JP2016055626A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016055626A
JP2016055626A JP2015137793A JP2015137793A JP2016055626A JP 2016055626 A JP2016055626 A JP 2016055626A JP 2015137793 A JP2015137793 A JP 2015137793A JP 2015137793 A JP2015137793 A JP 2015137793A JP 2016055626 A JP2016055626 A JP 2016055626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inlet
ink
channel
liquid
side pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015137793A
Other languages
English (en)
Inventor
雅翔 秋元
Masato Akimoto
雅翔 秋元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SII Printek Inc
Original Assignee
SII Printek Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII Printek Inc filed Critical SII Printek Inc
Publication of JP2016055626A publication Critical patent/JP2016055626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】印字安定性の優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】Y方向に沿って延びるとともに、X方向に並設された複数の吐出チャネルと、X方向に延設されるとともに、吐出チャネル内にまとめて連通する入口側共通インク室と、入口側共通インク室よりも上流側に位置する入口側圧力緩衝部93と、を備え、入口側圧力緩衝部93において、インクタンクから供給されるインクを入口側圧力緩衝部93内に導く導入路103と、入口側圧力緩衝部93内のインクを入口側共通インク室内に供給する連通路102と、が互いに離間して配設されていることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
従来、記録紙(被記録媒体)に液滴状のインクを吐出して、記録紙に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を備えたインクジェットプリンタ(液体噴射装置)がある。一般に、インクジェットヘッドは、複数のノズル孔からなるノズル列を有するノズルプレートと、ノズル孔に連通する複数のチャネルを有するアクチュエータプレートと、各チャネルにまとめて連通する共通インク室を有するカバープレートと、を備えている。
上述したインクジェットヘッドには、インクタンク内に貯留されたインクが供給管を通して供給される。そして、インクジェットヘッド内に供給されたインクは、共通インク室等を流通した後、各チャネル内にそれぞれ充填され、チャネル内の拡縮により、ノズル孔を通して吐出される(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開昭58−45065号公報 特開2009−18540号公報
ところで、上述したインクジェットヘッドでは、インク吐出時等に生じるチャネル内の圧力変動が、共通インク室や、共通インク室を通して他のチャネル内に伝播し、吐出性能(印字安定性)にばらつきが発生するおそれがある。
また、インクジェットヘッドの走査時やインク給排時等において、インクタンクとインクジェットヘッドとの間を接続する供給管の揺動等によってもインクジェットヘッド内(チャネル内)に圧力変動が発生するおそれがある。
さらに、インクジェットヘッドでは、インクが共通インク室等の流路断面積の狭い流路を通して各チャネル内に供給されるため、上述した流路内での圧力損失が大きく、各チャネル内で圧力差が生じるおそれがある。具体的に、共通インク室は、各チャネルの並設方向に沿って延設されるとともに、各チャネル内にまとめて連通している。そして、インクは、共通インク室内をチャネルの並設方向に流通する過程で、各チャネル内に分配される。そのため、共通インク室内への流入口からチャネルまでの距離が長くなるに従い圧力損失が大きくなる。したがって、各チャネルのうち、共通インク室の流入口に近いチャネル内と、流入口から離れたチャネル内と、で圧力差が大きくなり、吐出性能にばらつきが発生しやすい。特に、チャネル数が多く、チャネルの並設方向における共通インク室の長さが長くなるに従い、上述した課題が顕著に表れる。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、印字安定性の優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、第1方向に沿って延びるとともに、第1方向に直交する第2方向に並設された複数のチャネルと、第2方向に延設されるとともに、前記チャネル内にまとめて連通する入口側共通液体室と、液体の流通方向に沿う前記入口側共通液体室よりも上流側に位置する入口側圧力緩衝部と、を備え、前記入口側圧力緩衝部において、液体供給部から供給される液体を前記入口側圧力緩衝部内に導く導入路と、前記入口側圧力緩衝部内の液体を前記入口側共通液体室内に供給する連通路と、が互いに離間して配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、液体噴射ヘッド内等で発生する圧力変動を入口側圧力緩衝部により緩衝することで、液体噴射性能(印字安定性)を向上させることができる。
しかも、入口側圧力緩衝部において、導入路と連通路とが互いに離間しているので、導入路を通って入口側圧力緩衝部内に流入した液体が連通路に直接流入するのを抑えることができる。すなわち、液体供給部から供給される液体を入口側圧力緩衝部内に一旦貯留した後、入口側共通液体室内を通して各チャネルに供給することができる。これにより、入口側圧力緩衝部内に貯留された液体をその後入口側共通液体室全体に均一に供給することができ、各チャネル内に液体を均一に供給することができる。したがって、液体が入口側共通液体室内に直接供給される構成に比べて、チャネルの並設箇所の違いにより発生するチャネル間での圧力差を抑制できる。その結果、印字安定性の優れた液体噴射ヘッドを提供できる。
また、前記連通路は、前記入口側共通液体室内における第2方向の中央部で連通していてもよい。
この構成によれば、連通路が入口側共通液体室における第2方向の中央部で連通しているため、例えば連通路が第2方向の片側で入口側共通液体室に連通する構成に比べて、各チャネルのうち、連通路から最も離間するチャネルと、連通路と、の第2方向の距離を短縮(半減)できる。これにより、全チャネル間での圧力差を低減(半減)させることができる。
また、前記導入路は、前記入口側圧力緩衝部における第2方向の中央部に配設され、前記連通路は、前記導入路に対して第2方向の両側に配設されていてもよい。
この構成によれば、導入路を通して入口側圧力緩衝部における第2方向の中央部に流入した液体は、導入路に対して第2方向の両側に配設された連通路を通って入口側共通液体室内に供給されることになる。そのため、各チャネルのうち、連通路から最も離間するチャネルと、連通路と、の第2方向の距離をさらに短縮でき、全チャネル間での圧力差をより低減できる。
また、前記導入路は、前記入口側圧力緩衝部における第2方向の中央部に一対配置され、前記入口側圧力緩衝部のうち、一対の前記導入路間に位置する部分には、両者を仕切る仕切壁が配設されていてもよい。
この構成によれば、各導入路間を仕切る仕切壁が配設されているため、各導入路を通して入口側圧力緩衝部内に流入した液体を、各連通路に向けて均等に流通させることができる。
また、前記入口側圧力緩衝部のうち、前記連通路に対して前記導入路の反対側には、前記入口側共通液体室を迂回して前記入口側圧力緩衝部内の気泡を排出するバイパス路が形成されていてもよい。
この構成によれば、入口側圧力緩衝部内の気泡が入口側共通液体室を迂回することで、チャネル内で気泡の滞留を抑制し、噴射不良が発生するのを抑制できる。
しかも、バイパス路が、連通路に対して導入路の反対側に形成されているので、バイパス路内への液体の流入を抑制できる。さらに、入口側圧力緩衝部内の気泡は、液体に押し出されてバイパス路から排出されることになるので、入口側圧力緩衝部内に液体をスムーズに流入させることができる。
また、前記入口側圧力緩衝部には、前記入口側圧力緩衝部内の気泡を前記バイパス路に向けて案内する気泡ガイド部が形成されていてもよい。
この構成によれば、気泡をバイパス路に向けて案内する気泡ガイド部が形成されているため、入口側圧力緩衝部内での気泡の滞留を抑制できる。
また、前記入口側圧力緩衝部において、前記導入路の開口面積の総和と、前記連通路の開口面積の総和と、が同等になっていてもよい。
この構成によれば、導入路及び連通路を通過する際の圧力損失の差を低減でき、液体噴射ヘッド内で液体をスムーズに流通させることができる。
また、前記入口側圧力緩衝部には、前記導入路を通して流入した液体を前記連通路に向けて案内する液体ガイド部が形成されていてもよい。
この構成によれば、入口側圧力緩衝部内に流入した液体を連通路に向けて案内する液体ガイド部が形成されているため、入口側圧力緩衝部内において導入路の周辺での気泡の滞留を抑え、液体をスムーズに流通させることができる。
また、前記チャネルは、第1方向の一端部において前記入口側共通液体室内に連通し、他端部において出口側共通液体室内に連通し、液体の流通方向に沿う前記出口側共通液体室よりも下流側に位置する部分には、出口側圧力緩衝部が配設されていてもよい。
