JP4983305B2 - 塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル - Google Patents

塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛系めっき層およびクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に特定の皮膜構造を持つ下塗り塗膜と上塗り塗膜を形成した、バーリング加工性に優れる塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネルに関するものである。本発明の塗装鋼板は、例えば液晶テレビやプラズマテレビのような薄型テレビ用パネルで代表されるAV機器などの素材として使用することができる。
通常、プレコート鋼板では、外面側の下塗り塗料に主として変性ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を使用することで、下地鋼板との密着性、耐食性などを確保し、また、外面側の上塗り塗料にポリエステル系、アクリル系塗料などを使用することで、主として耐汚染性、意匠性、耐傷付き性、バリア性などを付与している。
また、プレコート鋼板には、高硬度、高加工性、耐汚染性、耐薬品性、耐水性、耐食性などの多くの性能が要求される。なかでも塗装・焼付けを行った後にプレス加工が施されるプレコート鋼板にとって、加工性、特にプレス加工性は非常に重要な性能である。ここでいうプレス加工性とは、平らな金属板から種々の形状に加工していく際の折曲げ、絞り、切断などの工程において塗膜の損傷が少ないことを指し、比較的温和な曲げ加工などの加工においては、塗膜自身の伸びや柔軟性の程度が大きいほど加工性は良好となるが、絞り加工のような厳しいプレス加工では塗膜の伸びや柔軟性のみならず、変形や加工時の応力に耐え得る強度と耐傷付き性も重要となってくる。
このようなプレコート鋼板の要求特性に対して、例えば、特許文献1では、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂(硬化剤)、防錆顔料、有機高分子微粒子などを配合した塗料組成物を塗装することにより、1コートで加工性、耐食性、密着性、耐衝撃性、耐スクラッチ性、意匠性を満足させる塗装鋼板が提案されている。
特開平9−111183号公報
特許文献1に記載された塗装鋼板は、化成皮膜としてクロムを含有するクロメート系皮膜を用いることを想定しており、これは環境上好ましくなく、また、クロメート皮膜は硬質であり、加工性に劣るため、前記塗装鋼板に、図1(a)及び(b)に示すようなバーリング加工を施した場合、加工部分の塗膜が剥離し、その後の耐食性を維持することができないという問題があった。なお、バーリング加工とは、平板に下穴をあけて、円筒状にストレッチ、フランジングする加工であり、ネジ部を得るものである。
したがって、本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を解決し、鋼板の両面に、亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、特定の皮膜構造を有する下塗り塗膜と、有機樹脂皮膜である上塗り塗膜を形成することで、従来の性能を維持しつつ、バーリング加工性に優れた塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネルを提供することにある。
一般的に、塗装鋼板における下塗り塗膜は、下地(鋼板)との密着性の効果を有し、上塗り塗膜は、耐食性の効果を有する。前記塗装鋼板にバーリング加工を施した際、塗膜が剥離するという問題があり、バーリング加工後の塗装鋼板にセロハン粘着テープを貼り付け、これを引き剥がし、塗膜が剥離した界面について、X線分析でさらに詳しく調べた。その結果、図2に示すように、鋼板と化成皮膜との間で剥離していることがわかった。本発明者らは、上記の課題を解決して優れた性能の塗膜の塗装鋼板を得るために検討を重ねたところ、バーリング加工を施すと、上塗り塗膜に欠陥が生じ、塗膜全体に生じた応力の低減ができないため、鋼板と化成皮膜の間で剥離が生じること見出した。そして、さらに鋭意検討を行った結果、下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に積極的に部分的欠陥を有することで、塗膜全体の応力を低減でき、バーリング加工性に優れた塗装鋼板が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、上塗り塗膜を形成し、バーリング加工を施した塗装鋼板であって、前記バーリング加工後の下塗り塗膜/化成皮膜界面近傍に部分的な欠陥を有し、該欠陥の生成割合が5〜60%であり、かつ下塗り塗膜と上塗り塗膜の合計膜厚が10μm以下であることを特徴とする塗装鋼板。
