JP6619664B2 - ゼオライト分離膜及びそれを用いた分離膜構造体 - Google Patents

ゼオライト分離膜及びそれを用いた分離膜構造体 Download PDF

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本発明は、ゼオライト分離膜及びそれを用いた分離膜構造体に関する。
従来、例えば、含水有機溶剤等から水を分離するための分離膜として、ゼオライト分離膜が知られている。ゼオライト分離膜を構成するゼオライトは、分子程度の大きさの細孔を有する結晶性アルミノケイ酸塩であり、種々の構造が存在する。
例えば、特許文献1には、親水性が高いA型ゼオライトからなり、透過流束が高いA型ゼオライト分離膜が開示されている。ところが、A型ゼオライトからなるゼオライト分離膜は、耐水性や耐酸性が低く、高含水溶剤(例えば含水率が20質量%以上)や酸性溶剤の脱水に適用することが困難である。
そこで、特許文献2には、A型ゼオライトに比べて耐水性や耐酸性に優れたモルデナイト型ゼオライトからなり、高含水溶剤や酸性溶剤の脱水に適用可能なゼオライト分離膜が開示されている。
特開平7−185275号公報 特開2003−144871号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示されたゼオライト分離膜は、モルデナイト型ゼオライトからなるため、上述したように、耐水性や耐酸性に優れ、高含水溶剤や酸性溶剤の脱水に適用可能であるが、透過流束が低く、分離性能が十分であるとは言えなかった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いゼオライト分離膜及びそれを用いた分離膜構造体を提供する。
本発明の一の態様であるゼオライト分離膜は、モルデナイト型ゼオライトからなるゼオライト分離膜であって、Kを含有し、SiとAlとのモル比(Si/Al)が7以上12以下であり、X線回折における(020)面と(002)面とのピーク強度比((020)/(002))が2.5未満である。
上記ゼオライト分離膜は、アルカリ金属であるKを含有している。そのため、モルデナイト型ゼオライトの結晶配向性を制御することができる。具体的には、結晶のb軸配向性を抑制し、非b軸配向性(特にc軸配向性)を高めることができる。ここで、モルデナイト型ゼオライトの結晶構造は、b軸方向よりもc軸方向に径の大きな細孔を有する。これにより、分離処理対象となる流体中の特定成分(透過成分)を透過させる方向、すなわち厚み方向において、結晶のc軸配向性を高め、透過流束を向上させることができる。
また、上記X線回折におけるピーク強度比((020)/(002))を上記特定の範囲とすることにより、上述した結晶のb軸配向性を抑制する効果を十分に得ることができ、透過流束を向上させることができる。また、上記モル比(Si/Al)を上記特定の範囲とすることにより、モルデナイト型ゼオライトの特性である耐水性、耐酸性を十分に確保することができる。
このように、上記ゼオライト分離膜は、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いものとなる。よって、例えば、高含水溶剤や酸性溶剤の脱水等に適用可能であり、かつ、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。
上記ゼオライト分離膜は、液体等の流体からその流体中に含まれる特定成分を分離するための分離膜である。ゼオライト分離膜は、例えば、含水有機溶剤等から水を分離するための分離膜として用いることができる。
上記ゼオライト分離膜は、モルデナイト型の結晶構造を有する結晶性アルミノケイ酸塩であるモルデナイト型ゼオライトからなる。モルデナイト型ゼオライトは、b軸方向に8員環の細孔を有し、c軸方向に12員環の細孔を有する。c軸方向の細孔は、b軸方向の細孔に比べて径(細孔径)が大きい。
上記ゼオライト分離膜は、上述のとおり、アルカリ金属であるKを含有する。アルカリ金属イオン等のカチオンは、結晶の骨格構造中におけるAl原子の負電荷を補償する役割を果たす。Kを含有していないと、結晶のb軸配向性が強くなり透過流束が低下する。すなわち、モルデナイト型ゼオライトは、b軸方向に大きな細孔が存在しないため、結晶のb軸配向性が強くなると透過性が損なわれ、結果として透過流束が低下する。
上記ゼオライト分離膜において、上述のとおり、SiとAlとのモル比(Si/Al)が7以上12以下である。モル比(Si/Al)が7未満の場合には、耐酸性が不十分となる。モル比(Si/Al)が12を超える場合には、疎水性が高くなり透過流束が低下する。また、モルデナイト型以外の結晶が生成してしまう場合がある。モル比(Si/Al)は、8以上10以下であることが好ましい。なお、モル比(Si/Al)は、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)を用いた構成元素分析により求めることができる。