この構成によれば、チャネルを間に挟んで液体の流通方向における両側に圧力緩衝部を配設することで、チャネルに対して上流側及び下流側での圧力バランスを均等に保持することができ、液体噴射ヘッド内を所望の圧力に維持し易くなる。この場合、液体噴射ヘッド内の圧力中心を噴射孔近傍に設定できるので、メニスカスを安定して保持することができ、液体を安定して噴射させることができる。
また、前記入口側圧力緩衝部は、前記入口側共通液体室よりも流路断面積が大きくなっていてもよい。
この構成によれば、入口側圧力緩衝部の面積を確保し、圧力緩衝効果をより高めることが可能である。
本発明に係る液体噴射装置は、上記本発明に係る液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明に係る液体噴射ヘッドを備えているため、印字安定性の優れた液体噴射装置を提供できる。
本発明によれば、印字安定性の優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供できる。
インクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッド及びインク循環手段の概略構成図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 ノズルプレートを取り外した状態におけるインクジェットヘッドの底面図である。 図4のV−V線に相当する断面図である。 図7のVI−VI線に相当する断面図である。 第1実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た平面図である。 第1実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。 第1実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た斜視図である。 第1実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た斜視図である。 第2実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た部分平面図である。 第2実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た部分平面図である。 図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。 第3実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た平面図である。 第3実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。 第3実施形態の他の構成を示す流路部材をZ方向の一端側から見た部分平面図である。 第3実施形態の他の構成を示す流路部材をZ方向の他端側から見た部分平面図である。 第4実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た平面図である。 第4実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。 第5実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た平面図である。 第5実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。 第5実施形態の他の構成を示す流路部材をZ方向の一端側から見た部分平面図である。 第5実施形態の他の構成を示す流路部材をZ方向の他端側から見た部分平面図である。 図23のA−A線に沿う断面図である。 第6実施形態における流路部材をZ方向の一端側から見た平面図である。 第6実施形態における流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。 第6実施形態の他の構成を示す流路部材をZ方向の他端側から見た部分平面図である。 図25のB−B線に沿う断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の一例として、インク(液体)を利用して記録紙に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
[プリンタ]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、紙等の記録紙(被記録媒体)Pを搬送する一対の搬送手段(移動機構)2,3と、インクが収容されたインクタンク(液体供給部)4と、記録紙Pに液滴状のインクを吐出するインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させるインク循環手段6と、インクジェットヘッド5を記録紙Pの搬送方向(以下、X方向とする)と直交する方向(記録紙Pの幅方向、以下、Y方向とする)に走査させる走査手段(移動機構)7と、を備えている。なお、図中Z方向はX方向及びY方向と直交する高さ方向を示す。
搬送手段2は、Y方向に延設されたグリッドローラ11と、グリッドローラ11に平行に延設されたピンチローラ12と、グリッドローラ11を軸回転させるモータ等の駆動機構(不図示)と、を備えている。同様に、搬送手段3は、Y方向に延設されたグリッドローラ13と、グリッドローラ13に平行に延設されたピンチローラ14と、グリッドローラ13を軸回転させる駆動機構(不図示)と、を備えている。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のインクのインクタンク4Y,4M,4C,4BがX方向に並んで設けられている。
図2はインクジェットヘッド5及びインク循環手段6の概略構成図である。
図1、図2に示すように、インク循環手段6は、インクジェットヘッド5にインクを供給するインク供給管21、及びインクジェットヘッド5からインクを排出するインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。なお、インク供給管21及びインク排出管22は、インクジェットヘッド5を支持する走査手段7の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を介してインクジェットヘッド5の後述する入口側共通インク室90(図3参照)にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インクジェットヘッド5の後述する出口側共通インク室91a,91b(図3参照)からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。そして、インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を介して循環可能となっている。
図1に示すように、走査手段7は、Y方向に延設された一対のガイドレール31,32と、一対のガイドレール31,32に移動可能に支持されたキャリッジ33と、キャリッジ33をY方向に移動させる駆動機構34と、を備えている。駆動機構34は、一対のガイドレール31,32の間に配設された一対のプーリ35,36と、一対のプーリ35,36間に巻回された無端ベルト37と、一方のプーリ35を回転駆動させる駆動モータ38と、を備えている。
一対のプーリ35,36は、一対のガイドレール31,32の両端部間にそれぞれ配設される。無端ベルト37は、一対のガイドレール31,32間に配設され、この無端ベルト37にキャリッジ33が連結される。キャリッジ33には、複数のインクジェットヘッド5として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のインクのインクジェットヘッド5Y,5M,5C,5BがY方向に並んで搭載される。なお、上述した搬送手段2,3及び走査手段7により、インクジェットヘッド5と記録紙Pとを相対的に移動させる移動機構を構成している。
<インクジェットヘッド>
次に、上述したインクジェットヘッド5について詳述する。なお、インクジェットヘッド5Y,5M,5C,5Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、まとめてインクジェットヘッド5として説明する。
図3はインクジェットヘッド5の分解斜視図、図4はノズルプレート51を取り外した状態におけるインクジェットヘッド5の底面図である。
図3、図4に示すように、各インクジェットヘッド5は、後述する吐出チャネル71における延在方向(Y方向(第1方向))の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのうち、インクタンク4との間でインクを循環させる循環式のインクジェットヘッド5である。また、本実施形態のインクジェットヘッド5は、複数のノズル孔(噴射孔)85,86からなるノズル列87,88が二列に亘って形成された二列タイプのインクジェットヘッド5である。
インクジェットヘッド5は、ノズルプレート51、アクチュエータプレート52、カバープレート53、及び流路部材54を主に備えている。そして、インクジェットヘッド5は、これらノズルプレート51、アクチュエータプレート52、カバープレート53、及び流路部材54がこの順で接着剤等によりZ方向に積層された構成とされている。なお、以下の説明では、上述したZ方向のうち、ノズルプレート51側(図3における下側)を一端側、流路部材54側(図3における上側)を他端側として説明する。
<アクチュエータプレート>
図5は図4のV−V線に相当する断面図、図6は図7のVI−VI線に相当する断面図である。
図5、図6に示すように、アクチュエータプレート52は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成され、その分極方向が厚さ方向(Z方向)に沿って一方向に設定されている。このアクチュエータプレート52には、X方向(第2方向)に間隔をあけて並設された複数のチャネル71,72からなるチャネル列(第1チャネル列63及び第2チャネル列64)が2列配設されている。なお、以下の説明では、主に第1チャネル列63について説明し、第2チャネル列64における第1チャネル列63と対応する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
