JP6620703B2 - 熱伝導性シリコーン樹脂組成物及びその硬化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の電子部品の放熱材料として好適な熱伝導性シリコーン樹脂組成物に関し、更に詳述すると、高温でのポットライフに優れ、高温作業時に適した熱伝導性シリコーン樹脂組成物に関する。
パワートランジスタ、CPU、GPU等の発熱性部品は、熱の発生により特性が低下するため、従来これらを設置する場合には、当該部品にヒートシンクを取り付けて熱を放散する対策が取られている。この時、ヒートシンクと基板との接着のためにエポキシ樹脂製のリッドシール材が使われ、発熱性部品の放熱のためにシリコーン樹脂製の放熱材料がヒートシンクとの間に配置されている。
一般にシリコーン樹脂単体では十分な放熱性が得られないため、高熱伝導性の無機充填剤が使用されている。例えば、特許文献1(特開2011−153252号公報)には、酸化アルミニウムを充填した熱伝導性シリコーン樹脂が提案されており、特許文献2(特開2014−037460号公報)には、金属アルミニウムを充填した熱伝導性シリコーングリースが提案されている。
前記発熱性部品の性能向上に伴い、その発熱量も増加しているため、ヒートシンクの形状も大型化、複雑化する傾向にある。そのため、ヒートシンクに用いる放熱材料の量も多くなり、これを硬化させるのに多くの熱量(温度×時間)を必要とする。
しかし、これらの組成物は高くとも150℃以下の温度で処理されることで硬化するため、大面積のヒートシンクを搭載するプロセスにおいて、高温で硬化しようとすると、十分に濡れ広がる前に硬化してしまうという問題があった。
上記のように、半導体製造プロセス中に意図せず硬化することのない熱伝導性シリコーン樹脂組成物が求められている。
特開2011−153252号公報 特開2014−037460号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高温でヒートシンクを搭載するときに意図しない状況で硬化することのない熱伝導性シリコーン樹脂組成物及びその硬化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)一分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)一分子中にケイ素原子に結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)熱伝導性充填剤、(D)白金族金属系触媒、及び(E)チオール基又はスルフィド基を有する有機化合物を特定量含有し、走査型振動針式硬化試験機による150℃での硬化開始時間が10分以上30分未満である熱伝導性シリコーン樹脂組成物を用いる場合、ICチップ上に塗布された後、高温でヒートシンクを搭載するプロセスにおいて、十分に濡れ広がり、ICチップとヒートシンクとの間を満たすことができ、接着性により優れ、熱伝導性に優れ、電子部品の放熱材料として好適に使用できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記の熱伝導性シリコーン樹脂組成物及びその硬化方法を提供する。
〔1〕
(A)一分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中にケイ素原子に結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合する水素原子が0.1〜4.0当量となる量、
(C)熱伝導性充填剤、
(D)白金族金属系触媒、及び
(E)チオール基を有する有機化合物
を含有し、走査型振動針式硬化試験機による150℃での硬化開始時間が10分以上30分未満であることを特徴とする熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
〔2〕
(E)成分の配合量が、(D)成分中の白金族金属の質量換算で1質量部に対し、80〜120質量部である〔1〕記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
〔3〕
(C)成分の質量割合が、(A)〜(E)成分の合計量に対して70〜95質量%である〔1〕又は〔2〕記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
〔4〕
180℃以上の温度で硬化することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物の硬化方法。
本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物によれば、チオール基又はスルフィド基を有する有機化合物を特定量含有することにより、150℃以上の高温であっても、製造プロセス中の意図しない増粘や硬化を可及的に抑制しつつ、所望する形状で硬化することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、
(A)一分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中にケイ素原子に結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)熱伝導性充填剤、
(D)白金族金属系触媒、及び
(E)チオール基又はスルフィド基を有する有機化合物
を含有するものであり、走査型振動針式硬化試験機による150℃での硬化開始時間が10分以上30分未満のものである。これにより、高温でのヒートシンク搭載プロセスにおいて、プロセス中にシリコーン樹脂組成物の硬化を防ぐことができる。
上記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分について以下に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、一分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、本発明組成物のベースポリマーとして使用される。(A)成分は、一般的には、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のものであるが、分子の一部に分岐状の構造を含んでいてもよく、また分子全体が環状であってもよい。(A)成分としては、硬化物の機械的強度等の物性の点から、直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。(A)成分は、一分子中に2個以上のアルケニル基を有するものであるが、アルケニル基は、分子鎖の末端のみに存在していても、或いは分子鎖の2個以上の末端及び分子鎖の途中に存在していてもよいが、少なくとも分子鎖の2個の末端には存在していることが好ましい。
(A)成分の代表例としては、例えば、下記一般式(1)で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0006620703
上記式中、R1は独立して脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜8のアルケニル基または炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり、R3はR1またはR2で示される基である。m及びnはそれぞれ独立して0以上の整数で、但し、10≦m+n≦10,000かつ0≦n/(m+n)≦0.2である。