(2)前記下塗り塗膜は、顔料の含有量が、5〜60質量%であることを特徴とする上記(1)記載の塗装鋼板。
(3)前記顔料は、TiO2、Cブラック、Mg処理トリポリリン酸Al、Ca処理トリポリリン酸Al及びMg交換SiO2の中から選ばれる1または2種以上である上記(2)記載の塗装鋼板。
(4)前記鋼板の他方の面は、導電荷重が500g以下であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)のいずれか1項記載の塗装鋼板。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の塗装鋼板を用い、該塗装鋼板の前記一方の面が凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる加工品。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の塗装鋼板を用い、該該塗装鋼板の前記一方の面が外部に露出する凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる薄型テレビ用パネル。
本発明によれば、鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、上塗り塗膜を形成した後にバーリング加工が施され、バーリング加工後の下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に、内部応力低減するための部分的な欠陥を有し、該欠陥の生成割合が5〜60%であり、かつ下塗り塗膜と上塗り塗膜の合計膜厚が10μm以下であることを特徴とする、バーリング加工性に優れた塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネルを提供することが可能となった。
以下、本発明の構成と限定理由を説明する。
本発明の塗装鋼板は、鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、上塗り塗膜を形成した後にバーリング加工が施され、該バーリング加工後の下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に、部分的な欠陥を有し、該欠陥の生成割合が5〜60%であり、かつ下塗り塗膜と上塗り塗膜の合計膜厚が10μm以下であることを特徴とする塗装鋼板である。
(亜鉛系めっき)
本発明の塗装鋼板の下地鋼板となる亜鉛系めっき鋼板としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(例えば、溶融亜鉛−55質量%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−5質量%アルミニウム合金めっき鋼板)、鉄−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、黒色化処理後のニッケル-亜鉛合金めっき鋼板などの各種亜鉛系めっき鋼板を用いることができる。
(化成皮膜)
亜鉛系めっき層を有するめっき鋼板の両面に化成皮膜を形成する。前記化成皮膜は、環境の観点よりクロムを含有しない化成皮膜とする。この化成皮膜は、主としてめっき層と下塗り塗膜との密着性向上のために形成される。密着性を向上するものであればどのようなものでも支障はないが、密着性だけでなく耐食性を向上できるものがより好ましい。密着性と耐食性の点からシリカ微粒子を含有し、耐食性の点からリン酸及び/又はリン酸化合物を含有することが好ましい。シリカ微粒子は、湿式シリカ、乾式シリカのいずれを用いても構わないが、密着性向上効果の大きいシリカ微粒子、特に乾式シリカが含有されることが好ましい。リン酸やリン酸化合物は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸など、これらの金属塩や化合物などのうちから選ばれる1種以上を含有すれば良い。さらに、アクリル樹脂などの樹脂、シランカップリング剤などの1種以上を添加してもよい。なお、前記化成皮膜の膜厚は、膜厚が薄いと密着性及び耐食性に不利となる傾向にあり、膜厚が厚いと電磁波シールド性に不利となる傾向があるので、0.02〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
上記のような化成皮膜を有することにより、従来のクロメート皮膜と同程度の耐食性、密着性を有することが可能となる。
(下塗り塗膜)
