータプレート60に対してX方向の幅が狭く形成されている。この場合、アクチュエータプレート60のうち、カバープレート80におけるX方向の外側に位置する部分に上述したコモン端子74cおよびアクティブ端子74dが露出しており、これらに上述したフレキシブル基板75,76が接続される。
図4および図6に示すように、カバープレート80には、入口側共通インク室81(第1入口側共通インク室81a,第2入口側共通インク室81b)および出口側共通インク室82(第1出口側共通インク室82a,第2出口側共通インク室82b)が、上述した各チャネル群63,64に対応して複数ずつ形成されている。
第1入口側共通インク室81aは、カバープレート80のうち、各第1チャネル61におけるX方向の内側端部(第1チャネル61における延在方向の一端部)と対向する部分でY方向に沿って延設された凹溝状とされている。第1入口側共通インク室81aのうち、吐出チャネル71に対応する位置(Z方向で対向する位置)には、カバープレート80をZ方向に貫通する第1供給スリット83aがそれぞれ形成されている。
第1出口側共通インク室82aは、カバープレート80のうち、各第1チャネル61におけるX方向の外側端部(第1チャネル61における延在方向の他端部)と対向する部分でY方向に沿って延設された凹溝状とされている。第1出口側共通インク室82aのうち、吐出チャネル71に対応する位置(Z方向で対向する位置)には、カバープレート80をZ方向に貫通する第1排出スリット84aがそれぞれ形成されている。
したがって、第1入口側共通インク室81aおよび第1出口側共通インク室82aは、それぞれ第1供給スリット83aおよび第1排出スリット84aを通して各吐出チャネル71に連通する一方、ダミーチャネル72には連通していない。すなわち、各ダミーチャネル72は、第1入口側共通インク室81aおよび第1出口側共通インク室82aの底部によって閉塞されている。
第2入口側共通インク室81bは、各第2チャネル62におけるX方向の内側端部(第2チャネル62における延在方向の一端部)と対向する部分でY方向に沿って延設された凹溝状とされている。第2出口側共通インク室82bは、各第2チャネル62におけるX方向の外側端部(第2チャネル62における延在方向の他端部)と対向する部分でY方向に沿って延設された凹溝状とされている。すなわち、本実施形態において、入口側共通インク室81a,81bはカバープレート80におけるX方向の中央部で隣接して配置され、出口側共通インク室82a,82bはカバープレート80におけるX方向の両端部にそれぞれ配置されている。
第2入口側共通インク室81bおよび第2出口側共通インク室82bのうち、吐出チャネル71に対応する位置(Z方向で対向する位置)には、第2供給スリット83bおよび第2排出スリット84bがそれぞれ形成されている。すなわち、第2供給スリット83bおよび第2排出スリット84bは、第1供給スリット83aおよび第1排出スリット84aに対して互い違いに並んでいる。
上述した第1入口側共通インク室81a、第2入口側共通インク室81b、第1出口側共通インク室82a、および第2出口側共通インク室82bは、それぞれのX方向における幅が同等となるように形成されている。
(流路プレート)
図7は、図3のVII−VII線における断面図である。図8は、流路プレートの平面図である。図9は、流路プレートの底面図である。
図4および図6に示すように、流路プレート90は、上述した各入口側共通インク室81a,81bおよび各出口側共通インク室82a,82bを閉塞するようにカバープレート80の上面に接着された板状とされている。流路プレート90のY方向両端部には、インク導入管91(請求項における「液体導入管」に相当。)およびインク導出管92がZ方向の上方に向けて各別に立設されている(図3参照)。
具体的に、インク導入管91は、流路プレート90のY方向一端部において、X方向中央部に位置している。インク導入管91には、インク供給管21(図1および図2参照)の下流端が接続され、インクタンク4からインクが供給される。
また、インク導出管92は、流路プレート90のY方向他端部において、X方向中央部に位置している。インク導出管92には、インク排出管22(図1および図2参照)の上流端が接続され、インクジェットヘッド5を流通したインクが排出される。
流路プレート90には、インク導入管91および入口側共通インク室81を接続するインク供給部93と、インク導出管92および出口側共通インク室82を接続する一対のインク排出部94と、が配設されている。
図4、図6、および図9に示すように、まず、各インク排出部94は、流路プレート90におけるX方向両端部に位置し、Y方向に沿って延在している。各インク排出部94は、下方に開口した平面視矩形状の溝部とされ、Z方向における深さが流路プレート90における厚さの例えば半分程度に設定されている。一対のインク排出部94のうち、一方のインク排出部94aは、下端の開口部において第1出口側共通インク室82aに連通している。これによりインク排出部94aは、第1出口側共通インク室82aの第1排出スリット84aを介して、第1チャネル61(吐出チャネル71)のX方向における外側端部に連通している。また、一対のインク排出部94のうち、他方のインク排出部94bは、下端の開口部において第2出口側共通インク室82bに連通している。これによりインク排出部94bは、第2出口側共通インク室82bの第2排出スリット84bを介して、第2チャネル62(吐出チャネル71)のX方向における外側端部に連通している。