上記一般式(1)におけるR1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基;並びにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の、ハロゲン置換アルキル基、シアノ置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基などが挙げられる。R1は、炭素数が1〜10、特に1〜6のものが好ましく、より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素数1〜3の非置換又は置換のアルキル基;及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。中でも、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)におけるR2としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基及びヘキセニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基、及びシクロヘキセニル基等の炭素数3〜8のシクロアルケニル基が挙げられ、中でも、ビニル基及びアリル基が好ましい。
一般式(1)におけるR3としては、上記R1及びR2の具体例として挙げられた基を同様に挙げることができる。中でも、炭素数1〜6のものが好ましく、更に好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、及びフェニル基である。
一般式(1)において、mは0以上の整数であり、nは0以上の整数である。但し、m及びnは、10≦m+n≦10,000かつ0≦n/(m+n)≦0.2を満たし、好ましくは50≦m+n≦2,000かつ0≦n/(m+n)≦0.05を満たす。
(A)成分の23℃における粘度は、100〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に100〜1,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。該粘度がこの範囲内にあると、得られるシリコーン樹脂組成物の取り扱いが容易である。なお、粘度はJIS K 7117−1:1999記載の方法に従って測定された23℃における粘度である。
[(B)成分]
(B)成分は硬化剤であり、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合する水素原子が0.1〜4.0当量となり、好ましくは1.0〜3.0当量となる。(B)成分は、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状のいずれの構造でもよい。
(B)成分の代表例としては、例えば、下記一般式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0006620703
上記式中、R1は前記と同様であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はR1で示される基であり、但し、少なくとも2個以上のR4が水素原子である。o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数で、但し、1≦o+p≦100である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等のポリシロキサン;及びR1 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意的にR1 3SiO1/2単位、R1 2SiO2/2単位、R1(H)SiO2/2単位、HSiO3/2単位又はR1SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R1は前記と同様のものである)等が挙げられる。
[(C)成分]
(C)成分は熱伝導性充填剤であり、本発明の樹脂組成物の硬化物に高熱伝導性を付与する成分である。このような高熱伝導性フィラーとしては、熱伝導率が0.4W/m・K以上、特に4W/m・K以上のものが好ましく、例えば、アルミナ粉、窒化ホウ素粉、窒化アルミニウム粉、窒化ケイ素粉等のセラミックス系フィラー;アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉等の金属粉等が挙げられる。
(C)成分の使用量(合計量)は、本発明の樹脂組成物の(A)〜(E)成分の70〜95質量%である。また、前記(C)成分は、組成物全体の体積を100%としたとき、体積分率60%以上で使用することが好ましい。
[(D)成分]
(D)成分は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のSiH基との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進するための白金族金属系触媒であり、周知のヒドロシリル化反応用触媒が使用できる。具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、及びNa2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書及び同第3,775,452号明細書参照);白金黒及びパラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ及びカーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
(D)成分の量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対し、白金族金属の質量換算で0.1〜1,000ppm、特に0.5〜500ppm程度である。
[(E)成分]
(E)成分はチオール基又はスルフィド基を有する有機化合物であり、本発明の樹脂組成物の硬化反応であるヒドロシリル化反応に対する反応抑制剤である。(E)成分を所定量添加することによって、150℃以上の高温であっても、製造プロセス中の意図しない増粘や硬化を抑制しつつ、所望する形状で硬化することができる。具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン等のチオール基を有する有機ケイ素化合物、4−ブロモチオフェノール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のチオール基を有する芳香族化合物、ジメチルスルフィド、ジフェニルジスルフィドなどのジスルフィド類、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのテトラスルフィド類等が挙げられる。中でも、チオール基を有する有機ケイ素化合物が好ましい。
(E)成分の配合量は、(D)成分中の白金族金属の質量換算で1質量部に対し、70〜140質量部であることが好ましく、より好ましくは80〜120質量部である。この範囲内であれば、150℃以上の高温下であっても、所望する形状で硬化することができる。
[任意成分]
本発明の樹脂組成物は、接着性を付与する目的で、必要に応じて接着助剤を添加することができる。接着助剤としては、例えば、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)、ケイ素原子に結合したアルケニル基(例えばSi−CH=CH2基)、アルコキシシリル基(例えばトリメトキシシリル基)、エポキシ基(例えばグリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基)から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは2種又は3種含有する直鎖状又は環状のケイ素原子数4〜50個、好ましくは4〜20個程度のオルガノシロキサンオリゴマー、オルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物及び/又はその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)等が挙げられる。