第1チャネル列63は、Y方向に沿って延在する複数のチャネル71,72が、X方向に間隔をあけて互いに平行に並んで構成されている。すなわち、各チャネル71,72は、Y方向に直線状、かつX方向に等間隔に形成されるとともに、圧電体(アクチュエータプレート52)からなる駆動壁65によってそれぞれ画成されている。
具体的に、複数のチャネル71,72は、インクが充填される吐出チャネル(チャネル)71と、インクが充填されないダミーチャネル72と、を有している。そして、これら吐出チャネル71及びダミーチャネル72は、X方向で交互に並んで配列されている。
図3、図6に示すように、吐出チャネル71は、X方向から見た側面視において、Z方向の一端側に向けて凸の湾曲形状を呈している。具体的に、吐出チャネル71は、Y方向の両端部から中央部に向かうに従いZ方向の一端側に向けて湾曲しながら延びる切り上がり部66と、各切り上がり部66間に位置する中間部67と、を有している。吐出チャネル71は、中間部67を通してアクチュエータプレート52におけるZ方向の一端側に位置する第1主面52a上に開口し、切り上がり部66及び中間部67を通してZ方向の他端側に位置する第2主面52b上に開口している。すなわち、アクチュエータプレート52において、吐出チャネル71の中間部67に位置する部分は、Z方向に貫通している。
ダミーチャネル72は、X方向から見た側面視において、Z方向の他端側に向けて凸の湾曲形状を呈している。すなわち、ダミーチャネル72は、吐出チャネル71に対してZ方向に反転した形状になっている。具体的に、ダミーチャネル72は、Y方向の両端部から中央部に向かうに従いZ方向の他端側に向けて湾曲しながら延びる切り上がり部68と、各切り上がり部68間に位置する中間部69と、を有している。ダミーチャネル72は、切り上がり部68及び中間部69を通してアクチュエータプレート52の第1主面52a上に開口し、中間部69を通してアクチュエータプレート52の第2主面52b上に開口している。すなわち、アクチュエータプレート52において、ダミーチャネル72の中間部69に位置する部分は、Z方向に貫通している。
したがって、吐出チャネル71及びダミーチャネル72は、アクチュエータプレート52における両主面52a,52b上でのY方向における開口長がそれぞれ異なっている。第1チャネル列63は、図4に示すように、第1主面52a上においてダミーチャネル72の開口長が吐出チャネル71の開口長よりも長くなり、図3に示すように、第2主面52b上において吐出チャネル71の開口長がダミーチャネル72の開口長よりも長くなっている。この場合、図4に示すように、第1主面52a上ではダミーチャネル72が両切り上がり部68の長さ分だけ吐出チャネル71よりもY方向の両側に突出している。また、図3に示すように、第2主面52b上では、吐出チャネル71が両切り上がり部66の長さ分だけダミーチャネル72よりもY方向の両側に突出している。
また、図6に示すように、アクチュエータプレート52の後述する第1尾部70Aのうち、ダミーチャネル72に対してY方向の外側(一端側)に位置する部分には、浅溝部77が形成されている。浅溝部77は、Y方向の内側端部がダミーチャネル72内に連通し、Y方向の外側端部がアクチュエータプレート52のY方向における外側端面で開口している。
図3、図4に示すように、第2チャネル列64は、上述した第1チャネル列63と同様に吐出チャネル71及びダミーチャネル72が交互に並設されてなり、第1チャネル列63に対してY方向に間隔をあけて配設されている。具体的に、第2チャネル列64の吐出チャネル71及びダミーチャネル72は、第1チャネル列63の吐出チャネル71及びダミーチャネル72の配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。したがって、本実施形態のインクジェットヘッド5では、第1チャネル列63及び第2チャネル列64の吐出チャネル71同士、並びに第1チャネル列63及び第2チャネル列64のダミーチャネル72同士が千鳥状(互い違い)に配置されている。すなわち、隣り合うチャネル列63,64間において、吐出チャネル71及びダミーチャネル72同士がY方向で対向している。なお、アクチュエータプレート52のうち、Y方向の両端部(各チャネル列63,64に対してY方向の外側に位置する部分はそれぞれ尾部(第1尾部70A及び第2尾部70B)を構成している。
ここで、図3、図6に示すように、隣り合うチャネル列63,64間において、Y方向で対向する吐出チャネル71及びダミーチャネル72は、Y方向の内側端部同士がZ方向で重なり合う位置に相互に近接配置されている。具体的に、Y方向で対向する第1チャネル列63の吐出チャネル71及び第2チャネル列64のダミーチャネル72は、Y方向の内側に位置する切り上がり部66,68の一部同士がZ方向で重なり合っている。一方、Y方向で対向する第1チャネル列63のダミーチャネル72及び第2チャネル列64の吐出チャネル71は、Y方向の内側に位置する切り上がり部68,66の一部同士がZ方向で重なり合っている。
図3〜図6に示すように、アクチュエータプレート52の駆動壁65のうち、各吐出チャネル71に面する内側面(吐出チャネル71の内面のうち、Y方向で対向する面)には、共通電極73がそれぞれ形成されている。これら共通電極73は、Z方向における幅が吐出チャネル71の半分程度とされ、各吐出チャネル71の内側面において、Z方向の一端縁から中間部分に至る範囲に形成されている。なお、共通電極73は、Y方向における長さが吐出チャネル71の中間部67と同等(第1主面52a上における吐出チャネル71の開口長と同等)とされている。
図4、図6に示すように、アクチュエータプレート52における第1主面52a上の尾部70A,70Bには、共通電極73と、後述するフレキシブルプリント基板80,81と、を電気的に接続する複数の共通配線74が形成されている。共通配線74は、Y方向に沿って互いに平行に延在する帯状とされ、そのY方向の内側端部が吐出チャネル71の共通電極73に接続されるとともに、吐出チャネル71に対してY方向の外側に向けて引き出されている。
また、図3、図5、図6に示すように、アクチュエータプレート52の駆動壁65のうち、各ダミーチャネル72に面する内側面には、個別電極75が形成されている。これら個別電極75は、Z方向における幅がダミーチャネル72の半分程度とされ、各ダミーチャネル72の内側面において、Z方向の一端縁から中間部分に至る範囲に形成されている。この場合、各個別電極75のうち、同一のダミーチャネル72内で対向する個別電極75同士は互いに電気的に分離されている。なお、個別電極75は、浅溝部77の内側面にも連なっている。
一方、吐出チャネル71を挟んで対向する個別電極75同士は、尾部70A,70Bにおいて、共通配線74よりもY方向の外側に位置する個別配線76を介して電気的に接続されている。
図4に示すように、アクチュエータプレート52の第1主面52a上において、第1尾部70Aには、第1チャネル列63側の各配線74,76に接続される第1フレキシブルプリント基板80が圧着されている。一方、第2尾部70Bには、第2チャネル列64側の各配線74,76に接続される第2フレキシブルプリント基板81が圧着されている。
<ノズルプレート>
図3に示すように、ノズルプレート51は、厚みが50μm程度のポリイミド等のフィルム材からなり、アクチュエータプレート52の第1主面52a上に接着されている。なお、ノズルプレート51は、Y方向における幅がアクチュエータプレート52よりも狭くなっており、アクチュエータプレート52におけるY方向の外側端部(尾部70A,70B)を露出させている。そして、アクチュエータプレート52のうち、ノズルプレート51から露出した部分に上述したフレキシブルプリント基板80,81がそれぞれ圧着されている。
ノズルプレート51には、X方向に間隔をあけて並設された複数のノズル孔(第1ノズル孔85及び第2ノズル孔86)からなるノズル列(第1ノズル列87及び第2ノズル列88)が2列配設されている。
第1ノズル列87は、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数の第1ノズル孔85を有し、これら第1ノズル孔85がX方向に間隔をあけて一直線上に並んで構成されている。これら第1ノズル孔85は、上述した第1チャネル列63の吐出チャネル71内に連通している。
第2ノズル列88は、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数の第2ノズル孔86を有し、上述した第1ノズル列87と平行に配設されている。各第2ノズル孔86は、上述した第2チャネル列64の吐出チャネル71内に連通している。したがって、各ダミーチャネル72は、ノズル孔85,86には連通しておらず、ノズルプレート51によりZ方向の一端側から覆われている。
<カバープレート>
図3に示すように、カバープレート53は、各チャネル列63,64を閉塞するようにアクチュエータプレート52の第2主面52b上に接着された板状とされている。
図3、図6に示すように、カバープレート53には、入口側共通インク室90及び出口側共通インク室(第1出口側共通インク室91a、及び第2出口側共通インク室91b)が形成されている。
入口側共通インク室90は、カバープレート53をX方向に沿って延びるスリットとされている。入口側共通インク室90は、各チャネル列63,64の吐出チャネル71におけるY方向の内側端部同士とZ方向で対向し、各吐出チャネル71内にまとめて連通している。
第1出口側共通インク室91aは、カバープレート53をX方向に沿って延びるスリットとされている。第1出口側共通インク室91aは、第1チャネル列63の吐出チャネル71におけるY方向の外側端部とZ方向で対向し、第1チャネル列63の吐出チャネル71内にまとめて連通している。
