JP6343505B2 - 建築用外装材 - Google Patents

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本発明は、外装用プレコート金属板、とりわけ、屋根、壁などの建築用外装材や、室外機や制御ボックスなどの電気機器用外装材のように、遮熱性が要求される用途における外装材として使用されるプレコート金属板に関するものである。
金属板の表面に、化成処理皮膜および下塗り塗膜を介して、様々な塗膜を形成したプレコート金属板は、品質の安定性や需要家での塗装工程省略による合理化など多くのメリットがあることから、建材、家電、厨房その他の分野に広く使用されている。
特に、亜鉛や、亜鉛−アルミニウム合金などの亜鉛合金をめっきした鋼板(以下、亜鉛系めっき鋼板と記す)の表面に、化成処理皮膜および下塗り塗膜を介して焼付け型塗膜を表面に形成したプレコート鋼板は、屋根、シャッター、外壁、各種パネル、家電機器や事務機器の筐体、家具などに既に広く使用され、窯業系材料に比べて軽量であることから、特に外装用途に広く使用されている。
しかしながら、プレコート金属板は窯業系材料に比べて熱伝導性が高いため、太陽光の照射により、金属板表面温度だけでなく建物内部の温度上昇を招き、その結果として冷房コストが増加するという問題があった。
このような問題を解決するために、成形加工されたプレコート金属板の裏面に断熱材を貼り付ける方法が実施されているが、作業工程が煩雑であり、コストアップの原因となっている。また、倉庫や物置などの比較的小型の建物では、プレコート金属板の裏面がそのまま内壁として使用されることが多く、この方法は適していない。
さらに、金属板の外面側に設けられる塗膜中に中空ビーズなど熱遮蔽効果のある材料を添加する方法も実施されている。しかし、効果を得るためには塗膜を膜厚数百μm程度の厚膜とする必要があるため、コストがかさむことに加え、プレコート金属板への適用が困難であるという問題があった。
一方、プレコート金属板にも利用可能な外装材用塗料組成物も提案されており、例えば、特許文献1には、日射反射率が8.0%以上である黒色顔料を含む塗料組成物が記載されている。前記黒色顔料としては、Fe23やCr23などからなる焼成顔料が用いられている。
特許文献2には、太陽熱反射率が40%以上である基材の表面に、太陽熱反射率が20%以上である顔料を含有する塗膜を有する塗装金属板が記載されている。前記顔料としては、不溶性モノアゾ顔料である「PY154」や無機顔料「PY34」が用いられている。
また、特許文献3には、カーボンブラックを含有する塗膜を基板の両面に設けた塗装体が記載されている。前記塗膜は、カーボンブラックを含有しているため、優れた放熱性を有している。
特開2001−311049号公報 特開2000−279881号公報 特開2004−74412号公報
しかし、特許文献1〜3に記載されている技術は、いずれも部材の外面側となる塗膜に顔料を添加することを必須としており、色調や光沢の選択に制約があった。例えば、特許文献2に記載されている塗装金属板ではPigment Yellowと呼ばれる黄色の顔料を使用しているため塗膜は黄色であり、特許文献3に記載されている塗装体では、顔料としてカーボンブラックを用いているため塗膜が黒色であった。
また、特許文献3に記載されている塗装体は、電子機器の内部で発生する熱を外部へ放出することを目的としたものであるため、太陽光が照射された際の遮熱性には劣っており、屋外で使用される外装材には適していなかった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、外装用途に好適で、太陽光の照射などによる金属板および内部の温度上昇を抑制する効果を有し、かつ、色調の自由度が高いプレコート金属板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね、その結果、外装用プレコート金属板の一方の面にカーボンブラックを含有しない塗膜を設けるとともに、他方の面にカーボンブラックを含有する塗膜を設け、前記カーボンブラックを含有する塗膜の明度を低くすることにより、太陽光などによる金属板および外装材内部の温度上昇を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)金属板と、前記金属板の一方の面の最外層に形成された塗膜と、前記金属板の他方の面の最外層に形成された塗膜とを備え、前記一方の面の最外層に形成された塗膜がカーボンブラックを含有せず、前記他方の面の最外層に形成された塗膜がカーボンブラックを含有し、前記裏面塗膜表面の明度(L*値)が30以下であること、を特徴とする外装用プレコート金属板。
(2)前記金属板が、亜鉛めっき鋼板または亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板であることを特徴とする前記(1)に記載の外装用プレコート金属板。