下塗り塗膜は、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上であって、上塗り塗膜の下層として形成される。バーリング加工後の前記下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に、内部応力低減するための部分的な欠陥を生成させ、該欠陥の生成割合が5〜60%となる必要がある。本発明者らは、図2に示すように、塗装鋼板にバーリング加工を行うと、加工部分の塗膜が剥離するという問題について、バーリング加工によって塗膜全体に生じる応力が塗膜の剥離と関係していることに着目し、問題の解決策について鋭意検討を行った。その結果、バーリング加工時に前記下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に積極的に欠陥を生成させ、生成した前記欠陥の割合が5〜60%となるように制御することで、バーリング加工時に発生する塗膜/化成皮膜の部分的な欠陥により、バーリング加工時に塗膜にかかる応力を低減し、塗膜の剥離を抑止することができることを見出した。
ここで、図3は、本発明による塗装鋼板1のバーリング加工した部分の塗膜/化成皮膜界面を断面より観察した図である。下塗り塗膜2/化成皮膜3の界面4近傍に生じる欠陥5の生成割合とは、バーリング加工部の長さLに対する部分的な欠陥の発生長さ(a+b+c)の割合((a+b+c)/L×100%)であり、この割合((a+b+c)/L×100%)が5〜60%の範囲内となる必要がある。5%未満では、バーリング加工時に塗膜に生じる応力を十分に低減することができないため、塗膜が剥離する恐れがあり、60%超えでは、欠陥長が長すぎるため、密着性が劣化するためである。
前記欠陥の生成割合の測定方法としては塗膜/化成皮膜近傍の部分的欠陥を特定できる方法であれば限定はなく、例えば、図4に示すように、走査型分析電子顕微鏡(SEM-EDX)により測定する方法が挙げられる。図4中のCに示しているように、黒色の部分が前記下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に生じる欠陥であり、その部分の長さを測定することで欠陥の生成割合を得ることができる。その他の測定方法としては、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による測定等がある。
下塗り塗膜は、従来から用いられている組成のものを用いればよいが、例えば、変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂の中から選択される少なくとも1種の有機樹脂で構成することが、下地鋼板との密着性、耐食性などを確保する上で好ましい。
また、前記下塗り塗膜は、顔料の含有量が、5〜60質量%であることが好ましい。5質量%未満では、前記下塗り塗膜が強靭なため、バーリング加工された際の塗膜全体にかかる応力の低減を十分に行うことができず、上塗り塗膜の破壊が生じる恐れがあり、60質量%超えでは、前記下塗り塗膜が破壊し、塗膜剥離が発生するためである。さらに、前記顔料は、TiO2、Cブラック、Mg処理トリポリリン酸Al、Ca処理トリポリリン酸Al及びMg交換SiO2の中から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。これら顔料の種類は要求される特性に応じて、防錆顔料、着色顔料のうちから選択すればよい。
(上塗り塗膜)
上塗り塗膜は、前記下塗り塗膜上に、形成する有機樹脂皮膜である。この有機樹脂皮膜としては、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられるが、特に、主として耐汚染性、意匠性、耐傷付き性、バリア性などを付与する点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを使用することが好ましい。
下塗り塗膜と上塗り塗膜の総膜厚は、塗装作業の合理化や省資源化の観点から10μm以下の必要がある。
なお、下塗り塗膜の膜厚は、1〜5μmの範囲であることが好ましい。下塗り塗膜の膜厚が1μm未満だと、耐食性と化成皮膜との密着性が不十分となるからであり、前記膜厚が5μm超えだと、塗装作業の合理化や省資源化の観点から不利となるからである。
また、上塗り塗膜の膜厚は3〜7μmの範囲であることが好ましい。上塗り塗膜の膜厚が3μm未満だと、意匠性とバリア性が不十分となるからであり、前記膜厚が7μm超えだと、塗装作業の合理化や省資源化の観点から不利となるからである。
上塗り塗膜、下塗り塗膜および後述する有機樹脂層の膜厚は、断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察し、1視野につき任意の3箇所の膜厚を求め、少なくとも5視野を観察し、合計15箇所以上の平均値とする。
また、前記上塗り塗膜は、塗膜が10μm以下と薄いと、鋼板の素地面の色や疵が部分的に透けて見える可能性があり、膜厚変動が±1.5μm程度あると、明度(L値)が変化する恐れがあるため、安定した意匠性を得るために、鱗片状Alを6〜12質量%含有することが好ましい。従来の塗装鋼板のように塗膜が厚い場合に適用しても構わないが、特に、下塗り塗膜と上塗り塗膜の総膜厚が3〜10μmの範囲と薄い場合に、上述したような効果が顕著である点で好ましい。
