JP6610400B2 - プレコート金属板およびプレコート金属板の製造方法 - Google Patents

プレコート金属板およびプレコート金属板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、再帰反射性塗膜を有するプレコート金属板に関し、また金属板上に再帰反射性塗膜を連続的に形成して、プレコート金属板を製造する方法に関する。
家電、建材、自動車などの産業分野では、鋼板メーカーにて予め塗装まで施された鋼板(プレコート鋼板)を使用して、切断、成形加工して製品を製造する技術が広く普及している。一方、入射光が、材料内で反射して元の光源に向かって帰る(再帰反射性)を有する材料が知られており、この特性を利用した再帰反射性シートは、道路標識、バリケード、ナンバープレート、舗装マーカー及びマーキングテープ、並びに車両及び衣服用の再帰反射性テープなど、様々な物品に広く採用されている。
再帰反射性を有する反射表示構造は、従来から種々知られている。例えば、特開昭63−293585号公報には、コンクリート、金属、強化プラスチック等から成る素地上に表示色層が形成されており、その上層に透明微小球状体含有透明層が形成された反射表示構造が記載されており、透明層表面には、さらに透明保護層が形成されていてもよいことが記載されている。
特開2000−160522号公報には、金属製、合成樹脂製等から成る柱状基体表面に、金属粉顔料入り透明樹脂の反射層と、その上に透明又は着色剤入り樹脂の定着層と、所定のガラスビーズをその一部が前記反射層及び定着層内に埋没・固着し、かつ一部が定着層外に露出するように、略一層に密に敷きつめて形成された高視認性道路標識柱が記載されている。
特表2013−508748号公報には、自動車のナンバープレートに使用することができる、道路の上又は道路の近くに所在する自動ナンバープレート読み取りシステムの読み取りに適したミクロスフィア系(ビーズ型)再帰反射性シートを開示する。
上述した先行技術文献以外にも、種々の特許文献に再帰反射性シートが記載されている。しかし、従来技術における再帰反射性を有する反射表示構造を備えた構造物は、加工された後の、鋼材、プラスチック等の表面を、再帰反射性シートで被覆するか、または再帰性反射性材料を含んだ塗料を塗布することによって製造されている。成形加工前の金属板に再帰反射性材料を塗布してプレコート金属板を形成した、再帰反射性塗膜を備えたプレコート金属板は、現在までのところ報告されていない。
特開昭63−293585号公報 特開2000−160522号公報 特表2013−508748号公報
本発明の目的は、再帰反射性塗膜を有するプレコート金属板を提供することであり、また金属板上に再帰反射性塗膜を連続的に形成して、プレコート金属板を製造する方法を提供することである。
プレコート金属板に要求される予め塗装まで施された金属板の加工性と、広い入射角で高い反射輝度が得られる再帰反射性塗膜を両立させることは、従来の方法では実現が困難であったが、本発明者らは、鋭意研究の結果、従来よりも反射効率の高い再帰反射性塗膜を有するプレコート金属板を実現することができたものである。
すなわち本発明は下記にある。
(1)金属板上に、最上層として、ガラスビーズを含有し該ガラスビーズが単層に並ぶクリア皮膜層、前記クリア皮膜層の直下に、意匠性顔料を含有する意匠性皮膜層を有するプレコート金属板であって、
前記クリア皮膜層を構成するクリア樹脂が、前記ガラスビーズの全表面を被覆しており、
前記ガラスビーズ単層中で、ガラスビーズ同士が近接している部分を除いた、ガラスビーズ上部の前記クリア樹脂の平均乾燥膜厚が均一で、且つ5μm未満であり、ガラスビーズ下部の前記意匠性皮膜層と近接している前記クリア樹脂の平均乾燥膜厚は均一であり、且つ3μm未満であり、
前記クリア皮膜層中の前記ガラスビーズの存在している部位の前記意匠性皮膜層と前記クリア皮膜層との界面に、前記ガラスビーズ形状に追随した凹部が形成されている
ことを特徴とするプレコート金属板。
(2)前記意匠性皮膜層が、前記意匠性顔料としてメタリック顔料を含有する反射皮膜層であることを特徴とする(1)に記載のプレコート金属板。
(3)前記ガラスビーズが、粒径30〜150μmの範囲にあり、且つ屈折率1.8〜2.5であることを特徴とする(2)に記載のプレコート金属板。
(4)前記金属板上に投影した前記ガラスビーズの投影面積の専有面積率が60〜90%であり、前記ガラスビーズが存在していない部位の前記クリア皮膜層の平均膜厚が5〜20μmであり、ガラスビーズが存在していない部位の前記反射皮膜層の平均膜厚が5〜100μmであることを特徴とする(2)または(3)に記載のプレコート金属板。
(5)前記金属板とメタリック顔料を含有する前記反射皮膜層との間に、平均膜厚が1〜20μmの白色層または防錆顔料を含有する平均膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、(2)〜(4)のいずれか一つに記載のプレコート金属板。
(6)メタリック顔料を含有する前記反射皮膜層下に、平均乾燥膜厚が1〜20μmの白色層を有し、さらに前記白色層の下に防錆顔料を含有する平均乾燥膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、(2)〜(4)のいずれか一つに記載のプレコート金属板。
(7)前記メタリック顔料および樹脂を含有する、粘度0.8〜2.9Pa・sの反射皮膜層用塗料を用意し、
前記ガラスビーズおよびクリア樹脂を含有する、粘度0.5〜1.5Pa・sのクリア反射皮膜層用塗料を用意し、前記クリア皮膜層塗料の粘度は、前記反射皮膜層塗料の粘度以下であり、
多層カーテンコーターを使用して、前記金属板上に前記反射皮膜層塗料と、前記クリア皮膜層塗料を同時に塗布して、乾燥させることにより、前記金属板上に、順に、前記反射皮膜層、前記クリア皮膜層を含む再帰反射性塗膜を形成させることを特徴とする(2)〜(6)のいずれか一つに記載のプレコート金属板の製造方法。
(8)前記金属板上にメタリック顔料を含有する前記反射皮膜層塗料を形成し、前記反射皮膜層塗料が乾燥する前に、ガラスビーズを含有する前記クリア皮膜層塗料を、カーテンコーターを使用して形成し、その後、両層を同時に乾燥させて再帰性反射塗膜を形成させることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一つに記載のプレコート金属板の製造方法。
(9)前記意匠性皮膜層が、前記意匠性顔料として白色顔料を含有する白色皮膜層であることを特徴とする(1)に記載のプレコート金属板。
(10)前記ガラスビーズが、粒径30〜150μmの範囲にあり、且つ屈折率1.8〜2.5であることを特徴とする(9)に記載のプレコート金属板。
(11)前記金属板上に投影した前記ガラスビーズの投影面積の専有面積率が60〜90%であり、前記ガラスビーズが存在していない部位の前記クリア皮膜層の平均膜厚が5〜20μmであり、ガラスビーズが存在していない部位の前記反射皮膜層の平均膜厚が5〜100μmであることを特徴とする(9)または(10)に記載のプレコート金属板。
