JP6622511B2 - 踏板支持具、片持ち階段、および片持ち階段の構築方法 - Google Patents

踏板支持具、片持ち階段、および片持ち階段の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、階段を成す踏板を片持ち状態で支持する、踏板支持具に関するものである。また、本発明は、複数の踏板から成る階段に関するものであって、より具体的には、階段を成す踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具を用いて構成された、階段(片持ち階段)に関するものである。さらに、本発明は、複数の踏板から成る階段の構築方法に関するものであって、より具体的には、階段を成す踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具を用いて構成された、階段(片持ち階段)の構築方法に関するものである。
一般的な木造建築物は、平屋あるいは複数の階層を有する構造となっている。その中で複数の階層を有する木造建築物(二階建て、三階建て等)においては、各階層を行き来する(昇降する)ために「階段」が必要となる。
二階建てあるいは三階建て等の複数の階層を有する木造建築物に用いられる階段としては、例えば、対となる二枚の側桁と、これらの側桁の間に設けられた複数の踏板等とを用いて構成される、側桁階段が知られている。この側桁階段は、最も一般的な構造の階段の一つであり、複数の踏板は、その両側に設けられた側桁と呼ばれる厚板に差し込まれた状態で、隠し釘等にて両方の側桁に固く固定される。
また、他の構成にかかる階段としては、例えば、箱階段、力桁階段、ささら桁階段、片持ち階段等が知られている。
ところで、複数の階層を有する木造建築物を建築する場合においては、何等かのデザイン的な要求、室内レイアウトの問題、あるいは施主の好み等の様々な理由から、必要に応じて「片持ち階段」が選択されることがある。
片持ち階段は、その片側のみが壁面(あるいはその内部の躯体)に接合された構造であるため、側桁階段等と比べれば、どうしても耐えうる荷重に違いが生ずる。勿論、世の中に存在する多数の片持ち階段(木造建築物に設けられた片持ち階段)は、法律上の数値的基準を満たした状態で施工されているわけであるから、基本的には安全面に問題はない。しかしながら、通常、木造建築物に設けられた階段は、数十年使用されるため、その使用状態(使用頻度、使用時の力のかかり方等)によっては、他の階段(例えば、側桁階段)と比較して、耐久性や強度面に対する不安は否めない。
片持ち階段に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。この従来技術にかかる片持ち階段は、ラグスクリュー等を用いて踏板を支持すべく構成されているが、このような構造であっても、上述した耐久性や強度面の不安は依然として存在する。
つまり、従来技術(特許文献1を含む片持ち階段に関する技術)においては、特に木造建築物に設けられる片持ち階段の場合、他の構造の階段に比較して、大きな荷重に対する強度面(片持ち階段を固定している部分の強度等)や、長年の使用に対する耐久性等に不安が生じるという問題があった。
特開平2009−167744号公報
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な、片持ち階段を成す踏板を支持する、踏板支持具を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な上記踏板支持具を用いて構成された踏板を多数備えた、階段(片持ち階段)を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な上記踏板支持具を用いて構成された、階段(片持ち階段)の構築方法を提供することを課題とする。
本発明の第一態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、階段を成す踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具であって、前記踏板を支持する一対の踏板支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを備え、前記踏板支持体として、第一支持体と第二支持体とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成されていることを特徴としている。
より具体的には、本発明は、階段を成す踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具であって、前記踏板を支持する一対の踏板支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを備え、前記踏板支持体として、第一支持体と第二支持体とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され、前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されていることを特徴としている。
本発明の第二態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の踏板を有する片持ち階段であって、前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成されており、前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置されることを特徴としている。