第2出口側共通インク室91bは、第2チャネル列64の吐出チャネル71におけるY方向の外側端部とZ方向で対向し、第2チャネル列64の吐出チャネル71内にまとめて連通している。
したがって、入口側共通インク室90及び各出口側共通インク室91a,91bは、それぞれ各吐出チャネル71に連通する一方、ダミーチャネル72には連通していない。
<流路部材>
図7は流路部材54をZ方向の一端側から見た平面図であり、図8は流路部材54をZ方向の他端側から見た平面図である。また、図9は流路部材54をZ方向の一端側から見た斜視図であり、図10は流路部材54をZ方向の他端側から見た斜視図である。
図6〜図10に示すように、流路部材54は、共通インク室90,91a,91bを閉塞するように、カバープレート53上に接着された板状の流路プレート92と、流路プレート92上に接着され、流路プレート92と協働して入口側圧力緩衝部93を画成するフィルム94と、を備えている。なお、流路プレート92は、Z方向から見た平面視でX方向に長い長方形状を呈している。
流路プレート92は、上述したインク供給管21が接続される導入ポート95と、インク排出管22が接続される導出ポート96と、導入ポート95及び入口側共通インク室90間を接続するインク供給部97と、導出ポート96及び出口側共通インク室91a,91b間を接続するインク排出部98と、を有している。
導入ポート95は、流路プレート92のうち、X方向の一端部において、Y方向の中央部に位置し、Z方向に延設されている。導入ポート95のうち、インクの流通方向に沿う上流側の開口部はZ方向の他端側に向けて開放され、下流側の開口部はZ方向の一端部においてX方向の内側に向けて開放されている。
導出ポート96は、流路プレート92のうち、X方向の他端部において、Y方向の中央部に位置し、Z方向に延設されている。導出ポート96のうち、上流側の開口部はZ方向の一端部においてX方向の内側に向けて開放され、下流側の開口部はZ方向の他端側に向けて開放されている。
インク供給部97は、入口側共通インク室90内に連通する入口側連通室100と、入口側連通室100よりも上流側に位置するインク収容部101と、インク収容部101及び入口側連通室100間を接続する連通路102と、インク収容部101及び導入ポート95間を接続する導入路103と、を備えている。
図6、図7、図9に示すように、入口側連通室100は、Z方向の一端側に向けて開口するとともに、Z方向に沿う断面視で矩形状の溝であり、流路プレート92のうちY方向の中央部において、X方向に沿って延設されている。また、入口側連通室100は、入口側共通インク室90を全域に亘ってZ方向の他端側から覆っている。
図6、図8、図10に示すように、インク収容部101は、上述した入口側連通室100に対してZ方向に積み重なった状態で配置されている。具体的に、インク収容部101は、Z方向の他端側に向けて開口するとともに、Z方向に沿う断面形状が矩形状の溝であり、流路プレート92のほぼ全域に亘って延設されている。インク収容部101は、X方向における長さが上述した入口側連通室100と同等に形成され、Y方向における幅が入口側連通室100よりも広く形成されている。この場合、インク収容部101におけるY方向の両端部は、出口側共通インク室91a,91bとそれぞれZ方向で重なる位置まで延設されている。
また、図6に示すように、流路プレート92のZ方向における他端面には、インク収容部101をZ方向の他端側から閉塞する上述したフィルム94が配設されている。フィルム94は、例えばポリアミド等の樹脂材料により形成されるとともに、厚さが例えば15μm程度であって、撓み変形可能とされている。そして、インク収容部101とフィルム94により画成された空間は、入口側共通インク室90よりも上流側に位置し、インクを貯留するとともに、一部が撓み変形可能な入口側圧力緩衝部93を構成している。
図6〜図10に示すように、連通路102は、流路プレート92において、X方向及びY方向の中央部に位置し、流路プレート92をZ方向に貫通している。連通路102は、そのZ方向の一端側開口部が入口側連通室100内で開口し、Z方向の他端側開口部がインク収容部101の底部で開口している。したがって、本実施形態の連通路102は、Z方向から見た平面視で入口側共通インク室90及びチャネル列63,64におけるX方向の中央部に位置している。図示の例において、連通路102は、Z方向から見た平面視でX方向を長軸方向とする長円形状とされ、その中心が入口側連通室100におけるX方向及びY方向の中心と一致している。なお、連通路102の内径は、Z方向の全体に亘って一様になっている。
図7〜図10に示すように、導入路103は、流路プレート92におけるZ方向の一端面に形成された導入溝110と、導入溝110内と入口側圧力緩衝部93内とを連通する一対の導入孔111と、を備えている。
図7、図9に示すように、導入溝110は、上流端が導入ポート95における下流端に連通し、下流側が二又に分岐した後、入口側連通室100に対してY方向の両側をX方向に沿って延在している。導入溝110は、アクチュエータプレート52のうち、各チャネル列63,64以外の部分にZ方向で対向している。すなわち、導入溝110は、アクチュエータプレート52によって閉塞され、チャネル列63,64内には直接連通していない。
図7、図8、図10に示すように、各導入孔111は、流路プレート92をZ方向に貫通するとともに、Z方向から見た平面視でX方向を長軸方向とする長円形状とされている。導入孔111は、上流端が導入溝110の下流端でそれぞれ開口し、下流端がインク収容部101におけるX方向の一端部で開口している。なお、各導入孔111の内径は、Z方向の全体に亘って一様になっている。
このように、入口側圧力緩衝部93において、各導入孔111及び連通路102は離間して配設されるとともに、そのうち各導入孔111はX方向の一端部に位置し、連通路102はX方向の中央部に位置している。言い換えると、Z方向から見た平面視において、各導入孔111と、チャネル列63,64におけるX方向の他端部と、の間の中間部分に連通路102が位置している。なお、各導入孔111における開口面積(例えば、インク収容部101での開口面積)の総和と、上述した連通路102における開口面積(例えば、インク収容部101での開口面積)と、は同等になっている。これにより、導入孔111及び連通路102を通過する際の圧力損失の差を低減でき、流路部材54内でインクをスムーズに流通させることができる。
また、図8、図10に示すように、流路プレート92において、インク収容部101のX方向の一端部には、各導入孔111をX方向の一端側から取り囲むとともに、インク収容部101内に流入したインクを下流側に案内するガイド部(液体ガイド)112が形成されている。ガイド部112は、Z方向から見た平面視でW字状とされ、X方向の他端部に向かうに従いインク収容部101のY方向における流路幅が漸次拡大するように形成されている。
図6、図7、図9に示すように、インク排出部98は、各出口側共通インク室91a,91bに各別に連通する一対の出口側連通室113と、各出口側連通室113及び導出ポート96間を接続する接続溝114と、を備えている。
各出口側連通室113は、Z方向の一端側に向けて開口するとともに、Z方向に沿う断面視で矩形状の溝であり、流路プレート92のうちY方向の両端部において、X方向に沿って延設されている。また、各出口側連通室113は、各出口側共通インク室91a,91bをZ方向の他端側から各別に覆っている。
接続溝114は、流路プレート92においてX方向の他端部に形成されるとともに、Z方向の一端側に向けて開放されている。具体的に、接続溝114は、下流端が導出ポート96の上流端に連通し、上流端が流路プレート92におけるY方向の両端部において各出口側連通室113内にX方向の他端部で連通している。なお、接続溝114は、アクチュエータプレート52のうち、各チャネル列63,64以外の部分にZ方向で対向している。すなわち、接続溝114は、アクチュエータプレート52によって閉塞され、チャネル列63,64内には直接連通していない。
なお、流路プレート92においてZ方向の両端面には、流路プレート92と、アクチュエータプレート52及びフィルム94それぞれと、の接着に用いられる接着剤を収容する接着剤収容部115が形成されている。
[プリンタの動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、記録紙Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環手段6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、搬送手段2,3のグリッドローラ11,13が回転することで、これらグリッドローラ11,13及びピンチローラ12,14間に記録紙Pを搬送方向(X方向)に向けて搬送する。また、これと同時に駆動モータ38がプーリ35,36を回転させて無端ベルト37を動かす。これにより、キャリッジ33がガイドレール31,32にガイドされながらY方向に往復移動する。
そしてこの間に、各インクジェットヘッド5より4色のインクを記録紙Pに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のようなサイドシュートタイプのうち、循環式のインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、導入ポート95を通って流路部材54内に流入する。具体的に、導入ポート95内に流入したインクは、導入路103を通って入口側圧力緩衝部93内に流入し、その後連通路102を通って入口側連通室100内に流入する。そして、入口側連通室100内に流入したインクは、入口側共通インク室90内に流入した後、各チャネル列63,64の吐出チャネル71内に供給される。
このとき、本実施形態では、連通路102が入口側連通室100(入口側共通インク室90)に対してX方向の中央部で連通しているため、入口側共通インク室90内に流入したインクは、入口側共通インク室90内をY方向の両側に向けて流通する。そして、インクは、入口側共通インク室90内を流通する過程で各吐出チャネル71内に分配される。