(12)前記金属板と白色顔料を含有する前記白色皮膜層との間に、平均膜厚が1〜20μmの白色層または防錆顔料を含有する平均膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、(9)〜(11)のいずれか一つに記載のプレコート金属板。
(13)白色顔料を含有する前記白色皮膜層下に、平均乾燥膜厚が1〜20μmの白色層を有し、さらに前記白色層の下に防錆顔料を含有する平均乾燥膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、(9)〜(11)のいずれか一つに記載のプレコート金属板。
(14)前記白色顔料および樹脂を含有する、粘度0.8〜2.9Pa・sの白色皮膜層塗料を用意し、
前記ガラスビーズおよびクリア樹脂を含有する、粘度0.5〜1.5Pa・sのクリア皮膜層塗料を用意し、前記クリア皮膜層塗料の粘度は、前記白色皮膜層塗料の粘度以下であり、
多層カーテンコーターを使用して、前記金属板上に前記白色皮膜層塗料と、前記クリア皮膜層塗料を同時に塗布して、乾燥させることにより、前記金属板上に、順に、前記白色皮膜層、前記クリア皮膜層を含む再帰反射性塗膜を形成させることを特徴とする(9)〜(13)のいずれか一つに記載のプレコート金属板の製造方法。
(15)前記金属板上に白色顔料を含有する前記白色反射皮膜層塗料を形成し、前記白色皮膜層塗料が乾燥する前に、ガラスビーズを含有する前記クリア皮膜層塗料を、カーテンコーターを使用して形成し、その後、両層を同時に乾燥させて再帰性反射塗膜を形成させることを特徴とする(9)〜(13)のいずれか一つに記載のプレコート金属板の製造方法。
プレコート金属板に要求される予め塗装まで施された金属板の加工性と、広い入射角で高い反射輝度が得られる再帰反射性、あるいは高い白色性を両立させることができた。また、従来よりも反射効率の高い再帰反射性塗膜を有するプレコート金属板を実現することができたものである。
本発明のプレコート金属板の断面図。 本発明のプレコート金属板の断面図。 クリア皮膜層と反射皮膜層の界面でメタリック顔料の一部が配列している、本発明のプレコート金属板の断面図。 本発明のプレコート金属板の断面図。 多層カーテンコーターの概略図。
図1および図4は、本発明のプレコート金属板の模式図である。本発明のプレコート金属板は、金属板上に、最上層として、ガラスビーズを含有し、該ガラスビーズが単層に並ぶクリア皮膜層、および前記クリア皮膜層の直下の、意匠性顔料を含有する意匠性皮膜層(メタリック顔料を含有する反射皮膜層または白色顔料を含有する白色皮膜層)から少なくとも成る再帰反射性塗膜を有する。
最上層のクリア皮膜層は、再帰反射性材料としてガラスビーズを用いる。本発明では、粒径が30〜150μmの範囲にあり、屈折率1.8〜2.5の範囲にあるガラスビーズを用いることができる。
ガラスビーズの粒径を30〜150μmの範囲に限定する理由は、粒径が30μm未満であると、意匠性皮膜層である、反射皮膜層または白色皮膜層とクリア層との界面にガラスビーズ形状に追随して厚さが減少した凹部が形成されにくくなり光の再帰性あるいは白色性が低下し、また、粒径が150μmを超えると、ガラスビーズが近接している部分のクリア樹脂の膜厚が厚くなり、塗膜乾燥時にいわゆる「わき」と呼ばれる発泡による塗装欠陥が生じやすくなるからである。特に好ましい粒径の範囲は、40〜80μmである。
屈折率を1.8〜2.5に限定する理由は、屈折率nが1.8未満では、クリア皮膜層の樹脂と屈折率が近くなるため、ガラスビーズと樹脂界面での光の反射性が低下し、再帰反射光の強度が低下し、屈折率nが2.5を超えると、材料が極めて高価で入手困難となるからである。好ましい、屈折率の範囲は、1.8〜2.0である。
クリア皮膜層を構成する透明樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、高分子ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ふっ素系樹脂、或いはこれらの変性樹脂などの樹脂成分を、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、ブチルメチル混合メラミン、尿素樹脂、イソシアネートやこれらの混合系の架橋剤成分により、加熱により架橋させたもの等を用いることができる。或いは電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂などを用いてもよい。光の透過性と加工性のバランスの観点から、特に好ましい透明樹脂は、高分子ポリエステル系樹脂である。
図1および図4に本発明のプレコート金属板の断面図を示す。図1、4に示すように、本発明の再帰反射性塗膜のクリア皮膜層に含まれるガラスビーズは、ガラスビーズ同士が層中で重なることが無く、ガラスビーズ自体は単層を成している。また、ガラスビーズは、その全表面が、ガラスビーズの下側にまで回り込んだ連続する均一の透明樹脂で被覆されているという特徴を有している。ガラスビーズ全表面がクリア皮膜層を構成する透明樹脂によって被覆されていることによって、本発明のプレコート金属板が、その後の成形加工時の際に、ガラスビーズが脱落することを防止している。また、最終製品に加工された後の実際の使用時においても、ガラスビーズが脱落することは無い。さらに、ガラスビーズを覆う透明皮膜が、ガラスビーズの曲率に追随し薄く、均一な膜厚となっている。こうすることで、光が入射する位置や方向によって屈折方向や反射方向がランダムになり光の再帰性が低下することを防止する。
ガラスビーズを被覆している透明樹脂の平均乾燥膜厚は、ガラスビーズ上部では、5μm未満である。この理由は、5μm以上では、透明樹脂内の光路長が長いため光が多く吸収され、結果として再帰光の強度が低下するからである。ガラスビーズの脱落さえなければ0μmが好ましいところであるが、ガラスビーズの脱落防止の観点から好ましくは、1〜5μmである。また、ガラスビーズ下部では、ガラスビーズを被覆している透明樹脂の平均乾燥膜厚は、3μm未満である。この理由は、3μm以上では、ガラスビーズ内を透過した光の一部が意匠性皮膜層(反射皮膜層または白色皮膜層)で反射されてガラスビーズに戻るまでの光路長が長いため光が多く吸収され、結果として再帰光の強度が低下するからである。ガラスビーズの脱落さえなければ0μmが好ましいところであるが、ガラスビーズの脱落防止の観点から、好ましくは、1〜3μmである。ここで、ガラスビーズの下部とは、反射皮膜層または白色皮膜層に形成された凹部内に在るガラスビーズ部分のことを言う。また、凹部内に無いガラス部分から、ガラスビーズ同士が近接している部分および、クリア皮膜層のガラスビーズの無い部分の平均表面位以下に埋没している部分を除外した部分を、ガラスビーズの上部と言う。