より具体的には、本発明は、複数の踏板を有する片持ち階段であって、前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され、前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されており、前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置されることを特徴としている。
本発明の第三態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の踏板を有する片持ち階段を構築する片持ち階段の構築方法であって、前記片持ち階段が、前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成されており、前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置されるべく構成されており、前記踏板の数と等しい数の柱を配置する柱配置工程と、前記第一支持体の前記柱挟持部および前記第二支持体の前記柱挟持部にて前記柱を挟み込むようにして前記第一支持体および前記第二支持体を前記柱の側面に配置する踏板支持体配置工程と、前記第一支持体の前記取付部および前記第二支持体の前記取付部が、前記柱の後方側に配置された前記支持体締結部を用いて締結して固定される支持体締結工程と、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に前記踏板が載置される踏板載置工程とを備えたことを特徴としている。
より具体的には、本発明は、複数の踏板を有する片持ち階段を構築する片持ち階段の構築方法であって、前記片持ち階段が、前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され、前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されており、前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置されるべく構成されており、前記踏板の数と等しい数の柱を配置する柱配置工程と、前記第一支持体の前記柱挟持部および前記第二支持体の前記柱挟持部にて前記柱を挟み込むようにして前記第一支持体および前記第二支持体を前記柱の側面に配置する踏板支持体配置工程と、前記第一支持体の前記取付部および前記第二支持体の前記取付部が、前記柱の後方側に配置された前記支持体締結部を用いて締結して固定される支持体締結工程と、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に前記踏板が載置される踏板載置工程とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な、片持ち階段を成す踏板を支持する踏板支持具を得ることができる。
また、本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な上記踏板支持具を用いて構成された、階段(片持ち階段)を得ることができる。
さらに、本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な上記踏板支持具を用いて構成された、階段(片持ち階段)の構築方法を得ることができる。
本発明の実施形態にかかる踏板支持具を分解した状態の概略斜視図を示したものである。 本発明の実施形態にかかる踏板支持具の概略図を示したものであり、図2(a)は踏板支持部の概略斜視図、図2(b)は踏板支持具の後方概略図である。 本発明の実施形態にかかる踏板支持具および階段(片持ち階段)の取り付け作業工程の概略図を示したものであり、図3(a)は踏板支持具を取り付ける際における前処理工程を示す後方概略図、図3(b)は踏板支持具を取り付ける際における第一支持体配置工程を示す後方概略図、図3(c)は踏板支持具を取り付ける際における第二支持体配置工程を示す後方概略図、図3(d)は踏板支持具を取り付ける際における支持体締結工程を示す後方概略図、図3(e)は図3(d)に示した支持体締結工程時における踏板支持具の概略斜視図、図3(f)は踏板支持具に踏板を載置した踏板載置工程を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態にかかる片持ち階段(を成す単一階段)の概略側面部を示したものである。 本発明の実施形態にかかる複数の踏板支持具および片持ち階段の概略斜視図を示したものであり、図5(a)は複数の踏板支持具の概略斜視図、図5(b)は複数の踏板支持具に踏板を載置して構成された片持ち階段の概略斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる踏板支持具を分解した状態の概略斜視図を示したものである。また、図2は、本発明の実施形態にかかる踏板支持具の概略図を示したものであり、図2(a)は踏板支持部の概略斜視図、図2(b)は踏板支持具の後方概略図である。また、図3は、本発明の実施形態にかかる踏板支持具および階段(片持ち階段)の取り付け作業工程の概略図を示したものであり、図3(a)は踏板支持具を取り付ける際における前処理工程を示す後方概略図、図3(b)は踏板支持具を取り付ける際における第一支持体配置工程を示す後方概略図、図3(c)は踏板支持具を取り付ける際における第二支持体配置工程を示す後方概略図、図3(d)は踏板支持具を取り付ける際における支持体締結工程を示す後方概略図、図3(e)は図3(d)に示した支持体締結工程時における踏板支持具の概略斜視図、図3(f)は踏板支持具に踏板を載置した踏板載置工程を示す概略斜視図である。また、図4は、本発明の実施形態にかかる片持ち階段(を成す単一階段)の概略側面部を示したものである。さらに、図5は、本発明の実施形態にかかる複数の踏板支持具および片持ち階段の概略斜視図を示したものであり、図5(a)は複数の踏板支持具の概略斜視図、図5(b)は複数の踏板支持具に踏板を載置して構成された片持ち階段の概略斜視図である。
