JP2009000947A - 高反射性塗装鋼板及び液晶バックライトシャーシ - Google Patents

高反射性塗装鋼板及び液晶バックライトシャーシ Download PDF

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Abstract

【課題】従来の高反射性フィルムを貼り合わせたアルミニウム複合板に比べて、同程度以上の反射率を有し、他方の面が耐指紋性に優れた高反射性塗装鋼板及びバックライトシャーシを安価に提供する。
【解決手段】鋼板5の両面に亜鉛系めっき層4及びクロムを含有しない化成皮膜3を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜3上に、必要に応じて下塗り塗膜を形成し、ポリエステル系樹脂又はフッ素系樹脂を含有する樹脂相21と、酸化チタンを含有する顔料相22とからなる反射塗膜2を形成し、該反射塗膜2は、総膜厚が30〜100μmであり、表面から10μmの厚みまでに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜3上に、シリカと、有機樹脂とから耐指紋性皮膜を形成してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一方の面が反射性に優れ、他方の面が耐指紋性に優れる塗装鋼板に関するものである。本発明の塗装鋼板は、例えば液晶テレビの液晶バックライトシャーシとして用いるのに好適である。
液晶ディスプレイの画面の輝度向上のため、光源の裏側に可視光を均一に反射する反射板が設けられている。前記反射板には、高い反射率が要求され、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリカーボネート又はアクリル等のプラスチックフィルムや、アルミニウム板に高反射性物質を含有した反射フィルム等の別の反射部材を貼り合わせた複合板が用いられている。前記複合板としては、例えば特許文献1及び2に開示されているように、硫酸バリウムや二酸化チタンなどの高反射性物質を含有する樹脂からなる高反射性フィルムを貼り合わせたアルミニウム板が挙げられる。
しかし、特許文献1及び2に開示されているような、高反射性フィルムを貼り付けたアルミニウム板等の複合板は、それに使用する高反射性フィルムが高価であり、加えて、該複合版と枠組みとなる鋼板とを組み合わせたバックライトシャーシを作製するためには複雑な工程が必要となり、製造コストが高騰するとという問題があった。
また、他の反射板としては、例えば特許文献3及び4に開示されているような、酸化チタン等の高反射性物質を含有させた有機樹脂層をアルミニウム合金板等の金属板上に形成した高反射性塗装金属板が挙げられる。
しかし、特許文献3の高反射性塗装鋼板は、アルミニウム合金板の成形性が低く、製品として用いられる場合の形状に制約が生じるため、近年のデザインや機能の複雑化に伴い反射板に要求される種々の形状に対応できないという問題があった。また、特許文献4の高反射性塗装鋼板は、有機樹脂層として用いられる熱重合型アクリル塗膜の柔軟性が低いため、成形時の摺動や曲げ部における前記塗膜の剥離・傷付きが発生しやすく、また、熱重合型アクリル塗膜を硬化させるためには100μm以上の厚膜が必要であるため、経済的に不利になるという問題があった。
特許第3784849号公報 特許第3834350号公報 特開2005−96405号公報 特開2007−47601号公報
本発明の目的は、複雑な形状の成形にも耐え、かつ低コストで製造可能な高反射性塗装鋼板を提供することであり、鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相からなる所定の反射塗膜を形成し、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成することで、一方の面が反射性に優れ、他方の面が耐指紋性に優れる高反射性塗装鋼板及びバックライトシャーシを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決できる高反射性塗装鋼板及びバックライトシャーシを得るために検討を重ねた結果、前記反射塗膜を、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個となるように形成させることで、優れた反射率が得られること、また、前記反射塗膜を形成した面とは反対の面に形成した耐指紋性塗膜を、シリカと、有機樹脂とからなるようにすることで、耐指紋性を同時に得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨構成は以下の通りである。(1)鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相とからなる反射塗膜を形成し、該反射塗膜は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成することを特徴とする高反射性塗装鋼板。
