JP6620005B2 - 解繊機及び繊維状材料の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、複数のカッタープレートの少なくとも1枚を、解繊ロールの回転軸と直交する方向に対して傾斜した状態で回転軸に固定することも提案されている。
他方、特許文献1に記載の技術は、カッタープレートを解繊ロールの軸方向に間隔を開けて固定した場合に、解繊ロールの軸方向に回転刃が存在しない領域が生じて、原料シートの幅方向に解繊が部分的に不十分になることを防止する技術であり、カッタープレートを解繊ロールの回転軸と直交する方向に対して傾斜させ、隣り合うカッタープレート間に生じる回転刃が存在しない隙間を原料シートの幅方向に周期的に移動させることにより、カッタープレート間に空気の流路を確保しつつ、原料シートの幅方向に回転刃が当らない部分を作らないようにしている。
しかし、特許文献1の技術においては、原料シートの幅内に、回転刃が当る頻度が相互に異なる領域が生じるため、原料シートを均一に解繊する観点で改善の余地があった。
本発明の原料シートの解繊方法によれば、原料シートを従来よりも均一に解繊することができ、より均質な繊維状材料を得ることができる。
本発明の一実施形態である解繊機10は、好ましくは、図1に示すように、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品の吸収体3Bの全体又は一部として用いられる積繊体3を製造する積繊体の製造装置100に組み込まれて使用される。
図1に示す積繊体の製造装置100は、外周面に複数の集積用凹部22が所定の間隔で形成された回転ドラム2と、回転ドラム2の外周面に向けて、繊維状材料31を飛散状態にて供給するダクト4と、ダクト4内に繊維状材料31を供給する材料供給部1とを備えている。回転ドラム2は、内部に仕切られた複数の空間A〜Dを有する回転しない本体部20と、本体部20の周囲に設けられ、矢印a方向に回転駆動される外周部21とを有する。本体部20には、何れも図示しない排気手段及び給気手段が接続されており、製造装置100の作動中、空間A及び空間B内は負圧に維持され、空間C内は陽圧に維持される。集積用凹部22は外周部21に設けられ、集積用凹部22の底面はメッシュプレート等の多孔性プレートからなる。製造装置100の作動中、集積用凹部22は、負圧に維持された空間A上を通過している間、底面からの吸引が行われ、それにより、ダクト4内に、材料供給部1側から回転ドラム2の外周面に向かう空気流が生じる。
解繊機10は、パルプシート等の原料シート31Aを粉砕して繊維状材料31とするものであり、生じた繊維状材料31は、ダクト4内に向けて開孔した材料供給口11からダクト4内に供給される。製造装置100の作動中に、ダクト4内に繊維状材料31が供給されると、その繊維状材料31は、ダクト4内を、飛散状態となって回転ドラム2の外周面に向かって流れた後、個々の集積用凹部22内に吸い寄せられて堆積する。集積用凹部22内に堆積した繊維状材料31は、集積用凹部22の内面形状に沿った形状の積繊体3となり、回転ドラム2の下方に設けられた排出部23において、集積用凹部22内から被覆シート32上に離型される。被覆シート32上に離型された積繊体3は、バキュームコンベア5等の公知の搬送手段により搬送された後、流れ方向MDに直交する断面の全周囲が被覆シート32に包まれた後、ロータリーダイカッター等の公知の切断手段6により切断され、個々の吸収性物品に使用される長さの吸収体3Bとなる。
カッタープレート13の回転刃13aは、図3に示すように、カッタープレート13のプレート部13bの外周縁から径方向の外方に突出するように設けられており、解繊ロール12の軸長方向Xからみてカッタープレート13の径方向の最外部に頂部を有する断面三角形状の形状を有している。また、回転刃13aは、カッタープレート13のプレート部13bの周方向に一定の間隔で複数設けられている。1枚のカッタープレート13が有する回転刃13aの数は、例えば5個以上50個以下であり、特に制限されない。
このように、本実施形態の解繊機10によれば、原料シート31Aを従来よりも均一に解繊することができるとともに、カッタープレート13間に空気の流路を確保でき、解繊ロールの過熱やそれに起因する原料シート31Aの焦げや溶融等を防止することができる。なお、解繊ロール12やカッタープレート13の過熱が起きると、原料シートとしてパルプシートを用いた場合には焦げを生じ、合成繊維等の樹脂シートを用いた場合には溶融が生じる。これらは、例えば、おむつやナプキン等の吸収体においては、異物混入となる為、確実に防止することが望まれる。
また、本実施形態のカッタープレート13においては、回転刃13aとプレート部13bとの接続部分に関し、プレート部13bの外周縁から、回転刃13aの張り出し部cが軸長方向Xに急峻に立ち上がる形状となっている。すなわち、軸長方向Xと直交する方向からみて、回転刃13aとプレート部13bとの接続部分は、T字状となっている。これにより、回転刃13aの表面積が広がり、放熱効果が向上する。
しかし、本発明の一実施形態によれば、上記問題を解決でき、積繊体3を製造する積繊体の製造装置100として適用した場合においても、装置の高速化が可能となる。
解繊不良の発生を抑制する観点から、原料シート31Aの移動方向Mの1mmあたりの回転刃13aの打撃回数(衝突回数)が3回以上であることが好ましく、5回以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、例えば20回以下であることが好ましい。
また、解繊ロール10の回転数としては、振動や摺動部の摩耗等を考慮すると、6000rpm以下が好ましく、4000rpm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、例えば100rpm以上であることが好ましい。