ガラスビーズ同士は、単層を成していれば、隣り合うガラスビーズと近接していても良く、また一定の距離を有していても良いが、前記金属板上に投影した(真上から見た)前記ガラスビーズの投影面積の専有面積率が60〜90%であることが好ましい。占有面積率が60%未満であると、再帰反射光の強度が十分でなく好ましくなく、また専有面積率が90%を超えると、ガラスビーズが単層にならない部位が生じ、再帰反射光の強度が減少に転ずるだけでなく、ガラスビーズの脱落も多くなり、好ましくない。特に好ましい専有面積率の範囲は、80〜90%である。
ガラスビーズが存在していない部位のクリア皮膜層の平均乾燥膜厚は5〜20μmであることが好ましい。平均乾燥膜厚が5μm未満であると、金属板加工時にガラスビーズが脱落しやすく好ましくなく、また平均乾燥膜厚が20μmを超えると、金属板の加工性が低下し(加工時に塗膜に亀裂が入りやすくなる)、好ましくない。特に好ましい平均乾燥膜厚の範囲は、7〜10μmである。
上述したように、本発明のクリア皮膜層は、透明樹脂とガラスビーズから成るが、必要に応じて、再帰反射性が低下しない程度に、カルシウム交換シリカ、トリポリリン酸アルミニウム、酸化チタン、シリカ、各種の着色顔料、ワックス、その他の添加剤等を含んでいてもよい。
前記クリア皮膜層の直下には、意匠性皮膜層(メタリック顔料を含有する反射皮膜層または白色顔料を含有する白色皮膜層)が存在する。図1および図4に示すように、意匠性皮膜層の、ガラスビーズが存在していない部位の平均乾燥膜厚は5〜100μmである。この理由は、十分な光反射性とプレコート金属板としての加工性を両立させるのに有効だからである。5μm未満では十分な光反射性が得られず、100μm超では加工性が低下する。好ましくは、10〜20μmである。意匠性皮膜層の、ガラスビーズが存在していない部位の平均乾燥膜厚は、ガラスビーズが存在していない部位の平均乾燥膜厚に対して、ガラスビーズが沈み込んでいる分だけ薄くなっている。この部位では、反射皮膜層または白色皮膜層とクリア層との界面にガラスビーズの形状に追随した凹部が形成されている。外部から再帰反射性塗膜に対して垂直に入射した可視光は、その一部は、ガラスビーズ上部のクリア層およびガラスビーズを通過し、ガラスビーズ下部のクリア層との界面で反射されて、元の光源方向に向かって帰って行く。また、ガラスビーズ下部のクリア層との界面で反射されなかった光は、さらにガラスビーズ下部のクリア層を通過して、意匠性皮膜層がメタリック顔料を含有する反射皮膜層の場合は反射皮膜層中の界面付近のメタリック顔料によって反射され、また意匠性皮膜層が白色顔料を含有する白色皮膜層の場合は、クリア層と白色皮膜層との界面で反射されて、元の光源方向に向かって帰って行く。これらの各部位での反射光の合計が、最終的な再帰反射光の強度として認識される。本発明では、反射皮膜層または白色皮膜層に形成された凹部により、ガラスビーズの下側表面と反射層との距離が近く且つ均一となっている。距離が近いことから、クリア層通過時の光の吸収は大きくなく、光は高効率で再帰することができ、また距離が均一であることから、屈折方向がランダムになり光の再帰性が低下することも抑制される。さらに、反射皮膜層または白色皮膜層に形成された凹部の効果により反射面が常に光の入射方向に向いているため、塗膜に対して垂直以外の方向から入射した可視光についても、広い入射角で高い再帰反射率が得られる。
意匠性皮膜層がメタリック顔料を含有する反射皮膜層の場合、ガラスビーズを通った光を反射皮膜層によって効率よく反射することができる。本明細書で用いる用語「メタリック顔料」とは、反射皮膜層中に入射した光を反射することができる顔料をいう。本発明に用いることができるメタリック顔料には、例えば旭化成社製アルミ顔料では、樹脂未コートタイプとしてはFDグレード、GXグレード、BSグレード、およびSTDグレードが挙げられ、樹脂コートタイプとしてはCRタイプ、HRタイプ、PV−Hタイプ、THR−LRタイプ、およびTRタイプが挙げられる。いずれも本発明に使用することができるが、特に、扁平状で輝度や白度の高い樹脂未コートタイプのものが好ましく、FD−512,GX−3180,GX−50A等を使用することが特に好ましい。反射皮膜層中のメタリック顔料の含有比率は、固形分濃度として通常10〜50質量%である。10質量%未満では十分な光の反射性が得られず、50質量%超ではプレコート金属板としての加工性が低下する。
意匠性皮膜層が白色顔料を含有する白色皮膜層の場合、下層がメタリック顔料を含有する反射皮膜層である場合よりも反射効率は低下するものの、白色性の高い再帰反射光が得られる。再帰反射光の白色性が高いと、同一の反射輝度であっても人の目には強く視認されるため好ましい。本発明には、白色顔料として任意の酸化チタン顔料を使用することができる。例えば、石原産業社製CR−90が挙げられる。白色皮膜層中の白色顔料の含有比率は、固形分濃度として通常20〜60質量%である。20質量%未満では再帰反射光に十分な白色性が得られず、60質量%超ではプレコート金属板としての加工性が低下する。
意匠性皮膜層が反射皮膜層である場合、反射皮膜層中でメタリック顔料は、概ね基体の金属板と平行に並んでおり、効果的に光を反射する(図1)。さらに反射性を向上させるには、クリア皮膜層と反射皮膜層との界面付近に、メタリック顔料の一部が集合して密な構造と成っていることが有効である(図3)。このような構造を採ることにより、反射効率は飛躍的に向上する。
意匠性皮膜層の反射皮膜層または白色皮膜層を構成する樹脂は、特に限定されず、高分子ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ふっ素系樹脂、或いはこれらの変性樹脂などの樹脂成分を、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、ブチルメチル混合メラミン、尿素樹脂、イソシアネートやこれらの混合系の架橋剤成分により、加熱により架橋させたもの等を用いることができる。或いは電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂などを用いてもよい。特に高分子ポリエステル系樹脂が、加工性、耐薬品性等の各種の性能バランスに優れる観点から好ましい。
本発明の意匠性皮膜層の反射皮膜層または白色皮膜層は、メタリック顔料あるいは白色顔料のほかに添加物として、光の反射性が低下しない程度に、カルシウム交換シリカ、トリポリリン酸アルミニウム、酸化チタン、シリカ、各種の着色顔料、その他の添加剤等を含んでいてもよい。
本発明のプレコート金属板は、金属板上に少なくともクリア皮膜層と意匠性皮膜層とを有するが、これら以外の層を有していても良い。例えば、意匠性皮膜層の直下に白色層を有することができる。白色層が無い場合と比較して、さらに白色光下での塗膜の白色度が高くなり、意匠性、視認性が向上する。白色層の平均乾燥膜厚は、1〜20μmと成ることが好ましい。特に好ましい膜厚は、5〜15μmである。