上記ゼオライト分離膜において、X線回折における(020)面と(002)面とのピーク強度比((020)/(002))が2.5未満である。X線回折におけるピーク強度比((020)/(002))が2.5以上の場合には、結晶のb軸配向性が強くなり透過流束が低下する。なお、X線回折におけるピーク強度とは、X線回折装置を用いたX線回折測定による分析によって得られるピーク強度である。また、(020)面は、モルデナイト型ゼオライトの結晶のb軸に直交する面であり、(002)面は、モルデナイト型ゼオライトの結晶のc軸に直交する面である。
上記ゼオライト分離膜の膜厚は、1μm以上4μm以下であることが好ましい。この場合には、ゼオライト分離膜の特性(耐水性、耐酸性、透過流束等)を有効に発揮することができる。膜厚が1μm未満の場合には、緻密性を十分に確保することができないおそれがある。膜厚が4μmを超える場合には、透過流束が低下するおそれがある。膜厚は、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
上記ゼオライト分離膜において、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の透過流束は、2kg/(m・h)以上であることが好ましい。この場合には、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。また、上記透過流束は、3kg/(m・h)以上であることがより好ましい。この場合には、さらに、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。なお、50質量%酢酸/水混合液とは、酢酸と水との混合液であって、酢酸が50質量%含まれる混合液のことである。また、上記透過流束は、「透過流束(kg/(m・h))=透過液の透過速度(kg/h)/ゼオライト分離膜の膜面積(m)」の式で表される。
上記ゼオライト分離膜において、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の分離係数は、100以上であることが好ましい。この場合には、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。また、上記分離係数は、200以上であることがより好ましい。この場合には、さらに、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。なお、50質量%酢酸/水混合液とは、酢酸と水との混合液であって、酢酸が50質量%含まれる混合液のことである。また、上記分離係数は、「分離係数=(透過液中の水濃度/透過液中の溶剤濃度)/(被分離流体中の水濃度/被分離流体中の溶剤濃度)」の式で表される。この式において、透過液は水であり、被分離流体は酢酸である。また、濃度の単位は質量%である。
上記ゼオライト分離膜は、各種方法を用いて製造することができる。例えば、Si源、Al源、アルカリ源等を含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、ゼオライト分離膜を製造することができる。Si源としては、例えば、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、有機シラン化合物等を用いることができる。Al源としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム等を用いることができる。アルカリ源としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を用いることができる。
また、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いゼオライト分離膜を容易に製造するため、水性反応混合物中のSiとAlとのモル比(Si/Al)を10以上22以下とすることが好ましい。また、水性反応混合物中のアルカリ源としてK及びNaを含む場合、水性反応混合物中のKとNaとのモル比(K/Na)を1.5以上8.0以下とすることが好ましく、水性反応混合物中のK及びNaとSiとのモル比((K+Na)/Si)を0.7以上1.0未満とすることが好ましい。
本発明の他の態様である分離膜構造体は、上述したゼオライト分離膜と、該ゼオライト分離膜を支持する支持体と、を備えている。