前記上塗り塗膜中に含有させるAlの形状として鱗片状が好ましい理由は、鋼板の表面を効果的に被覆することができるからである。ここでいう「鱗片状Al」のサイズは、具体的には、平均粒径が5〜50μm、平均厚が0.02〜0.7μmのものを意味する。なお、平均粒径と平均厚は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察して任意の10個について平均値を求めたものである。前記平均粒径は、鱗片状Alの平面部を平面に対して垂直方向から観察したときの、最大径と最小径の平均値を1個のAlの粒径として10個の平均値とする。前記平均厚は、鱗片状Alを断面方向の任意の2箇所で測定したときの厚さの平均値を1個のAlの厚さとして10個の平均値とする。
また、鱗片状Alの含有量として6〜12質量%が好ましい理由は、6質量%未満だと、上塗り塗膜内の鱗片状Alで、鋼板の表面を十分に覆うことができず、安定した意匠性が得られなくなるからであり、12質量%超えでは、鱗片状Alが上塗り塗膜内で何層も重なりあって形成され、上塗り塗膜自体を脆くすることがある他、コストの上昇を招くからである。
さらに、鱗片状Alは、有機樹脂で被覆したものであることが、上塗り塗膜を構成する有機樹脂との密着性が高まり、バリア性(耐塩酸性や耐アルカリ性)が向上する点で好ましい。樹脂被覆は、その厚みとして0.02μm以上であると、優れたバリア性が得られ、0.08μm以下で充分な効果が得られる。したがって、樹脂被覆は、その厚みを0.02〜0.08μmとすることが好ましい。また、鱗片状Alを表面被覆する有機樹脂としては、アクリル樹脂が挙げられる。
前記鱗片状Alは、水面拡散面積が10000〜50000 cm2/gであることが好ましく、より好適には20000〜40000 cm2/gである。なお、ここでいう「水面拡散面積」とは、具体的には、JIS K 5906:1998に規定されるように、試料を石油系スピリット又はアセトンで洗浄・乾燥して粉末化し、その粉末を水面上に散布し、一様にAl末が被覆したときの面積(cm2/g)を意味する。この水面拡散面積は、鋼板の表面を覆う(隠蔽する)面積(表面積)と比例関係にあるため、水面拡散面積が大きいほど、鋼板の表面を覆う表面積が大きくなることを意味する。
前記鱗片状Alの水面拡散面積として10000〜50000 cm2/gが好ましい理由は、10000 cm2/g未満だと、鋼板の表面を覆う面積が小さくなり、前記鋼板の素地面の色や疵を十分に隠蔽することができなくなる傾向があるからであり、また、50000 cm2/g超えだと、鱗片状Alが上塗り塗膜内で何層も重なりあって形成され、上塗り塗膜自体を脆くする傾向があるからである。
また、本発明の塗装鋼板を、例えば薄型テレビ用パネルとして使用する場合には、プレス加工したパネルの内面になる塗装鋼板の裏面は、溶接や電磁波シールド等の必要性から導電性を有することが必要となる。
かかる場合には、鋼板の他方の面にも、上述のクロムを含有しない化成皮膜を有することで、従来のクロメート皮膜と同程度の耐食性と密着性を有するとともに、優れた導電性も有すること、具体的には、導電荷重を500g以下とすることが、電磁波シールド性の点で好ましい。さらに好ましいのは300g以下とすることである。導電荷重は表面抵抗が10−4Ω以下となる最小荷重である。
耐食性の要求度がそれほど高くない用途には、この他方の面はクロムを含有しない化成皮膜だけを形成し、特に電磁波シールド性に優れた塗装鋼板として提供できる。
また、耐食性の要求度が高い用途には、この他方の面は、化成皮膜の上に有機樹脂層を設けて耐食性を向上させることが好ましい。有機樹脂層の有機樹脂種としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。有機樹脂層はCaイオン交換シリカを含有することがさらに優れた耐食性を得るために好ましい。
有機樹脂層の膜厚が0.1μm未満では耐食性に不利となり、また1μm超えでは電磁波シールド性に不利となるので、0.1〜1μmが好ましい。
上述の塗装鋼板は、深絞り加工、張り出し加工、曲げ加工のうちのいずれか1以上のプレス加工が施され、さらに電磁波シールド性が要求される電子機器及び家電製品等の用途で使用される部材、特にバーリング加工によりネジ部加工される部材に好適である。例えばプラズマディスプレーパネルや液晶テレビなどの薄型TVの背面パネルに使用すると、大型のパネルであっても優れた電磁波シールド性が発現される。
次に、本発明の塗装鋼板の製造方法について説明すると、本発明の塗装鋼板は、被塗装鋼板である亜鉛系めっき鋼板の両面に先に述べた化成処理を施した後、下塗り塗膜用の塗料を、片面、または必要に応じて他方の面には有機樹脂層用の塗料を、塗布、加熱して、下塗り塗膜を形成した後、前記鋼板の一方の面のみに、上塗り塗膜用の塗料を塗布、加熱することにより製造される。
上塗り塗膜用塗料に鱗片状Alを混合し攪拌した塗料を塗布して加熱すればよい。
