JP4616651B2 - 高い拡散反射率を有する被覆材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1) 少なくとも表面の一部に被覆層を持つ材料であって、該被覆層中に、バインダー100体積部に対して、150体積部以上1500体積部未満の白色顔料を含有しかつ空隙率が5vol%以上35vol%未満である高顔料濃度層かつ低密度層である層を少なくとも一層有し、該高顔料濃度層の上層又は下層の少なくとも一方に、バインダー固形分100体積部に対して白色顔料が150体積部未満の低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)を少なくとも一層有し、前記白色顔料がいずれも平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンであることを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料。
(2) 少なくとも表面の一部に被覆層を持つ材料であって、該被覆層中に、バインダー100体積部に対して150体積部以上1500体積部未満の白色顔料を含み、さらにその被覆層の表面に垂直な断面を平滑にして、10000倍の走査型顕微鏡で写真を撮影した場合、断面での空隙が面積率で2%以上35%未満である低密度層を少なくとも一層有し、該低密度層の上層又は下層の少なくとも一方に、バインダー固形分100体積部に対して白色顔料が150体積部未満の低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)を少なくとも一層有し、前記白色顔料がいずれも平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンであることを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料。
(3) 前記高顔料濃度層又は前記低密度層の厚さが5μm以上、100μm未満である(1)〜(2)のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(4) 前記低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)の厚さが1μm以上20μm未満 であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(5) 前記被覆層の内少なくとも一層のバインダーの主成分が3フッ化エチレン樹脂である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(6) 前記被覆層全体の膜厚が100μm未満で、450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上で、且つ、555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(7) 前記高顔料濃度層と前記低顔料濃度層の界面のRaが、0.4以上0.6未満である(1)〜(7)のいずれか一つに記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(8) 被覆材料の基材が金属板である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
(9) 基材の表面の少なくとも一部に、バインダー100体積部に対して白色顔料として平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンが150〜1500体積部である高顔料濃度塗料を少なくとも塗布、乾燥し、その被覆層の空隙率は、5vol%以上35vol%未満であるか、又はその被覆層の表面に垂直な断面を平滑にして、10000倍の走査型顕微鏡で写真を撮影した場合、断面での空隙が面積率で2%以上35%未満であり、且つ、前記高顔料濃度塗料により形成される層の上層又は下層の一方又は双方に、バインダー100体積部に対して白色顔料として平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンが150体積部未満の低顔料濃度塗料(顔料無しの場合を含む)を塗布、乾燥して層を形成することを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
(10) 前記高顔料濃度塗料による層と前記低顔料濃度塗料による層が積層された層を同時に乾燥する(9)に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
(11) 前記高顔料濃度塗料と前記低顔料濃度塗料とを乾燥前に別々に積層し、その後、同時に乾燥する(9)または(10)に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
(12) 前記高顔料濃度塗料と前記低顔料濃度塗料を同時に塗布し、同時に乾燥する(9) または(10)に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
(13) (1)〜(8) のいずれか1項に記載の被覆材料を組み込んでなる電気電子機器。
1) 拡散反射率測定
島津製作所社製の分光光度計UV265に、積分球反射付属装置を取り付けたものを用いた。基準板としては、硫酸バリウム粉末を押し固めたものを用い、作製した被覆材料の450〜750nmの波長領域における可視光線の拡散反射率を測定し、その波長領域における拡散反射率の最低値と、人が明るいと感じる色である緑色に対応する波長である555nmにおける拡散反射率を求めた。
2) 照明器具の照度測定
図5に実験装置の概要を示す。木製の箱(4)の中に、市販の蛍光灯照明器具(5)を取り付け、蛍光灯(7)から30cm離れた箇所に市販の照度計のセンサー(8)を設置し、照度を測定した。反射板(6)は、新日本製鐵(株)カタログ「ビューコートTM」に紹介されている白色塗料を塗布した照明器具反射板用プレコート鋼板で作成した反射板(以下、既存の反射板と称す)の照度を測定し、それに対して、作製した被覆材料を用いて作成した反射板を取り付けたときの照度を測定した。そして、既存の反射板で測定した時の照度と、作製した被覆材料の反射板で測定したときの照度から、照度変化率=([作製した被覆材料による反射板での照度]-[既存の反射板での照度]) /[既存の反射板での照度]×100と定義し、照度変化率が15%以上の場合:○、照度変化率が5%以上15%未満の場合:△、照度変化率が5%未満の場合:×として評価した。なお、本実験では、16形ランプ出力16Wの蛍光灯を用いた。