また、意匠性皮膜層と基体となる金属板との間にプライマー層を有することができる。プライマー層は、前記の白色層が存在する場合は、白色層の下に位置する。プライマー層は、種々の防錆顔料を含むことができる。これらの顔料は、特に限定されるものではなく、任意なものを使用できる。例えば、シリカ、カルシウム交換シリカ、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、バナジン酸マグネシウム、バナジン酸カルシウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。クロメート系防錆顔料を使用することも可能であるが、環境対応の観点から好ましくはない。また、酸化チタンをはじめとする各種の着色顔料を、本発明のプレコート金属板の用途に応じて選定、使用することができる。プライマー層の平均乾燥膜厚は、1〜10μmであることが好ましい。
本発明において使用する金属板としては、例えば、冷間圧延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板などの各種のめっき鋼板、ステンレス鋼板などを使用することができる。また、これらの金属板に、脱脂、クロメート処理、燐酸塩処理、或いは非クロメート処理などの通常の表面処理を施して使用しても良い。
次に、本発明のプレコート金属板の製造方法について説明する。
金属板上に、本発明に係るクリア皮膜層と意匠性皮膜層を形成するために、多層カーテンコーター方式を用いることができる。
カーテンコーター方式は、塗料をスリットの間からカーテン状の薄い膜として自由落下させ、その下を移動走行させた金属板の上に塗装するものである。塗料をカーテン状の薄い膜にする方式として、塗料を容器からオーバーフローさせるオーバーフローカーテンコーター、塗料をスリットの間から流下させるスリットカーテンコーター、塗料を回転する2本のローラーの間から流下させるローラーカーテンコーターなどがある。ガラスビーズを含有するクリア皮膜層、さらにその下に意匠性皮膜層を形成する本発明のプレコート金属板においては、これらの皮膜を効率的にかつ、薄く形成するには、多層カーテンコーターにするのが好ましい。
この多層カーテンコーターとしては、例えば、特公昭49−24133号公報、特開平6−190335号公報、特開平8−252519号公報などに開示されている装置を利用することができる。図5は、多層カーテンコーターの一例を示す概要図であり、(a)は斜視図、(b)は、(a)の通板方向に平行な垂直断面の要部模式図である。
図5において多層カーテンコーターのスライドホッパー9にはスライド傾斜面10があり、このスライド傾斜面には、3列のスリット状ノズル11a〜11cが配置されている。各ノズルにはそれぞれに塗料樹脂を供給する塗料供給部12a〜12cが接続されており、各塗料供給部は、供給管とポンプ(何れも図示しない)を介して塗料タンク(図示しない)に接続され、塗料が各塗料供給部に供給されるようになっている。
スライド傾斜面10の唇部10Aの両端部に接するように、塗料膜をガイドするカーテンガイド15が設けられ、唇部10Aの下方には、余剰の塗料を収容する塗料パン17が設けられている。
そして、スライドホッパー9のそれぞれの塗料供給部12a〜12cからスリット状ノズル11a〜11cを通じて塗料Pがスライド傾斜面10に幅方向に均一に供給され、各塗料膜13a、13b、13cがスライド傾斜面上で積層される。多層に積層された塗膜は、スライド傾斜面上を下方に流動し、スライド傾斜面の先端部(唇部10A)で塗料パンに落下する際にカーテンガイド15により拡げられ、塗料カーテン14として幅方向に均一な塗料膜として流れる。この塗料膜に所定の速度で移動する金属板を通板させることにより、金属板上に多層の塗料膜層16を同時に形成することができる。その後、乾燥、硬化処理を施すことにより、プレコート金属板とすることができる。
図5では、スライドホッパーのスライド傾斜面には3個のスリット状ノズル11a〜11cが設けられているが、スライドホッパー上のスリット状ノズルの数は特に限定されるものではなく、必要により加減できる。
すなわち、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層とメタリック顔料を含有する反射皮膜層とからなる塗装皮膜を形成する場合は、スライドホッパーのスリットは下流側の二つのスリット状ノズルを使用するようにすればよく、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層とメタリック顔料を含有する反射皮膜層とさらにその下の白色皮膜層との三層からなる塗装皮膜を形成する場合は、スライドホッパーの三つのスリットを使用するようにすればよい。
すなわち、本発明のガラスビーズを含有するクリア皮膜層と、意匠性皮膜層とからなるプレコート金属板を形成する場合は、スライドホッパーのスライド傾斜面に設けた複数のスリット状ノズルから、例えば、図5のスライドホッパーの下流側の二つのスリット状ノズルから、粒径30〜150μmのガラスビーズを含有するクリア皮膜層塗料と意匠性顔料を含有する意匠性皮膜層塗料樹脂を別々に流出させ、スライド傾斜面上で二層からなる塗料樹脂膜を形成し、この塗料樹脂膜をカーテン状に落下させ、意匠性皮膜層を下層とし、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層を表層とする塗料膜を走行する金属板上に受けて塗布する。次いで、塗布後の塗料膜を同時に乾燥焼付することによって本発明のプレコート金属板とすることができる。
また、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層と、意匠性皮膜層と、さらにその下の白色層との三層からなる塗装皮膜を形成する場合は、スライド傾斜面に設けた複数のスリット状ノズルから、例えば、図5のスライドホッパーの3つのスリット状ノズルから、白色層用樹脂と、粒径30〜150μmのガラスビーズを含有するクリア皮膜層塗料と、メタリック顔料または白色顔料を含有する意匠性皮膜層塗料を、それぞれ別々に流出させ、スライド傾斜面上で三層からなる塗料樹脂膜を形成し、この塗料樹脂膜をカーテン状に落下させ、白色層を下層とし、意匠性皮膜層を中層、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層を最上層とする塗料膜を走行する金属板上に受けて塗布する。次いで、塗布後の塗料膜を同時に乾燥焼付けすることによって本発明のプレコート金属板とすることができる。
この方法によれば、複数の塗料膜層からなる塗膜を、一つのヘッドで同時に塗布でき、かつ塗布された塗料膜を一回の乾燥焼付処理により乾燥焼付できるので、従来のように、塗布、乾燥焼付処理を皮膜毎に行なう方法に比べて、極めて効率がよい。
また、塗膜間の密着性が、極めてすぐれており、プレコート金属板の加工においても塗膜間の剥離がなく、加工性に優れたものとすることができる。