図1等に示すように、本発明の実施形態にかかる踏板支持具1は、第一支持体10(本発明の「踏板支持体」に相当)、第二支持体50(本発明の「踏板支持体」に相当)、および支持体締結部90を用いて構成されている。この踏板支持具1は、図2等に示すように、第一支持体10および第二支持体50が柱Hを挟持する位置に配され、この状態において、第一支持体10および第二支持体50は、ビスあるいは釘を用いて柱Hに固定されると共に、支持体締結部90(を成す締結本体部91およびナット98)を用いて柱Hの所定箇所に締結固定される。
また、本実施形態においては、図4等に示すように、一つの踏板支持具1に一つの踏板100が載置される。つまり、本実施形態にかかる踏板支持具1を用いて複数の踏板100を有する階段を構成する場合には、複数の柱Hを準備し、これらの複数の柱Hのそれぞれ異なる位置(高さ)に一つずつ踏板支持具1を取り付け、取り付けられた踏板支持具1に対して踏板100が載置される。
本実施形態にかかる踏板支持具1を成す第一支持体10は、柱Hを後方から見た状態(図2(b)等参照)において、柱Hの左側(図2(b)の左側)に配置される。また、本実施形態にかかる踏板支持具1を成す第二支持体50は、柱Hを後方から見た状態(図2(b))において、柱Hの右側(図2(b)の右側)に配置される。つまり、本実施形態にかかる各支持体10,50は、柱Hを後方から見たい状態において、柱Hを挟持する位置の左右にそれぞれ配置される。そして、本実施形態においては、コ字形状を有する締結本体部91が、柱Hの後方側から柱Hを挟み込む状態で各支持体10,50を締結固定すべく機能する。各支持体10,50の配置状態(配置する際の固定方法等)および締結本体部91による締結状態の詳細は、後述する。
本実施形態にかかる踏板支持具1を成す踏板支持体は、対となる第一支持体10および第二支持体50とを用いて構成されている。つまり、第一支持体10および第二支持体50にて踏板支持体が構成されており、これらの支持体10,50に踏板100が載置されることとなる。
第一支持体10は、主な構成要素として、第一踏板載置部11、第一柱挟持部21、および第一取付部31を用いて構成されており、より具体的には、これらの構成要素に加えて、第一垂直補強部12、第一水平補強部13、第一前側補強部22、および第一後側補強部23を用いて構成されている。
第一支持体10を成す第一踏板載置部11は、柱Hに取り付けられた際にこの第一踏板載置部11の第一載置部表面部11Aが略水平となるべく、平板状の鋼材を用いて構成されており、第一柱挟持部21と溶接等にて接続される。また、この第一踏板載置部11においては、第一柱挟持部21と接続された部位(第一踏板載置部11の第一載置部先端部11Cの反対側端部)の近傍の柱H側には、第一載置部柱側切欠き部11Bが形成されている。さらに、この第一踏板載置部11には、複数の第一載置部孔部11aが穿孔されている。このように複数穿孔された第一載置部孔部11aは、ビスや釘等を用いて、第一踏板載置部11に踏板100を取り付けて固定するために設けられている。
本実施形態においては、第一踏板載置部11と第一柱挟持部21とは、直交すべく溶接等にて固定されており、具体的には、第一柱挟持部21の略中間位置に第一踏板載置部11は固定されている。また、第一踏板載置部11に形成された第一載置部柱側切欠き部11Bは、第一柱挟持部21との間に略90°の角度を形成すべく構成されている。そして、この第一載置部柱側切欠き部11Bは、第一支持体10を柱Hに仮止め等する際(第一柱挟持部21を柱Hの側面に配置する際)の位置合わせに用いられる。
また、第一踏板載置部11の下方面側(第一載置部表面部11Aの裏面側)には、第一載置部表面部11Aに対して略垂直な位置に配された第一垂直補強部12と、第一載置部表面部11Aに対して略水平であって第一垂直補強部12の下方端部に接する位置に配された第一水平補強部13とが設けられている。第一垂直補強部12および第一水平補強部13も平板状の鋼材を用いて構成されている。
第一支持体10を成す第一柱挟持部21は、第一踏板載置部11と直交すべく、平板状の鋼材を用いて構成されており、第一踏板載置部11と溶接等にて接続される。また、この第一柱挟持部21においては、第一柱挟持部21の上端部(第一柱挟持部上端部21B)から下端部(第一柱挟持部下端部21C)までの略全面にわたって、多数の孔部(第一柱挟持部孔部21a)が穿孔されている。多数穿孔された第一柱挟持部孔部21aは、ビスや釘等を用いて、第一支持体10を柱Hに仮止めあるいは固定するために設けられている。
さらに、第一柱挟持部21は、その表面部(第一柱挟持部表面部21A)が柱Hと適切に接触可能なように平坦面を有すべく形成されており、第一柱挟持部表面部21Aの裏面側には、その前側に第一前側補強部22が設けられ、その後側に第一後側補強部23が設けられている。第一前側補強部22および第一後側補強部23も平板状の鋼材を用いて構成されている。
また、第一前側補強部22および第一後側補強部23のそれぞれは、その下方側端部が第一柱挟持部21の下端部(第一柱挟持部下端部21C)に接すべく構成されており、その上方側端部(第一前側補強部上端部22Bおよび第一後側補強部上端部23B)が、第一柱挟持部上端部21Bとの間に所定間隔を有すべく構成されている。そして、第一柱挟持部上端部21Bと第一前側補強部上端部22Bとの間に形成された所定空間(第一ナット調整空間部41)は、ナット98を着脱する際の作業領域として機能する。