図9に示すように、一対のインク排出部94同士は、Y方向における他端部(インク導出管92側の端部)において、導出溝102により接続されている。導出溝102は、下方に開口した平面視矩形状の溝部とされ、X方向に沿って延在するとともに、その両端部で各出口側共通インク室82内に各別に連通している。導出溝102内のX方向中央部には、インク導出管92の下端開口部が開口している。これにより、一対のインク排出部94内にあるインクは、導出溝102を介してインク導出管92に流通する。
図4、図6、および図8に示すように、インク供給部93は、流路プレート90をZ方向に貫通するスリット95と、流路プレート90の上面に接合されるとともに、スリット95を閉塞する圧力緩衝部105と、により画成されている。
スリット95は、上方に位置するほど開口面積が大きくなっており、上方に位置する貯留スリット96と、下方に位置するとともに、貯留スリット96と入口側共通インク室81とを連通する連通スリット97と、を有している。
まず、連通スリット97は、X方向における幅が各入口側共通インク室81a,81bのX方向における幅の2倍強となっており、流路プレート90のX方向中央部(インク排出部94の間に位置する部分)において、Y方向に沿って延在している。連通スリット97は、下端開口部において、入口側共通インク室81内に連通している。具体的には、連通スリット97は、第1入口側共通インク室81aおよび第2入口側共通インク室81b間に跨り、Z方向から見た平面視で第1入口側共通インク室81aおよび第2入口側共通インク室81bの全域と重なるように配置されている。これにより、連通スリット97は、入口側共通インク室81の各供給スリット83a,83bを介して、第1チャネル61および第2チャネル62(吐出チャネル71)のX方向における内側端部にまとめて連通している。
図6および図8に示すように、貯留スリット96は、X方向における幅(流路幅)が上述した連通スリット97(入口側共通インク室81)の幅よりも広くなっているとともに、連通スリット97に倣ってY方向に沿って延在している。貯留スリット96は、X方向の両端部が流路プレート90の外周縁に近接する位置まで延在している。具体的に、Z方向から見た平面視において、貯留スリット96のうち、X方向の一方側端部は上述した一方のインク排出部94aと重なる位置まで延在し、X方向の他方側端部は他方のインク排出部94bと重なる位置まで延在している。また、貯留スリット96の下端開口部は、X方向中央部において上述した連通スリット97の上端開口部に連通している。なお、図示の例において、貯留スリット96のZ方向における深さは、連通スリット97の深さよりも浅くなっている。
図4、図6、図7、および図8に示すように、圧力緩衝部105は、可撓性を有するシート状(可撓膜)とされ、例えばポリアミド等の樹脂材料により形成され、厚さが例えば15μm程度とされている。圧力緩衝部105は、その外周部分が流路プレート90の上面に接着されるとともに、貯留スリット96の上端開口部を全体に亘って覆っている。したがって、インク供給部93のうち、貯留スリット96および圧力緩衝部105により画成された空間は、連通スリット97の上方(流通方向の上流側)に位置し、インクを貯留するインク貯留部100を構成している。そして、インク貯留部100は、上述した連通スリット97および入口側共通インク室81に比べて流路断面積(XY方向における面積)が大きくなっている。
図7および図8に示すように、貯留スリット96のうち、Y方向における一端部(インク導入管91側)には、一対の流入溝99が接続されている。一対の流入溝99は、流路プレート90におけるX方向両端部に位置し、Y方向に沿って延在している。各流入溝99のうち、Y方向の一端部は、インク導入管91に対してX方向の両側で後述する分配流路101に接続され、Y方向の他端部は、貯留スリット96に連通している。なお、流入溝99は、上述した圧力緩衝部105によりまとめて閉塞されている。
図4、図6、および図8に示すように、貯留スリット96および流入溝99の上端開口縁には、下部に対して拡開された接着剤収容部103が形成されている。接着剤収容部103は、Z方向における深さが貯留スリット96の例えば半分程度に設定されている。接着剤収容部103は、貯留スリット96および流入溝99を全周に亘って囲繞している。
図7および図9に示すように、分配流路101は、インク導入管91および各流入溝99間を接続するものであって、インク導入管91の下端開口部からX方向の両側に向けて二又に分岐するとともに、そのX方向両端部において流路プレート90をZ方向に貫通している。そして、分配流路101は、流路プレート90の上面において上述した流入溝99内に連通している。なお、分配流路101のうち、流路プレート90の下面で開口する部分は、カバープレート80により閉塞されている。