さらに、スライド傾斜面上で複数の各塗料膜層が一体となった樹脂膜を形成されるので、各塗料膜層は薄くても、カーテン状に落下する際の塗料膜は厚くなっており、本発明のように粒径30〜150μmのガラスビーズを含有した場合でも、カーテン状塗料膜の膜切れを起こすことがなく、安定したカーテン状塗料膜を落下させることができる。
従って、各皮膜層は極めて薄い塗装皮膜であってもこれを効率的に金属板上に塗布することが可能となる。
多層同時コーテイングは、図5の例に限らず、複数のスリット状ノズルを備えたTダイ形式のダイコーターからそれぞれの塗料樹脂を下方に膜状に同時に押し出し、下方に落下させて所定の速度で移動する金属板に受けさせ、多層の塗膜を同時に形成する多層エクストルージョンコーター、複数のスリットを有する多層のヘッドからそれぞれの塗料樹脂を下方に膜状に同時に押し出し、傾斜したスライド面で多層に重ねた塗料膜をカーテン状に落下させることなく、スライド面の下端を所定の速度で移動する金属板に近接させて塗料膜を塗布し、多層膜を同時に形成する多層スライドコーターなどを採用することもできる。
ガラスビーズの粒径は、上述のように粒径30〜150μmとするが、好ましくは、40〜80μmである。
本発明のプレコート金属板では、クリア皮膜層を構成するクリア樹脂が、ガラスビーズの全表面を被覆している。
このような構造を形成するためには、クリア皮膜層を構成するクリア皮膜層塗料の表面張力および粘度を適切に制御することが必要である。先ず、クリア皮膜層塗料の表面張力は、隣接する下層の反射皮膜層塗料または白色皮膜層塗料の表面張力以下であることが必須である。この条件を満たさないと、両層を濡れ状態で積層し乾燥させる過程で両層の上下位置関係が部分的に逆転し、むらが生じる。表面張力の制御には、各種のレベリング剤などの添加剤を適宜使用すればよい。次に、クリア皮膜層塗料の粘度は、隣接する下層の意匠性皮膜層塗料の粘度以下で、かつ0.5〜1.5Pa・sであることが必要である。クリア皮膜層塗料の粘度が意匠性皮膜層塗料の粘度よりも高いと、両層を濡れ状態で積層し乾燥させたとき意匠性皮膜層の膜厚が大きく変動し、むらが生じる。クリア皮膜層塗料の粘度が0.5Pa・sよりも低いと、ガラスビーズを被覆しているクリア樹脂の平均乾燥膜厚が、ガラスビーズ上部で1μmを下回り、ガラスビーズが脱落しやすくなる。またクリア皮膜層塗料の粘度が1.5Pa・sを超えると、ガラスビーズを被覆しているクリア樹脂の平均乾燥膜厚が、ガラスビーズ上部で5μm以上、ガラスビーズ下部で3μm以上となり、再帰反射性が低下する。
本発明のプレコート金属板のクリア皮膜層に用いることができるクリア樹脂は、必要に応じてプレコート金属板に要求される加工性、耐汚染性等の性能を満たしていれば、特に限定されないが、例えば、高分子ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ふっ素系樹脂、或いはこれらの変性樹脂などの樹脂成分を、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、ブチルメチル混合メラミン、尿素樹脂、イソシアネートやこれらの混合系の架橋剤成分により、加熱により架橋させたもの等を用いることができる。或いは電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂などを用いてもよい。光の透過性と加工性のバランスの観点から、高分子ポリエステル系樹脂をメチル化メラミンで硬化させたもの(特に加工性重視)、アクリル樹脂をイソシアネートで硬化させたもの(特に光透過性重視)が好ましい。
本発明のプレコート金属板では、ガラスビーズの存在している部位の前記意匠性皮膜層とクリア皮膜層との界面に、ガラスビーズ形状に追随した凹部が形成されている。
このような構造を形成するためには、意匠性皮膜層塗料の粘度を適切に制御することが必要である。意匠性皮膜層塗料の粘度は、0.8〜2.9Pa・sであることが必要である。粘度が0.8Pa・sよりも低いと、上層のクリア樹脂と濡れ状態で積層し乾燥させたとき意匠性皮膜層塗料の膜厚が大きく変動し、むらが生じる。また粘度が2.9Pa・sを超えると、ガラスビーズの存在している部位の意匠性皮膜層塗料とクリア層との界面に、ガラスビーズ形状に追随した凹部が形成されず、再帰反射性あるいは白色性が低下する。
本発明のプレコート金属板の意匠性皮膜層に用いることができる塗料樹脂は、必要に応じてプレコート金属板に要求される加工性、耐食性、耐薬品性等の性能を満たしていれば、特に限定されないが、例えば、高分子ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ふっ素系樹脂、或いはこれらの変性樹脂などの樹脂成分を、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、ブチルメチル混合メラミン、尿素樹脂、イソシアネートやこれらの混合系の架橋剤成分により、加熱により架橋させたもの等を用いることができる。或いは電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂などを用いてもよい。加工性の観点からは、高分子ポリエステル系樹脂をメチル化メラミンで硬化させたものが、耐薬品性の観点からは、高分子ポリエステル系樹脂をイソシアネートで硬化させたものが特に好ましい。
意匠性皮膜層が、メタリック顔料を含有する反射皮膜層の場合、反射皮膜層中でメタリック顔料は、概ね基体の金属板と平行に並んでおり、効果的に光を反射する(図1)。さらに反射性を向上させるには、本発明のプレコート鋼板では、クリア皮膜層と反射皮膜層との界面付近に、メタリック顔料の一部が集合して密な構造と成っていることが、反射効率向上のために非常に有効である(図3)。このような構造は、反射皮膜層に添加するメタリック顔料に樹脂未コートタイプのアルミ顔料を使用し、クリア皮膜層と反射皮膜層の2層を塗布した後、乾燥する前に、概ね3分程度以上静置するか、超音波を照射し刺激を与えると、反射皮膜層中のメタリック顔料の一部が層内を移動して両層界面に吸着して配列する。その後、これらの層を乾燥させることによって得られる。
また、上記製造方法において、それぞれの皮膜は、複数の塗料樹脂を一体に塗布された皮膜であるため、この皮膜の乾燥、焼付条件については、各塗料樹脂の乾燥、焼付条件を満たす条件を選定する必要があるが、通常使用される塗料樹脂に関しては、最終到達板温度が180℃未満では乾燥、焼付が不十分となり、280℃を超えると樹脂が変質するので180℃〜280℃とし、加熱時間は、30秒未満ではワキと呼ばれる塗膜中に気泡が残留する塗装欠陥が発生し、120秒を超えると樹脂が変質したり、加工性が低下したりするので、30〜120秒での乾燥、焼付すれば、何れの塗料樹脂においても良好な乾燥、焼付がなされ、塗装膜全体として意匠性、加工性に優れたプレコート金属板とすることができる。
本発明のクリア皮膜層と意匠性皮膜層とを有するプレコート金属板は、多層カーテンコーターを用いないで、以下の方法によっても製造することができる。