上塗り塗料、下塗り塗料の塗布方法は特に限定しないが、好ましくはロールコーター塗装で塗布するのがよい。塗料の塗布後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により加熱処理を施し、樹脂を架橋させて硬化させた上塗り塗膜、下塗り塗膜を得る。加熱条件は温度170〜250℃(到達板温)で、時間20〜90秒の処理を行うことが好ましく、これによって上塗り塗膜、下塗り塗膜を形成し、塗装鋼板を製造する。
ここで、加熱温度が170℃未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、加熱温度が250℃を超えると熱による塗膜の劣化が起こり、意匠性が低下し、さらに塗装作業の合理化や省資源化の観点から好ましくない。また、処理時間が20秒未満では架橋反応が十分に進まないため、十分な塗膜性能が得られない。一方、処理時間が90秒を超えると製造コスト面で不利となる。本発明の塗装鋼板は、さらに塗装鋼板裏面の耐食性を高める目的で、前記した有機樹脂層用の塗料を鋼板裏面にも同様の方法で塗装するのが好ましい。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
本発明の実施例について説明する。
(本発明例1〜10及び比較例1〜2)
塗装用亜鉛系めっき鋼板として、各々板厚0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:EG)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe含有量:10質量%、めっき種記号:GA)、溶融亜鉛めっき鋼板(めっき種記号:GI)、溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:4.5質量%、めっき種記号:GF)、黒色化電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(Ni含有量:12質量%、めっき種記号:EZNB)および溶融Zn−Alめっき鋼板(Al含有量:55質量%、めっき種記号:GL)を準備した。めっき鋼板のめっき付着量を表1に示す。なお、鋼板の一方の面(オモテ面)と他方の面(ウラ面)のめっき付着量、およびめっき組成は同一とした。準備しためっき鋼板に脱脂処理を行った後、以下の(i)〜(iV)の処理工程を行い、塗装鋼板を作製した。
(i)オモテ面に化成処理液を塗布し、加熱20秒後に到達板温100℃となるように加熱し、表3に示す組成のオモテ面の化成皮膜を形成した。
(ii)次に、ウラ面に化成処理液を塗布して表3に示す組成のウラ面の化成皮膜を形成した後、オモテ面に表1に示す含有量の顔料を有する下塗り塗料を塗布し、加熱30秒後に到達板温が210℃になる加熱処理を行い、表4に示すオモテ面の下塗り塗膜(3μm)を形成した。
(iii)その後、オモテ面に上塗り塗膜として表1に示す組成となる上塗り塗膜用塗料を、膜厚が2μmまたは6μmになるように塗布した後、ウラ面に、必要に応じて表5の組成となるように防錆顔料を添加した有機樹脂塗料を塗布した後、加熱開始から50秒後に到達板温が230℃となる加熱処理を行い、表1と表2に示すオモテ面の上塗り塗膜とウラ面の有機樹脂層を形成した。
(iV)その後、エリクセン押し出し装置を用いて、試験用鋼板に後述するバーリング加工を施し、バーリング加工部の端面近傍50μm長さの範囲の塗膜/化成皮膜界面近傍の断面を観察し、欠陥生成率をSEM−EDXにより測定した。
作製した塗装鋼板のオモテ面、ウラ面の化成皮膜、下塗り塗膜、上塗り塗膜および有機樹脂層の構成を表1および表2に示す。
以上のようにして得られた塗装鋼板(上塗り塗膜の膜厚が2μm)について各種試験を行った。本実施例で行った試験の評価方法を以下に示す。
<オモテ面の評価>
(1)バーリング加工後塗膜密着性
バーリング加工後塗膜密着性は、バーリング加工を施した各塗装鋼板に粘着テープを貼り付け、これを引き剥がした後の塗膜の剥離状態を観察し、以下の評価基準に従って評価した。バーリング加工は、5.5mmφの下穴をあけた後、オモテ面を上方とし、図1(b)に示すように、下方から13mmφのパンチで、10mm高さ円筒押し出した。
○:バーリング加工立ち上がり部mにのみわずかな剥離あり
×:連続的な剥離あり
(2)バーリング加工後耐食性
バーリング加工後耐食性は、上記のようにバーリング加工を施した各塗装鋼板にSST試験(塩水噴霧試験:JIS Z 2371−2000)に供し、塗膜の剥離状態を観察し、以下の評価基準に従って評価した。
○:穴端面n側から立ち上がり部mに至らない剥離のみ発生
×:穴端面n側から立ち上がり部mに至る剥離が発生
(3)明度安定性
明度安定性は、上塗り塗膜の膜厚が2μmと6μmの塗装鋼板の色調(L* )の差を分光式色差計(“SQ2000”日本電色工業株式会社製)を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