(2)鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相とからなる反射塗膜を形成し、該反射塗膜は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成することを特徴とする高反射性塗装鋼板。
(3)前記ポリエステル系樹脂は、分子量が10000以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の高反射性塗装鋼板。
(4)前記酸化チタンは、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンであることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)記載の高反射性塗装鋼板。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の高反射性塗装鋼板を前記耐指紋性皮膜が凸表面となるようにプレス加工を施してなる液晶バックライトシャーシ。
この発明によれば、一方の面が特許文献1や2に開示されているような従来の高反射性フィルムを貼り合わせたアルミニウム複合板に比べて、同程度以上の反射率を有し、他方の面が耐指紋性に優れた高反射性塗装鋼板及びバックライトシャーシを安価に提供することが可能となった。
以下、本発明の詳細と限定理由を説明する。
本発明の高反射性塗装鋼板は、鋼板の表面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、必要に応じて下塗り塗膜を形成し、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相とからなる反射塗膜を形成し、該反射塗膜は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成してなることを特徴とする塗装鋼板である。
(亜鉛系めっき層)
本発明の塗装鋼板の下地鋼板となる亜鉛系めっき層を形成した鋼板としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(例えば、溶融亜鉛−55質量%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−5質量%アルミニウム合金めっき鋼板)、鉄−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板などの各種亜鉛系めっき鋼板を用いることができる。
(化成皮膜)
前記亜鉛系めっき層を有するめっき鋼板の両面に化成皮膜を形成する。本発明による化成皮膜は、環境の観点よりクロムを含有しない化成皮膜とする。この化成皮膜は、主としてめっき層と下塗り塗膜との密着性向上のために形成される。密着性を向上するものであればどのようなものでも支障はないが、密着性だけでなく耐食性を向上できるものがより好ましい。密着性と耐食性の点からシリカ微粒子を含有し、耐食性の点からリン酸及び/又はリン酸化合物を含有することが好ましい。シリカ微粒子は、湿式シリカ、乾式シリカのいずれを用いても構わないが、密着性向上効果の大きいシリカ微粒子、特に乾式シリカが含有されることが好ましい。リン酸やリン酸化合物は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸など、これらの金属塩や化合物などのうちから選ばれる1種以上を含有すれば良い。さらに、アクリル樹脂などの樹脂、シランカップリング剤などの1種以上を添加してもよい。なお、前記化成皮膜の膜厚は、膜厚が薄いと密着性及び耐食性に不利となる傾向にあり、膜厚が厚いと経済的に不利となる傾向があるので、0.02〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
(反射塗膜)
図に基づいて、本発明による反射塗膜の説明をする。図1は、本発明による高反射性塗装鋼板1の断面を模式的に示した図であり、具体的には、前記高反射性塗装鋼板1の構成要素である反射塗膜2、化成皮膜3、めっき層4及び鋼板5を模式的に示している。
反射塗膜2は、前記化成皮膜を形成した一方の面上に形成する、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相21と、酸化チタンを含有する顔料相22とからなる。
本発明者らは、高価な高反射性フィルムを用いず、アルミニウム板よりも安価で、加工性に優位な鋼板を用い、一方の面が高反射性を有し、他方の面が耐指紋性を有するような塗装鋼板の製造が可能かどうかの検討を行った。