また、各吐出チャネル71内のインクは、各出口側共通インク室91a,91b内に流入し、その後各出口側連通室113から流路部材54内に流入する。具体的に、各出口側連通室113内に流入したインクは、接続溝114で集合した後、導出ポート96内に流入する。その後、導出ポート96内に流入したインクは、インク排出管22を通ってインクタンク4に戻された後、再びインク供給管21に供給される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させる。
そして、キャリッジ33(図1参照)によって往復移動が開始されると、共通電極73を基準電位GNDとし、個別電極75を駆動電位Vddとして各電極73,75間に電圧を印加する。すると、吐出チャネル71を画成する2つ駆動壁65に厚み滑り変形が生じ、これら2つの駆動壁65が吐出チャネル71にダミーチャネル72側へ突出するように変形する。すなわち、本実施形態のアクチュエータプレート52は分極方向が一方向であり、電極73,75が駆動壁65のZ方向における中間部分までしか形成されていない。そのため、各電極73,75間に電圧を印加することで、駆動壁65におけるZ方向の中間部分を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル71があたかも膨らむように変形する。
このように、2つの駆動壁65の圧電厚み滑り効果による変形によって、吐出チャネル71の容積が増大する。そして、吐出チャネル71の容積が増大したことにより、入口側共通インク室90内に貯留されたインクが吐出チャネル71内に誘導される。そして、吐出チャネル71の内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル71の内部に伝播し、この圧力波がノズル孔85,86に到達したタイミングで、電極73,75間に印加した電圧をゼロにする。これにより、駆動壁65が復元し、一旦増大した吐出チャネル71の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル71の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、液滴状のインクがノズル孔85,86を通って外部に吐出されることで、上述したように記録紙Pに文字や画像等を記録することができる。
なお、本実施形態におけるインクを吐出チャネル71の内部に循環させる動作と、吐出チャネル71からインクを吐出する動作は、個別に実施しても、同時に実施しても構わない。
ここで、本実施形態では、インクジェットヘッド5内の圧力変動に応じて、入口側圧力緩衝部93を画成するフィルム94が撓み変形することで、圧力変動を緩衝している。まず、本実施形態のような循環式のインクジェットヘッド5では、各ノズル孔85,86内部でメニスカスが形成されるように、各ノズル孔85,86近傍での圧力(ノズル圧)が常に負圧(例えば、−1kPa程度)になるように加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動が制御されている。なお、吸引ポンプ25の吸引力は、加圧ポンプ24の加圧力よりも高くなるように設定されている。
この場合、各チャネル列63,64に対して上流側(入口側共通インク室90側)は、吐出チャネル71の内部圧力に対して正圧となっている。そのため、フィルム94は、入口側圧力緩衝部93内の容積を拡大させるように、Z方向の他端側に向けて撓み変形している。
この状態で、上述したように吐出チャネル71の容積の減少により各ノズル孔85,86からインクが吐出されると、吐出チャネル71内の圧力が瞬間的に減少する。すると、吐出チャネル71内の圧力変動が圧力波となって入口側共通インク室90を介して入口側圧力緩衝部93内に伝播し、フィルム94が撓み変形する。すなわち、フィルム94が入口側圧力緩衝部93内の容積を縮小させるようにZ方向の一端側に向けて撓み変形する。これにより、吐出チャネル71内で発生した圧力変動を緩衝することができる。
また、入口側圧力緩衝部93には、各吐出チャネル71がまとめて連通しているので、何れかの吐出チャネル71での圧力変動が入口側圧力緩衝部93を介して他の吐出チャネル71に伝播される、いわゆるクロストークも抑制できる。
なお、上述の説明では、インク吐出時に起こる圧力変動について説明したが、これに限られない。例えばキャリッジ33の移動時やインク給排時等において、循環流路23の揺動によってインクジェットヘッド5内に発生する圧力変動についても、フィルム94が撓み変形することで圧力変動を緩衝することが可能である。
特に、本実施形態では、入口側圧力緩衝部93の流路断面積(例えば、XY平面における流路断面積)が、入口側共通インク室90に比べて大きいため、フィルム94の面積を確保し易くなり、圧力緩衝効果をより高めることが可能となっている。
ここで、本実施形態では、入口側圧力緩衝部93において、導入路103及び連通路102が離間して配置される構成とした。
この構成によれば、入口側圧力緩衝部93において、導入路103と連通路102とが互いに離間しているので、導入路103を通って入口側圧力緩衝部93内に流入したインクが連通路102に直接流入するのを抑えることができる。すなわち、インクタンク4から供給されるインクを入口側圧力緩衝部93内に一旦貯留した後、入口側共通インク室90内を通して各吐出チャネル71に供給することができる。この場合、これにより、入口側圧力緩衝部93内に貯留されたインクをその後入口側共通インク室90全体にインクを均一に供給することができるため、各吐出チャネル71内にインクを均一に供給することができる。したがって、インクが入口側共通インク室90内に直接供給される構成に比べて、吐出チャネル71の並設箇所の違いにより発生する吐出チャネル71間での圧力差を抑制できる。その結果、印字安定性の優れたインクジェットヘッド5を提供できる。
特に、本実施形態では、連通路102が入口側共通インク室90に対してX方向の中央部で連通しているため、例えば連通路102がX方向の一端部で入口側共通インク室90に連通する構成に比べて、各吐出チャネル71のうち、連通路102から最も離間する吐出チャネル71と、連通路102と、のX方向の距離を短縮(半減)できる。これにより、全吐出チャネル71間での圧力差を低減(半減)させることができる。
また、入口側圧力緩衝部93内に流入したインクを下流側に案内するガイド部112が形成されているため、入口側圧力緩衝部93内において導入孔111の周辺での気泡の滞留を抑え、インクをスムーズに流通させることができる。
そして、本実施形態のプリンタ1では、上述したインクジェットヘッド5を備えているため、印字安定性の優れたプリンタ1を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図11は第2実施形態における流路部材200をZ方向の一端側から見た部分平面図であり、図12は流路部材200をZ方向の他端側から見た部分平面図である。また、図13は、図10のXIII−XIII線に沿う断面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11〜図13に示すように、本実施形態の流路部材200において、流路プレート201のインク収容部101には、入口側共通インク室90を迂回するバイパス路202が形成されている。バイパス路202は、流路プレート201におけるX方向の他端部(連通路102を間に挟んで導入路103の反対側)に形成されている。具体的に、バイパス路202は、流路プレート201をZ方向に貫通する一対の流出孔203と、流路プレート201におけるZ方向の一端面に形成され、各流出孔203とインク排出部98との間を各別に接続する流出溝204と、を備えている。
流出孔203は、Z方向から見た平面視で円形状とされ、その内径が上述した導入孔111よりも十分に小さくなっている。これにより、流出孔203を通したインクの流通を抑制し、気泡を積極的に流通させるようになっている。
図11に示すように、流出溝204は、流路プレート201のX方向の他端部において、入口側連通室100に対してY方向の両側をX方向に沿って延設されている。そして、流出溝204は、上流端が流路プレート201におけるZ方向の一端面で流出孔203内に連通し、下流端が上述した接続溝114内に連通している。
なお、図12に示すように、インク収容部101において、X方向の他端部には、各流出孔203をX方向の他端側から取り囲むとともに、インク収容部101内の気泡を下流側(流出孔203)に案内するガイド部(気泡ガイド)205が形成されている。ガイド部205は、Z方向から見た平面視でW字状とされ、X方向の他端部に向かうに従いインク収容部101のY方向における流路幅が漸次縮小するように形成されている。
この構成によれば、上述したように入口側圧力緩衝部93内にインクが流入すると、入口側圧力緩衝部93内に存在する気泡がインクに押し出され、流出孔203からバイパス路202内に流入する。具体的に、流出孔203内に流入した気泡は、その後流出溝204を通ってインク排出部98の接続溝114内に排出される。接続溝114内に排出された気泡は、導出ポート96を通ってインクジェットヘッド5の外部に排出される。すなわち、本実施形態では、入口側圧力緩衝部93内の気泡が吐出チャネル71を迂回してインク排出部98内に排出されることになる。これにより、吐出チャネル71内で気泡の滞留を抑制し、インクの吐出不良が発生するのを抑制できる。
しかも、流路プレート201において、連通路102を間に挟んで導入路103の反対側にバイパス路202が形成されているため、バイパス路202内へのインクの流入を抑制できる。さらに、入口側圧力緩衝部93内の気泡は、インクに押し出されてバイパス路202から排出されることになるので、入口側圧力緩衝部93内にインクをスムーズに流入させることができる。