例えば、金属板上に意匠性皮膜層を形成し、この意匠性皮膜層が乾燥する前に、ガラスビーズを含有するクリア皮膜層を、カーテンコーターを使用して形成し(ウェットオンウェット方式)、その後、両層を同時に乾燥させても本発明のプレコート金属板を製造することができる。
以下、本発明の実施例を用いて説明する。
実施例で使用した、金属板、プライマー層、白色層、反射皮膜層または白色皮膜層、クリア皮膜層を表1に示す。
<金属板>
GI:溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量40g/m2
SD:Zn−11%Al−3%Mg−0.2%Si合金めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量40g/m2
EG:電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量20g/m2
GA:合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量45g/m2
GL:Zn−55%Al合金めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき付着量80g/m2
これらの原板の表面をアルカリ脱脂した後、クロメートフリー化成処理液(シランカップリング剤、タンニン酸、シリカ、及びポリエステル樹脂混合系)により化成処理(付着量:片面100mg/m2)してから使用した。
<プライマー層>
プレコート用一般プライマー(日本ペイント社製のポリエステル/メチル化メラミン+イソシアネート併用硬化型FLC687塗料(防錆顔料含有)を、乾燥膜厚5μmになるようにバーコーターで塗布し、PMT(到達板温度)215℃で熱風オーブンにて乾燥した。
<白色層>
プレコート用白色塗料(日本ペイント社製の高分子ポリエステル/ブチル化メラミン硬化型FLC3500塗料(酸化チタン白色顔料を固形分濃度で50質量%含有)を、乾燥膜厚10μmになるようにバーコーターで塗布し、PMT(到達板温度)215℃で熱風オーブンにて乾燥した。
<意匠性皮膜層(反射皮膜層または白色皮膜層)>
実施例に用いた反射皮膜層または白色皮膜層の樹脂は、以下のとおりである。
高分子ポリエステル樹脂(大日本塗料社製、Vニット5210塗料用樹脂)
ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、FLC100塗料用樹脂)
反射皮膜層または白色皮膜層の硬化系は以下のとおりである。上記樹脂100質量%に対して20質量%の比率で添加した。
メチル化メラミン(三井化学社製、サイメル303)
ブチル化メラミン(三井化学社製、マイコート506)
イソシアネート(三井化学社製、タケネート600)
反射皮膜層に用いたメタリック顔料は以下のとおりである。反射皮膜層の固形分に対して30質量%に相当する量を添加した。
アルミ顔料(FD−512旭化成社製、細粒径高輝度型)
アルミ顔料(GX−3180旭化成社製、中粒径高輝度型)
アルミ顔料(GX−50A旭化成社製、粗粒径高輝度型)
白色皮膜層に用いた白色顔料は以下のとおりである。反射皮膜層の固形分に対して50質量%に相当する量を添加した。
酸化チタン顔料(CR−90石原産業社製)
<クリア皮膜層>
クリア皮膜層に用いたクリア樹脂は以下のとおりである。
高分子ポリエステル樹脂(大日本塗料社製、Vニット5210塗料用樹脂)
アクリル樹脂(大日本塗料社製、高加工用)
クリア皮膜層の硬化系は以下のとおりである。上記樹脂100質量%に対して20質量%の比率で添加した。
メチル化メラミン(三井化学社製、サイメル303)
ブチル化メラミン(三井化学社製、マイコート506)
イソシアネート(三井化学社製、タケネート600)
クリア皮膜層に用いたガラスビーズは以下のとおりである。
粒径16μm−屈折率1.9(ユニチカ社製、SPM−16)
粒径30μm−屈折率1.9(ユニチカ社製、SPM−30)
粒径40μm−屈折率1.9(ユニチカ社製、SPM−40)
粒径60μm−屈折率1.9(ユニチカ社製、SPM−60)
粒径70μm−屈折率1.5(ユニチカ社製、SPL−70)
粒径80μm−屈折率1.9(ユニチカ社製、SPM−80)
粒径150μm−屈折率1.5(ユニチカ社製、SPL−150)
粒径180μm−屈折率1.5(ユニチカ社製、SPL−180)
実施例(発明例)および比較例は、基本的に以下のようにして作製した。先ず、反射皮膜層塗料を作製した。所定の樹脂、硬化剤、およびメタリック顔料を混合し、シェーカー型塗料分散機を使用して十分に撹拌した。比較例5の反射皮膜層塗料についてのみ、アクリル系レベリング剤S(日本ペイント社製)を添加して表面張力を所定の値になるように調整したが、その他の反射皮膜層塗料は、表面張力を低下させるようなレベラーや消泡材等の添加剤は添加しなかった。その後、シクロヘキサノン、ソルベッソ150(炭化水素系有機溶剤)の1対1混合溶剤を添加して希釈し、所定の塗料粘度になるように調整した。塗料粘度は、東京精機社製のE型粘度計にて測定した。また、表面張力の測定は、BYK社製の白金リング式ダイノメーターを使用した。
次に、白色皮膜層塗料を作製した。所定の樹脂、および白色顔料を混合し、シェーカー型塗料分散機を使用して十分に分散させ、その後、硬化剤を添加した。比較例9の白色皮膜層塗料についてのみ、アクリル系レベリング剤S(日本ペイント社製)を添加して表面張力を所定の値になるように調整したが、その他の反射皮膜層塗料は、表面張力を低下させるようなレベラーや消泡材等の添加剤は添加しなかった。その後、シクロヘキサノン、ソルベッソ150(炭化水素系有機溶剤)の1対1混合溶剤を添加して希釈し、所定の塗料粘度になるように調整した。塗料粘度は、東京精機社製のE型粘度計にて測定した。また、表面張力の測定は、BYK社製の白金リング式ダイノメーターを使用した。
次に、クリア層塗料を作製した。所定の樹脂、硬化剤、およびガラスビーズを混合し、シェーカー型塗料分散機を使用して十分に撹拌した後、アクリル系レベリング剤S(日本ペイント社製)を添加した。その後、シクロヘキサノン、ソルベッソ150(炭化水素系有機溶剤)の1対1混合溶剤を添加して希釈し、所定の塗料粘度になるように調整した。塗料粘度は、東京精機社製のE型粘度計にて測定した。また、表面張力の測定は、BYK社製の白金リング式ダイノメーターを使用した。
次に、所定の金属板の表面に、多層カーテンコーターを使用して、上記で作製した反射皮膜層塗料または白色皮膜層塗料とクリア層塗料を同時塗布した(実施例47および67、比較例6および10を除く)。各層の膜厚は、塗料流量を制御することで調整した。2層の塗料を塗布した金属板を、PMT(到達板温度)230℃、加熱時間45秒の条件で、熱風オーブンにて加熱し乾燥させることにより、各種の実施例および比較例の塗装金属板を作製した。
作製した塗装金属板の、ガラスビーズの専有面積率の測定方法について説明する。塗装面を上面から写真撮影したものをコンピューターに取り込み、画像処理によってこの写真において視認できるガラスビーズの存在する場所の面積(投影面積)の合計を計測し、この面積を観察した全面積で除することにより求めた。