(支持プレート)
図3に示すように、支持プレート110は、流路プレート90の上面において、圧力緩衝部105に重ね合わせるように配設されている。図4、図6、および図7に示すように、支持プレート110は、流路プレート90との間に、圧力緩衝部105のうち、流路プレート90との接着部分を挟持している。また支持プレート110のうち、Z方向において貯留スリット96に対向する部分には、下方に開口した凹部111が形成されている。この凹部111により、圧力緩衝部105が上方に撓み変形した際に、その撓み変形を許容する揺動空間113が形成されている。
(プリンタの動作方法)
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、記録紙Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環手段6を介してインクジェットヘッド5内(インク供給部93、入口側共通インク室81、出口側共通インク室82、インク排出部94、および各チャネル群63,64内)に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、搬送手段2,3のグリッドローラ11,13が回転することで、これらグリッドローラ11,13およびピンチローラ12,14間に記録紙Pを搬送方向(Y方向)に向けて搬送する。また、これと同時に駆動モータ38がプーリ35,36を回転させて無端ベルト37を動かす。これにより、キャリッジ33がガイドレール31,32でガイドされながらX方向に往復移動する。
そしてこの間に、各インクジェットヘッド5より4色のインクを記録紙Pに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のようなサイドシュートタイプのうち、循環式のインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24および吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、図6および図7に示すインク導入管91、インク供給部93、および入口側共通インク室81を通り、供給スリット83a,83bを介して各チャネル群63,64の吐出チャネル71内に供給される。また、各吐出チャネル71内のインクは、排出スリット84a,84bを介して出口側共通インク室82内に流入し、その後、インク排出部94およびインク導出管92を介してインク排出管22に排出される。インク排出管22に排出されたインクは、インクタンク4に戻された後、再びインク供給管21に供給される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させる。
そして、キャリッジ33(図1参照)によって往復移動が開始されると、制御手段はフレキシブル基板75,76を介して駆動電極74(コモン電極74aおよびアクティブ電極74b)に駆動電圧を印加する。具体的には、駆動電極74のうち、インクを吐出する吐出チャネル71を画成する2つの側壁65に形成された駆動電極74に駆動電圧を印加し、これら2つの側壁65を、吐出チャネル71に隣接しているダミーチャネル72側へ突出するように変形させる。すなわち、本実施形態のアクチュエータプレート60は分極方向が一方向であり、駆動電極74が側壁65の側面のZ方向における中間位置までしか形成されていないため、駆動電圧を印加することで、側壁65のZ方向中間位置を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル71があたかも膨らむように変形する。
このように、2つの側壁65の圧電厚み滑り効果による変形によって、吐出チャネル71の容積が増大する。そして、吐出チャネル71の容積が増大したことにより、入口側共通インク室81内に貯留されたインクが吐出チャネル71内に誘導される。そして、吐出チャネル71の内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル71の内部に伝播し、この圧力波が各ノズル孔51,52に到達したタイミングで、駆動電極74に印加した駆動電圧をゼロにする。これにより、側壁65の変形が元に戻り、一旦増大した吐出チャネル71の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル71の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、液滴状のインクが各ノズル孔51,52を通って外部に吐出されることで、上述したように記録紙Pに文字や画像等を記録することができる。
特に、本実施形態の各ノズル孔51,52は、テーパ状とされているので、インクを速い速度で真っ直ぐに直進性良く吐出することができる。よって、高画質に記録を行うことができる。