第一支持体10を成す第一取付部31は、第一柱挟持部21の柱Hと接する側である第一柱挟持部表面部21Aの裏面側の上方位置に設けられている。また、第一取付部31は、第一取付部前面部31A、第一取付部上面部31B、および第一取付部下面部31Cを用いて、コ字形状を有すべく構成されており、第一取付部前面部31Aの略中央部には第一取付孔部31aが穿孔されている。この第一取付部31は、平板状の鋼材を加工(溶接あるいは折り曲げ等)することによって構成されている。
さて、本実施形態にかかる踏板支持具1を成す第一支持体10は、種々の要素を用いて上述したように構成されている。そして、この第一支持体10と対を成す第二支持体50は、柱Hを挟んだ状態において、第一支持体10と対称となるべく構成されている。
具体的には、第二支持体50は、主な構成要素として、第二踏板載置部51、第二柱挟持部61、および第二取付部71を用いて構成されており、より具体的には、これらの構成要素に加えて、第二垂直補強部52、第二水平補強部53、第二前側補強部62、および第二後側補強部63を用いて構成されている。
これらの構成要素51,52,53,61,62,63,71を用いて構成される第二支持体50は、左右対称となること以外は基本的に第一支持体10と同様の構成を有するため、ここではその詳細な説明は割愛する。
本実施形態にかかる踏板支持具1を成す支持体締結部90は、締結本体部91、スペーサ92、ナット取付部93、およびナット98(ダブルナット98,98)を用いて構成されている。
より具体的には、本実施形態にかかる支持体締結部90を成す締結本体部91は、後方締結部91Aおよび側方締結部91B,91Bを用いて構成されており、それぞれの側方締結部91Bには、スペーサ92を介してナット取付部93が設けられている。側方締結部91Bとスペーサ92とは溶接等にて固着されており、スペーサ92とナット取付部93の一方端部(取付固着部93B)も溶接等にて固着されている。ナット取付部93の他方端部(取付先端部93A)にはおねじ部が形成されている。
このスペーサ92は、ナット取付部93を各取付部31,71(の取付孔部31a,71a)に挿通した後、取付先端部93Aにナット98を螺合させて連結する際、ナット取付部93と各取付部31,71との位置関係を適切に維持するための寸法調整部として機能する。このスペーサ92は、ナット取付部93を介してナット98が回転して連結の機能を果たすためのスペーサの役割と、側方締結部91Bを介し、後方締結部91Aにより強い力を伝える機能を有する助けとなる目的のために設けられている。
本実施形態にかかる踏板支持具1は、上述したように構成され、一つの踏板100が一つの踏板支持具1(を成す対となる第一支持体10および第二支持体50等)に載置される。そして、一つの踏板支持具1は、一つの柱Hに対して取り付けられるため、複数の踏板100を有する階段を構成する場合には、踏板100の数に対応した複数の柱Hが設けられる。
以下、図3等を用いて、本実施形態にかかる踏板支持具1および踏板100の取り付け作業工程について説明する。
本実施形態においては、まず、踏板100の幅に対応した間隔にて必要数の柱Hが配置される(柱配置工程)。そして、それぞれの柱Hに対して、踏板支持具1の取り付け作業が行われる。ここで「必要数」とは、階段を構成する踏板100の数のことである。図3は、一つの柱Hに対する踏板支持具1および踏板100の取り付け作業工程を示したものである。
柱配置工程の後、本実施形態においては、柱Hに対して蹴上のライン(第一ライン)の墨出しが行われ、その蹴上のライン(第一ライン)(図示省略)から踏板100の厚みを引いたライン(第二ライン)(図示省略)の墨出しが行われる。次いで、第二ラインから所定寸法上がった箇所に、所定領域Q(例えば、9×40の領域)のカットが行われる。つまり、本実施形態においては、実際に踏板支持具1を取り付ける前の前処理として、所定領域Qをカットして切り欠く作業が行われる(本発明の「前処理工程」に相当)。この所定領域Qは、後に第一支持体10および第二支持体50を締結するために用いられる締結本体部91の後方締結部91Aの大きさに適合した寸法に形成されている。ここで、図3(a)は、前処理工程を行った後の柱Hの後方概略図を示したものである。
次いで、前処理工程の後、本実施形態においては、第一支持体10を柱Hの左側面部(図3(b)参照)に取り付ける、第一支持体配置工程が行われる。この際、第一支持体10(を成す第一柱挟持部21)の配置位置は、先に墨出しされた第一ライン、第二ライン、および所定領域Qに基づいて定められ、第一支持体10の配置位置が定められた後は、第一柱挟持部孔部21aを介して、ビスあるいは釘を用いて、第一支持体10が柱Hに仮止めされる(第一支持体配置工程)。この仮止めの際には、第一支持体10を成す第一踏板載置部11の水平状態の確認も合わせて行われる。ここで、図3(b)は、第一支持体配置工程を行った後の後方概略図を示したものである。
なお、第一柱挟持部孔部21aに打ち込まれるビスあるいは釘については、図面の煩雑化を防ぐため、図3およびその他の図面においても、その記載を省略する。