3) 界面のRaの測定
界面のRaは、各実施例の塗膜を切断して、樹脂に埋め込んだ後に研磨することで、塗膜の表面に垂直な断面を平滑にして、3500倍の走査型顕微鏡で撮影した写真で評価した。写真の上から、OHPに用いられる透明シートをかぶせて、界面の凹凸を精密にトレースした後に、図6に示すように、界面曲線の平均線の方向に基準長さlだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率方向にY軸を取り、界面曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で示した。
2 高顔料濃度層
3 低顔料濃度層
4 木製の箱
5 照明器具
6 反射板
7 蛍光灯
8 照度計
9 界面曲線
10 界面曲線の平均線
Claims (13)
- 少なくとも表面の一部に被覆層を持つ材料であって、該被覆層中に、バインダー100体積部に対して150体積部以上1500体積部未満の白色顔料を含有しかつ空隙率が5vol%以上35vol%未満である高顔料濃度層かつ低密度層である層を少なくとも一層有し、該高顔料濃度層かつ低密度層である層の上層又は下層の少なくとも一方に、バインダー固形分100体積部に対して白色顔料が150体積部未満の低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)を少なくとも一層有し、前記白色顔料がいずれも平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンであることを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 少なくとも表面の一部に被覆層を持つ材料であって、該被覆層中に、バインダー100体積部に対して150体積部以上1500体積部未満の白色顔料を含み、さらにその被覆層の表面に垂直な断面を平滑にして、10000倍の走査型顕微鏡で写真を撮影した場合、断面での空隙が面積率で2%以上35%未満である低密度層を少なくとも一層有し、該低密度層の上層又は下層の少なくとも一方に、バインダー固形分100体積部に対して白色顔料が150体積部未満の低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)を少なくとも一層有し、前記白色顔料がいずれも平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンであることを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 前記高顔料濃度層かつ低密度層である層の厚さが5μm以上、100μm未満である請求項1〜2のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 前記低顔料濃度層(顔料無しの場合を含む)の厚さが1μm以上20μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 前記被覆層の内少なくとも一層のバインダーの主成分が3フッ化エチレン樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 前記被覆層全体の膜厚が100μm未満で、450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上で、且つ、555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 前記高顔料濃度層かつ低密度層である層と前記低顔料濃度層の界面のRaが、0.4以上0.6未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 被覆材料の基材が金属板である請求項1〜7のいずれか1項に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料。
- 基材の表面の少なくとも一部に、バインダー100体積部に対して白色顔料として平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンが150〜1500体積部である高顔料濃度塗料を少なくとも塗布、乾燥して被覆層を形成し、その被覆層の空隙率は、5vol%以上35vol%未満であるか、又はその被覆層の表面に垂直な断面を平滑にして、10000倍の走査型顕微鏡で写真を撮影した場合、断面での空隙が面積率で2%以上35%未満であり、且つ、前記高顔料濃度塗料により形成される高顔料濃度層かつ低密度層である層の上層又は下層の一方又は双方に、バインダー100体積部に対して白色顔料として平均粒径が190〜390nmであるルチル型の酸化チタンが150体積部未満の低顔料濃度塗料(顔料無しの場合を含む)を塗布、乾燥して層を形成することを特徴とする高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
- 前記高顔料濃度塗料による層と前記低顔料濃度塗料による層が積層された層を同時に乾燥する請求項9に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
- 前記高顔料濃度塗料と前記低顔料濃度塗料とを乾燥前に別々に積層し、その後、同時に乾燥する請求項9又は10に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
- 前記高顔料濃度塗料と前記低顔料濃度塗料を同時に塗布し、同時に乾燥する請求項9又は10に記載の高い拡散反射率を有する被覆材料の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の被覆材料を組み込んでなる電気電子機器。
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