上記分離膜構造体は、上述したゼオライト分離膜、すなわち耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いゼオライト分離膜を備えている。これにより、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いものとなる。よって、例えば、高含水溶剤や酸性溶剤の脱水等に適用可能であり、かつ、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。
ゼオライト分離膜及びそれを用いた分離膜構造体を示す斜視図である。 分離膜構造体の軸方向に直交する断面を示す断面図である。 浸透気化分離による分離性能評価方法を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
図1、図2に示すように、本実施形態において、分離膜構造体10は、ゼオライト分離膜1と、ゼオライト分離膜1を支持する支持体11と、を備えている。ゼオライト分離膜1は、モルデナイト型ゼオライトからなる。ゼオライト分離膜1は、Kを含有し、SiとAlとのモル比(Si/Al)が7以上12以下であり、X線回折における(020)面と(002)面とのピーク強度比((020)/(002))が2.5未満である。以下、分離膜構造体10及びゼオライト分離膜1について詳細に説明する。
同図に示すように、分離膜構造体10は、後述するゼオライト分離膜1と、支持体11とを備えている。支持体11は、円筒状(円管状)のアルミナからなるセラミック製多孔質体である。支持体11の外周面111には、薄膜のゼオライト分離膜1が形成されている。ゼオライト分離膜1の膜厚は1μm以上4μm以下である。
ゼオライト分離膜1は、分離処理対象となる含水溶剤(例えば含水有機溶剤、含水酸性溶剤等)から水を分離するための分離膜である。ゼオライト分離膜1は、モルデナイト型の結晶構造を有する結晶性アルミノケイ酸塩であるモルデナイト型ゼオライトからなる。ゼオライト分離膜1において、SiとAlとのモル比(Si/Al)は7以上12以下である。
ゼオライト分離膜1は、アルカリ金属であるK及びNaを含有している。ゼオライト分離膜1は、X線回折における(020)面と(002)面とのピーク強度比((020)/(002))が2.5未満である。
分離膜構造体10は、例えば、ゼオライト分離膜1の表面に接触する含水溶剤中の水を、ゼオライト分離膜1の厚み方向両側の圧力差によってゼオライト分離膜1を透過させ、さらに支持体11内部を通過させ、支持体11の内側の空間から回収できるよう構成することができる。
なお、ゼオライト分離膜1は、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の透過流束が2kg/(m・h)以上である。また、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の分離係数が100以上である。この条件での透過流束及び分離係数については、後述する実施例において説明する。
次に、ゼオライト分離膜1及び分離膜構造体10の製造方法について説明する。
まず、Si源、Al源、アルカリ源等を含有する水性反応混合物を作製した。具体的には、純水に、アルカリ源としての水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムを必要に応じて溶解し、さらにAl源としてのアルミン酸ナトリウムを溶解し、これを撹拌しながらSi源としてのコロイダルシリカを添加し、所定の合成組成の水溶液を調製した。調製した水溶液を室温で6時間撹拌し、合成液(水性反応混合物)を得た。
次いで、モルデナイト粉末を純水と混合してスラリーとし、このスラリーを支持体11の外周面111に塗布し、乾燥させた。これにより、外周面111にモルデナイト型ゼオライトの種結晶を担持した支持体11を得た。
次いで、オートクレーブに合成液及び支持体11を入れ、密閉状態において175℃で12時間、自生圧力下で加熱し、支持体11の外周面111にモルデナイト型ゼオライトを合成した。これにより、支持体11の外周面111に、モルデナイト型ゼオライトからなるゼオライト分離膜1を形成した。
以上により、図1、図2に示すような、支持体11の外周面111に形成された薄膜のゼオライト分離膜1を得た。また、ゼオライト分離膜1と支持体11とを備えた分離膜構造体10を得た。
次に、ゼオライト分離膜1及び分離膜構造体10の作用効果について説明する。
ゼオライト分離膜1は、アルカリ金属であるKを含有している。そのため、モルデナイト型ゼオライトの結晶配向性を制御することができる。具体的には、結晶のb軸配向性を抑制し、非b軸配向性(特にc軸配向性)を高めることができる。ここで、モルデナイト型ゼオライトの結晶構造は、b軸方向よりもc軸方向に径の大きな細孔を有する。これにより、分離処理対象となる流体(本実施形態では含水溶剤)中の特定成分(本実施形態では水)を透過させる方向、すなわち厚み方向において、結晶のc軸配向性を高め、透過流束を向上させることができる。