なお、回転刃13aを均等に衝突させるには、カッタープレート13の回転刃13aによっても打撃されない領域R2が生じないようにする必要があるが、該領域R2の幅が、1.2mm以内、より好ましくは0.6mm以内である場合は、その両側のカッタープレート13から力を受けて解繊されるため、何れのカッタープレート13の回転刃13aによっても打撃されない領域は存在しないものとする。
カッタープレート13は、回転刃13aの前記長さLaがプレート部13bの前記長さLbの、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは500%以下、より好ましくは400%以下であり、好ましくは200%以上500%以下、より好ましくは250%以上400%以下である。
回転刃13aのプレート部13bから突出する張り出し部cは、隣り合う回転刃13aどうし間の隙間dが、1.2mm以下となる長さであることが好ましく、0.6mm以下となる長さであることがより好ましい。
解繊ロール12の径方向において、回転軸15の中心線からカッタープレート13の回転刃13aまでの距離と、該回転軸15の中心線からスペーサー14の最外部までの距離との差Lcは、解繊ロール12の直径に対して、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、好ましくは60%以上90%以下、より好ましくは70%以上80%以下である。解繊ロール12の直径は、回転軸15の中心線からカッタープレート13の回転刃13aの刃先13tまでの距離である。
図7に要部を示す解繊ロール12は、解繊ロール12の軸長方向Xにおいて隣り合うカッタープレート13は、回転刃13aの位置が、解繊ロール12の周方向Yにずれており、さらに、回転刃13aの一部どうしが解繊ロール12の周方向Yにおいて重なっている。回転刃13aの一部どうしが周方向Yに重なる領域を形成することで、打撃されない領域R2を生じさせないようにすることができ、また、解繊ロール12の1回転あたりの打撃回数(衝突回数)を増加させることができる。これにより、原料シート31Aをより均一に解繊することができ、解繊不良の無い、より均質な繊維状材料を得ることができる。
回転刃13aの重なり幅g(図7参照)は、スペーサー14の解繊ロール12の軸長方向Xの長さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは150%以下、より好ましくは100%以下であり、また好ましくは10%以上150%以下、より好ましくは60%以上100%以下である。
<1>
原料シートを粉砕して繊維状材料とする解繊機であって、複数のカッタープレートを有し、一方向に回転駆動される解繊ロールと、該解繊ロールの外周面に向けて前記原料シートを導入する原料シート供給機構とを備え、前記カッタープレートは、外周部の周方向に並ぶ複数の回転刃と、該回転刃を支持するプレート部とを備えており、前記回転刃は、前記解繊ロールの軸長方向の長さが、前記プレート部よりも長く形成されており、隣り合う前記カッタープレートの前記プレート部間に、前記解繊ロールの周方向の全周に亘って連続する空間が形成されている解繊機。
隣り合う前記カッタープレートは、前記回転刃の位置が、前記解繊ロールの周方向にずれている、前記<1>に記載の解繊機。
<3>
隣り合う前記カッタープレートは、前記回転刃の一部どうしが前記解繊ロールの周方向において重なっている、前記<1>又は<2>に記載の解繊機。
<4>
隣り合う前記カッタープレート間に、前記プレート部より小径のスペーサーが介在している、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の解繊機。
<5>
前記プレート部は、円盤状をなしている、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の解繊機。
<6>
前記回転刃は、前記プレート部の外周縁から径方向の外方に突出するように設けられている、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の解繊機。
<7>
前記回転刃は、前記解繊ロールの軸長方向からみて前記カッタープレートの径方向の最外部に頂部を有する断面三角形状の形状を有している、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の解繊機。
<8>
前記回転刃は、前記プレート部の両側それぞれに、前記解繊ロールの軸長方向に突出する張り出し部を有している、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の解繊機。
隣り合う前記カッタープレート間に、前記プレート部より小径のスペーサーが介在し、該スペーサーの外周部より外方における隣り合う前記カッタープレートの相対向するプレート部間に空気の流通空間が形成されており、
該流通空間は、隣り合う一方のカッタープレートの回転刃の張り出し部と前記スペーサーとの間を通る第1の空間と、他方のカッタープレートの回転刃の張り出し部と前記スペーサーとの間を通る第2の空間とを有し、
前記第1の空間及び前記第2の空間のそれぞれが、前記スペーサーの全周囲に亘って連続する環状の空間となっている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の解繊機。
<10>
前記回転刃と前記プレート部との接続部分に関し、前記プレート部の外周縁から、前記回転刃の張り出し部が軸長方向に急峻に立ち上がる形状となっており、軸長方向と直交する方向からみて、前記回転刃と前記プレート部との接続部分は、T字状となっている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の解繊機。
<11>
前記カッタープレートは、前記回転刃の長さが前記プレート部の長さの、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは500%以下、より好ましくは400%以下であり、好ましくは200%以上500%以下、より好ましくは250%以上400%以下である、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の解繊機。