また、入口側圧力緩衝部93に、気泡を流出孔203に向けて案内するガイド部205が形成されているため、入口側圧力緩衝部93内での気泡の滞留をより確実に抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図14は第3実施形態における流路部材300をZ方向の一端側から見た平面図であり、図15は流路部材300をZ方向の他端側から見た平面図である。本実施形態では、圧力緩衝部305a,305bを複数に分割する点で上述した各実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態の流路部材300において、流路プレート301には、インク収容部302をX方向で仕切る仕切壁303が形成されている。仕切壁303は、流路プレート301におけるX方向の中央部において、Y方向に対してX方向に傾斜して延在している。これにより、インク収容部302は、X方向の一端側に位置する第1収容部302aと、X方向の他端側に位置する第2収容部302bと、に仕切られている。なお、各収容部302a,302bは、流路プレート301の中心を通りZ方向に沿って延びる対称線(不図示)に対して点対称とされている。
そして、流路プレート301には、各収容部302a,302bをまとめて閉塞するフィルム94が貼着されている。これにより、第1収容部302a及びフィルム94により第1圧力緩衝部305aが画成され、第2収容部302b及びフィルム94により第2圧力緩衝部305bが画成されている。
上述した仕切壁303には、X方向の内側(中央部)に向かうに従いY方向における流路幅が漸次縮小する一対のガイド部304が形成されている。各ガイド部304は、X方向の内側端部がY方向にずれて配置されている。
図14に示すように、導入路310の導入溝311は、流路プレート301のうち、入口側連通室100に対してY方向の両側に位置する部分をX方向に沿って延在し、下流端が流路プレート301におけるX方向の中央部で終端している。
また、図15に示すように、導入路310の各導入孔312は、上流端が導入溝311の下流端でそれぞれ開口し、下流端が各収容部302a,302bの底面上で各別に開口している。図示の例において、各導入孔312は、Y方向で隣り合うとともに、X方向で同等の位置に配置されている。この場合、各導入孔312は、ガイド部304によりX方向の内側からそれぞれ取り囲まれている。
ここで、連通路313は、流路プレート301において、各収容部302a,302bのX方向及びY方向の中央部にそれぞれ配置され、流路プレート301をZ方向に貫通している。各連通路313は、Z方向から見た平面視でX方向を長軸方向とする長円形状とされ、そのZ方向の一端側開口部が入口側連通室100内で開口し、Z方向の他端側開口部が各収容部302a,302bの底部で開口している。すなわち、本実施形態では、流路プレート301において、各導入孔312がX方向の中央部に形成され、各連通路313がX方向の両端部から1/4程度の位置にそれぞれ形成されている。言い換えると、連通路313のうち、第1収容部302a内に連通する連通路313は、Z方向から見た平面視において、導入孔312と、チャネル列63,64におけるX方向の一端部と、の中間部分に位置している。一方、第2収容部302b内に連通する連通路313は、Z方向から見た平面視において、導入孔312と、チャネル列63,64におけるX方向の他端部と、の中間部分に位置している。
この構成によれば、導入孔312を通して各圧力緩衝部305a,305b(収容部302a,302b)内に流入したインクは、各圧力緩衝部305a,305bの連通路313を通って入口側連通室100内に流入し、その後入口側共通インク室90を通って各吐出チャネル71内に分配される。本実施形態では、各圧力緩衝部305a,305bに連通路313を各別に形成することで、吐出チャネル71のうち、連通路313から最も離間する吐出チャネル71との距離をより短縮することができる。これにより、全吐出チャネル71間での圧力差をより低減させることができる。この場合、各導入路310間を仕切る仕切壁303が配設されているため、各連通路313にインクを均等に流通させることができる。
なお、上述した第3実施形態では、インク収容部302を仕切壁303により複数の収容部302a,302bに仕切る構成について説明したが、これに限られない。1つのインク収容部のうち、X方向及びY方向の中央部に導入路を形成し、導入路に対してX方向の両側に連通路を離間配置しても構わない。
また、本実施形態の流路プレート301(収容部302a,302b)においても、上述した第2実施形態と同様に、入口側共通インク室90を迂回するバイパス路320を形成しても構わない。具体的に、図16、図17に示すバイパス路320は、各収容部302a,302b(図16、図17では第1収容部302aのみ示す)内において、連通路313を間に挟んで各導入孔312の反対側に位置する部分にそれぞれ一対ずつ形成されている。バイパス路320は、流路プレート301をZ方向に貫通し、下流端が流路プレート301におけるZ方向の一端面で出口側連通室113内に開口している。なお、図17に示すように、収容部302a,302bにおいて、X方向の外側端部には、各バイパス路320をX方向の外側から取り囲むとともに、収容部302a,302b内の気泡を下流側(バイパス路320)に案内するガイド部(気泡ガイド)321が形成されている。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図18は第4実施形態における流路部材400をZ方向の一端側から見た平面図であり、図19は第4実施形態における流路部材400をZ方向の他端側から見た平面図である。本実施形態では、インク排出部410に出口側圧力緩衝部430を形成する点で、上述した各実施形態と相違している。
図19に示すように、本実施形態の流路部材400において、インク収容部402は仕切壁407によって第1収容部402a及び第2収容部402b(第1圧力緩衝部406a及び第2圧力緩衝部406b)に仕切られている。各収容部402a,402b内において、X方向の内側端部には導入路403が開口し、X方向の中央部には連通路404が開口し、X方向の外側端部にはバイパス路405が開口している。
図18、図19に示すように、各バイパス路405のうち、第1収容部402a側のバイパス路405は、流路プレート401におけるZ方向の他端面上において、第1収容部402aに対してY方向の両側に向けて延在し、その後流路プレート401をZ方向に貫通して、出口側連通室113内で開口している。
一方、第2収容部402b側のバイパス路405は、流路プレート401をZ方向に貫通した後、流路プレート401におけるZ方向の一端面上において、Y方向の外側に向けて延在し、出口側連通室113内で開口している。
本実施形態のインク排出部410は、出口側連通室113と、出口側連通室113よりも下流側に位置するインク収容部411と、インク収容部411及び出口側連通室113間を接続する連通路412と、インク収容部411及び導出ポート96間を接続する導出路413と、を備えている。
インク収容部411は、流路プレート401におけるZ方向の他端面において、上述した第2収容部402bに対してY方向の両側に一対で配設されている。具体的に、各インク収容部411は、Z方向に沿う断面形状が矩形状とされた溝であり、X方向に沿って延設されている。各インク収容部411のうち、上流側は流路プレート401におけるX方向の中央部に位置し、下流側は第2収容部402bに対してX方向の他端側に回り込んでいる。なお、図示の例において、各インク収容部411のY方向における流路幅の総和は、第2収容部402bに対してY方向における流路幅よりも小さくなっている。
連通路412は、Z方向から見た平面視でX方向を長軸方向とする長円形状とされ、流路プレート401のうちX方向の中央部であって、Y方向の両端部に位置する部分に一対で配置されている。連通路412は、そのZ方向の一端側開口部が出口側連通室113におけるX方向の中央部で開口し、Z方向の他端側開口部が各インク収容部411におけるX方向の内側端部(上流端)で開口している。
導出路413は、上流端がインク収容部411の下流端に接続され、下流端が導出ポート96に接続されている。具体的に、導出路413は、インク収容部411におけるX方向の外側端部において、流路プレート401をZ方向に貫通した後、流路プレート401におけるZ方向の一端面においてX方向の外側に向けて延在し、導出ポート96に接続されている。
そして、本実施形態の流路プレート401には、上述した各実施形態と同様に、インク収容部402,411を閉塞するフィルム94が接着されている。これにより、インク収容部411とフィルム94とにより画成された空間は、出口側共通インク室91a,91bよりも下流側に位置し、一部が撓み変形可能な出口側圧力緩衝部430を構成している。すなわち、本実施形態では、吐出チャネル71を間に挟んでインクに流通方向における両側に圧力緩衝部406a,406b,430が形成されている。
この構成によれば、吐出チャネル71を間に挟んでインクの流通方向における両側に圧力緩衝部406a,406b,430を配設することで、吐出チャネル71に対して上流側及び下流側での圧力バランスを均等に保持することができ、インクジェットヘッド5内を所望の圧力に維持し易くなる。この場合、インクジェットヘッド5内の圧力中心をノズル孔85,86近傍に設定できるので、メニスカスを安定して保持することができ、インクを安定して吐出させることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上述した実施形態では、ノズル列87,88がそれぞれX方向に沿って直線状に延在している場合について説明したが、これに限らず、例えばノズル列87,88が斜めに延在していてもよい。
また、ノズル孔85,86の形状に関しても、円形に限定されるものではない。例えば、三角等の多角形状や、楕円形状や星型形状でも構わない。
また、上述した実施形態では、各チャネル列63,64間において、吐出チャネル71同士及びダミーチャネル72同士が半ピッチずれた千鳥状に配列された構成について説明したが、これに限られない。吐出チャネル71同士及びダミーチャネル72同士が、X方向で異なる位置に形成されていれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、ノズル列87,88が二列並んだ二列タイプのインクジェットヘッド5について説明したが、これに限らず、ノズル列は一列であっても三列以上の複数列であっても構わない。