前記反射皮膜2は、図1に示すように、屈折率の異なる2種(図1では樹脂相21と顔料相22)の媒質の境界面において、入射光の一部を反射させることにより効果を発生させるものである。そこで、本発明者らは、上記事実に着目して前記反射塗膜2の適正化を図り、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相21と、酸化チタンを含有する顔料相22とからなる反射塗膜2を形成し、該反射塗膜2は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相22の平均個数が20〜30個となるような塗膜構成にすることで、高い反射率を得ることができることを見出した。
前記樹脂相21の構成としては、ポリエステル系樹脂(屈折率:1.5)を含有することが、高い反射率と加工性を両立させるために必要である。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。また、主として耐汚染性、意匠性、耐傷付き性、バリア性などを付与する点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを含有してもよい。また、メラミン、イソシアネートなどの硬化剤を含有させれば、樹脂皮膜を硬化させることができ、より高い加工性が得られる点で好適である。
また、前記ポリエステル系樹脂は、分子量が10000以上の高分子ポリエステルであることが好ましい。高分子ポリエステルを用いると、前記反射塗膜2の架橋間分子量が大きくなる結果、塗膜の曲げ加工性が向上するためである。さらにまた、前記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、−20〜70℃が好適であり、硬化剤の添加量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対し、メラミン樹脂10〜50質量部が好適である。使用するポリエステル系樹脂は特に限定するものではなく、一般に公知のもの、例えば、東洋紡績社製の「バイロン(登録商標)」や住化バイエルウレタン社製の「デスモフェン(登録商標)」等を使用することができる。また、メラミン系樹脂も、一般に公知のもの、例えば、三井サイテック社製「サイメル(登録商標)」、「マイユート」、大日本インキ化学工業社製「ベッカミン(登録商標)」、「スーパーベッカミン」等を使用することができる。
前記顔料相22の構成としては、高屈折率材料として酸化チタン(屈折率:2.5〜2.7)を含有する必要がある。また、酸化チタン以外に含有する材料としては屈折率が高いものが好ましく、例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛または硫化亜鉛などの高屈折率材料を用いることができる。
なお、前記反射塗膜2の厚み方向10μmあたり(T)に存在する顔料相22の平均個数は、断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察し、1視野あたり10箇所の前記顔料相22の個数を求め、その平均値とする。また、その他の観察方法としては、走査型分析電子顕微鏡(SEM-EDX)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によっても観察することができる。
前記顔料相22の平均個数を20〜30個に限定した理由は、反射塗膜2内に前記顔料相22が効果的に配置されていると考えられる範囲のためであり、20個未満では十分に入射光を反射することができず、30個超えでは皮膜が脆くなり、加工の際に皮膜の剥離や脱落が発生する恐れがあるためである。
また、前記酸化チタンは、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンであることが好ましい。塩素法により製造されたルチル型の酸化チタンを用いると前記反射塗膜2中に前記顔料相22である前記酸化チタンが均一に分散されるため、前記反射塗膜2の反射率を向上させることができるからである。前記塩素法とは、チタンの原鉱石と塩素を反応させて生成した塩化チタンと、酸素を反応させることで酸化チタンを製造する方法である。また、用いる前記ルチル型酸化チタンの種類としては、例えば、デュポン製の「タイピュアー(登録商標)」や、石原産業製の「タイペークCRシリーズ」などを使用することができる。
さらに、顔料の耐候性を向上させる等の目的で、酸化チタンの表面には、Al、Si、Zr又は有機物等で表面処理を施すこともできる。また、加工性や防食の観点から、必要に応じて、酸化チタン以外の添加剤(着色顔料、防食顔料、ワックス、艶消し剤など)を前記反射塗膜2に添加することができる。
また、本発明による高反射膜は、1コート1ベークで製造されることが好ましいが、ワキ等の塗装欠陥を抑制する目的で複数回に分けて塗装してもよい。
さらにまた、前記高反射膜の下層として膜厚が5〜8μmの下塗り塗膜を設けることが、耐食性を向上させることができる点で好ましい。前記下塗り塗膜は、ベース樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル、又はフッ素系樹脂等を用いることができ、耐食性向上のために防食顔料を含有することが好ましい。さらに、反射率を向上させるため、前記下塗り塗膜は、酸化チタンを含有することがより好適である。