<12>
前記回転刃の前記プレート部から突出する張り出し部は、隣り合う前記回転刃どうし間の隙間が、1.2mm以下となる長さであることが好ましく、0.6mm以下となる長さであることがより好ましい、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の解繊機。
前記解繊ロールの軸長方向に沿う方向の前記スペーサー14の長さは、1mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下であり、好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは3mm以上6mm以下である、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の解繊機。
<14>
前記解繊ロールの径方向において、前記回転軸の中心線から前記カッタープレートの前記回転刃までの距離と、該回転軸の中心線から前記スペーサーの最外部までの距離との差は、前記解繊ロールの直径に対して、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、好ましくは60%以上90%以下、より好ましくは70%以上80%以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の解繊機。
<15>
前記回転刃の重なり幅は、前記スペーサーの前記解繊ロールの軸長方向の長さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは150%以下、より好ましくは100%以下であり、また好ましくは10%以上150%以下、より好ましくは60%以上100%以下である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の解繊機。
<16>
前記原料シートは、木材パルプシート又は繊維シートである、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の解繊機。
前記<1>〜<16>の何れか1に記載の解繊機を用いて、原料シートを粉砕して繊維状材料を得る繊維状材料の製造方法であって、前記原料シートの幅方向の全域に亘って、前記回転刃を衝突させる、繊維状材料の製造方法。
<18>
前記原料シートの移動方向の1mmあたりの回転刃の打撃又は衝突回数が、好ましくは3回以上、より好ましくは5回以上であり、好ましくは20回以下である、前記<17>に記載の繊維状材料の製造方法。
<19>
前記解繊ロール10の回転数は、好ましくは6000rpm以下であり、より好ましくは4000rpm以下であり、好ましくは100rpm以上である、前記<17>又は<18>に記載の繊維状材料の製造方法。
<20>
外周面に集積用凹部が形成された回転ドラムと、該回転ドラムの前記外周面に向けて、前記繊維状材料を飛散状態にて供給するダクトと、該ダクト内に前記繊維状材料を供給する材料供給部とを備え、前記集積用凹部に前記繊維状材料を堆積させて積繊体を形成する積繊体の製造装置であって、前記材料供給部が前記<1>〜<16>の何れか1に記載の解繊機を備えた、積繊体の製造装置。
<21>
原料シートを粉砕して繊維状材料を得、該繊維状材料を堆積させて積繊体を形成する積繊体の製造方法であって、前記<17>〜<19>の何れか1に記載の繊維状材料の製造方法を用いて前記原料シートから前記繊維状材料を得る、積繊体の製造方法。
<22>
液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート、及び前記表面シート及び前記裏面シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備した吸収性物品の製造方法であって、前記吸収体の全体又は一部が前記<21>に記載の積繊体の製造方法で製造された積層体である、吸収性物品の製造方法。
1 材料供給部
11 材料供給口
10 解繊機
12 解繊ロール
13 カッタープレート
13a 回転刃
13t 刃先
13b プレート部
14 スペーサー
15 回転軸
16 原料シート供給機構
17 空気の流通空間
70 ケーシング
2 回転ドラム
3 積繊体
31 繊維状材料
32 被覆シート
33 散布管
3B 吸収体
4 ダクト
Claims (5)
- 原料シートを粉砕して繊維状材料とする解繊機であって、
複数のカッタープレートを有し、一方向に回転駆動される解繊ロールと、該解繊ロールの外周面に向けて前記原料シートを導入する原料シート供給機構とを備え、
前記カッタープレートは、外周部の周方向に並ぶ複数の回転刃と、該回転刃を支持するプレート部とを備えており、前記回転刃は、前記解繊ロールの軸長方向の長さが、前記プレート部よりも長く形成されており、
隣り合う前記カッタープレートの前記プレート部間に、前記解繊ロールの周方向の全周に亘って連続する空間が形成されている、解繊機。 - 隣り合う前記カッタープレートは、前記回転刃の位置が、前記解繊ロールの周方向にずれている、請求項1に記載の解繊機。
- 隣り合う前記カッタープレートは、前記回転刃の一部どうしが前記解繊ロールの周方向において重なっている、請求項1又は2に記載の解繊機。
- 隣り合う前記カッタープレート間に、前記プレート部より小径のスペーサーが介在している、請求項1〜3の何れか1項に記載の解繊機。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の解繊機を用いて、原料シートを粉砕して繊維状材料を得る繊維状材料の製造方法であって、
前記原料シートの幅方向の全域に亘って、前記回転刃を衝突させる、繊維状材料の製造方法。
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