なお、本実施形態におけるインクを吐出チャネル71の内部に循環させる動作と、吐出チャネル71からインクを吐出する動作は、個別に実施することが可能であるし、また同時に実施することも可能である。
ここで、本実施形態では、インクジェットヘッド5内の圧力変動に応じて、インク貯留部100の内面の一部を形成する圧力緩衝部105が撓み変形することで、圧力変動を緩衝している。まず、本実施形態のような循環式のインクジェットヘッド5では、各ノズル孔51,52内部でメニスカスが形成されるように、各ノズル孔51,52近傍での圧力(ノズル圧)が常に負圧(例えば、−1kPa程度)になるように加圧ポンプ24および吸引ポンプ25の駆動が制御されている。具体的に、吸引ポンプ25の吸引力は、加圧ポンプ24の加圧力よりも高くなるように設定されている。
この場合、各チャネル群63,64に対して上流側(入口側共通インク室81側)は吐出チャネル71の内部圧力に対して正圧となっている。そのため、入口側共通インク室81の上流側に位置するインク貯留部100の内面の一部を形成する圧力緩衝部105は、インク貯留部100の容積を拡大させるように、揺動空間113に向けて撓み変形している。
この状態で、上述したように吐出チャネル71の容積の減少により各ノズル孔51,52からインクが吐出されると、吐出チャネル71内の圧力が瞬間的に減少する。すると、吐出チャネル71内の圧力変動が圧力波となって入口側共通インク室81を介してインク貯留部100に伝播し、圧力緩衝部105が撓み変形する。すなわち、圧力緩衝部105がそれぞれインク貯留部100内の容積を縮小させるようにインク貯留部100内に向けて撓み変形する。これにより、インクジェットヘッド5は、吐出チャネル71内で発生した圧力変動を緩衝することができる。
また、本実施形態では、各チャネル61,62それぞれが連通するインク貯留部100に圧力緩衝部105が配設されているので、何れかの吐出チャネル71での圧力変動がインク貯留部100を介して他の吐出チャネル71に伝播される、いわゆるクロストークも抑制できる。
なお、上述の説明では、インク吐出時に起こる圧力変動について説明したが、これに限られない。例えばキャリッジ33の移動時やインク給排時等において、循環流路23の揺動によってインクジェットヘッド5内に発生する圧力変動についても、圧力緩衝部105が撓み変形することで圧力変動を緩衝することが可能である。
特に、本実施形態では、圧力緩衝部105が入口側共通インク室81に比べて流路断面積が大きいインク貯留部100に配設されているため、圧力緩衝部105の面積を確保し易くなり、圧力緩衝効果をより高めることが可能となっている。
ここで、本実施形態のインクジェットヘッド5は、チャネル61,62の並設方向に沿って延設され、各チャネル61,62内にまとめて連通する入口側共通インク室81と、入口側共通インク室81に対してインクの流通方向における上流側に位置し、インクを貯留するインク貯留部100と、を備える。そして、インク貯留部100は、流路断面積が入口側共通インク室81よりも大きくなっているとともに、その内面の一部に撓み変形可能な圧力緩衝部105が配設されている。
この構成によれば、入口側共通インク室81の上流側に位置し、入口側共通インク室81よりも流路断面積が大きいインク貯留部100を備えているため、インクタンク4から供給されるインクは、インク貯留部100に一旦貯留された後、入口側共通インク室81内を通して各チャネル61,62にまとめて供給されることになる。この場合、入口側共通インク室81全体にインクを均一に供給することができるため、各チャネル61,62内にインクを均一に供給することができる。したがって、インクが入口側共通インク室81内に直接供給される構成に比べて、チャネル61,62の並設箇所(インク導入管91からチャネル61,62までの距離)の違いにより発生するチャネル61,62間での圧力差を抑制できる。その結果、印字安定性の優れたインクジェットヘッド5を提供できる。
また、インク貯留部100における内面の一部が圧力緩衝部105により画成されているため、インクジェットヘッド5内の圧力変動に応じて、インク貯留部100の内面を構成する圧力緩衝部105が撓み変形することで、圧力変動を緩衝することができる。特に、インク貯留部100は、入口側共通インク室81よりも流路断面積が大きくなっているため、圧力緩衝部105の面積を確保し易くなり、圧力緩衝効果をより高めることが可能である。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、インク貯留部100がZ方向から見て出口側共通インク室82に重なる位置まで延在している。
この構成によれば、流路幅方向(X方向)へのインクジェットヘッド5の大型化を抑制した上で、インク貯留部100の流路断面積を確保できるため、上述した作用効果がより奏功される。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、第1入口側共通インク室81aおよび第2入口側共通インク室81bがインク貯留部100における流路幅方向(X方向)の中央部でまとめて連通している。
