JP6564606B2 - 木・鋼重ね梁構造 - Google Patents
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Description
ところで、前記梁材には、鋼材と木材とを組み合わせて一体化した複合梁材が知られており、例えば特許文献1〜3に開示され、既に種々実用に供されている。前記複合梁材は、剛性、安定性、及び耐久性に優れており、その上、木製梁のみで構成した小梁と比べて断面寸法を小さく設計できるから、より広い空間を有する建築物を構築できる。
なお、前記小梁の上面には、床版として構造用合板が木材に釘打ちして設けられる。床面がない場合には、鋼材或いは木材に火打ち材をボルト等で止め付けている。
前記特許文献3には、角形鋼管で構成した鋼材の上面及び下面に、該上面及び下面よりも幅広の木材をボルト接合して一体化させた構成の複合梁材が開示されている。
因みに、前記特許文献1〜3に開示された複合梁材を構成する木材は、主に断熱効果を高める目的で設けているため大梁には接合していない。すなわち、前記複合梁材は、鋼材のみを大梁へ接合していた。
ここで、前記品確法により、前記梁材に要求される構造性能は、床版や屋根からの鉛直荷重を負担し、更に地震力や風等の水平荷重を負担してねじれを防止することである。前記複合梁材の場合は、鉛直荷重を鋼材のみで負担し、水平荷重に対しては複合梁材と同複合梁材の上面に設けた床版、又は火打ち材で負担している。しかし、前記複合梁材では、鋼材と木材の剛性が異なる理由から、前記品確法で定められた所定の性能を発揮する設計が難しく、同性能を発揮できない虞がある。これは、前記品確法が、木材のみで水平荷重を負担することを前提として定めているからである。更に、前記複合梁材は、床版、或いは火打ち材と組み合わせて水平荷重を負担するので、力の伝達が複雑になり、保有性能が不明瞭である。
そのため、前記特許文献1〜3に係る複合梁材を適用する場合、実際の仕様で構造性能試験を行う必要があることに加え、該試験結果により得られた保有床倍率の認証を取得する手続等も必要となり大変煩わしかった。
また、鋼製梁と木製梁とを組み合わせてなる梁構造であっても、木製梁のみで水平荷重を負担することを前提とした構造設計を実現することにより、品確法により定められた存在床倍率を満足する設計を容易に行うことができる、木・鋼重ね梁構造を提供することである。
その結果、木造軸組構法の効率性と経済性を高めて、工期の短縮化及びコストダウンを図ることができる、木・鋼重ね梁構造を提供することである。
前記鋼製梁2の上面に前記木製梁3が重ね合わされ、
前記木製梁3及び鋼製梁2の端部は、直交する大梁10等の横架材にそれぞれ接合されて成ることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した木・鋼重ね梁構造において、前記鋼製梁2の端部は、前記直交する大梁10等の横架材に、第1の接合部材4(又は7)を介して接合され、
前記木製梁3の端部は、前記直交する大梁10等の横架材に、第2の接合部材8を介して接合されて成ることを特徴とする。
(1)前記鋼製梁2と木製梁3とを相互に接合するための穴あけ加工や切り欠き加工等が不要であり、また鋼材と木材とを別々に分けて効率良く建築現場へ搬入して施工できる。よって、工場等における製造工程の省力化、運搬工程のスリム化等を実現できるので非常に合理的かつ経済的である。
(2)前記木製梁3は、鋼製梁2に関係なく独立して水平荷重を負担する構成、すなわち、木製梁3のみで水平荷重を負担することを前提とした構造設計を実現できるので、前記品確法により定められた存在床倍率を満足する設計を容易に行うことができ、構造性能実験等を行う必要がない。更に言えば、荷重に対する役割分担を明確化した小梁構造を実現できると云える。