また、X線回折におけるピーク強度比((020)/(002))を上記特定の範囲(2.5未満)とすることにより、上述した結晶のb軸配向性を抑制する効果を十分に得ることができ、透過流束を向上させることができる。また、モル比(Si/Al)を上記特定の範囲(7以上12以下)とすることにより、モルデナイト型ゼオライトの特性である耐水性、耐酸性を十分に確保することができる。
また、ゼオライト分離膜1において、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の透過流束は、2kg/(m・h)以上である。また、50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の分離係数は、100以上である。そのため、ゼオライト分離膜1は、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。
また、分離膜構造体10は、上述したゼオライト分離膜1、すなわち耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いゼオライト分離膜1を備えている。これにより、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いものとなる。
このように、本実施形態によれば、ゼオライト分離膜1及びそれを用いた分離膜構造体10は、耐水性、耐酸性に優れ、かつ、透過流束が高いものとなる。よって、例えば、高含水溶剤や酸性溶剤の脱水等に適用可能であり、かつ、分離性能が高く、実用性に優れたものとなる。
(実施例)
以下、本発明のゼオライト分離膜の実施例を比較例と対比しながら説明し、本発明の効果を実証する。以下に示す実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
表1に示すように、合成組成(モル比)が異なる複数のゼオライト分離膜(実施例:試料1〜試料5、比較例:試料6〜試料12)を作製し、各試料について各種評価を行った。以下、試料の作製方法、各種評価方法について説明する。
<試料作製方法>
表1に示す合成組成の合成液(水性反応混合物)を用いて、水熱合成法により、上述の図1、図2に示したような、円筒状(円管状)のアルミナ製多孔質体である支持体11の外周面111に、所定の膜厚のゼオライト分離膜1を形成した。これにより、ゼオライト分離膜1と支持体11とを備えた分離膜構造体10を得た。ゼオライト分離膜1及び分離膜構造体10の製造方法、製造条件等は、基本的に上述した実施形態1と同様である。
なお、水性反応混合物の作製において、試料1、試料10及び試料11は、アルカリ源として水酸化ナトリウム及びフッ化カリウムを使用した。試料2〜試料5、試料8及び試料12は、アルカリ源として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びフッ化カリウムを使用した。試料6は、アルカリ源として水酸化ナトリウム及びフッ化ナトリウムを使用した。試料7は、アルカリ源として水酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムを使用した。試料9は、アルカリ源としての水酸化カリウム及びフッ化カリウムを使用した。また、各試料は、Al源としてアルミン酸ナトリウムを使用し、Si源としてコロイダルシリカを使用した。
Figure 0006619664
<膜物性評価方法>
各試料の結晶構造は、X線回折装置を用いたX線回折測定による分析により確認した。各試料の元素比率(モル比(Si/Al)、モル比(K/Na))は、EPMAを用いた構成元素分析により得られる定量分析値から算出した。各試料の膜厚は、各試料の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察することにより求めた。各試料のピーク強度比((020)/(002))は、X線回折装置を用いたX線回折測定による分析により得られるピーク強度から算出した。なお、(020)面を示すピークは2θ=8.6°付近、(002)面を示すピークは2θ=23.7°付近に現れる。
<分離性能評価方法>
分離性能の透過流束及び分離係数については、各試料を用いた浸透気化分離によって評価した。具体的には、図3に示すように、有機溶剤と水とを混合した試験液21(ここでは50質量%酢酸/水混合液)を恒温槽にて70℃に加温し、試験液21中に分離膜構造体10を浸漬した。
ここで、分離膜構造体10は、ゼオライト分離膜1と支持体11(上述の図1、図2参照)とにより構成されている。分離膜構造体10は、その一端が封止され、他端が圧力計31、冷却トラップ32、真空ポンプ33、複数のバルブ34等で構成された真空ライン3に接続されている。