次いで、第一支持体配置工程の後、本実施形態においては、第二支持体50を柱Hの右側面部(図3(c)参照)に取り付ける、第二支持体配置工程が行われる。この際、第二支持体50(を成す第二柱挟持部61)の配置位置は、先に取り付けられた第一支持体10と同様に、墨出しされた第一ライン、第二ライン、および所定領域Qに基づいて定められ、第二支持体50の配置位置が定められた後は、第二柱挟持部孔部61aを介して、ビスあるいは釘を用いて、第二支持体50が柱Hに仮止めされる(第二支持体配置工程)。この仮止めの際には、第二支持体50を成す第二踏板載置部51の水平状態の確認も合わせて行われる。ここで、図3(c)は、第二支持体配置工程を行った後の後方概略図を示したものである。上述した第一支持体配置工程および第二支持体配置工程が、本発明の「踏板支持体配置工程」に相当する。
なお、第二柱挟持部孔部61aに打ち込まれるビスあるいは釘については、図面の煩雑化を防ぐため、図3およびその他の図面においても、その記載を省略する。
上述した第一支持体配置工程および第二支持体配置工程を経て、本実施形態においては、図3(c)に示すように、第一柱挟持部表面部21Aおよび第二柱挟持部表面部61Aにて、柱Hが左右両面から挟み込まれた状態となる。この状態で、第一踏板載置部11および第二踏板載置部51は、柱Hの前方側に突出した状態となり、本実施形態においては、このように突出した載置部11,51の水平状態を再度確認した後、それぞれの柱挟持部孔部21a,61aの残り(仮止めに使用している孔部以外の孔部)についてもビスあるいは釘を打ち込む(水平確認固定工程)。この水平確認固定工程後のみかけ上の状態は、基本的には図3(c)と同様である。
次いで、水平確認固定工程の後、本実施形態においては、前処理工程にて形成された所定領域Qに合わせて支持体締結部90を取り付ける。より具体的には、締結本体部91の後方締結部91Aを所定領域Qに合わせて位置を定め、各ナット取付部93,93の取付先端部93A,93Aを左右の取付部31,71に形成された第一取付孔部31aおよび第二取付孔部71aに挿通させて、このナット取付部93,93のそれぞれを、二つのナット98,98(ダブルナット)を用いて、第一取付部31および第二取付部71に取り付け固定する。このようにナット98を各ナット取付部93に螺合させる場合、本実施形態においては、柱Hの前方領域に第一ナット調整空間部41および第二ナット調整空間部81が設けられているため、ナット98の取り付け・取り外し等を行う工具を容易に用いることができる。
このように、本実施形態においては、水平各固定工程の後には、それぞれの支持体10,50を支持体締結部90にて締結して固定する支持体締結工程が行われる。ここで、図3(d)は、支持体締結工程を行った後の後方概略図を示したものであり、図3(e)は、支持体締結工程を行った後の前方から見た概略斜視図を示したものである。
次いで、支持体締結工程の後、本実施形態においては、踏板支持具1の踏板載置部11,51に踏板100を載置して、ビスあるいは釘等を用いて、踏板100を踏板載置部11,51に取り付けて固定する(踏板載置工程)。この踏板載置工程の際には、載置された踏板100の表面からビス等を第一載置部孔部11aおよび第二載置部孔部51aに打ち込むことによって、踏板100が踏板支持具1に固定されることとなる。本実施形態においては、図3および図4等に示すように、箱状の踏板100を用いた場合を例示している。
なお、この踏板100に打ち込まれるビスあるいは釘等については、図面の煩雑化を防ぐため、図3およびその他の図面においても、その記載を省略する。
本実施形態にかかる踏板支持具1を用いて踏板100を設置する際の工程は、図3等を用いて上述したとおりであり、複数の柱H、複数の踏板支持部1、および複数の踏板100を用い、上述した工程を複数回行うことによって、高い強度および耐久性を有する片持ち階段を構築することができる。ここで、図5は、本発明の実施形態にかかる複数の踏板支持具1および片持ち階段の概略斜視図を示したものであり、図5(a)は、複数の踏板支持具1が複数の柱Hに取り付けられた状態の概略斜視図を示し、図5(b)は複数の踏板支持具1に複数の踏板100を載置して構成された片持ち階段の概略斜視図を示している。
なお、実際に片持ち階段を設置する場合には、柱Hをむき出しにせず、何等かの壁面を設けると考えられるが、この図5においては、柱Hおよびその内部構造を明確に表すために壁面の記載を省略している。
さて、本実施形態にかかる踏板支持具1およびこの踏板支持具1を用いて構成された片持ち階段は、以上のように構成されている。また、本実施形態にかかる踏板支持具1を用いて構成された片持ち階段は、以上のような工程にて構築されている。そして、本実施形態にかかる踏板支持具1および片持ち階段は、上述したように構成され構築されるため、次のような作用効果を得ることができる。以下、適宜図1〜図5も参照しつつ、本実施形態にかかる踏板支持具1等の具体的な作用効果等について説明する。
本発明の実施形態にかかる踏板支持具1は、階段を成す踏板100を片持ち状態で支持する踏板支持具1であって、踏板100を支持する一対の踏板支持体(を成す第一支持体10および第二支持体50)と、踏板支持体を締結して固定する支持体締結部90とを備え、踏板支持体として、第一支持体10と第二支持体50とを有し、第一支持体10および第二支持体50は、踏板100を載置する踏板載置部11,51と、踏板載置部11,51と直交すべく設けられた柱挟持部21,61と、柱挟持部21,61の上方位置に設けられた取付部31,71とを用いて構成されており、第一支持体10および第二支持体50のそれぞれに設けられた取付部31,71は、第一支持体10および第二支持体50が柱挟持部21,61にて柱Hを挟み込むように配置された際、踏板載置部11,51と対向する柱Hの後方側にて、支持体締結部90を用いて締結されるべく構成されている。