次に、断面方向からの見たときの各種の膜厚の測定方法について説明する。塗装金属板の任意の位置から2cm角のサンプルを切り出し、これを樹脂に埋め込み、サンプルの塗装面に垂直な断面方向から、任意の断面位置まで研磨し、その断面写真を撮影する。この断面写真を観察し、下層の反射皮膜層または白色皮膜層のガラスビーズに追随した凹部の存在有無を確認した。また、ガラスビーズ上部および下部を覆うクリア皮膜の平均乾燥膜厚、ガラスビーズ非存在部の反射皮膜層または白色皮膜層、およびクリア皮膜層の平均乾燥膜厚をそれぞれ測定した。
実施例47、67
実施例47、67は、上述の基本的な実施例および比較例の作製方法と、塗料の塗布方法のみが異なる。先ず、反射皮膜層塗料または白色皮膜塗料をロールコーターで塗布し、直後にその上層にガラスビーズ含有のクリア皮膜層塗料を単層のカーテンコーターで塗布(ウェットオンウェット)した後、PMT(到達板温度)230℃、加熱時間45秒の条件で、熱風オーブンにて加熱し乾燥させる方法にて作製した。
比較例6、10
比較例6、10は、上述の基本的な実施例および比較例の作製方法と、塗料の塗布方法および乾燥方法が異なる。先ず、反射皮膜層塗料または白色皮膜塗料をロールコーターで塗布し、PMT(到達板温度)215℃、加熱時間45秒の条件で、熱風オーブンにて加熱し乾燥させた。その後、その上層にガラスビーズ含有のクリア皮膜層塗料を単層のカーテンコーターで塗布した後、PMT(到達板温度)230℃、加熱時間45秒の条件で、熱風オーブンにて加熱し乾燥させる方法にて作製した。
評価試験
実施例1〜67および比較例1〜10のプレコート金属板を用い、塗装外観、再帰反射性、加工性について評価を行った。以下に、各試験と評価の方法を示す。
塗装外観
目視にて、わき(塗膜中に残存した泡)、むら等の一般的な塗装欠陥が認められないものを○、使用上許容される程度の軽微な塗装欠陥が認められるものを△、顕著な塗装欠陥が認められるものを×と評価した。
再帰反射性(反射輝度)
JIS−Z9117に準じて評価した。入射角(θ):5°、観測角(α):0.2°にて、白色光照射による反射輝度R(単位:cd/lx・m2)を測定し、下記の基準で評価した。実用上許容されるのは、◎、○、および△である。
反射輝度評価基準
R(θ)=R(5°)の値が、◎:50以上、○:30〜50未満、△:10〜30未満、×:10未満。
再帰反射性(広角性)
JIS−Z9117に準じて評価した。入射角(θ):5°、30°および40°、観測角(α):0.2°(固定)にて、白色光照射による反射輝度R(単位:cd/lx・m2)を測定し、下記の基準で広角性を評価した。実用上許容されるのは、◎、○、および△である。
広角性評価基準
A=R(30°)/R(5°)、B=R(40°)/R(5°)としたとき、◎:A≧0.8かつB≧0.8、○:A≧0.8かつ0.8>B≧0.4、△:A≧0.8かつ0.4>B、×:0.8>A。
再帰反射性(白色性)
暗室にて、プレコート金属板から1mの距離から、入射角60°で懐中電灯の光を照射し、観測角0°の条件(懐中電灯と目の位置が一致する条件)で再帰反射光を目視観察し、その白色性を官能評価した。実用上許容されるのは、評価基準が◎、○、および△である。
白色性評価基準
◎:鮮やかな純白、○:シルバーがかった白、△:灰色、×:暗い灰色。
加工性
各塗装金属板を50mm長さにわたって20℃で0T曲げ加工し、0T加工部の塗膜にセロハンテープを密着させて勢いよく剥離(テーピング試験)したとき、ガラスビーズの脱落が全く見られないものを◎、ガラスビーズの脱落個数が全長で1〜5個のものを○、6〜20個のものを△、21個以上のものを×とした。実用上許容されるのは、◎、○、および△である。
評価結果を表2に示す。
実施例、比較例の主な評価結果の違いに関して説明する。
比較例3は、クリア層中のガラスビーズの粒径が16μmと小さいため、比較例4は、下層の反射皮膜塗料の粘度が高いため、比較例6および10は、両層皮膜の塗装方法が逐次塗装(塗布→乾燥→塗布→乾燥)であるため、いずれもガラスビーズの下層皮膜への沈み込みがなく、下層の反射皮膜層または白色皮膜層にビーズに追随した凹部が形成されていない。また比較例5および9は、下層塗料のほうが上層塗料よりも表面張力が低いため、多層カーテン塗装した際に上下層の界面が乱れて混層し、外観がむらとなっている。以上の結果、これらの比較例では、斜め方向から入射された光が効率的に反射皮膜層で再帰反射できず、特に広角性の評価が悪くなっている。
比較例2、3、および8は、上層塗料の粘度が上限を超えて高いため、ガラスビーズを被覆しているクリア樹脂の平均乾燥膜厚が、ガラスビーズ上部で5μm以上、ガラスビーズ下部で3μm以上となっている。透明樹脂内の光路長が長いため光の入射位置や方向によって屈折方向や反射方向がランダムになり、かつ光の吸収も多くなることから、再帰反射性の反射輝度が低下している。
以上、比較例の性能が劣る点について述べたが、各種の性能に影響を及ぼすその他の影響因子についても、実施例の評価結果に基づいて説明しておく。
実施例10、42、および57は、上層のクリア皮膜塗料の粘度が好ましい範囲よりも低いことにより、ガラスビーズを被覆しているクリア樹脂のガラスビーズ上部および下部の平均乾燥膜厚が好ましい範囲よりも薄い。そのため、ガラスビーズが脱落しやすく加工性が若干低い結果となっている。
ガラスビーズの粒径が150μm超の実施例6および53では、ガラスビーズが近接している部分のクリア樹脂の膜厚が厚くなり、「わき」と呼ばれる発泡が若干生じている。
屈折率が1.5と若干低いガラスビーズを使用した実施例5、6、7、52、53、および54は、再帰反射性のうち反射輝度が若干低くなっている。クリア皮膜層の樹脂と屈折率が近くなったため、ガラスビーズと樹脂界面での光の反射性が低下し、再帰反射光の強度が低下したためと考えられる。
ガラスビーズの専有面積率が好ましい範囲よりも低くなると(実施例11、および13)、ガラスビーズの存在しない部分が多くなり再帰反射光の強度が低下するため反射輝度が低くなる。また逆に、ガラスビーズの専有面積率が好ましい範囲よりも高くなっても(実施例14)、ガラスビーズが単層にならない部位が生じ、再帰反射光の強度が減少に転ずる。加えて、ガラスビーズの脱落も多くなるため、加工性も低下している。
ガラスビーズが存在していない部位の反射皮膜層または白色皮膜層、およびクリア皮膜層の平均乾燥膜厚が、好ましい範囲よりも厚くなると(実施例24、26、61、および63、実施例18および20)、いずれも加工性が低下する傾向が見られる。ガラスビーズが存在していない部位の反射皮膜層または白色皮膜層の平均乾燥膜厚が好ましい範囲よりも薄くなると(実施例21、25、58、および62)、反射皮膜層または白色皮膜層の反射性能が低下して反射輝度が低下する傾向が見られる。ガラスビーズが存在していない部位のクリア皮膜層の平均乾燥膜厚が好ましい範囲よりも薄くなると(実施例15および19)、ガラスビーズを塗膜内に固定する能力が低下するため、こちらも加工性が低下する傾向が見られる。