○:△L* ≦1
△:1<△L* ≦2
×:△L* >2
(4)素地面隠蔽性
素地面隠蔽性は、塗装用亜鉛系めっき鋼板のオモテ面を、先端が金属のペンで傷を付けたのち、前記した処理工程を行ない塗装鋼板を作製した。塗装鋼板のオモテ面を目視で観察し以下の評価基準に従って評価した。
○:傷がわからない
△:傷がややわかる
×:傷が明瞭にわかる
(5)耐塩酸性
20℃、5質量%HCl水溶液に裏面と端面をシールした試験片を24時間浸漬した後、ニチバン(株)製のセロハン粘着テープを貼り付け、これを引き剥がした後の、塗膜残存面積率を目視で評価した。
○:塗膜剥離なし
△:塗膜残存面積率が100%未満50%以上
×:塗膜残存面積率が50%未満
<ウラ面の評価>
(6)導電性
低抵抗測定装置(ロレスタGP:三菱化学(株)製:ESPプローブ)を用い、塗装板のウラ面の表面抵抗値を測定した。その時、プローブ先端にかかる荷重を20g/sで増加させ、表面抵抗が10−4Ω以下になった時の荷重値で以下のように評価した。
表面抵抗が10−4Ω以下になった時の荷重値
○:10点測定の平均荷重が300g以下
△:10点測定の平均荷重が300g超700g以下
×:10点測定の平均荷重が700g超960g以下
上記各試験の評価結果を表6に示す。
これによれば、実施例1〜10の塗装鋼板は、いずれも優れたバーリング加工性及びバーリング加工後耐食性を有し、さらに、明度安定性及び素地面隠蔽性を有していることがわかる。また、ウラ面は導電性に優れる。さらに、短時間で加熱処理を行っても十分な性能が得られており、製造の際の高速操業に非常に適していることが判る。
本発明によれば、鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、上塗り塗膜を形成した後にバーリング加工が施され、該バーリング加工後の下塗り塗膜/化成皮膜の界面近傍に、内部応力低減するための部分的な欠陥を有し、該欠陥の生成割合が5〜60%であり、かつ下塗り塗膜と上塗り塗膜の合計膜厚が10μm以下であることを特徴とする、バーリング加工性に優れた塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネルを提供することが可能である。
バーリング加工を施した従来の塗装鋼板の加工部分を模式的に示したものであり、(a)が斜視図、(b)が(a)のI−I断面図である。 バーリング加工を施した従来の塗装鋼板の剥離部分の状態を示した図であって、(a)は剥離状態を模式的に示した斜視図であり、(b)は(a)中の剥離面(X面及びY面)をX線分析した結果を示す図である。 バーリング加工した塗装鋼板の加工部分の塗膜/化成皮膜界面近傍を断面を模式的に示した断面図である。 バーリング加工を施した塗装鋼板の加工部分を観察した断面写真である。
符号の説明
1 塗装鋼板
2 下塗り塗膜
3 化成皮膜
4 下塗り塗膜/化成皮膜界面
5 欠陥
6 上塗り塗膜
7 めっき鋼板
a、b、c 欠陥の発生長さ
L バーリング加工部の長さ
m バーリング加工の立ち上がり部
n バーリング加工の穴端面

Claims (6)

  1. 鋼板の両面に亜鉛系めっき層及びクロムを含有しない化成皮膜を順次形成し、前記鋼板の一方の面の化成皮膜上に、下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に、上塗り塗膜を形成し、バーリング加工を施した塗装鋼板であって、
    前記バーリング加工後の下塗り塗膜/化成皮膜界面近傍に部分的な欠陥を有し、該欠陥の生成割合が5〜60%であり、かつ下塗り塗膜と上塗り塗膜の合計膜厚が10μm以下であることを特徴とする塗装鋼板。
  2. 前記下塗り塗膜は、顔料の含有量が、5〜60質量%であることを特徴とする請求項1記載の塗装鋼板。
  3. 前記顔料は、TiO2、Cブラック、Mg処理トリポリリン酸Al、Ca処理トリポリリン酸Al及びMg交換SiO2の中から選ばれる1または2種以上であることを特徴とする請求項2記載の塗装鋼板。
  4. 前記鋼板の他方の面は、導電荷重が500g以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の塗装鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の塗装鋼板を用い、該塗装鋼板の前記一方の面が凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる加工品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の塗装鋼板を用い、該塗装鋼板の前記一方の面が外部に露出する凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる薄型テレビ用パネル。
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