この構成によれば、インク貯留部100内に貯留されたインクが各入口側共通インク室81a,81bを通して各チャネル群63,64のチャネル61,62内に均一に供給されることになる。このため、各チャネル群63,64間での圧力差を抑制でき、印字安定性をより高めることができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、インク貯留部100内にインクを導入するインク導入管91を備え、インク導入管91は、インク貯留部100における流路幅方向(X方向)の中央部に配設されている。
この構成によれば、インク導入管91とインク貯留部100との間を接続するインクの流通経路を短くすることができるため、インクジェットヘッド5内を流通するインクの圧力損失をより低減することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、インク導入管91とインク貯留部100との間には、インク導入管91に対して分配されるとともに、インク貯留部100内に連通する分配流路101が接続されている。
この構成によれば、インクは、分割された複数の流路を介してインク貯留部100に流れ込むため、インク貯留部100全体にインクを行き渡らせやすくなり、各チャネル61,62内にインクを均一に供給することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、インク貯留部100が、入口側共通インク室81内に連通するスリット95を有する流路プレート90と、スリット95を閉塞するとともに、流路プレート90に接着された圧力緩衝部105と、を備える。そして、スリット95において、圧力緩衝部105側に位置する部分には、接着剤収容部103が形成されている。
この構成によれば、流路プレート90に圧力緩衝部105を接着するための接着剤が仮にスリット95内に流れ込んだとしても、流れ込んだ接着剤を接着剤収容部103内に留めることができる。このため、スリット95に流れ込んだ接着剤によってインク貯留部100の流路断面積が狭められたり、接着剤がスリット95の内面における不特定の場所に付着したりして、インク貯留部100内でのインクの流通が阻害されるのを抑制できる。これにより、各チャネル61,62内にインクを均一に供給することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、圧力緩衝部105が、撓み変形可能な可撓膜であり、流路プレート90には、圧力緩衝部105の撓み変形を許容するとともに、圧力緩衝部105における流路プレート90との接着部分を挟持する支持プレート110が配設されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、可撓膜により形成された圧力緩衝部105の撓み変形を制限することなく、圧力緩衝部105に外部の部材が接触して圧力緩衝部105が破損することを防止できる。
そして、本実施形態のプリンタ1は、インクジェットヘッド5と、インクジェットヘッド5と被記録媒体Pとを相対的に移動させる搬送手段2,3および走査手段7と、インクが収容されたインクタンク4と、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させるインク循環手段6と、を備えている。
この構成によれば、上述したインクジェットヘッド5を備えているため、印字安定性の優れたインクジェットプリンタを提供できる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上述した実施形態では、各ノズル列53,54がそれぞれY方向に沿って直線状に延在している場合について説明したが、これに限らず、例えば各ノズル列53,54がY方向に沿って斜めに延在していてもよい。
また、各ノズル孔51,52の形状に関しても、円形に限定されるものではない。例えば、三角等の多角形状や、楕円形状や星型形状でも構わない。
さらに、上述した実施形態では、各ノズル列53,54が2列並んだ2列タイプのインクジェットヘッド5について説明したが、これに限らず、1列や3列以上の複数列のノズル列を有するインクジェットヘッド5としてもよい。
また、上述した実施形態では、可撓性を有する圧力緩衝部105として可撓膜を採用した場合について説明したが、これに限らず、種々の構成を採用することが可能である。例えば、液体貯留部を画成する内面の一部を他の部分に比べて薄肉に形成する等しても構わない。
また、上述した実施形態では、支持プレート110は、下方に開口した凹状に形成された場合について説明したが、これに限らず、例えばZ方向においてスリット95に対向する部分がZ方向に貫通した枠状であってもよい。