(鋼板の他方の面)
本発明による塗装鋼板は、他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成を形成したものである。鋼板の他方の面は、成形時や搬送時の取扱いにより、指紋が付着しやすく、それにより、外観を損ねる上、指紋付着部から発錆するという問題があり、その結果、成形後に脱脂やふき取りの作業が必要となる場合があるため、他方の面に耐指紋性皮膜を設けることで、上述の問題点を有効に抑止することができる。
上述の塗装鋼板は、高い反射性能が要求される電子機器及び家電製品等の用途で使用される部材に好適であり、例えば、液晶パネルのバックライトシャーシなどに用いることができる。バックライトシャーシとして用いる場合には、上述の塗装鋼板の耐指紋性皮膜が凸表面となるようにプレス加工を施せば製造可能であり、他の鋼板などと組み合わせることや、複雑な工程が必要なく、製造コストを削減することが可能となる。
次に、本発明による塗装鋼板の製造方法について説明すると、本発明の塗装鋼板は、被塗装鋼板である亜鉛系めっき鋼板の両面に先に述べた化成処理を施した後、前記鋼板の一方の面のみに、反射塗膜用の塗料を塗布し、他方の面には、耐指紋性皮膜用の塗料を塗布した後、両面同時に加熱することにより製造される。また、下塗り塗膜を形成する場合には、一方の面に下塗り塗膜用の塗料、他方の面に耐指紋性皮膜用の塗料を、それぞれ塗布した後、両面同時に加熱して塗膜を形成させた後、前記下塗り塗膜の上に反射塗膜用の塗料を塗布し、加熱することにより製造される。
前記反射塗膜用塗料の塗布方法は特に限定しないが、好ましくはロールコーター塗装で塗布するのがよい。塗料の塗布後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により加熱処理を施し、好ましくは、樹脂を架橋させて硬化させた反射塗膜を得る。加熱条件は温度170〜250℃(到達板温)で、時間20〜90秒の処理を行うことが好ましい。
ここで、加熱温度が170℃未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、加熱温度が250℃を超えると熱による塗膜の劣化が起こり、意匠性が低下し、さらに塗装作業の合理化や省資源化の観点から好ましくない。また、処理時間が20秒未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、処理時間が90秒を超えると製造コスト面で不利となる。本発明の塗装鋼板は、さらに塗装鋼板裏面の耐指紋性を高める目的で、前記したシリカと有機樹脂とを含有する耐指紋性皮膜用の塗料を鋼板のもう一方の面にも同様の方法で塗装する。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜14及び比較例1〜3)
塗装用亜鉛系めっき鋼板として、各々板厚0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:EG)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe含有量:10質量%、めっき種記号:GA)、溶融亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:GI)、溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:4.5質量%、めっき種記号:GF)および溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:55質量%、めっき種記号:GL)を準備した。めっき鋼板のめっき付着量(g/m2)を表1に示す。なお、鋼板の一方の面(オモテ面)と他方の面(ウラ面)のめっき付着量、およびめっき組成は同一とした。準備しためっき鋼板に脱脂処理を行った後、以下の(i)〜(iV)の処理工程を行い、塗装鋼板を作製した。
(i)前記亜鉛めっき層のオモテ面に、化成処理液を塗布した後、ウラ面に化成処理液を塗布し、加熱開始から10秒後に到達板温が100℃となるように加熱処理を行い、表3に示す組成のオモテ面とウラ面の化成皮膜を形成した。
(ii)次に、オモテ面に、表4に示す防錆顔料を含有したポリエステル樹脂からなる下塗り塗膜用塗料を塗布し、ウラ面に、表6に示すシリカを添加した塗料を塗布した後、加熱開始から50秒後に到達板温が230℃となるように加熱処理を行い、表1及び表2に示す構成のオモテ面の下塗り塗膜(膜厚7μm)とウラ面の耐指紋性皮膜を形成した。その後、表1に示す組成となる樹脂相及び顔料相からなる反射塗膜用塗料を、表1に示す乾燥膜厚となるように塗布した後、加熱開始から50秒後に到達板温が230℃となるように加熱処理を行い、オモテ面の反射塗膜を形成した。