また、上述した実施形態では、サイドシュートタイプのうち、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクが循環する循環式について説明したが、これに限られない。例えば、サイドシュートタイプのうち、吐出チャネル71の両端部からノズル孔85,86に向けてインクを供給する構成としても構わない。
さらに、吐出チャネルの延在方向の端部に臨むノズル孔からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドに本実施形態の構成を採用しても構わない。
また、上述した実施形態では、切り上がり部66,68を円弧状に形成した場合について説明したが、これに限らず、Y方向の中央部から内側端部に向かうに従い傾斜して延在していれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、分極方向が厚さ方向に一方向のアクチュエータプレート52を用いた場合について説明したが、これに限られない。例えば、分極方向が異なる2枚の圧電体を積層した、いわゆるシェブロン方式のアクチュエータプレート52を用いても構わない。
また、上述した実施形態では、インク収容部の中心に連通路を配設する構成について説明したが、これに限らず、導入路と連通路とが離間して配置されていれば、それらのレイアウトは適宜設計変更が可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
(第5実施形態)
図20は流路部材500をZ方向の一端側から見た平面図であり、図21は流路部材500をZ方向の他端側から見た平面図である。本実施形態では、導入ポート501と排出ポート502を同一端面(X方向の一端側)に形成する点で、上述した各実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図20に示すように、インク供給部503は入口側連通室100とインク収容部504及び入口側連通室100間を接続する入口側連通路102と、インク収容部504及び導入ポート間501を接続する導入路505と導入孔506、を備えている。
インク収容部504のX方向の一端部には、導入孔506をX方向の一端側から取り囲むとともに、インク収容部内に流入したインクを下流側に案内するガイド部(液体ガイド)507が形成されている。ガイド部507は、X方向の内側端部がY方向にずれて配置されている。
インク収用部503のX方向他端部には、インク収用部503内に存在する気泡がインクに押し出され排出するバイパス路508と流出孔509を形成しても構わない。流出孔509は、図21に示すように後述する出口側連通室511に連通している。図22および図23にバイパス路508と流出孔509の近傍の拡大図を示す。
本実施形態のインク排出部510は、出口側連通室511と、出口側連通室511よりも下流側に位置するインク収容部512、インク収容部512及び出口側連通室511間を接続する連通路513と、インク収容部510及び排出ポート502間を接続する導出路514と導出孔515、を備えている。
インク収容部512は、流路プレート500におけるZ方向の一端面において、上述したインク収容部504に対してY方向の両側に一対で配設されている。具体的に、各インク収容部512は、Z方向に沿う断面形状が矩形状とされた溝であり、X方向に沿って延設されている。各インク収容部512のうち、上流側は流路プレート500におけるX方向の中央部に位置し、下流側はインク収容部504に対して導入ポート501が形成されるX方向に回り込んでいる。なお、図示の例において、各インク収容部512のY方向における流路幅の総和は、インク収容部504に対してY方向における流路幅よりも小さくなっている。
導出路514は、上流端がインク収容部512の下流端に接続され、下流端が導出ポート502に接続されている。具体的に、導出路514は、インク収容部512におけるX方向の外側端部において、流路プレート500をZ方向に貫通した後、流路プレート500におけるZ方向の一端面において導出ポート502が形成されるX方向の外側に向けて延在し、導出ポート502に接続されている。
そして、本実施形態の流路プレート500には、上述した各実施形態と同様に、インク収容部504,512を閉塞するフィルム94が接着されている。これにより、インク収容部504,512とフィルム94とにより画成された空間は、一部が撓み変形可能な圧力緩衝部を構成している。すなわち、本実施形態では、図24に示す通り、吐出チャネル71を間に挟んでインクに流通方向における両側に圧力緩衝部516,517a,517bが形成されている。
この構成によれば、吐出チャネル71を間に挟んでインクの流通方向における両側に圧力緩衝部516,517a,517bを配設することで、吐出チャネル71に対して上流側及び下流側での圧力バランスを均等に保持することができ、インクジェットヘッド5内を所望の圧力に維持し易くなる。この場合、インクジェットヘッド5内の圧力中心をノズル孔85,86近傍に設定できるので、メニスカスを安定して保持することができ、インクを安定して吐出させることができる。また、導入ポート501と導出ポート502を同一端部に形成できるため、流路部材外形を小さくできる。
(第6実施形態)
図25は流路部材をZ方向の一端側から見た平面図であり、図26は流路部材をZ方向の他端側から見た平面図である。本実施形態では、導入ポートと排出ポートを流路部材に各2本ずつ形成する点で、上述した各実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図25に示すように、インク供給部603aは入口側連通室611とインク収用部604aとインク収容部604a及び入口側連通室611間を接続する入口側連通路605と、インク収容部604a及び導入ポート606間を接続する導入路607と、を備えている。
図25に示すように、本実施形態の流路部材600において、流路プレート601には、インク収容部604aと後述するインク収容部604bをX方向で仕切る仕切壁608が形成されている。仕切壁608は、流路プレート601におけるX方向の中央部において、Y方向に対してX方向に傾斜して延在している。
上述した仕切壁608には、X方向の内側(中央部)に向かうに従いY方向における流路幅が漸次縮小する一対のガイド部609aが形成されている。ガイド部609は、X方向の内側端部がY方向にずれて配置されている。
図26示すように、導入路607の導入溝609は、流路プレート601のうち、入口側連通室100に対してY方向の片側に位置する部分をX方向に沿って延在し、下流端が流路プレート601におけるX方向の中央部で終端している。
また、導入路607の導入孔610は、上流端が導入溝609の下流端で開口し、下流端がインク収容部604aの底面上に開口している。
ここで、連通路605は、流路プレート601において、インク収容部604aのX方向及びY方向の中央部にそれぞれ配置され、流路プレート601をZ方向に貫通している。連通路605は、Z方向から見た平面視でX方向を長軸方向とする長円形状とされ、そのZ方向の一端側開口部が入口側連通室100内で開口し、Z方向の他端側開口部がインク収容部604aの底部で開口している。すなわち、本実施形態では、流路プレート601において、導入孔610がX方向の中央部に形成され、連通路605がX方向の両端部から1/4程度の位置に形成されている。言い換えると、連通路605のうち、インク収容部604a内に連通する連通路605は、Z方向から見た平面視において、導入孔610と、チャネル列63,64におけるX方向の一端部と、の中間部分に位置している。
この構成によれば、導入孔610を通してインク収容部604a内に流入したインクは、連通路605を通って入口側連通室100内に流入し、その後入口側共通インク室90を通って各吐出チャネル71内に分配される。
本実施形態のインク排出部612は、出口側連通室613と、出口側連通室613よりも下流側に位置するインク収容部614aと、インク収容部614a及び出口側連通室613間を接続する連通路615と、インク収容部614a及び導出ポート616間を接続する導出路617と、を備えている。
インク収容部614aは、流路プレート601におけるZ方向の一端面において、上述したインク収容部604aに対してY方向の両側に一対で配設されている。具体的に、インク収容部614aは、Z方向に沿う断面形状が矩形状とされた溝であり、X方向に沿って延設されている。インク収容部614aのうち、上流側は流路プレート601におけるX方向の1/4、具体的には連通路605とY方向のおおよそ同列に位置し、下流側はインク収容部604aに対して導入ポート606が形成されるX方向に回り込んでいる。なお、図示の例において、インク収容部614aのY方向における流路幅の総和は、インク収容部604aに対してY方向における流路幅よりも小さくなっている。
導出路617は、上流端がインク収容部614aの下流端に接続され、下流端が導出ポート616に接続されている。具体的に、導出路617は、インク収容部614aにおけるX方向の外側端部において、流路プレート601をZ方向に貫通した後、流路プレート601におけるZ方向の一端面において導入ポート616が形成されるX方向の外側に向けて延在し、導出ポート616に接続されている。
また、図27に拡大して示すように、インク収用部604aの導出路617のX方向他端部にはインク収用部604aに存在する気泡がインクに押し出され導出路617に排出するバイパス路618と流出孔619を形成しても構わない。バイパス路618は、流路プレート601をZ方向に貫通した後、流路プレート601におけるZ方向の一端面上において、X方向の外側に向けて延在し、出口側連通室617内で開口している。
流路プレート601の中心を通りZ方向に沿って延びる対称線(不図示)に対してインク導入部603aとインク排出部614aの点対称でインク導入部603bとインク排出部614bが形成される。