この接着助剤の添加量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部であることがより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物の粘度を調節するため、希釈剤として、前記(E)成分及び上記接着助剤とは別のシランカップリング剤を必要に応じて加えることができる。シランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
6Si(OR73 (3)
(ここで、R6は炭素数1〜10の脂肪族アルキル基、R7はメチル基又はエチル基である。)
本発明の樹脂組成物には、上記の接着助剤やシランカップリング剤のほか、必要に応じて、酸化亜鉛等を接着性向上剤として配合することができる。
[樹脂組成物の硬化方法]
本発明の樹脂組成物は、上記成分を公知の方法によって均一に混合することにより調製され得る。得られた組成物は、加熱することにより硬化され得る。本発明の樹脂組成物は、走査型振動針式硬化試験機による150℃での硬化開始時間が10分以上30分未満であることが好ましく、より好ましくは10〜15分であることを特徴とする。この場合、このような硬化態様は、上記(E)成分を特に上記した量で用いることにより効果的に達成することができる。
上記の走査型振動針式硬化試験機の測定条件としては、以下のように規定する。
・Dwell:100ms
・Frequency Filter:50Hz
・Amplitude Filter:250
・Resonance Frequency:81Hz
なお、本明細書中、硬化開始時間とは、硬化時間測定中に増加する周波数が、初期の周波数に対して0.2%上昇するのに要した時間を指す。硬化開始時間が10分未満であると、作業中に意図しない増粘あるいは硬化することとなり好ましくなく、硬化開始時間が30分以上であると、製造時間が長くなり、生産性が低下することになるため好ましくない。硬化開始時間を上記の範囲にすることによって、所望の形状で樹脂を硬化させ、且つ、工程が必要以上に冗長となることは無いため好ましい。
本発明の樹脂組成物の硬化条件は、該組成物が十分硬化するものであれば、特に制限はないが、硬化温度としては、180℃以上、好ましくは180〜230℃、より好ましくは180〜200℃とすることができる。硬化時間としては、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜6時間である。また、硬化温度は、硬化終了まで一定の温度であっても段階的に昇温してもよい。このようにして得られる硬化物は、好ましくは、2W/m・K以上の熱伝導率を有する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度はJIS K 7117−1:1999記載の方法に従って測定された23℃における粘度(ブルックフィールド社製 デジタル粘度計DV−II+Proにより測定)である。
[調製例]
(A)成分として粘度が1,000mPa・sで分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基によって封鎖されたポリジメチルシロキサン1kg、(C)成分としてアルミナ粉末AO−41R(アドマテックス社製)8kg、酸化亜鉛(三井金属製)1kgを、プラネタリーミキサーを用いて混合することにより、ベース樹脂を作製した。
[実施例1〜3及び比較例1,2]
上記の調製例で作製したベース樹脂、(B)成分として下記式(4)
Figure 0006620703
で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、(D)成分として白金のビニルシロキサン錯体(白金濃度1質量%)、(E)成分として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、接着助剤として2,4,6,8−テトラメチル−2−[3−(オキシラニルメトキシ)プロピル]−シクロテトラシロキサンを表1のような割合で混合し、シリコーン樹脂組成物を得た。
[参考例I]
(E)成分としてジメチルスルフィドを用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂組成物を得た。
[比較例3]
(E)成分としてエチニルシクロヘキサノールを用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂組成物を得た。
[硬化速度測定]
RAPRA社製の走査型振動針式硬化試験機を使用して、上記実施例1〜3、参考例I及び比較例1〜3の7種のシリコーン樹脂組成物の150℃における硬化開始時間を測定した。その結果を表1にまとめる。
〈走査型振動針式硬化試験機〉
走査型振動針式硬化試験機の測定条件としては、以下のように規定した。
・Dwell:100ms
・Frequency Filter:50Hz
・Amplitude Filter:250
・Resonance Frequency:81Hz
また、試験中に増加する周波数が、初期に対して0.2%上昇する時間を硬化開始時間とした。
Figure 0006620703
表1に示すように、本実施例1〜は、反応抑制剤として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン又はジメチルスルフィドを用いることで、150℃における硬化開始時間を延長し、更に添加量を調整することで任意に硬化開始時間を調整することが可能であることが分かった。
比較例1は、150℃における硬化開始時間が早すぎて、作業時間が十分に確保できない。
比較例2は、150℃における硬化開始時間が遅すぎて、作業効率が悪くなる。
比較例3は、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを用いた例であり、その結果、150℃における硬化開始時間が早すぎて、作業時間が十分に確保できない。

Claims (4)

  1. (A)一分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)一分子中にケイ素原子に結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合する水素原子が0.1〜4.0当量となる量、
    (C)熱伝導性充填剤、
    (D)白金族金属系触媒、及び
    (E)チオール基を有する有機化合物
    を含有し、走査型振動針式硬化試験機による150℃での硬化開始時間が10分以上30分未満であることを特徴とする熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
  2. (E)成分の配合量が、(D)成分中の白金族金属の質量換算で1質量部に対し、80〜120質量部である請求項1記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
  3. (C)成分の質量割合が、(A)〜(E)成分の合計量に対して70〜95質量%である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
  4. 180℃以上の温度で硬化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物の硬化方法。
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