(3)前記金属板が、少なくとも一方の面に化成処理被膜を有していることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の外装用プレコート金属板。
(4)前記金属板が、少なくとも一方の面に下塗り塗膜を有していることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の外装用プレコート金属板。
(5)前記他方の面の最外層に形成された塗膜が、カーボンブラックを1.0質量%以上含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の外装用プレコート金属板。
(6)前記他方の面の最外層に形成された塗膜が、3〜10μmであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の外装用プレコート金属板。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の外装用プレコート金属板を用い、前記一方の面が外面側、前記他方の面が内面側となるよう製造された外装材。
本発明によれば、金属板の一方の面の最外層に形成された塗膜にカーボンブラックを含有させないことに加え、他方の面の最外層に形成された塗膜にカーボンブラックを含有させ、明度を低くすることによって、プレコート金属板の遮熱性を向上させることができる。本発明のプレコート金属板を外装材として利用することにより、内部の温度上昇を抑制することができ、特に建築用外装材として用いた場合には冷房コストを低減することもできる。また、本発明のプレコート金属板は、外装材の外面側となる塗膜がカーボンブラックを含有しないため、色調の自由度が高く、多様な外観の外装材を製造することができる。
遮熱特性の評価に用いた装置の概略図である。 ランプ点灯中と消灯後における温度変化を示すグラフである。
次に、本発明を具体的に説明する。
本発明のプレコート金属板は、金属板と、前記金属板の一方の面の最外層に形成された塗膜と、前記金属板の他方の面の最外層に形成された塗膜とを備える。本発明においては、前記一方の面の最外層に形成された塗膜がカーボンブラックを含有せず、前記他方の面の最外層に形成された塗膜がカーボンブラックを含有し、かつ、前記カーボンブラックを含有する塗膜の明度(L*値)が30以下であることが重要である。
本発明のプレコート金属板を用いて外装材を製造する際には、プレコート金属板の前記一方の面を外面(オモテ)側、前記他方の面を内面(裏)側とする。そこで、以下の説明では、前記一方の面の最外層に形成される塗膜をオモテ面塗膜、前記他方の面の最外層に形成される塗膜を裏面塗膜と呼ぶこととする。
・ 金属板
下地となる金属板としては、鋼板、アルミニウム板、チタン板、銅板など、各種の金属板を使用できる。鋼板としては、冷延鋼板、ステンレス鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板などを使用することができる。亜鉛系めっき鋼板としては、加工性、耐食性、塗装性、などの性能バランスのよい亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板が好ましく、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板としては、亜鉛―5%アルミニウム合金めっき鋼板、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板が特に好ましい。これらのめっき鋼板としては、溶融めっき、電気めっき、いずれの方法によって製造されたものも使用できる。
・ 化成処理皮膜
本発明のプレコート金属板では、金属板の少なくとも一方の面に化成処理被膜を設けることが好ましい。化成処理皮膜の種類は特に限定されないが、クロメート皮膜、リン酸塩皮膜、およびシリカなど金属酸化物を主成分とする皮膜、有機樹脂薄膜などを用いることができる。環境への影響を重視する場合には、クロメートを含まないいわゆるクロメートフリータイプの化成処理皮膜を用いることが好ましい。化成処理皮膜は、耐食性を向上させる効果や、金属板と塗膜との密着性を向上させる効果を有する。化成処理皮膜は金属板の一方の面のみに設けてもよいが、両面に設けることがより好ましい。
化成処理皮膜の形成方法は、特に限定されず、浸漬型、塗布型、いずれも使用できる。塗布型の化成処理を採用する場合には、化成処理液をロールコーターなどにより金属板表面へ連続的に塗布し、その後乾燥させることにより化成処理皮膜を形成することができる。前記乾燥は、熱風や誘導加熱などの手段を使用し、80℃〜200℃程度の到達板温で行うことができる。
・ 下塗り塗膜