さらに、インク貯留部100のX方向における流路幅は、入口側共通インク室81よりも大きくなっていれば、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、サイドシュートタイプのインクジェットヘッド5に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネルにおける延在方向の端部に臨むノズル孔からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドに本発明を適用しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射装置) 2,3…搬送手段 4…インクタンク(液体タンク) 5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド) 6…インク循環手段(循環手段) 7…走査手段(搬送手段) 50…ノズルプレート(噴射孔プレート) 51…第1ノズル孔(噴射孔) 52…第2ノズル孔(噴射孔) 60…アクチュエータプレート 61…第1チャネル(チャネル) 62…第2チャネル(チャネル) 63…第1チャネル群 64…第2チャネル群 81…入口側共通インク室(入口側共通液体室) 81a…第1入口側共通インク室(第1入口側共通液体室) 81b…第2入口側共通インク室(第2入口側共通液体室) 82…出口側共通インク室(出口側共通液体室) 90流路プレート(流路部材) 91…インク導入管(液体導入管) 95…スリット 100…インク貯留部(液体貯留部) 101…分配流路 103…接着剤収容部 105…圧力緩衝部 110…支持プレート

Claims (8)

  1. 液体を噴射する複数の噴射孔を有する噴射孔プレートと、
    前記噴射孔プレートに積層されるとともに、前記噴射孔に各別に連通するチャネルが複数並設されたアクチュエータプレートと、
    前記チャネルの並設方向に沿って延設され、前記複数のチャネル内にまとめて連通する入口側共通液体室と、
    前記入口側共通液体室に対して液体の流通方向における上流側に位置し、液体を貯留する液体貯留部と、を備え、
    前記液体貯留部は、流路断面積が前記入口側共通液体室よりも大きくなっているとともに、その内面の一部が撓み変形可能な圧力緩衝部により画成されている、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記複数のチャネルは、延在方向の一端部で前記入口側共通液体室内に連通するとともに、他端部で出口側共通液体室内に連通し、
    前記液体貯留部は、前記アクチュエータプレートの厚さ方向から見て前記出口側共通液体室と重なる位置まで延在している、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記アクチュエータプレートには、前記複数のチャネルが並設されてなるチャネル群が複数列配設され、
    前記入口側共通液体室は、
    複数列の前記チャネル群のうち、第1チャネル群の前記チャネルに連通する第1入口側共通液体室と、
    複数列の前記チャネル群のうち、前記第1チャネル群に隣接する第2チャネル群の前記チャネルに連通する第2入口側共通液体室と、を有し、
    前記第1入口側共通液体室および前記第2入口側共通液体室は、前記液体貯留部における流路幅方向の中央部でまとめて連通している、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記液体貯留部内に液体を導入する液体導入管を備え、
    前記液体導入管は、前記液体貯留部における流路幅方向の中央部に配設されている、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項4に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記液体導入管と前記液体貯留部との間には、前記液体導入管に対して分配されるとともに、前記液体貯留部内に連通する分配流路が接続されている、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記液体貯留部は、
    前記入口側共通液体室内に連通するスリットを有する流路部材と、
    前記スリットを閉塞するとともに、前記流路部材に接着された前記圧力緩衝部と、
    を備え、
    前記スリットにおいて、前記圧力緩衝部側に位置する部分には、接着剤収容部が形成されている、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記圧力緩衝部は、撓み変形可能な可撓膜であり、
    前記流路部材には、前記圧力緩衝部の撓み変形を許容するとともに、前記圧力緩衝部における前記流路部材との接着部分を挟持する支持プレートが配設されている、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる搬送手段と、
    前記液体が収容された液体タンクと、
    前記液体噴射ヘッドと前記液体タンクとの間で前記液体を循環させる循環手段と、を備えている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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