Figure 0006610400
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1 ガラスビーズ
2 クリア皮膜層
3 反射皮膜層
4 メタリック顔料
5 白色層
6 プライマー
7 金属板
9 スライドホッパー
10 スライド傾斜面
10A スライド傾斜面の唇部
11a〜11c スリット状ノズル
12a〜12c 塗料供給部
13a〜13c 塗料膜
14 塗膜カーテン
15 カーテンガイド
16 多層の塗料膜層
17 塗料パン
21 ガラスビーズ
22 クリア皮膜層
23 反射皮膜層
24 メタリック顔料
25 白色層
26 プライマー
27 金属板
31 ガラスビーズ
32 クリア皮膜層
33 反射皮膜層
34 メタリック顔料
35 白色層
36 プライマー
37 金属板
41 ガラスビーズ
42 クリア皮膜層
43 白色皮膜層
44 白色顔料
45 白色層
46 プライマー
47 金属板

Claims (15)

  1. 金属板上に、最上層として、ガラスビーズを含有し該ガラスビーズが単層に並ぶクリア皮膜層、前記クリア皮膜層の直下に、意匠性顔料を含有する意匠性皮膜層を有するプレコート金属板であって、
    前記クリア皮膜層を構成するクリア樹脂が、前記ガラスビーズの全表面を被覆しており、
    前記ガラスビーズ単層中で、ガラスビーズ同士が近接している部分を除いた、ガラスビーズ上部の前記クリア樹脂の平均乾燥膜厚が均一で、且つ5μm未満であり、ガラスビーズ下部の前記意匠性皮膜層と近接している前記クリア樹脂の平均乾燥膜厚は均一であり、且つ3μm未満であり、
    前記クリア皮膜層中の前記ガラスビーズの存在している部位の前記意匠性皮膜層と前記クリア皮膜層との界面に、前記ガラスビーズ形状に追随した凹部が形成されている
    ことを特徴とするプレコート金属板。
  2. 前記意匠性皮膜層が、前記意匠性顔料としてメタリック顔料を含有する反射皮膜層であることを特徴とする請求項1に記載のプレコート金属板。
  3. 前記ガラスビーズが、粒径30〜150μmの範囲にあり、且つ屈折率1.8〜2.5であることを特徴とする請求項2に記載のプレコート金属板。
  4. 前記金属板上に投影した前記ガラスビーズの投影面積の専有面積率が60〜90%であり、前記ガラスビーズが存在していない部位の前記クリア皮膜層の平均膜厚が5〜20μmであり、ガラスビーズが存在していない部位の前記反射皮膜層の平均膜厚が5〜100μmであることを特徴とする請求項2または3に記載のプレコート金属板。
  5. 前記金属板とメタリック顔料を含有する前記反射皮膜層との間に、平均膜厚が1〜20μmの白色層または防錆顔料を含有する平均膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載のプレコート金属板。
  6. メタリック顔料を含有する前記反射皮膜層下に、平均乾燥膜厚が1〜20μmの白色層を有し、さらに前記白色層の下に防錆顔料を含有する平均乾燥膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載のプレコート金属板。
  7. 前記メタリック顔料および樹脂を含有する、粘度0.8〜2.9Pa・sの反射皮膜層用塗料を用意し、
    前記ガラスビーズおよびクリア樹脂を含有する、粘度0.5〜1.5Pa・sのクリア反射皮膜層用塗料を用意し、前記クリア皮膜層塗料の粘度は、前記反射皮膜層塗料の粘度以下であり、
    多層カーテンコーターを使用して、前記金属板上に前記反射皮膜層塗料と、前記クリア皮膜層塗料を同時に塗布して、乾燥させることにより、前記金属板上に、順に、前記反射皮膜層、前記クリア皮膜層を含む再帰反射性塗膜を形成させることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載のプレコート金属板の製造方法。
  8. 前記金属板上にメタリック顔料を含有する前記反射皮膜層塗料を形成し、前記反射皮膜層塗料が乾燥する前に、ガラスビーズを含有する前記クリア皮膜層塗料を、カーテンコーターを使用して形成し、その後、両層を同時に乾燥させて再帰性反射塗膜を形成させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプレコート金属板の製造方法。
  9. 前記意匠性皮膜層が、前記意匠性顔料として白色顔料を含有する白色皮膜層であることを特徴とする請求項1に記載のプレコート金属板。
  10. 前記ガラスビーズが、粒径30〜150μmの範囲にあり、且つ屈折率1.8〜2.5であることを特徴とする請求項9に記載のプレコート金属板。
  11. 前記金属板上に投影した前記ガラスビーズの投影面積の専有面積率が60〜90%であり、前記ガラスビーズが存在していない部位の前記クリア皮膜層の平均膜厚が5〜20μmであり、ガラスビーズが存在していない部位の前記反射皮膜層の平均膜厚が5〜100μmであることを特徴とする請求項9または10に記載のプレコート金属板。
  12. 前記金属板と白色顔料を含有する前記白色皮膜層との間に、平均膜厚が1〜20μmの白色層または防錆顔料を含有する平均膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のプレコート金属板。
  13. 白色顔料を含有する前記白色皮膜層下に、平均乾燥膜厚が1〜20μmの白色層を有し、さらに前記白色層の下に防錆顔料を含有する平均乾燥膜厚が1〜10μmのプライマー層を有することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のプレコート金属板。
  14. 前記白色顔料および樹脂を含有する、粘度0.8〜2.9Pa・sの白色皮膜層塗料を用意し、
    前記ガラスビーズおよびクリア樹脂を含有する、粘度0.5〜1.5Pa・sのクリア皮膜層塗料を用意し、前記クリア皮膜層塗料の粘度は、前記白色皮膜層塗料の粘度以下であり、
    多層カーテンコーターを使用して、前記金属板上に前記白色皮膜層塗料と、前記クリア皮膜層塗料を同時に塗布して、乾燥させることにより、前記金属板上に、順に、前記白色皮膜層、前記クリア皮膜層を含む再帰反射性塗膜を形成させることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のプレコート金属板の製造方法。
  15. 前記金属板上に白色顔料を含有する前記白色反射皮膜層塗料を形成し、前記白色皮膜層塗料が乾燥する前に、ガラスビーズを含有する前記クリア皮膜層塗料を、カーテンコーターを使用して形成し、その後、両層を同時に乾燥させて再帰性反射塗膜を形成させることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のプレコート金属板の製造方法。
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