このように構成された踏板支持具1は、構成要素(支持体10,50、および支持体締結部90等)が非常に少なく、この少ない構成要素を用いて一つの柱Hに取り付け可能であるため、簡単且つ短時間にて取り付け作業を行うことができる。つまり、この踏板支持具1であれば、取り付け作業を少人数で行うと共に、工期を短縮することができる。
また、本実施形態によれば、このような踏板支持具1を構成する際に柱Hを用いるが、この柱Hには殆ど手を加える必要がない。つまり、この柱Hにはほぞ等の欠損を殆ど生じさせない状態で踏板支持具1の取り付けが可能であるため、その柱H自身も構造体としての機能を発揮し得る。したがって、この踏板支持具1を用いれば、高い強度を有する木造建築物を実現可能である。
さらに、本実施形態によれば、柱Hに踏板支持具1を取り付けた状態において、支持体締結部90が、踏板載置部11,51と対向する柱Hの後方側上方位置にて、取付部31,71を介して、支持体10,50を締結固定している。つまり、踏板載置部11,51と支持体10,50を締結固定している支持体締結部90との位置関係は、柱Hを中心として対向しており、踏板載置部11,51よりも支持体締結部90の方が高い位置に設けられている。
したがって、本実施形態によれば、踏板載置部11,51に荷重がかかった場合でも、そのモーメントは支持体締結部90と柱Hとの接する箇所にて適切に支持することができる。つまり、従来技術(特許文献1)と異なり、本実施形態によれば、踏板載置部11,51に大きな力が作用した場合であっても、踏板載置部11,51が回転することを支持体締結部90によって適切に防止することができる。よって、このような構成によれば、踏板支持具1を固定しているビスや釘等に作用する力を効果的に低減させることができるため、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な、片持ち階段を成す踏板を支持する踏板支持具を得ることができる。
また、これまで片持ち階段を構成する際の建築物としては、コンクリート建築物が主流であったが、本実施形態にかかる踏板支持具1であれば、木造建築物に対して適切に採用可能である。つまり、本実施形態にかかる踏板支持具1は、木造建築物に採用可能となるため、木造建築物の新たな構図のおしゃれな階段空間を構成することができる。
さらに、本実施形態にかかる踏板支持具1であれば、強度が必要となる棚や荷重がかかる構造物等に適当可能である。具体的には、本実施形態にかかる踏板支持具1であれば、強度を有する棚や荷重がかかるキャンチレバー式の昇降装置等に適用可能である。
以上のことから、本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な、片持ち階段を成す踏板100を支持する踏板支持具1を得ることができる。
本発明の実施形態にかかる片持ち階段は、複数の踏板100を有する片持ち階段であって、踏板100と、踏板100を片持ち状態で支持する踏板支持具1とを備え、踏板支持具1が、踏板100を支持する一対の踏板支持体である第一支持体10および第二支持体50と、踏板支持体を締結して固定する支持体締結部90とを有し、第一支持体10および第二支持体50は、踏板100を載置する踏板載置部11,51と、踏板載置部11,51と直交すべく設けられた柱挟持部21,61と、柱挟持部21,61の上方位置に設けられた取付部31,71とを用いて構成されており、第一支持体10および第二支持体50のそれぞれに設けられた取付部31,71は、第一支持体10および第二支持体50が柱挟持部21,61にて柱Hを挟み込むように配置された際、踏板載置部11,51と対向する柱Hの後方側にて、支持体締結部90を用いて締結されるべく構成されており、踏板100が、第一支持体10の踏板載置部11および第二支持体50の踏板載置部51に載置されるべく構成されている。
上述したように、本実施形態にかかる片持ち階段は、複数の踏板100と、この踏板100に対応した複数の踏板支持具1とを用いて構成されている。そして、この踏板支持具1は、上述したような種々の作用効果を有している。
つまり、本実施形態にかかる片持ち階段は、上述した種々の作用効果を有する複数の踏板支持具1に複数の踏板100を載置して構成されている。
したがって、本実施形態にかかる片持ち階段は、上述した踏板支持具1と同様の作用効果を有することとなる。
以上のことから、本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な踏板支持具1を用いて構成された、階段(片持ち階段)を得ることができる。
本発明の実施形態にかかる片持ち階段の構築方法は、複数の踏板100を有する片持ち階段を構築する片持ち階段の構築方法であって、片持ち階段が、踏板100と、踏板100を片持ち状態で支持する踏板支持具1とを備え、踏板支持具1が、踏板100を支持する一対の踏板支持体である第一支持体10および第二支持体50と、踏板支持体10,50を締結して固定する支持体締結部90とを有し、第一支持体10および第二支持体50は、踏板100を載置する踏板載置部11,51と、踏板載置部11,51と直交すべく設けられた柱挟持部21,61と、柱挟持部21,61の上方位置に設けられた取付部31,71とを用いて構成されており、第一支持体10および第二支持体50のそれぞれに設けられた取付部31,71は、第一支持体10および第二支持体50が柱挟持部21,61にて柱Hを挟み込むように配置された際、踏板載置部11,51と対向する柱Hの後方側にて、支持体締結部90を用いて締結されるべく構成されており、踏板100が、第一支持体10の踏板載置部11および第二支持体50の踏板載置部51に載置されるべく構成されており、踏板100の数と等しい数の柱Hを配置する柱配置工程と、第一支持体10の柱挟持部21および第二支持体50の柱挟持部51にて柱Hを挟み込むようにして第一支持体10および第二支持体50を柱Hの側面に配置する踏板支持体配置工程と、第一支持体10の取付部31および第二支持体50の取付部71が、柱Hの後方側に配置された支持体締結部90を用いて締結して固定される支持体締結工程と、第一支持体10の踏板載置部11および第二支持体50の踏板載置部51に踏板100が載置される踏板載置工程とを備えるべく構成されている。