(3)まとめると、木造軸組構法の効率性と経済性を高めることができ、工期の短縮化及びコストダウンを図ることができる。また、非常に合理的、経済的な構造設計を実現することができる。
本発明に係る木・鋼重ね梁構造1は、図1〜図3に示すように、木造軸組構法に用いる小梁(特には、構築される建築物の床荷重を支える小梁)を、鋼製梁2と木製梁3とを相互に重ね合わせて重ね梁とした構成である。具体的に、前記重ね梁構造1は、前記鋼製梁2の上面に前記木製梁3が重ね合わされ、鋼製梁2及び木製梁3の端部は、直交する大梁10等の横架材にそれぞれ接合されており、前記木製梁3が鋼製梁2から独立して水平荷重を負担する構成である。
なお、前記重ね梁構造1を構成する木製梁3の上面に、構造用合板が同木製梁3に釘打ち固定して設置されている。但し、前記構造用合板に代えて、火打ち材を、鋼製梁2又は木製梁3にボルト接合する場合もある。
以下、本発明に係る重ね梁構造1の構成要素である鋼製梁2、木製梁3についてそれぞれ説明した上で、両者の接合要領について説明する。
なお、前記鋼製梁2は、前記角形鋼管に限らない。例えば図4に示したように、H形鋼で構成することもできるし、C形鋼等(図示省略)で構成することもできる。
因みに、前記木製梁3の縦寸及び横寸を105mm以上とする意義は、前記品確法で定められた存在床倍率を満たすことができ、構造性能試験等や構造解析等で性能確認等する必要がないからである。但し、前記木製梁3の縦寸及び横寸は、105mm以上に限定されない。構造性能試験や構造解析等で性能確認等した場合には、それぞれ105mm未満とした構成で実施することもできる。
本発明に係る重ね梁構造1の施工は、図1に示すように、対向する配置に設けた大梁10等の横架材の間に、所要の高さまで吊り上げた鋼製梁2を下記する要領で接合した後、木製梁3を、前記大梁10間に接合した鋼製梁2の上面に載せ、該上面を作業台に利用して下記する要領で接合する手法で行われる。
具体的に本実施例では、前記本体部5の上下方向の3箇所にピン孔及びピン受けが形成され、前記鋼製梁2の両側面にも当該ピン孔及びピン受けと対応する部位に芯を一致させた略同一形状のピン孔が3つずつ形成(穿設)されている。そして、前記鋼製梁2の内部に本体部5を挿入し、該本体部5のピン孔及びピン受けの位置を、鋼製梁2に形成したピン孔の位置に合わせ、鋼製梁2の一方の側面から各ピン孔等にドリフトピン51…を共通に通し、該ドリフトピン51…の両端部を鋼製梁2の両側面に溶接等の接合手段で固定する。もとより、ドリフトピン51をある程度の長さ通しておいてこれを本体部5のピン孔及びピン受けの目印にする等の作業上の工夫は適宜行われるところである。こうして、前記本体部5は前記鋼製梁2の内部に位置決め固定される。
なお、前記本体部5は、予め鋼製梁2内に位置決め固定した状態で建築現場へ搬入しても良いし、現場で施工しても良い。また、前記ドリフトピン51と鋼製梁2との接合手段について、前記ドリフトピン51の両端部に雄ネジを形成し、前記鋼製梁2のピン孔に雌ネジを形成することにより、当該ドリフトピン51の両端部を鋼製梁2にねじ込み固定して実施することもできる。勿論、当該ねじ込み固定した後、更に溶接して実施することもできる。
すなわち、先ず、前記接合部材4を構成する連結ピン6を前記大梁10に形成したピン孔10aに、その全体が収納される(その天端が大梁10の側面とほぼ面一となる)まで差し込む。
次に、前記鋼製梁2の水平姿勢を適宜調整しつつ、同鋼製梁2に位置決め固定された前記本体部5のフック部50を前記大梁10に形成したルーズ孔10bに遊嵌させ、適時に落とし込む。
