JP2005200907A - 接合用板金物およびこの接合用板金物を用いた柱と梁の接合方法 - Google Patents

接合用板金物およびこの接合用板金物を用いた柱と梁の接合方法 Download PDF

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Abstract

本発明は柱と梁の内芯部に板金物を挿入固定させる事により木造軸組工法の仕口加工と接合方法を簡素化し、低コストで強化させることができる耐震用の接合金物と接合方法に関するものである。
【課題】木造軸組工法における柱と梁の接合部の加工と施工を簡素化し、常に一定した品質性能で確実強固に低コストで接合させることが可能で、耐震性に優れた柱と梁の接合金物と接合方法の提供。
【解決手段】本発明は柱と梁の接合部の中心線上に薄巾ホゾを加工しておき,円弧形梁受部を持つ接合板金物を柱に挿入固定して、これに梁の円弧形ホゾ部を上から装着し、側面からピンで固定するだけで木材を確実強固に接合させ、しかも四種類の板金物を交差して組み合わせる事により柱を介して梁を多方向に接合させることができる接合板金物と接合方法である。
【選択図】 図 1

Description

本発明は木造軸組工法の柱と梁の耐震用接合金物とその接合方法に関するものである。在来工法の接合部の耐震強度と施工効率の弱点を補い、品質の均一化とコスト削減の時代要請に対応し、木造軸組みの伝統的美点を生かすことが可能な工法である。
在来工法における柱と梁の接合は木材の接合部を切削加工した凹凸仕口により行われてきた。最近では耐震強度とコスト削減などの時代的要請から、接合部に補強金具や接合金物を使用することが主流となってきたが、金物の取り付け方法は釘やボルトとナット等により接合材の外部からの取り付けで、加工と施工に手間とコストが多くかかり、時間経過で緩みが生ずる等耐震性能にも難点が残った。
その改善策として柱の中に金物の一部を挿入する形式のものはあるがホゾ加工に手間がかかり,梁受部が弱小で不安感が残り、金物コストが高くつく等の問題点があった。単純加工による金物板全体を柱に挿入して一体の仕口を形成する方法の接合金物はこれまでなかった。
上記参考文献を次に示す。
特開第2744769号公報 特開第3468317号公報
以下の特徴を持つ接合金物と接合方法の提供を課題とする。
1 接合する柱と梁の加工欠損を最小限に抑え、素材強度を保持できるホゾ加工方法。
2 最も簡素で加工工程が少ない形状で製造コストが安く,梁受面積が多く接合面の密着性が高い耐震用接合金物。
3 接合が正確、簡単で作業効率がよく誰にでも施工でき、金物が外部から見えることなく、品質性能が一定で在来工法への即時導入が可能な接合方法。
本発明の四種類の円弧形梁受部を持つ接合板金物と二種類の薄巾ホゾの組み合わせ使用による接合方法により上記の課題を解決することができる。
本発明の効果を次に示す。
1 ホゾ加工と接合金物の簡素化により製造コストの大巾削減が可能となる。
2 接合方法の簡素化による組立て作業時間の大巾短縮が可能となる。
3 木造軸組み工法の良さを生かし,羽子板ボルトなど補助金物を不要にし、しかも耐震強度を大巾に向上させる事が可能となる。
4 基本的骨組みの要所に接合板金物を挿入する工法のため性能が安定し、手抜き工事が不可能となる。
本発明は柱と梁のそれぞれの接合部に接合板金物挿入用の薄巾ホゾを木目に沿った柱の巾と梁の厚みの中心線上に加工しておき、その柱に挿入固定した本発明板金物の円弧形梁受部に梁の円弧形薄巾ホゾを上から装着し、側面からピンで金物に固定することにより木材を簡単確実に接合させ、しかも円弧形梁受部を持つ四種類の板金物を交差して組み合わせることにより、柱を介して多方向に梁を接合させる事が可能な木材の耐震用接合方法である。次にその実施例を図示して解説する。
木造軸組工法における柱1と梁2の接合に関し、接合部の柱面には柱巾中央に長手方向の薄巾ホゾ3を一定寸法で加工しておき、そのホゾ面に隣接する両側面の所定位置には板金物5固定用のピン穴4を加工しておく。その薄巾ホゾ3に本発明の接合用板金物5を挿入し、側面ピン穴4からピン6を打ち込んでこれを固定する。この方法により接合板金物5の柱1からの突出部7は柱1と一体化して強固な梁受用凸仕口7を形成する。
一方、梁両端の断面には厚みの中心線に沿って板金物挿入用の薄巾ホゾ8を梁2の上部木肉9を残して、受け手の板金物の凸部7と同形の円弧形に加工しておく。円弧形ホゾは丸鋸による最短加工が可能で、梁2に上部木肉9を残すため接合力強化に有効である。更に梁2の両側面の所定個所には板金物固定用のピン穴4を上下に数箇所加工し、上の穴には梁2設置時の位置決め用として予めピン6を打ち込んでおく事により、上記梁受金物5の円弧形凸部7に対して、密着して挿入可能な梁2の凹仕口8を形成する。
柱1に固定した本発明の板金物5の円弧形受け凸部に対して、薄巾ホゾ8を加工した梁2を上から徐々に降下させて装着し、梁2側面ピン穴4からピン6を打ち込んで固定させる。柱と梁のピンの数は接合材の大小により決める。この接合方法により梁2の荷重は板金物5の円弧形天端7の全体で支えられると同時に打ち込まれたピン6によっても二重に支えられ、柱1と梁2を簡単強固に接合させる事ができる。しかも接合金物5は外部から見えることなく柱1及び梁2の内芯部に納まり自然な外観となる。
本特許の接合にはABCD四種類の板金物5を使用する。Aは両側用,Bは片側用,Cは補充両側用、Dは補充片側用とする。次にその使用法を示す。柱1を介し多方向の接合をする場合は,接合部に薄巾ホゾ3とピン穴4を加工した柱1に板金物Aを挿入し、柱1を介して対立する二方向に梁2を取り付ける事ができる。その接合部に交差させて柱1の隣接面から補充板金物Dを挿入すれば三方向の接合となり、補充板金物Cを交差して挿入すれば四方向の接合ができる。更にコーナー部の接合は板金物Bに補充板金物Dを交差して挿入すれば可能である。
上記の柱と梁の接合を更に確実にし、地震等による横揺れ時にも柱と梁の接合部の密着性を保持させる事を目的として、梁両端下部の二本の柱にボルト穴10を設け、これに梁接合補強ボルト11を通して柱間に渡し、その両端を座金とゆるみ止めナット12で締結する。梁接合補強ボルト11は最終的には壁の内部に収まり外部から見えぬように設置する事ができる。
接合状況斜視図 四方接合透視図 三方接合透視図 コーナー接合透視図 板金物種類図 A両側用 B片側用 C補充両側用 D補充片側用 柱と梁の薄巾ホゾ透視図及び断面図
符号の説明
1 柱
2 梁
3 柱の薄巾ホゾ
4 ピン穴
5 接合板金物
6 ピン
7 板金物の円弧形梁受部
8 梁の薄巾ホゾ
9 梁上部木肉部
10 ボルト穴
11 梁接合補強ボルト
12 ゆるみ止めナット