上述したように、本実施形態にかかる片持ち階段の構築方法は、柱配置工程、踏板支持体配置工程、支持体締結工程、および踏板載置工程を用いて構成されている。この片持ち階段の構築方法にて得られる片持ち階段は、複数の柱Hと、複数の踏板100と、この踏板100に対応した複数の踏板支持具1とを用いて構成されている。そして、この踏板支持具1は、上述したような種々の作用効果を有している。
つまり、本実施形態にかかる構築方法にて得られる片持ち階段は、上述した種々の作用効果を有する複数の踏板支持具1に複数の踏板100を載置して構成されている。
したがって、本実施形態にかかる構築方法にて得られた片持ち階段によれば、上述した踏板支持具1と同様の作用効果を得ることができる。
以上のことから、本発明によれば、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な踏板支持具1を用いて構成された、階段(片持ち階段)の構築方法を得ることができる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、箱状の踏板100を用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、板状の踏板を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、箱状の踏板100や板状の踏板を用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、湾曲した形状の踏板や、凹凸の施された形状の踏板を用いてもよい。さらに、踏板は、その上面、下面、側面等のいずれかの箇所、あるいは全ての箇所に、何等かのデザイン的な構成を有するものであってもよい。
また、上記実施形態においては、使用する踏板の形成材料については言及しなかったが、本発明にかかる踏板の形成材料は特に何等かに限定されるものではない。したがって、木材(木板)、ガラス板、鋼板、アルミ材(合金含む)、およびコンクリート板等のいずれを用いることも可能であり、必要に応じて、これらの材料を複合的に用いてもよい。
片持ち階段は、その片側のみが壁面に接合された構造であるため、側桁階段等と比べれば、どうしても耐えうる荷重に違いが生ずる。つまり、木造建築物に設けられた階段は、数十年使用されるため、その使用状態によっては、他の階段(例えば、側桁階段)と比較して、耐久性や強度面に対する不安は否めない。
そこで、本件発明者は、木造建築物に設けられる片持ち階段の上記のような問題点を改善すべく、鋭意工夫を重ねることによって、上記問題を解決し産業上の利用可能性が非常に高い、本発明にかかる踏板支持具1、片持ち階段、片持ち階段の構築方法に想到した。特に、本発明の根幹は、新たに開発された踏板支持具1にある。
具体的には、本発明にかかる踏板支持具1は、これまで説明したように、階段を成す踏板100を片持ち状態で支持する踏板支持具1であって、踏板100を支持する一対の踏板支持体(を成す第一支持体10および第二支持体50)と、踏板支持体を締結して固定する支持体締結部90とを備え、踏板支持体として、第一支持体10と第二支持体50とを有し、第一支持体10および第二支持体50は、踏板100を載置する踏板載置部11,51と、踏板載置部11,51と直交すべく設けられた柱挟持部21,61と、柱挟持部21,61の上方位置に設けられた取付部31,71とを用いて構成されており、第一支持体10および第二支持体50のそれぞれに設けられた取付部31,71は、第一支持体10および第二支持体50が柱挟持部21,61にて柱Hを挟み込むように配置された際、踏板載置部11,51と対向する柱Hの後方側にて、支持体締結部90を用いて締結されるべく構成されている。
上述した本発明によれば、踏板載置部11,51に荷重がかかった場合でも、そのモーメントは支持体締結部90と柱Hとの接する箇所にて適切に支持することができる。つまり、従来技術と異なり、本発明によれば、踏板載置部11,51に大きな力が作用した場合であっても、踏板載置部11,51が回転することを支持体締結部90によって適切に防止することができる。よって、このような構成によれば、踏板支持具1を固定しているビスや釘等に作用する力を効果的に低減させることができるため、比較的簡単な構造に基づき、大きな荷重に対する強度や長年の使用に対する耐久性等を向上させることが可能な、片持ち階段を成す踏板を支持する踏板支持具を得ることができる。
すなわち、上記のように構成され機能する本発明によれば、産業上の利用可能性の高い踏板支持具を得ることができる。
また、このような作用効果を有する踏板支持具1を用いることによって、産業上の利用可能性が高い、片持ち階段および片持ち階段の構築方法を得ることができる。
1…踏板支持具
10…第一支持体(本発明の「踏板支持体」に相当)
11…第一踏板載置部
11A…第一載置部表面部
11B…第一載置部柱側切欠き部
11C…第一載置部先端部
11a…第一載置部孔部
12…第一垂直補強部
13…第一水平補強部
21…第一柱挟持部
21A…第一柱挟持部表面部
21B…第一柱挟持部上端部
21C…第一柱挟持部下端部