そうすると、前記連結ピン6の先端部に形成した凹溝部60aに前記本体部5の逆U字形状のフック部50が嵌まり込み本体部5と連結ピン6が連結され、ひいては鋼製梁2と大梁10とが強固に連結される。
前記ルーズ孔10bには必要に応じて予め接着材等の充填材52を充填しておいてもよい。
前記木製梁3は、図2及び図3に示すように、接合部材(第2の接合部材)8を用いて大梁10に接合される。具体的には、対向配置に位置する左右の大梁10、10に接合部材8を用いて接合されている。前記接合部材8は、前記木製梁3の端部に形成されたスリット状の切り欠き溝30に差し込まれる板状の木製梁側接合部80と、前記大梁10の木製梁3側の側面に形成されたT字形スリット状の切り欠き溝31に差し込まれる平面視がT字形状の大梁側接合部81とで構成されている。
前記木製梁3に形成された切り欠き溝30は、同木製梁3の上面から前記木製梁側接合部80を差し込むことができ、差し込んだ木製梁側接合部80の上端が木製梁3の上面から突き出すことなくほぼぴったりと内部に嵌まって納まる形状、大きさに形成されている。
前記大梁10に形成された切り欠き溝31も、同大梁10の上面から前記大梁側接合部81を差し込むことができ、差し込んだ前記大梁側接合部81の上端が大梁10の上面から突き出すことなくほぼぴったりと内部に嵌まって納まる形状、大きさに形成されている。
前記木製梁3を前記鋼製梁2の上面に載せて位置合わせをした際に、図2に示すように、前記木製梁3に形成された切り欠き溝30と、大梁10に形成された切り欠き溝31とで、平面的に見て連通するT溝形状となる構成である。
次に、前記接合部材8を、木製梁3及び大梁10の上面から前記切り欠き溝30及び31へ差し込む。そして、前記木製梁側接合部80のピン孔及びピン受けの位置を、同木製梁3のピン孔の位置に合わせる。
最後に、木製梁3の一方の側面から各ピン孔等にドリフトピン82、82…を共通に通して、前記接合部材8を木製梁3に固定し、前記木製梁3が大梁10に接合される。
そして、前記接合部材7の他側面を前記大梁10の側面に当接させて、同大梁10と接合部材7の他側面をボルト7b…で接合する。
前記木製梁3を大梁10に接合する構成については、上記実施例1の重ね梁構造1を構成する木製梁3を大梁10に接合する構成と同じであるため、その説明を省略する。
なお、前記鋼製梁2’又は木製梁3と、大梁10との接合手段は、図4に示した実施例に限らず、構造上必要とされる性能を満たす構成であれば、種々の接合方法で実施することが可能である。
10 大梁
2 鋼製梁(角形鋼管)
2’ 鋼製梁(H形鋼)
3 木製梁
4 接合部材(第1の接合部材)
7 接合部材(第1の接合部材)
8 接合部材(第2の接合部材)
Claims (4)
- 木造軸組構法に用いられる小梁を、木製梁と鋼製梁とを相互に重ね合わせて構成した木・鋼重ね梁構造であって、
前記鋼製梁の上面に前記木製梁が重ね合わされ、
前記木製梁及び鋼製梁の端部は、直交する大梁等の横架材にそれぞれ接合されて成ることを特徴とする、木・鋼重ね梁構造。 - 前記鋼製梁の端部は、前記直交する大梁等の横架材に、第1の接合部材を介して接合され、
前記木製梁の端部は、前記直交する大梁等の横架材に、第2の接合部材を介して接合されて成ることを特徴とする、請求項1に記載した木・鋼重ね梁構造。 - 前記鋼製梁は、角形鋼管で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した木・鋼重ね梁構造。
- 前記木製梁は、断面の縦寸及び横寸がそれぞれ105mm以上の角材であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した木・鋼重ね梁構造。
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