また、下塗り塗膜を形成しない場合(実施例14)は、オモテ面の化成皮膜の上に反射塗膜用塗料を塗布した後、ウラ面の化成皮膜の上に耐指紋皮膜用塗料を塗布し、その後、加熱開始から50秒後に到達板温が230℃となるように加熱処理を行い、表1に示す構成のオモテ面の反射塗膜及びウラ面の耐指紋性塗膜を形成した。
以上のようにして得られた塗装鋼板について各種試験を行った。本実施例で行った試験の評価方法を以下に示す。
<オモテ面の評価>
(1)反射率
島津製作所製分光光度計UV−3150を用い、作製した各高反射性塗装鋼板のオモテ面の全反射率(波長:550nm)を測定した。また、比較対象として、硫酸バリウム粉末を固化させたものを用意し、同様の条件で全反射率を測定した。比較対象の全反射率を100%としたときの、各高反射性塗装鋼板の反射率(%)を、以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表5に示す。
○:93%以上
△:89%以上、93%未満
×:89%未満
(2)曲げ加工性
曲げ加工性は、作製した各高反射性塗装鋼板のオモテ面を外側、ウラ面を内側にしてウラ面どうしを合わせるように曲げ加工する。その際、ウラ面間に試験片と同板厚の鋼板を1枚、2枚、3枚・・・と全板厚を変化させて挟み曲げ径Rを変化させて密着曲げ加工する。曲げられた試験片のオモテ面側にクラックが入らない最大板厚枚数で以下のように評価した。評価結果を表5に示す。
オモテ面側にクラックが入らない最大板厚枚数
○:0〜1枚
△:2〜3枚
×:4枚以上
<ウラ面の評価>
(3)耐指紋性
耐指紋性は、作製した各高反射性塗装鋼板の裏面をJIS K 2246:2007に規定される人工指紋液に20℃雰囲気下で1分間浸漬し、浸漬前後の色差(ΔE)について、以下の評価基準に従って評価した。ここで、ΔEは、日本電気(株)社製カラーコンピュータで測定されるL値、a値、b値を用い、以下の計算式に従い算出したものである。評価結果を表5に示す。
Figure 2009000947
、a、b:試験前の値、L、a、b:試験後の値
○:ΔE≦1
△:1<ΔE≦3
×:3<ΔE
表7より、実施例1〜14の高反射性塗装鋼板は、比較例1〜3のものに比べて、高い反射率を有していることがわかった。また、実施例1〜14の高反射性塗装鋼板は、耐指紋性に優れており、曲げ加工性についても良好な値を得ていることがわかる。
Figure 2009000947
Figure 2009000947
Figure 2009000947
Figure 2009000947
Figure 2009000947
Figure 2009000947
Figure 2009000947
この発明によれば、一方の面が特許文献1や2に開示されているような従来の高反射性フィルムを貼り合わせたアルミニウム複合板に比べて、同程度以上の反射率を有し、他方の面が耐指紋性に優れた塗装鋼板及びバックライトシャーシを安価に提供が可能となった。
本発明による高反射性塗装鋼板の断面を示した模式図である。
符号の説明
1 高反射性塗装鋼板
2 反射塗膜
3 化成皮膜
4 亜鉛めっき層
5 鋼板
21 樹脂相
22 顔料相

Claims (5)

  1. 鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相とからなる反射塗膜を形成し、該反射塗膜は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成することを特徴とする高反射性塗装鋼板。
  2. 鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面に形成した化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、ポリエステル系樹脂を含有する樹脂相と、酸化チタンを含有する顔料相とからなる反射塗膜を形成し、該反射塗膜は、総膜厚が30〜100μmであり、厚み方向10μmあたりに存在する前記顔料相の平均個数が20〜30個であり、前記他方の面に形成した化成皮膜上に、シリカと、有機樹脂とからなる耐指紋性皮膜を形成することを特徴とする高反射性塗装鋼板。
  3. 前記ポリエステル系樹脂は、分子量が10000以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の高反射性塗装鋼板。
  4. 前記酸化チタンは、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の高反射性塗装鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の高反射性塗装鋼板を前記耐指紋性皮膜が凸表面となるようにプレス加工を施してなる液晶バックライトシャーシ。
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