そして、図28に図示するように、本実施形態の流路プレート601には、上述した各実施形態と同様に、インク収容部604a,604bを閉塞するフィルム94が接着され、一部が撓み変形可能な入口側圧力緩衝部に該当する。また、インク収容部614a,614bとフィルム94とによって画成された空間は、出口側共通インク室91a,91bよりも下流側に位置し、一部が撓み変形可能な出口側圧力緩衝部に該当する。すなわち、本実施形態では、吐出チャネル71を間に挟んでインクに流通方向における両側に圧力緩衝部604a,604b,614a,614bが形成されている。
この構成によれば、吐出チャネル71を間に挟んでインクの流通方向における両側に圧力緩衝部604a,604b,614a,614bを配設することで、吐出チャネル71に対して上流側及び下流側での圧力バランスを均等に保持することができ、インクジェットヘッド5内を所望の圧力に維持し易くなる。この場合、インクジェットヘッド5内の圧力中心をノズル孔85,86近傍に設定できるので、メニスカスを安定して保持することができ、インクを安定して吐出させることができる。また、導入ポートと導出ポートは点対称で各々二ポートずつ形成されるため、異なるインクを一つの流路部材に供給することができる。
本実施形態では点対称としたが、点対称に限られるものではなく、非対称であっても構わない。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
2,3…搬送手段(移動機構)
4,4Y,4M,4C,4B…インクタンク(液体供給部)
5,5Y,5M,5C,5B…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
7…走査手段(移動機構)
52…アクチュエータプレート
63…第1チャネル列(チャネル列)
64…第2チャネル列(チャネル列)
71…吐出チャネル(チャネル)
90…入口側共通インク室
91a…第1出口側共通インク室(出口側共通液体室)
91b…第2出口側共通インク室(出口側共通液体室)
93…入口側圧力緩衝部
102,313,404,412…連通路
103,310,403,413…導入路
112,304…ガイド部(液体ガイド)
202,320,405…バイパス路
205,321…ガイド部(気泡ガイド)
303,407…仕切壁
305a,406a…第1圧力緩衝部
305b,406b…第2圧力緩衝部
430…出口側圧力緩衝部


Claims (11)

  1. 第1方向に沿って延びるとともに、第1方向に直交する第2方向に並設された複数のチャネルと、
    第2方向に延設されるとともに、前記チャネル内にまとめて連通する入口側共通液体室と、
    液体の流通方向に沿う前記入口側共通液体室よりも上流側に位置する入口側圧力緩衝部と、を備え、
    前記入口側圧力緩衝部において、液体供給部から供給される液体を前記入口側圧力緩衝部内に導く導入路と、前記入口側圧力緩衝部内の液体を前記入口側共通液体室内に供給する連通路と、が互いに離間して配設されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記連通路は、前記入口側共通液体室内における第2方向の中央部で連通していることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記導入路は、前記入口側圧力緩衝部における第2方向の中央部に配設され、
    前記連通路は、前記導入路に対して第2方向の両側に配設されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記導入路は、前記入口側圧力緩衝部における第2方向の中央部に一対配置され、
    前記入口側圧力緩衝部のうち、一対の前記導入路間に位置する部分には、両者を仕切る仕切壁が配設されていることを特徴とする請求項3記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記入口側圧力緩衝部のうち、前記連通路に対して前記導入路の反対側には、前記入口側共通液体室を迂回して前記入口側圧力緩衝部内の気泡を排出するバイパス路が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記入口側圧力緩衝部には、前記入口側圧力緩衝部内の気泡を前記バイパス路に向けて案内する気泡ガイド部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記入口側圧力緩衝部において、前記導入路の開口面積の総和と、前記連通路の開口面積の総和と、が同等になっていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記入口側圧力緩衝部には、前記導入路を通して流入した液体を前記連通路に向けて案内する液体ガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記チャネルは、第1方向の一端部において前記入口側共通液体室内に連通し、他端部において出口側共通液体室内に連通し、
    液体の流通方向に沿う前記出口側共通液体室よりも下流側に位置する部分には、出口側圧力緩衝部が配設されていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記入口側圧力緩衝部は、前記入口側共通液体室よりも流路断面積が大きくなっていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。

JP2015137793A 2014-09-10 2015-07-09 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Pending JP2016055626A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014184441 2014-09-10
JP2014184441 2014-09-10

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016055626A true JP2016055626A (ja) 2016-04-21

Family

ID=55757126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015137793A Pending JP2016055626A (ja) 2014-09-10 2015-07-09 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016055626A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9427968B2 (en) Liquid discharge head and image forming apparatus
US8944567B2 (en) Liquid jet head and liquid jet apparatus
JP6492891B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出装置ユニット
JP5845122B2 (ja) ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置
JP6622540B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP6314056B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2010076175A (ja) 液体吐出ヘッド
JP2012006224A (ja) 液滴噴射装置
JP6349649B2 (ja) 液体吐出装置
JP7255297B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP2013199040A (ja) ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置
JP2016016638A (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2016055545A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2012071594A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP6439357B2 (ja) 液体噴射装置
JP6569776B2 (ja) 液体吐出装置
JP2013212628A (ja) 液体吐出ヘッド
JP5751861B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2016055626A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP6181453B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2015054509A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP6314057B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP6034887B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP6010497B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2012096385A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170913

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170922

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180305