Claims (2)

  1. 本発明は木造軸組工法における柱と梁のそれぞれの接合部に本発明板金物挿入用の薄巾ホゾを木目に沿った柱の巾と梁の厚みの中心線上に一定の寸法と形で加工しておき、その側面の所定位置には金物固定用のピン穴を所定数加工しておく。その柱に挿入固定した本発明の特徴である板金物の円弧形梁受部に梁の円弧形ホゾ部を装着し, 側面からピンで金物に固定することにより木材を簡単迅速に、しかも確実強固に接合させ、更に両側及び片側用の二種類の板金物に同じく二種類の補充用板金物を交差して組み合わせることにより、柱を介して多方向に、しかも金物を外部に見せることなく梁を接合させる事ができる耐震用の接合金物と接合方法。
  2. 梁の荷重は本発明接合金物の円弧形天端に接する薄巾ホゾ上面の木肉部の全面と梁の側面から打ち込まれたピンによって二重に支えることができ、柱と梁の接合は梁両端の両柱の梁下又は梁上の所定位置にボルト穴を設け、これに梁接合補強ボルトを通して柱間に渡し、その両端を座金とゆるみ止めナットで締結する事により更に接合を確実にし、地震時の横揺れにも接合の密着性を保持することが可能な柱と梁の接合方法。

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