本発明のプレコート金属板では、金属板の少なくとも一方の面に下塗り塗膜を設けることが好ましい。前記下塗り塗膜は、金属板の一方の面のみに設けてもよいが、両面に設けることがより好ましい。
下塗り塗膜の材質は特に限定されず、各種公知の下塗り塗料を用いて形成することができる。中でも、主剤樹脂としてエポキシ系樹脂及び/またはポリエステル系樹脂を用い、硬化剤としてアミノ樹脂やポリイソシアネート化合物を用いた下塗り塗料を使用することが好ましい。下塗り塗膜は、耐食性や、上層の塗膜と素地との間の密着性を向上させる効果を有しており、前記効果を得るために、膜厚を2〜20μmとすることが好ましい。膜厚が2μm未満であると充分な耐食性が得られず、一方、20μmを超えると加工性や耐キズ付き性が低下すると共に製造コストも上昇するため好ましくない。
・ オモテ面塗膜
次に、本発明のプレコート金属板において、金属板の一方の面の最外層に形成される塗膜、すなわちオモテ面塗膜について説明する。
オモテ面塗膜は、金属板の表面に直接設けることも可能であるが、化成処理皮膜および下塗り塗膜を介して、上塗り塗膜として設けることが好ましい。
オモテ面塗膜の材質は特に限定されず、プレコート金属板用として公知の各種塗料を用いて形成することができる。特に、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂、あるいはフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂のブレンドからなるフッ素系樹脂を主成分とする塗料が好ましい。塗料の詳細については後述する。
本発明では、オモテ面塗膜にカーボンブラックを含有させないことが重要である。カーボンブラックは、塗膜の着色用として一般的に使用されている顔料であるが、幅広い波長の光を吸収する性質を有している。本発明ではオモテ面塗膜にカーボンブラックを含有させないことにより、太陽光が照射された際の温度上昇を抑制することができる。また、黒色であるカーボンブラックを含まないことに加え、特許文献1〜3に記載されている技術のように特定の顔料を添加することを必要としないため、製品の外観を決定する上で重要な外面の色調の自由度が高い。
オモテ面塗膜の厚さは、5〜30μmとすることが好ましい。5μm未満では、色調や外観を安定させることが困難であり、一方、30μmを超えると加工性が低下するため好ましくない。
・ 裏面塗膜
次に、本発明のプレコート金属板において、金属板の他方の面の最外層に形成される塗膜、すなわち裏面塗膜について説明する。
オモテ面塗膜と同様に、裏面塗膜は金属板の表面に直接設けることも可能であるが、化成処理皮膜および下塗り塗膜を介して、上塗り塗膜として設けることが好ましい。裏面塗膜に用いる樹脂は特に限定されず、オモテ面塗膜と同様に各種の樹脂材料を用いて形成することができる。塗料の詳細については後述する。
裏面塗膜の厚さは、3〜20μmとすることが好ましく、3〜10μmとすることがより好ましい。3μm未満では色調外観を安定させることが困難であり、一方、20μmを超えると加工性の低下を招くので好ましくない。
本発明では、裏面塗膜がカーボンブラックを含有し、明度(L*値)が30以下となっていることが重要である。外装材の遮熱性向上を図る場合、太陽光が照射される面である外面(オモテ面)の塗膜を改良するのが一般的な手法であるが、本発明では、オモテ面塗膜にカーボンブラックを含有させないことに加え、裏面、すなわち内面側の塗膜の成分とL*値をコントロールすることによって、外装材自身と内部の温度上昇を抑制する。
ここで、L*値とは、L***表色系におけるL*値を意味し、白色度の指標となる値である。L*値は、JIS K5600−4−4(1999年)に準拠して求めることができる。
カーボンブラックを含有させてL*値を30以下とすることにより、塗膜が接している空間の熱を吸収する作用を得ることができる。特に、内部の温度が外部の温度よりも高くなる夜間においては、内部の熱を外部に放出する効果があるため、プレコート金属板自体とその内部の温度上昇を抑制することができる。温度上昇の抑制効果を高めるためには、L*値を25以下にすることがより好ましい。
本発明では、L*値を30以下にするために、裏面塗膜にカーボンブラックを含有させる。黒色顔料にはカーボンブラック以外にも様々なものがあるが、本発明においてはカーボンブラックを用いる必要がある。カーボンブラックは非晶質なので、面配向の規則性がなく、熱反射率が極めて低く、吸熱性が大きいためである。前記L*値を達成するためには、裏面塗膜におけるカーボンブラックの含有量を固形分比率で1.0質量%以上とすることが好ましく、2.0質量%以上とすることがより好ましい。
また、裏面塗膜の表面におけるL*値を30以下にするために、カーボンブラックを塗膜に含有させることに加え、黒色系の下地処理を行うことも可能である。黒色系の下地処理としては、黒色の化成処理皮膜を設ける方法や、素材金属板の表面に黒色系のフィルムをラミネートする方法が使用できる。