次いで、真空ライン3を真空引きした。これにより、分離膜構造体10(ゼオライト分離膜1)の内側と外側との圧力差を駆動力として、試験液21中の透過成分(水)が蒸気としてゼオライト分離膜1を透過し、さらに分離膜構造体10の支持体11内部を通過し、分離膜構造体10(支持体11)の内側の空間から冷却トラップ32に捕集される。このとき、ゼオライト分離膜1の近傍での試験液21の濃度の偏りを抑制するため、スターラー22にて試験液21を撹拌しながら行った。
そして、冷却トラップ32に捕集した透過液の質量を測定した。各試料の透過流束は、「透過流束(kg/(m・h))=透過液の単位時間当たりの透過速度(kg/h)/ゼオライト分離膜の膜面積(m)」の式を用いて算出した。透過流束の評価は、透過流束が2kg/(m・h)以上であるものを合格とした。
また、透過液をガスクロマトグラフィにて分析することにより、透過液中の有機溶剤及び水の濃度を測定した。各試料の分離係数は、「分離係数=(透過液中の水濃度/透過液中の溶剤濃度)/(試験液中の水濃度/試験液中の溶剤濃度)」の式を用いて算出した。なお、濃度の単位は質量%である。分離係数の評価は、分離係数が100以上であるものを合格とした。
また、各試料の耐酸性は、浸透気化分離を長時間継続して行うことによって評価した。具体的には、浸透気化分離を200時間以上継続して行い、分離係数に変化がないものを合格とした。
Figure 0006619664
各試料の評価結果を表2に示す。
同表からわかるように、試料1〜試料5は、いずれもモルデナイト型ゼオライト(表中に「MOR」と示す。)からなり、分離性能の評価において、透過流束が2kg/(m・h)以上、分離係数が100以上であり、いずれも合格であった。特に、試料4及び試料5は、透過流束が3kg/(m・h)以上であり、試料2〜試料5は、分離係数が200以上であった。また、耐酸性の評価も合格であった。
一方、試料6及び試料7は、いずれもX線回折におけるピーク強度比((020)/(002))が2.5以上であるため、結晶のb軸配向性が強くなり、透過流速が2kg/(m・h)未満で不合格となった。
試料8〜試料11は、SiとAlとのモル比(Si/Al)が7未満であるため、耐酸性が不十分となり、その評価が不合格となった。また、試料8〜試料11のうち、試料9は、分離係数が100未満で不合格となり、試料10は、透過流束が2kg/(m・h)未満で不合格となった。
試料12は、SiとAlとのモル比(Si/Al)が12を超えるため、疎水性が高くなり、透過流束が2kg/(m・h)未満で不合格となった。また、モルデナイト型以外の結晶が生成し、モルデナイト型とMFI型(表中に「MFI」と示す。)の結晶が混在していた。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)上述の実施形態1では、ゼオライト分離膜1を支持する支持体11は、アルミナより構成されているが、支持体を構成する材料はこれに限定されるものではなく、他のセラミック、金属等であってもよい。
(2)上述の実施形態1では、ゼオライト分離膜1を支持する支持体11は、円筒状(円管状)であるが、支持体の形状はこれに限定されるものではなく、平板状、ハニカム状等であってもよい。
(3)上述の実施形態1では、ゼオライト分離膜1が支持体11の外周面111に直接形成されているが、例えば、ゼオライト分離膜が支持体との間に例えば、他の膜、層、材料、部材等を介して形成されていてもよい。すなわち、支持体がゼオライト分離膜を支持する構成であればよい。
1…ゼオライト分離膜
10…分離膜構造体
11…支持体

Claims (4)

  1. モルデナイト型ゼオライトからなるゼオライト分離膜であって、
    Kを含有し、
    SiとAlとのモル比(Si/Al)が7以上12以下であり、
    X線回折における(020)面と(002)面とのピーク強度比((020)/(002))が2.5未満であり、
    膜厚が1μm以上4μm以下である、ゼオライト分離膜。
  2. 50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の透過流速は、2kg/(m・h)以上である、請求項1に記載のゼオライト分離膜。
  3. 50質量%酢酸/水混合液から水を分離した場合の分離係数は、100以上である、請求項1又は2に記載のゼオライト分離膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライト分離膜と、
    該ゼオライト分離膜を支持する支持体と、を備えている、分離膜構造体。
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