21a…第一柱挟持部孔部
22…第一前側補強部
22B…第一前側補強部上端部
23…第一後側補強部
23B…第一後側補強部上端部
31…第一取付部
31A…第一取付部前面部
31B…第一取付部上面部
31C…第一取付部下面部
31a…第一取付部孔部
41…第一ナット調整空間部
50…第二支持体(本発明の「踏板支持体」に相当)
51…第二踏板載置部
51A…第二載置部表面部
51B…第二載置部柱側切欠き部
51C…第二載置部先端部
51a…第二載置部孔部
52…第二垂直補強部
53…第二水平補強部
61…第二柱挟持部
61A…第二柱挟持部表面部
61B…第二柱挟持部上端部
61C…第二柱挟持部下端部
61a…第二柱挟持部孔部
62…第二前側補強部
62B…第二前側補強部上端部
63…第二後側補強部
63B…第二後側補強部上端部
71…第二取付部
71A…第二取付部前面部
71B…第二取付部上面部
71C…第二取付部下面部
71a…第二取付部孔部
81…第二ナット調整空間部
90…支持体締結部
91…締結本体部
91A…後方締結部
91B…側方締結部
92…スペーサ
93…ナット取付部
93A…取付先端部
93B…取付固着部
98…ナット
100…踏板
H…柱
Q…所定領域(柱にカットされる所定領域)

Claims (3)

  1. 階段を成す踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具であって、
    前記踏板を支持する一対の踏板支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを備え、
    前記踏板支持体として、第一支持体と第二支持体とを有し、
    前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、
    前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され
    前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、
    前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されている
    ことを特徴とする踏板支持具。
  2. 複数の踏板を有する片持ち階段であって、
    前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、
    前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、
    前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、
    前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され
    前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、
    前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されており、
    前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置される
    ことを特徴とする片持ち階段。
  3. 複数の踏板を有する片持ち階段を構築する片持ち階段の構築方法であって、
    前記片持ち階段が、前記踏板と、前記踏板を片持ち状態で支持する踏板支持具とを備え、前記踏板支持具が、前記踏板を支持する一対の踏板支持体である第一支持体および第二支持体と、前記踏板支持体を締結して固定する支持体締結部とを有し、前記第一支持体および前記第二支持体は、前記踏板を載置する踏板載置部と、前記踏板載置部と直交すべく設けられた柱挟持部と、前記柱挟持部の上方位置に設けられた取付部と、前記踏板載置部の下方面側に設けられた垂直補強部および水平補強部とを用いて構成されており、前記第一支持体および前記第二支持体のそれぞれに設けられた前記取付部は、前記第一支持体および前記第二支持体が前記柱挟持部にて柱を挟み込むように配置された際、前記踏板載置部と対向する前記柱の後方側にて、前記支持体締結部を用いて締結されるべく構成され、前記踏板載置部の下方面側には、踏板載置部表面部に対して略垂直な位置に配された垂直補強部と、前記踏板載置部表面部に対して略水平であって前記垂直補強部の下方端部に接する位置に配された水平補強部とが設けられており、前記踏板載置部および前記水平補強部は、前記柱挟持部における前記柱の後方側端部から前記踏板載置部および前記水平補強部の前方側端部まで、連続して一体的に形成されており、前記踏板が、前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に載置されるべく構成されており、
    前記踏板の数と等しい数の柱を配置する柱配置工程と、
    前記第一支持体の前記柱挟持部および前記第二支持体の前記柱挟持部にて前記柱を挟み込むようにして前記第一支持体および前記第二支持体を前記柱の側面に配置する踏板支持体配置工程と、
    前記第一支持体の前記取付部および前記第二支持体の前記取付部が、前記柱の後方側に配置された前記支持体締結部を用いて締結して固定される支持体締結工程と、
    前記第一支持体の前記踏板載置部および前記第二支持体の前記踏板載置部に前記踏板が載置される踏板載置工程とを備えた
    ことを特徴とする片持ち階段の構築方法。
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