上記黒色の化成処理皮膜の形成には、各種公知の方法が使用できるが、金属板表面にめっき層を形成した後、金属板を処理液に浸漬するか、処理液中で電解処理するかして、黒色の化成処理皮膜を形成する方法が好ましい。なかでも、亜鉛―ニッケル合金めっき鋼板を硝酸や硝酸銀を含む浴で浸漬処理または陽極電解処理する方法が、より好ましい。また、黒色系のフィルムをラミネートする方法としては、必要に応じて接着剤を介して、加熱した金属板にフィルムを加圧して貼り付ける方法が挙げられる。
・ オモテ面塗膜、裏面塗膜用塗料
次に、本発明における塗膜の形成に利用できる塗料について説明する。
本発明におけるオモテ面塗膜と裏面塗膜の形成には、ポリエステル系樹脂およびエポキシ系樹脂の少なくとも一方を主剤樹脂とし、さらに前記主剤樹脂を架橋させるための硬化剤を含有する塗料を用いることが好ましい。
主剤樹脂として用いるポリエステル樹脂は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有することが好ましい。前記水酸基は、分子の末端または側鎖のいずれにあってもよい。前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は1000〜20000であることが好ましく、1200〜15000であることがより好ましく、1500〜12000であることがさらに好ましい。数平均分子量が1000未満では加工性が著しく低くなる。一方、数平均分子量が20000を超えると高粘度になるため多量の稀釈溶剤が必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため適切な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配合成分との相溶性も著しく低下する。
主剤樹脂として用いるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなどのビスフェノール類と、エピハロヒドリンもしくはβ−メチルエピハロヒドリンとからなるエポキシ化合物、またはこれらの共重合物を使用することができる。また、これらのエポキシ化合物のモノカルボン酸あるいはジカルボン酸変性物、モノ、ジもしくはポリアルコール変性物、モノもしくはジアミン変性物、モノ、ジもしくはポリフェノール変性物もエポキシ樹脂として使用できる。
上記硬化剤としては、尿素、ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドとの反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化したものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹脂などを挙げる事ができる。
上記塗料における硬化剤の配合比は、樹脂固形分中での割合で9〜50質量%とすることが好ましい。9質量%未満では塗膜硬度が十分でなく、一方、50質量%を超えると加工性が不十分となる。
・ 塗膜用添加剤
塗膜には、目的、用途に応じて、各種公知の添加剤を配合することができる。前記添加剤としては、酸化チタン、弁柄、マイカなどの着色顔料や、アルミニウム粉、マイカなどのメタリック顔料、炭酸塩や硫酸塩などの体質顔料、シリカ微粒子、ナイロン樹脂ビーズ、アクリル樹脂ビーズなどの各種微粒子、p−トルエンスルホン酸などの硬化触媒、ワックスなどを用いることができる。
外装材には長期耐久性、特に耐食性が求められるため、塗膜中に少なくとも1種の防錆顔料を添加することが好ましい。前記防錆顔料としては、クロム酸ストロンチウムなどのクロム酸塩、バナジン酸、リン酸、シリカなどの金属酸化物あるいはその化合物を使用することができる。これらの防錆顔料は単独でも用いることができるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。耐食性向上効果を得るために、塗膜における防錆顔料の合計含有量を全固形分に対し3質量%以上とすることが好ましい。
・ 製造方法
本発明の外装用プレコート金属板は、通常のプレコート金属板の製造に用いられる、いわゆる連続塗装ラインで製造することができる。塗膜を形成するための塗料は、ロールコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で金属板に塗布される。その後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの方法により焼き付け乾燥を行って塗膜を得る。
以下、実施例に基づいて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明する。
素材金属板として、板厚0.35mmの溶融亜鉛めっき鋼板(JIS G3302、Z18)を使用した。前記溶融めっき鋼板の両面に、ロールコーターによって塗布型クロメート系化成処理液を塗布した後、熱風乾燥炉を用いて乾燥を行い、化成処理皮膜を形成した。クロメート皮膜の付着量は金属クロム換算で付着量を40mg/m2とした。前記乾燥は、到達板温80℃の条件で行った。
次いで、得られた金属板の一方の面に下塗り塗料を塗布し、220 ℃で35 秒間焼き付けて下塗り塗膜を形成した。下塗り塗料としては、メラミン硬化型ポリエステル樹脂系塗料(日本ファインコーティングス社製、PXプライマー)を使用した。さらに、その上層にカーボンブラックを含まないブラウン色の上塗り塗料を塗布し、230℃で30秒間焼き付けてオモテ面塗膜を形成した。下塗り塗料と上塗り塗料の塗布は、ロールコーターによって行った。下塗り塗膜と上塗り塗膜(オモテ面塗膜)の膜厚は、それぞれ乾燥膜厚で4μm、15μmとした。
また、比較のために、カーボンブラックを約2%含有するブラウン色の上塗り塗料を用いたプレコート鋼板も作成した(比較例1、4)
つづいて、金属板の他方の面に裏面塗膜を形成した。塗布方法と、乾燥条件はオモテ面塗膜と同様である。表1に示すとおり、L*値とカーボンブラック含有量が異なる数種類の裏面塗膜を用いたプレコート鋼板を作成し、それぞれの遮熱特性を評価した。
なお、各プレコート鋼板のL*値は、スガ試験機株式会社カラーメーターを使用して測定した。
Figure 0006343505
・ 遮熱特性の評価
遮熱特性の評価に使用した装置の概略を図1に示す。図1中、1は光源(熱源)としてのレフランプ(100V)、2は試供材、3は断熱材からなる保温容器である。試供材表面とレフランプとの間の距離は120mmとした。
上述の処理によって得た各プレコート鋼板を、長さ300mm、幅200mmに切断して試供材を作成した。得られた試供材を、オモテ面塗膜がレフランプ1側となるように保温容器2の開口部に設置し、レフランプ1から20分間光を照射した。レフランプ1の点灯中と、消灯後20分間にわたって、試供材裏面側表面の板温測定点4と、試供材裏面から50mm離れた容器内温度測定点5における温度を連続的に測定した。測定結果を表1および図2に示す。
オモテ面塗膜がカーボンブラックを含む比較例1、4に比べて、カーボンブラックを含まない発明例1〜3では、光の照射に伴う板温の上昇が緩やかであり、容器内部の温度も低く保たれていることが分かる。また、オモテ面塗膜がカーボンブラックを含まない場合でも、裏面塗膜のL*値が30より高い比較例2、3では、L*値が30以下である発明例に比べて板温、容器内温度ともに高かった。
このように、プレコート金属板の一方の面にカーボンブラックを含有しない塗膜を設け、他方の面にカーボンブラックを含有し、かつL*値が30以下である塗膜を設けることによって、光が照射された際の温度上昇を抑制することができた。この遮熱性の高さに加え、本発明のプレコート金属板はオモテ面塗膜の色調の自由度が高いため、外装用プレコート金属板として有用である。本発明のプレコート金属板は、外装材、特に、屋外で用いられる電気機器用外装材や建築用外装材に好適に用いることができる。
1:光源(レフランプ)
2:試供材
3:保温容器
4:板温測定点
5:容器内温度測定点

Claims (5)

  1. 金属板と、
    前記金属板の一方の面の最外層に形成された塗膜と、
    前記金属板の他方の面の最外層に形成された塗膜とを備え、
    前記一方の面の最外層に形成された塗膜がカーボンブラックを含有せず、
    前記他方の面の最外層に形成された塗膜が固形分比率で1.0〜3.3質量%のカーボンブラックを含有し、
    前記他方の面の最外層に形成された塗膜の表面における明度(L*値)が30以下である外装用プレコート金属板を用い、前記一方の面が外面側、前記他方の面が内面側となるよう製造された建築用外装材。
  2. 前記金属板が、亜鉛めっき鋼板または亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の建築用外装材。
  3. 前記金属板が、少なくとも一方の面に化成処理被膜を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の建築用外装材。
  4. 前記金属板が、少なくとも一方の面に下塗り塗膜を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の建築用外装材。
  5. 前記他方の面の最外層に形成された塗膜の膜厚が、3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の建築用外装材。



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